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【破ァッ!!】寺生まれのTさんスレ

1名無しさん:2015/03/02(月) 17:10:29 ID:/sxxuDok
寺生まれのTさんのスレッドです。
ちかとものコメ欄に書き込んでいただくのも嬉しいのですが、1レス800字縛りとかもありますし、可読性がよろしくないので、こちらも使ってみてください!

2chikatomo:2015/03/02(月) 17:12:38 ID:/sxxuDok
とりあえず、今までブログのコメ欄に投稿のあったものをこちらにも貼っていきます!

3青いネックレス 1/10:2015/03/02(月) 17:20:06 ID:/sxxuDok
ある日、女子高生のA子さんは友達のB子さんに、B子さんが東北地方への温泉旅行で買ってきたという不思議な「ネックレス」を見せてもらう。何の宝石かは分からないが、それには青白い光を放つ石がついていて、B子さんはとても気に入った様子で、A子さんに自慢してきた。
そしてその日から、B子さんは毎日この「ネックレス」を身に付けるようになった。

しかし、それから何日か経つと、B子さんは急に学校に来なくなってしまう。心配したA子さんがB子さんの家にお見舞いに行くと、B子さんは「何だか、金属アレルギーになってしまったみたい。」と語り、よく見るとB子さんの「ネックレス」をしている周りの皮膚が炎症を起こしており、所々皮が剥けている部分もあった。A子さんは心配に思ったが、「大丈夫、そのうち治るから。」というB子さんの言葉におされ、学校でB子さんの回復を待っていると約束を交わした。
しかし、その後もB子さんが学校に来ることはなかった。

それから一ヵ月ほど経ったある日、B子さんから「うちに来てほしい」とのメールが届き、A子さんはすぐにB子さんの家へと向かった。A子さんがB子さんの家に着くと、そこには完全に変わり果ててしまったB子さんの姿があった。ガリガリに痩せこけた体、ほとんど抜け落ちてしまった髪の毛、それに皮膚も黒っぽく変色している。
驚いて言葉も出ないA子さんに、B子さんは震える手で「これを受けとって欲しいの…。」と言いながら、あの青白く光り輝く「ネックレス」を渡してきた。「もう私にはいらないから………。」
か細い声でB子は言うと、A子さんにネックレスを押し付けた。
「ごめんね、少し寝るね。
必ず……大好きなA子ちゃんに持っててほしいから必ず持って帰ってね……」
そう言ったきりB子さんは目を閉じてしまった。

4青いネックレス 2/10:2015/03/02(月) 17:20:59 ID:/sxxuDok
B子さんから「ネックレス」を託されたA子さんは少し気味が悪いな、とは思ったが、不吉に思うなんて闘病しているB子さんにも失礼な気がしていたし、何よりも正直ちょっとだけ羨ましいと思っていた「ネックレス」が手に入って浮かれた気持ちも半分あったので、裸で持ち、失くしては大変だと思い、早速首からぶら下げて帰路についた。

光にきらきらと反射する青い石はとてもキレイで、A子さんはもう不吉に感じていた気持ちは吹き飛んでいた。
胸元の青い石を見つめていて、うっかり向かいから来る人たちとぶつかりそうになってしまうほど夢中だった。

「あ、ごめんなさい。よそ見していて……」
A子さんはそう言うと体をさっと左に躱す。
「あ、大丈夫っすよ!こちらこそ大男が二人も広がって歩いてすみませんっす!」
袈裟を来たお坊さんに、十字架をぶら下げた神父さん、それにおみくじ売り場にいそうな巫女の女の子という珍妙な3人組が横を通り過ぎて行く。

「……T。見たか?」
「おう、見たぜ。ありゃー良くねぇなぁ」
「え、K様、T様、一体何のことっすか!?」
「かーっ!!Jちゃんもまだまだだなぁ。破ァ〜、いつでも注意をいろんなとこに向けとかないとだめだゾ!」
「はいっ!精進しまっす!!ところで良くないものとは……?」

「お嬢さん」
A子さんの横を通り過ぎた神父の格好をした男が呼び止める。
「は、はい?」
突然話しかけられたA子さんは不審そうに返事をした。
「大変不躾な質問をさせていただきますが……、その「ネックレス」はどちらで?」
「ネ、ネックレス……ですか?」
初対面の見知らぬ神父に何故身につけているネックレスのことを聞かれないといけないのか、という疑問が頭を過るA子さんだが、問いかける神父の方はA子さんをジッと見つめて目を離さない。

5青いネックレス 2/10:2015/03/02(月) 17:21:34 ID:/sxxuDok
「そのキレイな青い石のネックレスです。どちらで?」
そう言いうとなお一歩近づいてA子さんの顔をジッと見つめる。
「……」
A子さんはこの時すでに走って逃げ出したい気持ちにかられていた。

「破ァ〜、おいおいKさんよぉ。本当にお前は不躾だなぁ。お嬢さんに対してそんな訊き方はねぇだろう」
神父の背後からニュッと顔をのぞかせたと思うと、今度は袈裟の坊さんがA子さんの正面に立つ。
中腰になると「ネックレス」の10cmぐらいまで顔を寄せる。

「これ。キレイだなぁ」
「は、はい。ありがとうございます……」
「このネックレス。最近貰ったもんだよなぁ」
「!」
A子さんは顔をひきつらせる。
「な、なぜそんなことを……」
何故坊さんがさっきB子さんに貰ったことを知っているのか、何故そんな質問を見知らぬ神父と坊さんにされなければならないのか、という思いが一つの質問として飛び出す。
「お友達に貰ったの?それとも知らない誰かからのプレゼント?」
ネックレスから目を離し顔を上げた坊主の男は、笑顔を見せながら質問を続けた。

男の笑顔を見ただけで何故かA子さんはさっきまで感じていた不信感が吹き飛んでしまったそうだ。
素直に男たちの質問に答える気になっていた。

「……友達……からです。ついさっき……貰いました」
坊主の男は難しい顔をすると、
「そぉかぁ、お友達かぁ」
と呟くと坊主頭を撫で上げた。

「T様、この石……」
T様と呼ばれた坊主は頷くと、再びB子さんに向き直る。

「破ァ〜、お友達ってことならちょっと言いにくいんだけどよぉ。
このネックレス、アンタへの『呪い』が込められちゃってるわ」
「の……の、呪い……ですか……?」
Tさんの突拍子もない一言にA子さんは固まる。

6青いネックレス 4/10:2015/03/02(月) 17:26:54 ID:/sxxuDok
「そぉなんだよ。残念なんだけどさ。
これはまだ生霊だな。
これをくれたお友達って今病気してるよな。今にも亡くなってしまいそうなほどの」
「!」
きっとちょっと前までお友達が身につけてたネックレスだったはずだ。
それを病に臥せっちまったもんで、アンタにプレゼントとして寄越した。そうだろ?」
「!!!」
A子さんのついさっきの状況を見て来たようにピタリと言い当てる坊主のTさん。

「「「それに」」」
坊主と神父と巫女の女の子3人が同時に声を出す。
「お!?Jちゃんも、もう分かった?」
「もちろんです。兄様のですから……」
そう言って一瞬悲しそうな顔を見せた、Jちゃんと呼ばれた少女はA子さんにこう質問した。

「きっと、お友達は旅行か何かで東北に行って、このネックレスを購入してきたはずです。どこかの神社で」

「!」
確かにA子さんはB子さんにそう聞いていた。

『温泉旅館の近くの山道を登ったところに歴史の有りそうな神社があってね。そこで……』

「残念ですが、このネックレスには2重、いや3重の呪いがかかっていると思われるっす。
信じて欲しいっすが、今!直ちに!これを外したほうがいいっす」
A子さんは目をパチクリさせる。
この時、突拍子もないことではあるが、とても嘘を言っているとは思えないと感じたそうだ。

7青いネックレス 5/10:2015/03/02(月) 17:27:26 ID:/sxxuDok
「Jちゃん、3重まで見抜くとは素晴らしいですね」
「破はっ!Jちゃんも成長してるってことよ!
それじゃあJちゃん、このお嬢さんに3重について説明してやってくれ。ただ今すぐ外せって言っても納得しにくいだろ」
「了解っす」
Jちゃんは再びA子さんに向き直る。

「一つはその神社の神主……実は私の兄様なんですが、兄様の呪いがかかっているっす!このネックレスをして亡くなった方を眷属として呼びだそうとする魂胆だと思います。生前から呪いを掛けていたほうが式の力が高まりますから」
「……」
A子さんの知らない単語が続々と出てくる。
「次に……これは直接呪いとは違うんですが、効率よく呪い殺すために、なにか良くない『石』が使われているようです」
「よくない……石ですか?」
「はい、そうっす!青くてきれいな石ではありますが、これは石自体が良くないはずっす!呪いがなくてもヤバい気配がプンプンっす!」
「ヤバい……石……」
A子さんは病床に臥せるB子さんの姿を思い浮かべる。
説得力は十分だと感じた。

「最後に……これは兄様の呪いとは全然関係ないと思うのですが……」
最後の呪いの説明だけJちゃんは言い淀む。
何か言いにくいことを言おうとしているのだろう。
ただ……、A子さんにはこの時Jちゃんが何を言おうとしているのかを既に察していた。

8青いネックレス 6/10:2015/03/02(月) 17:27:57 ID:/sxxuDok
「B子さんの……、お友達の呪い……なんですね……」

「ほう」
神父さんが感嘆の声をあげる。
「破ァっはっは!大したもんだ。
その通りだぜ、残念だがお友達は自分の石で呪いを連鎖させようとしちまった。Nの呪いも何も関係ないところでな」
豪快に笑い飛ばしながらTさんが後を繋ぐ。
と思いや真面目な顔をすると、
「でもな、お嬢さん。急速にNの呪いと石の力で命が弱まっていく中での出来事だ。
だからこそお友達の呪いの力がかなり強く入っちまってるが、お友達を許してやってくれるかい?」
A子さんにはB子さんを怨みに思う気持ちはもうなかった。
なんだかこの3人の近くにいるだけでそんな黒い気持ちが浄化されていくような不思議な幸福感があった。

「はい。もちろんです」
ハッキリとした口調で、A子さんはTさん達をまっすぐ見つめてそう言った。

「破ァっはっは!よし、偉いぜ!
となると次は後始末をしなきゃなんねぇな」
「とにかく早くそのネックレスを外したほうがいいでしょう。できれば手にも持たないほうが良い」
そう言ってKさんが手を差し出す。
A子さんは慌ててネックレスを外すとKさんの白い手袋の上にネックレスを渡した。

「アーメン」
Kさんがそう言うとネックレスを握った手が、微かに発光しているようにみえた。

「この状態なら大丈夫。ただどこかで調査する必要がありますね」
「そうだなぁ、俺達は全員科学者ではないからなぁ。まぁこのまま破ァして壊しちまってもいいが、Nの手の内を識るためにも調べておきてぇなぁ」
「そ、それなら!」
A子さんが慌てて口を挟む。

9青いネックレス 7/10:2015/03/02(月) 17:28:28 ID:/sxxuDok
「親戚のおじさんが宝石店をやってるんです。石の事詳しいから……調べてもらえると思います!」
「お、そうか!それは助かるぜ!」
「では私がネックレスの方を担当します。TとJちゃんは……」
「おう、そっちは任せとけ!」
「任せて下さいっ!」
「呪いを掛けて生霊飛ばしまくってるお友達をちょっと助けてくるわ!
逝くぜッ、Jちゃん!」
「はいっ!T様っ!」

そう言い残して二人は颯爽と消え去ってしまった。
……。
あの二人。
B子さんの家は分かるのだろうか?
そんなA子さんの表情を見抜いたのか、KさんがA子さんに説明した。

「心配ありませんよ。これだけ呪いの力があって、これだけ近ければ迷わず二人は着きます。
ほら、あそこに見えるマンションの7階でしょう?」
そう言ってKさんはB子さんのマンションを指さす。
と同時にB子さんの部屋から、まるでネックレスの宝石と同じような青白い光が放たれているのが見えた。
「もう始めてるようですね。
それよりも早速このネックレスを調べてしまいましょう」
「は、はい分かりました!」

A子さんは携帯電話を取り出すと親戚のおじさんに電話をする。
「今から行っても大丈夫だそうです!」
「では参りましょう」

親戚のおじさんが経営している宝石店に「ネックレス」を持って行き、調べてもらうことにした。

10青いネックレス 8/10:2015/03/02(月) 17:29:00 ID:/sxxuDok
「おじさん、いきなりごめん。コレなんだけど……」
Kさんがネックレスをカウンターに置く。
「ほう、キレイな色だなぁ」
おじさんはルーペでまじまじと石を観察する。
「でもあんまり見ない石だなぁ。
すまんけどすぐには分からんわ。ちょっと成分分析してみよか。結果は明日になるけど……」
A子さんはKさんを振り返る。
「構いませんよ」
「おじさん、じゃあそれでお願いします!」

すると翌日の朝、おじさんからA子さんに怒鳴り口調で電話がかかってきた。
「こんな危険なものどこで手に入れたんだ!?この青白い石はウランの結晶なんだぞ!!」
「ウ、ウラン!?」
聞いたことはあるけど宝石だと思っていたA子さんにはピンと来ない。
「放射能だよ!最高に有害な!こんなもんうちにも置いとけねぇぞ!!」
「それには及びません」
激昂するおじさんの電話口の向こうから聞き慣れた声がする。
「お、アンタか!今A子に電話してたんだけどな、この石のことで!」
「はい、聞こえてましたよ。こちらはNが何を媒介にしていたか分かれば今回はそれで十分。
早速浄化しますよ」
「じょ、じょう〜か〜」
電話口の向こうで二人は会話を続けている。
「ふふっTもやりたがっていたようですけどね。ここに来るのが遅いのが悪い。
それにあなたにはとても幸運なことでしたよ。
Tに宝石店を破壊されなくて済んだんですから」
「お、おめー、何言って……」
「アーーーーーーーーーーーーーーメン!!!」
思わずA子さんは受話器を耳から離した。
突然の大音声に耳鳴りが止まない。
「う、うわーーーーーーーーーーーーーーーー」
おじさんの悲鳴も聞こえる!
「もしもし!もしもし!おじさんっ、大丈夫!?」
「もしもし!もしもし!」

「もしもし!もしもし!」

「もしもし!」

11青いネックレス 9/10:2015/03/02(月) 17:29:37 ID:/sxxuDok
何度目かの呼びかけでおじさんの返事がやっと返事をしてくれた。
「A子か……」
「おじさんっ!大丈夫?どうしたの?」
「おぉ、今な。神父の野郎が突然叫んで、青い石を手で覆ったかと思ったらな、なんか真っ白い景色に包まれちまって……。
一瞬のことだったと思うんだが、視界が戻ったらもう神父の野郎がいねぇ」
「Kさんが……」
「おおぅ!?」
「なに?今度はなに?おじさんっ!?」
「ウランが……、ウランが……石ころになっちまってる!!」

12青いネックレス 10/10:2015/03/02(月) 17:30:15 ID:/sxxuDok
3日後、B子さんの母親からA子さんに電話が入った。
B子さんのお母さんの、啜り泣くような、しかし気丈な声がA子さんに届く。
「B子、もう長くは持たないそうなの……。最後にA子さんとお話したいと……。
もしお時間があれば、来てあげてくれないかしら……」
「すぐ行きます!」
そういうと取るものもとりあえず、A子さんはB子さんのもとに走った。


--


キレイな青空に煙が立ち上っていくのをA子さんは見つめていた。
今、B子さんは白い煙となって天国へ向かっていく。
最後の会話はもう私が泣きじゃくっていてよく覚えていない。
だけどB子さんの穏やかな表情はよく覚えている。
ネックレスのことでB子さんに謝られたと思う。
でもそんなこと私にはもうどうでもよかった。
良くなって欲しかった。
これからも友達をしていたかった。
……。
それでも。

それでもあの人達に会えてよかった。
B子さんの言葉がふと蘇る。

「A子さんには本当に悪いことをしてしまった。
ごめんね。
だけどね、最後の最後にね。
寺生まれのTさんと神社生まれで巫女のJちゃんが私を救ってくれたの」

青い石のネックレスの呪いはもうない。
あの3人はB子さんも私も救ってくれた。

「私きっとまたこの世界に還ってくるわ。笑顔で」
B子さんと交わした本当に最後の言葉。

もう、煙も見えなくなりそうだ。
あとには雲ひとつない青空が広がっている。

寺生まれのTさん。
教会生まれのKさん。
神社生まれで巫女のJちゃん。

あの人達ってほんとに凄い。
改めて私はそう思った。

14chikatomo:2015/03/02(月) 18:01:17 ID:???
元ネタはこちら!
http://chikatomo.doorblog.jp/archives/42846999.html

15泉の広場の女 1/4:2015/03/02(月) 18:03:44 ID:/sxxuDok
三年近く前、泉の広場のところでヘンな女がうろついていた。通勤の帰りによく見かけた。
三十前後で、赤い色のデザイン古そなドレスっぽい服着てて、小柄で、顔色悪く目がうつろ。

三年近く前、泉の広場のところでヘンな女がうろついていた。通勤の帰りによく見かけた。
三十前後で、赤い色のデザイン古そなドレスっぽい服着てて、小柄で、顔色悪く目がうつろ。
髪は背中近くまであって、伸ばしっぱなしに見えた。
目立つ服の色と、なんか独特の雰囲気があって、目がいってしまう。
でも怖い(キ印っぽい)感じして、何気なく観察はしても、目はあわせんようにしてた。
女はいつも広場の中をうろうろしてた。
地下出口を出たとこの何本か外れた飲み屋筋に、立ちんぼのねーちゃんの多い場所があって、そこのねーちゃんかな?と思ってた。

ある日の仕事帰り、広場内の薬局の店頭でコスメの安売り見てた。
私は買い物するの時間かけるほうで、そん時も多分一時間近く店にいたと思う。
その夜も女は広場をうろついていて、いつものことなんで特に気にとめてなかった。

でも、店から出た時、視線感じて顔上げると、広場の真ん中の噴水を隔てて女がこっち見てた。
なんかヘンな感じがした。
私は目が悪くて、眼鏡かけてても、少し離れた場所だと相手の顔とかよく見えないのに、女は妙にくっきり見えたんよ。3Dみたく。

16泉の広場の女 2/4:2015/03/02(月) 18:04:16 ID:/sxxuDok
目があった途端、気持ち悪くなった。
何か本能的に怖くて、びしぃ!とチキン肌立って。
うわ、ヤバい。でも何が?
自分でも思考回路謎のまま、それでも反射的に店内に戻ろうとしたけど、金縛りかかったみたいに身体が動かん。
助け求めようとして、声すら出ないことに気付いた。
いつもふらふら歩いてるはずの女が、すっと素早く近寄ってくる。
明らかに普通じゃない様子で、髪振り乱してドレスの裾ゆらしてこっち来るのに、誰も気付いてくれない。
もの凄い顔で笑ってて、その表情の怖さにふーっと気が遠くなった。
だって、目のあるとこ、全部黒目にかわってるんやで。
怖い、もうあかんって思ったときに、いきなり誰かが後ろからぎゅっと腕を掴んできた。
驚いて顔上げる(ここで身体の自由が戻った)と、袈裟を着た男の人と巫女さんみたいな背の低い女の子で、話しかけようとしたら「静かにしろ」って小声で注意された。
呆然として顔見上げてると、男の人はますます手をぎゅーっと握ってきて、怖い顔で前を見てる。
「T様!ダメですよ、ここでは!」
「しかし彼女を解放してあげなくては!」
「とにかくここではダメです!こんなトコで撃ったら弁償代がどれだけ逝くか……」
巫女さんの女の子は店を見回して青い顔をしている。
T様と呼ばれた男は噴水の方向を凝視している。

吊られて視線戻したら、女がすぐそばに立ってて、男の人を呪い殺しそうな目つきで睨んでた。
すごい陰惨な顔してて、怖くて横で震えてたけど、女はもう、うちのことは眼中にない感じで、「…………殺す……」ってつぶやく。
「破っはっは!よっしゃあああ、いい度胸だ。表に出てもらおう!」
男は満面の笑顔で黒目の女に喧嘩を売っている。
「……ちっ」
女は舌打ちすると、男の人の横をぶつかるみたいに通りすぎて、店内に入ってった。

17泉の広場の女 3/4:2015/03/02(月) 18:04:40 ID:/sxxuDok
「T様。彼女この地下街から出れないんじゃ……」
「おそらくそうだな。ここはじゃあJちゃんに任せるわ」
「分かりました。では」
そういうとJちゃんは胸の前で印を結ぶ。
「滅っ!」

「ぐぎゃああああああああああああああああああああああ」
その瞬間店の中から、この世のものとも思えぬ叫び声が聞こえる!
「もう少しの辛抱です!」
Jちゃんの体がぼうっと発光しているようにみえる。
断末魔の叫びはまだ続いているっ!
でもそれなりに混んでる店内の他の客が全くそちらに注意を払わないという異常な光景だった。

「さけ……さけびごえがっ……」
やっとのことでそれだけ声に出すと手を握り合っているT様を振り向く。

「おっと。君にはちょっとキツイか」
男の人はその後、私をぐいぐい引いて、駅構内までくると、やっと手を離してくれた。
駅が賑やかで、さっきあったことが信じられんで呆然としてると、
「大丈夫か?」って声かけてきたんで、頷いたけど、本当はかなりパニクってたと思う。
相手の名前聞いたりとか、助けてもらった?のにお礼言うとか、まともにできなかった。

18泉の広場の女 4/4:2015/03/02(月) 18:05:08 ID:/sxxuDok
男の人は改札まで見送ってくれた。
別れ際に「もうあそこ通ったらいかんぞ」とか言われて、
「でも仕事あるし。それにあの女の人はもう……」
「命惜しかったらやめとけ」
答えようがなくて黙ってると、
「今日は運よかったんだ。君の守護さんが俺を呼んで、君を守ってくれたんだぞ」
「………………」
「たまたまなんだ。わかるか?
君が助かったの、たまたま守護さんがわかる俺たちが、たまたまそばにいた、それだけのことだ。
彼女は確かにもういない。でもここは溜まりやすいんだ。
いくら俺でも街の形を変えることはできない。
そんなことをしたらJちゃんにどつかれるからな!
な、もう通らん方がいい」
守護さんって何やのん。守護霊のことか?
霊なんて見たことなかったから、自分の体験したのが何なのかわからなかった。(正直、今もわからない)
女はどう見ても生身の人間に見えた。
それで返答に困ってると、その人は私に何度も「一人で通るなよ」と繰り返して、行ってしまった。

未だにアレが何だったのかわからない。
私は二ヶ月後、そこの仕事場辞めたけど、その間、夜は泉の広場を一度も通らなかった。
男の人も女の子も、黒目の女も全部謎。
男の人の名前、T様っていってたっけ。助けてくれたんなら(今も半信半疑だけど)お礼言いたかった。
反面、かつがれたんかな?と思わなくもない。(でも目的は何さ?)
すっきりしない。

ところがさ、最近オカルト関係のブログとか読み始めてみたらTさん超有名人でびっくりしたで。
今はTさんが注意してくれた泉の広場にTさんに会いたくて通ってるんや。
でも最近また私を見つめる視線を感じる。
Tさんと泉の女、どっちに先に会うんかな……。

19chikatomo:2015/03/02(月) 18:14:14 ID:/sxxuDok
泉の広場の女の元ネタ

http://chikatomo.doorblog.jp/archives/27061692.html

20二階の燃え方変やね 1/2:2015/03/02(月) 18:15:19 ID:/sxxuDok
543: 本当にあった怖い名無し 投稿日:2009/06/29(月) 17:50:01 ID:Qaze1SRJ0
去年の冬、実家の近所で深夜に火事がありました。

火事のあった家と実家の間に小学校のグラウンドがあり、私の部屋はその家が見える位置にありました。
その家は過去に二度、長男のタバコの不始末などで小火を出していました。
部屋から火事の様子を見ていると、町内の人達の騒ぎ声や叫び声で母が起きて私の部屋に来ました。
母と二人で近くまで言って見ようとなり、野次馬だらけの道路ではなく高台にある小学校に行きました。

私達は、調度その家の二階の窓を道路を挟んで少し見下ろす場所から火事を見ていました。すると母が、
「二階の燃え方、変やね」と言いました。よく見ると一階はボーボーと全体が燃えていて、二階は部屋
の中央で炎が踊っているように見えました。窓越しに炎が左右に動いたり伸び上がったりするのを、
何だろうと眺めていると「消防車はまだかー!」と怒号が聞こえて来ました。下を見るとバケツリレー
で消火してました、サイレンの音は見当違いの方向で行ったり来たりしてました。

私は二階の炎を見続けていました、暫く見ていると、炎は部屋の中央に止まって一瞬巨大な炎になったかと思うとあっというまに拡散して周辺の日が亡くなってしまいました。
それと同時に2つの光が飛び去ったように見えました。
それから5分程で消防車が2台来て、まだ燃え盛っている箇所に放水を始めました。パトカーと救急車も1台づつ来てました。
消防隊員に罵声を浴びせる方々も居ました。 私達は体が冷え切っていたので、家に帰りました。

21二階の燃え方変やね 2/2:2015/03/02(月) 18:15:57 ID:/sxxuDok
翌日、通学前に火事の家を見ると半焼状態で真っ黒でした。帰宅して母から火事の詳細を聞きました。
隣家の方の話では、あの家は前から一家離散していて家に住んでいたのはご主人だけだったそうで、
「御主人、気が狂ってたって、毎晩犬みたいに吠えたり家中をドタバタと走り回る音がしてたって。
しばらく音がしなくなってたと思ったら家で首を吊ってたって」
と聞いた瞬間ゾッとして、私は「どこで!?」
と聞くと母は下を向いて「二階でって」と教えてくれました。

二階。あの炎が変な動きをしたところだろうか?
「でもねぇそれが変なのよ」
「変?」
「うん、近くで見てた人に聞いたんだけどね。
ご主人一人暮らしだったはずなのに、家の中から声がハッキリ聞こえたって」
「声?」
背筋が凍る。幽霊でもいたっていうの?それとも犯罪者?
「……どんな声が聞こえてたの?」
「それがねぇ、変なのよ。
『T様、だから出力下げてって言ったじゃないですか!』
とか
『すまんすまん、破ァッ!!』
みたいなまったく場所にそぐわない声をハッキリ聞いたらしいのよ」

あ……。
Tさんだ。
寺生まれのTさんと神社生まれのJちゃんだ……。

私達はあのとき、生きたままTさん達が燃えているのを見続けていた…
今でもあの光景を忘れられない…

なぜTさんはいつもああなんだろう……。
改めて思った。Tさんの除霊は紙一重だと。

22名無しさん:2015/03/02(月) 18:17:43 ID:/sxxuDok
元ネタ

http://chikatomo.doorblog.jp/archives/42863503.html

23名無しさん:2015/03/02(月) 18:20:29 ID:/sxxuDok
これは同僚に聞いた話。
もう何年もの付き合いになるが、普段は無口であまり社交的とは同僚だった。
ただ、気付いたのは何年目の事だったか定かではないが、一年に一度だけ決まった日に有給休暇を取る。
そしてその日が近づくと無口な同僚が、一層落ち込んでいくように見えた。

今年もその日が近づいてきた。
やはり今年もひどく落ち込んでいるようにみえる。
いや、何かに恐怖しているのだろうか。
野次馬根性かもしれないが、無口ながらも誠実な同僚に親近感を感じていた私は、どうしても同僚の有給の訳を知りたくなってしまった。

「今日終わったら、軽く飲みに行かないか?」
有給が明日に迫ったその日、私は友人をつれ出してみることにした。
「……。ああ、いいよ」
「!」
誘ったのは私だがまさか応じてくれるとは思わなかった。
今から話すのはそこで同僚に聞いた話だ。
同僚はひどく酔っ払ってしまった。
こうして書き起こしてみると、直接聞いた私にも俄には信じがたい風習だ。
とても信じられるものではない。
しかし、それでもなお同僚の話は真実であると私は感じている。
酔っぱらいの戯言ではないと思う。
誘いに応じてくれた時に、第三者に話すことを決めていたのだろう。
実際に人が亡くなり、関係者であった同僚の語り口は嘘ではなかったと思う。
前置きが長くなって申し訳ないが、そんな話を皆さんに聞いてほしい。

24 テンジンキギャクリョウキョウ 2/5:2015/03/02(月) 18:21:13 ID:/sxxuDok
そもそも天神逆霊橋っていうのは、神奈川の話ではない。
詳しい地名は失念してしまったが、東北の方のある村の話だった。
その村では悪さをする子どもに、「天神様の橋を渡らせるよ」と言って嗜めるのだ。
天神様の橋というのは、その村からそう遠く離れていない山中にある吊り橋で、その橋を渡ることは禁忌とされていた。

ただ、一年に一回だけその橋を渡る日があった。『逆霊祭り』の日である。
逆霊祭りとは我々が良く知るお盆の様なもので、死者の霊が帰ってくる日を祝う、といった趣旨のものである。
そして逆霊祭りには、死者の霊を労うという名目で『イケニエ』の儀式も行われていたのだ。
8〜12歳位の子どもがイケニエとして選ばれる。
選ばれた子どもは、村の年長者に連れられ橋を渡っていく。
そして、神社に置いていかれるのだ。
翌日には棺桶のようなものに入れられたイケニエが、村に連れられて帰ってくる。
イケニエは村に帰ってくると、棺を開けられることもなくそのまま埋められる。

ある年の祭りの夜、一人の男が天神橋を密かに渡った。
男はその前の年の祭りで、自分の息子を亡くしているのだ。
もちろん、彼の息子はイケニエに選ばれたのである。
男は自分の息子に何があったのか知りたかった。だから、村では禁忌とされている橋を渡ったのだ。

橋を渡りきり、獣道のような道なき道を小一時間ほど進んでいくと、伝えられているとおり神社があった。
境内には灯篭があり、それには火が灯っていた。そのため、薄暗いが境内の様子は見る事ができた。
境内には誰もいなかった。
男は社のほうに向かおうとした。イケニエはそこにいると思ったのだ。
しかし、聞こえてきた足音に、男は近くの木の陰に身を隠さざるを得なかった。

25 テンジンキギャクリョウキョウ 3/5:2015/03/02(月) 18:21:42 ID:/sxxuDok
足音は社の裏手から聞こえてきた。社の裏は深い森である。
村の者はもちろん、この社の向こうには誰も住んでいるはずがない。しかし、足音の主は姿を現した。
社の裏から正面に回ってきたのは、ボロボロの服を着た数名の人間だった。10人はいただろうか。
男もいれば女もいる。若者も年寄りもいる。ただ、子どもの姿はなかった。
彼らは社の前で一度集まった。全員いるか確認しているようだった。やがて一列になって社の中に入っていった。
ほどなく、子どもの泣き叫ぶ声、争う物音、そして、聞いたこともないような声・・・。
男は社に向かい中を覗いた。
中では、イケニエ少年を先ほどの連中のうちの数人がが取り押さえ、他の連中が少年の上に馬乗りになって、何かをしている様子が見て取れた。
先ほどまで泣き叫んでいた少年は、すでに声も出さず、抵抗もしなくなっていた。
遠くで村からの祭囃子が聞こえた。それ以外は実に静かなものだった。
社の中からは、「ガブリ」「クチュクチュ」というような音だけが響いていた。
男は何が行われているのか理解した。この連中は少年を生きたまま喰っているのだ。

なぜこの村で、この連中に少年をイケニエとして差し出していたのか、それは男には分からない。
彼らはこの山に住む民なのだろうか。それとも人の姿をした魔性のものなのか。
その晩、男は震えながら木の影にいた。

明け方、彼らが帰っていくのを見届け、充分に時間がたってから、男は社へ向かった。
中には変わり果てほとんど骨だけになった少年の姿と、大量の血痕だけが残されていた。


これが、同僚から聞いた話だ。同僚がこの話の主人公。
男はその後この村を離れ、神奈川に移り住んだのだ。

そして、この話の後日談(?)も存在する。

26テンジンキギャクリョウキョウ 4/5:2015/03/02(月) 18:22:08 ID:/sxxuDok
男が神奈川に来たのは、30年くらい前のことだった。
そして、その年。神奈川県で、子どもの行方不明が頻繁にあったという。
これは当時の新聞などでも分かるが、事実である。
私もなんとなくではあるが、そんな事件が頻発していたことは記憶している。
児童失踪事件の多くは迷宮入りした。
実は中には死体で見つかったものもあったそうだが、その死体の惨たらしさから報道はされなかった。
見つかった死体はイケニエ同様、生きているまま喰われたようだったのだ。歯形が体中についていたという。
警察は同僚にも話を聞きに来たらしい。

「俺はやつらに見つかったんだ。やつらは俺を追って神奈川まで来たんだ」
「やつらって?」
「呪いの正体だ」
「正体?」
「そう、これは人災なんだ。人が起こしているれっきとした事件だ」
「それなら警察に言えば……」
「間違いなくその男は目的をもって事件を起こしている。でも警察じゃ捕まえられないよ。君が警察だったら信じられるかい、『僕の子供は呪われて殺されました』って。
呪いなんだ。
その男は殺人鬼と言っていいと思うが、直接手をかけているわけでない。今の警察では彼を捕まえることはできない」
「彼って……。誰だか特定できているのか?」
「……占筮だ」
「せんぜい?」
「その神社の神主のことだ。まぁ、神主とは違うのかもしれないがその少年はそう呼ばれていた」
「少年!」
「そうまだ年端もいかない用に見えたよ。その時は。でも彼が必要としていたんだ……。僕達の子供をっ……」
「その少年は?」
「神社生まれのNさんと呼ばれていた。今は行方はしれないよ。どこにいるのかも知らないし、知りたくもない。
毎年有給を取っているのはそれが息子の命日だからだよ。
僕には息子のために祈ることしかできない」
「そうか……」

27テンジンキギャクリョウキョウ 5/5:2015/03/02(月) 18:22:27 ID:/sxxuDok
なんということを私は同僚に打ち明けさせてしまったのだ。
先ほどまでの野次馬根性を私は恥じた。
「おいおい、そんな顔しないでくれよ。
それから……、これは後日談の後日談みたいな話になるんだが」
そう言って、かなり水っぽくなったスコッチを口に含む。
「息子を供養して頂いているお寺なんだけどね。
ここ数年は姿をお見かけしないが、お坊さんのご子息がいてね。
お参りしている時に声をかけていただいたのが、すごく印象に残っているよ」
「なんて言われたんだい?」
先ほどまでの恥じ入る気持ちもすっかり忘れて私は問いかける。
「短い言葉だったよ。息子は成仏したこと、呪い屋と身を貶したNは自分が止めることを伝えてくれた。
なんにも説明していないのにこの青年は全てを理解していると悟ったよ。
そしてひとつ教えてくれたんだ」
「それは!?」
その時の私は既に不躾な芸能リポーターのようになっていた。
「難しいかもしれないが恨んではいけないと。
奇習と思い息子の輪廻の幸せを考えなさいと」
「それはまた難しいことだなぁ。息子を殺されて恨みに思わないなんて……。
あっ、すまない」
「いいよ」
本当に不躾な言葉を吐いてしまった私に同僚は微笑みを返してくれた。
「理由があるんだ。
一つは恨みの気持ちに息子が同調して留まってしまうこと。
もう一つは恨みに思う気持ちすらもNの力になってしまうこと。僕の怨嗟はNの大好物らしい」
同僚は淡々と語る。
「今はその言葉が信じられるよ。復讐の気持ちにこの身を囚われたくないと思う。
そう思えるようにさせてくれたのは彼だ。
彼は息子も私も救ってくれたんだ。
感謝しているよ、寺生まれのTさんに!」


これが私の知っているテンジンキの話。

28名無しさん:2015/03/02(月) 18:23:58 ID:/sxxuDok
元ネタ
テンジンキ | 天神逆霊橋
http://chikatomo.doorblog.jp/archives/28337790.html

29しゃがみこむ妊婦1/2:2015/03/02(月) 18:25:08 ID:/sxxuDok
昼食をとり終えた頃、いい天気なので同僚と散歩にでも行こうと思い出た。
歩きだそうとしたとき、10メートル先に妊婦がしゃがみこんでいるのが目にはいる。
すぐに二人で駆けつけ、「大丈夫ですか?」と声をかけるが返事はこない。
「どうしました?」
またも返事はない。
さすがにまずいと思い、「救急車を呼びますね」と言い、携帯を取り出した。
そのとき妊婦が口を開いた。
「あのー、すいませんこの近くに交番はあり……」

「破ァッ!!」
「ぐあああああああああああああああ」
黙って成り行きを見ていた同僚が突然叫ぶ!
同時にうずくまっていた妊婦さんも悲痛の叫び声を上げる!

ひっくり返った妊婦さんを見ると、ゆったりとしたマタニティドレスから包丁が顔を覗かせている。
包丁?

30しゃがみこむ妊婦2/2:2015/03/02(月) 18:25:42 ID:/sxxuDok
「危ないところだったな」
「同僚……お前、まさか寺生まれの……T……」

妊婦さんからは黒い靄が立ち上っていき、やがて拡散していった。

「おい、しっかりしろ」
同僚、もとい寺生まれのTさんは妊婦さんの横にしゃがむと優しく肩を抱く。

「う……、うぅん」
「だ、大丈夫ですか!?」
僕も慌てて妊婦さんに駆け寄る。

「はい……もう大丈夫です……」
妊婦さんの目からは涙が流れる。
「わ、私……どうしてあんな事したのか……」
「破っ破っ破」
寺生まれのTさんは声も高らかに笑う。
「気にすることはねぇ、奥さん。もう悪いもんはアンタには憑いてねぇよ」
「「憑いて!?」」
「あぁ、ありゃー生霊だな。妊婦ってなぁ幸せの象徴みてぇなもんだ。
歩いてるだけでも生霊を飛ばされちまうことも結構あるんだよ」
「生霊……」
「あぁ。でももう大丈夫だ。今頃呪詛は本人に帰っていってるぜ!もう立てるか?」
妊婦さんは
「そうですかありがとうございます」と言いながら立ち上がり、
続けざまに「それではまたどこかで」と言うと、妊婦は去っていった。

今思い出しても背筋が凍りつく。
もしあの時同僚の寺生まれのTさんがいなければ、どうなっていたのだろうか。

「まだ時間ありますね。今日は本当にいい天気だ。もうちょっと散歩しましょう」
そう言ってTさんは歩み始める。

寺生まれってすごい。改めて俺はそう思った。

31名無しさん:2015/03/02(月) 18:27:23 ID:/sxxuDok
元ネタは意味怖
http://chikatomo.doorblog.jp/archives/42846148.html

32名無しさん:2015/03/02(月) 18:31:30 ID:/sxxuDok
上尾市周辺で5人の女子中高生に性的暴行を加えたとして、強姦(ごうかん)と強盗強姦などの罪に問われた、元少年T(23)=犯行当時(19)=の裁判員裁判の判決公判が10日、さいたま地裁で開かれ、裁判長は懲役23年(求刑・懲役25年)を言い渡した。

裁判長は、抵抗されないように若い女子中高生を狙っており、怪しげに煌めく掌を見せつける犯行態様は「執拗(しつよう)で悪質」と指摘。
犯行当時19歳だったことに関しては、未熟だったと認めながらも「本件犯行が許されないものであることは十分理解できたはず」とした。
一方で、住職の父親が被害者への賠償を行っている点や、元少年Tが性犯罪防止プログラムを受講していることを考慮した。

判決によると、元少年Tは20xx年11月から14年6月にかけて上尾、桶川市内で、当時14〜17歳の女子中高生5人に性的暴行を加えるなどした上、うち3人から現金計約4600円を奪った。

331/3:2015/03/02(月) 18:31:54 ID:/sxxuDok
「T様、今朝の新聞ご覧になったっすか?」
待ち合わせ時間に遅れているJちゃんは、駆け寄って来るなりそう問い質した。

今朝は神社生まれで巫女のJちゃんからの電話で、朝6時に叩き起こされた。
「T様、アンタまたやっちゃったんすか?」
寝惚け眼で電話を取るなり、大声が耳に飛び込んでくる。
「んぅん?どうしたんだよ、Jちゃんか?」
「Jちゃんか? じゃないっすよ、T様!また新聞に載っちゃってるじゃないですか!」
「新聞?」
「まーた、そんな呑気な声を出して!今度は強盗ですか!?
そ、それに……それにゴ……」
「おい、本当にどうしたんだよ、Jちゃん。
なんだ、ゴって」
「ゴ、ゴ、ゴ……ゴーカンまでするなんて!」
「ゴーカンー!?」
「T様……もう本当に見損ないましたよ、私は。
これじゃ兄様と変わらないじゃないですか!
だから寺生まれとか神社生まれとかは、もう本当にこれだから!
それに情けないですよ!4600円なんて!」
「とりあえず落ち着けよ」
「落ち着いていられません!もうこれはK様にも報告します!!」
「ゴーカンって強姦のことか?
そんなこと俺はしねぇよ」
「でも新聞に!」
「俺は天井にはりつくことはあっても強姦なんてしねぇ。
大体捕まって新聞に載ってる俺がなんで今電話してんだよ」
「あ……」
「破ぁ、まったく……。とにかく俺の名前がまた載ってるのか?」
「そ、そうなんですよ!
陰謀っす!これはT様のご名声を地に落とそうとする陰謀っすよ!」
「陰謀ねぇ」
「はい!間違いないっす!」
「本当、朝からテンション高ぇなぁ、Jちゃんは。
とにかく一度新聞確認してみるよ。
2時間後に霊の場所で落ち合おう」
「了解っす」

342/3:2015/03/02(月) 18:32:17 ID:/sxxuDok
というわけで午前8時半。
寺生まれともあろう者がこんな時間から外をうろつく羽目になったってわけだ。
「それでもう目を通して頂けたんっすか?」
「あぁ、来る時にコンビニで買ってきたよ。これだな」

買ったばかりの新聞の社会面を広げる。
そこには紙面の四分の一ほどのスペースを使って強盗強姦の事件が報じられている。

『上尾市の元少年T、複数の強姦強盗事件で懲役23年確定――――」

「陰謀ってこたぁねぇだろうが。
まぁ嫌がらせ程度には考えてたのかもしれねぇな」
「やはり兄様でしょうか?」
「いや、Nはさすがにこんな姑息なことはしねぇだろ。
やつは俺を消したいだけで、こんなことをしても仕方ねぇと思ってるはずだ」
「それじゃ一体誰が?」
「おそらく……こんなことするのは、おんなじお寺さん連中だろうな」
「お寺さん!?それじゃT様の身内じゃないですか?」
「破はっ、寺生まれだからって皆が皆味方ってわけじゃないさ。
真言の連中とは何度も大きな争いもあるしな」
「真言!!それは知ってるっす!
確かT様と兄様が共闘されたっ……」
「そうそう、あの頃はまだな。
Nはあん時ももすげぇ強くてな……。おっと脱線しちまったな」
「T様……」
「まぁとにかくこういう七面倒臭いことすんのは多分、真言か南都六宗(なんとりくしゅう)の下っ端だよ。
ほっときゃいい」
「そうっすか……なんか安心したっす。T様、昔はやんちゃだったって、兄様とかK様とかから聞いてたから……」
「破はっ、もうそんな歳じゃねぇよ」

353/3:2015/03/02(月) 18:32:43 ID:/sxxuDok
「ところでT様、その肩に乗ってるのは式ですか?」
「いや違うよ。ここで迷って憑いてきたやつだ」
「あー、それで霊の場所を指定したんすね」
「どうせ外に出るしな」
「ここ区画整理で、通り道なのにちょうど袋小路になっちゃいましたもんねー。結構いますね」
「な。
でもまぁこの程度の数ならJちゃん一人で逝けるでしょ?」
「はい!もちろんっす!」
「じゃ、あとよろしくね」
そう言って俺は踵を返し帰路につくことにする。
「滅っ!!」
背後でJちゃんが早速印を結び始める。

破ァ〜ァ。
朝は苦手だ。帰ってもう一度寝ることにしよう。

36名無しさん:2015/03/02(月) 18:33:20 ID:/sxxuDok
>>32,33,34,35
は元ネタ不明

371:2015/03/02(月) 18:35:31 ID:/sxxuDok
俺にはちょっと変な趣味があった。 その趣味って言うのが、夜中になると家の屋上に出て そこから双眼鏡で自分の住んでいる街を観察すること。 いつもとは違う、静まり返った街を観察するのが楽しい。 遠くに見える大きな給水タンクとか、酔っ払いを乗せて坂道を登って行くタクシーとか、ポツンと佇む眩しい自動販売機なんかを見ていると妙にワクワクしてくる。

382:2015/03/02(月) 18:35:50 ID:/sxxuDok
俺の家の西側には長い坂道があって、それが真っすぐ俺の家の方に向かって下ってくる。 だから屋上から西側に目をやれば、その坂道全体を正面から視界に納める事ができるようになってるわけね。 その坂道の脇に設置されてる自動販売機を双眼鏡で見ながら 「あ、大きな蛾が飛んでるな?」 なんて思っていたら、坂道の一番上の方から物凄い勢いで下ってくる奴がいた。

393:2015/03/02(月) 18:36:08 ID:/sxxuDok
「なんだ?」 と思って双眼鏡で見てみたら、全裸でガリガリに痩せた子供みたいな奴が、満面の笑みを浮かべながら、こっちに手を振りつつ、猛スピードで走ってくる。 奴はあきらかにこっちの存在に気付いているし、俺と目も合いっぱなし。 ちょっとの間、あっけに取られて呆然と眺めていたけど、なんだか凄くヤバイ事になりそうな気がして、急いで階段を下りて家の中に逃げ込んだ。 ドアを閉めて、鍵をかけて 「うあーどうしよう、どうしよう、なんだよアレ!!」って怯えていた。

404:2015/03/02(月) 18:36:28 ID:/sxxuDok
すると、ズダダダダダダッって屋上への階段を上る音が。 明らかに俺を探してる。 「凄いヤバイ事になっちゃったよ、どうしよう、マジで、なんだよアレ」って心の中で呟きながら、声を潜めて物音を立てないように、台所の前で武器を手に握って構えてた。 しばらくしたら、今度は階段をズダダダダッって下りる音。 もう、バカになりそうなくらいガタガタ震えていたら、ドアをダンダンダンダンダンダン!!って叩いて、チャイムをピンポン ピンポン! ピンポン ピンポン!!と鳴らしてくる。

415:2015/03/02(月) 18:36:52 ID:/sxxuDok
「ウッ、ンーッ!ウッ、ンーッ!」って感じで、奴のうめき声も聴こえる。 心臓が一瞬とまって、物凄い勢いで脈打ち始めた。 「あー、もうダメだ、我慢の限界だ!」 俺は鍵をはずし、勢いよくドアを開けて 奴の腕を掴んで家の中に引きずり込んだ。 ドカッ!っと仰向けに倒れた奴の上にかぶさり 「久しぶりの食事だ!」ってヨダレを垂らしながら言った。 奴は今までの笑みから恐怖と絶望の表情に変わり、俺は手にした武器(包丁)を奴の喉に突き刺して腹まで裂いた。 俺は何度も何度も、包丁で奴を刺しまくった! これだから、夜中に双眼鏡を覗くのはやめられない。

426:2015/03/02(月) 18:37:17 ID:/sxxuDok
刺す!刺す!刺す!刺す! 俺は喜びのあまり キャッキャッハハハハー!と笑ってしまった。 すると突然振り下ろしていた包丁を握っていた腕を掴まれた。 驚いてうしろを振り向くと、俺の腕を掴んでいる一人の男が立っていた。 「誰?アンタ…」って言うと男は静に答えた。 「なに、消滅依頼があってな、悪いが二人とも そのまま消えてもらうゾ」 俺は訳も判らずに「ハァあ?」って返した、すると男は手のヒラを俺の前にかざし、ゆっくり静に 「破ァァァァァァァァ…………!!」って言った。 俺が最後に見た光景は、まばゆい光の中、ニッコリと微笑んでいる男の顔だった。 俺は心の中で呟いた 「寺生まれの……T…さん?………す…すごく…ネ!………………」

43名無しさん:2015/03/02(月) 18:38:05 ID:/sxxuDok
元ネタは双眼鏡
http://chikatomo.doorblog.jp/archives/26972736.html

441/8:2015/03/02(月) 18:39:14 ID:/sxxuDok
「Jちゃん、この間はご苦労様だったね」
「いえいえ、余裕でしたよ!
とりあえず兄様の資金源、一つ潰せて良かったっすね」
「そうだな」
「取り逃がしたのは残念だったっすけど」
「それは、俺が甘かった。すまない」
「いえいえ!そういう意味じゃないっすよ!
でも……、この作戦で兄様を追い詰められるといいっすね」
「あぁ、今度こそ捕獲するつもりだ!
奴を此処で捉えねば、この世は未練で溢れちまう。
NもそろそろJちゃんのところに帰りたいだろ」
「はい……兄様が目を覚ましてくれればいいけど……」

ペットショップで陰陽師のNをあとわずかのところまで追い詰めながら逃してしまったチームT。
その後の調査でどうやらNが、この町に潜伏していることを突き止めていた。

プルルルル
電話がなる。

452/8:2015/03/02(月) 18:39:36 ID:/sxxuDok
「こちらT」
「私です」
どうやら電話の主は教会生まれのKさんのようだ。
「掴んだか?」
「いえ、残念ながら……。
しかし手口が判明しました」
「ほう?やはり『暗示』か」
「そうです、さすがですね。
今この街ではやたらと通り魔の事件が多発してるでしょう?
あれです」
電話口からKの声が漏れ聞こえてくる。
Jの顔が思わず歪む。
「兄様……、また犯行を重ねて……」
「Nはターゲットに暗示をかけ、その者は他者の家に押し入り殺害。
そこを潜伏先にしており、その数も徐々に増やしているようです」
「くっ!兄様!
はっ!?
でもT様、どうして兄は潜伏先の人間に暗示を掛けずにわざわざそんなことをするんすか!?」
「Kも俺も暗示を掛けられている人間を見れば一発で分かる。というかこの町程度の広さなら、大凡どの辺りに暗示が掛けられている人間がいるか分かる。
Jちゃんもそうだろう?」
「はい、私程度では街全体は把握できませんが」
「うん、Nもおそらくそれは分かっている。そうするとだな、」
「なるほど。そういうことですか」
「そう、それでは潜伏先にならない。
おそらく暗示を掛けられた人間は全てを忘れて自宅に戻ってるはずだ」

「そこでです、T」
電話口から再びKさんの声がする。
「先ほど新たな暗示の気配を感じました。すぐ近くです」
「なに!?すぐ食い止めねば!」
「まちなさい、T。作戦はこうです。
まず私が暗示の者のところまで行きます。
なに、そんなに時間はかからないでしょう。
そこでNの暗示はそのままに、Nの目を盗み電話の通知先だけなんとか確認します。
そこで……」
「よし、その作戦で行こう」

こうしてTさんとKさん、JちゃんのN包囲網作戦は再び開始された。

463/8:2015/03/02(月) 18:40:02 ID:/sxxuDok
「よう!久しぶり!」
「久しぶり…ゴホ!ゴホっ!」
「どうした?風邪か?」
「ああ悪性のインフルらしい。今、家で寝てるとこ」
「インフルかよ。物騒だな。気をつけろよ」
「本当最近物騒だよ。近所では通り魔事件が多発してるらしいし」
「何だそれ」
「何でも突然部屋に入ってきて後ろからロープで首をギュッ、といくらしい」
「何それ。気付くだろ。普通。まあ俺なら即返り討ちにしてやっけどな」
「返り討ち?言うねー、そんなマジキチ相手に?」
「余裕っしょ!」
「マジでか。でさ………ゴっ!ごほっ!ゴホっ!ゴホおっ!!」
「おいおい大丈夫かよ?」
「………わりい。大丈夫大丈夫。風邪ひどくなってきた」
「大丈夫か。声変わってんぞ」
「ああ…ところで今度お前んち行きたいんだけどさ。道教えてくんない?」
「おいおい。何回も来たことあるだろ?」
「忘れちまった。住所教えてくれたら行くよ」
「しょうがねえな。XXXX町XXXX番地な。もう忘れんなよ」
「わかった。今度必ず行く」
「じゃ安静にな」
「ああ」

ガチャ。

「ご協力どうもありがとう」

さっき急にこの男たちが訪れてきた時には驚いた。
「急なことで混乱するかもしれないが、今、君は狙われている」
「狙われていまっす!」
「はい?」
突然現れたこの袈裟の坊主と巫女さんは、最初の言葉で僕の命の危険を知らせてきた。

474/8:2015/03/02(月) 18:40:39 ID:/sxxuDok
「最近この街で通り魔事件が多発しているのは知っているか?」
「知っていますかっ?」
通り魔事件……、たしかに通学路にある交番の掲示板にそんなことが書いてあった気はするけど……。
「とにかくその通り魔が君を狙っている」
「狙っていますっ!」
むしろこの二人組が怪しいんだけど……。

「T様。この方もしかして私たちを疑ってませんか?」
「うむ」
「暗示……、かけちゃいます?」
「待て。この者には罪も悪気もない。そんな者に簡単に術を使うなんていけないよ、Jちゃん」
「はい!すみませんっした!T様」
うわ、本当に怪しいぞ……!

「君、まもなく君のところに電話が来るだろう」
「で、でんわ?」
「そうだ。そこでおそらく君の住所を聞き出そうとするはずだ。怪しい者が訪ねてくるためになっ!」
すでに怪しい者に訪ねられちゃってるんですけどっ!

「いや、あの結構ですので……」
こんな人たちと関わっちゃいけない。
そう判断した僕はなんとか玄関をドアを閉めようとする。

485/8:2015/03/02(月) 18:40:59 ID:/sxxuDok
「破ァッ!!」
男の手が目の前に突き出されたかと思うと、僕はゆっくりと意識を失っていった……。

「……。
T様……。なにやってるんすか、アンタ」
「……。
Jちゃん……。これは緊急措置というやつだ。
ここでこの青年と問答している時間はない!
目的を忘れるでないぞ!」
「……」

目を覚ました時、そこは天国だった。
巫女さんの膝枕の上に僕の頭は乗っており、暖かな光を放つ手が翳されていた。

「あ、目を覚ましましたか?
すみません、ウチのT様が……」
「あ、いえ……」
美しい少女の鈴の音のような声が気持ちよく耳に入ってくる。
「私は神社生まれで巫女のJといいます。
それでですね、お訪ねした訳は……」

Jちゃんのいうことなら信じられる!
僕は電話の応対を任されることにした。

--

Tさんの携帯とKさんの携帯は通話状態になっている。
「ここまでは順調ですね」
「あぁ、しかし……」
「そうですね。電話の主はもうまもなく……おそらく5分ほどでここに来る程度の場所に位置しているはずです。
しかしNの気配を感じません」
「奴は気配を消すのも上手い。でもこれはそういう感じじゃないな」
「おそらく犯行時は別の場所で待機しているのしょう。慎重なやつです」
「ということは、蟲毒を使ってがっちり暗示を掛けられている可能性が高いな」
「はい。蟲毒を退け、なおかつ目的を達成したと思わせNのところまで案内していただく。その上、その者を無傷でNから回収しなければならない。
難しいミッションになってしまいました」
TさんとKさんが難しい顔をしている横で、神社生まれで巫女さんのJちゃんはしょんぼりしている。

496/8:2015/03/02(月) 18:41:31 ID:/sxxuDok
「すみません、本当に。兄様のことで皆様に迷惑をお掛けして……」
TさんもKさんも優しい笑顔をJちゃんに向ける。
「気にすることはありませんよ。これは主から与えられた私の仕事です」
「そうだぜ。これは俺とNとの因縁でもある。
今さら気にするのはなしだぜ。破ァ!」
Tさんが軽くJちゃんの肩を叩く。
「ひゃぁぁ。
あ、あ、あの……T様といえども婚姻前の異性に触れることはっ、その……
はしたないですっ!」
「さっきはこの少年を膝枕してたじゃねぇか」
「T様っ!あれは治療っす!」
「お、もうすっかりいつものJちゃんだな!」
「T。セクハラしてる場合じゃありませんよ。
もうまもなくですよ!」
「おう!分かってるぜ!」
Jちゃんも真顔に戻って玄関を見つめる。

ピンポ〜〜ン

「よし、ここは俺がまず応対する。青年とJちゃんは警戒させないよう隣の部屋に」
「了解っす!」
「わかりました」

ピンポ〜〜ン
再びチャイムが鳴る。

「はぁ〜い」
Tさんが小走りで玄関に向かう。
「どちら様?」
「ゴホッ、ゴホッ。俺だよ、俺!さっき行くって電話したろ?」
「はぁ〜い、ちょっと待ってねー」

扉を開けると、そこにはまだ秋口にもかかわらず真冬のようなコートを着込み、ニット帽を被り、マスクをした職質待ったなしの男が立っていた。

「まってたよ!入って入ってっ」
「ゴホッ。あぁ、お邪魔します」
Tさんがスリッパを出そうと背を向けたその時!

507/8:2015/03/02(月) 18:41:55 ID:/sxxuDok
「う……う…。あ……」
Tさんの背後で男の呻き声が聞こえる。

「どうした!?」
Tさんが慌てて振り返る。

「う……う……」
苦悶の表情を浮かべ、呻き声を上げながらも男は不気味な笑顔を形作る。

「T……、いるんだろ……Kも……J……も」
焦点の合わない目で男の口から音が漏れ出る。
とてもこの男の体から発せられているとは思えない。
体が芯から震える。
そっと肩に暖かな手が差し伸べられる。
「大丈夫だよ、青年。
私がいるから!」
Jちゃん!

「ククッ……クッ……。
……残念……だったな……。
俺を……おびき寄せる……つもり……だったか……ゲフッ」
マスクが鮮血に染まるっ!
男がマスクをかなぐり捨てるとベチャッという音がしてマスクが叩きつけられる。
現れた男の顔は……見知らぬ男だった。

「ククッ……こんな……罠には嵌らんよ……
お前たちへのペナルティとして……この男を……
蟲毒爆弾……として……差し上げるよ……ガフッ」
男が再び盛大に血を撒き散らすっ!
あぁ、大家さんに怒られるっ!

「Jちゃん!手伝えるかっ!?」
「はいっ!」
Jちゃんも玄関先に飛び出す。
僕も訳も分からず一緒に飛び出してみる!

「まずい、体内の蟲毒が暴れている!」
「うわ!かなりの数っすね!」
見ると、まるでエイリアンの映画のように体内を何かが蠢いている。
今にも皮膚を突き破りそうだ!

「ゲフッ!ガフッッ!!」
男の体が、さながら操り人形のように右に左に大きく揺さぶられる。

「一気に蟲毒を消し去ればこの男の体が持たない」
「そのようっすね」
「出力を抑えて消していくしかない。いくぞ!」
「はいっ!」

「「破ァッ!!」」

TさんとJちゃんが同時に男に手を翳す!
男の体がますます大きく揺れていき、体内を這う何かの動きが激しくなっていく。

518/8:2015/03/02(月) 18:42:31 ID:/sxxuDok
「「破ァァァァァァッァァッァァァl」」

光が強くなっていく。
信じられない光景が目の前で繰り広げられているっ!

「くっ!凄い数だっ!」
「はい、この方の体がこのままじゃ持たないっす!」

「アーメン!!!」
その時男の背後に全身真っ白な男が踊りだす。

「K!!」
「K様!!」

「アーメン!
私が体の維持を担当しますっ!
あなた達は一気に蟲毒を消し去ってください!」
「よっしゃ、行くぜ、Jちゃん!」
「はい、T様!」

真っ白な光に包まれ、もう目の前も見えないっ!

「「破ァァァァァァッァァッァァァl」」
「アーーーーーーーーーーーーーメン!」

……。
一瞬の静寂の後、視力が回復した。
操り人形のようだった男はKさんにお姫様抱っこされている。

「ふぅ、なんとかなったな」
「はいっす!」
「この方は教会に寄ってもらえばもう大丈夫でしょう」

「だけど今回も兄様は捕まえられませんっしたね……」
「あぁ。だが仕方ない。また一から追跡だ」
「そうですね。私も尾行が甘かったかもしれません」

「よし!じゃあまたそれぞれNを追うことにしよう」
「はいっ!私も必ず兄様に罪を償わせます!」
「Jさん、見つけたらまず私たちに連絡してくださいよ」

「では青年!世話になったな!」
「じゃあね、青年君!」
「青年よ、神のご加護を」

そういうと謎の一行は一瞬で姿が見えなくなってしまった。

……。
夜の静寂が帰ってくる。
まるで夢の中の出来事のようだ……が、これは間違いなく現実の出来事だ。
あぁやって世界を護ってる人たちもいるんだな。
いろんな世界がある。
ひとつ大人になった日だった。

……。
幻覚だったらよかった。
この血塗れの玄関……どうすんだ……これ……。

52名無しさん:2015/03/02(月) 18:48:39 ID:/sxxuDok
ほぼ原型を留めていませんが、原型は↓の意味怖。

「よう!久しぶり!」
「久しぶり…ゴホ!ゴホっ!」
「どうした?風邪か?」
「ああ悪性のインフルらしい。今、家で寝てるとこ」

「インフルかよ。物騒だな。気をつけろよ」
「本当最近物騒だよ。近所では通り魔事件が多発してるらしいし」
「何だそれ」
「何でも突然部屋に入ってきて後ろからロープで首をギュッ、といくらしい」

「何それ。気付くだろ。普通。まあ俺なら即返り討ちにしてやっけどな」
「返り討ち?言うねー、そんなマジキチ相手に?」
「余裕っしょ!」
「マジでか。でさ………ゴっ!ごほっ!ゴホっ!ゴホおっ!!」

「おいおい大丈夫かよ?」
「………わりい。大丈夫大丈夫。風邪ひどくなってきた」
「大丈夫か。声変わってんぞ」
「ああ…ところで今度お前んち行きたいんだけどさ。道教えてくんない?」

「おいおい。何回も来たことあるだろ?」
「忘れちまった。住所教えてくれたら行くよ」
「しょうがねえな。XXXX町XXXX番地な。もう忘れんなよ」
「わかった。今度必ず行く」

「じゃ安静にな」
「ああ」

531/4:2015/03/02(月) 18:49:58 ID:/sxxuDok
今の街に越してきて、2週間ほどたった頃のことだ。
残業を終えて終電で最寄り駅を降りてから、自宅まで急ぎ足で向かっていたときのこと。
途中信号機のない高架下の道路と、高架沿いの道路が十字にクロスした交差点があり、
見るからに暗く、夜間女性が一人で歩くのは勧められないような横断歩道を渡りきったところで、 ふいに背後から「すみません」と声を掛けられた。

飛び上がるほどびっくりして振り向くと暗い表情の女性がすぐ背後に立っている。
交差点を渡るとき、いずれの方向にもその女性は見えず、背後から足音も聞こえていなかったので、「あれ?」という凄まじい違和感があったのだが、ハッキリした存在感があり、少なくとも幽霊とは思えない。

「先週この交差点でひき逃げ事件があったんです。」
「ひき逃げ? そ、そうでしたか…。」
「私、ずっと目撃者を捜しているんです。」
「えっ、個人的に探されているんですか?警察には届けられました?」
その問いかけを無視するように右手をすっと挙げて、俺の背後を指さす。
「向こうからきた車にひかれたんです。」
その様子や仕草、表情の不自然さにゾクリとしながら、指さされたその方向をゆっくりと振り返る。車もまばらな国道が目にはいる。
と、その時だった。

542/4:2015/03/02(月) 18:50:20 ID:/sxxuDok
「破ァッッッ!!!」

何者かの気合が背後で迸るっ!

慌てて振り向くと、袈裟を着た男が女性に向かって手を翳していた。
男の手を中心に白い淡い光が広がる。

「ああああああああああああああああああああ」
女性は苦悶の表情を浮かべ、この世のものとも思えない叫び声をあげる!

それでも掌を向けられた女から目を離すことができない。
「そうだな、苦しいな。すまない」
男がつぶやく。
それでも男は翳す手の力は緩めていないようだ。
「もうしばらくの辛抱だ。破ァツ!」

その時違和感に気づく。
見ている風景が少しおかしい。
……!
透けてる!?

男は女に手を翳し続けている。
女性の体が透けていっている!?

「ああああああああああああああああああああああ、
あああああああああああああああああ」
間違いない!
女性の体は黒っぽい煙に包まれながら徐々に透けているっ!

「さあ、もうすぐだ。破ァッッッ!!!」
より一層の気合が男から放たれるっ!
女性を包む黒い煙はまるで女性にしがみつくように、うねりながら体にまとわりつく!
「未練であろうっ!しかしあなたは次に行かなければならないっ!
逝くのだっ!破ァッッッ!!!」
「ああああああああああああああああああああああ」
さっきまでの悲痛な叫び声とは違う、どこか安堵感が混ざったような絶叫を響かせながら女性を包む黒い霧は消し飛んだ!

553/4:2015/03/02(月) 18:50:56 ID:/sxxuDok
女性は白い光りに包まれている。

「ありがとう。寺生まれのTさん」
「ふん、これが仕事だ。おまえさんもよく頑張ったよ」
「はい。苦しかったけど、この場所に縛り付けられ続けると考えたらもっと恐ろしい……。
寺生まれのTさんが来てくれてよかった」
「そうか。もう迷わず逝けるな?」
「はい。犯人のことは心残りだけど……。
私轢かれる瞬間の記憶がなくて……」
「それは、俺に任せろ。さっきお前さんの最後の記憶が俺に飛び込んできたよ。
必ずお縄にしてやるから」
女性を包む白い光が強くなっていく。
「そろそろお別れだな」
「はい、さようなら寺生まれのTさん。
人として逝かせてくれてありが……と……う」

パアア……
優しく光る白いモヤが球体となって拡散する!

一瞬の後、訪れたのはいつもの帰り道の風景だった。
声を掛けてきた女性の姿も袈裟の男の姿も見当たらない。

……。
仕事で疲れて幻覚を見ていたのだろうか?
周りをもう一度見回すがやはりどちらの姿もない。

夜だけど……、白昼夢でも見たか。
ふと交差点の看板が目に入る。

『ひき逃げ事故発生!事故を目撃された方は下記連絡先までーー」

564/4:2015/03/02(月) 18:51:25 ID:/sxxuDok
やはり幻覚ではなかった!?
さっき声を掛けてきた女はやっぱり!?
死ぬほどの恐怖が全身を凍り付かせ、ガクガクしてもつれる足を蹴り出し、自分でも訳のわからない叫び声を出しながら、なんとか帰宅した。

それにしてもあの袈裟の男。
寺生まれのTさんと呼ばれていた男は何者なんだ!?

翌朝の出勤時。
昨夜の交差点にさしかかる。
信号で止まる。
明るく交通量の多いこの交差点を見ると、ますます昨日の出来事が夢だったように感じる。

あれ?
看板がなくなっている!?
昨夜間違いなく確認した、信号の向こうの『ひき逃げ事件発生』の看板が撤去されていた。
代わりに看板のあった場所には真新しい花が置いてあり、花の間には紙……、手紙だろうか、が挟まっているように見える。

信号が青に変わる。
通り過ぎる時、手紙に書かれた一行の文字が目にはいる。

『犯人捕まってよかったね。安らかに。○○ちゃん』

さすがに仕事が速いぜ、寺生まれのTさん。
心の中で小さくガッツポーズをした。

574/4:2015/03/02(月) 18:54:03 ID:/sxxuDok
元ネタ
http://www.enigmarvel.com/blog-entry-6969.html

58名無しさん:2015/03/02(月) 18:56:19 ID:/sxxuDok
http://chikatomo.doorblog.jp/archives/42500124.html#comments
でのコメ欄の発言

5. (´д゚lllノ)ノ ヒイィィィ!! 2015/02/15 00:45
勇気を出して言ってやるゾ! 言うゾ! 「Tさんネタは もう いいんじゃないかなぁ なんてね」

59名無しさん:2015/03/02(月) 18:56:46 ID:/sxxuDok
8. (´д゚lllノ)ノ ヒイィィィ!! 2015/02/15 02:19
ちょっと不思議なことが起きてるんだけど聞いて欲しい。
なんでもいいから手がかりがほしいんだ。

俺には中学からずっと一緒の友達がいてな。
全然タイプが違うんだけど何故か馬が合って、結局大学まで一緒になってもう10年の付き合いになる。
あ、どっちも男なんだけどな。

友達は中学は科学部とかいう何やってるんだか分かんない思いっきりインドアで、俺はずっとサッカー部で、タイプが全然違うのに、本当になぜか一緒にいて落ち着くやつで、こうして夜になるとだいたいどっちかの家に行ってたりするんだよ。

それでな、今日もバイト終わりに友達のところに来てるんだ。
俺はまだ実家なんだけど、友達は大学に入ってから一人暮らししてるから、こっちに来ることが最近では多くなってな。
バイトの後も寄りやすいし。

今日は10時半ぐらいに上がったから、ここに着いたのは多分11時ぐらい。
いつもみたいに缶ビール4本買ってきて、シャワー借りてそれぞれチビチビ飲んでたんだ。

60名無しさん:2015/03/02(月) 18:57:02 ID:/sxxuDok
9. (´д゚lllノ)ノ ヒイィィィ!! 2015/02/15 02:20
毎日のように、というか毎日おんなじようにしてるから話すことなんて別になくてさ、というかそういう、話しなきゃみたいな空気を全く感じないところもいいところなんだよな。
すまん脱線したけど、とにかくバラバラにビール飲んでてさ、あいつはパソコンでなんか見てて、俺はボーっとテレビ見てた。

ちょうどCMになったんで、「なに見てんの-?」って聞いてみたら「こわいはなしー」って返ってきてさ。
俺は怪談とかそういうの超苦手だから「ふーん」とか言ってまたテレビに戻ったんだ。

それからこの辺からよく分かんないんだけど、確かビールを一本飲みきって、新しいのを取りにいこうとしてたんだけど、
あ、そうだ。見てたニュースがスポーツに変わって、これ見たら冷蔵庫行こうと思ってたんだ。
1Kのけっして広いとは言えない部屋だからさっさと取りに行ってもよかったんだけど。

野球のキャンプ中継が終わって、「サッカー……」ってアナウンサーの声が聞こえたところで急にテレビが、プツン、と切れたかと思うと、視界が一面青白くなって、なんも見えなくなったと思ったら、すげえ轟音っていうか、雄叫びみたいのが頭に鳴り響いた。
と思ったら次の瞬間にはまたいつもの光景に戻ってな。
テレビでも明日のJリーグのことやってた。
多分一瞬のことだったと思う。

61名無しさん:2015/03/02(月) 18:57:18 ID:/sxxuDok
10. (´д゚lllノ)ノ ヒイィィィ!! 2015/02/15 02:20
なにが起きたかもう訳分かんなくて、「おい、今の!」って友達の方振り向いたら、デスクに座ってなかったんだ。
トイレでも行ってたかと思って呼びに行ったがトイレにもいない。
もちろん風呂にもいなかった。
玄関を見ても、友達の靴が置いたままになってるから外に出たとも思えない。
ドアが開いた音もしなかったし。
さすがに出かけるなら、一声掛けてから行ってると思うんだよな。

さっきの変な光もそうだし、いい年して友達がなんか悪ふざけしてんのかと思ってさ。
もう一回家の中を隈なく探してみたんだ。
って、さっきも言ったけど1Kの部屋だから隈なく探すっていっても、トイレと風呂、クローゼットを見たら他に探すところもない。
デスクの下にでもいるのか覗いてみたけどもちろんいない。
その時手を掛けた椅子にまだ温かさが残っているのがなんか気味悪かった。

まあ、そんな悪ふざけをするようなやつじゃないんだ。もともと。
だからこそ今の状況が意味が分からない。
一応共通の友達とかにもLINEしてみたけど、お前のがアイツのことは詳しいだろって返されるばかりだ。

そん時、隣の家のやつが、俺はあんまり話したことないんだけど、友達と同じ学部だったのを思い出してさ。
さっきの轟音とかのこととかもあるし、もしかしたら隣までだから裸足のまんまってこともあるかもしんないと思って、夜遅くて悪いと思ったけど行ってみたんだ。

62名無しさん:2015/03/02(月) 18:57:40 ID:/sxxuDok
11. (´д゚lllノ)ノ ヒイィィィ!! 2015/02/15 02:21
チャイムを鳴らしたら、すごい不審そうな感じだったけど、名乗ったらドアをすぐ開けてくれてな。
こっちに友達が来てないか聞いてみたら、いないって。
というか一度も家を行き来したことはないって。

それからさっきの音って何だったんだろうな、って聞いたら「音って?」って言うんだ。
いやついさっき、超馬鹿でかい轟音ていうか、雄叫びっていうか、とにかくすげー音がしたろ! って言ってもそんな音は聞いていないという。
もちろん光も知らないって。
で、DVD見てる途中だからもういいか?って言われてすごすご帰って来た。

最後に会話してから、あの青白い光りに包まれて轟音を聞くまで、たぶん2,3分だったと思う。
本当に一瞬で友達が消えてしまった。
もう何をしていいか、どこを探していいか分かんなくて放心しちゃってたと思う。

しばらくどうしていいか分かんなくなってたんだけど、パソコンが目に入ったんだ。
もう画面は黒くなってたけど、マウスを触ったら、このサイトのこの画面が表示された。
よく分かんないけどさ、このサイトって怖い話のサイトなんだよな。
もし知ってたら教えて欲しい。
人が突然消えることなんてあるのか?
ちょうど開いたこのページに『心おきなく破ァされてくれ! 』って書いてあるけど、これは何のことなんだ?
この文字見て確信したんだけど、さっきの青白い時の雄叫び。

確かに『破ァッッッ』って言ってたように聞こえたんだ。

631/3:2015/03/02(月) 18:59:20 ID:/sxxuDok
先日、栃木県鬼怒川の河川敷と那珂川町のがけ下で、チワワやミニチュアダックスフンド、トイプードルといった小型犬約80匹の死骸が発見されるという痛ましい事件が発生した。

11月18日には元ペットショップ店員が逮捕され、
「犬の引き取り料として100万円を受け取った」
「販売目的で犬を引き取った」
と供述。

見つかった犬の死骸が避妊や去勢がなされていない成犬だったことから、繁殖目的だった犬をブリーダー(繁殖家)から引き取ったのではないかと見られている。

だが、こうした事件は氷山の一角に過ぎない。『犬を殺すのは誰か ペット流通の闇』(太田匡彦/朝日新聞出版)には、犬をめぐる悲しい現実が生々しく描かれている。

まず、全国に約60店舗を展開するという大手ペットショップでアルバイト経験がある男性の証言を紹介しよう。

彼が見たペットショップの裏側は、悲惨なものだった。照明に照らされて透明のケースに入れられた子犬たちが売られている一方、
バックヤードでは〈皮膚病にかかっていたり、店員が誤って骨折させてしまったりして「商品」にならないと見なされた子犬〉が13匹、段ボールに入れられていた。

そして、ある朝、店長がベテランのアルバイト女性にその段ボールを「もう持っていって」と言った。
男性がどこに持っていったのかをたずねると、ベテランのバイトはこう答えたという。

「保健所に持っていった。売れない犬を置いていても仕方がないし、その分、スペースを空けて新しい犬を入れた方がいい」

64名無しさん:2015/03/02(月) 18:59:43 ID:/sxxuDok
(2/3)
2009年に兵庫県尼崎市で約300匹の犬を違法に飼育し、年間50匹もの売れ残った犬を
市の保健所で殺処分していたことが発覚したが、同様のケースは数多い。
一般家庭から飼育放棄された犬だけでなく、ペットショップの犬もまた、保健所で殺されているのである。

また、専門学校の研修で別の大手ペットショップチェーンで働いた男性の証言は、さらにショッキングだ。

研修開始から3、4日後のこと。彼は店長が生後約6か月のビーグルの子犬を〈生きたままポリ袋に入れている〉のを目撃してしまう。店長は、この研修生にこう言ったという。

「このコはもう売れないから、そこの冷蔵庫に入れておいて。死んだら、明日のゴミと一緒に出すから」

あまりの店長の言動に動物が好きで好きで、いつでも一緒にいたくてペットショップにはいった研修生は絶句してしまう。

「店長…、できません……。この子を出してあげてください」
「あれ?研修生ちゃんが買ってくれるの?
じゃあもうすぐ成犬だし、従業員割引ってことで……」

飼いたい。
飼ってあげたい。
この子だけなら飼ってあげられるぐらいのお金はある。
でも。
こんなことがこの店ではきっと続いてる。
いつでも助けてあげられるわけじゃない。

65名無しさん:2015/03/02(月) 19:00:00 ID:/sxxuDok
(3/3)
「どうしたの?そっか、やっぱりやだよね〜、こんな大きくなっちゃったビーグル。
あとさ、あのケージのダックスだけどさ、来週中に売れなかったらおんなじようによろしくね!」

やっぱり!
助けてあげたい!
でもどうすることもできないの?

「はやく〜。
僕他にも仕事あるんだから今持って行ってよ」

どうしよう……
できない……

「もうしょうがないな〜。これも仕事のうちだよ。
ペットショップは可愛がるのが仕事じゃなくて、売るのが仕事なんだからさ」

たしかにそうかもしれない。
ペットショップはワンちゃん達を売るところ。
……。
だからって、売れ残った子を見殺しにするなんて。
うぅん、見殺しなんかじゃない、殺さなければいけないなんて。

「はやく〜」

仕事のうち?
割りきらなきゃいけない?

もう思考が停止しそうだ。

急かす店長に促されるように、無意識にビーグルの入れられたビニール袋に手を伸ばす。

「その必要はない」

不意に後ろから声がする。

「いいんだ、研修生ちゃん。そんなことをする必要はない」
振り返ると一人の男が立っている。
誰?

「誰だ、お前は?ここは従業員以外立ち入り禁止だ。出てってくれ」
そう言って店長は私の横を通り過ぎると、見知らぬ男の肩を押す。
「ほら早く!」

店長は見知らぬ男を押し出そうとするが、男はびくともしていない。
店長より頭ひとつは大きい男が、屈んで店長の目を覗きこむ。

66名無しさん:2015/03/02(月) 19:00:17 ID:/sxxuDok
(4/3)
「きさま、操られているな?」
「操られている?訳の分からないことを言うな。
ほら!はやく出て行ってくれ!」

「ふん、しかし所詮は同じ穴のムジナか……」

見知らぬ男は手の平を店長に向ける。

「破ァッ!!」
男が一喝すると手の平から青い光弾が放たれるっ!!

一瞬部屋が白く煌めいたのち、店長は膝から崩れ落ちていった。

「店長っ!」
「大丈夫だ、心配ない。死んではいない」
店長はうつ伏せに倒れたまま口から泡を吹いている。

店長を見下ろしていると
「破ァッッッ!!」

また男の叫ぶ声が聞こえる!
光弾は店長室のドアを破壊するっ!

「ༀ༌(オーム)」
店長室から低い声がすると光弾が収束していく。

「やはり貴様が黒幕か、N」
店長室からゆっくりとした足取りで一人の男が姿を現す。
この店では見たことのない男だ。
「もう嗅ぎつけたか、T」
「貴様の資金源は全て潰させてもらうぞ、破ァッ!!」
Nと呼ばれた男は光弾をふわりと躱す。

ドォーン!ペットフードが山積みとなった棚を破壊していく。
勢いは止まらずその先の窓ガラスをも撒き散らしていく。

「ふん、相変わらず見境がないな、T。
まぁいい、どうせ此処を嗅ぎつけられたということはもうここでの駕ぎもやっていけないよう準備をしてきたんだろう?」
「もちろんだ!そっちは今Jちゃんに行ってもらってる。
N!もう資金源は断たれたぞ!」
「いいだろう、この場は貴様に譲ろう。
またすぐに会うことになるだろう。クックックッ」

Nと呼ばれる男はそう言い残すとまた低い声で何かを詠唱している。
「ༀ༌(オーム)」
その謎の言葉を最後にフッとNの姿は掻き消えてしまった。

「逃したか……。おっと研修生ちゃん、大丈夫だったかい?」
「は、はい」
「うぅ〜〜ん……」

その時足元の店長が目を覚ましたようだ。
体を起こして首を振っている。

67名無しさん:2015/03/02(月) 19:00:30 ID:/sxxuDok
(5/3)
「あれ……?ここは?」
「店長!大丈夫ですか!」
「研修生ちゃん……そうだ、さっき研修生ちゃんにビーグルを……
なんであんな事を……、それで『破ァ』という声が聞こえて……」
「目覚めたか」
見知らぬ男が店長に問いかける。
「『破ァ』?、もしやあなたは寺生まれのTさんでは?」
「ふん、俺のことなんてどうでもいい。
それより貴様なにをしていたか覚えているんだろう?」
「はい……、犬や猫たちには本当にひどいことをしてしまいました……」
「うむ。いくらNに操られていようと殺生を繰り返すほどのイメージを与えるにはその者の根底に魔がなくてはならない」
「はい、申し訳ありません。お金に目が眩んでおりました……」
「破ァッッツ!」
Tさんが一喝する。

68名無しさん:2015/03/02(月) 19:00:48 ID:/sxxuDok
(6/3)
光弾は出なかった。
「店長っ!俺に謝ってどうする!貴様のやらなければならないことはなんだ!」
「うぅ、奪ってしまった命に謝罪をするばかりです……」
「そうだ、奪ってしまったものはもうこの世に還すことはできない。
だがお前がないがしろにすれば成仏できない霊となって、未練を残して現世をうろついてしまう。輪廻の機会も失われたままにな」
「はい」
「うん、もう大丈夫なようだな。研修生ちゃん、君もしっかり店を立て直してくれよ!」

Tさんはそう言って最高の笑顔を見せると、先ほど自分が蹴散らした窓枠を器用に飛び越すと夜の闇に消えていった。

「店長……」
「うん、研修生ちゃん。君にもヒドいことを頼んでしまったね。申し訳ないことをした……。
僕は明日警察へ行くよ。
全てを自供して殺めてしまった命のために祈りたいと思う」
店長はさっきまでとはちがう、澄んだ目で私に語りかける。
「僕は取り返しのないことをしてしまった。償っても償いきれない。
だけど研修生ちゃん。
ここにはまだ多くの犬達が幸せな家庭に行けることを待ち続けている。
あの子たちを君に頼んでもいいかい?」
「店長……、もちろんです!」
そう言うと店長はニッコリと笑って片付けを始めた。
「寺生まれのTさんに感謝しなければ、な」
「はい」

寺生まれのTさんが来なければ、私も殺生の道に踏み込んでしまったのかもしれない。
それにしてもあのNという男は?
店長に……。
いや、もう言うまい。
私には関係のない話だ。
Tさんに感謝して動物たちのために働いていこう。
そう心に誓って私もTさんが蹴散らしたペットフード500kg分の片付けを始めることにした。



69名無しさん:2015/03/02(月) 19:02:11 ID:/sxxuDok
元ネタはペット流通の闇
http://chikatomo.doorblog.jp/archives/42591486.html

70名無しさん:2015/03/02(月) 19:06:05 ID:/sxxuDok
http://chikatomo.doorblog.jp/archives/42035884.html

しかしながらその願いは「破ァ」という声とともに霧散した
はっとなって俺は顔をあげると朝日に照らされた本やノートの山に囲まれていた
先刻の声の元を見遣ると部屋の戸口に一人の男が立っていた「危ないところだった。俺がこなけりゃお前はその世界にのまれ帰って来ることはなかったろう。」「勉強もほどほどに、たまには外の景色に目をむけろ」そういうと男は本棚にあったいかがわしい本を数冊手にとって家を出ていった。
俺は唖然としつつもカーテンをひらき外をみると銀世界が広がっていた。その中を男が歩いて行くのを見、俺は寺生まれは甚だしい者だと思ったのだ

71名無しさん:2015/03/02(月) 19:07:27 ID:/sxxuDok
http://chikatomo.doorblog.jp/archives/42374106.html

7. (´д゚lllノ)ノ ヒイィィィ!! 2015/01/22 01:31
手紙を受け取った町の人々は、感謝の意を込めて、その手紙を老人の墓前に供えた。そして、その行為が年中行事となる、一年間分の溜まったストレスを手紙に込め、墓前に供える事により、笑顔の絶えない平和な町となった。一年分の多くの悪意がこもった手紙のせいで、老人は今も成仏できずに、苦しんでいるという……。
8. (´д゚lllノ)ノ ヒイィィィ!! 2015/01/22 08:27
↑スカッとした
9. (´д゚lllノ)ノ ヒイィィィ!! 2015/01/22 10:11
一年間のストレスを書き留めた手紙を老人の墓にそなえるようになってから
ある日和服を着た男が訪れてきた
男は老人の墓がある丘から町を眺望し「ここは負の念が多過ぎる。このままでは念に呼び寄せられた悪鬼達が町に来てしまう…」と呟くと
両手を掲げ一言「破ァ!!」と叫んだ
すると両手から蒼白い閃光がとびだし、町を包み込んだ
男は「これで町は安泰だ」と言って墓地にある供え物を袂に入れながら町を去っていった
この日以来町の人たちは手紙を書くこともなくなり、それぞれが平和に暮らしている
10. (´д゚lllノ)ノ ヒイィィィ!! 2015/01/22 14:03
Tさんか? Tさんなのか?

72chikatomo:2015/03/02(月) 19:11:29 ID:???
えーと、ブログのコメ欄に書き込まれたのはこんなところかな?
もし抜けがあってご存じの方がいたら教えて下さい!

では雑談とか新作とかで使っていただければ嬉しいです!
ブログともどもよろしくお願いします!

73名無しさん:2015/03/02(月) 20:09:20 ID:VpfA/q02
順番が逆ぅ〜

74名無しさん:2015/03/03(火) 12:17:55 ID:MnWjH7TI
破ああ!

75名無しさん:2015/03/03(火) 13:35:59 ID:tAl/MMqE
>>72
2015.02.15の 片方の三つ編み【後味悪い】にあったよ〜

他に無いか探してみます

76chikatomo:2015/03/03(火) 16:05:28 ID:???
>>75
おーありがとうございます!
やっぱ抜けてんだなー…

77chikatomo:2015/03/03(火) 17:39:35 ID:???
http://chikatomo.doorblog.jp/archives/42591670.html

151: 本当にあった怖い名無し@\(^o^)/ 2014/11/30(日) 01:14:15.57 ID:Q+462CXx0.net
過去に出ているかも。

昔のテレビ番組で「こたえてちょうだい」とかいうタイトルだったかな!?
「○○な話」と番組がテーマを決めて体験談を募集。視聴者が投稿してきた話を
再現ドラマ化してそれに番組出演者がコメントするという流れ。

「あなたが体験した怖い話」や「浮気された時の言い訳」などジャンルは様々。
今なら2ちゃんに投稿するんだろうなって話のTV版といったところかな。


小学生女児が暗くなりはじめた時間帯に帰宅中。
その日は新しく買ってもらったリボンが嬉しくて、両サイドの三つ編みお下げに付けて
ご機嫌で歩いていたところ。突然現れた男に襲われ三つ編みの片方をザックリ切られる。
怪我は無かったが犯人は結局見つからず。

心の傷も、事件の記憶自体も薄らぐほど時が経過。
小学生女児も成人となり、結婚して実家に戻ってきた。

ある日、自宅に「ピンポーン」と呼び鈴が鳴り玄関を出てみたが誰もいない。
ふと扉下を見ると紙製の白い箱が置かれている。開けてみるとそこには髪の毛の束が。

結ばれているリボンには見覚えがあった。
それは事件当時、切られて見つからないままだった三つ編みの片方、
つまり当時の自分自身の髪の毛だと気付く。

・・・という話。長年に渡る一人の人間に対する犯人の異常な執着心。
そして事件はまだ終わっていなかったという投稿者の絶望感。そのあたりが後味悪かった。

かなり昔に見たので実際の放送内容とは違う部分もあるかもしれません。

78chikatomo:2015/03/03(火) 17:40:07 ID:???
2. 1≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!! 2015/02/16 15:34
髪の束が届いてから数日経ったある日
投稿者の元に和服を着た男がやって来た
「あの…どちら様ですか?何かご用で?」と彼女が不審がって尋ねると男は
「いやぁね…買い物ついでに散歩でもってブラブラしてただけど、お宅から変な気が感じられたもんだからちょっとお話をね…と思ってさ」となんとも要領得ない返事をする。
男に不気味さを感じた彼女は「しゅ、宗教の勧誘なら結構です!!」と男を追い出して玄関を閉めようとしたのだが、挟まれた男が放った言葉に耳を疑った。
「今…なんと仰いました!?」
「だからあなたのもとに変なものというか何かこう…多量のものが届けられなかったかと…」

男はやはり要領を得ないもの言いをしたが、ずっと払拭出来ずにいた恐怖心を何とかしたいという思いと、この男なら何とか出来るかもしれない…という一縷の希望から、意を決して男に話そうと彼女は震える声で男に囁いた「話を…聞いていただけますか…」

「もちろんだ。その為に俺はここに来たんだからな」彼女は僅かながら安堵した

「その前にドア開けてくんない?顔痛いんだけど」

79chikatomo:2015/03/03(火) 17:40:23 ID:???
3. 2≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!! 2015/02/16 15:35
男をリビングに通し箱と髪の束とを持ってきて事の経緯を洗いざらい話した。
男は彼女が話している間険しい表情をしていたが時折相槌をうったり、「辛くなったら休んで良い、話せるようになるまで俺は待つよ」と優しく話しかけた。
彼女が全てを話し終えると。
男は彼女の肩に手を置き
「いたいけな少女に恐怖心を抱かせ、未だその悪行を続けるとは…。今までつらかっだろう?安心しなこの恐怖も今日で終いだ」と微笑みかけた。

80chikatomo:2015/03/03(火) 17:40:38 ID:???
4. 3≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!! 2015/02/16 15:36
「さて、この髪の束なんだが…俺の推測した以上にヤバい呪詛がかけられているようだな。リボンにはこれと言って何も無いようだが…問題は髪の毛の方なんだ」
男はどうしたものかと頬をさすりながら考えている。
「あの…それは髪の毛に呪いがかけられてるということですか?」と聞く彼女に男は少し考えてから
「そうだ。それも1本1本にかけられていてな…呪詛…呪いを解くとしてもまとめてではただ効力が弱まるだけなんだ。つまり完全には浄化出来る訳ではない」
「……まぁ何とかやってみるさ。取り合えず浄化するためにこの部屋を使わせて貰おう」と言うと床に胡座をかいて小さな声で何かブツブツ言い始めた

彼女はふと箱に入れられた髪の束の方に目をやると唱えている言葉に呼応するかのようにウネウネと蠢いている。
(リボンをほどいたらどうなるのだろうか…)と好奇心にかられ指を近づけると
髪が獲物を見つけたように彼女の指に絡みついてきた。
「ひぃっ!」彼女は小さく叫んだ

男がそれに気がつくと立ち上がって彼女の手首を掴みつつリボンをほどく

その瞬間!髪が龍の様に天井へ上がったと同時に
男は自身の後ろへ彼女を押しやり叫んだ

81chikatomo:2015/03/03(火) 17:40:54 ID:???
5. 4≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!! 2015/02/16 15:37
「正体を現せ!!N!」

それまで天井に張り付いていた髪がソロリソロリと床に降りてきて次第に人のような形を現した
「…あと少しでその女を喰らえるというのに…また邪魔をするか…この生臭坊主め」

「俺はお前の邪魔をするのが趣味なんでね!」と冗談を発するのとは裏腹に険しい表情で黒々としたヒトガタを睨み付ける。
暫く互いに硬直していたがヒトガタの手であろう部分が男の心臓を突き刺さんと鋭くのびた
男は男で俊敏な動きで片手をあげる


「破ァァァァァァッ!!」


掌から蒼白い閃光が溢れる
光に触れた髪の先端が霧散していく
男は間髪入れずに塊に駆け寄り今度は両の手を突きあげた

「滅ッ!!」

先刻以上に大きく強力な光が、塊と壁を破壊する
バラバラになった髪は呪詛の効力を失ったのかちりちりと燃え風とともに消えた。しかし辺りにこだまするように
(今回は失敗したが…***は仕上がりつつある楽しみにしているといい)
という言葉が聞こえたのを男は聞き逃さなかった。

82chikatomo:2015/03/03(火) 17:41:51 ID:???
6. 5ラスト≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!! 2015/02/16 15:39
そとがやけに騒がしい。彼女が外を見てみると、どうやら近所の人達が音に気がつき何事かと集まってきたようだ。
男は彼女の方に少し振りかえって
「さぁて終わった終わった!これでもう変態ストーカーとも恐怖ともお別れだ!お疲れさん!じゃっ帰るわ」と何事も無かったように去ろうとしていた。彼女は慌てて「待って!お礼をさせてください!」と引き留めようとしたが、男は歩みをとめない。
「せめて、せめてお名前だけでも教えてください!」
男がピタリととまって少し苦笑しながら「…名乗るほどのもんじゃないんだが…T…とだけ言っとこう」と言って再び歩み始めると雑踏の中に消えていった。


T…噂に聞くあの人だと気が付いた彼女は
仄かな白檀の残り香に包まれながら寺生まれって凄い…そう思ったのだった。



>>75さん ありがとう!

83( ☆∀☆)カンリニンサン、オツデス!!:2015/03/03(火) 18:59:55 ID:.lYPOlgg
管理人さん、掲示板ありがとうございます!
ひとつお願いがあるのですが2014/11/27「部屋の四隅で眠らないように〜」の記事内のTさんの話を抜き出して、Tさん記事に加えていただけませんか?
よろしくお願いします。

84寺生まれの名無しさん:2015/03/03(火) 19:25:30 ID:f10ENL7E
※欄Tさんは普通に面白いから困る

85寺生まれの名無しさん:2015/03/03(火) 19:36:34 ID:f10ENL7E
巣くうものvsTさんの話ってもうまとめに載ってたっけ

86chikatomo★:2015/03/03(火) 19:41:36 ID:???
>>85
すくうものは9日アップ予定になってました!

87chikatomo★:2015/03/03(火) 19:42:06 ID:???
>>83
了解!

8885:2015/03/03(火) 20:02:17 ID:f10ENL7E
http://chikatomo.doorblog.jp/archives/37054972.html
ごめんなさい、調べたら載ってました

89chikatomo★:2015/03/03(火) 20:49:22 ID:???
>>88
ほんとですね
私もコメントで気付きました…
9日にも別バージョンあるのでよろしくお願いします!

90chikatomo★:2015/03/04(水) 02:25:37 ID:???
36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/11/25(火) 16:07:50.87 ID:CLwg24MT0.net
ある雪山で猛吹雪の中、4人が遭難した。
このままでは確実に死ぬ・・・そう皆が考えていた先、山小屋が見付かる。
息も絶え絶えに小屋になだれ込む4人。
しかし、その山小屋には暖房施設がなく、あるのは非常用の食糧のみ。
寝れば確実に凍え死ぬ。ひとまず朝になれば・・・
そこでリーダーがゲームを提案する。
「4人全員が小屋の四隅に座り、5分毎に東回りに歩いて、人を起こして回ろう。
起こされた人は起こした人と交替して次の角に向かう」

翌朝、救助隊が山小屋を発見。疲弊した4人に笑顔が浮かぶ。
救助隊「よく全員ご無事で」
リーダー「いや、駄目かと思いましたが〜〜〜のようなゲームをしまして…」
少し間を置いて救助隊が答える

救助隊「そのゲーム、できっこないですよ」

91chikatomo★:2015/03/04(水) 02:26:02 ID:???
38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/11/25(火) 16:09:20.46 ID:CLwg24MT0.net
「ふ破ぁーあ」大きなアクビをしながら寺生まれのTさんが小屋の外から戻ってきた。
「よ、昨日はどうもな」
どうやら小屋にいたもう一人は寺生まれのTさんだったらしい
「なんだよ、気づいてなかったのかよ……」
ろくに挨拶もせず溶け込めるTさんは凄い。改めてそう思った。

37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/11/25(火) 16:08:52.98 ID:87xfurEEr.net
破っ!!!!

39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2014/11/25(火) 16:09:30.60 ID:iWMlVxcz0.net
Tさんは現代の陰陽師

92chikatomo★:2015/03/04(水) 02:27:01 ID:???
>>83
忘れちゃうので、一旦こっちにおいておきます。
こっちのもいずれ一つ一つ記事にしますので!

93寺生まれの名無しさん:2015/03/04(水) 11:45:44 ID:oO7v3f4Y
破あ!

94( ☆∀☆)カンリニンサン、オツデス!!:2015/03/04(水) 18:13:42 ID:tOiX1FmE
管理人さん、ありがとうございました!

95寺生まれの名無しさん:2015/03/04(水) 20:24:54 ID:BDayQMxY
この怖い話を携帯で見るそこまで面白いことでもないし、長くしないように気をつけるが多少は目をつぶって欲しい。
では書きます。
何かに取り憑かれたり狙われたり付きまとわれたりしたら、マジで洒落にならんことを最初に言っておく。
もう一つ俺の経験から言わせてもらうと、一度や二度のお祓いをすれば何とかなるって事はまず無い。
長い時間かけてゆっくり蝕まれるからね。
祓えないって事の方が多いみたいだな。

俺の場合は大体2年半位。
一応、断っておくと五体満足だし人並みに生活できてる。
ただ、残念ながら終わったかどうかって点は定かじゃない。

まずは始まりから書くことにする。
当時俺は23才。 社会人一年目って事で新しい生活を過ごすのに精一杯な頃だな。
会社が小さかったから当然同期も少ない、必然的に仲が良くなる。
その同期に東北地方出身の○○って奴がいて、こいつがまた色んな事を知ってたりやけに知り合いが多かっりした訳。

で、よくこれをしたら××になるとか△△が来るとかって話あるじゃない?
あれ系の話はほとんどガセだと思うんだけど、幾つかは本当にそうなってもおかしくないのがあるらしいのよ。
そいつが言うには何か条件が幾つかあって、偶々揃っちゃうと起きるんじゃないかって。
俺の時は、まぁ悪ふざけが原因だろうな。
当時は車を買ってすぐだったし、一人暮らし始めて間もないし、何よりバイトとは比べ物にならない給料が入るんで週末は遊び呆けてた。
8月の頭に、ナンパして仲良くなった子達と○○、そして俺の計4人で所謂心霊スポットなる場所に肝試しに行ったわけさ。
その場は確かに怖かったし、寒気もしたし何かいるような気がしたりとかあったけども、特に何も起こらず、まぁスリルを満喫して帰った訳だ
3日後だった。 当時の会社は上司が帰るまで新人は帰れないって暗黙のルールがあって、毎日遅くなってた。
疲れて家に帰って来て、ほんと今思い出しても理解出来ないのだが、部屋の入口にある姿見の前で、「してはいけないこと」をやったんだ。
試そうとか考えた訳ではなく、ふと思い付いただけだったと思う。

少し細かな説明をする。当時の俺の部屋は駅から徒歩15分、八畳1R、玄関から入ると細い廊下がありその先に八畳分の部屋がある。 姿見は部屋の入口、つまり廊下と部屋の境目に置いていた。
俺が○○から聞いていたのは、鏡の前で△をしたまま右を見ると◆が来るとか言う話だった。
体勢的にちょっとお辞儀をしているような格好になる。
「来るわけねぇよな」なんて呟きながら、お辞儀のまま右向いた時だった。

部屋の真ん中辺りに寺生まれで霊感の強い、Tさんがいた。
「俺を転送召喚する術式を行使するのは勝手だが、せめてドブさらいが終わってからにしてくれないか。」
それだけ言うとTさんはすたすたと帰ってしまい、後には臭いヘドロだけが残った。
こんな時間にドブさらいだなんて、やっぱり寺生まれって凄いと思いました。

96寺生まれの名無しさん:2015/03/04(水) 21:50:39 ID:oO7v3f4Y
>>95
Tさん序盤で解決パターンだね
長いのもいいけど、こういうあっさりこそTさんの魅力だな

97☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/05(木) 00:48:20 ID:qYx/5.nI
皆さんは「寺生まれのTさん」を読む時に、
どんな容姿を思い浮かべて読んでいますか?
顔のパーツごとの特徴
(眉太い・ハゲとか)
イメージに近い俳優や漫画・アニメキャラの名前など

98寺生まれの名無しさん:2015/03/05(木) 02:25:23 ID:cFdg5sPc
若いTさんはコレ!
http://i.imgur.com/Fel5ZDE.jpg
10代のイメージだけど煙草加えてるからなぁ・・・

99寺生まれの名無しさん:2015/03/05(木) 12:19:18 ID:ITfTs8J.
シリアスTさんだとvsヤマノケが好きだ
自分の顔ぶん殴って追い出すなんて男前すぎる

100寺生まれの名無しさん:2015/03/05(木) 12:27:04 ID:ITfTs8J.
前にきさらぎ駅のゲームがあったけど、Tさんが出てこなかったのがちょっと残念だった
まあTさんはチートすぎるから仕方ないな

101chikatomo★:2015/03/05(木) 15:31:00 ID:???
>>100
あーー、それがあったか!
なんで気付かなかったんだろう。
バグ直しつつTさんるーと追加しようかな

102( ☆∀☆)コメランTサン、SUGEEEEE!!:2015/03/05(木) 18:55:11 ID:mKAh1f2E
リアルの改変ですね!
リアル少し長いので、どこでTさん入れるか難しいですよね。

Tさんのイメージ、私は画像検索見たのでTさんとJちゃんはあの映画のポスターみたいなやつですね。Tさんは俳優みたいなやつで、Jちゃんはアニメタッチのやつ。

103寺生まれの名無しさん:2015/03/05(木) 21:52:44 ID:1.YxKmAU
Kさんはメガネかけてそう
俺の中のTさんイメージは>>98
それからこんなマンガもあった↓
ttp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=29415001
ttp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=32745849

104寺生まれの名無しさん:2015/03/05(木) 22:35:51 ID:1.YxKmAU
俺、よく
「耳かき取ってー」
「リモコン取ってー」
とか、彼女に言っちゃうんだけど
彼女は
「やだ」
って言いながらかならず取ってきてくれる。
今日
「コーヒーいれて」
って頼んだら、いつもみたく
「やだ」
って言いながらコーヒーをいれてくれた。
俺が好きな、砂糖なし、ミルク入りのやつ。
彼女のコーヒーはブラック。
というか、彼女はコーヒーはブラックしか飲まない。
俺「コーヒーのミルク買ったの?」
彼女「だって○○好きじゃん」
俺「…良い女だなぁ」
彼女が無言で、バシバシ叩いてきた。顔、まっか。

そのまま叩かれていると彼女の顔が見る見る鬼のように変化していく
撲る力も増してきて、ついに傍に有ったイスをつかみ撲りかかってきた
「殺される」そう思ったとき、
「破ァ!」という声と共に青白い光が彼女にぶつかった
突如あらわれた謎の男は呪文のようなものを呟きながら彼女に近寄っていく
「すまん手遅れだ、元には戻れない」そう言って彼女を数珠で殴りつけた
すると彼女は一瞬苦しんだ後はじけるように消えてしまった。
「救えなかったか、すまない…」

後で先輩にその事を話すとどうも寺生まれのTさんという人らしい
寺生まれってスゴイ、そう思った

105☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/05(木) 23:57:35 ID:qYx/5.nI
>>98
>>102
やっぱり画像検索とかなさるんですねw
人によってイメージって全然異なるんですね〜

>>103
おぉ同志よ!w
Kさんはめがねで常ににこやかな表情をしているのでは…と思ってます

自分はTさんの画像検索したけどイメージに合うのが無かったんで
皆さんのイメージを参考にしつつ絵(といってもシャーペン書き)に起こしてみようかな〜と思って聞いてみました

106寺生まれの名無しさん:2015/03/05(木) 23:57:39 ID:cFdg5sPc
>>103
続け!と思っちゃうよね
http://i.imgur.com/xAhqKjD.jpg

107☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/06(金) 00:00:19 ID:RaJpMi8k
うわぁあ
またおんなじの書き込んじゃった

スミマセン…

108寺生まれの名無しさん:2015/03/06(金) 00:01:12 ID:a/Zh7x.c
>>105
Tさん絵、超期待してます。僕のイメージは
「坊主になったからくりサーカスの加藤鳴海」ですね。
豪快さとかあったかさとか一生懸命さとか不器用さとか

109寺生まれの名無しさん:2015/03/06(金) 00:04:17 ID:a/Zh7x.c
>>104
彼女カワイイのに…
なんでTさん間に合わんかったんや…

110☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/06(金) 00:14:26 ID:RaJpMi8k
>>108
そ、そのうち画像のあげかた調べてアップしたいと思います…w
色々と自信ないけど

111寺生まれの名無しさん:2015/03/06(金) 00:24:03 ID:a/Zh7x.c
>>110
愛があれば大丈夫。
お互いこんなところ(失礼…)まで来てるTさんフリークスじゃないですか!
あとTさん父は千葉真一さんかなぁ。もちろん坊主で。

112chikatomo★:2015/03/06(金) 00:28:53 ID:???
おぉぅ、リアルタイムで人がいる!
掲示板みたいだw
私はちょっと前に上げた記事のアイキャッチに織田無道さんを使ったんですけど、
その記事にTさん父みたいなコメントがついてから、Tさん父は織田無道固定になってしまった。

なんかやだ……。

113寺生まれの名無しさん:2015/03/06(金) 00:40:03 ID:M1OL/ymc
その記事のタイトルってなんだったんですか?

114☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/06(金) 00:49:12 ID:RaJpMi8k
>>112
え掲示板でしょう?w

T父の声だけだったら菅原文太さん
見た目は…よくわかんないや
あとTさんもT父もツルッパゲより5㎜くらい生えてるはずだと信じている!

115寺生まれの名無しさん:2015/03/06(金) 01:08:54 ID:M1OL/ymc
俺はTさんの声は杉田智和さんで脳内再生してる

116chikatomo★:2015/03/06(金) 01:22:12 ID:???
>>113
とり憑いた霊をぶっ倒す方法教えて
http://chikatomo.doorblog.jp/archives/43018329.html
です!

117寺生まれの名無しさん:2015/03/06(金) 09:48:44 ID:ENFMlUgY
お破ぁ

118( TДT)カンリニンサン、ゴメン!!:2015/03/06(金) 18:29:48 ID:Fd9O3Zkk
管理人さん、ごめんなさい(笑)
織田無道さんを見てT親父とコメントしたのは私です(笑)
言い訳させてもらえるならTさん記事見た直後だったので(笑)

Tさんのマンガ、続かないのかぁ…

※欄Tさん新作出てる♪

119寺生まれの名無しさん:2015/03/06(金) 22:59:03 ID:RaJpMi8k
こんばん破ァ

120chikatomo★:2015/03/06(金) 23:13:33 ID:???
>>118
あのコメそーでしたかー。
無道以上のTさん父キャラの提出をお願いします!

121エイプリルフール:2015/03/07(土) 00:52:42 ID:3OtVI7TE
3月が終わったばかりの、ある寒い夜のことだ。 ある男が、分娩室の前で祈りを捧げていた。

男:「神様、どうか妻とわが子を助けてください」

男の妻は生まれつき体が弱く、出産に耐えられないため帝王 切開を選んだが、それでも命さえ危険であった。 妻と、エイプリルと名づけたまだ見ぬ我が子の無事を祈っ て・・・ その時、分娩室のドアが開いた。

医者:「極めて難しい手術でしたが、お子さんも、奥様も、 良好な状態です。おめでとうございます」

男は喜びに涙を流し、分娩室に駆け込んだ。 が、そこにいたのは手術台の上で血まみれで絶命した妻と、 床に落ちて死んだ我が子だった。

背後で医者が叫んだ。

医者:「エイプリルフール!!」

122エイプリルフール:2015/03/07(土) 01:35:12 ID:3OtVI7TE
「破ぁ?あんたそれでも医者かよ!?」

その声に男が振り返ると、そこには寺生まれで霊感の強いTさんが!

何なんですかあなたは!?と動揺する医者を押し退けてTさんは男のそばまでやって来る
「エイプリルフールってのはな...嘘で人を笑顔にする日なんだよ!破ぁ!」
その言葉と共に放たれた光が妻と子供を包み込むと、まるでビデオテープを逆再生するかのように傷口がふさがれ、二人は息を吹き返した
寺生まれってすごい。

医者が呼んだ警察から逃げるTさんを見て男はそう思った

123ドライブ:2015/03/07(土) 01:41:34 ID:3OtVI7TE
真夜中、友人が先輩と2人でドライブしていたときのこと。

地元でちょっと有名な心霊スポットの近くを走っていたところ、検問に引っかかった。
免許証、飲酒の有無(夜中だからね)を確認したあと、 車内を見まわした警官が怪訝な顔をして一言。

「すみません、人数オーバーですよ」

「破ぁーーーーー!!」 と叫ぶTさん。 するとTさんの両手から青白い光弾が飛びだし、警官を吹き飛ばす。

「・・・・俺が正義だ。」 そう言うとTさんは車を発進させる。

寺生まれってスゲェ・・・ぐったりとして動かない警官を見て友人はそう思ったらしい。

124☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/07(土) 02:49:10 ID:Fuoztjww
>>123
Tさん流石にお巡りさんには手出しちゃ駄目ぇー!

これPさん(朴念くん)に話伝わったらどうなんだろ…wktk

125( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/03/07(土) 12:53:42 ID:8ieNATNk
よく考えたらもう※欄Tさんじゃなかった(笑)

エイプリルフール、医者に破ぁ!して消し去っちゃえばいいのに…

ドライブ、国家権力に破ぁ!するTさん素敵…

ハァァァッ!!さん、T親父のイメージ画もよろしくお願いします!
私は絵のセンスもないので…

126寺生まれの名無しさん:2015/03/07(土) 14:58:00 ID:ANc..GIc
エイプリルフールいいですね!
胸糞悪いアメジョーにも対応するTさんの懐の深さに感動

127寺生まれの名無しさん:2015/03/07(土) 15:01:08 ID:LFn8wJdg
>>123
吹き飛ばすのは車内の霊にしときゃいいのに、なぜ警官www

128☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/08(日) 00:20:41 ID:q0LTFvYo
>>125
T父ですか…
当方女の子ばっか描いてるのでオジサンを上手に描けるか凄い心配^^;

テラウマレッテさんも描きましょうよ
或いはTさんテラーとして書いてみましょう

てか皆さんも一緒にいかがですか
絵本みたいな簡単な文や作文、あいうえお作文みたいなものとか!

129コピペ:はじめてのかていか:2015/03/08(日) 09:48:39 ID:a1SHVqno
7がつ5にち
 きょう、はじめてかていかをならった。ケンちゃんは「かていかはおんなのかもく!」といってせんせいにおこられた。
 せんせいは「いまはだんしもさいほうやおりょうりができないといけないじだい」といった。
 はじめてのじゅぎょうはおりょうりだった。1ぱんはごはんをたいた。2はんはおみそしるをつくった。3ぱんはカレーをつくった。ぼくは3ぱんです。
 じゃがいもやにんじんをほうちょうできるときはドキドキした。「てをきらないようにゆっくりね」とせんせいがいった。
 じゃがいもやにんじんやたまねぎやおにくをゴトゴトにた。カレーのルーをいれた。しばらくしたらカレーができた。やさいやおにくをきるときはきんちょうしたけど、そのあとはかんたんだった。
 がっこうのかえりにびょういんにいった。ママにカレーをつくったといったら、にっこりわらった。ママがいえにいなくてさびしいといったら、もうすぐいえにかえれるといった。うれしかった。
「そのときはいもうともいっしょよ」といった。
 いもうとは、ともよというなまえだ。ママはともよをうんだので、びょういんにいる。
「ともよもカレーをたべるかな」ときいた。
 もうちょっとおおきくなったらたべるとママはいった。
 おおきくなったら、ともよにいっぱいカレーをつくってあげようとおもった。

130コピペ:はじめてのかていか:2015/03/08(日) 09:49:22 ID:a1SHVqno
7がつ8にち
 ママとともよがいえにかえってきた。パパはにこにこしている。
 ぼくはママとパパにカレーをつくってあげようとおもってそういった。
「いいから、おとなしくしていなさい」
 パパがそういって、なにもさせてくれなかった。
 ママにあそんでもらおうとおもった。でも、ママはずっとともよとあそんでいる。
7がつ10にち
 きょういえに、しんすけおじさんとかおりおばさんとおじいちゃんとおばあちゃんがきた。
おしょうがつみたいでうれしかった。しんすけおじさんとあそんでもらおうとおもった。だけどあそんでくれなかった。
かおりおばさんにほんをよんでもらおうとおもった。だけどよんでもらえなかった。
おじいちゃんとおばあちゃんもあそんでくれなかった。
みんなともよとあそんでいる。
「おへやにかえっておとなしくあそんでいなさい」
 みんなにそういわれた。

131コピペ:はじめてのかていか:2015/03/08(日) 09:50:42 ID:a1SHVqno
7がつ12にち
こんどのにちようびに、またおじさんやおばさんやおじいちゃんやおばあちゃんがくる。
みんなともよとあそびにくる。

ぼくとあそんでくれない。
「たべちゃいたいくらいかわいいって」
 ママはともよをだっこしていった。パパも「そのとおりだよ」といった。

「よかったねともよ」とママはいった。

7がつ18にち
はやおきしてカレーをつくった。やさいはじょうずにきれた。おにくはむずかしかった。
やわらかくてプニャプニャしてて、ちがいっぱいでた。
「ともよー!ともよー!」

ママがともよをさがしてる。もうすぐみんながくる。カレーがぐつぐつにえている。

たべちゃいたいぐらいかわいいともよ

132コピペ:はじめてのかていか:2015/03/08(日) 09:51:34 ID:a1SHVqno
「お、あんがいじょうずにできたじゃないか」

りょうりのじゃまだからともよをあずけてたきんじょのてらうまれのTさんがほめてくれた

「どれ、あじのほうは、と…ふむすこし、あまみがたりないな。はぁー!」

そういってTさんはもちこんできたたっぱからすりおろしたりんごをいれてくれたれいのうりょくだといいはっていたが、どこからみてもすりおろしのりんごだった。
かれーはおかげでおいしかった。

てらうまれはすごい、あらためてそうおもった。

133寺生まれの名無しさん:2015/03/08(日) 09:53:32 ID:a1SHVqno
書くときは行空けるべきでしたね
見にくくて済みません

134寺生まれの名無しさん:2015/03/08(日) 11:00:30 ID:K2JXC3DA
>>133
意味がわかると怖い話が普通のほのぼの話に!
さすがTさんやで!

135寺生まれの名無しさん:2015/03/08(日) 11:37:35 ID:MxaIXeMo
元ネタでは誰も「ぼく」と遊んでくれなかったのが可哀そうで・・・
でもTさんみたいなことをすると不審者扱いされるのが現実

136☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/08(日) 13:09:03 ID:q0LTFvYo
>>133
良い話だ…とても良い話になっててキュンときた

Tさんなんでタッパー持ち歩いてるの?w
托鉢のためかな

137( ☆∀☆)テラウマレハスゴイ:2015/03/08(日) 14:36:05 ID:TLYGf9ek
Tさん料理も詳しいんだね。

138ヒダル神:2015/03/08(日) 14:54:20 ID:a1SHVqno
今は昔。
頃は秋。友人Aと上高地へ行った時の事。

休日でもあり、そこは我々も含めた観光客でいっぱいだった。

その賑わしさをものともせず、梓川、河童橋の向こうに見える穂高は
相変らず凛として美しい。

少し早い食事を済ませ、遊歩道へ行ってみると、初めて穂高を見て感動モードに突入しているAはもう何を見ても“嬉しい状態”である。

「あ、さかな!」

歓声を上げ、私より先に2、3歩川に近づいたAがふいにその場にしゃがみ込んだ。

「どうした?」

あわてて駆けより、その体に手をかけると異様に冷たい。

振り仰いだAの顔は青白く、唇に至っては紫色に近い。

「なんか、腹へって、寒いんだ…」

か細い声でAはそう言ったが、食事をして未だ20分もたっていない。

あれほど人がいたはずなのに、なぜか周囲には誰もいない。

「だめだ…」

そして、へたり込んでしまったAの不気味なしゃがれ声。

「ひもじいよォ…」。

私はぞっとした。

139ヒダル神:2015/03/08(日) 14:56:30 ID:a1SHVqno
違う、いつものヤツじゃない。

これはダルだ!子供の頃、年寄から聞いたダルに違いない。

「山へ入った時、何でもいいから食べ物は一口残せ。山にはダルがおる。ダルに取っ憑かれたら腹が減って動けんようになって死んでしまう。
そん時にな、何でもいいから口に入れたらダルが離れて助かるんじゃ。だから、山で弁当使う時は必ず一口残せ」

そう、言聞かされた。

本当か嘘か知らないし今までそんな目に遭った事はなかったので本気にしていなかったので予備の食べ物は持ち歩いていなかった。

これが多分それだ。とにかく急いでリュックを探すも飴玉の一つも見つからなかった。

「ひもじい…ひもじいよォ…」。

まるで死人のような青白い顔でつぶやく友人を前に恐怖と焦りで呆然として何も出来なかったその時。

「破ぁーーー!!」と言う叫び声とともに勢いよく振られるフライパン。

強火の炎に炙られ黄金色に輝くパラパラに炒められたご飯が宙を踊る。

焼けた鍋肌から回し入れられたしょう油の焦げる匂いが食欲をそそる。

「できたぞ」とTさんがフライパンから出来立て熱々の炒飯を皿に盛りつける。

ご飯の一粒一粒がパラパラに炒められ黄金色に輝くその炒飯をAはまるで蛇のように一飲み。
「………」
人間業ではない。

恐怖に駆られた私は、フライパンに残っていた残りの炒飯もAの口に放り込み、それが飲込まれるのも確かめないまま水筒を彼の口に押しつけた。

大きく喉が動き、やがてAは自分の手で水筒を掴んで茶を飲み始め、次第に飲み干す速度がゆっくりとなって、ついにそれが止った。
「ああー、旨かった」
満足げに笑ったAの声が妙にダブって聞えた。

Tさんは「危なかったな・・・」というと満足げな表情で帰っていった。

台湾の中華は美味い、改めてそう思った。

140寺生まれの名無しさん:2015/03/08(日) 14:57:42 ID:a1SHVqno
今気づいたけど既出だった
ごめん

141chikatomo★:2015/03/08(日) 16:57:34 ID:???
>>140
okok!
まだ始まったばかりだから既出か気にせずどんどん行きましょー

142( ☆∀☆)チュウカハウマイ:2015/03/08(日) 18:15:20 ID:RD6s3znI
>>140
既出なんですか?
初めてみました!ありがとうございます!

143それとも:2015/03/08(日) 18:16:10 ID:a1SHVqno
よりによって夜勤の最中、嫁が産気づいたと連絡があり俺は急いで産院へと向かった
夜中の2時になろうかという時間、夜間出入口から長い廊下を静かに小走りに急いでいると
『ご主人ですか?』
分娩室の手前でナース服の女が声を掛けてきた

『そ、そ、そうです!うちの嫁は!?』
『ご主人落ち着いてくださいね、奥さまとお腹の赤ちゃんは今危険な状況です

奥さまの命を優先しますか?赤ちゃんを優先しますか?
それともあなたが身代わりに?』

ナース服の女の口元がニヤリと笑い骨と皮だけのように細い指を俺に向けて伸ばしてきたその瞬間

『そこまでだ!破ァーーーッ!』
青白い光が俺の耳元をかすめ目の前の女に向かって炸裂した

『男に捨てられ子供を産めなかった女の恨みがここに留まり
生まれなかった子供の魂を抱え込んだまま悪霊になったんだ
いつまでも幸せな家族を妬んで道連れにしようとしてんじゃねーよ』

はっ!と声の方を振り返ると近所の寺生まれのTさんがいた
『どうやらお前もお前が抱え込んだ魂も一緒に転生する時が来たようだな破ァ!』
再び青白い光を放つTさん

『それにな、ここのナース服は2年前からパンツスタイルに変わっちまったんだよ!』

寺生まれって凄い、改めてそう思った

144ダッチワイフ:2015/03/08(日) 18:17:24 ID:a1SHVqno
昨晩、ネットで購入した「ダッチワイフ」と初めて交わった。
あまりの気持ち良さに連続射精で体力の限界に達してしまい
逝くと同時に挿入したままワイフに覆いかぶさった状態で
眠ってしまった。

今朝、いつものように母親が俺を起こしに来た時、間一髪
布団でワイフを隠したんだが、ワイフの長い髪が布団からはみ出し
明らかに2人分の膨らみを帯びた布団を見て、
母親「だ、だ、誰?」
俺「と、友達…」
母親「お父さーん!お父さーん!」
もうだめだ…そう思ったとき青白い閃光が走った。すると何とワイフが喋りだした!
ワイフ「こんにちはお父様お母様、○○君とは仲良くさせてもらってます」
母親「あら…ごめんなさい、邪魔しちゃったわね…」

後日Tさんが家に来て、
「祓うのは得意なんだが、憑依させるのは少し苦手なんだよ…まぁ次はばれない様にするんだぞ」
そう言ってワイフを持ち帰っていった。ありがとうTさん。
寺生まれってすごい、改めてそう思った。

145井戸から消える死体:2015/03/08(日) 18:20:38 ID:a1SHVqno
ある日、泣き声がしゃくに障ったので妹を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた
5年後、些細なけんかで友達を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた
10年後、酔った勢いで孕ませてしまった女を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた
15年後、嫌な上司を殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていた
20年後、介護が必要になった母が邪魔なので殺した、死体は井戸に捨てた
次の日見に行くと死体は消えていなかった
次の日も、次の日も死体はそのままだった

146井戸から消える死体:2015/03/08(日) 18:21:30 ID:a1SHVqno
ある日、泣き声がしゃくに障ったので妹を殺した、死体は井戸に捨てた

次の日見に行くと死体は消えていた

5年後、些細なけんかで友達を殺した、死体は井戸に捨てた

次の日見に行くと死体は消えていた

10年後、酔った勢いで孕ませてしまった女を殺した、死体は井戸に捨てた

次の日見に行くと死体は消えていた

15年後、嫌な上司を殺した、死体は井戸に捨てた

次の日見に行くと死体は消えていた

20年後、介護が必要になった母が邪魔なので殺した、死体は井戸に捨てた

次の日見に行くと死体は消えていなかった

次の日も、次の日も死体はそのままだった

147井戸から消える死体:2015/03/08(日) 18:22:18 ID:a1SHVqno
ふと後ろを振り返るとそこにはTさんが立っていた

遅くなってすまない、破ァッ!!」

と言いながらロープを下ろし、井戸をゆっくり降りていくTさん

母の死体を担ぎ、はにかみながら

「又5年後取りに来るぞ」

と言い残し普通に歩いて去って行った

寺生まれってスゴイ、改めてそう思った

Tさん死体をどうしているんだ?(転載者)

148俺もそっちに行く:2015/03/08(日) 18:28:05 ID:a1SHVqno
彼女「ねぇ、なんで最近話してくれないの!」

彼氏「…」

彼女「ねぇっ!」

彼氏「おまえ、最近うざい。ってか俺もうお前のことすきじゃないし、別れてくんねぇかなぁ」

何で俺はあの時あんなことをいってしまったんだろう

あの時、彼女は泣いていた。何もいわずにただ、ただ…泣いていた…

そして、彼女は帰ってしまった

1時間後、彼女の母親から電話がきた

彼女母「もしもし。彼氏くん?」

彼氏「はい。そうですけど…」

彼女母「さっき娘が、交通事故で…」

俺は、そのときどうしていいかわからなかった
ただ…ただ…涙が止まらない...

次の日、彼女の母親から一枚の手紙をもらった
______________
彼氏へ

お誕生日おめでとう!!

大好き!!

これからもずっと一緒だよ!!
_______________
そうだ。今日が誕生日だった

あいつは俺のことをこんなに思っててくれたなんて…

ごめんな

今言っても遅いけど

そして、ありがとう

俺もそっちに行く。お前のいない世界で生きる意味なんか無いからな

俺は屋上から踏み出した

149俺もそっちに行く:2015/03/08(日) 18:30:40 ID:a1SHVqno
その時、どこからか伸びてきた数珠が彼氏の体を掴んだ!

「危機一髪ってとこかな」

寺生まれで霊感の強いTさんだった

「悪霊の仕業だ。心の弱った人間に取り憑く。だが安心しな、俺が取り除いてやった」

「彼氏くん!」

彼女…?彼女は死んだはず…しかし目の前にいたのは確かに彼女だった

「交通事故のケガよりその霊障が酷くて…それを通りがかったTさんに蘇生してもらったの」

「そいつが生前恋愛が原因で死んだ霊だったからな、もしかしてと思ってここに来たんだが…まったく間に合ってよかったぜ」

気づくと俺は泣きながら彼女を抱きしめていた

「ヒュー、お暑いこった。もう彼女を悲しませんなよ。末長く幸せにな!」

そう言って去るTさんの背中はどこか寂しそうだった

寺生まれってすごい。

屋上で飯を食おうと思って、出ていくタイミングを逃した俺は改めてそう思った

150寺生まれの名無しさん:2015/03/08(日) 18:30:57 ID:a1SHVqno
とりあえず、保存してた分をサルベージしました
>>145が重複してました、すみません

151149塗んが少しおかしいので訂正:2015/03/08(日) 18:37:01 ID:a1SHVqno
その時、どこからか伸びてきた数珠が俺の体を掴んだ!

「危機一髪ってとこかな」

寺生まれで霊感の強いTさんだった

「悪霊の仕業だ。心の弱った人間に取り憑く。だが安心しな、俺が取り除いてやった」

「彼氏くん!」

彼女…?彼女は死んだはず…しかし目の前にいたのは確かに彼女だった

「交通事故のケガよりその霊障が酷くて…それを通りがかったTさんに蘇生してもらったの」

「そいつが生前恋愛が原因で死んだ霊だったからな、もしかしてと思ってここに来たんだが…まったく間に合ってよかったぜ」

気づくと俺は泣きながら彼女を抱きしめていた

「ヒュー、お暑いこった。もう彼女を悲しませんなよ。末長く幸せにな!」

そう言って去るTさんの背中はどこか寂しそうだった

寺生まれってすごい。

俺は改めてそう思った

152寺生まれの名無しさん:2015/03/08(日) 18:37:42 ID:wdNw.HXE
>>149
これはいいTさん!!

153寺生まれの名無しさん:2015/03/09(月) 10:39:27 ID:zBIGyt3Y
お破ぁ!
なんかいっぱい増えてる!

154( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/03/09(月) 18:22:24 ID:e1R17VOc
ありがたく読ませてもらいます!

155寺生まれの名無しさん:2015/03/09(月) 23:14:58 ID:zBIGyt3Y
とりま厳選の一覧にのってる話vsTさんが見たい!!!

156小人:2015/03/11(水) 10:29:00 ID:.wFlVS12
結構プレッシャーの強い仕事が続いてて、管理職だからこの時期大変なことも多い。

夜遅く帰ると、ふとんの上でフニャーっとしてる彼女。
部屋の掃除もしてあって
翌朝のワイシャツもネクタイも全部そろえてくれてあるんだけど、
あたし何もしてないよー
小人がやったんじゃなーいと
フニャっと笑う。

その笑顔をぎゅーって抱き締めると、疲れもストレスも全部ふっとぶ。

その時、部屋の外で静かに佇んでいる男がいた。寺生まれで霊感の強い
Tさんだ。「小人を召喚するにも…楽じゃないんだぜ。」そう呟くと、
彼は二人に悟られることなく、家を出て行った。

寺生まれってスゴイ、そう思った。

157テープレコーダー:2015/03/11(水) 10:35:34 ID:.wFlVS12
ある男がひとりで登山に出かけたまま行方不明になった。

捜索隊が結成され山狩りが行われたが見つかったのは男の物と思われる荷物だけだった

そのなかには、テープレコーダーがあった。

テープには大声で助けを求める、男の声が録音されていた。

男はどうやら何かけがをして、動けなくなったらしかった。

テープのことはマスコミにも公表されたが、遺族も警察関係者も

公表をひかえていた部分があった。
そのテープには助けを求めるメッセージとは違うものも録音されていた。
何かに非常におびえた男の声だった。
どうやら夜に何かがおこっているようだった。
男は必死にテープにむかって口述している。

158寺生まれの名無しさん:2015/03/11(水) 10:37:30 ID:.wFlVS12
そのテープには助けを求めるメッセージとは違うものも録音されていた。
何かに非常におびえた男の声だった。

どうやら夜に何かがおこっているようだった。

男は必死にテープにむかって口述している。

一日目
「夜になると人の声がする・・・ 呼ぶ声がする・・・
こんな夜中に誰もいないところに・・・ だれもいないのに・・・」

二日目
「たすけて・・・ 声がする。 夜になるとあいつがやってくる・・・
暗闇から呼んでいる・・・

昨日より近くなっている・・・

おそろしいよ・・・

おねがい、たすけて・・・

とてもこわい、とても・・・

だれかたすけて・・・」

159寺生まれの名無しさん:2015/03/11(水) 10:39:40 ID:.wFlVS12
三日目
「近くまで来ている・・・ たすけて・・・ 人が・・・ヒッ・・・こわい・・近くまで来ている・・・
おねがい、たすけて・・・ おねがい、おねがい よぶ・だれも・・・
ひ・あいつ・・ちか・・・・こわいよ・・たす すぐそばまで・・たすけ・
こえが・・・ おねがい、・・た・・・・て」

こうしてテープはそこで切れている。

それ以後、男はテープに何も録音していない。

警察はこのテープをくわしく分析した。

テープはずっとその男の声だけで、他の怪しい物音は

入っていなかった。

しかし、三日目のテープが最後に切れるところで、

これまでとは違う音が録音されていた。

そのことに関して、分析家も理解不能だった。

それは、遭難した男の声とは違う、別の人間の声だった。

レコーダーのすぐそばで発せられている。

耳元でささやかれたかのように、はっきりと。

160寺生まれの名無しさん:2015/03/11(水) 10:41:16 ID:.wFlVS12
「破ァッ!! 」

ちょうど山に山菜を取りにきていたTさんの声だった。

そのすぐ後遭難した男性を背負いTさんは山から降りてきた

「低級霊が集まってきてたが山の神と直々に話をつけてきた。人間がよりつきさえしなけりゃもう襲ってはこないぜ。ま、お蔭でとった山菜は全部お供え物になっちまったがな」

土まみれになりながらもさわやかに笑うTさんを見て、「寺生まれってスゴイ」警官は改めてそう思った。

161ビデオテープ:2015/03/11(水) 10:46:18 ID:.wFlVS12
ある4人家族がとある地方の旅館に宿泊。深夜に娘か母親が

トイレで惨殺されているのが発見された。

全身を刃物で滅多刺しにされ、顔面は誰だか判別がつかなくなる程 斬り付けられていた。死体には舌がなかった。
トイレには格子のついた幅30cm、高さ10cm程の窓と小さな通風孔があったが、 とても人の入れる大きさではない。
カギもかけられていた。誰がどこから侵入してきたのか・・・。

警察はその旅館を経営している夫婦、その息子、近辺の変質者などを聴取したが、現場が密室だったこともあり、迷宮入りになるかと
思われた。

が、ある日、旅館経営者夫婦に付き添われたその息子が署に出頭。
「近所の目もあり、なかなか正直に話すことができなかったが、 とんでもないことになったので、お話します」
「息子は盗撮が趣味で再三注意していましたが、事件当夜もビデオカメラで 天井裏から個室を撮影していていたのです。撮影していると格子のはまっている
小窓のガラスが開き、ガラスの破片を持った小さな・・・、いや、 このビデオテープに一部始終がはいっていますので・・・。」

息子はビデオテープについて訪ねられると、恐怖が蘇ったのか半狂乱に。

精神に異常をきたすほどの何かがこのテープに入っているのかと思い、捜査員達もテープを再生するのを恐れた。

162寺生まれの名無しさん:2015/03/11(水) 10:47:52 ID:.wFlVS12
そのテープには排尿する女性を俯瞰で撮影した映像が収っていた。

和式便器にしゃがんでいた女性が立ち上がろうとしたその時、
小窓からガラスの破片らしきものを握った小さな、15〜20cm程の

婆が音もなく飛び込んできた。女性は悲鳴をあげる間もなく咽を掻き斬られ、そして顔中を、体中を斬り付けられ・・・。

女性が息絶えると、小さな老婆は死体から舌と頭皮の一部を切り取り天井を見上げ

「次はおまえだよ」

163寺生まれの名無しさん:2015/03/11(水) 10:51:00 ID:.wFlVS12
と言って小窓から出て行こうとしたその時「次があるなんて甘いことを考えちゃいけねえな、ばあさん」

そこには寺生まれのTさんが立っていた

そして青白い光を手から放つ「破ァッ」、「ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁあぁ」

そしてカメラ目線ではにかみながら「俺のことは気にしないでくれ」そう言って出て行った

捜査員の中には、感動するもの、泣き出すもの、衝撃の余り失禁する 者もいたという。

結局事件は未解決のままだが、警視庁に、件のビデオテープが今なお保管されていると言う。

「寺生まれってすごい」改めてそう思った

164LAで信号待ちをしていると:2015/03/11(水) 10:53:56 ID:.wFlVS12
夏期休暇でアメリカに行った際の出来事。LAで信号待ちをしていると

気の良さそうな2人組のお兄さんが、「おまえは 日本人か?」と気さくに

聞いてきました。

「そうだ」と答えると、「漢字のタトゥー (刺青)を彫ったんだけど、どういう意味か教えろよ」と言われ差し出された腕を見ると
『寺生まれのTさん』と彫ってありました。

「日本で最も強い男だよ」と伝えると彼は満面の笑みを浮かべていました。

続いてもう一人が腕を差し出すと、そこには『破ぁ!』と大きく彫ってありました。

「その人の必殺技だよ」と教えてあげた後の彼の嬉しそうな顔が忘れられません。

165殺人タクシー:2015/03/11(水) 10:59:30 ID:.wFlVS12
「 皆さんは知っていますか?殺人タクシーの噂を。夜なのにライトも点滅させずに信号待ちをしている
タクシーがあるらしい。
そのタクシーを見たものが餌食になる。
 
次の餌食はあなたかもしれません…… 」
 
その都市伝説を友達から聞いてしばらく経った頃。
俺は深夜にライトを点けていない怪しいタクシーを見かけてしまった。
 
ライトを点けるのを忘れているだけ。
「偶然だろう」そう思おうとするが気持ち悪い。
 
信号が青に変わり、そのタクシーとすれ違う。
タクシーの姿は見えなくなり、ただの噂話かと内心ホッとしていると後ろから車が。
 
良く見るとすれ違ったはずの無点灯の タ ク シ ー !
 
ついてくる。

スピードを出して角を曲がり振り切ろうとするが一定の距離を保ったまま

すっと、つ い て く る!!

166寺生まれの名無しさん:2015/03/11(水) 11:01:27 ID:.wFlVS12
俺に都市伝説をした友達に電話をするが繋がらない。
何度かけても話中に。
 
結構長い間走ったのに振り切れない。
家までついて来られそうで気味が悪かったし、俺は助けを求めにコンビニの駐車場に車を停め店に駆け込んだ。
 
オカルト話なんて信じていなかった俺は友達の話をまともに聞いておらず
”してはいけないこと”が分からなかったんだ。
 
タクシーは俺がコンビニに入るや否や通り過ぎた。

コンビニの明るい店内に落ち着きを取り戻し。

俺は再び車に乗って帰路についた。
 
駐車場に車を置いて家まで帰ろうと歩き。

家がもう見える距離。
 
家の前に通り過ぎたはずの無点灯のタクシーが!

タクシーは立ち竦む俺の姿を確認するように。
ゆっくりと”ギギッ”と音を立てドアを開こうと……

167寺生まれの名無しさん:2015/03/11(水) 11:02:54 ID:.wFlVS12
「 そこまでだ! 」

聞き覚えのある声と共に”バンッ!”と

大きな音を立ててドアが閉められる!

そこには俺の飲み仲間であり、寺生まれで霊感の強いTさんの姿が。
 
Tさんは長い紙のような何かを懐から取り出す。

良く見るとそれはタクシーの回数券。
 
Tさんが「 破ぁ!! 」と叫ぶと、回数券が光る。

ムチのように光輝く回数券が華麗に宙を舞う! 

そして殺人タクシーを叩いたっ!
 
「 ギャァ--―--------------!! 」
殺人タクシーから人間の断末魔のような
おぞましい叫び声が聞こえた。
 
次の瞬間!眩しい光が辺り一面に弾け!!
 
そこには初めから何もなかったかのように

家の前からタクシーの姿が消えていた。
 
「Tさん、どうしてここに? 」
 
そう聞く俺にTさんは笑いながらコンビニ袋を掲げ

「明日休みだって言ってたろ。コレに付きあわねぇ?」
 
コンビニ袋を振るとビンや缶のあたる音がする。
 
俺の家に入るTさんを見ながら、
寺生まれってスゲェ!俺はそう思った。

168寺生まれの名無しさん:2015/03/11(水) 11:10:01 ID:.wFlVS12
とりあえず私の知っている分はコピペし終わりました
ところどころsage忘れていたり、重複していたりしていてすみません・・・

169寺生まれの名無しさん:2015/03/11(水) 13:43:36 ID:70dZjuvc
>>168
結構未見ありました。ありがとうございます!

170☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/11(水) 16:57:07 ID:O1HsKK8k
アップローダー使うのも掲示板にアップするのも初めてなんで
ちょっと試させて下さいな…

http://i.imgur.com/ZU3gJg9.jpg

http://i.imgur.com/31ujaHx.jpg

171寺生まれの名無しさん:2015/03/11(水) 17:30:20 ID:TqGCO16A
>>170 ちゃんと見えてるよ!
上手くてワロタぁぁぁ!

172カシマさん 1/17 (長くてゴメンよ& ◆X2d.sltWFk:2015/03/11(水) 17:32:17 ID:TqGCO16A
時は第二次世界大戦の日本敗戦直後。
日本はアメリカ軍の支配下に置かれ、各都市では多くの米兵が行き交う時代でした。

ある夜、地元でも有名な美女(23歳の方)が一人、加古川駅付近を歩いていた時、不幸にも数人の米兵にレイプされ、その後殺すにも苦しみながら死んでいくのを楽しむため、体の両腕・両足の付け根の部分に銃弾を叩き込み、道路上に放置したまま立ち去りました。

瀕死の状態をさまよっていた時、運良くその場を通りがかった地元でも有名な医者に発見され、腐敗していた両腕・両足を切り落とすことを代償に、一命を取りとめました。

しかし、自分の美しさにプライドを持っていた女は、生きることに希望が持てず、国鉄(当時)加古川線の鉄橋上へ、車椅子で散歩につれられているスキをみて車椅子を倒し、両腕・両足のない体で体をよじらせ、鉄橋の上から走ってきた列車へ身投げし自殺しました。
警察、国鉄から多くの方が線路中で肉片の収集をしましたが、不思議なことに、首から上の部分の肉片は全くみつからなっかたとのことです。
しかし、時代が時代だったもので、数日経過するとその事件を覚えている者はほとんど居なくなりました。

173カシマさん 2/17:2015/03/11(水) 17:33:05 ID:TqGCO16A
事件が起こったのは数ヶ月後のある日です。
朝は元気だった者が、何故か変死を遂げるようになってきました。
それも、一軒の家庭で起こるとその近所で事件が起こる、といった具合です。
警察も本格的に動き出し、事件が起こった家庭への聞き込みでは何故か共通点がありました。
それは、死亡者は必ず死亡日の朝に、「昨日、夜におかしな光を見た」と言うのです。
実際に当時の新聞にも記載された事件であり、加古川市では皆がパニックになりました。
加古川署では事件対策本部が置かれ、事件解決に本腰が入りました。

そこである警察官が、事件が起こった家庭を地図上で結んでみると、あることに気がつきました。
なんとその曲線は、手足のない、しかも首もない胴体の形になりつつあったのです。
こうなると当然次はどのあたりの者が事件に遭うか予測がつきます。
そこで、前例にあった『光』を見た者は、警察に届け出るように住民に知らせました。

やはり曲線上の家庭では、「光を見た」と言い死んでいきました。
しかし、実は『光』ではなかったのです。
死者の死亡日の、朝の告白はこうでした。
「夜、何故か突然目が覚めました。
するとかすかな光が見え、見ているとそれはますます大きな光となります。
目を凝らしてみると、何かが光の中で動いているのが見えます。
物体はだんだん大きくなり、こちらへ近づいてきます。
その物体とはなんと、首も両腕・両足もない血塗れの胴体が、肩を左右に動かしながら這ってくる肉片だった。
ますます近づいてくるので、怖くて目を閉じました」
と言うのです。

次からも、その同じ肉片を見た者は必ず死にました。
そこで、次は自分だと予想した者が恐ろしさのあまり、加古川市と高砂市(隣の市)の間にある鹿島神社(地元では受験前など多くの人が参拝する)で、お払いをしてもらいました。
すると、「暗闇のむこうに、恐ろしい恨みがあなたを狙っているのが見えます。
お払いで拭いきれない恨みです。どうしようもありません。
唯一貴方を守る手段があるとするならば、夜、肉片が這ってきても絶対目を閉じずに、口で鹿島さん、鹿島さん、鹿島さんと3回叫んで、この神社の神を呼びなさい」
と言われました。

174カシマさん 3/17:2015/03/11(水) 17:33:22 ID:TqGCO16A
その夜、やはり肉片は這ってきました。恐怖に耐え必死に目を開いて、「鹿島さん」を3回唱えました。
すると肉片は、その男の周りをぐるぐる這った後、消えてしまいました。
通常、話はこれで終わりますが、やはり恨みは非常に強く、その男が旅へ出てもその先にて現れました。
その後、その方がどうなったかは知りません。

と、普通なら終わるところだと思うのですが、なんと先日この男に直接話しを聞く機会がありました。
先日結婚の報告に行った彼氏の父親こそが、この鹿島さんに憑き纏われた男その人だったのです。
彼氏の家での会食中、ひょんなことから出た鹿島さんの話、高校生の頃の私達に大きな恐怖を与えたけれど、心の隅ではただの都市伝説だと思っていたこの話の当事者に会うとは非常な驚きでした。

不躾だとは思いましたが、少しお酒が入っていたことと、普段聞けないような話が聞けるチャンスに興奮していた私はお父さんに話しの続きを尋ねてしまいました。
「正直なところ私達はこの『男』も鹿島さんに取り殺されたんだろうと思っていました……。
あっ、すみません、失礼なことを……」
「ははっ、いいんですよ。私は元気に生きております。
一人息子も、こうして綺麗なお嬢さんをつれてきてくれましたし」
お父さんは笑顔でそう返してくれる。
『綺麗なお嬢さん』の表現に私は気恥ずかしくなって彼氏と顔を見合わせる。
「それよりも、今だ鹿島さんのことが語り継がれているんだなぁと少し驚いております。
やはり本物が持つチカラというのは時が経っても薄れず、強い臨場感を持ち続けるんでしょうなぁ」
「はい、私達の学校でもかなり話題になっていました。登校を嫌がる子もでるほどに」
「そうですか。私にとってもあれ以上に不可解で恐怖を感じた体験はない。
旅に出るところまでが都市伝説として語られているんでしたね。
驚くことにここまでは私の知っている事実、体験とそう変わりません。
実際に彼女の事件はあったようですし、私が鹿島神社でお祓いをしていただいたことも確かです」
「そうでしたか!」
「こうやって情報が劣化しないこともあるとは、都市伝説というものも侮れませんね。
ただ重要な部分が伝わっていないようですね。そのためただの呪いの話になってしまっている。
体験した人のない人が聞いてもとても信じられないと思い、あまり人には話したことが無いですが……」
そう言ってお父さんは『鹿島さん』の真実を話し始めてくれました。

175カシマさん 4/17:2015/03/11(水) 17:33:38 ID:TqGCO16A
あの夜、私が初めて光を見た夜には、既に肉片のことは街中の噂になっていました。まだ『鹿島さん』という呼び名はありませんでしたが。
このことは後で知ったのですが、『鹿島さん』という呼び名を持ってきたのはどうやら神社の神主だったようです。
まぁ順序良く話していきましょう。

光を見たものは死ぬ。
ゆっくりと肉片は近づいてきてある夜家にまで辿り着く。
その時に死ぬ。

そういう噂がある中でとうとう私のところへ光がやってきてしまった。恐怖で震えて眠れなかったことを覚えています。
怖くて目を凝らして光の正体を見ることなどとてもできませんでした。
布団を被りながら朝を待ち続けました。
足音……というか這いずる音ですね。ヌチャヌチャと嫌な音がしていました。
それがだんだんと大きな音になってくる。
まさか初めて見た晩に、俺のところまで到着してしまうのか!? と動転していました。
が、その夜はとうとう私のところまでは到達しなかったようです。無事朝を迎えることができた。

恐怖で耳に染みこんでしまった這いずる音はなかなか消えるものではありませんでしたが、周囲が明るくなってきてから改めて耳を澄ますと、どうやらもう嫌な音は聞こえてきていない。
思い切って光っていた方向を見てみると、朝の柔らかな光があるばかりでした。
それを確認すると私は慌てて布団を剥ぎとって両親の寝室へ飛び込みました。

「来てしもうた!俺のところに這いずるもんが来てしもうた!」
眠る両親を揺さぶりながら叫び続けました。
目を開けた両親はもちろん何も見ていないという。
それどころか怖い夢を見てだけと違うんか、いい歳にもなってみっともないといって親父は二度寝の態勢に入ってしまった。
それでも私としては一刻を争う事態です。
今夜には這いずるものが布団にまで入ってくるかもしれない。
そんな私の悲壮な感じがとうとう伝わったのでしょう。母親が親父を説得してくれ始めました。

「あんた、この子がこんなこと言うなんておかしいわ。
町でも這いずるもんのことは噂になっとる。
実際に亡くなった人も何人もおるみたいやわ」
「おれも聞いたことはあるで。会社のもんがいっとったわ。ワシの家は鹿島の近くで大変ですねいうて。
なんやお前それ見てしもうたんか?」
「怖くて見られへんかったけど、ひかりが見えてしもた。それと這いずる音が耳から離れへん」
「ほうか、お前なんか聞いたか?」
そういって親父殿は母親に確認しました。
「いえ、聞いておりません。私は眠りは浅い方ですけど」
それを聞いてやはり信じてもらえないかもしれないと落胆しかけた時でした。
眠そうだった親父が私の顔を真っ直ぐ見て言います。
「夢やないんやな?はっきり聞いたんやな?」
「そうや!夢やない!俺一睡もしてないんやぞ!」
「分かった」
そういうと親父はどこかに電話をかけ始めました。
「ちょっと早いけど朝の支度をしてしまいましょう。あなたも台所に一緒に来る?」
とても自分の部屋に戻る勇気もなかった私は、母親と一緒に台所に行くと朝食の準備を始めました。
居間では親父がほうぼうに電話をかけているようで、ひっきりなしに話し声が聞こえていました。

176カシマさん 5/17:2015/03/11(水) 17:33:55 ID:TqGCO16A
しばらくすると親父が台所に顔を見せました。
「お前今日会社休め。神社に行くで。
ワシはちょっと着替えてくる」
それだけ言うとさっさと着替えに行ってしまいました。

朝食の席では電話の結果を聞くことができました。
生来、幽霊なんか信じてなかった親父ですから、こういった怪奇現象に直面したところで相談する相手も皆目検討つかなかったそうです。
ところが知り合いの一人に、お祓いのできる神主さんを知ってるAさんがいたと。
Aさんの話では、這いずるもんをみた家は今のところ必ず変死事件が起きている。
光を見てしもたんたら一刻も早くお祓いに行ったほうがいい。
ちょうど何ヶ月か前から鹿島神社に、とても優秀な神主さんが来ているらしい。
その神主さんに頼めばなんとかなるんじゃないか?、とのことでした。

もちろん私としてはこのまま夜を迎えるなんてとてもできません。
そんなありがたい神主様がいらっしゃるならすぐにでも行きたいと思っていましたので、とても安堵しました。
また、どうやら警察でもこの変死事件を追っているようで、光を見たものは警察に届けなければいけないということだったので、そちらの方は母親に担当してもらうことにして、私と父親は朝食を食べ終わるとすぐに鹿島神社に向かうことにしました。

大鳥居を抜けて、広い境内をしばらく歩くと一人の神主さんが掃除しているのに出くわしました。
親父がAさんから電話をさせて頂いているはずだということ、お祓いのできる神主さんに合わせて欲しい事を伝えると、その若い神主さんは優しく微笑み、
「よくいらっしゃいました。私がお電話をいただいた神社生まれのNです。こちらへどうぞ」
とおっしゃると、我々を小さな社に促します。
内心こんな若い神主さんで大丈夫かとも思いましたが、少しお話をさせていただくと、その纏うオーラ、その威厳にすぐに見た目の年齢のことなど気にならなくなっていました。

177カシマさん 6/17:2015/03/11(水) 17:34:09 ID:TqGCO16A
Nさんが促してくれてた社の中は8畳ほどの小さな部屋で、やはり小さな神棚とちいさな神像が置かれた薄暗い部屋でした。
「今回は大変でしたね」
「神主さん……いったいワシ達はどうすれば!」
早速親父が切り出すと、Nさんは優しげな微笑みをたたえたまま、私に向き直りました。
「今回はお父さんには穢れは憑いていらっしゃいません。ご安心ください。
あなたが光を見たという息子さんですね?」
「はい」
「肉片は……ご覧になられましたか?」
肉片?なんのことだ?
「いえ、見ていません」
「そうですか」
Nさんが俯く。午前中だというのに薄暗い部屋の中では表情を伺うことはできない。

肉片?あの這いずる音のことだろうか?
「あの、光を見てからは怖くて布団を被ってしまったので何も見ていないのですが……。
何かが這うような音を聞きました。
最初は凄く小さくて何の音か全然わからなかったけど……。
それがだんだん大きくなってきて……」
昨夜の恐怖がぶり返してくる。
もう一度あの夜を迎えるなんて怖くてできない!

「そうですね。それが肉片の動く音です」
そう言うとNさんは数カ月前に会った米兵の話、四肢のない体で身投げをした女性の話を教えてくれた。

「自らの体を媒介にして成就した呪いの形です。
今此処で祓い切るのは容易ではない」
「ど、どうすれば!」
「先生、息子は!」
親父は私と同年代ほどの神主さんを、既に先生と呼び始めていました。

「もうかの女性の呪いはあなたへとはっきり向いてしまっている。
今夜も間違いなくあなたの元を訪れることでしょう」
「「そんな!」」
「大丈夫。心配しないでください」
Nさんは、大幣を手にすると立ち上がり、
「今此処で祓えるだけの穢れを浄化してしまいましょう。そのうえで」
「そのうえで?」
助かるならなんでもいい。
その時の私は、あの恐怖から逃れられるならなんでもしようという気持ちでした。
「同じように今夜も部屋で休んでください。
そして彼女が現れたら、3回唱えてください。
『鹿島さん、鹿島さん、鹿島さん』……と」
鹿島さん……この神社の祀る神様の名前だろうか。

「恐怖に感じる気持ちはわかりますが、這いずる肉片から目を離してはいけません。
大丈夫。この祓いと神を呼ぶ声音に依って、絶対に彼女はあなたに手を出すことはできません」
本当はもう二度とあんな思いはしたくないと思っていました。
私のもとにあの這いずる者をこさせない方法はないものかと。
しかし、この徳の高そうなNさんがここで祓えないというのなら仕方がない。
今夜追い払うしかない、そう覚悟を決めました。
「分かりました」
そう返答すると、Nさんはゆったりと微笑み、
「それでは早速祓いを行いましょう」
そう言って祓詞を唱え始めました。
私は正座し目を瞑り、頭を垂れていましたが、私が『分かりました』と返答した時に、Nさんの目が光ったように感じていました。

178カシマさん 7/17:2015/03/11(水) 17:34:21 ID:TqGCO16A
その夜。
なかなか床につく勇気のなかった私でしたが、それでも日が変わる頃には寝室へ向かうことにしました。
「それじゃあ、行って来るよ。お休み」
両親にそんな奇妙な挨拶をして居間を後にしました。
「あ、あぁお休み。また明日な!」
「お休み。また明日の朝起こしに行くわね」
両親とも不安そうに私を寝室に送り出します。
母親が一緒に寝ようかと申し出てくれましたが、Nさんの話だと狙いを付けられているのは今のところ私だけとのこと。私の部屋にいることで母親まで狙われてはいけないと思い、それは固辞しました。

いつもと変わらない私の部屋です。
今ならテレビを付けっぱなしにしたりしたでしょうが、生憎その当時はそんなものはありませんでした。
気を紛らわせるものもなく、音の出るものといえば鼻歌ぐらいのものです。
私はNさんに言われた文言をもう一度頭に思い起こし床に入りました。

いつ光が見えるか、肉片の這いまわる音が聞こえてくるかと思うとやはり眠ることはできませんでした。
それでも布団からは出ずに悶々としていると、ちょうど丑三つ刻ぐらいでしょうか、昨日とおなじ方向にボゥっと光が浮かんできました。
最初は針の先ほどに小さく、やがて米俵ぐらいの大きさまで大きくなってきます。

ザリ……

ほんの小さな音でしたが、その恐怖の音がたしかに私の耳に届きました。

ザリ……ズリ……

昨日と同じように布団をかぶってしまいたい衝動に駆られましたが、追い払うためには直視しないといけないというNさんの言葉を思い出し必死で光の方向を見続けます。

ザリ……ズリ…… ザリ……ズリ……

光の中にはっきりと蠢くなにかの物体が確認できます。

ザリ……ズリ…… ザリ……ズリ……
ザリ……ズリ…… ザリ……ズリ……

肉片。
それは確かに肉片でした。
四肢がなく、それどころか頭もない、胴体だけの芋虫のような赤黒い物体がゆっくりと這いよってきます。

179カシマさん 8/17:2015/03/11(水) 17:34:35 ID:TqGCO16A
ザリ……ズリ…… ザリ……ズリ……
ザリ……ズリ…… ザリ……ズリ……

いつの間にか光は消え失せ、部屋の中にはゆっくり進む肉片と私の二人だけの空間になっていました。
赤黒い物体は身を捩らせながら少しずつ近づいてきます。
それは世にも悍ましい光景でした。
きっと私はNさんに『肉片』と聞いていなければ、近づいてくるものが何だかも分からなかったでしょう。
それと同時にこの肉片に成り果てた女性のいきさつを聞いていた私は、同時に憐憫の情も感じていました。
頭部がないのでもちろん表情などうかがい知れないのですが、懸命に這いよるその姿は、彼女が泣いてるようにも見えたのです。

「俺が憑り殺されることで彼女が浮かばれるなら。
……それもいいか」
とそんなことまで無意識で口走っていたかもしれません。

それでもいよいよ布団に届こうかという時に、むっと凄い臭気がしましてね。
その臭いで我に返りました。
ここで俺が死んでも呪いは止まらん、と。
そう思った瞬間にはNさんに教えられた通りに、3回神様の名前を叫んでいました。

「鹿島さん、鹿島さん、鹿島さん」

すると、布団に届こうとしていた肉片が一向に近付いてこれなくなりました。
まるで見えないバリアーで布団の周囲だけが守られているように。

それでも肉片の彼女は身を捩らせてなんとか私に近づいてこようとしています。
進めず、滑るようにして布団の周囲を這い始めました。
私は教えられた通り、その一切を見つめていました。

ゆっくりと布団を3周ほどした頃でしょうか、あきらめたのか肉片の彼女は私に背を向けると、いつの間にかまた光っているところへ帰り始め……やがて光に消えていきました。
光がだんだんと収束し、そして見えなくなると……残っていたのはいつもの私の寝室でした。
あんなに血塗れの体で這いまわっていたのに畳は綺麗なままでした。
しかし、彼女は一番私に近づいた時に感じたあの臭いが、これは夢ではないことを物語っていました。

臭気は気にはなりましたが、それまで張り詰めていた緊張が解かれたからでしょうか、私はその場で寝込んでしまったようで、翌朝両親に起こされるまで夢も見ずに眠り続けました。
起こしに来た両親は布団ではないところで寝転んでいる私を見て、死んでいるかと思ったと後で言っていましたね。

180カシマさん 9/17:2015/03/11(水) 17:34:49 ID:TqGCO16A
--

私は黙ってお父さんの話に聞き入っていた。
都市伝説として聞いた時ももちろん恐ろしいとは思っていたけど、その張本人が口にする体験談はとんでもない臨場感だった。
ふと横を見ると、彼氏も同じように真剣な顔をしている。
「こんな親父の話……初めて聞いたよ」
私の顔を見てそう呟きました。
「まあな、聞かれてもないのにわざわざ息子に話して聞かせるもんでもないしな。
いつかお前が大きくなって酒でも一緒に呑んだ時には、酒の肴に話して聞かせてやろうと思っていたが」
そういってお父さんは笑います。

ここまでは都市伝説として語られているのとほぼ変わりはなかった。
光からカシマさんが現れること、四肢がないこと(頭までないとは想像してなかったけど)、神社に相談に行ったこと、『鹿島さん』と3回唱えること……。
都市伝説ではこの後もカシマさんに男は追い回されている。でもお父さんは無事に生きて私の目の前にいる。
あ、そうか。
ここまでが本当のことで、この後はもっと怖がらせようとして付いた尾ひれということか。
そう頭の中で分析をしてみた。
きっと当たらずとも遠からずだろう。

「貴重なお話をありがとうございました。長年のもやもやが晴れた気分です」
そうお礼を言ったところ、お父さんは笑いながらこう返してきた。
「はっはっはっ、お嬢さん。まだ話半分といったところですが、もう満足ですか?
都市伝説でも『男』は旅に出るでしょう?」
お父さんは楽しそうに私の顔を見ている。
えっ!? まだ半分?

確かに伝説はまだ続く。
でも男が旅に出て行方が分からなくなってしまうところで終わりだ。
カシマさんも既にはっきりと登場して『鹿島さん』を3回唱える件も終わった。半分どころか八割、いや九割型は終わっていると思っていた。

お父さんが真面目な顔になって私に言う。
「お嬢さん、都市伝説ではこの後、旅に出た男のところにも肉片が現れ、その後の男の行方はしれない。と続くのでしたね」
「そうです」
「更にこの後、こう続く。

ただ非常にやっかいなことに、この話をもし知ってしまうと、肉片が話を知ってしまった人のところにも、いつか現れるというのです。
私(兵庫県出身)が知ったのは高校時代ですが、私の高校では、この話は人を恐怖に与えるためか、迷信を恐れるためか、口に出すことが校則で禁止されました。
この話を聞いた皆さんには鹿島さんが現れないことに期待します。
もし現れたら、必ず目を閉じず、「鹿島さん」を3回唱えてください……。

と」
「その通りです」
「コレがいけない!」
そう言って苦々しそうにお父さんは膝を叩く。
「いけないって何のことだよ」
それまで黙ってやり取りを聞いていた彼氏がお父さんに尋ねる。
「うまくNの呪いだけ残ってるんだよ」
Nの……呪い……?
「しかしNさんとはお祓いをしてくれて『鹿島さん』を教えてくれた神主さんなんじゃ」
「うん、まあ確かにこの時はそう思っていたんですよ。肉片が現れても救ってくれた神主さんだとね」
お父さんは苦々しげな表情を崩さない。
「では、残りの半分。知られていない『鹿島さん』の真実をお話しましょう……」

181カシマさん 10/17:2015/03/11(水) 17:35:04 ID:TqGCO16A
--

無事に朝を迎えることが出来た私達一家は早速神社にお礼に向かうことにしました。
昨日と同じように母親は警察署に報告に向かい、父親と私でご挨拶に行きました。
とても広い境内ですが、昨日の小さなお社にまっすぐ訪ねて行きました。

「おや、いらっしゃいませ。ご無事で何よりです」
一人祈祷をあげていたNさんは振り向くとそういって、昨日の優しい微笑みを見せてくれました。
「昨晩も彼女は来たみたいですね」
「はい。でもNさんが教えてくれたとおりにしたところ、私には近づけず光の中へ帰って行きました」
「それは良かったです。しかしやや穢れがあなたに移っているようですね。
念のため祓っておきましょう」
そういってNさんは再び私達のために祈祷をして下さいました。

「うん、もう大丈夫でしょう。
今夜からはきっとぐっすりと眠ることが出来ますよ」
「ありがとうございます!」
「先生、ありがとうございました!あのコレ……ワシはこういう相場とかは分からんで些少とは思いますが」
そういって親父はどこから工面してきたのか、薄いとはいえない封筒をNさんにおずおずと差し出した。
「これはありがとうございます。
ありがたく納めさせて頂きます」

私達は二晩に及んだ『カシマさん』の襲来から解き放たれ意気揚々と帰路につきました。
家では報告の済んだ母親が昼ごはんを作って待っていてくれました。
全てが済んだことで気が楽になっていたのでしょう、父親が昨夜の話しを聞きたがりましたので、顛末をもう一度話すと、両親共に怖がったり驚いたりはしましたが、終始笑顔で話を聞いてくれました。
やっと日常を取り戻せたことで私自身も解き放たれたように感じたことをよく覚えています。
睡眠不足の私はいつもよりも早く床につきました。

その晩、異変に気付いたのはまず『臭い』でした。
寝ぼけながらも忘れられないその臭いに目を覚ました私は、今一度臭気に神経を集中しました。
勘違いではなさそうです。
間違いなく肉片の彼女の臭いが漂ってきます。
恐る恐る目を開けたその時でした。

182カシマさん 11/17:2015/03/11(水) 17:35:18 ID:TqGCO16A
ズチャアァ!

肉片の彼女が今まさに私に乗りかかろうとしています!
慌てて飛び起きた私は布団を跳ね除け叫びました。

「鹿島さん!鹿島さん!鹿島さん!!」

肉片の彼女はやはり苦しそうにもがきます。
恐ろしいにもかかわらず、やはりそののたうつ肉片は悲しそうに見えました。
ただ昨日より彼女が近づいたところで周回しているからでしょうか。
昨晩よりすこし大きくなってるな、と思ったのを覚えています。
私に近づけない肉片の彼女は、切なそうに私の周辺を這いまわった後、名残惜しそうに光の中へ消えていきました。

すっかり光が消えて夜の静寂が戻ってきた時、私はもうガマンできずに両親の寝室に飛び込みました。
「で、出てしもうた!また肉片出てしもうた!」
叫びながら扉を開ける私に両親の顔も青褪めます。
そのまままんじりともせず3人で朝を迎えました。

夜が明けると同時に私達3人は鹿島神社に急行しました。
まだ薄暗く朝焼けの残る中、重苦しい空気の私達は無言で歩き続けました。

「Nさん!Nさん!」
早朝ではありますが、境内には既に巫女様や斉員様が朝の掃除に出てきておりましたので、遠慮なくNさんの小さなお社の扉を叩きました。
いや、遠慮など感じている場合ではありませんでした。
一昨晩終わったはずの肉片の彼女の呪いがまだ続いていたのですから。

「Nさん!Nさん!」
いくら扉を叩いても応答はありません。
親父は「失礼します!」と言いながら扉を開け放ちました。
まるで時が止まったような静寂で薄暗い部屋があるばかりで、そこにNさんの姿は見当たりませんでした。

「親父!Nさんも寝泊まりはココでしてないんかもしれん。社務所で聞いてみようや!」
「そうやな、よっしゃ!」
そう言って社務所へ一目散に向かいました。
振り返った時、今思えば母親がおかしなことを行っていましたが、その時はNさんを探すのに必死で全く気になりませんでした。
「……嫌な部屋……」

「おらんってどういうこっちゃ!昨日もその前も祈祷をあげてもろて、祈祷料も納めよんぞ!!」

父親の怒号が社務所に響きます。
「落ち着いてください」
メガネをかけた神職の方が優しく諫めます。
しかし私も納得がいきませんでした。
「しかし昨日は確かにいらっしゃいましたよ!本当に祈祷も挙げていただきましたし、この神社で祀る神様の名前を呼べとも言われました!」
「そう申されましても、この神社には『神社生まれのNさん』という神職は在籍しておりません。
また、当神社では禰宜が祈祷を挙げさせていただくこともございますが、宮司の耳に入らないところでは行われません。
今おっしゃったような『肉片』に纒わるご祈祷が行われた記録はございません」

その後も私達は食い下がりましたが、メガネの神職さんは知らないの一点張りで話しにもなりませんでした。
まるで狐に摘まれたような気分で社務所を後にしました。
それでも諦められない私達は帰りにもNさんの小さなお社に寄りましたが、やはりそこには静かな空間があるばかりでした。
その時母親が手で顔を覆いながら言います。
「ここ、本当に嫌やわ」
「嫌って?」
「臭いというか……、空気感がダメやわ。もう今日は一旦帰ろう」

183カシマさん 12/17:2015/03/11(水) 17:35:33 ID:TqGCO16A
「なんや、一体どうなっとるんや!?」
家に帰ると親父が怒鳴りながらネクタイを乱暴に外す。
私としても何が起こってるのか全く分からなかった。
確かに昨日は鹿島神社にNさんはいた。祈祷も上げてもらったし、『鹿島さん』を教えてもらったのも間違いない。
連日の肉片の彼女の襲来と、突然存在しなくなってしまった神社生まれのNさんに何が現実なのか分からなくなっていた。
「あの、あんた。そのNさんを紹介してくれた方にもう一度お電話してみたら?」
「おぅ、そうだな!あの神主さんを紹介してくれたAに連絡入れてみることにしよう!」

そこでもう一つの狐が出てきてしまった。
親父がA氏に連絡をすると、『そんな話は知らない』という。
それどころか親父が電話すると、『久しぶりだなぁ。何年ぶりや、お前が俺に電話してくるんは』と言われたという。

「なんや……、どうなっとるんや……」
親父は俯いてへたりこんでいる。
「あんた……」
母親は親父の方に手を添えて、心配そうに親父と俺の顔を交互に見ている。

悩んでる間も時間は過ぎていく。
……。

「親父もおかんも昨日もおとといも何も見てへんし、聞いてないんやろ?」
「見てへん。あんたは?」
「ワシもみてないわ」
親父のところにも母親のところにもあの肉片の彼女は来ていない。
来る気もないみたいだ。
どういう理屈かはわからないが、狙いは俺だけ……ということだろうか?
……。
おそらくそうだろう。
俺だけが狙われているんだろう。
……それなら!

184カシマさん 13/17:2015/03/11(水) 17:35:46 ID:TqGCO16A
「親父。おかん。
悪いけど俺しばらく旅に出るわ」
「「え!?」」
「多分やけど……、あの女は俺だけを狙ってるみたいや。警察では家の位置がどうこう言うてるみたいやけど、親父もおかんも二晩とも見てないとなると、多分俺が目的なんやないかと思う。
それでもできれば二人には今晩は叔父さんのところに念のため泊まってもらって、俺だけ遠くまで行って見たいと思う」
「あんた。もしかして自分がその変なもん連れてこうとか思ってんのか!?」
母親が泣きそうになりながら大きい声を出す。
こんな母親を見るのは初めてかもしれない。
「そういう気持ちも少しある。カッコつけるとな。
でもこのままあの部屋で寝るのは怖いゆう気持ちもある」
「あんた!なんとか言うてえな!」
母親が親父の方を掴んで揺さぶる。
親父が顔を上げる。
「お前の気持ちは分かった。
お前一人がなんでこんな思いをするのか分からんが……、なにもしてやれんで悔しいが、このまま夜を迎えたくないいう気持ちも分かる。
行って来い」
「あんた!」
「ただな、連絡は欠かすな。
あとワシはこのまま家に住む。そんな訳の分からんもんのために家、取られたくないわ。
ただ、お前は念のためお姉さんのところ寄らせてもらえや」
そういって母親は避難させようとする。
家を取られたくない、親父は本当はそんなことは考えていないのだろう。
家にいることで私から自分に狙いが移ればいいと思って言ってくれてるのが分かった。

「よっしゃ!そうと決まれば出発は早いほうがええやろ。遠くまで行けるからな」
「そうやな。とりあえず東京の方へ向かってみるわ」
「じゃあちょっと待って。お弁当作るから」
母親は慌てて台所へパタパタと向かっていった。

185カシマさん 14/17:2015/03/11(水) 17:36:00 ID:TqGCO16A
ガタンゴトン。
俺は夕刻前には電車に揺られていた。
できるところまで逃げてみよう。
あの肉片の彼女が届かないところまで。
あの肉片の彼女が気づかないところまで。


すっかり日が暮れてからも私は電車に乗り続けていた。
電車の動く限り遠くへ行きたいと思っていた。
母親はちゃんと避難してくれただろうか?
親父は一人で大丈夫だろうか?
勢いで飛び出してしまったが……もし私の考えが間違っていたらどうだろう。
あの時は根拠のない確信を持っていたけど……。
俺のことなんてどうでもよく……『家の場所』が重要だとしたら……。

考えれば考える程分からなくなってくる。
どっち?
俺?
家?
分からない。
分かるはずもない。

駅についた電車を俺は飛び降りると公衆電話に走った。

プルルルル
「はい、もしもし」
「親父!無事か!?」
「おー、お前か。無事に決まっとるやろうが。まだ9時前やぞ」
そうか。
アタリマエのことだ。まだ肉片の彼女が来る時間じゃない。
「そんなことよりお前はどこまで行ったんや?」
「分からないけど……とりあえずずっと電話に乗っとったわ」
「宿は決めたんか?」
「いや、まだや」
「そうか、もう遅いからそろそろ宿も決めたほうがええぞ。土地勘のないところでは暗いとこ歩きまわっても分からんからな」
周辺も見回す。
なにも考えずに降りた駅では会ったが、そこそこ栄えてるところのようだ。
旅館の看板も目にはいる。
「そうするわ。旅館ありそうだから今夜はこの辺に停まるわ。おかんは?」
「しぶしぶだがお姉さんの家に送ってったわ。母ちゃんと別々に寝るのも十年ぶりじゃ!ガッハッハ」
親父が無理して明るく振る舞おうとしてくれている。
俺も沈んだことばかり行っていても仕方がない。
親父の笑い声を聞いたら何かが吹っ切れたような気がした。
「そうか。精々一人を満喫してくれや!」
「おう、そうするわ!」
まだどちらに肉片の彼女が来るのかは分からなかったが、さっきまでの暗い気持ちは吹きとんでいた。

結局俺は公衆電話から見えた宿に泊まることにした。
ひどくボロい旅館だったが、何泊の旅になるかもわからないし、贅沢ができようはずもない。
素泊まりで通された部屋は、古い小さな一間だけではあったが、掃除は行き届いているようで十分満足できた。
半日電車に揺られているだけだったが、精神的に張り詰めていたからだろうか、おかんの弁当を食べ終わり、親父に電話で宿の名前と電話番号を告げると、すぐに寝てしまうことにした。
このまま目が覚めたら朝になってたら……。
すっかり疲れきっていたのだろうか、慣れない部屋にもかかわらず、俺はすぐに眠りに落ちていった。

186カシマさん 15/17:2015/03/11(水) 17:36:21 ID:TqGCO16A
……。

…………。

……………………。











ザリ。





「!」



ザリ……ズリ……


目を開けると光の穴が目にはいる。
中心には見慣れた血塗れが這っている。

「やはり俺が狙いやったか……」

こんな所まで追われた残念さと、親父とおかんが狙われずによかったという安心感が同居していた。


ザリ……ズリ……
ザリ……ズリ……

光からすっかり体を出してくる。
「はっ!?」
逆にこんな離れてしまって、『鹿島さん』の呪文は聞くのだろうか?
急に姿を消したNさんへの不信感もあったが、今は『鹿島さん』だけが頼りだ。

いや、待てよ。
こんなゆっくり這ってくる奴やぞ。いくらでも逃げれるのとちゃうか?

そう思い着くやいなや俺は肉片の彼女に背を向け廊下への扉に飛びつく!
「! ノブが回らない!」
ガチャガチャ!
ガチャガチャガチャガチャ!!
「あかん、開かん!」
ドアと格闘している間に肉片の彼女はジリジリと近づいてくる。

ガチャガチャ!
このままでは追いつかれる!
思わず目を閉じる!

「鹿島さん!鹿島さん!鹿島さん!!」

ザリ……ズリ……
ザリ……ズリ……

這いよる音は止まない!

ザリ……ズリ……ザリ……ズリ……
ザリ……ズリ……ザリ……ズリ……

恐る恐る目を開ける!
目の前に肉塊が迫っている!!

もうダメだ!
鼻腔が臭気で充満する。
肉塊が捩りながら身を起こす。
切断された首の上にうっすらと顔が浮かんでいる!?

ドチャッ!

肉塊が俺に寄りかかる!
「……でしょ?あ……あ……ま」
肉塊がなにか囁いている!?
「……でしょ?あ……あ……ま」

「なんだ。なんで俺なんだ!なにを言ってるんだ、お前は!?」
肉塊がのしかかる。


「知ってるでしょ?あたしの頭」

187カシマさん 16/17:2015/03/11(水) 17:36:37 ID:TqGCO16A
その時だった。

パリーン。
「破ァァァァァァァァッ!!」

窓ガラスの割れた音がしたかと思うと、何者かの雄叫びが聞こえる。
同時に狭い部屋が青白い光で満たされていく。

「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ」
肉塊の断末魔だろうか?
この世のものとも思えない悍ましい絶叫が轟く!

一瞬の出来事だった。

はっと気が付くと青白い光は消え、暗い宿の風景に戻っていた。
びゅーーー
割れた窓から風が吹き込む。

「危ないところだったな!」
部屋の真ん中に陣取る見慣れない人物から声をかけられる。
見回すと肉塊の彼女の姿はもうなくなっていた。
「あ、あなたは……?」
「俺は寺生まれのTってんだ!遅くなっちまって悪かった」
た、助けてくれた? ということだろうか?

「西の方でなんか嫌〜〜な気配を感じててな。今夜にも浄化してやろうと思ってたら、こんどはこっちから臭いがするじゃねぇか。こりゃいけねぇとおもって急いで走ったんだが、ギリギリだったな!」
走った!?俺が電車で半日掛けてきた距離を!?
「とにかくもう大丈夫だ!Nの野郎とんでもねぇもんこしらえてやがったな。
お、そうだ!お前さん、Nとは会ったのかい?」
「Nとは……神社生まれの神職のNさんのことでしょうか?」
「けっ、あの野郎、今は神職とか言ってやがんのか!?」
「い、いえ、ご祈祷を上げていただいたので、俺が勝手に神主さんだと……」
「へっ、今のあの野郎は神社を護る神主でも神職でもねぇ!
ただの拝み屋で呪い屋のNよ。
それで!?Nの野郎は今どこにいやがる!?」
「それが、昨日までは鹿島神社でご祈祷を上げていただいたのですが、今日になっていなくなってて……。神社の方も所在を知らないっていうか、Nさんそのものをご存じなかったみたいで」
「ほう」
「それで、今夜はここまで逃げてきてみたってわけです」
「ほう、それは難儀だったなぁ。あの娘にも悪いことをしちまった」
「あの娘……とは?」
「なにってオメェ、お前ンとこに現れてたあの女の子だよ。
首も手足も切られちまってたけどちゃんと体は女の子だっただろ?」
とてもそこまで気が回らなかった。
「すみません、分かりませんでした……」
「まぁそりゃー仕方ねぇわな。普通は恐怖で見が竦んじまうもんだからな。
それはそうとお前、あの娘を恨まないでやってくれな」
「と、言いますと」
「ありゃーお前、あの娘の怨みじゃねぇからだよ。あの娘の怨みはとっくに晴らされてる」
「怨み……」
「おう、そうよ。お前も乗りかかった船だし、十分怖い思いしたしな。一応知っとく権利はあるだろうから話しておくか」

そう言って寺生まれのTさんは訳のわかっていない俺にいろいろと説明をしてくれた。
米兵の起こした事件はNさんの言った通り本当に起こった事件だったこと。
やぶ医者に引っかかって身投げをしたのも本当だったこと。
ここからが以前神社の社で聞いたNさんの話とは違ってきていた。

「おそらく身を投げた時、車椅子を押していたのがNだ。
Nは呪いの素体として娘に目をつけていたんだろうな。
どう言いくるめたのか分からなねぇが、とにかく娘に身を投げさせた。
おそらく米兵に復讐したくないかとか言ったんだろう。
米兵に犯され、四肢までも失った娘さんには甘い言葉だったろうな。
本当にNの言うとおりに身投げをしちまった。
新聞には載ってねぇが、この米兵はその翌々日に死んでるよ。
訓練中にわざわざ実弾を発砲している中に飛び込んでいったらしい。
ま、あんな事件起こしゃぁ自分に返ってくるのは仕方ねぇとこだ。
だがな。Nの呪いの道具にされた娘の悪夢はここで終わらなかった。
復讐を果たしたにも関わらず成仏できなかったんだ。
それからはNの式鬼として駆り出されるようになっちまった。
もう何人かやられちまった後だったが……お前さんには間に合ってよかったよ!」
そう言って寺生まれのTさんはニカッと笑った。

「とにかくそういうことだからよ!お前はあの娘を怨みに思うんじゃねぇぞ!
あ、あと、明日はちゃんと家に帰れよ。ご両親が心配してるだろう!
じゃあな!!」
親指を立てたTさんはもう一度ニカッと最高の笑顔を見せると割れた窓ガラスを飛び越して夜の闇に消えていったんだ……。

188カシマさん Last:2015/03/11(水) 17:37:07 ID:TqGCO16A
--


「……これが、あの都市伝説の真相です」
私はお父さんの話してくれる『鹿島さん』の真実を聞いて涙を流していた。
ただの怖い話じゃなかったんだ。
そんな悲しい事件があの都市伝説の裏に隠されていたなんて。
「私は夜が明けるとすぐに家に戻りました。
あまりに早い帰宅に覚悟を決めて見送った親父にも馬鹿野郎なんて頭を叩かれましてね」
「親父、それからは本当にもうその『カシマさん』は出てこなかったのか?」
「彼女は『カシマさん』なんて名前じゃないよ!」
お父さんが激昂する。
「す、すまんな。急に大きな声出して。お嬢さんも申し訳ない」
「い、いえ」
「しかし。彼女の名前は『カシマさん』なんかじゃないんだ。
カシマさんとはNが残した呪いの言葉だったんだ。
どういう理屈で式鬼を育てるのか、どういう理屈で呪いを増幅するのか、鹿島神社の神様の力を利用としていたのかどうかは私にはよく分からない。
しかし私と私の親父にしたあのお祓いも怪しいもんだと今は思っている」
「その後Nさんは……」
お父さんは首を振る。
「見つかっていない。それから肉片の彼女ももう私のところに姿を見せることもなくなった。
今思えばまるで夢の中の出来事のようだよ。
ただ、先ほどのお嬢さんの話で確信したよ。
まだこの呪いは生きている。
口々に人から人へ『呪いの話』として伝えられることでNはその恩恵を受けているだろうとね」
私はなんて愚かだったんだろう。
実際に起こった事件だと思いながら、被害者が確実にいる事件にもかかわらず、とりあえず怖がりながら、面白おかしく伝聞していく一人になっていたなんて。

「お嬢さん」
お父さんは優しく微笑む。
「私はお嬢さんたちを責めているわけではないよ。そんな呪いなんてものが現実にあるなんて思えという方が無理だ。実際体験した私だって半信半疑だったところはあるからね。
これからだ。これから慎めばいいんだよ」
「はい……。わかりました」
私は涙を拭う。
もう『カシマさん』なんて呼ばない。
小さな力だけど、私からだけでもNの呪いを薄めていこう、と心に誓った。

「しかしさー、親父が自分でも言ってたけどまるで夢みたいな話だな。呪いのNとか寺生まれのTさんとか」
「確かにな」
「本当に夢でも見てたんじゃないの?」
親子の気安さで彼はお父さんを茶化す。
「いや、本当に夢ではなかったよ。寺生まれのTさんは確実に存在した。
そして私を救ってくれたんだ」
「でも夢じゃないって証拠もないんだろ?」
「いや、翌日家に帰って、肉片の彼女に追いかけられる心配がなくなったと思ってるところにな、
郵便屋さんが来て一通の速達を渡していったんだ」
「それで?」
「それにはびっくりするような金額が記入された請求書が入っとった。
Tさんが光弾を撃った時なんだろうなぁ。
窓ガラスだけじゃなく、古い旅館の土台から逝ってしまったみたいでな。
その目玉の飛び出るような請求書を見て私の親父がポツンとつぶやいたよ。

寺生まれってハンパねぇなって」

189寺生まれの名無しさん:2015/03/11(水) 17:40:08 ID:TqGCO16A
長いばっかりでホントスミマセン……

>>170
Tさんの右下にJちゃんがいると見た!
見せてくれーー

190( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/03/11(水) 18:27:04 ID:6xerZt.M
>>170
ハァァァッ!!さん、絵も上手ですね!!!
Tさんはやっぱりツルツルではないですよね(笑)

昨日は何もなかった分今日は凄いですね!
5話以上ありますね〜♪
じっくり読ませてもらいます!
みなさん、ありがとうございます!

191☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/11(水) 20:12:48 ID:O1HsKK8k
レスありがとうございます
誉めていただいてとても光栄です!

確かにJちゃんいます
よくわかりましたねw
でも描いてから、Jちゃんは「○○っす!!」みたいなしゃべり方するのを思い出したので描き直したいと思います^^;

192寺生まれの名無しさん:2015/03/11(水) 23:04:44 ID:d.UrzE.6
管理人さんにも読んでほしいくらいクオリティが高い話が多いな

193chikatomo★:2015/03/11(水) 23:28:26 ID:???
>>192
もちろん全部読んでますよ!
あと私が書いてみたのもいくつか混ざってますよー╭( ・ㅂ・)و ̑̑

194寺生まれの名無しさん:2015/03/12(木) 09:42:39 ID:i.7P46oE
もしTさんが如月駅に迷い込んだら・・・ダメだ、一瞬で脱出してしまうから話にならない
むしろ迷い込んだ人を助ける側だな

195chikatomo★:2015/03/12(木) 11:57:49 ID:???
>>191
☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!! さん!今日のTさん記事の最後に画像を使わせてもらっちゃったりしたんですけどよいですか?
Tさんが案内してくれる体で加工もしちゃったんですけど……。
だってTさんほぼイメージ通りだったもんで(ง ´͈౪`͈)ว

196chikatomo★:2015/03/12(木) 12:11:04 ID:???
急いで加工して文字入れしたもので、『そんな使い方は許さん!』ということでしたらおっしゃってください!

197chikatomo★:2015/03/12(木) 12:18:58 ID:???
できればこっちの掲示板じゃなくてブログの方を先に見てもらってびっくりしてみて欲しいとこです(´¬ٯ¬`)

198寺生まれの名無しさん:2015/03/12(木) 13:43:46 ID:owWGh0Ek
Tさん上手ですね!
あと鹿島さん長すぎです!
でもしんみりしてしまった

199☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/12(木) 17:59:19 ID:vVUejn8g
>>197
ちかさんの期待を裏切って掲示板を先に見てしまった…

なんか凄い展開になってびびったwww
こんな駄作を使用して頂けるとは…見に余る光栄…いまなら「破ァ」出せるかも
……出なかった

加工とか色々していただいて構いませんよwww
猫耳生やしても口髭蓄えても何でもオッケーッス
寧ろ美しくして欲しいorz

200寺生まれの名無しさん:2015/03/12(木) 18:15:10 ID:K0jWswDk
俺の中のTさんは頭にバンダナ巻いてるイメージ

201chikatomo★:2015/03/12(木) 18:27:12 ID:???
>>199
こっちが先かーー。全然OKです。
使わせていただいてありがとうございます。
私は全く絵が描けないので、書く方で頑張ります!

Jちゃんお待ちしていますよ!

>>200
バンダナかー。バンダナ装着時は袈裟は着てんのかな?
想像してたらかっこいいかも。

202chikatomo★:2015/03/12(木) 18:30:59 ID:???
>>199
画伯!バンダナのオーダーが来ております!!
もしくは>>200さん自ら描いていただても!

203( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/03/12(木) 18:49:07 ID:3esZk1cM
タトゥーの話 面白かった!

カシマさんの話 昨日の夜中に見たのは失敗でした…怖かった…(笑)

ハァァァッ!!さんの作品、Tさん記事に使われましたね!
おめでとうございます!

204寺生まれの名無しさん:2015/03/12(木) 23:04:48 ID:LCUoTkVQ
このイラストがイメージに近いかな
ttp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=27577497

205寺生まれの名無しさん:2015/03/12(木) 23:08:39 ID:LCUoTkVQ
あ、ID変わってるけど200です
TさんのSSもっと増えろ〜

206寺生まれの名無しさん:2015/03/12(木) 23:09:08 ID:N/yO3ncc
背景の文字が怖い……。元ネタは何ですか?

207寺生まれの名無しさん:2015/03/12(木) 23:22:43 ID:LCUoTkVQ
http://chikatomo.doorblog.jp/archives/34617972.html
たぶんこれだと思う
後、自分で書いたわけではないのです

208寺生まれの名無しさん:2015/03/12(木) 23:29:10 ID:LCUoTkVQ
某笑顔動画のTさんの紙芝居動画が面白い
何を言ってるかわからないと思うが、検索すれば分かるはず

209chikatomo★:2015/03/12(木) 23:48:27 ID:???
>>206
http://chikatomo.doorblog.jp/archives/23727996.html
これの赤バージョンですな。
伊集院光さんの持ちネタだったかと思います。

210chikatomo★:2015/03/12(木) 23:52:50 ID:???
あぁ放置してたら207さんの書き込みリロードしてなかった。
私より正確なURLですな。
でも読んでるだけだとそんな怖くなくても>>204みたいに絵で見ると怖いね

211寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 00:00:59 ID:RJ2v.iIg
>>208はこれのこと
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm24645312?ref=search_key_video

212☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/13(金) 00:56:31 ID:HNS/c3ew
加工とか色々していただいて構いませんとか言っといてアレだけど
何か本当に自分の落書きで良かったのかな?
各々イメージあるみたいだし´・ω・

213タタリサマ 1/2:2015/03/13(金) 01:31:28 ID:q3xRHXaw
「破ァァァァッァァッ!!!」
寺生まれのTさんの手から光弾が放たれるっ!

「グギャアアアアアアアアア」
この世のものとも思えぬ異形のアヤカシが巨躯を捩りながら断末魔の叫びを上げる。

「ふんっ、一発では浄化しねぇか。これほどまでに成長するとは、いったいこいつはどれだけの魂を取り込んできやがったんだ!」
「ホントっすね!ここできっちり現世との線引きをしてもらいましょう」
「さすがに呪い屋のNの作り上げたアヤカシ。手間取ってしまいましたが引導を渡す時ですね」

「グォォォォォォォォオオオオオオオオオ」
異形のアヤカシの雄叫びが山鳴りとなって響き渡る!

寺生まれのTさんが頭に巻いたタオルを締め直す。
「よっしゃラストだっ! 逝くぜっ、Kよぉ!」

十字架を翳し、祭服をはためかせた教会生まれのKさんが呼応する。
「うむ、逝こう! 準備はいいかい、Jちゃん」

神社生まれで巫女のJちゃんは丹田の前で素早く九字を結ぶ。
「はいっ、もちろんです!行きましょう! T様! K様!」

Tさんから青白い光弾が射出する!
Kさんから白銀の波動が放射する!
Jちゃんから薄紫の衝撃が伸展する!

「「「破ァァァァァァァァッァァァァァッァァッ!!!!!! 」」」

三つの光の筋が異形のアヤカシに伸びていき……
そして一点に収束する!!!

「グオオオオオオオオオォォォォォォォォオオオオオオオオオ……」
アヤカシの最後の咆哮が轟く。

ブシャァッ
異形のアヤカシは口から大量のヘドロを撒き散らし……
そしてやがて小さな粒となって拡散していった……。

「ふぃ〜、今回はなかなか強かったなぁ、Jちゃん……」
TさんがJちゃんを振り返る。
「もぉーーーー、最悪ですよーー、もろにヘドロかぶっちゃったすよーー」
Jちゃんが真っ白い巫女装束を真っ黒に染めて半ベソをかいている。
「まさかこんなに汚れを溜めていたとは……」
Kさんもカッコつけてはいるが、頭からきっちりベッタリいかれている。
「まぁまぁ。きっちり浄化できたんだからいいとしようぜ。
しっかし、それにしてもこの臭いはたまんねぇなぁ」
「そうっすよー。もうお風呂入りたーーい」
「引導を渡したからには長いは無用。
まもなく日も暮れます。山を降りましょう」
「そうだな」
「ひぃ〜、足袋の中まで気持ち悪いっすぅ〜」

無事今日も強大な悪霊を成仏させた一行は山を降りていくのだった。

214タタリサマ 2/2:2015/03/13(金) 01:32:21 ID:q3xRHXaw
--


「あっ、T様!前方にお爺さんと少年が!」
見ると、山仕事が終わったであろう二人が一行の数十メートル前方を歩いている。
「おう、もうすぐ麓ってこった。
よっしゃ、山であったらみんな友達!ちょっと挨拶していこうや!」
「はぁ~、T。あなた今の自分の格好が分かってますか?」
「あ~、そっすねー。とても人様の前に出るような感じではないっすねー、臭いし」
「こんなヘドロだか体液だか魂の残りカスだかよく分かんないものがべったり付いたまま人前に顔を出すなど私の美意識が許しません!」
Tさんは心底面倒くさそうな顔をする。
「破ぁ~、わぁった、わかったよ。でもこのまま待ってるわけにもいかねぇからな。のんびり付いていこうや。
こんだけ距離がありゃいいだろ」
「そっすね」
「一刻も早く教会に戻りたいのは私とて同じ。そうしましょう」

ザッザッザッ。

三人は一定の距離を置いたまま山を降りて行く。


--


「ねぇ爺ちゃん、なんか後ろから足音が聞こえないか?」

ザッザッザッ。

確かに。足音のようにも聞こえる。
しかしこんな時間にこの山に入る者などおらんはずじゃが……。

「!」
その時ハッと大昔に爺さんが話してくれたことを思い出した……。


『うちの爺さんが子供の頃、よく山での仕事を父親(俺の曾爺さん)に手伝わされたそうだが、仕事が遅くなって日暮れ時に山道を下っていると、後ろをついてくる足音のような奇妙な音が聞こえることがあったという。

そんな時父親は、必ず「後ろを振り返るな。あれはタタリサマだ。振り返ればひいて行かれるぞ。」と厳しい声で言った。

しかし、昔からの言い伝えだけで、父親も詳しい正体は知らないようだったという。

その足音は下駄を履いて飛び跳ねながら降りてくるような音だったと爺さんが言っていた。

麓の地蔵堂をこえる頃には、いつのまにか足音はしなくなったらしい』


あれは本当のことじゃったか!!
「坊主っ!振り返ってはイカンぞ!
あれはタタリサマだ!
振り返れば……ひいて行かれるぞ!!」
「う、うん!わかった!」


顔を見合わせるTさん、kさん、Jちゃん。
「おい、言われてるぞJちゃん。タタリサマだってよ」
「なに言ってるんですかT様。T様こそ……っていうかこの真っ黒な顔したK様が一番タタリサマっぽいっすよ!」
「Jちゃん失礼な!この中で最も妖怪に近いのはTに決っているではないか!」
「なにぃ、このメガネ陰険腐れ神父が!妖怪とはよく言ってくれたな!」
「ふん。人間生まれの今は限りなく妖怪じゃないですか、生臭坊主が!」

Tさんが指をポキポキと鳴らしながら薄ら笑いを浮かべる。
「ほぉ、Kさんよぉ、俺に成仏させて欲しいらしいなぁ」
Kさんも口角を上げて呼応する。
「今日の最後の仕事はあなたに引導を渡すことでしたか……いいでしょう、妖怪はここらで祓ってしまいましょう」
「もぉーーいい加減にしてくださいっす、二人ともーーー!」

「破ァァッ!!」
「アーメン!!」

二つの光が交錯する!!


「爺ちゃん、後ろでなんかとんでもない音が……」
「振り返ってはいかん、振り返ってはいかんぞ!坊主」

「破ァァッ!!」
「アーメン!!」
「コラーーーー」

「でも……爺ちゃん」
「いかんぞ、坊主!ほら、もうすぐ麓じゃ!」

爺ちゃんに急かされながら、やっぱり山ってなにが起こるかわからない、と思う幼い僕であった。

215タタリサマ:2015/03/13(金) 01:33:39 ID:q3xRHXaw
あんまり原型を留めていないかもしれませんが、元ネタはこれです。
http://chikatomo.doorblog.jp/archives/43110435.html

216寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 01:58:10 ID:RJ2v.iIg
ワロタww
二人ともどうでもいいことで喧嘩すんなwwww

217☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/13(金) 02:03:29 ID:HNS/c3ew
>>215
コミカルでとても好きだァ!
Kさんが聖職者なのに結構毒吐いてるのも笑えるw

漫画とかショートアニメとかになったらより一層映える予感…

218寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 02:07:30 ID:q3xRHXaw
>>216 ワロテくれてありがとう!
食べたくなるなるケンタッキー

219寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 02:18:20 ID:q3xRHXaw
>>217
書いて……いただけるんですね?

220寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 12:16:30 ID:RJ2v.iIg
まとめサイト見たら今度はKさんのイラストが!
この調子でNさんとかJちゃんも増えるといいな

221子供の頃:2015/03/13(金) 12:25:48 ID:RJ2v.iIg
子供の頃、エロ本を姉に見つかった時「親父には言わないで」とお願いしたら
「叱られたら可哀想だからいいよ」と言わないことを約束してくれた。だけど代わりに
「アンタはまだ子供だから」と本は没収された。

後日、偶然親が姉の部屋からエロ本を発見。緊急家族会議となった。
「どうしてあんな本を持ってる!?」と怒り狂う親父に姉は一言も俺のことは言わなかった。

『親父には言わない』という約束を守ってくれた姉の姿に感動した俺は、
そんな優しい姉が自分のせいで叱られているのが可哀想になり、とうとう自分から
「その本は俺のだ」と父に白状した。そしたら親父が、
「おまえが、男同士が抱き合ってる本を買うわけ無いだろう!」と一言。
親父がテーブルに叩きつけたそのエロ本は同人漫画、しかもどうやら作者は姉であるらしい。

あまりの衝撃に頭が混乱し、思わず手にとってパラパラとめくると、そこにはなんと、
学校の先輩で姉ちゃんと同級生の、寺生まれで霊感の強いTさんと俺の濃厚な絡みのシーンが!

「破ぅあ!!」

不意に家の外で誰かが、腰砕けになった様な悲鳴をあげた。



親父は相変わらず姉を追及し続けているが、姉は頑として口を割らない。
腐女子って凄い、その時始めてそう思った(><)

222寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 12:57:27 ID:q3xRHXaw
>>221
Tさん外で何してたんだwww

223☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/13(金) 13:08:53 ID:rCOmVkbk
>>219
ごめん
流石に漫画は描けないっすw


誰か漫画orアニメ描ける人いないかしら

224寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 13:10:26 ID:q3xRHXaw
Tさん漫画読みたいですね!

225すごろくと婆ちゃん:2015/03/13(金) 14:02:22 ID:RJ2v.iIg
オレは小さい頃、家の事情でばあちゃんに預けられていた。
当初、見知らぬ土地に来て間もなく当然友達もいない。

いつしかオレはノートに、自分が考えたすごろくを書くのに夢中になっていた。
それをばあちゃんに見せては
「ここでモンスターが出るんだよ」
「ここに止まったら三回休み〜」

ばあちゃんはニコニコしながら、「ほうそうかい、そいつはすごいねぇ」と相づちを打ってくれる。
それが何故かすごく嬉しくて、何冊も何冊も書いていた。

やがてオレにも友達が出き、そんなこともせず友達と遊びまくってたころ
家の事情も解消され、自分の家に戻った。
ばあちゃんは別れる時もニコニコしていて、
「おとうさん、おかあさんと一緒に暮らせるようになってよかったねぇ」と喜んでくれた。

先日、そのばあちゃんが死んだ。89歳の大往生だった。
遺品を整理していた母から、「あんたに」と一冊のノートをもらった。
開いてみると、そこにはばあちゃんが作ったすごろくが書かれてあった。

モンスターの絵らしき物が書かれていたり、何故かぬらりひょんとか
妖怪も混じっていたり。「ばあちゃん、よく作ったな」とちょっと苦笑していた。
最後のあがりのページを見た。「あがり」と達筆な字で書かれていた、その下に

「義弘(オレ)くんに友達がいっぱいできますように」

人前で、親の前で号泣したのはあれが初めてでした。
ばあちゃん、死に目に会えなくてごめんよ。

226すごろくと婆ちゃん:2015/03/13(金) 14:03:06 ID:RJ2v.iIg
「破ぁッ!」
そのとき、いつのまにか現れたTさんがオレの手からばあちゃんのノートを奪い取って裂帛の気合いとともに粉々に破り去った。
「危ないところだった。人が想いを込めて描いた絵には魂が宿るものだ。このノートに描かれた妖怪画も書いた主の想いで妖怪化しかかっていた」

バラバラに破り捨てられたばあちゃんのノートを見て、気がついたらオレはTさんを全身の気力を込めてぶっ飛ばしていた。
寺生まれでもやっていいことと悪いことはある、オレは心の中で「ばぁちゃんすまない」と謝りながらそう思った。

227妹は二重人格だった:2015/03/13(金) 14:12:06 ID:RJ2v.iIg
中学生の頃、妹は二重人格だった。

なんでも、火を見ると「影羅(エイラ)」という魔族の人格が現れるそうで、

真っ暗な部屋の中で唐突にマッチを擦っては、
「……ヘヘ、久しぶりに外に出られた。この小娘は意思が強すぎて困るぜ(笑」
などと乱暴な口調で叫んだりしていた。

ある日、夕食の時に「影羅」が出たことがある。
突然おかずの春巻きを手掴みでムシャムシャと食べ始めて、「久々の飯だぜ(笑」と言った。

「こんな女の子に取り付いて、自分の結界を広げてたのかい、この小悪党め!!」

突如現れたのは寺生まれで霊感の強いTさんだ。

「破ぁー!」と叫びまばゆい光を妹に浴びせた。

妹は苦しみもがいて、口から黒いもやのようなものを出した。
黒いもやは光を浴びて苦しそうに身じろぎしたあと、消滅した。

食べ物関係のジョークを一切許さない母が、

Tさんの頭にゲンコツ振り落とすとTさんは涙目になっておとなしくなった。
それ以来、食事時にTさんが出たことは無い。

そして影羅とやらは、その一件以来パタリと出なくなった。

最近になって、大学生になったTさんにその頃のことを尋ねたら、

クッションに顔を埋めて、手足をバタバタさせてのた打ち回っていた。

228寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 14:27:32 ID:q3xRHXaw
>>226
久し振りの空気よめないTさんや!
婆ちゃんの日記返せwww

229寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 14:28:55 ID:q3xRHXaw
>>227
母ちゃんツヨスw Tさんカワイスwww
いっぱい読めて嬉しいです!

230寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 15:34:28 ID:q3xRHXaw
こんなのも。
JちゃんKさんTさんの3ショット
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=33221020

231寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 15:40:37 ID:q3xRHXaw
ピクシブにログインしないと見れないと思いますが、25Pの
『赤いワンピースの女』が読めます。
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=45323612

ちなみにこの漫画ではタオル巻きTさんでした。
http://i.imgur.com/L85mvkV.png

232寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 15:44:30 ID:q3xRHXaw
むっちゃ怖いTさん……

http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=39603944

233寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 15:47:22 ID:q3xRHXaw
俺は久々に嫌な夢を見た
ノコギリを持った男が俺の部屋に立っている・・・
俺は恐怖のあまり動くことが出来ず、ただその男を眺めている。
すると男は突然ノコギリで家の柱を切り出した!
思わず「やめろ!!」と叫ぶ俺

するとゆっくりこちらを振り返る男
その顔は、見るも無残に潰されて顔中に釘が打ち付けてある
「お前もこうなりたいのか?お前もこうなりたいのか?
してやろうか?してやろうか?」

ゆっくり俺に近づく男・・・俺は金縛りにあったように動けず、そして・・・
男のノコギリが俺の顔に・・・

そこで目が覚めた

嫌な夢だ、後味が悪い・・・俺は水を飲もうと立ち上がった
俺の目に飛び込んできたのは、無残にも傷つけられた家の柱!
俺は恐怖で腰を抜かしてしまった、あの男は現実に!!
そして次はホントに俺の顔が刻まれてしまうのではないかと

その日のバイトで、俺は寺生まれで霊感の強いTさんにその夢を相談してみた
しかし、Tさんは「しょせん夢だろ?」と冷たい対応
なんとしても引き下がれないので必死に何とかしてください!と頼み込むと
「それじゃあ俺の作ったお守りやるからそれを枕元に置いて寝ろ、
そうすりゃ大丈夫だ」とお守りを渡してくれた

次の日、不安ながらも朝の早かった俺は床に付いた、そこでまた夢を見た
「つづき、つづき、つづき!つづき!つづき!つづき!」
またあの男だ!!俺は夢の中でTさんのお守りを探した
しかしどこにも見当たらない・・・
「これ?これ?これ?」なんとお守りを男が持っている!もうおしまいだ!!

だが次の瞬間、お守りが眩い光に包まれ、どこからとも無くTさんの声が
「破ぁ!!」
お守りは光と共に飛び散り、男の半身を吹き飛ばした。

「あああああああああ」
半身でのたうつ男を尻目に俺は夢から目覚めた
枕元にあったはずのお守りはどこをどんなに探しても見つからなかった・・・

その話をTさんに話すと
「半身を吹き飛ばした?
やれやれ、威力は親父の作った奴の半分か・・・」と呟くTさん
寺生まれはスゴイ、俺は感動を覚えずにはいられなかった。
(洒落怖「悪夢」より抜粋)
 ■…という素晴らしい武勇伝を多数お持ちのTさんを想像のみで描きだした結果がこれです。オリジナル…なのか…?素敵背景はお借りしました、ありがとうございます!

http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=28055925


禍々しすぎるやろ……

234寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 15:53:07 ID:q3xRHXaw
35PのコメディTさん。
これもログインしないと読めないかな?

http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=manga&illust_id=16779542

Tさんの自由度の高さがわかるTさんですな。
http://i.imgur.com/XBtsiaA.jpg

235寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 15:57:36 ID:q3xRHXaw
http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=5801831
私のイメージの中ではこんなおじさんぽくても
寺生まれのTさん(19)
でもおかしくない。

236寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 16:11:11 ID:q3xRHXaw
>>212
というわけでいろいろ見てみたけど私は☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!さんのTさんとか
>>230の頭ピカーのTさんが一番しっくり来ます!
Jちゃんもよろしくお願いします!(Nさんも見てみたいです!)

237生き人形:2015/03/13(金) 16:47:01 ID:jNiFzGFE
酷く寂れた村の奥に、その家はあった。昔の裕福な家によくある石で出来た大きな倉、今は枯れているが昔は綺麗な水が流れて鯉などか泳いで居たと想像させられる池、大きな平屋建ての家、その中の、鍵のついた真っ青な部屋。
「――ここが、娘が閉じ込められていた"蒼の間"でございます」
老いた案内人は扉の軋む音をゆっくりと響かせて、扉を開けた。



この、とある村のある少女と人形の逸話をネットで知ったのは先月のことだ。文化祭での出し物に煮詰まっていた映画研究会の僕たちは、村が近かったこともあり飛び付くようにこの村を舞台にその逸話になぞらえた映画を製作して発表することを決めた。実話ということもあり、部員のなかには撮影を躊躇う声を上げる人もいたが、事前に十分供養しおけば大丈夫だろうという結論に至った。
村は小さく、過疎化が進んでいたがどうにか案内してくれる人を見つけ、取材することになった。今回はその撮影前のお祓いだ。



蒼の間は重く湿った空気をまとい、室内は薄暗く、案内人が懐中電灯に明かりをつけてやっと周りのものが薄らとわかる程度だった。目を凝らすと、数脚の椅子と何体かの人形があるのは認識できた。床はやけに散らかっていて、懐中電灯の光が反射したことでビー玉や鋏、鎌が落ちているのが分かった。
「さぁ、そこの椅子にお掛けください。まずはこの部屋で起こったことについて、私から説明致しましょう」
案内人が囁くような声で僕たちに説明を始めた。

「― 昭和初期のことでございます。この蒼の間では、流行り病を患った娘が幽閉され、その短い生涯を終えました。娘は生前、友達代わりの人形の百合子やその他の人形達を相手に、お医者様ごっこをすることが唯一の楽しみでした…」
すっ、と案内人が指を指した先には一際整った顔の人形が椅子に座っていた。
「…この子が、百合子です」
柄はわからないが、鮮やかな青い着物の、頭身の大きな日本人形に見える。こんなリアルな人形で、件の少女は遊んでいたのかと思うと、寒気がする。ありえないが、実はつい最近の話でこれが件の少女です、と言われてもこの薄暗闇では納得してしまうかもしれない。それほどその人形は僕に生物の印象を与えていた。
「娘は百合子などの人形たちに、鎌を使った残酷なお医者様ごっこを好んで行っていたと聞きます…この百合子も、服のしたには生々しい傷が―」
その時、百合子が立ち上がったように影が揺らめいた。いや、実際に百合子が立ち上がった…!

「あたら…し、い…かんじゃ、さん…?」
「ひっ!」

驚いて尻餅をついた案内人を百合子は見下ろす。案内人が投げ出した懐中電灯が照らすその顔は、新しい玩具をもらった子供のように嬉しそうな顔で、鎌を拾うと少女のような声で優しく話しかけてきた。
「あなたは、どこがわるいの…?」
「ひ、ひィ…!」
「そっかぁ……目が悪いのね?」
短い悲鳴を上げて逃げようとする案内人を百合子は追い詰め、
「悪い目玉をどうしましょう?」
床のビー玉を拾うと、床にしゃがみこんだままの案内人に目を合わせるようにしゃがむと、ビー玉の光を見せつけるように案内人の目に近づけて、

「この綺麗なビー玉と取り替えてしまいましょう」

歌うように囁くと鎌を振り上げ、勢いよく案内人の目をめがけて降り下ろそうとした瞬間

「そこまでだ」

聞いたことのある声、寺生まれで霊感の強い先輩のTさんが蒼の間の入口に立っていた。
Tさんは百合子の方に両手をかざし「破ァッ!」と叫んだ。すると青白い閃光が百合子を包み、百合子はみるみるうちに生気が抜けていき閃光が消える頃にはただの人形となってその場に崩れ落ちた。
「Tさん、なんでここに?」
「綺麗な人形がお医者さんごっこをしてくれる屋敷と聞いていたんだがな…こんな危ないお医者さんごっこならイメクラいった方がマシだったな…」と呟くTさん。
寺生まれってスゴイ、案内人を起こしながら改めて思った。

終わり

238生き人形:2015/03/13(金) 16:50:11 ID:jNiFzGFE
>>236
名無しですけどもしかして管理人さんですか?

239chikatomo★:2015/03/13(金) 17:51:23 ID:???
>>238
あ、そうです。管理人です。
すみませんTさんの投稿の時は外して雑談のときは分かりやすいように付けとこうと思ってたんですが、
昨日のタタリサマから外れっぱなしでしたね…。

240こげら:2015/03/13(金) 17:53:03 ID:xyxnVdmw
投稿させて頂きました
ありがとうございます管理人様♪

241chikatomo★:2015/03/13(金) 18:04:18 ID:???
>>240
いやいやこちらこそ!

242こげら:2015/03/13(金) 18:08:44 ID:xyxnVdmw
今度はよく読んでから投下します
すいませんでした(>_<)

243chikatomo★:2015/03/13(金) 18:17:10 ID:???
ホントにOK!気軽に書いてくれてOKです!
よし、じゃあもうこのくだりは終わりにしましょう。
こげらさん、また投稿おまちしてます!!
私も電車でTさん書きまくるぜっ!

244こげら:2015/03/13(金) 18:18:24 ID:xyxnVdmw
いえーぃ(*^_^*)

245( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/03/13(金) 18:18:59 ID:/w2g5ths
また、凄い増えてる!
じっくり読ませてもらいます!

Kさんあの顔で毒吐くんでしたっけ?(笑)

246chikatomo★:2015/03/13(金) 20:42:23 ID:???
>>245
そう、たぶんすっごい笑顔で毒づくんですよ!

247☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/13(金) 22:22:58 ID:HNS/c3ew
>>245
時々Tさんにのみ毒を吐くのもありかと…

248こげら:2015/03/13(金) 22:29:14 ID:xyxnVdmw
ちかともって面白いですね(笑)

いろんなとこに飛んで怖いお話楽しんでます

やっぱりお寺生まれは違う!

249継呪の老婆:2015/03/13(金) 22:52:06 ID:RJ2v.iIg
東京の自宅に戻る上りの新幹線の中で、私は、昨晩から今日にかけての出来事を思い返し、憂鬱になっていた。 ハンドバッグから、ベッコウの髪留を取り出し暫く見つめていると、涙が溢れ止まらなくなった。
幼馴染で親友でもあったトモに最後のお別れをするために、とある海沿いの小さな温泉町に行っていた。 私にとってもその町は故郷だ。髪留めをくれた、トモのお母さんの言葉を思い出した。

「トモちゃんとずっと仲良くしてくれてありがとう。あの子は、サトちゃんが
いるから、仕事は大変だけど東京の生活にも耐えられるって、いつも・・・」
トモのお母さんは、涙でそれ以上言葉を続けることができなかった。
最後に、この髪留を差し出して、私に告げた。
「お友達には、あの子の遺品をあげているの。これは、あの子が最後の日に身に着けていたもの。是非、サトちゃんに持っていて欲しいから・・・。」

ふと、最後にトモと会った晩の光景が浮かんだ。深刻な顔で、彼女が、泣きながら私にしがみついていた・・・。 翌日、彼女は遺体で見つかった。
トモの死には謎が多い。自室で発見された彼女の遺体は、体中の水分を失い、
まるで何年も太陽に照らされていたかの様に、衰弱し、干からびていた。
窓の外は、いつの間にか雷雨になっている。暗闇に一筋の稲妻が走った。

250継呪の老婆:2015/03/13(金) 22:53:48 ID:RJ2v.iIg
トモは、亡くなる1ヶ月前に帰省していた。彼女は小学校の時に温泉町に引っ越してきたが、すぐに彼女の父親が他界した。 トモの母と父の実家とは折り合いが会わず、父親の遺骨は分納されたと聞かされたことがある。
私は、そのとき父親の墓参りに行ったというトモの話しを思い出した。

「お父さんのお墓にいってね、お父さんに仕事とか恋人のことを報告したわ。
で、不意に気が付いたの。墓石をはさんで向こう側に、婆さんがみえたの。
お盆で他にも人はいたけれど、気になったのは、その婆さんが私の方をじぃっと見つめてた事よ。」 私の部屋に休息に来たトモは、小さな巾着袋を
取り出しながら、話を続ける。 「私と目が会うと、すぐにかがんで、お墓の前で、ブツブツと呟いていたわ。」トモは袋の紐を解き、中をまさぐる。

「恐怖雑誌の編集なんてやってるからかしら。職業柄ね、ピンときたのよ。」
得意げに言った彼女は、沢山の白い破片とアン肝の干物のようなものを、袋から取り出し、机に広げた。
「私は婆さんに話かけたの。綺麗な髪留めを手で押さえ、婆さん、ブツブツ言いながら私の顔を見上げたわ。
どこかで見た顔だと思ったら、クラの婆さん。知ってるでしょ?三つ上のクラタよ。彼のお通夜で会ったわ。」
トモが語る。私が怪訝な顔で、机の上の物に手を触れようとするが、彼女は私の手を掴み、話を続けた。
「挨拶をしてお別れしたけど、何か引っかかったのよね。私の名刺を渡しておいたわ。」
窓を眺め、私は一息つく。気が付けば外は雨になっていた

251継呪の老婆:2015/03/13(金) 22:56:54 ID:RJ2v.iIg
新幹線の車窓に雨が滴る。私は静かに目を閉じた。死の前日、必死で私にすがりついたトモは、耳元で何かを囁いた。 彼女の手を握り、頷く私・・。
「分かってたよ。トモ。・・・」私は、再び一ヶ月前のトモの話を思い返した。

トモは興奮していた。「その日の夜遅く私の家に来たのよ。あの婆さんが!私、思わず「ビンゴ!!」って叫んじゃったわ。」
タバコを取出し火をつけて「婆さんは暫く黙っていたけど、意を決し、私に語り始めたの。」トモは続けた。
トモによれば、老婆の話は次のようなものだった。老婆は、トモを心霊等の専門家と思って訪ねてきた。
有名な霊能者を紹介して欲しいと、頼みに来た。
「わしの一族は、代々この呪いを受け継いできたんよ。」老婆は言った。
「けんど、一族の者は皆死に絶え、もう引継先がないんよ。呪いを引き継ぐのが私んトコの
使命だんべの、途方にくれとったんよ。」老婆は、小さな巾着袋を取り出した。

「もう何日も残っとらんのよ!わしの、すぐ近くまで来とる!」
取り乱す老婆をトモは落ち着かせ、詳しく話を聞きたいと申し出た。
老婆は、呪の内容について語り始めた。

「明治時代の初めだったんよ。 この集落の浜辺に大きな黒い二枚貝が流れついての、漁師共がすぐに貝を開いたんよ。食おうと思ったんかの・・・。」
老婆は、お茶をすすって一息ついた。トモには、海の音が異様にはっきり聞こえた
そうだ。まるで、家が海の上を漂っているかのように・・・。

252継呪の老婆:2015/03/13(金) 23:02:06 ID:RJ2v.iIg
老婆が話を続ける。「二枚貝の中から一枚の紙切れが出てきたんよ。 ほら、神社の裏に祀ってあんべ?」
トモは、小学生の頃遊んだ神社の裏手にある、一枚の額縁を思い出した。 「シノビガタキコノカワキ ウツセニタスクモノナシ コノウエハ ジョウドニテ ミタサレントホッス」 心霊マニアのトモは、暗記していたこの言葉を呟いた。「そんだ。んで、そいつが一緒に入ってたんだんべ?」老婆が袋を指差す。
「そりゃ、あれだ。砕かれた歯と、人間の舌の干物じゃ。」老婆の瞳が少し光った。
「どこから来たんか分からん。けんど、これが流れ着いてから集落のもんが次々と死んだべ?干からびての。
きっと禍々しいもんに違いねぇと、わしのひぃ婆が色んな村に尋ねてまわったんよ。
そんで、御崎郷の神主様がお払いしよったんよ。その後は村人の死ぬ数がへったべ?けんど、完全に呪いを解くんは無理よっての。」
この昔話は、トモも聞いたことがあった。が、呪は解かれて終わる筈だった。

「んで、神主様がひぃ婆に命じんよ。一族で呪いを受け継ぐんさってな?ひぃ婆は呪いのことを色々聞きまわって、
詳しかったで、その一族なら呪いを解く方法を見つけるかも知れんべってな。呪いを拡散させんためには、
生贄が歯の欠片と舌の干物を飲むんじゃって。歯の破片が全部無くなりゃ、それでもええってな。」
トモが袋を開けると、砕けた歯と舌の干物が入っていた。老婆が言った。
「まだ、50個近くもあんべ?戦前は10年周期くらいじゃった。年老いたもんが、進んで引受けたんよ。
けんど、戦後になって周期がどんどん早くなったんじゃ。仕舞にゃ、毎年、引受人を選んどった。
複数はあかんで、一個しか飲めんべ?わしは呪いを調べとったで最後に残されたんよ。
けんど、わしには引継先がないんよ。 解呪の法もわかっとらん。呪いは、わしが死んだら、
また拡散すんべ?また沢山、人が死ぬんじゃよぉ・・・。」

トモは袋を預り、霊能者に渡すと約束したそうだ。
その数日後だった。老婆の干からびた遺体が見つかったのは。

253継呪の老婆:2015/03/13(金) 23:04:27 ID:RJ2v.iIg
「それがこれなのよ!」私は、トモが興奮を隠せずに言ったのをよく覚えている。

外では雷雨が激しさを増していた。雨粒が次々と現れては糸をひいて消えていく。
ぼんやり窓を眺めていると、車内販売のワゴンが映った。私は、顔色を変えた。
窓に映ったワゴンは、何かが違う。お菓子の代わりに積まれているのは・・・。

トモだ。トモの首、手、足がワゴンにバラバラに積まれていた。口から、紫色の長い舌がだらりと垂れ下がっていた。
私は「んぎぃっ!!」と大声を出し、座席から飛び跳ねた。
ふと我に返った私は、自分に注がれた好奇の目に赤面し、とっさに、「あの、笹団子をください。」と販売員に告げた。

東京駅までは、まだまだ時間があった。私は、トモが死ぬ間際にかけてきた
電話のことを思い出した。断末魔の悲鳴とともに途絶えたトモの声を。

「もしもし、サト?お願い聞いて!!これじゃ、これじゃぁ・・・・・」
絶叫が響いた。後には、電話の向こうでブツブツ呟く、しゃがれた声が聞こえた気がしたが、良く覚えていない。
考えているうちに、私は眠ってしまった。

夢を見た。それは数日前の現実。私は、耳元で最後の願いを囁いたトモを強く抱きしめ、微笑んだ。
大好きな中国茶を淹れた。白い破片と干物を煎じ、お茶と一緒に飲み込んだ。
トモが涙を流し、繰り返した。「ゴメン・・。ゴメンね・・。」
私は、そっと彼女に口付けて言った。「一人で苦しんだんだね。」

そして、トモの手を握り、囁いた。 「分かってたよ。トモ。あの町に代々住む人は皆、知ってる。」
目が覚めた。私は呪いを受け継いでいる。残された時間は少ない。

254継呪の老婆:2015/03/13(金) 23:07:00 ID:RJ2v.iIg
真夜中に、私は自分のベッドで目を覚ました。外では今夜も雨が降っている。
灯りもつけず、私は、妙に冷静な頭で思考をめぐらせた。
私が生きている間に、呪いを受継ぐ人を探さなくてはならない。
妹のネネとナナ。そして、父の姿が頭に浮かんだ。

母親は幼少に家を出て、その後会っていない。私は首を振った。
家族を生贄に選ぶなど、私にはとても考えられなかった。信頼できる友人を思い浮かべた。
嫌いな人間を騙して飲ませようかと思った。 だが、次の犠牲者を選ぶことなど、とてもできなかった。
苦悩の中、悪魔が囁いた。

「いっそ、呪いなんて拡散すればいい。私の死後何人死のうが、知ったことじゃない。」

呪いの影は、一歩ずつ私に近寄ってきていた。最初は、郵便受けだった。
幾つもの歯型の付いた封筒が入っていた。先週は、玄関のドアノブが変形し、そこに歯型が浮かんでいた。
一昨日は、ベッドの木枠が噛み砕かれていた。

私は、寝汗でべたつく体を流すため、シャワーを浴びることにした。
考えをまとめる助けになるかもしれないとも思った。 服を脱ぎ、湿った浴室へ入る。
鏡に映った自分の姿を見つめた。「まだ生きている・・。生きている・・。」
思わず私の口をついた言葉に背筋が凍り、急いで髪を洗う。目を開けると、呪が私の顔を覗き込んでいる。
そんな不気味な映像が浮かび、目を堅く閉じ、 私は急いでシャワーを済ませた。脱衣所で、髪の毛を乾かした。その時だ。

鏡越しに何かが目に映った。脱衣所の入口から覗く、白く干からびた顔。
私は目を見開いた。口からは、だらりと垂れた紫色の長い舌が、私の背後へ伸びてきている。
私の絶叫が部屋に響いた。私はうずくまった・・・。

暫く後で目を開けた。顔はもうない。突然、声が耳に響いた。

「コノカワキモウ スコシ・・・」。翌朝、私は実家へ向かった。

255継呪の老婆:2015/03/13(金) 23:09:42 ID:RJ2v.iIg
実家に帰った。ネネとナナ、そして父が私を優しく迎えてくれた。
親友を失くした私を心配し、励ましてくれた。
「いつでも帰って来い。お前の一人や二人、いくらでも世話してやる。」
いつもは寡黙な父が力強く言ってくれた。

「悩みあったら相談してね、彼氏のこととか、仕事の愚痴とか。」
ネネとナナが私の背中をたたきながら笑った。 結局、家族には、呪いのことは話せなかった。
私は、呪いを拡散させる道を選んだ。もう、何も考えたくない。

私は部屋に戻り、荷物をまとめた。家族や友人一人一人に手紙を書いた。
手紙はポタポタと湿っていく。涙で文字も良く見えなかった。やがて、涙も枯れ果てた。
私は、灯りを消してベッドに座り、静かにその時を待った・・。

外から、ズリズリと何かを引きずる音が聞こえ、私は思わず飛び跳ねた。
心臓が止まりかけた。そのまま止まってくれればいいのに。玄関の扉が開いた。

呪いが、私の部屋に入ってきた。その正体を見た私は、意外にも冷静になった。
ズルズルと長い舌を引きずり入ってくる白く乾いた顔。恐ろしく、愛しい顔。
「トモ・・・。」彼女はグルリと反転した目玉で私を見つけ、すぅっと私に近づき、紫色の長い舌を私の口に押し込んだ。

立ったまま、石の様に固まった私は、喉を通る長い舌の感触に身悶えした。
私の体内で、その舌がポンプのように何かを吸い上げている。あっという間に力が抜けて、意識が薄らいだ。
絶望が、私を包んだ。お終いだ。これで呪いは拡散する。私の瞳に、最後に映ったのは、トモだった。
私の水分を吸い取ったのだろう、彼女の顔は、元の張りのある艶を取り戻していた・・・。何も見えなくなった・・・。

トモの言葉が聞こえた。「サト。サトは正しい選択をしたよ。ありがとう。
呪にはもう、拡散する力はないよ。飲み込んだ人から人へと、ただ、受継がれるだけ。」私は安心し、深い眠りに沈んでいった。

256こげら:2015/03/13(金) 23:12:20 ID:xyxnVdmw
(T_T)こわっ
続きお願いします

257継呪の老婆:2015/03/13(金) 23:12:32 ID:RJ2v.iIg
私は、闇の中で眠りについていた。不意に、強烈な渇きを覚えた。
急に、暗闇から引きずり出される。私の喉は張り付いて、一滴のつばも出ない。

私は、舌をたらし、喉を掻き毟って水を求めた。ふと、遠くに人間が見えた。
私は近くの木に噛み付いた。水分は吸えなかった。遠くに見える女。あそこへ行けば、水がもらえる・・・。

数日後、私は女の家の入り口に立っていた。
女の姿が少し大きく見えた。また数日後、私は再び暗闇から引きずり出された。
やけ付いた喉が潰れそうだった。今日は、ついに、女の姿が大きく見える所まで近づいた。
手を伸ばせば届きそうだ。 だが、私の手は動かない・・。

「水をください」その一言を伝えたくて、私は、動く部分をとにかく彼女に近づけた。
舌だけが動く。舌を長く伸ばし、必死に女に訴えた。 だが、女は私を救おうとせず、悲鳴を上げて逃げ去った。私は再び闇に引き戻された。

「ドウシテ キヅイテクレナイノ コノカワキヲ イヤシタイ ダケナノニ」
私は、唯一動く舌で暗闇の中で必死に水を求めた。だが、希望は見えている。
「モウスグダ モウスグ ミズヲ モラウコトガ デキル」私は確信した。
苦しみの中に喜びの笑みを浮かべた。

ついにその日が来た。私は女のすぐ近くにいる。渇きを潤すことができる喜びが、私を支配した。
怯えた女が、何か言っている。 大粒の涙を流して。
「私、死体を見たときに気づいたの。」水分がもったいない。水を無駄にするこの女が私は許せない。
「お父さんが、親戚を説得してくれたから。」私は、水をもらう事を諦めた。水の大切さの分からぬこんな女に頼んでも仕方ない。

そうさ。奪い取ればいい・・・・・。

258こげら:2015/03/13(金) 23:13:36 ID:xyxnVdmw
ありがとうございました(^o^)/

259寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 23:13:45 ID:jiIraugo
普段付き合いのいい同僚が、何故か海へ行くのだけは頑として断る。
訳を聞いたのだが余り話したくない様子なので、飲ませて無理やり聞き出した。
ここからは彼の語り。ただし、酔って取り留めのない話だったので、俺が整理してる。

まだ学生だった頃、友人と旅に出た。たしか後期試験の後だったから、真冬だな。
旅とは言っても、友人の愛犬と一緒にバンに乗って当てもなく走っていくだけの気楽なもんだ。
何日目だったか、ある海辺の寒村に差し掛かったころ既に日は暮れてしまっていた。
山が海に迫って、その合間にかろうじてへばり付いている様な小さな集落だ。
困ったことにガソリンの残量が心もとなくなっていた。
海岸沿いの一本道を走りながらGSを探すとすぐに見つかったのだが、店はすでに閉まっている。
とりあえず裏手に回ってみた。
玄関の庇から、大きな笊がぶら下がっている。
出入りに邪魔だな、と思いながらそれを掻き分けて呼び鈴を鳴らしてみた。
「すんませーん。ガソリン入れてもらえませんかー?」
わずかに人の気配がしたが、返事はない。
「シカトされとんのかね」
「なんかムカつくわ。もう一度押してみいや」
「すんませーん!」
しつこく呼びかけると玄関の灯りが点き、ガラス戸の向こうに人影が現れた。
「誰や?」
「ガソリン欲しいん…」
「今日は休みや」
オレが言い終える前に、苛立ったような声が返ってくる。
「いや、まぁそこを何とか…」
「あかん。今日はもう開けられん」
取り付く島もなかった。諦めて車に戻ろうとしたその時。
「破ッ破ッ破ッ破ッ破ッ!」
友人の愛犬が、眼前の海に向け口から無数の青い光弾を吐き出した。
すると太いパイプか丸太のようなものが水面に現れ、もがきながら消滅していった。
「よくやった太郎、これで問題ないやろ」
寺生まれで霊感の強い友人がそう言うと、頑なだった店主は人が変わったように店を開けて給油してくれた。
寺生まれに育てられた犬は凄い。
同僚は心からそう思ったそうだ。

260継呪の老婆:2015/03/13(金) 23:14:41 ID:RJ2v.iIg
薄暗い部屋。ざわつく風の音。怯える女。

私は紫色の長い舌をのばし、女の口から体内に突っ込ん「破ぁ!!」

突然眩い光が割り込んできた。私は少し後ろに飛ばされた。

そこにいたのは寺生まれで霊感の強いTさんだった。

261継呪の老婆:2015/03/13(金) 23:17:49 ID:RJ2v.iIg
「ナニヲスル!!」

「落ち着け!!呪いには拡散する力はない!!」

Tさんが腕をクロスさせるとそこから霧のようなものが噴出された。
「これで大丈夫なはずだ」
その通り、私の体に水分が満たされた。

そうしてようやく、私はここがどこで襲おうとしていたのがだれかがわかった。

「なにをするのですか!!」
そういったのは父だった。
「この呪いには拡散する力など最初からない、だからそんな馬鹿なことは止めろ!!」

そういうとTさんは私に向き直った。
「君や君の友達を苦しめた呪いは、とある陰険な陰陽師が仕組んだものなんだ。
人の浅ましさを利用して連鎖させて、自分の力にしようとしたんだ。」

そんな…と父が崩れ落ちた。

Tさんは例の歯と舌を粉々にし、光弾でそれを青白い煙に変えた。

「君達の恨みは必ず晴らしてやろう。だから君は、しかるべき場所へいこう。」

そういうと、今度は私に向けて光を放った。その光はとても暖かで、優しさと悲しさに溢れていた。

寺生まれって本当に凄い
光のなかでトモや他の皆の元へ向かいながら、私はそう思った。

262寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 23:20:06 ID:RJ2v.iIg
長くてごめんなさい・・・
改行や校正に時間がかかってしまいました

263こげら:2015/03/13(金) 23:25:21 ID:xyxnVdmw
おおっ新作ですね(^^♪
ありがとうございますみんなの作品から
次回作のとかヒントいただけます

下の削除していいですよ管理人様

ここに投稿が分かりました

264寺生まれの名無しさん:2015/03/13(金) 23:31:35 ID:RJ2v.iIg
検索したら継呪の老婆は既出でした、ごめんなさい

265寺生まれの名無しさん:2015/03/14(土) 00:09:48 ID:8MiJ2Ovo
バソコン切ったのでスマホから
また拝見してます笑
(^ ^)
面白くて寝れないです

266chikatomo★:2015/03/14(土) 01:12:31 ID:???
>>263 
削除了解です。とりあえず『同級生』は倉庫に送りました。タイトルの過去ログ倉庫ってところからまた見ることができます。

>>264
何パターンあってもいいのがTさんですから!

267巨頭オ 1/2:2015/03/14(土) 02:37:23 ID:p6mQ7RVc
61:本当にあった怖い名無し:2006/02/22(水)23:53:38ID:AUOziUfa0
数年前、ふとある村の事を思い出した。
一人で旅行した時に行った小さな旅館のある村。
心のこもったもてなしが印象的だったが、なぜか急に行きたくなった。

連休に一人で車を走らせた。
記憶力には自信があるほうなので、道は覚えている。
村に近付くと、場所を示す看板があるはずなのだが、その看板を見つけたときあれっと思った。
『この先○○km』となっていた(と思う)のが、『巨頭オ』になっていた。
変な予感と行ってみたい気持ちが交錯したが、行ってみる事にした。

車で入ってみると村は廃村になっており、建物にも草が巻きついていた。
車を降りようとすると、20mくらい先の草むらから、頭がやたら大きい人間?が出てきた。
え?え?とか思っていると、周りにもいっぱいいる!
しかもキモい動きで追いかけてきた・・・。
両手をピッタリと足につけ、デカイ頭を左右に振りながら。
車から降りないでよかった。
恐ろしい勢いで車をバックさせ、とんでもない勢いで国道まで飛ばした。

あれはヤバい。
俺の第六感が早鐘を打っている。一刻も早く見慣れた国道に戻りたかった。

……。
おかしい。

看板からデカ頭の村まですぐだった、はずだ。
もう国道が見えても、いや、もう着いていてもいいはずだ。

ブォーーーーン。
アクセルを必要以上にフカす。
狭い道で危険であるが、そんなことは気にしていられない。
どう考えてもデカ頭に追いつかれる方が危ない予感がする。

車を走らせる。
こんなに分岐があっただろうか?
この道さっきも通らなかったか?
おかしい。
おかしい。

おかしい!

その時だった、前方が開けている!
やった!戻れた。ホッと胸を撫で下ろす。額には嫌な脂汗をかいていた。
ふぅ、ほんと危なかったぜ。
車を減速する。
視界を遮りがちな茂った木々の先には……。

268巨頭オ 2/2:2015/03/14(土) 02:40:43 ID:p6mQ7RVc
……あの廃村が待っていた。
愕然としたまま停車する。道を……間違えた?

そんなはずはない!
間違えるような距離じゃなかった。
間違えるような分岐はなかった。

ドゴン!
頭上から音がする。

ドゴン!ドゴン!
続けざまに音が響く!

デカ頭だ……。デカ頭が俺の車に乗ってきてる!?

ドゴン!
ボンネットにデカ頭が飛び降りる!

両手を足に付けた奇妙な格好のままフロントガラスから覗き込む!
左右を見ると無数のデカ頭が……。

もうダメだ。
諦めにも似た感情で目を閉じる。
あの看板。
あそこで感じた変な予感。
信じればよかった。
妙な好奇心なんて従わなければよかった……。

車が激しく揺らされる!
窓ガラスがデカ頭で激しく叩かれ亀裂が生じる!

269巨頭オ 3/2:2015/03/14(土) 02:41:07 ID:p6mQ7RVc
「そこまでだ!」

その時だった。
後ろから人の声がする。

バックミラーを見ると、張り付いているデカ頭の隙間から坊主頭が見える。

あれは……、寺生まれのTさんだ!

「こんなところに結界を作って人を惑わす魍魎どもよ。
今日を持ってこんな異界は消し去ってくれるぞ!」

Tさんが頭上に手を翳す!

「破ァァァァァァァァァッ!!」

凄まじい雄叫びとともに空に放たれた青白い光弾は、空中で無数に分裂してデカ頭に降り掛かる!

「グギャ」
「グエ」
「ギャボ」
低く短い呻き声を上げてデカ頭は飛散していく!

「よっしゃ、これで終いだ!
破アアアアァァァァァァァッ!!」

Tさんは再び特大の光弾を頭上に撃ち上げる。

パリンっ!

空がっ!空が割れているっ!

バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!!
車の中にいるのも忘れて頭を抱えて目を閉じる!
車に空が降り注ぐ!!!


……。


静寂が訪れる。

コンコン。
運転席の窓をノックする音に顔を上げる。

「もう大丈夫だぜ、兄ちゃん」
「Tさん……来てくれたんですね。ありがとうございます!!」
「いや~、今回はたまたまよ!
国道を走ってたらよ、な~んか嫌な空気のとこがあんな~とか思ってたら、兄ちゃんの車がそっち入っていっちまったからよ、ちょっと追ってきてみたわ!」
「Tさん……」

まさかあの寺生まれのTさんが俺のためにここまでしてくれるなんて!
慌てて車を出てTさんに握手を求める。
ガッチリと握ったTさんの手は分厚くてとても力強かった。

周りを見回す。
さっきまでの鬱蒼とした森は消え去っている。
廃屋は一軒たりともなくなっていた。
遠目だがここからでも国道が確認できる。
なんだったんだ、さっきまでの世界は?

あれ?
Tさんの車がないな。

「Tさん、さっき国道を走っていたと行ってましたが……、……車は?」
Tさんは恥ずかしそうに俯く。
「いや、ちょっと5kmぐらい手前でガスが亡くなっちまってな、国道をダッシュしてたってわけよ!
それでちょっと兄ちゃんとこに着くのも遅くなっちまってな……」

そういうことだったのか。

「それであの……バイト代が来週入るんだけどな」
「は、はい!?」
「つまり今ちょっと手持ちがなくてだな。
ちょっと今日の除霊代として10リットルほど……」
「……。」

Tさんは本当に俺のために来てくれたんだろうか?
そんな一抹の不安を抱き、寺生まれって抜け目ない! と思いながら、Tさんを助手席に乗せてガソリンスタンドに向かったのだった。

270寺生まれの名無しさん:2015/03/14(土) 02:42:20 ID:glnoXqwQ
草木も眠る丑三つ時……は過ぎてたorz


Tさんがいれば
荒廃した平和な世界になるのにねぇ…

271白い服の女の子 1/2:2015/03/14(土) 03:35:16 ID:p6mQ7RVc
当時、私は精神的に荒んでいて、よく大型バイクをかっ飛ばしたりしていました。
その日もバイクで走っていたのですが、広めの幹線道路は渋滞していました。
そこで、道の左端をすり抜けて進みました。
それなりに運転技術もありましたし、どうなってもいいやという部分があったので、危険だと知りながら、それなりのスピードが出ていました。

そして、渋滞している車が途切れている所へ来た時に、対向車線からファミレスに右折する車に、右側から当てられたのです。
車も急いで右折してスピードがあった為、かなりの衝撃でした。
今にして思えば一瞬のことでしたが、妙なスローモーションを見ている様な感じで、バイクに乗ったまま、私は電柱が正面に迫ってくるのが見えました。
その時、何か白いものが横から飛びかかってきて、私はそれに抱きつかれる様な感じでバイクから落ちて、道の脇にある歩道に転がりました。
転がるのが止まって、歩道に仰向けになっていると、その白いものは私の体から離れました。
それは白い服を着た女の子でした。
その女の子は「ふぅ」とため息を一つつくと、「あぶなかったね」と微笑みました。そしてスッと消えました。
私があまりの事に呆然としていると肩を軽く叩かれ、耳元で「あまり無茶をしちゃダメよ」という声がしました。
でも振り返っても姿はなく……
そうしているうちにぶつかった車の人が降りてきて、救急車が来て、病院に運ばれて……と。

私は足に軽い打撲があっただけで、ほとんど無傷でした。
事故の大きさと比べると、奇跡的といっていいぐらいに。
私のバイクは電信柱にぶつかり、グチャグチャに壊れていました。

後に警察に事情聴取に行った時、警官が「よくバイクから飛び降りられたな。そのまま突っ込んで、悲惨なことが多いんだが……」と。

私は飛びついてきた白い服の女の子を知っていました。
その事故の三年ぐらい前に交通事故で亡くなった、私の婚約者だったのです。
病院で息を引き取る時の最後の言葉。
「愛している、ずっと見守ってる」
その事が鮮明に思い出されました。

ほとんど外傷はありませんでしたが、バイクの破損具合などからもかなり大きな事故になってしまったため、念のためということで1日だけ検査入院をすることになりました。
その日の夜のことでした。
寝ている私の枕元に白い服を来た彼女が立ったのです。

「最後にお別れに来ちゃったよ。本当はダメみたいだけど昼間がんばったから特別だって」
そう言って彼女は微笑みます。
「私、突然死んじゃったからさ。なんかいろいろ整理つかなくて。あなたのこともすっごく心配だったし、未練がいっぱいになっちゃってたみたいでね。この世に残っちゃったの」
「……」
いたずらっぽく笑う彼女。
何か言葉を掛けたい、話したいこともたくさんあったはずなのにまるで言葉が出ませんでした。

272白い服の女の子 2/2:2015/03/14(土) 03:36:10 ID:p6mQ7RVc
「最初はこの世に留まれて嬉しい気持ちもあったんだ! でも、こんな不安定なまま永くいれないのよ、ホントは」
「……」
「でもあなたも危ない真似ばっかりしてるし、やっぱりあなたを見続けていたいし。
でも無理に留まって悪霊化していくのは絶対に嫌。でも成仏できない、みたいなわけわかんないことになっちゃってね」
こっちが訳わからんわ! と心でツッコンでみたが言葉にならなかったのです。

「そんな時寺生まれのTさんに会ったのよ。生者でも悪霊でもない私がなにフラフラしてんだ、って」
少しずつ彼女が透き通っていきます。
「ごめんね、私ばっかりお話して。へへっ、最後だから許してね」
どんどん薄くなっていく彼女。思わず手を伸ばしていました。
差し出して手を両手で優しく包んでくれる彼女。
感触はなかったけど、体温を感じたような気がしました。

「Tさんが私の未練が成就するまでは何とかしてやるって。それで何とか形を留めていられたの。
こんな美人の幽霊なんていないんだよ!ホントだよー」
彼女は涙を流しながら笑っています。

「私の未練はね。あなたよ。自暴自棄なあなた。投げやりなあなた。
なんとか幸せな自分の人生を歩いて行ってほしいと思ってた。
今日の事故! ホントにビックリしたよー。
でも救えてよかった。間に合ってよかった。
事故がきっかけでこうやってお話することもできたし」

もうはっきりと彼女の向こう側の景色が見えてしまいます。
「い、行かないで!」
そう訴える私に、彼女は寂しそうに、悲しそうに微笑みながら首を振ります。

「いつかきっと別れは来る。本当は三年前に来ちゃったよね。
あの時は悲しませてゴメンね。
でももうきっとあなたは大丈夫。ずっと見守ってきた私が言うんだからホントだよ!」
「っ……」
言葉になりませんでした。
もっと話をしたい。もっと声を聞きたいと思っていました。

「不安定で悪くなっていく私なんかあなたに見せられない。
もうこれ以上は正直難しい。
最後にもう一度だけ言わせて?
……愛しているわ」

涙が溢れてしまいました。視界がぼやけます。
もっと彼女を見ていたいのに涙が止まりませんでした

「それじゃTさん。三年間どうもありがとう。
送って頂けますか?
本当はもう限界なの」

彼女の視線の先、病室の入り口には一人の男が立っていました。
逆光になって顔は見えませんでした。

「あぁ、よく頑張った。
間違いなくあんたは天国に行けるな。
ちょっとゆっくり向こうで休んで、また還って来いよ!」
「はい」
「だ、だめ!彼女を連れて行かないで!」
「破ァッ!この野郎!
お前のそういう心が彼女を今まで引き止めちまってたんだろうが!」
「……」
「逝くべき御霊は引き止めちゃいけねぇ。
お前も……しっかりと彼女を見て、しっかりと送ってやるんだ」
「もう、Tさん! 脅かさないでよ! うっかり逝きかけちゃったじゃん!」
「破はっ、すまねぇすまねぇ」

彼女が私を抱きしめます。
まるでそこに存在しているように……いえ確かに存在ごと彼女を感じました。
「バイバイ……また……ね」
「うん、また……」

Tさんが手を翳しました。
「もう迷わねぇな」
「「 ハイ 」」

Tさんは頷くと低く小さいけどはっきりとした声で一喝しました。
「破ァッ」

青白い光が空間を満たします……。
笑顔の彼女が消えていく……。

…………。
……。


目が覚めると看護婦さんが忙しそうに歩きまわっていました。

実際のところ、私が見たのは幻覚なのかもしれません。
でも、事故の時に着ていた皮のジャケットが警察から戻ってきた時、歩道と擦れて傷だらけになった背中の部分に、細い腕と小さい手の形で、無傷の部分がくっきりと残っていました。

彼女を失って、自暴自棄になっていたのが続いていたのですが、その事故があってから、ちゃんと前向きに生きなければ、と。
あの夜彼女が残してくれた言葉を無駄にしないようにと。


元ネタ 白い服の女の子:http://chikatomo.doorblog.jp/archives/26708377.html

273寺生まれの名無しさん:2015/03/14(土) 03:39:07 ID:p6mQ7RVc
白い服の女の子、すごく好きなので何とかTさんをうまく登場させたかったけど、
元ネタが完結で良い分、やたらと冗長になってしまいました。
もっと上手く書けるようになりたい……。

274寺生まれの名無しさん:2015/03/14(土) 03:40:42 ID:p6mQ7RVc
>>270
荒廃した世界も平和に……かな?
大丈夫! 気持ちは伝わってるぜ!

275寺生まれの名無しさん:2015/03/14(土) 06:14:36 ID:DI821mTk
>>274
いや、
Tさんは悪霊とかを消してくれるが、なんでも壊してほっぽるだろ?

だから
荒廃した平和な世界なんよ

276こげら:2015/03/14(土) 07:57:08 ID:lQFhxvb.
おはようございます管理人様(^o^)/
了解です
これからはこちらに投稿させていただきます

277こげら:2015/03/14(土) 07:59:27 ID:lQFhxvb.
TさんっVSシリーズが面白いですね何回も
読み返してます(*^_^*)

278寺生まれの名無しさん:2015/03/14(土) 10:15:03 ID:p6mQ7RVc
>>275
なるほど。それは失礼した!

279寺生まれの名無しさん:2015/03/14(土) 15:03:09 ID:/FzJM.3w
※欄Tさんの「後悔の念」もこっちに張ってほしい

2802人の女:2015/03/14(土) 15:15:17 ID:/FzJM.3w
2人の女がビデオカメラを携えて心霊スポットに入った。

「え?これで撮れてんの?」
「撮れてる撮れてる。」
「今私たちは廃病院に来てまーす!!」
「来てまーす!!」
「やっぱ怖いねー。」
「うん。雰囲気あるよ。」
「ほら、ここ多分手術室だよ。」
「うわっ。マジ怖っ!!無理!!」

このまま1時間ほど廃病院を探索した。

「何も映らなかったねー。」
「うん。このあとどうする?」
「家帰ろっか。うち来る?」
「そうするよ。」
「え?いいの?」
「いいよー。」
「じゃあ行くー。」

2人の女は病院を後にした。

2812人の女:2015/03/14(土) 15:16:17 ID:/FzJM.3w
すると「矢アーー!」という声と共に赤い光弾が二人めがけて飛んできた。

そしていつの間にか2人の側にいた青白い顔をした女にそれは当たった。
女は一瞬驚いたかのような顔をしたがすぐにほっとした表情を浮かべすうっと消え去っていった。

「一人で寂しかったんでしょう。でもこれで黄泉へと旅立てましたね。」
そういって現れた弓をもった少女は神社生まれのJさんだ。

呆然としている2人に向かってJさんは
「こんな場所にあまり良くないものが住んでいます。なるべく近寄らないでくださいね。」
「それと法律で結婚はみっ、認められてませんがおっ、お二人とも末永くお幸せに。」

そう言って顔を赤らめ去っていった。

いや、私たちレズじゃないからと語る彼女たちの話を聞き私は神社生まれって発想があれだ。
私はそう思った。

282寺生まれの名無しさん:2015/03/14(土) 15:18:33 ID:/FzJM.3w
ttp://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=44689292
このTさんの絵ってラノベっぽいな

283寺生まれの名無しさん:2015/03/14(土) 15:35:51 ID:khXXVddw
>>170さんのTさんが好みだな
庶民的な雰囲気漂う気の良い坊さんな感じで

284☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/14(土) 15:56:03 ID:OLdavLcE
>>283
アザーッス!

これちゃんと見られるかな?
http://i.imgur.com/0WRAFsc.jpg

285数年前の夏の夜:2015/03/14(土) 16:07:46 ID:/FzJM.3w
これはOLとして働きながら、ひとり暮らしをしていた数年前の夏の夜の話です。

私が当時住んでいた1DKは、トイレと浴槽が一緒になったユニットバスでした。
ある夜、沸いた頃を見計らって、お風呂に入ろうと浴槽のフタを開くと、
人の頭のような影が見えました。

頭部の上半分が浴槽の真ん中にポッコリと浮き、
鼻の付け根から下は沈んでいました。
それは女の人でした。

見開いた両目は正面の浴槽の壁を見つめ、長い髪が海藻のように揺れて広がり、
浮力でふわりと持ちあげられた白く細い両腕が、黒髪の間に見え隠れしてました。
どんな姿勢をとっても、狭い浴槽にこんなふうに入れるはずがありません。
人間でないことは、あきらかでした。

突然の出来事に、私はフタを手にしたまま、裸で立ちつくしてしまいました。
女の人は、呆然とする私に気づいたようでした。
目だけを動かして私を見すえると、ニタっと笑った口元は、お湯の中、
黒く長い髪の合間で、真っ赤に開きました。

(あっ、だめだっ!)
次の瞬間、私は浴槽にフタをしました。フタの下からゴボゴボという音に混ざって
笑い声が聞こえてきました。
と同時に、閉じたフタを下から引っ掻くような音が・・・。

286数年前の夏の夜:2015/03/14(土) 16:08:16 ID:/FzJM.3w
私は洗面器やブラシやシャンプーやら、そのあたりにあるものを、わざと大きな音を
立てながら手当たり次第にフタの上へ乗せ、慌てて浴室を飛び出ました。
浴室の扉の向こうでは、フタの下から聞こえる引っ掻く音が
掌で叩く音に変わっていました。

私は脱いだばかりのTシャツとGパンを身につけ、部屋を飛び出ると
タクシーを拾い、一番近くに住む女友達のところへ逃げ込んだのです。

数時間後……深夜十二時を回っていたと思います。
カギもかけず、また何も持たず飛び出たこともあり、友人に付き添ってもらい
部屋へ戻りました。

友人は、今回のような話を笑い飛ばすタイプで、好奇心旺盛な彼女が、
浴室の扉を開けてくれる事になりました。
浴室は、とても静かでした。フタの上に載せたいろんなものは
全部、床に落ちていました。お湯の中からの笑い声も、フタを叩く音もしていません。

友人が浴槽のフタを開きました。しかし、湯気が立つだけで、
女の人どころか髪の毛の一本もありません。
お湯もキレイなものでした。それでも気味が悪いので、
友人に頼んで、お湯を落としてもらいました。

287数年前の夏の夜:2015/03/14(土) 16:09:41 ID:/FzJM.3w
その時、まったく別のところで嫌なものを見つけたのです。

私の身体は固まりました。
洋式便器の前に、ズボンと下着を膝まで下ろした男性がおしりをこちらに向けて立っていたのです。
友人も、それに気付きました。
彼女はわたしが止めるのも聞かず、便器のフタを開きました。
その中には、女の人の顔だけが上を向いて入っていました。
まるでお面のようなその女の人は目だけを動かすと、立ちすくんでいる男性の股間(あたり?)を見ました。
視線が股間に向いた途端、男の人は足をがにまたに開き、ハッキリと聞こえる音でおしっこを始めました。

はははははは…ははははははは…。

私たちギャラリーの笑い声を浴びて、女の人の顔がゼンマイ仕掛けのように小刻みに震え、はみ出た黒髪がぞぞぞぞっ…っと便器の中に引き込まれました。
顔を引きつらせた友人は、叩きつけるように便器のフタを閉じようとしました。
けれど男性(寺生まれのTさんでした)が、片手で彼女を押さえ、「もうちょっとまってくれ」と言いつつ、もう片方の手をナニに添えると、
破ァッ!の掛け声と共に、青白い最後の一ひねりを搾り出しました。
耳障りな笑い声が、水の流れる音と、無理矢理飲み込もうとする吸引音にかき消されました。

その後は無我夢中だったせいか、よく覚えていません。
気が付くと、簡単な着替えと貴重品だけを持って、私と友人は友人の部屋の前にいました。
部屋に入った友人は、まず最初に警察に電話をすると、ここまでついて来たTさんに「ちんこしまえ」と言いました。

288:2015/03/14(土) 16:58:06 ID:/FzJM.3w
これは私の身におきた恐ろしい出来事です。

私は夜中に空腹のため目がさめた。しばらく布団のなかで何か食べようかそれとも
空腹を堪えて寝てしまおうか逡巡していたが、ふと近所からおすそ分けしてもらった
餅が冷蔵庫にしまってあることを思い出し起きて台所へ行った。

電気をつけようとしたが、もともと切れかけていた蛍光灯はとうとうきれてしまったらしく電気はつかな
い。
しかしまあ蛍光灯の明かりはなくとも、薄暗い小さなランプのあかりでも餅を切 って焼くくらいなら問題なかろうと判断して、冷蔵庫から餅を取り出した。

包丁で餅を切り分けようとしたが、いつもならすうっと切れるはずの餅がその日に限って切れない。
冷蔵庫にしまって置いたから冷えて固くなりすぎてしまったのかな、と考えた私は手にさらに力をこめて切ろうとした。
しかし餅は頑なに包丁の刃を拒んだ。

いらついた私は包丁の背に手をあててぐいぐいと押すようにしたが、餅には筋ひとつつかなかった。

1、2分格闘しただろうか、私はついに握りこぶしをつくりそれを包丁の背にどんどんと打ちつけ始めた。
しかし、それでも餅に包丁の刃がめり込むこと はなかった。

ふと、背筋に寒気のようなものを感じた私は薄暗い明かりの中で手元を良く見・・・

「破ぁ!!」

突如寺生まれで霊感の強いTさんの声と共に、窓をぶち割って青白い光弾が飛び込んできた。

餅は一瞬でミディアムになった。

寺生まれってスゴイ便利だ。焼きたての餅を頬張りながらそう思った。

289寺生まれの名無しさん:2015/03/14(土) 18:38:11 ID:CJF0pRrw
>>288
ミディアムで良いのかっ

290寺生まれの名無しさん:2015/03/14(土) 20:42:06 ID:p6mQ7RVc
>>284
Jちゃん待ってた!思ってたよりお姉さんだけどかわいいねー(*´ω`*)

291石造りの呪物“ボリ”:2015/03/15(日) 10:33:10 ID:TFU4Pg92
これは小学校6年生の頃の話
俺の田舎で起こった出来事です

その村には、大人から入るなと言われている神社がありました
理由を聞いても答えてはくれません
そこへ寺生まれで霊感の強い、Tさんが蛙の置物を持って現れ言いました
「入ると中に置いてあるこいつが悪さをするからさ」
置物は「ボリ」と呼ばれるもので
子供が触ると、体が重く感じて自ら動けなくなるそうです
不思議なことに、見ると触りたくなることもあり、危険なので結界に封じていたと言います
そんな危険なものがあるなら仕方ないなと思った俺は、その後も神社に入ることなく過ごしました
さすがは寺生まれ、理由も答えず入るなと言うだけの大人とは違いました

292( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/03/15(日) 13:11:53 ID:ZgUfNDy2
>>284
Jちゃんもきましたね!
ちょうどJちゃん天然ボケかました改変のしたに(笑)
今日の記事でも水着姿を披露してましたし、タイミングいいですね(笑)

293寺生まれの名無しさん:2015/03/15(日) 16:46:34 ID:dkDRKCrs
>>170
Tさんイメージ通りです!すごい!
Kさんは私はヒカ碁の佐為みたいなロン毛・眼鏡なしのイメージでしたがこれもいいですね!

294こげら:2015/03/15(日) 16:59:11 ID:yaAT2C72
死神(Tさん番外編)

おい○○番!

はいっ「これうちの上司死神」
あんたさ先月のノルマ悪いよね…「なんとも薄気味悪い笑みをうかべやがるぜ」
内心思っていいると…
お・ま・え・ら低級死神のお陰で…俺の上司としての…査定ががだな!!
下がるんだよ…凄いけんまくです…「こいつ絶対死神だろっろ内心毒づく…」

「ほらよ!分厚いノートを手渡され」…こづくんですノートで(-_-;)
最悪上司…ばっくれたいが不況だしなぁ…とか思いつつ

「これさ…いくら使えないお前でも連れて来れるよね?」

「はいっ!勿論であります!」…内心無理言うなよあんたさ俺の受け持ち地区は
あそこだよとか毒づく…

「O・K期待しとるよ…ニャリ」「俺はこれから死神会議だから後は宜しく」

(-_-;)うそだ…五時までの退社時間までネットカフェ行くの俺は知っていた…

どれどれ…今日の獲物はとっ…おおっ楽勝♪

「殺人・強盗・窃盗・覚せい剤密売なんでもやってるじゃん」
「ペラぺラってこいつの情報ゲット」
こいつのお陰で何人死んでるだか分からんな…一家離散…一家皆殺しかっ…ゴミだっ!

ニヤリ…とっとと魂抜いてネットカフェ行くぜーーーーー♪

……下界…某小学校前…ピンポン生徒の皆さん下校時間が来ました気をつけてお家に
帰りましょう…

おひさしぶりです4年生になりました○○子です…
あの肝試し事件以来仲良くしてもらってます○○君後のTさん

登下校も一緒です(笑)

その当時は学校の表になんか売りに来てるんです…駄菓子とかおもちゃとかですね…
今では考えられない時代の金額設定でしたか…

私と○○君←秘密ですが特殊学級で知恵遅れなんです(-_-;)

おじさんが広げたござに商品…おじさんはジュースの箱に毛布みたいなの掛けてます

行こうよ…○○君…滅多に興味とか示さない○○君が動こうとしないのです…

……ブツブツ…ブツブツ…
なにやらおじさんと話してるのかな?…ブツブツ…今度は正確にいつものぼーっとした○○君では
ありません…
おじさんと○○君の会話を聞いてると(-_-;)説明が厄介なんですが会話と言うか

まわりの人達から見たら○○君駄菓子とかおもちゃ選んでる構図です

でも実際はこう…ブツブツ…ノート良く見てみろ…この人は数々の人の命を奪ってきたが…

車に轢かれそうになったか・え・る・蛙助けてブツブツ…

おじさん…またおにいちゃんかよ…あんたがこの地区に居るから地獄ノルマが減ってんだよね
ニヤリなんともおぞましい笑みです…

ここまで書くと普通なんですが二人の間には○○君の黄金のオーラを放ちながら

このおじさんも負けてはいません「シャッシャツと奇妙な音が聞こえてます」

その時です周りは真っ暗でおじさんがフードをかぶり3メートルはあろうかと思う鎌で○○君を
攻撃していたのです…シャッシャッシャッ…○○君は懐から砂糖より白い清らかな白い人型を出し
死神に手渡しました

あなたも死神とは言えど神…私もなんの依存もありませんが残念ながらその人は老いてる…
もうすぐここの前を通るんですよね?

「私!そうなんだ」
見ると向こうから老いたおじいさんがおばあさんと一緒にニコニコしながら通り過ぎて行く

「どうだ死神さん…あの人はもう永くない」
それより元気な私が渡したおじいさんの式紙を連れて行くがよい…

「チッ」嫌な臭いが辺りに漂いました
「確かにそっくりだな…あのじいさんによーーーーーーーー」

「時間にしたら」ほんの数秒辺りは下校時の生徒と遠くから晩御飯のいいにおいが
風に乗って運んで来ます

もうあのおじさんはいません…店も勿論…

……死神界……「おおっ…戻ったか○○番」
もれ「ははあっ」

俺の差し出した魂を受け取り至極満足そうな…何とも嫌な笑みを浮かべてる

「やればできるじゃないか○○番」「ははっ」もれ

「来月もこの調子で頼むよ○○番」とか言いながら去って行きました

もれ「ばれなくてよかったなぁWWW」

「来月こそは転職しよう」

それにしても凄いなお寺生まれのTさんは(>_<)

295こげら:2015/03/15(日) 17:16:03 ID:yaAT2C72
あはは(^o^)/

296chikatomo★:2015/03/15(日) 18:00:39 ID:???
>>284
今日のちかともの方の画像リンクKさんだったんだけど、Jちゃんに差し替えて使わせていただきました!

297( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/03/15(日) 20:02:12 ID:iDkXKCg2
>>296
やっぱり!(笑)
ピンク掛かってて妙にエロチックに見えるのは私だけ?(笑)

298chikatomo★:2015/03/15(日) 21:06:38 ID:???
>>297
エロチックww
春です!春の装いです!

299特急電車:2015/03/15(日) 22:09:58 ID:3QP4WaKE
あと10分ほどで真夜中になるという時間帯に、私は特急電車に乗っていた。

やがて、途中の駅で一人の男が乗り込んできた。
その男は、電車のドアが閉まると、突然我に返ったように乗客の顔を見回し始めた。

「すみません。あなたの年齢は28歳ですか?」
男が私に話しかけてきた。

「そうですが、どうしてわかったんですか」
私が聞き返しても、男は無視して、また別の人に話しかけた。

「あなたの年齢は45歳ですか?」
「そうですけど……」
「あなたは62歳ですね?」
「どうしてわかったんだ?」
そんなやり取りを繰り返していく。

どうやら、その男には、顔を見ただけで年齢を当てる特殊能力があるらしい。
次の停車駅までは、まだ15分以上ある。
私を含め、乗客たちは全員その男に注目し始めた。

「あなたは50歳ですね?」
「そうですが、あと5分で日付が変わったら、51歳になるんですよ」
最後に質問された女性は、笑顔でそう答えた。
年齢を当てていた男の顔が、その途端に青くなった。

「破ァァー!」
突然、寺生まれで霊感の強いTさんが立ち上がると、その男に向かって光る切符を投げつけた!
すると、年齢を当てていた男が青い影に変身した。

「こいつが当てていたのは乗客の年齢なんかじゃない! こいつは乗客の脳をいじくり、偽の記憶を植えつけていたんだ!」
Tさんはそう言って私の頭に手を載せた。
その途端、私は思い出したのです。
私はまだ17歳で、Tさんの後輩だったことを。

「誕生日を祝ってもらえなかったことを悔しく思う人々の想念がこいつの正体だ。みんなで誕生日を祝えばこいつは消える」
Tさんがそう言うので、乗客全員で青い影の誕生日を祝ってあげることにしました。
「……ハッピバースデー、ディア青い影〜、ハッピバースデー、トゥーユー♪」
すると、満足したのか青い影は煙のように消えてしまいました。

寺生まれって凄い。今日が私の誕生日だと忘れているTさんを見ながら、改めてそう思いました。

300chikatomo★:2015/03/16(月) 00:22:40 ID:???
>>299
いいですね!
Tさんが直接いかずに周りを使ってって新しいです!

301寺生まれの名無しさん:2015/03/16(月) 01:41:22 ID:1AIzZ4ZU
まだ300なのになんてテキスト量の多いスレなんだ!

302☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/16(月) 01:46:54 ID:pjKGcRRE
今日風呂掃除をしてた時にあった話
いつも浴槽とか風呂蓋とか気になるとこを掃除したら
鏡にシャワーかけて曇りをとって鮮明になっていく鏡をボケェっと見てんだけど
今日はいつもと違った。

鏡に映った俺の後ろに女が立っていた
(俺には男兄弟しかいないし、母さんは居間で録画してた和風総本家見てるからここにいるはずがない)
咄嗟に後ろを振り向こうとしたんだが体が全く動かない
心霊現象とか一度も体験したことが無くて
やべぇ…どうすりゃ良いんだと思うも何も頭に浮かばず焦っていると、
女が顔をあげてニタァと笑って
両手で俺の首を絞め始めた
華奢ななりしてスゲェ力が強くて
しかも、その手が氷みたいに冷たい

さっき言ったように体が動かないから抗うことも出来ない
情けないことに女の顔が怖いのと
死ぬんだって諦めから目をつぶったんだが

その瞬間
脱衣場の方から「破ァあ!」って男の溜め息?が聞こえてきた
は?と思って恐る恐るまぶたをあけると
さっきまで首を絞めていた女がいない代わりに
腰巻きタオル姿のTさんが
浴室に顔を出してた
「あれ?お湯まだ沸いてないの?」とか呑気なこと言うから
腹が立って脇腹に蹴りをいれて
Tさんが持っていたバブ?を顔面に投げつけてしまった
(俺そん時ちょっと泣いてたかも)
Tさんはそのまま家を飛び出してった


俺は人んちの風呂にバブを入れようとする図々しさに寺生まれって凄い…そう思った。
てか助かったとは思ったけど…服どうすんだよ…あとパンツ

303☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/16(月) 01:50:24 ID:3hXj1QIE
300カキコおめ!
※誤字脱字には目をつぶり補完しつつ読んで下されば幸いです

タイトルつけるとすれば…『腰巻きタオル』か『浴室の女』ですかね

304こげら:2015/03/16(月) 05:56:53 ID:RZZMOBQM
300おめでとうございます♪

305chikatomo★:2015/03/16(月) 11:27:40 ID:???
Twitterでも宣伝してみたり。
https://twitter.com/chikatomo02_/status/577293780413349888
☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!さんTさん大活躍(*´ω`*)b

306寺生まれの名無しさん:2015/03/16(月) 12:21:00 ID:GxHKu4Wc
まだ全部読んでないけど最初のネックレス面白いな

307寺生まれの名無しさん:2015/03/16(月) 13:51:40 ID:5XOQGmkc
何か書きたくなってきた

308☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/16(月) 14:56:50 ID:p2YPRlTk
>>307
書いちゃえ書いちゃえ!

309( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/03/16(月) 18:16:33 ID:qx2FQ/9M
>>307
お待ちしております!

310友達と二人で:2015/03/17(火) 15:23:40 ID:g0y/aqHg
友達と二人で夜道を歩いたいた時なんですけど、その日は部活で遅くなって、近道をしたんです。
その近道…っていうのが、墓地を抜けるんです。

一人だととても怖いんですけど、友達と二人だったから『ま、いっか』みたいな感じで。
墓地の半ばに来た頃、なんだか急に重苦しくなっちゃって…

友達も「嫌な感じ」と泣きそうに…

その時、物音がしたんです!二人して抱き合って、腰が抜けちゃって、その場に座り込んじゃって、泣きじゃくってました。
凄く怖かったんです。

暫くすると、その辺の墓石から無数の人魂の様な物が、私達を取り囲む様に迫って来ました。
もうどうしていいかわからない。ここで死ぬのかなぁ…なんて、色々な想いが頭をよぎりました。
その時、友達のカバンの中から、けたたましい男勝りの笑い声が、墓地一帯に木霊したんです!

「あーっ破っ破っ破!あーっ破っ破っ破!」

笑い声と共に、純白の光が、まがまがしい人魂に向かって放たれました!
そういえば部活の時、景品が当たったと某巨大女性歌手の人形を持ってきて見せてくれたんです。
カバンから取り出すと、のたうち回りながら光弾を放ち続けてました。

やがて、人魂は消え去り、私達は助かったんです!
今度は嬉しくて泣きました。

すると…近くの木の陰から、男の人が泣きながら怒り顔で飛び出してきました。その人は、憎しげに人形を睨みつけ…

「破っ!破っ!破っ!…」
と青い光を腕から出して、人形を打ち続けました。
「!…何するんですか!」
私は怒りながら文句を言いました。

「…貴様のせいで!貴様のせいで、女子高生と仲良くなるチャンスを無くしたじゃないか!潰してやる!破っ!破っ!破っ!」
人形は粉々にされてしまいました。

寺生まれって酷い…本当に憎らしく思いました。

311クリスマスプレゼント:2015/03/17(火) 17:03:46 ID:0x/a0IZ.
クリスマス、トムはサンタクロースからのプレゼントを楽しみにしていた。
朝起きるとクリスマスツリーの下にプレゼント箱が3つほどあった。
窓からサンタが中を覗いているのが見える。サンタはニタニタと笑いながらトムを見ている。
トムはニタニタ笑っているサンタを見て少し不機嫌に思いながらもプレゼントの置いてある所に行った。

トムはまず一つ目のプレゼントを手に取った。サンタは更にニタニタと笑っている。
プレゼントの箱を空けると中から長ズボンが出てきた。
トムは少しがっかりしたような表情をしながらも次の箱を手に取った。サンタは腹を抱えて笑っている。

二つ目の箱を開けると中からサッカーボールが出てきた。
トムはますます不機嫌になり、とても腹が立った。

トムは続けて一番大きな最後の箱を開けた。
すると中から自転車が出てきた。
サンタは雪の上を転がりまわって笑っているトムはとうとう耐え切れなくなって泣き出してしまった。

312クリスマスプレゼント:2015/03/17(火) 17:04:17 ID:g0y/aqHg

「幼い子供の心を弄ぶ魑魅魍魎め、ゆるさん!」

そう叫んだのはトムのお家にホームステイしていた寺生まれで霊感の強いTさんでした。
Tさんが「破ぁー!」と叫ぶとサンタの姿をした悪魔は、見る見るうちに苦しみ消えていきました。
「散々なクリスマスになっちまったな。だからせめて、おにいちゃんからのプレゼントだ」

Tさんはそう言って、トムに向かってやわらかい光を放ちました。
するとなんと、生まれつき両足がなかったトムに健康な両脚がそなわったではありませんか。

「メリークリスマス、トム」
そういってTさんは微笑みました。

寺生まれってすごい!トムは心からそう思いました。

313寺生まれの名無しさん:2015/03/17(火) 17:43:06 ID:8Vmu8hc.
>>312
やべえ。超かっけぇTさん
ほれた

314寺生まれの名無しさん:2015/03/17(火) 17:45:50 ID:8Vmu8hc.
>>310
平常運転ですな

315寺生まれの名無しさん:2015/03/17(火) 18:01:15 ID:g0y/aqHg
コピペ運動会ってサイトでは「リアリティがない」とかでTさんが叩かれてるんだよな
手から光弾出してる時点でリアルもクソもないと思うが

316☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/17(火) 18:40:21 ID:9MgCBPIA
リアリティだなんて
ネット上にある時点でお察しでしょうに
気功か拳法で幽霊と戦えば良いのか…
いや幽霊もリアリティないか


※自分は創作であろうとなかろうと関係なく楽しませて頂いてますし
幽霊や妖怪…怪奇現象その他諸々大好物です。
そういうの居たら良いな派です。

317( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/03/17(火) 18:55:40 ID:PWfuA9PQ
Tさんにリアリティーって(笑)
Tさんはそういうのじゃないでしょうに…
Tさん使って色々な人が怖い話とかを改変してることとかをその人達知らないんだろうね。

318寺生まれの名無しさん:2015/03/17(火) 20:23:41 ID:8Vmu8hc.
Tさんの話はなにが面白いかわからない人には本当に面白く無いんだろうね。
私もなんで面白いのかって言われたら説明できない気がする。
Tさんだからとしか。

でも光弾とかどこでも出現するとかそういう現実ではあり得ないことは置いておいて、
親しみやすさとかそういう意味ではリアリティがあってほしい。

むぅ、説明が難しいな。

319寺生まれの名無しさん:2015/03/17(火) 23:34:29 ID:n5tnMVOc
Tさんシリーズの面白さは、
玉石混交の新旧怪談話を
いたってマイペースかつ
唐突に無理矢理ぶち壊して解決してしまう、
カタルシス性と馬鹿馬鹿しさってところでしょ。

あと、いわゆる「if物」の楽しみでもあるね。

320寺生まれの名無しさん:2015/03/18(水) 01:40:43 ID:WHebJHlk
オカ板のTさんスレはなくなったのでしょうか?
もしかして今動きがあるのはここだけ?
どこか他にもあるのかな?

321寺生まれの名無しさん:2015/03/18(水) 08:27:54 ID:WmVCiOUE
オカルト板のTさんスレはだいぶ前に落ちてる
多分生き残ってるのはここだけなんじゃないかな

3222月の終わりの話:2015/03/18(水) 10:16:14 ID:WmVCiOUE
2月の終わりの話。

大学が休みに入ったので、喪男キモオタの代表格典型例みたいな俺らは心の底からすることがなかった。
暇に任せて、関東圏のある心霊スポットへ。
そこでは本当に何もなく、男ばかりなので無駄に怖がって俺に抱きついてくれる女の子がいるはずもなく
何となく盛り下がって終了、俺の家で6人のキモオタがアニメ観賞とエロゲで肝試しの何倍も盛り上がった。

酒も入っていい具合にハイにもなってきた頃、急に部屋の灯りがすごい勢いで瞬き始めた。
窓ガラスが外からバシバシ叩かれてる。両掌でおもいきり叩いてる感じ。
今から考えるとかなり恐ろしいんだけど、その時の俺らは全く怖くなかった。
その時やってたエロゲが「坊さんが幽霊の女の子を優しいエロで成仏させる」というコンセプトの
どうしようもないゲームだったから…。

俺:キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
友人:キタキタキタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
友人:萌え!むしろ萌え!
全員:もえええええええええええええええええっ!!!

3232月の終わりの話:2015/03/18(水) 10:16:39 ID:WmVCiOUE
今考えると、何か正気の沙汰じゃない。
でも俺らはエロゲの力と、キモオタの力と、酒の力で力の限り萌え続けた。
しばらく萌えー萌えーとひとしきり騒いだ頃、ふっと部屋の灯りが消えた。
全員が車座になってたんだけど、その真ん中に女の人が立ってた。
色はよく分からない長いスカートを履いていて、裾から雫が垂れていた。

全員:もええええええええええええええええええっ!!
友人:ちょwwwwwっをまwwwww
友人:お、おっぱい!
全員:うおおおおおおおおおおおおおお!もええええええええ!

その後はおっぱいコール。全員でおっぱい!おっぱい!と絶叫連呼。

  _  ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
 ⊂彡

3242月の終わりの話:2015/03/18(水) 10:17:04 ID:WmVCiOUE
女の人はちょっと眉を顰めた後、恥ずかしそうに上着を脱ぎだした、その時

ガッッシャーン!!

ベランダの窓が激しく割れ、何者かが乱入してきた!寺生まれで霊感の強いTさんだ!

T:破ァーーーー!!

Tさんの手から放たれた青白い閃光は女の人を直撃した。

女の人:きゃああぁぁぁ・・・

女の人は悲しそうに消えてしまった。

T:危ないところだったな。お前ら、あのままだったら命はなかったぜ

そう言うとTさんはベランダから去って行った。

しばらくの沈黙の後、俺らは泣いた。声を出して本気で泣いた。
親が死んでもここまでは泣かないだろうってくらいマジ泣きした。
寺生まれって酷い、俺らはそう思った。

325寺生まれの名無しさん:2015/03/18(水) 15:37:49 ID:Gv8thzRk
>>324 Tさんがおっぱいに興味を示さないとは……

326( ☆∀☆)テラウマレッテヒドイ!!:2015/03/18(水) 18:22:03 ID:IUXk1vBQ
>>323
楽しそうなシュプレヒコールだね(笑)

327☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/18(水) 23:54:46 ID:NTbYjg7E
どなたか
伊邪那岐と伊邪那美の話(黄泉のアレ)を浄化(という名の破壊工作)して頂けませんか…?


何度読んでも伊邪那美が憐れに思えて仕様が無い

328寺生まれの名無しさん:2015/03/19(木) 17:48:05 ID:XjF8MOoE
>>327
こういうお題もいいねー!

329寺生まれの名無しさん:2015/03/20(金) 17:15:16 ID:9BbJ1VgI
じゃあ俺もリクエスト。
TさんとTさん父が共闘してる話が読みたいです!

330寺生まれの名無しさん:2015/03/21(土) 17:38:04 ID:UbKg/F8w
698 名前: あなたのうしろに名無しさんが・・・ 04/03/29 03:01
漏れにはちょっと変な趣味があった。
その趣味って言うのが、夜中になると家の屋上に出てそこから双眼鏡で自分の住んでいる街を観察すること。
いつもとは違う、静まり返った街を観察するのが楽しい。




遠くに見えるおおきな給水タンクとか、酔っ払いを乗せて坂道を登っていくタクシー とか、

ぽつんと佇むまぶしい自動販売機なんかを見ていると妙にワクワクしてくる。
漏れの家の西側には長い坂道があって、それがまっすぐ漏れの家の方に向って下ってくる。
だから屋上から西側に目をやれば、その坂道の全体を正面から視界に納めることができるようになってるわけね。
その坂道の脇に設置されてる自動販売機を双眼鏡で見ながら「あ、大きな蛾が飛んでるな〜」なんて思っていたら、
坂道の一番上のほうから物凄い勢いで下ってくる奴がいた。
「なんだ?」と思って双眼鏡で見てみたら全裸でガリガリ君を持った陰陽師のNさんが、 満面の笑みを浮かべながらこっちに手を振りつつ、猛スピードで走ってくる。
Nさんはあきらかにこっちの存在に気付いている し、漏れと目も合いっぱなし。
ちょっとの間、あっけに取られて呆然と眺めていたけど、なんだか凄くヤバイことになりそうな気がして、急いで階段を下りて家の中に逃げ込んだ。

ドアを閉めて、鍵をかけて「うわーどうしようどうしよう、なんだよあれ!!」って怯えていたら、
ズダダダダダダッって屋上への階段を上る音が。明らかに漏れを探してる。
「凄いやばいことになっちゃったよ、どうしよう、まじで、なんだよあれ」って心の中でつぶやきながら、
声を潜めて物音を立てないように、リビングの真中でアイロン(武器)を両手で握って構えてた。
しばらくしたら、今度は階段をズダダダダッって下りる音。
もう、バカになりそうなくらいガタガタ震えていたら、
ドアをダンダンダンダンダンダン!!って叩いて、チャイムをピンポンピンポン!ピポポン!ピポン!!と鳴らしてくる。
それからスタタタタッってもう一つ軽い感じの足音がして、十数秒ぐらいもみ合う音と
「兄様、止めてください近所めいわ、い矢ァァァァァァ」
ってJちゃんの叫び声と爆発音がして静かになった。

331寺生まれの名無しさん:2015/03/21(土) 17:48:55 ID:UbKg/F8w
日が昇ってから歪んで開かなくなった扉を直してもらう為、寺生まれで霊感の強いTさんに連絡を入れ来てもらった。
Tさんに昨晩の経緯を話したら破ぁとため息を吐いて、Nさんが受験ストレスからガリガリ君を持って夜中に度々全裸で街を爆走する様になったと理由を聞いた。
その後、Nさんは受験に失敗し浪人しているらしい。
Jちゃんが受験生になってからはTさん、Kさん漏れの三人で夜中の町を観察している。

332☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/21(土) 18:20:11 ID:cMAHBOVU
>>331
Nさんが闇落ちしたのは
受験失敗した時の行動(黒歴史)が理由だった…
そういいたいのかね?

(目をそらしたくなるが、とても好きです)

333☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/22(日) 01:39:28 ID:msysnPco
なんか告白したみたいな書き方してしまった

334( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/03/22(日) 10:30:23 ID:Uwk3.p92
>>330
つ、ついにNさんが変態キャラに…(笑)

>>333
ハアアアッ!!さんはNさんが好きだったんですね!?(笑)

335寺生まれの名無しさん:2015/03/23(月) 21:06:15 ID:/C0qfnkg
>>327
伊邪那美は夫に自分の醜く腐った姿を見られ恥をかかされた(夫の思い出の中では綺麗なままで居たかった)
伊邪那岐は自分の未練から妻に恥をかかせたと喧嘩別れでも関係を清算した。
伊邪那岐は妻が死んだ原因の加具土命を即打ち殺すほどの愛妻家(子は親にとっていくらでも作り出せる存在なんだよぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ)です。
伊邪那岐、伊邪那美の神話は考えて見ると高橋邦子調にしても違和感が無いと言うより、邦子調の方がしっくり来る。

Tさんなら破ァで伊邪那岐の未練を断ち切り、伊邪那美に恥をかかせることなく収めそうです。

336寺生まれの名無しさん:2015/03/23(月) 22:42:32 ID:bqw8io6k
でもTさんは「寺」生まれだから神とは相性悪いんじゃないだろうか

337寺生まれの名無しさん:2015/03/23(月) 23:17:35 ID:/C0qfnkg
明治まで日本は神仏習合だったから、Tさんの宗派にもよるけど相性が悪い事は無い。

338寺生まれの名無しさん:2015/03/24(火) 16:26:09 ID:vNFtmNp6
新作がなーーーい!
・・・書くか

339( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/03/25(水) 18:34:40 ID:EBugocEM
>>338
お待ちしております。

340:2015/03/25(水) 21:30:02 ID:XBljUUFg
ある晩、仕事で遅くなり仲間内では「通ってはいけない」峠を通ることにした。
呪われた峠と言われるそこは、幾人もの地元の走り屋が命を落としている。
事故を起こした連中には変なものを見たという者まで・・・。
丁度峠も中腹に差し掛かった頃。
俺はバックミラーに白い人影を認めた。親父である。
袈裟を着た親父が、頭を振り乱して猛スピードで追いついてくる。
こんな馬鹿な!?80kmは出ているんだぞ!
親父は悠々と俺の愛車を追い抜いた。峠はもうすぐ終わる。

破ァァァァ、俺はエンジンに法力を送り込む。親父がぐんぐんと近づいてくる。
振り向いて少し驚いたようだったが、親父もスピードを上げる。
くっ、なんて馬力だ。
俺も全身のアドレナリンを集めて、更に法力を送り込む。時空を越えそうだ。
親父に並んだ。
ジジイが俺に勝てると思ったのか。そんな殺気が俺に悪魔的な発想をさせた。幅寄せである。
迫り来る親父は目を見開き破ァと、俺の車のフロントに飛び乗った。
それまで出ていた120km/hが相対速度で240km/h。
親父はカタパルトに弾かれた戦闘機のように跳んだ。
なんて奴だ。この俺の完敗だ。
しかしこの先は・・・!
この先こそ、走り屋の志を砕いてきた魔のカーブである。
既に戦意を喪失していた俺は急ブレーキをかける。
親父も慌てて止まろうとしたらしく、踵からは火柱と煙が上がり、体は大きく傾いた。
しかし親父についていた加速度を制御することは最早出来なかった。

その先のガードレールを突き破り、親父は跳んだ―。
しかしその姿は美しかった。オリンピック選手が見せるどんな跳躍よりも高く華麗に。
跳躍は落ちることなく、夜の星空を背景に、どんどんと舞い上がりそして―
スローモーションのように崖下の闇に飲み込まれていた。

帰宅後、あの速度で曲がり切れなくなるなんて、俺も老いたなと呟く風呂上りの親父を見て、親父は凄いと思った。

341寺生まれの名無しさん:2015/03/25(水) 21:34:25 ID:MH3RFPR.
TさんもT父もなにやってんだww
子供かwww

342寺生まれの名無しさん:2015/03/26(木) 01:25:37 ID:8OnOk5IM
>>340
オヤジ行きまーす

343寺生まれの名無しさん:2015/03/26(木) 17:32:33 ID:YDrcnZyU
>>340

共闘リクエストの返答なのかと一瞬考えてしまった

344( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/03/26(木) 18:43:16 ID:mJk8EIis
>>340
親子揃って峠で何やってんだか(笑)

345真の邪悪1/5:2015/03/26(木) 21:01:59 ID:.IPYaDj.
大学時代の変わった友人の話がある。
友人を仮に平岡くんとしておく。
平岡君は医者の息子で容姿端麗で頭がよく礼儀正しくスポーツもできる、まあ完璧な人間だ。
一緒にいると嫌になるくらい完璧だ。嫌味がないのがまた厭らしいくらいに。
社交的なのもあっていつも周りは人で溢れてる。俺はオカルト好きでまあ、言わずもがなあまり冴えない方だが、平岡くんが何やら気に入ったらしく
良く一緒にいた。たまに平岡くんみたいに産まれたら人生楽しいだろうなとか思ったけどね、根っからの根暗な俺は
ブックオフで買った魔術書とにらめっこしてる方が心底楽しかった。そんなんだから一緒にいたのかもしれないけどね。

346真の邪悪2/5:2015/03/26(木) 21:03:17 ID:.IPYaDj.
でまあ、一緒にいるとお互いに色々な面が見えてくる。第一に気になったのは平岡くんは異常に女っ気がなかったこと。
次に動物が近寄らないことだね。女に関して言えば平岡くんが敢えて避けてた気もする。
けど動物は違う。怒るでも逃げるでもなく、平岡くんを見ると一切動かず伏せるような感じになる。
赤ちゃんもそうなんだが、泣いてる赤ちゃんも平岡くんに気づくと目をまん丸にしてジーッと見つめるんだよ。
実際人並みならぬオーラを放つ平岡くんだから、人間に成りきってない赤ちゃんとかには平岡くんのオーラがよく感じとれるんだろうね。
ある日、オカ研(非公式サークル)のメンバーが自称霊能力少女を連れてきた。

347真の邪悪3/5:2015/03/26(木) 21:04:34 ID:.IPYaDj.
霊能力少女とは言っても我がオカ研の連れてくるゲストだから、その道ではちょっと有名な人らしい。
かなり本物っぽいというお墨付きだ。

その娘としばらく対談したあと、おもてなしがてら皆さんで食事へ行くことになった。
彼女は18歳だったから酒は抜き。俺は、なんとなしに平岡くんを誘おうという気になった。
霊能力少女が地味ながらそこそこに美人だったからだ。平岡くんは実は地味な子が好みかもしれないと考えた。

さて、平岡くんも参加し食事会が始まった。場所は当然ながら霊がでると噂のレストラン。
彼女の霊能力を試すために秘密にしていたがちょっとした曰がある。
霊能少女は特に霊を気にする素振りもなく、ちらちらと平岡くんを気にしていた。
面白い展開になってきたと思ったね。

348真の邪悪4/5:2015/03/26(木) 21:06:33 ID:.IPYaDj.
かと思えばいきなり彼女が言うんだよ。
「平岡さんは何者ですか?」と。
平岡くんは
「みんなと同じ大学生ですよ」
と答える。
二人の会話はそこで終わった。
で帰り道、我々はごちゃごちゃ並んで少女を駅まで送りに向かった。
途中、平岡くんが少女の近くに寄った時言ったんだよ。
「それ以上近寄らないでください」と。
平岡くんには悪いがメンバー大興奮だね。平岡くんは表情一つ変えず「ごめんね」と言った。

で、後日談なんだけど平岡くんは呼ばないと約束して少女を再度呼び出した。
そして、訳を聞いた。
彼女曰く
「平岡さんは真の邪悪です」
「霊とかそういうのではないから私にもよく分からない。けど、悪意を持った霊ですら彼に畏れおののき頭をたれてひれ伏していました。
異様な光景でした。彼はきっと何か使命をもってこの世に産まれてきたのだと思います。
一言で言えば尋常じゃありません」
要約するとこんな感じですね。

当然ながらオカ研には箝口令が敷かれました。只でさえ立場の低い我々が平岡くんの悪口を言ってるなんて噂になればたまらないですからね。

349真の邪悪5/5:2015/03/26(木) 21:10:56 ID:.IPYaDj.
卒業から六年経ちましたが、平岡くんとは一回も連絡をとっていません。
敢えて連絡を取らなかった訳ではなく、平岡くんは卒業と同時にTさんに破ァされて消滅してしまったので誰も彼の行方が分からなかったからです。

なぜ今さらこんな話を思い出したかと言えばネットをしていてTさんを見たからなのですが。
オカ板とかじゃなくね。まとめ系のサイトでリンクの先に立っているTさんスレを確かに観ましたね。

特に怖い話じゃなくてすまないけど、やっぱり寺生まれはすごいんだなと何となく思いました。

350寺生まれの名無しさん:2015/03/27(金) 02:20:42 ID:6OMOMhl6
>>349
自然すぎてもともとTさんネタだったかと錯覚した。
GJ!

351名無しのこげら:2015/03/27(金) 15:44:54 ID:kXB2UsOE
グチコーナーも作って下さいませ
管理人様m(__)m

352名無しのこげら:2015/03/27(金) 15:50:05 ID:kXB2UsOE
あいや(^^ゞ327様
浄化したいけど原文がいまいち分からんすm(__)m

353( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/03/27(金) 18:20:05 ID:pLitOiY6
平岡くんってスゴく強いって思っていいのかな?
何かしたわけじゃないのに悪霊とかひれ伏させちゃうし…
Tさんvs平岡くんの激しいバトルがあったと妄想(笑)
元ネタあるんでしょうか?

354chikatomo★:2015/03/28(土) 03:50:02 ID:???
>>351
グチコーナーとはどんなですか?

355☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/29(日) 03:09:08 ID:G.LIp/Ek
黄泉比良坂を訳すスキルは持ち合わせてないので

◆古事記 現代語訳
ttp://musikikai.obunko.com/KOJIKI0-main.html
◆わかりやすい日本史
・日本神話 その4『黄泉の国』(前後編)
ttp://ameblo.jp/intereeter/entry-10359714219.html

なんてどうですか?
(URLの先頭のh抜いてあります)
リクエストして更には現代語訳を他サイト・他者に任せる不甲斐なさよ…
著作権的にヤバければ何とか自分で訳すッス

356名無しのこげら:2015/03/30(月) 17:27:19 ID:Knk6s3uw
了解ですありがとう
ございます

なんでも神の悲恋みたいなお話ですね

357☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/31(火) 01:17:44 ID:JlD9504w
黄泉比良坂の話をふたたび読んだら
夫「嫁が老けて昔のような可愛さがなくて萎える」って感じの話に見えてしまった…orz


書いて頂けるなら悲恋を改良する方向でお願いしますwww

358冷蔵庫の生首:2015/03/31(火) 15:23:50 ID:WxER6Thk
私が牛乳を飲もうと冷蔵庫を開けると、誰かの生首が入っていました。
私はビックリして、思わず冷蔵庫のドアを閉めてしまいました。
きっと今のは何かの見間違いであろうと思い直し、
再び冷蔵庫を開けると、なんとそこには誰かの生首が白目を向いていたのです。
私は思わずドアを閉めましたが、きっと疲れていて見えもしないものを見てしまったのだと思い直し、
覚悟を決めて、改めて冷蔵庫を開けました。
するとそこには、何者かの生首が白目を向いて、ほのかにほくそ笑んでいるのです。
私はビックリして、冷蔵庫のドアを閉めましたが、きっと幻覚を見たに違いない、
最近あまり寝てないから、見えもしないものが見えてしまったのだと思い直し、
冷蔵庫を開けました。するとそこには、白目を向いた生首が入っていたのです。
驚いた私は、気がつけば冷蔵庫の扉を閉めていましたが、気のせいだと思い直し、
再びドアを開けると、やっぱり白目を向いた生首が、ほのかに笑っているのです。
思わず扉を閉めてしまいましたが、きっと幻覚に違いありません。最近寝てなかったから。
と、思い直し冷蔵庫を開けると、やっぱり誰かの生首が入っているのです。
思わず冷蔵庫を閉めた私でしたが、これは何かの間違いに違いない。
疲れているから見えもしない物が見えたのだと思い直し、冷蔵庫を開けると、
そこにはなんと白目を向いた生首が……、うわっと思い冷蔵庫を閉めましたが、
きっと疲れのせいで幻覚を見たに違いないと自分に言い聞かせ、
再び冷蔵庫を開けると、なんと誰かの生首が白目を向きながら笑っているのです。
思わず冷蔵庫の扉を閉めましたが、きっと気のせいで、
何かと見間違えをしたのだと自分に言い聞かせ、扉を開け直すと、
なんとそこには、何者かの生首が白目を向いて笑っていたのです。
「さがってろ!!!」とっさに後ろから聞こえた声の方を向くとそこには寺生まれで霊感の強いTさんが!
するとTさんは冷蔵庫の中の生首に向かって「破ぁ!!!」と叫ぶと
生首はおいしそうなケンタッキーフライドチキンに変わってしまった!!!
「おそらく遠まわしに何かの恨みがあったんだろう、気をつけるこったな」
Tさんははにかみながら「食べたくなるなるケンタッキー」とだけ残して帰っていった
寺生まれってスゴイ、改めてそう思った

359本当に怖い話:2015/03/31(火) 15:26:29 ID:WxER6Thk
あるところに5人の大学生がいました。
彼らは1999年の大晦日にシンガポールに旅行に来てました。
そして運よく100階建の最上階つまり100階の部屋に泊まれることになりました。
大晦日の日彼らはシンガポールのそのホテルにチェツクインして、
荷物をおいて、街にあそびに行こうとし、ロビーを通った時にフロントの人に、
「今夜、2000年問題が起こるかもしれないので、
12時ちょうどに、ホテル内すべての電気を消します。
だからそれまでには帰ってきてくださいね。」

・・・・ しかし彼らは遊びに夢中になり
その約束をすっかり忘れて12時をすぎてしまいました。
フロントも真っ暗でエレベーターも止まっている。
寒すぎてこのままフロントで寝泊まることもできない。
仕方なく彼らは100階の部屋まで階段で100階の部屋まで行くことにした。
20階… 30階… 40階…とだんだんと足が棒になってきて、
50階でついにばててしまいました。
「オイ、このまま上がっていくと、本当に足が動かなくなる、
1階上がる毎に交代で怖い話しをして気を紛らわそう」と一人の人が言った。
そして1階上がるごとに怖い話しをして、なんとか上にあがっていった。
そしてついに99階にたどりつくことが出来ました。
すると最後の一人が
「いいか、俺が今から言う話しは… 本当に怖いからな、
絶対にビビルなよ」と他の4人に強く言った。
(どんな話しだろう…)と仲間達は息を飲んだ。
そして、彼はいった。
「一階に・・・ 鍵を忘れた・・・・・・」
すると一人がいきなり「破ぁ!」と男を殴りつけた!!!寺生まれで霊感の強いTさんだった!
「なにいってんのオマエ!マジそーゆーのありえねーから!!!」
寺生まれってスゴイ、改めて思った。

360天才的な化学の知識を持つすごい俺:2015/03/31(火) 15:27:44 ID:WxER6Thk
中学の頃、教師からの評価を良くしたかったのと、
ケミカルな雰囲気が格好いいと思い込んで理科室の手伝いを良くしていた。
(といってもゴム栓に穴をあけたり、ビーカーを掃除したりする程度)
でも当時の俺は、自分がだんだん子供ながら天才的な化学の知識を持つすごい奴だと勘違いし始め、
ある日友人を無理やり誘って理科室に忍び込んだ。
そこで適当な物質(っつっても多分ふっとう石とか)を指で触りながら
「へえ…○○先生もなかなか良い物を仕入れて来るんだな。」 とか言ってたり、
適当な薬品の入った瓶を傾けて
「ははっ。ちょっと調合の具合がおかしいかな。ま、授業用には十分か。」 とかほざいてた。
友人は当然ハァ?って感じ。
それでも俺はおかまいなしに「ふん。」とか「ははっ!」とかやってた。
そんで一番奥の戸棚を開けて急に表情を変え、「!!これは!○○先生!いったい…!なんて物を!何をしようとしてるんだ!」 って言ってみせた。
友人も驚いて「それそんなヤバイの?」って聞いてきた。
俺は「こんなの黒の教科書の挿絵でしかみたことないぜ…!それなら、もしかしてこっちの瓶は!?」
って別の瓶を手に取って嗅ごうとした。
そしたら、いきなり「伏せろっ!」の声とともに理科室の戸をガラガラッ!と開けてクラスメイトのTがが入ってきた。
俺達は咄嗟に床に伏した、すると、
「波ぁ!!!!」ってTが叫んだ瞬間、奴の掌が光ったかと思うと、俺の嗅ごうとしていた瓶から
人の形をした煙のようなものが「エンッ!!」って叫びながら吹き飛んでいった。
「○○先生から聞いた話だが、昔この学校の理科室で首を吊った生徒がいたんだそうだ。
妙な気配がしたんで来てみたが、まだ俺の腕も親父には及ばないな…」
と言ってTは教室に戻っていった。
関係ないがそれ以来なぜか俺のあだ名は毒物くんになった。

Tさんと中学時代の同級生だったと言う親戚のZさん(製薬会社勤務)から聞いた話だ。
やっぱ寺生まれってスゴイ、俺はTさんの武勇伝に胸躍らざるを得なかった。

361遭難者のテープレコーダー:2015/03/31(火) 15:30:35 ID:WxER6Thk
ある男がひとりで登山に出かけたまま行方不明になった。
捜索隊が結成され山狩りが行われたが見つかったのは男の物と思われる荷物だけだった
そのなかには、テープレコーダーがあった。
テープには大声で助けを求める、男の声が録音されていた。
男はどうやら何かけがをして、動けなくなったらしかった。
テープことはマスコミにも公表されたが、遺族も警察関係者も
公表をひかえていた部分があった。
そのテープには助けを求めるメッセージとは違うものも録音されていた。
何かに非常におびえた男の声だった。
どうやら夜に何かがおこっているようだった。
男は必死にテープにむかって口述している。

一日目
「夜になると人の声がする・・・
呼ぶ声がする・・・
こんな夜中に誰もいないところに・・・
だれもいないのに・・・」

二日目
「たすけて・・・
声がする。
夜になるとあいつがやってくる・・・
暗闇から呼んでいる・・・
昨日より近くなっている・・・
おそろしいよ・・・
おねがい、たすけて・・・
とてもこわい、とても・・・
だれかたすけて・・・」

三日目
「近くまで来ている・・・
たすけて・・・
人が・・・ヒッ・・・
・・こわい・・
近くまで来ている・・・
おねがい、たすけて・・・
おねがい、おねがい
よぶ・だれも・・・
ひ・あいつ・・ちか・・・・こわいよ・・たす
すぐそばまで・・たすけ・
こえが・・・
おねがい、・・た・・・・て」
こうしてテープはそこで切れている。

それ以後、男はテープに何も録音していない。
警察はこのテープをくわしく分析した。
テープはずっとその男の声だけで、他の怪しい物音は
入っていなかった。

しかし、三日目のテープが最後に切れるところで、
これまでとは違う音が録音されていた。
そのことに関して、分析家も理解不能だった。
それは、遭難した男の声とは違う、別の人間の声だった。
レコーダーのすぐそばで発せられている。

耳元でささやかれたかのように、はっきりと。
「破ァッ!! 」
ちょうど山に山菜を取りにきていたTさんの声だった。
そのすぐ後遭難した男性を背負いTさんは山から降りてきた
「低級霊が集まってきてたが山の神と直々に話をつけてきた。人間がよりつきさえしなけりゃもう襲ってはこないぜ。ま、お蔭でとった山菜は全部お供え物になっちまったがな」

土まみれになりながらもさわやかに笑うTさんを見て寺生まれってスゴイ、改めて思った。

362心霊スポットの女:2015/03/31(火) 15:33:48 ID:WxER6Thk
あれは確か、夏のある暑い日……。
ある有名な心霊スポットへ、深夜に車で行ってみたんです。
トンネルを抜けると、そこが有名な心霊スポット。
と、そこに目の前にふっと女の人の白い影が。
あ! と思って、慌ててブレーキを踏んで降りてみたところ、そこに人影はなく、目の前は崖。
ガードレールが壊れていて、ブレーキを踏んでなかったら落ちてしまっていたかもしれない。
「あの幽霊は助けてくれたんだ」
そう思って、そこで手を合わせて、お祈りして帰路についた。
トンネルを引き返す途中、ふとミラーを見ると、後部座席に先ほど目の前を横切った女の人の姿が……。
その女の人は、こう呟いた。
「死ねばよかったのに」
「いや、でもホント助かったよ。ありがと」
「ば……ばかっ、あんたなんか死んじゃえばよかったのよ!」
「お礼しないとな。また来週きてもいいかな」
「ダ、ダメっ! また落ちそうになったら危ないわぁ!!」
翌週、何か弁当用意して待っててくれました。
作りすぎただけで、決して僕のために用意したんじゃないそうです。
「破ぁ!!!」
とっさに後ろから聞こえた怒号と青い閃光によって彼女は美しい煙になって消えていった
後ろを振り返るとそこには寺生まれで霊感の強いTさんだった!
「やばかった・・・こいつはなんかイロイロヤバイ感じだったんだ、本当さ、いやぁ危ない危ない・・・」
寺生まれってスゴイ、改めてそう思った

363リコーダー笛先事件:2015/03/31(火) 15:35:59 ID:WxER6Thk
オレの小学校の時のリコーダーは3つに分解できて、名前書くところが真ん中の筒にあった。
ある放課後、誰もいない教室にオレは侵入し、好きな子とオレのリコーダーの一番上の部分の
「笛 先 を 交 換 し た 」
名前が書いてある場所はそのままだし気付かないだろうと・・・
そしてその笛をペロペロ楽しんでいたオレであったが、交換してから初の音楽の授業に
悲劇は起こった。
好きな子「・・苦っ!??あれ・・・??この笛わたしのじゃない!!!」
静まりかえる音楽室
先生「どうしたの??」
好きな子「わたしのはここにも名前を書いていたのに・・・この笛にはないんです!!」
先生に笛を見せる。
ふとオレは笛先の部分の裏を見てみるとちっちゃくその子の名前が書いてあった
その子はクラスでもかなりモテてる子だった事もあり、まわりのDQNも騒ぎだした
「誰かがすりかえたんじゃね?ww」
「うわきもーい」
「こわーい」
ザワザワ・・・
先生「はい、じゃあ今からちょっとみんなの笛を見せて下さ
Tさん「破ぁい、先生意見があるぜ。先生が生徒を疑うようなことしていいのかよ。それに犯人を見つけた所でそいつが卒業までイジメられるだけだぜ」
その後、Tさんの一言で笛を調べるのは取りやめになりオレは事なきを得た。
寺生まれってスゴイ、改めて思った

364小屋の鍵穴から見えたのは…:2015/03/31(火) 15:38:02 ID:WxER6Thk
タクシーの運転手が、人気のない道である女性を乗せた。
彼女は夜にも関わらずサングラスをしていたため、
運転手は不思議に思いつつも気にしないふりをし車を走らせた。
しばらくして彼女は或る小屋の前で降ろしてくれと言い、何故?とは
思いつつもその場に女性を降ろした。
彼女はタクシーから降りるとその小屋の中に入り、扉を閉めた。
一体こんな山奥で何をする気なのだと、運転手は不思議に思い、
扉の鍵穴から小屋の内部を覗こうとした。
しかし、鍵穴から見えたのは、ただ一面の赤色だった。
最初は詰まってるのかとも思った運転手だが、何か気味が悪くなり
そそくさと小屋の前から立ち去った。
帰る途中、運転手は一軒のラーメン屋を見つけ、丁度腹も減っていた
運転手はその店に入り、一杯のラーメンを注文した。
ラーメンが出来るまでの間、ふっと先ほどの女性の事を思い出し運転手は、店長に尋ねた。
「そうですか…お客さんも見たんですか…。」
運転手は驚いた。
その瞬間、いきなり扉がガラガラと開いた。俺&店長「!!!!!!!!!!!!!!!!」
Tさん「塩ラーメン頼む」

365くねくね's feat.Tさん:2015/03/31(火) 15:41:10 ID:WxER6Thk
子供の頃、お盆で山形にある父の実家に帰省した時の話。
夏休みの宿題の自由研究でトンボの観察にするために
昼過ぎに田んぼのあぜ道にビデオカメラをセットした。
そのまま、川に泳ぎに行った帰り道だった。
生暖かい風が吹いてきた。折角さっぱりしたのになんだよ!と思って空を見上げると
入道雲がもくもくと空に広がっていく。一雨くるな、と急いでカメラを回収にその場所にむかった。

雲の影が田んぼを走っていく。カメラが見えてきた。そのとき、カメラの向こうに何か見えた。
遠くからでよく分からなかったが、全身白づくめの人たちがうねうねと動いているようだった。
段々遠ざかっていく。その先には田んぼしかない。
奇妙に感じたが、雨も降りそうだしカメラの回収が先だ。

カメラを持って家に付くとすぐに夕立が振り出した。
濡れずに済んだと安心して居間に入ったとき祖父が帰ってきた。
濡れた頭をタオルで拭きながら居間に来た祖父にさっきみたものを訊いてみた。
祖父は途端に険しい顔をして「にしゃ(お前の意味)、あれ見だんか?目ぇ合わせぢまっだんか?」
そのとき雷が丁度近くに大きな音を立てて落ちた。
祖父のあまりの剣幕と雷に驚いて、訳も分からず俺は泣き出してしまっていた。
「遠くだったから良く分からなかったよ…」泣きながら言う俺の頭を撫でながら言った。
「あれは見ぃだらいがん。見んでえがった。」祖父は涙ぐんでるようだった。
落雷で停電してしまったのでビデオを見るのは忘れていた。

翌日、朝食のあとビデオのことを思い出し、観ることにした。
予想より多くのトンボが映っていた。
風で田んぼの稲の葉が擦れる音と遠くからセミの鳴き声が聞こえるくらい。
たまに鳥の鳴き声もする。のどかなものだった。
しかし、しばらくすると突然音が止んだ。そして何かを引きずるような音が聞こえてきた。
画面は雲の影が田んぼに映りこむくらいで殆ど変化が無かった。
音は次第に大きくなっていく。ざわざわというかぼそぼそというか人が話すような音も聞こえてきた。
そして、いきなり画面にそいつらは現れた。

突然、まばゆいばかりのスポットライトが飛び出したくねくね'sを映し出す
「KA-KA-SHIは」「どこだ!」ステージにくねくね'sの声が響く
詰め掛けたオーディエンスはくねくね'sの久々のステージに期待で爆発しそうだ
今晩も伝説のリリックが聴ける。ストリート生まれヒップホップ育ち。本物のラップが聴けるのだ
キャップを斜めに被りオーバーサイズのTシャツをきたくねくねがターンテーブルをいじりながら目で合図する
重たいサウンドがスピーカーから響く。ショウの始まりだ
「 ここでTOUJO! おれらMOURYO! いつもMUHYOUJO! くねくねSANJYO! 
 カカシBANZAI! 鳥はSANKAI! あぜ道俺ら歩くZENKAI!
 (ドゥ〜ン ドゥンドゥンドゥ〜ン キュワキャキャキャッキャキュワキャ!)
 作地減少! 農費上昇! 過疎で閑散! 飯だ母さん!
 冷たい世間を生き抜き! 冷たい麦茶で息抜き!
どこだKA-KA-SHI農業MONDAI! そんな毎日リアルなSONZAI!
 SAY HO!(HO!) SAY HO HO HO HO!」
くねくねのプレイは好調だ。オーディエンスの熱狂はこわいくらいだ
そこにゲストが現れた!寺生まれで霊感の強いTさんだ!
「HIPHOPに国境も人種も種族の壁もないぜ!破ァ!破ァ!破ァ!」
片っ端からくねくねを吹き飛ばすパフォーマンスを披露するTさん。
本物のHIPHOP、それがここにあるのだ。寺生まれって本当に凄い、俺はそう思った。

366少女の呪いのルール:2015/03/31(火) 15:44:03 ID:WxER6Thk
これは、私が小学生の頃の話です。
学校からの帰り道、真っ黒な髪を腰までのばした女の子が、公衆電話の前に立っていました。
その子が振り向いて話かけて来た時に、その目が白く濁っていた事から、私は彼女が盲目である事を知ったのです。
その子は透き通った声で言いました

「美加ちゃん、お葬式の

最中に悪いんだけど、私の代わりに電話をかけてくれる?」
わたしは(何か誤解されてるな)と思い乍らも、そこは突っ込まずに、それよりも彼女が何故まよう事なく私の名前を言い当てたのか、知りたいと思いました。

「どこかで、会ったかしら?」
すると彼女はクスクスと可笑しそうに笑い、本を読むように饒舌に語り始めたのです。

「クラスが違うから、知らなくても無理はないけど、アナタの同級生よ。貴方は一組で私は六組。廊下の端と端ですものね。でも私は、ずっと前からアナタを知っていた…。目の悪い人間ほど、声には敏感なものよ。アナタはとても綺麗な声で、クラスの人望も厚くて、よく皆の話題になってた・・・。だってアナタは優等生の見本のような人ですものね。きっと私の頼みを聞いてくれると思ったの。
エゴイスティックな他の人たちとは大違い……」

なにかが狂ってるような気がしました。
それでも私は、その少女のいう通りに、ダイヤルを回し(当時はまだダイヤル式の公衆電話でした)、少女のいう通りに、受話器を渡したのです。

女の子は、電話の向こうの誰かと声を潜めて話しては、時々こちらを見て、にっこりと笑いました。その電話が終り、少女が去った直後でした。
私が、途方も無くおそろしいものに取り憑かれていた事に気付いたのは。

理由を詳しく説明する事はできません。
私のつまらない文章の意味を理解した者だけが、とりかれる。
それが、この少女の呪いの「破ぁ!!」ールなのですから。

367☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/03/31(火) 17:31:09 ID:z7aC.sG.
いっきに増えた(゚ω゚;
WxER6Thkさん乙!

368( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/03/31(火) 18:19:05 ID:.DSev9m.
>>358
ケンタッキー食べたくなった(笑)

369みんな人形って洗ってる?:2015/03/31(火) 19:10:48 ID:qkRtuPbg
35:もしもし私、名無しさん:2007/08/14(火) 10:38:56 ID:oPg8yp03
みんな人形って洗ってやったりしてるの?
最近臭いが気になるんだが

36:もしもし私、名無しさん:2007/08/14(火) 10:59:33 ID:7BmddTpa
>>35
ソフビやガレキは洗わんだろw ラブドなら一緒に風呂入るけどw

37:もしもし私、名無しさん:2007/08/14(火) 11:03:06 ID:oPg8yp03
しかも髪ブラッシングしてやったらゴッソリ抜けた…もう駄目かもわからんね

41もしもし私、名無しさん::2007/08/14(火) 13:48:56 ID:oPg8yp03
目玉が落ちた…大きくて可愛い目だったのに…
でも、もっとコロンって感じかと思ったけど、腐った柿が枝から落ちる様だった

42:もしもし私、名無しさん :2007/08/14(火) 14:29:32 ID:7BmddTpa
>>41 本当に人形なんだろなあ?

48:もしもし私、名無しさん :2007/08/14(火) 14:56:01 ID:oPg8yp03
うるせえ!ああああ臭いとれねえ!!!ちくしょう!ちくしょうちくしょうちくしょうちくしょう

49:もしもし私、Tさん :2007/08/14(火) 14:59:01 ID:f788yoa3
俺寺生まれだからそういうのテラわかるwwwwってかwwwwやかましいわwwwww

370床下の収納スペースに死んだお母さんが:2015/03/31(火) 19:23:41 ID:qkRtuPbg
学校から帰って台所で麦茶を飲んでいると
床下の収納スペースに死んだお母さんが押し込められているのに気がついた

隣の部屋からお父さんが出てきた
「由美?、お母さんは他に好きな人がいたんだ、お前のことも捨てて
出て行こうとしていたんだ、だからけんかになってさっき殺してしまった」
と泣き出した

私はお父さんを警察に突き出すつもりはない
このまま二人で暮らしていこうと思った

着替えのため自分の部屋に行くとメモ帳の切れ端が落ちていた
「由美、?逃げて お父さんは 狂っている」

あなたなら、お父さんと、お母さん、どちらを信じますか

『俺だ』
その声と共に私は正しい答えを理解した。
どちらも信じてはいけない!Tさんに助けを求めるんだ!
私はTさんのもとへ走った。
後ろからはいつのまにか両親が追ってきていた。
もう駄目だ、そう思った瞬間「破ぁ!!」青白い燐光で両親をTさんは吹き飛ばした
「危ないところだったな…大丈夫かい由美ちゃん?」
私はそのままTさんに抱きついた
でも何で私が危ないとわかったのだろう?
Tさんにそう聞くと顔を赤らめて答えた
「ちょっとカワイイと思って幽体離脱してのぞいてたんだよ。怒らないでくれよ…」
言い訳しているTさんは可愛い改めてそう思って許すことにした。

371猛吹雪の山小屋:2015/03/31(火) 19:25:29 ID:qkRtuPbg
ある雪山で猛吹雪の中、4人が遭難した。
このままでは確実に死ぬ・・・そう皆が考えていた先、山小屋が見付かる。
息も絶え絶えに小屋になだれ込む4人。
しかし、その山小屋には暖房施設がなく、あるのは非常用の食糧のみ。
寝れば確実に凍え死ぬ。ひとまず朝になれば・・・
そこでリーダーがゲームを提案する。
「4人全員が小屋の四隅に座り、5分毎に東回りに歩いて、人を起こして回ろう。
起こされた人は起こした人と交替して次の角に向かう」

翌朝、救助隊が山小屋を発見。疲弊した4人に笑顔が浮かぶ。
救助隊「よく全員ご無事で」
リーダー「いや、駄目かと思いましたが〜〜〜のようなゲームをしまして…」
少し間を置いて救助隊が答える

救助隊「そのゲーム、できっこないですよ」

「ふ破ぁーあ」大きなアクビをしながら寺生まれのTさんが小屋の外から戻ってきた。
「よ、昨日はどうもな」
どうやら小屋にいたもう一人は寺生まれのTさんだったらしい
「なんだよ、気づいてなかったのかよ……」
ろくに挨拶もせず溶け込めるTさんは凄い。改めてそう思った。

372お別れ会:2015/03/31(火) 19:29:19 ID:qkRtuPbg
小学生のとき、少し足し算、引き算の計算や、会話のテンポが少し遅いT君という子がいた。
でも、幽霊と話すことができ、そのおかげか除霊が上手な子だった。
彼は、よく友達の幽霊を説得して追い払っていた。
幽霊と話せるT君の姿には、子供心に驚嘆した。
担任のN先生は算数の時間、解けないと分かっているのに答えをその子に聞く。
冷や汗をかきながら、指を使って、ええと・ええと・と答えを出そうとする姿を周りの子供は笑う。
N先生は答えが出るまで、しつこく何度も言わせた。

僕はN先生が大嫌いだった。

クラスもいつしか代わり、私たちが小学6年生になる前、N先生は違う学校へ転任することになったので、全校集会で先生のお別れ会をやることになった。
生徒代表でお別れの言葉を言う人が必要になった。
先生に一番世話をやかせたのだから、T君が言え、と言い出したお馬鹿さんがいた。
お別れ会で一人立たされて、どもる姿を期待したのだ。
僕は、T君の言葉を忘れない。

「ぼくを、普通の子と一緒に勉強させてくれて、ありがとうございました」
T君の感謝の言葉は10分以上にも及ぶ。

大人は誰も信じてくれない除霊を信じてくれたこと。
放課後つきっきりでそろばんを勉強させてくれたこと。
その間、おしゃべりをする子供はいませんでした。
N先生がぶるぶる震えながら、嗚咽をくいしばる声が、体育館に響きました。

と、その次の瞬間
「お父さんに除霊師は普通の人に正体を記憶に焼きつけてはいけない。」
「そう言われているんです。…寂しいけど 除霊師の規則なんだ。皆とはこれでお別れです。」
泣きそうな声で そう言うとT君は呪文の詠唱を初めました。
その長い詠唱が終わった後、T君はいつものように「破ァ!!」と叫ぶと僕の目の前が真っ白になりました。


ようやく、目が慣れて来た頃、そこにはT君の姿は無く、お別れ会は何事も無かったかのように進められていました。
僕は隣に座ってた子に「T君どこに行ったの?」と訪ねると、
その子は「え?T君?誰のこと?」と まるで最初からT君はいなかったかのように返されました。
僕は今でもT君の姿が脳裏に焼き付いて離れません。
あれは夢でも妄想でも無かった。確かにあの時、あの場所にT君は実在したんだ。
彼は今でも、どこかできっと苦しんでいる人の除霊に協力している。僕はそう思ってます。

寺生まれはスゴイ、僕が最初で最後にそう思った出来事でした。

373インド料理店のカレーライス:2015/03/31(火) 21:29:36 ID:8QxNsk16
本格的っぽいインド料理店に入った。
チキンと豆のカレーライスなどを注文する。
しばらくするとウェイターが料理を持ってきた。が、スプーンは無かった。
「はは〜ん、ここは本格的な店だから手で食べるんだな」と納得し
「アチぃアチぃ」言いながら手で食べ始めた。
ほとんど食べた頃・・・・・

ウェイターが寄ってきて 申し訳なさそうにスプーンを差し出した。
「破ぁ!!」寺うまれのTさんはそれに気づかない振りをして素手で食べ続けた
やっぱり寺生まれってスゴイ、改めてそう思った。

374人類最強の男:2015/03/31(火) 21:30:45 ID:8QxNsk16
俺は人類最強の男というコピーに引かれ
人類最強になるためにはどうすればよいのか考えた
人類最強なのだからどんなこともできる
手始めに全裸で姉の部屋にアンゲロ、アンゲロとつぶやきながら飛び込む
タンスをこじ開けブラジャーを腰に巻きパンティーを頭にかぶる
姉が呆然としながら見てくるが人類最強なので気にしない
姉のベッドに潜りこみ「幸せだから!幸せだから!」と絶叫
姉は無言で部屋から立ち去る
だがまだ最強には不十分
次は妹の部屋にムッシュムッシュと叫びながら飛び込む
妹は着がえをしている最中だったが人類最強なので無視
半裸で逆立ちをしながら
「俺に充電しろ!!俺に充電しろ!!」と絶叫
妹は大泣きで退散
確実に人類最強に近づく
開脚後転でトイレに飛び込み便座を外し首に掛ける
ゾンビの真似をしながら母の部屋に突撃
タンスを開けると一枚の写真発見
死んだ親父が俺を抱いている写真発見
俺は泣いた
「破ァッー!」寺生まれのTさんの声が聞こえ俺はようやく正気に戻った
「こんなことしなくても地上最強は目指せる。まずは筋トレからだな」Tさんはさわやかに笑いながら帰って行った。
寺生まれは凄い、改めてそう思い、俺は全裸になるところからやり直した。

375モテカワスリムで霊感体質の呪われガール♪:2015/03/31(火) 21:32:10 ID:8QxNsk16
───アタシの名前はアイ。心に傷を負った呪縛霊。モテカワスリムで霊感体質の呪われガール♪

アタシがつるんでる友達は憑依をやってるミキ、墓場にナイショで
廃墟病院で働いてるユウカ。訳あって悪霊グループの一員になってるアキナ。
友達がいてもやっぱり墓場はタイクツ。今日もミキとちょっとしたことで口喧嘩になった。

女のコ同士だとこんなこともあるからストレスが溜まるよね☆そんな時アタシは一人で繁華街を歩くことにしている。
がんばった自分へのご褒美ってやつ?自分らしさの演出とも言うかな!

「あームカツク」・・。そんなことをつぶやきながらしつこい陰陽師を軽くあしらう。
「そなたは何ものじゃ、少し理由を延べてみろ?」どいつもこいつも同じようなセリフしか言わない。
陰陽師の男はカッコイイけどなんか薄っぺらくてキライだ。もっと等身大のアタシを見て欲しい。

「すいません・・。」・・・またか、とセレブなアタシは思った。シカトするつもりだったけど、
チラっとキャッチの男の顔を見た。
「・・!!」

・・・チガウ・・・今までの男とはなにかが決定的に違う。スピリチュアルな感覚がアタシのカラダを
駆け巡った・・。「・・(カッコイイ・・!!・・これって運命・・?)」
男はTだった。連れていかれて除霊された。「キャーやめて!」オキョウをきめた。
「破ァ!破ァ!」アタシは死んだ。スイーツ(笑)

376お年寄りの一人暮らし:2015/03/31(火) 21:34:01 ID:8QxNsk16
オレの友達(アパート暮らし)隣がお年寄りの一人暮らしだったらしいんだ
なんか遊びに行く度によく娘さんらしき人が隣に出入りしてるの見かけるから
様子でも見に来てるんだな位に思ってたんだ
そんなある日そこに住んでる友達が突然バイトをもう一つ掛け持ちでやるって言いだした
なんで?と尋ねたら少しでも早く引っ越したいとのこと
なんか明らかに様子がおかしいので事情を聞いてみると
ある日友達が出掛けようと玄関出たら、隣の部屋の娘さんがドア開けたまま立ち尽くしてる
なんだ?と思いながらその前を素通りしたんだと
そうしたら後ろから
『すいません、ちょっと待ってください』 と呼び止められた
なんか気味悪いけど呼ばれたから振り返る
『はい?なんですか?』
娘は友達を招き入れるようにして
『これ、見てください…』
友達は言われるまま娘が指差す部屋の中覗いたんだと。

そしたら…
カーテンが閉めきられた薄暗い部屋の中でテレビは砂嵐のまま、なにか棒状のものが見える
よく眼を凝らしてみると、おじいさんが逆さまで足を上に真っすぐ突き立ててベットから落ちている
『死んでるんです…』
突然後ろから娘さんが言い放った

「破ァーーーーッ!!!」
そんなとき通りかかりのTさんが青白い光弾を放った

今では事後処理も無事に完了し、おじいさんもあの世で元気ピンピンですwwwwwwwww

寺生まれってスゴイ、改めてそう思った

377母のお守り:2015/03/31(火) 21:35:34 ID:8QxNsk16
或るところに貧しい母子家庭だが仲良く助け合って生活していた母と娘がいた。
母親は娘を育て、大学を卒業するまで一所懸命に働き、
娘は家事の手伝いをしながら受験の勉強をしていた。
そして大学受験の時、母親は手作りのお守りを娘にプレゼントをした。

母「頑張ってね。これはお母さんからのお守り」
娘「ありがとう。大事に持っていくね」
母「気をつけて。お守りって中身を空けると効果がなくなるから空けちゃだめよ」

娘は母親を心から感謝した。そして大学にも合格し、その後も勉強を怠ける事なく大学生活を終え、就職。
やっと社会人になり、初任給で母親へ旅行をプレゼントした。
ところがその旅行の途中で母親は、不慮の事故で突然この世を去ってしまった。

いきなり一人ぼっちになってしまい、悲しみに暮れた娘。
その時、受験の時にもらったお守りを思い出し、娘は母親の「空けるな」という言いつけも忘れ、急いでお守りを開けてみた。
中には紙切れが。そしてその内容は…



「破ぁ!」いつの間にかその娘の背後に立っていた寺生まれのTさんが叫ぶと同時に、
娘の掌の中のお守りは青白く輝き、そして空気に溶け込むように消滅した。

「・・・すまん。あんたがお母さんにもらったお守りは、俺が手違いで消してしまった」
「手違い?」
「俺のミスだ。もう中身を確認できないが、お母さんは間違いなくあんたを愛していた。それだけは信じてくれ」
そう言ってはにかむように笑うと、Tさんはそそくさと部屋を出て行った。
寺生まれってスゲぇ。俺はそう思った。

378メリーさん:2015/03/31(火) 21:37:07 ID:8QxNsk16
【7:46】メリーさんからの着信で起床。「家の前にいる」等とほざいてやがる。
「破ぁ!!」下等霊が。
【8:02】朝食で使った油の容器にゴキブリが入ってた。気にせず捨てた。今まで気がつかなかった事に腹が立つ。
【8:36】出勤。ダルい。家を出るときに電話が鳴る。
「破ぁー!」電話が粉微塵だ
【9:07】車で走っていると、後ろからババアがダッシュで追いかけてくる。「破ぁ!!」全開で青白い光弾を発射。あくびがでる。
【9:30】デスクに向かっている。下を見ると白い手がオレの足をつかんでいる。ふりほどき「破ぁ!!」をいれる。消え去った。
【10:39】窓際に立ち空を眺めていると、女が落ちてきた。
なんだ、生身の人間か。スルーだ。
【12:24】交差点を歩いてて、すれ違う時に男が「よくわかっ「破ぁ!!」コレだから下等霊は。
【14:26】携帯に着信記録16件。かけてみる。「わたしメリーさ…「破ぁ!!」ブチッ…ツーツーツー」
【16:12】檀家回りをしているとマスクをした女が声をかけてきた。「わたしきれい?」右ストレートを入れる瞬間青白い光弾を発射。
【17:30】公衆便所に行くと人形が落ちている。「わたしリカちゃん。呪われているの」最近の人形はよくできてるな
【20:32】車で走行中、バックミラーを覗くと上半身だけの女がついてきている。急ブレーキをかけてバンパーにぶつける。「破ぁ!!」とどめの一撃だ。
【17:30】公衆便所に行くと人形が落ちている。「破ぁ!!」普通の人形だった。
【21:25】帰宅、着信記録を見ようとしたが、電話が粉微塵だ。
【21:42】ベッドの下に男がいたので「破ぁ!!」って追い出した。大の男が泣くな。
【22:10】メリーさんからの電話に出る。「わたしメリーさん、今あなたの後ろにいるの」後ろは仏像だ。
【23:34】着信がしつこく鳴り響く。携帯の電源を切った。
【0:12】就寝。今日一日でかなり疲れた。
【2:40】急に目が覚める。金縛りのようだ。髪の長い女が天井にへばりついて恨めしそうにこっちを見つめている。だが「破ぁ!!」には勝てない。
【3:20】猿夢だ。まず乗らない。

こんな毎日さ、となんでもなく話すTさんを見て
寺生まれってやっぱすげぇと俺は思った。

379ハンドクリーム:2015/03/31(火) 21:38:15 ID:8QxNsk16
俺んち母子家庭で貧乏だったから、ファミコン買えなかったよ。。。
すっげーうらやましかったな、持ってる奴が。俺が小6のときにクラスの給食費が無くなった時なんて、
「ファミコン持ってない奴が怪しい」なんて、真っ先に疑われたっけ。
貧乏の家になんか生まれてこなきゃよかった!って悪態ついたときの
母の悲しそうな目、今でも忘れないなぁ、、。
どーしても欲しくって、中学の時に新聞配達して金貯めた。
これでようやく遊べると思ったんだけど、ニチイのゲーム売り場の
前まで来て買うのやめた。そのかわりに小3の妹にアシックスの
ジャージを買ってやった。いままで俺のお下がりを折って着ていたから。
母にはハンドクリーム買ってやった。いっつも手が荒れてたから。
去年俺は結婚したんだけど、
結婚式前日に母に大事そうに錆びた ハンドクリームの缶を見せられた。
泣いたね、、。
初めて言ったよ「破ァー!!」って。

380節電:2015/03/31(火) 21:39:02 ID:8QxNsk16
怖いから部屋から風呂まで
全部電気つけて風呂入ってきた\(^o^)/

だるまさんが転んだは平気だった
むしろ風呂出て部屋の電気つける時
掛けてた鞄が落ちた時のほうがビビったw


「部屋の電気は消しといてやったぜ。電気は大切にしなきゃな。」
寺生まれってスゴイ、改めてそう思った

381盗撮テープ:2015/03/31(火) 21:45:09 ID:8QxNsk16
ある4人家族がとある地方の旅館に宿泊。
深夜に娘か母親がトイレで惨殺されているのが発見された。

全身を刃物で滅多刺しにされ、顔面は誰だか判別がつかなくなる程斬り付けられていた。
死体には舌がなかった。

トイレには格子のついた幅30・、高さ10・程の窓と小さな通風孔があったが、とても人の入れる大きさではない。
カギもかけられていた。誰がどこから侵入してきたのか・・・。

警察はその旅館を経営している夫婦、その息子、近辺の変質者などを聴取したが、現場が密室だったこともあり、迷宮入りになるかと思われたが、ある日、旅館経営者夫婦に付き添われたその息子が署に出頭。

「近所の目もあり、なかなか正直に話すことができなかったが、 とんでもないことになったので、お話します」
「息子は盗撮が趣味で再三注意していましたが、事件当夜もビデオカメラで天井裏から個室を撮影していていたのです。撮影していると格子のはまっている小窓のガラスが開き、ガラスの破片を持った小さな・・・、いや、 このビデオテープに一部始終がはいっていますので・・・。」

息子はビデオテープについて訪ねられると、恐怖が蘇ったのか半狂乱に。
精神に異常をきたすほどの何かがこのテープに入っているのかと思い、捜査員達もテープを再生するのを恐れた。

そのテープには排尿する女性を俯瞰で撮影した映像が収っていた。
和式便器にしゃがんでいた女性が立ち上がろうとしたその時、小窓からガラスの破片らしきものを握った小さな、15〜20cm程の老婆が音もなく飛び込んできた。
女性は悲鳴をあげる間もなく咽を掻き斬られ、そして顔中を、体中を斬り付けられ・・・。

女性が息絶えると、小さな老婆は死体から舌と頭皮の一部を切り取り天井を見上げ、

「次はおまえだよ」

と言って小窓から出て行こうとしたその時、

「次があるなんて甘いことを考えちゃいけねえな、ばあさん」

そこには寺生まれのTさんが立っていた。
そして青白い光を手から放つ

「破ァッ」、「ぎ、ぎゃぁぁぁぁぁあぁ」

そしてカメラ目線ではにかみながら
「俺のことは気にしないでくれ」そう言って出て行った。

捜査員の中には、感動するもの、泣き出すもの、衝撃の余り失禁する 者もいたという。
結局事件は未解決のままだが、警視庁に、件のビデオテープが今なお保管されていると言う。
寺生まれってすごい、改めてそう思った

382二重人格の妹:2015/03/31(火) 21:48:21 ID:8QxNsk16
中学生の頃、妹は二重人格だった。
なんでも、火を見ると「影羅(エイラ)」という魔族の人格が現れるそうで、
真っ暗な部屋の中で唐突にマッチを擦っては、
「……ヘヘ、久しぶりに外に出られた。この小娘は意思が強すぎて困るぜ(笑」
などと乱暴な口調で叫んだりしていた。
ある日、夕食の時に「影羅」が出たことがある。
突然おかずの春巻きを手掴みでムシャムシャと食べ始めて、「久々の飯だぜ(笑」と言った。
「こんな女の子に取り付いて、自分の結界を広げてたのかい、この小悪党め!!」
突如現れたのは寺生まれで霊感の強いTさんだ。「破ぁー!」と叫びまばゆい光を妹に浴びせた。
妹は苦しみもがいて、口から黒いもやのようなものを出した。
黒いもやは光を浴びて苦しそうに身じろぎしたあと、消滅した。
食べ物関係のジョークを一切許さない母が、
Tさんの頭にゲンコツ振り落とすとTさんは涙目になっておとなしくなった。
それ以来、食事時にTさんが出たことは無い。
そして影羅とやらは、その一件以来パタリと出なくなった。

最近になって、高3になった妹にその事を尋ねたら、クッションに顔を埋めて、手足をバタバタさせてのた打ち回っていた。
さらに大学生になったTさんにもその頃のことを尋ねたら、やはりクッションに顔を埋めて、手足をバタバタさせてのた打ち回っていた。

383気味の悪い無言電話:2015/03/31(火) 21:52:52 ID:8QxNsk16
ある女性が気味の悪い無言電話に悩まされていました。
「もしもし?」
「………」
「もしもし?」
「………」
いつもはここで恐くなって電話を切ってしまうところでしたが、我慢できなくなって、彼女は叫びました。
「いい加減にしてよね!」
すると受話器のむこうから、押し殺したような声が聞こえたのです。相手が喋ったのはこれが初めてでした。
「…殺してやる…」
さすがに恐くなって身の危険を感じた彼女は、だめでもともとと警察に相談してみました。
ところが最近は、そういったストーカーの犯罪が深刻化しているためか警察は詳しく話を聞いた上で彼女の電話に逆探知機を設置して捜査を行ってくれることになったのです。

次の日もやはり、無言電話はかかってきました。慎重に受話器を取り上げ、耳に押し当てる女性。
「もしもし?」
「…殺してやる…」
昨晩のあの声でした。そのときです。彼女の携帯電話が鳴りました。警察からです。
「すぐに部屋から出なさい!」
「は?」
「逆探知の結果、電話はあなたの家の中からかかっています。犯人はあなたの家の2階にいるんですよ!」
その時「破ァ-!」2階から声がした。恐る恐るのぞいてみると、Tさんが階段から男を担ぎ降りてくるところだった
「危ないところだったな。まったくこんな可愛い子をストーカーなんて太いヤローだ」
寺生まれってすごい、改めてそう思ったけど不法侵入はTさんも同じなので一緒に警察連れてかれてしまった

384念願の赤ちゃん:2015/03/31(火) 21:53:43 ID:8QxNsk16
ある4人家族があった。おじいちゃん、おばあちゃんに若夫婦。この若夫
婦には子どもがなかったが、ついに念願の赤ちゃんが誕生した。初孫でもあ
り、一家は大喜びであった。

ところがこの赤ちゃん、表情がない。笑うことをしないし、喜怒哀楽を全
く表現しない。そして、何ら言葉を発しなかった。

そして、この子が誕生してから丁度1歳の誕生日に「おじいちゃん」と言
葉を発し、翌日におじいちゃんがポックリ死んでしまった。この後また、こ
の子どもは言葉を一切発しなくなった。

やがて1年が経って、この子の2歳の誕生日。今度は「おばあちゃん」と
言って、翌日におばあちゃんが亡くなった。そして、1年間この子はまた言
葉を発しなかった。

それからまた1年が経って、3歳の誕生日。子どもが「おかあさん」と言
って、翌日に母親が死んでしまった。そしてまた、子どもは何も話さない。
ここまで来ると偶然とは思えず、父親は次の誕生日は自分の番かと、不安で
しょうがない。

やがてこの子の4歳の誕生日がやってきた。そしてこの子が「おとう『破ァッ!』と言った。
寺生まれのTさんが何かを祓ったようだった。
「このこには生まれ持っての強力な言霊の力が備わってる。危ない所だった」
寺生まれは凄い、改めてそう思ったが、いつもの余裕もなく、何故かTさんは異常に脂汗を流していた
なんか腑に落ちなかったが寺生まれは凄い改めてそう思うことにした

385噂のトンネル:2015/03/31(火) 21:54:25 ID:8QxNsk16
ある4人家族があった。おじいちゃん、おばあちゃんに若夫婦。この若夫
婦には子どもがなかったが、ついに念願の赤ちゃんが誕生した。初孫でもあ
り、一家は大喜びであった。

ところがこの赤ちゃん、表情がない。笑うことをしないし、喜怒哀楽を全
く表現しない。そして、何ら言葉を発しなかった。

そして、この子が誕生してから丁度1歳の誕生日に「おじいちゃん」と言
葉を発し、翌日におじいちゃんがポックリ死んでしまった。この後また、こ
の子どもは言葉を一切発しなくなった。

やがて1年が経って、この子の2歳の誕生日。今度は「おばあちゃん」と
言って、翌日におばあちゃんが亡くなった。そして、1年間この子はまた言
葉を発しなかった。

それからまた1年が経って、3歳の誕生日。子どもが「おかあさん」と言
って、翌日に母親が死んでしまった。そしてまた、子どもは何も話さない。
ここまで来ると偶然とは思えず、父親は次の誕生日は自分の番かと、不安で
しょうがない。

やがてこの子の4歳の誕生日がやってきた。そしてこの子が「おとう『破ァッ!』と言った。
寺生まれのTさんが何かを祓ったようだった。
「このこには生まれ持っての強力な言霊の力が備わってる。危ない所だった」
寺生まれは凄い、改めてそう思ったが、いつもの余裕もなく、何故かTさんは異常に脂汗を流していた
なんか腑に落ちなかったが寺生まれは凄い改めてそう思うことにした

386彼女のメール:2015/03/31(火) 21:57:47 ID:8QxNsk16
俺の部屋に彼女が遊びに来た時に、気が付いたら彼女が誰かにメールしてた。
『誰にしてんの?』って聞いても『ん?ちょっとね』って教えてくれない。
ムカ〜っときて、『どーせ男じゃねーの?!』って怒鳴り気味に言ったら、
『○○○(俺の名前)だって、どーせ女からメール来てるんでしょ!!』
って逆切れしてきたから、
『はあ?俺がいつメールしてる?疑うんなら見ればいいじゃん!』
ってポケットから携帯出して彼女の前でこれ見よがしに開いてやったら、
こんな時に限って誰かからメール来てやがんの〜〜、、、、
内心、しまった〜って思いながら、
『・・・・広告か何かだろ、、』ってメール開けたら、件名は

『無題』。

本文が
『後ろを絶対見ないで!何も聞かないで!このメール見たら私と急いで部屋を出て!!』

読んだ瞬間、とてつもない不安感が俺を襲い、たまらず振り返ってしまうと
ベランダから青白い肌をした、闇のように黒く長い髪をした女が此方をにらみつけているではないか!
俺は腰が抜けてしまい、動く事ができなくなってしまった!!
するとその女の後ろに人影のようなものが現れた!
と思った次の瞬間、目の眩む様な輝きを帯びた右腕がその女を貫いたではないか!

「破ぁー!」

謎の人影は大学時代の先輩、Tさんだった

「タバコを買いにいった帰りに不穏な雰囲気を感じたんでな……。
 おっと、若いお二人のジャマをしちゃいけねえな。あばよ」
Tさんはそうとだけ言い残してベランダから颯爽と飛んで闇に消えていった。
それにしてもマンションの5階だというのに、驚異的な跳躍力で瞬く間に駆けつけ、あっという間に除霊をしてしまったのだ。
寺生まれってスゴイ、改めてそう思った

387ヤンデレの彼女:2015/03/31(火) 22:00:13 ID:8QxNsk16
ある田舎町の高校で写真部に所属するオタク男が、同じ学校の女の子に片想いした。
彼女は町外れの古い家でおじいさんと2人暮らしで、
おじいさんの面倒をよくみる、とても優しい子で、みんなから人気があった。
そんな彼女に惚れた彼は、写真のモデルを頼んだりして付き合い、
やがて2人は恋人のような関係になる。

高校を卒業した後、上京を望む彼は、彼女も誘うが、
彼女は年老いたおじいさんを残していく事はできなかった。
彼女のおじいさんの存在がだんだん疎ましくなってきた彼は、
なにかにつけて「おじいちゃんが・・・」と言う彼女に
「その、おじいちゃんが、おじいちゃんが、というの止めろよ!」
と冷たく当たる。

そして、彼が旅立つ日になり、彼女の元へ別れを告げにゆくと、
彼女は「私も連れていって」と懇願する。
彼は「でも、おじいさんはどうするんだよ?」と問うが、
彼女は「おじいちゃんならもう大丈夫」と言う。
不審に思った彼が彼女の家に上がると、彼女のおじいさんは血まみれになって死んでいた。
そして彼の後ろから血のついた包丁を取り出した彼女が、
「おじいちゃん、今寝ているから起こさないでね」と微笑んだ。
彼は恐怖のあまり『破ァーッ!!!』と叫んで一目散に逃げ出し、この町を離れていった。

「霊よりも怖いものもこの世にはあるんだ」
Tさんははにかみながら「ヤンデレには気をつけろよ」とだけ残して帰っていった
寺生まれってスゴイ、改めてそう思った

388地震。世界との比較:2015/03/31(火) 22:06:32 ID:8QxNsk16
震度1
 世界:敏感な人なら気づく
 日本人:気づかない
 
震度2
 世界:殆どの人が気づく
 日本人:敏感な人なら気づく
 
震度3
 世界:全員が気付きパニックを起こす
 日本人:殆どの人が気づく
 
震度4
 世界:家屋の倒壊が起き、死傷者が出始める
 日本人:おー揺れとる揺れとると笑う
 
震度5弱
 世界:大災害。テレ朝がドラえもん募金を始める
 日本人:とりあえずテレビ速報を見る
 
震度5強
 世界:都市壊滅。TBS、日テレが募金を始める
 日本人:コンビニの陳列がヒドいことに
 
震度6弱
 世界:自力復興が出来ないレベルに
 日本人:ブロック塀が倒壊、死傷者が出始める
 
震度6強
 世界:国家消滅
 日本:被害は深刻ながらもテレ東のアニメを見て気を落ち着ける
 
震度7
 世界:文明崩壊
 日本:日本は俺が護る!破ァッ!!!

389スーパーをうろつくおっさん:2015/03/31(火) 22:08:05 ID:8QxNsk16
近所のスーパーで“俺の塩”などを物色しておりましたら、
「萌えー!萌えー!」と叫びながらフロアをうろつくおっさんを発見いたしました。

ああ、夏だな。

ああいうおっさんの存在を根本から抹消したらさぞかし楽しいだろうなと
“塩カルビ味やきそば”を凝視しながらレジへと並びました。
ふとおっさんに目をやると、いつのまにやら幼女がおっさんに寄り添っている
ではありませんか。
これはいけませんと、買い物かごにあった唯一武器になりそうな
“バニラコーク500ml”を握り締めていると、おっさんと幼女の会話が
聞こえてまいりました。
「もえ。お父さんから離れたらダメじゃないか」
「ごめんなさい」
ああ、アレだ。親子だ。もえって名前のお子さんですか。利発そうなお嬢さんですね。
抹消されるべきは私ですね。
「ならお望み通りにしてやるぜ。破ァ!!!」
寺生まれのTさんだと!?俺は急いで逃げようとしたが間に合わなかった
「現世に未練がましく残った理由がロリコンなんてみっともないぜ。とっとと成仏するんだな」
寺生まれ…は凄…い、改めて…そうおもt

390あるダイビング・スポット:2015/03/31(火) 22:09:22 ID:8QxNsk16
私は仲間のダイバーと二人で、あるダイビング・スポットを潜りました。
どんどんと深く潜って行ったのですが、ある地点で海底の異変に気づいたのです。

何かおかしい。

よくよく見ると、海底には一面に人間が生えていたのです。
連れのダイバーを見ると、呆然として固まっています。海底から生えている人間の顔はどれも同じで、美しい少女でした。
どうしたらいいのかわからなくてしばらく眺めていると、いつのまにか連れのダイバーがすぐ側に来て、私の肩を叩き、ある方角を指差しました。
その方角を見やると、ダイビングの装備をまったくしていない、至って普通の格好をした老人が鎌で少女たちを刈り取っているのです。

無表情だった少女は、刈り取られる瞬間、何ともいえない苦痛の表情を浮かべます。
海中でも叫び声が聞えてきそうな表情でした.
しかし、その顔も、やがて切り取られた足下から広がる少女の血によって見えなくなってしまいます。

そうして老人は少しずつ私たちの方へ近づいてきました。
やがて、私たちのすぐ側までやってきた老人は、完全に固まっている私たちの方へ顔を向け、にやりと笑い、
手にした鎌を差し出しました.まるで
「お前たちもやってみるかい?」
とでも言わんばか『破ッ!』
青白い光があたりを照らし、老人と少女たちは泡となって消えてゆきました。

「冒険もほどほどにな」
そういってTさんは水中でタバコをふかしながらあっという間に浮上してゆきました。
機材もなく深海に来て、しかもタバコをふかし、急浮上してもなんとも無い寺生まれって、すごい、改めてそう思いました。

391妻が事故で死んだ:2015/03/31(火) 22:10:15 ID:8QxNsk16
妻が事故で死んだ。
わたしはしばし呆然としていたが、やがて冷静さを取り戻すと、
妻を送るためのあれこれの儀礼のために忙しくなる前に、
現実と向き合うことにした。

息子が、数年前から自室に引きこもっている。部屋に鍵をかけて一歩も出ず、
顔をあわせることさえない。妻が食事を部屋の前に起き、空の
食器をさげるという毎日を繰り返していた。

世間体を気にする妻に強く言われ、誰にも相談できなかった。
わたしが働いている時間帯に息子が暴れることがあるらしく、
だから極力刺激しないようにしてきた。
しかし、妻はもういない。息子も、そのことを理解すべきだ。
わたしだってもう歳だ。いつまでも息子を守ることはできないのだ。

意を決し、息子の部屋の前にわたしは立った。鍵がかかっている。
わたしは息子に声をかけた。返事は無い。
わたしは息子の部屋のドアをこじ開けた。

息子はベッドに横たわっていた。
死後数年はたっているかのように、すでにミイラ化していた。

「破ぁ!!」
その瞬間青白い閃光がすべてを吹き飛ばした。
「もともとあんたには妻も息子もいなかった…そういうことだ。」
「これからは自由に生きていくといい。俺か?俺もあんたと同じ一匹狼さ。」

こうしてわたしは妻も息子も家も失ったがTさんにであった。
住宅保険掛けててよかった、改めてそう思った。

392寺生まれの名無しさん:2015/04/01(水) 00:57:16 ID:3onRhHJM
>>388
Tさん地震自体はさすがにとめられないかwww

393☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/01(水) 01:28:38 ID:9G0864KQ
何か嘘つこうとしたけど、面白い嘘って思い付かないもんだね
(そして東京新聞の特設面が楽しみだ)


嘘考えてたら今日が終わってしまいそうだ…

394寺生まれの名無しさん:2015/04/01(水) 10:41:37 ID:RdxeOG2o
>>390
なんか不思議な話だな。
元ネタが知りたい

395寺生まれの名無しさん:2015/04/01(水) 10:55:01 ID:RdxeOG2o
>>358
残されたケンタッキーをどうするか悩ましい…
だって元生首…

396寺生まれの名無しさん:2015/04/01(水) 10:57:27 ID:RdxeOG2o
>>360
厨二とTさんの組み合わせホント好き��

397寺生まれの名無しさん:2015/04/01(水) 10:59:40 ID:RdxeOG2o
>>362
これは空気読めないパターンじゃなくて嫉妬パターンやな
ホント嫌い

398寺生まれの名無しさん:2015/04/01(水) 11:00:53 ID:RdxeOG2o
>>364
Tさんラーメンの注文だけかい!

399寺生まれの名無しさん:2015/04/01(水) 11:04:39 ID:RdxeOG2o
>>371
ゲーム成立してたね!

400寺生まれの名無しさん:2015/04/01(水) 11:05:29 ID:RdxeOG2o
>>372
泣けますな。゚(゚´Д`゚)゚。

401寺生まれの名無しさん:2015/04/01(水) 15:51:54 ID:5YmAbv42
>>392
台風なら押し曲げる能力は持っているのに!

402( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/04/01(水) 18:19:00 ID:R49lhF8Y
すごい増えてますね♪
ありがとうございます!
ゆっくり読ませてもらいます!

403☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/01(水) 19:18:36 ID:9G0864KQ

http://imgur.com/BMKRyHS.jpg

404chikatomo★:2015/04/01(水) 22:56:36 ID:???
>>403
待ってたよーーー!
Kさんカワイイ!!
そして今回は色まで!

405( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/04/02(木) 18:36:37 ID:v0SXwyw.
>>403
このKさんはズルいッス(笑)

406chikatomo★:2015/04/02(木) 19:25:34 ID:???
>>403
早速今日のTさんSSで使わせていただきました!

407寺生まれの名無しさん:2015/04/03(金) 16:31:11 ID:52elXBns
壁殴り代行と共闘したり、魔法少女を助けたりTさんは忙しいな

408寺生まれの名無しさん:2015/04/04(土) 00:18:41 ID:6su9Hn26
>>407
両方やたら長かったけど悪くなかった
普段がいつものドラえもんで、昨日今日は映画版って感じ

409寺生まれの名無しさん:2015/04/04(土) 11:25:53 ID:ky5t45Lo
やっぱりTさんSSもっと増えてほしい

410八尺様後日談:2015/04/04(土) 14:26:43 ID:CKWGh1lI
それから十年経って、あのことも忘れがちになったとき、洒落にならない後日談ができてしまった。


「八尺様を封じている地蔵様が誰かに壊されてしまった。それもお前の家に通じる道のものがな」


と、ばあちゃんから電話があった。
(じいちゃんは二年前に亡くなっていて、当然ながら葬式にも行かせてもらえなかった。じいちゃんも起き上がれなくなってからは絶対来させるなと言っていたという)


今となっては迷信だろうと自分に言い聞かせつつも、かなり心配な自分がいる。
「ぽぽぽ…」という、あの声が聞こえてきたらと思うと…

「はいっ、これ君のでしょ。受け取ってくれないからちょー苦労したよ」
ニコニコと笑いNの名前の入った虫かごを差し出す八尺様。それ、別の人のものです。
自分の物ではなく知り合いの呪いについての研究論文を書いているNの物だと説明する俺。
「ぽっぽぽぽぽぽっ!?」
自分の間違いに気付き、赤面しあたふたとする八尺様にお汁粉缶(温め)を飲ませ落ち着かせると、彼女が持っていた忘れ物の持ち主の住所を解る範囲で教え地図を持たせた。
「ちょーありがとう。困った事があったら助けに行くよーー」
数年から十数年じゃ取り殺しとか関係無しに単なる事故死だったかもしれないなと、嬉々として走り去る彼女を見てそう思った。曲がり角で破ァと言う声と閃光がした。

411( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/04/04(土) 16:51:43 ID:l4oFDTxY
八尺様かわいい(笑)

412☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/05(日) 01:19:22 ID:Wdsdgaxo
カッコいい男が描けるようになりたいなぁ…
ニヒルなNさんとかさ

>>409SSって読みやすいっちゃ読みやすいよね
時々セリフがごっちゃになるけど

ところでSSって戯曲並みに状況説明が少ないって思っているんだが
どうなんだろう…教えてエロい人!

413寺生まれの名無しさん:2015/04/05(日) 02:28:52 ID:JivlNpMU
>>412
戯曲はよく分かんないけど、ト書きがないんだからどうしても状況説明も心理描写も少なくなるよね。
それがいいとこだとも思うけど。

414寺生まれの名無しさん:2015/04/05(日) 11:47:27 ID:OAivazJA
姦姦蛇螺でヤンチャで未熟だった頃のTさんが、蛇螺さんの阿修羅バスターを食らい「ぐ破ぁーー」とダウンして知り合いに担がれ逃げ出す。
逃げ出した親戚の家で上半身しか使っていなかったんだなと念を押され、技に掛かった際にとっさに首を抜いたから致命傷は避けられたけど、
遊びではない下半身も使った技や威力は下がるがフックが完璧な改良版だったら助からなかったとTさんの祖父、親戚に言われるシーンが姦姦蛇螺を読んでいて浮かんだ。

415寺生まれの名無しさん:2015/04/06(月) 22:47:28 ID:RCYKmq6I
調子に乗って力を悪用するようになり頻繁に警察の厄介になるTさんに頭を痛めた一族がと痛い目を見れば良いと姦姦蛇螺の詳細を話し行かせる
DさんとTさんが姦姦蛇螺が封じてある場所に辿り着く
挑戦者の存在を察したのかフェンスの中にリングと姦姦蛇螺が現れる
挑発に乗ったTさんがリングに上がり姦姦蛇螺と激突
TさんVS姦姦蛇螺を見るため周囲に大量の霊が集まる
場が大いに盛り上がった所で姦姦蛇螺バスターでTさんを下す
満足して成仏する無数の霊、ダウンしたTさんを担ぎ逃げるDさん
戻った家で戦いを見ていたDさんに姦姦蛇螺が掛けた技の詳細を聞き安堵するTさん一族一同
鼻っ柱を折られ遊ばれていたと再戦を夢見て真面目に修行するようになるTさん、リングに上がるため修行するDさん

流れは思いついたけど文章に出来ない。

416寺生まれの名無しさん:2015/04/07(火) 14:18:34 ID:G3IzEMW6
そういやもうすぐで300破ァ!だな
記念に何かやってほしい

417寺生まれの名無しさん:2015/04/07(火) 22:48:23 ID:njGEDMmI
>>416
300破ァ目にはTさん登場するとかって※欄に…無かったっけ?

418chikatomo★:2015/04/08(水) 02:22:19 ID:???
>>416
どんなのがいいかな??

419寺生まれの名無しさん:2015/04/08(水) 09:59:20 ID:SBA5ucmo
きさらぎ駅にTさんルート追加とか…

420chikatomo★:2015/04/08(水) 10:38:39 ID:???
>>419
ほうほう、いいですね。それ!
ちょっと準備期間が必要ですけども

421☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/09(木) 01:15:36 ID:ZLwjLVWg
最近ふと思ったこと
寺生まれのTさんの登場人物って、だいたいは生まれたとこの頭文字から名前がつけられてるが
Nさんは「呪い屋(?)」からきてるよね?
で、その妹のJちゃんは「神社」から来てる

兄弟ではあるが、名前が異なるのは被らないようにとか、後付けって以外で…どういう理由があるんだろう


NさんとJちゃんは正統な子と忌み子で、なおかつ関わりを持つことを許されないため名前を変えて暮らしている(幽遊白書の飛影と雪菜(?)のみたいな)
或いは、両親が離婚して職業・所属が変わっただけなのか
(名前の由来が各々の姓の頭文字から来てるなら、これでもいけるね)


皆さんはどう捉えていますか

422☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/09(木) 01:19:51 ID:od03/5DQ
追記:登場人物の名前の由来や、Nさんの出生に関わる話があったら教えてください
私が無知なだけなのかもしれないので

あと、Tさんのお父さんはそのまま「Tさんのお父さん」で呼ばれてるから姓が由来ってこと考えられないか

いつも改行が変でスミマセン

423寺生まれの名無しさん:2015/04/09(木) 09:59:40 ID:h2R8nk8o
最初は陰陽師のNさんって呼ばれてたんだよね

424chikatomo★:2015/04/09(木) 11:16:59 ID:???
単純に所属の頭文字と思ってました。
寺生まれ→Tさん
神社生まれ→Jさん
教会生まれ→Kさん

だいぶ後になって登場して話も少ないけど、
モスク生まれ→Mさん
大仏の子→Dさん
警察官の爺さん→Pさん

そこそこ登場するのにやっぱりNさんだけ異端かも。
ちゃんと読み返して確認してないんですけど、>>423さんの通り、
最初は陰陽師のNさんだったと私も記憶してます。
それでなんで「Nさんなんだ?」って流れになって、いくつか回答が出た中で、
「呪い屋じゃね?」
「それだ!」
みたいな感じだったかと。

425寺生まれの名無しさん:2015/04/09(木) 12:13:13 ID:h2R8nk8o
Nさんの闇堕ち理由も最終目的も不明なんだよね

426☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/09(木) 14:51:14 ID:9XbJqRr2
2015年4月7日のT記事「テンジンキギャクリョウキョウ」では
「神社生まれのNさん」と書かれていたので、これを書いた人は
Nさんは神社生まれではあるものの何かしらの理由でNと名乗っていると考えている…のかなと思うんだ


姓の頭文字説&生まれの頭文字由来なら
「神保N…さん」「神保(妹)さん」とかもイケるな…
「神宮寺さん」とか…

427合宿所のNさん:2015/04/09(木) 22:41:10 ID:dyzAZWXA
高校2年の夏休み、俺は部活の合宿で某県の山奥にある合宿所に行く事になった。
現地はかなり良い場所で、 周囲には500m〜700mほど離れた場所に、観光地のホテルやコンビニなどがあるだけで他には何も無いけれど、 なんか俺達は凄くわくわくしてはしゃいでいたのを覚えている。

その日の夜の事。
暇をもてあました俺達は、顧問の先生の許可を貰いコンビニまで買出しに行く事にした。
わいわい騒ぎながら10人ほどで外にでて歩き始めると、
昼間はそちらのほうに行かなかったので気付かなかったが、合宿所の裏手に家らしき建物があるのが解った。
その建物には明かりがついていなかった。
多分空き家か民家っぽいけど、別荘か何かなんだろうと思われた。
友人が調子の乗って「あとで探検いかね?」と言い出したが、あまり遅くなると顧問の先生にドヤされるし、
ひとまず買い出し終わってから、合宿所内で今後のことは考えよう、という話になった。

コンビニで買出しをし合宿所に戻る途中、後輩の1人が変なことを言い出した。
例の建物の玄関が少し開いていて、そこから子供がこちらを覗き込んでいたという。
俺達は「そんなベタな手にひっかからねーよ!」と後輩をおちょくったが、
後輩が真顔で「マジで見たんだって!」というので、ちょっと気味が悪くなってしまい、
家が見えるところまで確認に戻ったが、ドアは閉じていて人の気配も無く、特に異常は無かった。
俺達は後輩をおちょくりながら合宿所へと戻った。

合宿所へ戻り、2階の廊下から外を眺めると、例の家の1階部分が木の間から僅かに見えた。
俺が友人と「あそこに見えるのそうだよな?」なんて話をしていると、家のドアが僅かに開き、
暗くて良く分からないがNさんらしい、人影が頭だけをドアから出してこちらを覗きこんでいる。
「…え?」
俺と友人は、同時のその光景を目撃し沈黙した。
その後、最初に口を開いたのは友人だった。

「おい…あれって…」
友人はかなり動揺しながらそういった。
俺も恐怖というより、あまりにも唐突の事で思考が停止してしまっていて。
「Nさん…こっち見てるよな?」としか返せない。
その時、後ろの部屋から笑い声が聞こえてきた。
俺と友人はその声にびっくりし、ハッ!と我に返った。
そして、俺は「これやばくね?ばっちり見えてるよな?」というと、
友人が「おれちょっと携帯持ってきて写真撮る」と、自分の部屋へと走っていった。
すると、騒ぎを聞きつけて、なんだなんだと合宿所にいる生徒が、
(他校の生徒もいたので、総勢60人くらいが合宿所にいたのだが、そのうちの半分くらい、30人ほど)
2階の廊下に集まりだした。
Nさんらしき人影は、まだドアから顔のみを覗かせて、こちらを見上げているように見える。
廊下は大騒ぎになり、とうとう顧問の先生たちも何の騒ぎだとやってきた。
第一発見者の俺と友人が事情を話していると、窓から外を見ている生徒の何人かが「あ!」と声をあげ、
かろうじて聞き取れる音で、パタン…とドアの閉じる音がした。

428合宿所のNさん:2015/04/09(木) 22:43:41 ID:dyzAZWXA
顧問の先生たちが外を見る頃には、ドアは閉じられ人影もなくなっており、
何事も無い林と、明かりもついていない家らしき建物が見えるだけだった。

当然先生たちは信じてくれなかったが、
ノリの良い若い先生2人が一応確認しに行ってくれることになり、合宿所の裏手へと回った。
俺達が窓から様子を見ていると、懐中電灯を持った2人が現れ、家の玄関のところで何かやっている。
どうやらドアが開くか調べているようだが、開かないようだった。
その後「誰かいますか〜?」と声をかけたりしていたのだが、反応がないらしく、5分ほどで戻ってきた。

その後、何人かが携帯で撮影した画像も証拠として出したのだが、
所詮は携帯の画質、真っ暗な画像が映っているだけで何の証拠にもならない。

俺達は先生達に「さっさと寝ろ」とまくし立てられて、自分達に割り当てられた部屋へと戻った。

半端でモヤモヤして寝れない俺達が、
これから確認に行くか、それとも昼間行くかを話し合っていると、
部屋の窓がドンドン!と叩かれた。
窓の外に人影も見える。
俺達はさっきのこともありビビりまくっていると、外から「おーい、あけてくれ!」と声が聞こえてきた。
カーテンをあけると、そこには昼間仲良くなった他校の生徒5人がいた。
やつらはどうも、窓の外にある20cmくらいの幅のでっぱりをつたって、俺達の部屋までやってきたらしい。

5人を部屋の中にいれると、どうもやつらも俺達と同じ話をしていたらしく、
これから例の家に行く事にしたので、俺達を誘いに来たらしい。
俺達もそれで決心が付いたので、これから肝試し?に行く事になった。

メンツは、うちの学校からは俺、A也、B太。
他校からは、C広、D幸、E介。
他のやつは、何だかんだと理由をつけて結局来なかった。

俺達は5人が通ってきた窓の出っ張りをつたい外にでると、
先生に見付からないように一端道路に出て、そこから大回りに問題の家へと向かった。
一応、家の周りは合宿所の2階廊下から丸見えなので、
残ったやつ何人かが、異常があれば廊下から懐中電灯で合図してくれる、という計画になっていた。

家の前につくと流石に不気味だった。
遠目には分からなかったのだが、壁には苔が生えているし、あちこちに蔦も絡まっている。
しかも、外から見える窓は全て板が打ち付けられていて、だいぶ長い事放置された場所のようだ。

最初C広とA也とB太が家の周りを確認しに行ったのだが、
俺が開かない事は分かっていたが、何気にドアノブを回すとすんなりとドアが開いてしまった。
急いで3人を呼び戻し、俺達は中へと入る事にした。

中に入ると、夏場という事もあり室内の湿気が凄くかび臭い。
家の中を探索してみると、埃っぽくカビ臭くはあるのだが、
室内は荒らされた様子も無く、家具も何も無いのでやたら広く感じた。

1階を探索していると、E介が「2階から笑い声しね?」と言い出した。
俺達は耳を澄ましてみたが、笑い声は聞こえない。
E介に「気のせいじゃないか?」といったのだが、E介は気になるらしく、「見に行きたい」と言い出した。
しかし、まだ1階の探索も終っていないので、
仕方なく3人ずつのグループに分けて、片方はそのまま1階を、もう片方は2階を探索する事にした。
グループわけは簡単で、
同じ学校の俺とA也とB太がそのまま1階を、別の学校のC広とD幸とE介が2階を探索する事にして、
何かあったら階段のところでおちあう事にして別れた。

「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」
と、場違いに明るい笑い声が聞こえてきた。
そしてすぐに「おいE介?どうした?おい!」と、C広とD幸の狼狽した声が聞こえてきた。

429合宿所のNさん:2015/04/09(木) 22:45:53 ID:dyzAZWXA
俺達が大慌てで2階に上がると、一番奥の部屋に3人はいた。
笑い声の主はE介で、窓のほうを向いてまだ、
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」と大声で笑っている。
そしてその横にC広とD幸がいて、真っ青な顔でE介を揺さぶったり頬を引っ叩いたりしていた。
俺達もただ事では無いと、3人のところに行って前に回りこんでE介の顔を見たとき、
俺は今、自分たちが置かれている状況の深刻さに始めて気が付いた。
E介はほんとにおかしそうに笑い声を上げているのだが、
顔は無表情で、しかも目からは大粒の涙を流している。
それに何か臭いとおもったら、どうやら失禁しているらしい。
E介はまるで、俺達の事が見えていないかのように泣きながら笑い続けている。
俺達が狼狽してE介に呼びかけていると、その場で一番冷静だったB太が、
「とりあえずE介このままにしておけないし、合宿所まで運ぼう」と言ってきた。

そして、俺達はE介の手足と肩をもち、外へと運び出そうと1階までE介を運んだ。
が、そこで問題がおきた。
ドアを開けようとしたB太が、声を震わせながら大声で「ドア開かねーよ!」と言ってきた。
俺達はE介を廊下に降ろし、みんなでドアを開けようとしたのだが、
さっきは簡単に開いたのに今はびくともせず、
6人の中で一番体格の良いA也がドアにタックルしてみたのだが、それでもまるで開く気配が無い。

俺達は軽くパニックになり顔を見合わせていると、2階から微かに「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」と、
まるで抑揚の無い機械的な声というか、音というかが聞こえてきた。
E介はまだ床に寝転がされたまま笑っている。
とにかく外にでないといけない、そう考えた俺は、
1階のリビングが、ガラスのサッシのみで割れば出れそうな事を思い出し、
4人にそれを伝えると、リビングへと向かう事にした。
その時、ふと俺は階段の上を見て絶句した。
階段の踊り場の少し上ところから、Nさんがのぞきこんでいる。
月明かりが逆光になっていて、表情とかは何も分からないが、
顔のサイズや髪型からさっきのNさんとわかった。
相変わらず「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という声も聞こえてくる。
どうやら声の主はこのNさんらしい。

430合宿所のNさん:2015/04/09(木) 22:48:51 ID:dyzAZWXA

しかし何かがおかしい、違和感がある。
俺はすぐに違和感の正体に気が付いた。
Nさんは階段の手すりからかなり身を乗り出しているはずなのだが、なぜか顔しか見えない。
あれだけ乗り出せば、肩辺りは見えても良いはずなのだが…
俺がそんな事を考えながら階段の上を凝視していると、
C広が「おい何してんだ、早く出ようぜ、ここやべーよ!」と、俺の腕を掴んでリビングへと引っ張った。
俺には一瞬の事に見えたが、
どうも残りの4人がE介をリビングへ運び込み、窓ガラスを割り、打ち付けてある板を壊すまで、
ずっと俺は上の子供を凝視していたらしい。
俺は何がなんだか解らず、とりあえず逃げなければいけないと、皆でE介を担いで外へとでた。
外へ出ても相変わらず、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という声は、家の中から聞こえてくる。
俺達はE介を担ぎ、D幸が合宿所へ先生たちを呼びに行った。

その後、E介は救急車で運ばれた。
俺達は先生方に散々説教をされ、こんな事件があったので合宿はその日で中止となった。

帰宅準備をしていた昼頃、十台くらいの数の車が合宿所にやってきた。
中から20人ほどのおじさんやおじいさん、あと地元の消防団らしき人が降りて、
顧問の先生たちと何か話しをすると、合宿所の裏に回り、
例の家の周りにロープのようなものを貼り、柵?のようなものを作り始めた。
俺達は何事なのかと聞いてみたが、顧問の先生たちは何も教えてくれず、そのままバスで地元へと帰った。

E介は2日ほど入院していたが、その後どこか別の場所へ運ばれ、4日後には何事もなかったように帰ってきた。
後から事情を聞いてみると、E介には、家に入ったところから昨日までの記憶が何もなかったらしい。

431合宿所のNさん:2015/04/09(木) 22:51:10 ID:dyzAZWXA
E介が帰ってきた日の夜、俺が自分の部屋で寝転がってメールしていると、一瞬、
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という、あの声が聞こえた気がした。
びっくりして起き上がり、カーテンを開けて外を見たりしたが、いつもの景色で何も無い。
俺は「気のせいかな?」と、起き上がったついでに1階に飲み物を取りに行くことにした。

俺の家はL字型になっていて、自室は車庫の上に乗っかるような形になっている。
冷蔵庫からペットボトルのお茶を取り出し2階へ上がると、
丁度階段を上がったところの窓のカーテンの隙間から、僅かに自室の屋根の部分が少し見えた。
すると、屋根の上に何かがいる…
この前あんな事があったばかりなだけに、ビビりまくった俺が窓からカーテンを少し開けて外の様子をのぞくと、
屋根の上に和服を着たNさんが、両手を膝の上にそろえて正座しているのが見えた。
それだけでもかなり異様な光景なのだが、それだけではなかった。
Nさんは体を少し前かがみにして、下を覗きこむような姿勢で俺の部屋の窓を覗き込んでいた。

「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という声も、窓越しにわずかに聞こえてくる。
俺はあまりの出来事に声も出せず、そのまま後ずさりすると1階へ下りた。

432合宿所のNさん:2015/04/09(木) 22:55:58 ID:dyzAZWXA
通報しようかとも思ったが、これで通報してNさんがもういなかったらそれこそ恥ずかしい…
その時なぜかそう思った俺は、そのまま1階のリビングで徹夜した。
たしか朝4時過ぎまで、「ホホホ…」という声は聞こえていたと思う。

翌朝、恐る恐る部屋に戻ってみたが、Nさんはいなくなっており、室内にも特に変わった部分は無かった。

その日の昼頃、自宅の電話に顧問の先生から電話があった。
この前の件で話があるからすぐに来いという。
昨晩のこともあった俺は、嫌な予感がして大急ぎで学校へと向かう事にした。

学校へ到着すると、生徒会などで使っている会議室に呼ばれた。
会議室に入ると、A也、B太、それにC広とD幸までいる。
更に、うちの学校とC広たちの学校の顧問の先生たち、それと見た事の無いおじさんたちも数人いた。

まず、顧問の先生のうち1人が話し始めた。
要約すると、E介にまた同じ症状だでたらしく、とある場所に運ばれたらしい。
そして、俺達に「昨夜おかしな事はなかったか?」と聞いてきた。
俺はすぐさま昨夜のあれを思い出し、
「あのー、深夜になんかNさんが俺の部屋を覗き込んでるのが見えて…」と事情を話した。
A也、B太、C広、D幸には特に異常はなかったらしい。
するとC広が、
「そういやお前(俺)さ、あの家の中で、階段の上眺めながらボーっとしてたよな?
 あれ関係あるんじゃないか?」
と言い出した。

そういえば…
俺はあのときの事を思い出し、
皆に「あの時さ、変な笑い声みたいなのと、なんかNさんの姿見たよな?」と聞いてみた。
しかしみんなは、声はずっと聞こえていたけど、
Nさんの姿は最初のドアのところで見ただけで、家の中では見ていないという。

433合宿所のNさん:2015/04/09(木) 23:15:38 ID:dyzAZWXA
俺達がそんなやり取りをしていると、さっきまで黙っていたおじさんが、事件の詳細を話し始めた。
非常に長い話だったので要約すると。
俺達がであったのは、『浪人中の陰陽師のNさん』と呼ばれるものらしい。
これは受験ストレスから正気を失ったのようで、稀に姿を現し、 様々な場所に現れて、呪いを掛けていくらしい。
そうすると、どこからともなく現れたTさんが破ァしていく、非常に厄介な人だそうな。
ただし、理由は分からないが破ァに周りのものが良く巻き込まれ粉々になると二重の意味で迷惑な人らしい。

ちなみにあの家は、全くいわくも何もなく、ただ『Nさん』が偶然現れただけの場所なのだが、
『Nさん』の存在を察したTさんが現われ破ァしようとした場合、それに対する対抗策があり、
『Nさん』が最初に現れた場所に結界を作り周囲に被害が出ないようにして、簡易的な祠をつくって結界を強化することで、
破ァによる二次被害を防ぐ事ができるらしい。
合宿所から帰る直前、俺達が見たのは、その結界を作る作業だったらしい

おじさんは続けて、ただ今回は何かおかしいのだという。
普通、Nさんが現われればTさんやJちゃん現われ終るはずなのだが、今回はどういうわけだが逃げられてしまって、
E介がまた被害に会い、しかも俺のところにまで現れている。
それに、そもそも現れても割りと知的な『Nさん』が、
喪黒さんの様なトークを展開せず、ただ笑うだけというのも全く前例がないうえに、
『Nさん』はその日、受験を終えた疲れからか自宅で高熱に魘されていたそうだ。

434合宿所のNさん:2015/04/09(木) 23:22:19 ID:dyzAZWXA
ただ、夏に受験を終えるとか、おかしいおかしいといっても、現実に起きてしまっているのだから仕方が無い。
俺達は学校で、村から来たお坊さんに簡易的な祈祷をしてもらい、お札を貰って、
「君たちはこれでダメならTさんを頼ると良い」と言われ、保険の申込用紙と連絡先を渡され帰された。
ちなみに、E介に関しては、暫らくお寺で預かって様子を見て、
その間にもう一度祠を建てて結界を拡大し破ァに備えるとの事だった。

学校から帰された俺達は、各々迎えに来ていた親に連れられて帰る予定だったのだが、
話し合って、ひとまず学校から一番近い俺の家に全員で泊まることにした。
安全と言われていてもやはり不安だし、全員でいたほうが少しは心細く無いと思ったからだった。

その夜、俺達が部屋でゲームしていると、
コン…コン…コン…コン…と、窓を規則的に叩く音がした。

俺の部屋は車庫の上にあり、壁もほぼ垂直なので、よじ登って窓を叩くなどまずできない。
しかも、その窓は昨晩、例のNさんが覗き込んでいた窓だ…
状況が状況だけに、全員が顔をこわばらせていると、
B太が強がって「なんだよ、流石に誰かの悪戯か風のせいだろ?」と、カーテンを開けようとした。
俺は大慌てでB太に事情を話し、カーテンをあけるのを踏みとどまらせた。

窓を叩く音はまだ続いている。
D幸が、「やっぱ正体確認したほうがよくね?分からないままのほうが余計こえーよ…」と言ってきた。
たしかに、何かその通りな気がした。
なんだか分からないものが一晩中窓を叩いている状況なんて、とても耐えられそうに無い。
俺達は階段のところまで移動し、カーテンを少し開けて、隙間から俺の部屋を見てみた。
いた…
昨日のNさんが、やはり昨日と同じように窓から俺の部屋を覗き込んでいる。
そして時々、コン…コン…と今日は棒のような首を伸ばし頭を窓にぶつけている。

435合宿所のNさん:2015/04/09(木) 23:31:35 ID:dyzAZWXA
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という、例の抑揚の無い笑い声のようなものも聞こえてきた。
音の正体はこれだった。
異様な光景だった。
そして、昨日は気付かなかったが、あれはNさんと言うより、和服を来た人形のようだった。
頭が窓にぶつかる音も、人間の頭と言うより、中身が空洞の人形のような音だ。
C広が、「Nさんって、高熱で寝込んでいたんじゃねーのかよ…」と呟いた。
その時、俺の親父が騒ぎに気付いて、「お前ら何やってるんだ?」と階段を上がってきた。
その声にびっくりしたA也が、思わず腕を窓にぶつけて、ドン!と大きな音を立ててしまった。

"それ”の棒の先にある頭だけが、カクンッという感じでこっちを向いた。
俺達は顔をはっきりと見た。
"それ”は、笑顔のNさんを模した人形だった。ただし、ただの人形ではない。
顔は人形特有の真っ白な肌なのだが、笑顔のはずの目は中身が真っ黒で、目玉らしきものが見えない。
口も同じで、唇らしきものもなく、そこにはやはりぽっかりと真っ暗な、三日月状の穴のようなものがある。
それでも、目や口の曲線で、『にっこり』と言う感じの笑顔だと分かるのが余計に不気味だった。
親父が、「だからお前ら何やってるんだ?」と、窓のところに来てカーテンを全開にすると、
それはサッ!と屋根の影に隠れて見えなくなった。
が、親父にも一瞬、何かがそこにいたのは分かったらしい。
親父は大慌てで1階に降りると、携帯でどこかに電話をし始めた。
どうやら、昼間祈祷をしてくれたおぼうさんや、おじさん達やTさん、Jちゃんの連絡先を聞いていたらしく、
そこと顧問の先生のところに電話しているらしい。

436合宿所のNさん:2015/04/09(木) 23:42:36 ID:dyzAZWXA
その後、影に隠れたきり、"それ”は二度と姿を現さなかった。

朝になり、昨日のおじさんたちや顧問の先生などが俺の家に来た。
とりあえず異常事態ということで、全員を合宿所近くにあるお寺まで連れて行くという。
みんなの親たちも俺の家に来たのだが、
おじさんが「被害が更に拡大するといけないから、親御さんは来ないほうがいい」と言うことで、
行くのは俺達だけになった。
俺達は着の身着のまま車に乗せられ出発した。

昼前にお寺に到着した。
お寺に入ると、ジャージ姿でゲッソリとした感じのE介が、俺達を出迎えた。
E介によると、あれから色々あったが、なんとか今のところは助かっているらしい。
本堂に入ると、お坊さんと昨日のおじさんが、昨晩の出来事を詳しく教えてほしいと言ってきた。

俺達が順番に状況を話していると、人形の姿の説明のところで、
おじさんが「ちょと待った、人形?首が長い?何の話をしているんだ?」と驚いた顔で言ってきた。
そして、俺達が昨日みた人形の姿を改めて説明すると、
お坊さんと、 応援で来たTさんが
「いや、これはNじゃないぞ、どうなってるんだ?」
「おかしいとおもったんだ。色々辻褄が合わない」
と、2人で話し合い始めた。

そして暫らく話し合った後、俺達に状況を説明してくれた。
結論から言えば、『Nさん』に呪われていたのは全くの勘違いで、
どうも俺達に付き纏っているものの正体は、全く別の何からしい。
俺は、今更それはねーだろ…と思った。
Tさんが続けた。
最初状況を聞いたとき、
・Nさんのような姿
・笑い声
・生徒がおかしくなって笑いながら泣いている
と言う状況から、『Nさん』の呪術だと思ったらしいが、
どうも今詳しく話を聞いてみると、『Nさん』の呪術と症状は似ているが、
その活動が、Nさんの何時もの行動と違うらしい。
そもそも『Nさん』というのは、いかにもな陰陽師の格好(それ以外もある)をした成人男性で
笑い声も、俺達の聞いたようようの無い機械的なものではなく、
笑い声といっても、無機質だが人を不安定にする癇に障る高い声だが成人男性のものとの事だった。

437合宿所のNさん:2015/04/09(木) 23:51:42 ID:dyzAZWXA
俺達は途方にくれてしまった。
ぶっちゃけ、Tさんが来れば全部解決すると思い込んでいたのに、
今更「なんだかわからない」では、どうしたらいいのか…

室内が重苦しい雰囲気になり、皆しばらく沈黙していると、Tさんがこう言ってきた。
「とりあえず、Nと関係が有る式神か魔性のものなのは間違いない。
 少し離れたところに、Nの看病をしているJちゃんがいるので、Nの様子を聞いてくる。
 暫らく皆、座敷でまっていてほしい」
そういうと、破ァと手から出した光弾に乗りどこかへ行ってしまった。
俺達は座敷に通され呆然としていた。
おじさんはしきりにどこかへ電話をし、かなりもめているように見えた。

夕方になり、TさんがJちゃんを連れて戻ってきた。
Tさんが戻ってくると同時に、さっきのおじさんが携帯を片手に「えらい事になった!」と、
Tさんのところに走り寄って来た。
話を聞いていると、どうも村の子供が1人、E介と同じ症状でいるところを発見されたらしく、
これからこっちへつれてくるという。
この寺のお坊さんが俺達に、
「とりあえず後で話をするから、ひとまず君たちはさっきの座敷で待っていてくれ」
というと、大慌てでTさんとJちゃんの3人で本堂のほうへと歩いていった。

438合宿所のNさん:2015/04/10(金) 00:00:37 ID:zRpbAweo
それから15分ほどすると、ワゴン車がやってきた。
車の中からは、E介のときと同じように、けたたましい笑い声がする。
車の扉が開き、中から数人の大人と、笑い声を上げる以外身動き一つしない中学生くらいの子供が運び出され、
本堂へと連れて行かれた。

暫く本堂の中から、
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!」という、笑い声とお経を読む音が聞こえていたが、
破ァ、矢ァと言う声と障子の向こうでフラッシュを焚いたような閃光と爆発音がして静かになった。

それから更に15分ほどすると、TさんとJちゃんの2人が俺達のいる座敷に入ってきて、色々と説明し始めた。
さっきの子供のほうは消耗が激しいので、本堂に布団を敷いてそのまま寝かせているらしい。
応援でやって来たJちゃんによると、
どうも話を聞いた感じやさっきの子供の様子から見て、
兄の呪術が原因ではなく、何かしら別の良く似た他の呪物が原因ではないかという。
特に根拠があるわけではないけれど、感覚的にそう感じるらしい。

そして、特定個人を狙ったわけではない呪物の類だとすると、と前置きし、
恐らく、祈祷で呪物と貴方たちの縁を切ってしまえば、なんとかなるのではないかと。
そして、できればその人形も供養してしまいたい、とのことだった。

とりあえずそういう話でまとまったという事で、俺達もそれで解決できるなら早くしてほしいと、話がまとまた。
と、その前に、俺はずっと我慢していたのだがトイレに行きたくなった。
事情を話し、「でも一人じゃなぁ…」と思っていると、他のやつも全員我慢していたらしく、
結局6人で連れションすることになった。

439合宿所のNさん:2015/04/10(金) 00:07:20 ID:zRpbAweo
トイレからの帰り道、本堂へ続く廊下を歩いていると、
どこからか「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という、例の抑揚の無い声が聞こえてきた。
場所は分からないが、あれがすぐ近くにいるようだ…
C広が「近くにいるよな…」というと、
A也が「かなり近いぞ、やばくね?」と返した。
たしかにかなり近い。でも姿は見えない。
すると最後尾にいたE介とD幸が、
「やばい、早く本堂に逃げろ!」と、窓の上のほうを指差しながら叫んだ。

俺達が指差した方向へ振り向くと、それはいた…
前と同じように屋根から頭だけを突き出し、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」と笑いながら、
例の真っ黒な目と口の顔をこちらに向けながら、ニコニコと笑っている。
俺たちは全力で逃げ出した。

本堂に着くと、Tさん、Jちゃんとこの寺のお坊さんとさっきのおじさんが待っていた。
今になって気付いたのだが、おじさんはどうもこの村の村長さんらしい。
俺達が事情を話すと、お坊さんはすぐさま俺達を座らせ、お経を読み始めた。

暫らくお経を読んでいると、本堂の天井のほうから、
「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という例の笑い声と、
コツ…コツ…という、俺の部屋で聞いたあの音が聞こえてきた。
俺達はビビりまくって身を寄せ合っていた。
「何の意図があってかは知らんが未成年を狙う悪党め破ァ!」と光弾を放ち「どこに居る姿を現せ」と走り去って行った。

暫らくすると声が聞こえなくなった。
俺が「終ったか?」と言い切らないうちに、
今度は本堂の横の庭のほうから、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という声が聞こえ始めた。

そして、薄暗くなり始めた本堂の障子に、夕日に照らされたあの人形のあたまが映し出された。
あたまはユラユラ揺れながら、相変わらずあんぽ不気味な笑い声で笑っている。

440合宿所のNさん:2015/04/10(金) 00:10:59 ID:zRpbAweo
その時、俺は恐怖心と不安感と連日の寝不足で、もう耐えられなくなっていたのと人形を見て声を失っているJちゃんに格好良い所が見せたくて、
ちょっとおかしくなっていたんだとおもう。
人形の影を見て、恐怖心よりもその姿にイラつきはじめた。
ユラユラ揺れている姿を見ると、とにかくなんだか良く分からないがムカついてきて、
とうとう我慢できなくなった。
俺はお坊さんがお経を読んでいる横の鉄の燭台を掴むと、蝋燭もささったまま引き抜き、
周りが制止するのも振りきり障子を開けた。
目の前にあの人形の顔があった。
一瞬俺は恐怖心に襲われたが、怒りとイラつきが勝って、
そのまま燭台をぶら下がっている人形の頭めがけ、
「ふざけんなーーーーーーーーーー!」と叫びながら振り下ろした。

バキッ!という音がして、燭台の先端が人形の顔にめり込み、そのまま人形は地面に落下した。
俺は裸足のまま庭に下りると、更に燭台を振りかぶり人形に打ち下ろした。
すると、なにか頭の中に妙な感覚が芽生え始めた。
人形はそれでもなお、「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」と無機質に笑っている。
俺はおかしくも無いのに笑いたくなり、なきたくも無いのに目からボロボロと涙が零れ落ちてくる。
明らかにE介たちと同じ状況になりつつあるのだが、
それでも俺は燭台を振りかぶり、人形に打ち下ろすのをやめなかった。
あとから話を聞くと、俺はゲラゲラと笑いながら、無表情でボロボロと涙を流していたらしい。

暫らくそんな状態が続いていると、
どうも燭台に残っていた蝋燭の火が人形の服に燃え移ったらしく、人形が煙を上げて燃え始めた。
友人たちによると、人形の「ホホホ…ホホホ…ホホホ…」という笑い声と、俺の絶叫が交じり合い、
薄暗くなり始めた周囲の雰囲気とあわさって、異様な状況だったという。

441合宿所のNさん:2015/04/10(金) 00:27:53 ID:zRpbAweo
それでも俺は、笑い泣きしながら殴り続けていると、
どこを殴ったのかよくわからないが、メキッ!という鈍い音がした。
その途端、俺の中の妙な感情が消えた。
消えたというか、急にシラケてしまったといえば良いのだろうか、
とにかく人形に対するイラつきも、笑いたいという気持ちも、泣きたいという気持ちも、 Jちゃんに格好付けたいという気持ちも
急になくなってしまった。

俺はその場にヘタり込み、友人たちやおじさんが「…大丈夫か?」と心配そうに近付いてきた。
人形はもう笑ってもいないし動きもしないが、燃えたままでは不味いので、
友人たちとおじさんが砂を掛けて消していた。

理由は分からないが、俺は何故か全て解決したような、そんな良い気分になっていた。
この騒ぎの中、お坊さんはずっとお経を読み続けていたらしい。
人形(もう殆ど残骸に近かったが…)の事は明日詳しく調べる事になり、
箱に入れてお札を貼り、本堂に安置する事になった。
俺達はお坊さんの好意で、そのままお寺に泊まることにした。

翌朝。俺達は本堂に呼ばれた。
どうやら、お経のお陰なのか、俺がぶち切れたのが原因なのか、理由ははっきりしないが、
どうも一応解決はしたらしい。
そして、人形はこのままこのお寺で供養する事になったのだが、
結局この人形は、Jちゃん手作りの物らしい。なぜ、あんな不気味な出来になったのかは謎なままだった。

ただ、燃え残った人形の胴体に、焼け焦げ消えかかった文字で、
『Nさんの誕生日』の記述と、完全に燃えて文字数しかわからない作者の名前、
それと、はっきりとは分からないので、残っている文字の痕跡からの推測だが、
『兄様へ』という単語が読み取れた。
Tさんが言うには、何故そうなったのかは解らないが、Jちゃんが幼い時にNさんの誕生祝いに作った人形である事はまちがいないらしい。
燃え残った残骸に、頭と動を繋ぐ棒の部分があったのだが、
そこにびっしりと、二浪への不安や一発合格したTさんへの嫉妬、全裸を見られたJちゃんにどう接して良いか解らない悩みなどが書かれていて、その負の感情が呪物と化した原因らしい。

その後、今に至るまで、俺も含め当時のメンバーには、知る限り何も起こっていない。
あの時、呪物と化したとは言え自分が丹精こめて作った人形を叩き壊された怒りがあったのかJちゃんは連絡先を教えてくれなかった。
巫女さんはガードが固い俺はそう思った。

442寺生まれの名無しさん:2015/04/10(金) 10:59:00 ID:A0yshrWQ
>>441
大作きた!
渦人形だっけ。うまく出来てるなー

443( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/04/10(金) 18:32:25 ID:TQGcWKbU
合宿所のNさん…じっくり読ませて貰います!

444合宿所のNさん改めN人形 追記:2015/04/10(金) 21:16:21 ID:zRpbAweo
Tさんが本堂を飛び出した後、戻って来るまでの間に何をしていたのか。
Tさん曰く似た感じの別の人形と追いかけっこをしていて時間を稼がれたとの事だ。
姿を知られていない事を利用し自分と似た妖気の俊敏に動ける身代わりを用意して時間稼ぎに徹させる。
その間に誰かに取り憑くか目標を祟り殺すかして目標を達成するとN以上に狡猾な奴で自分も一杯食わされた。破ぁ・・・とため息を吐いていた。
人形(残骸の一部だが)を見たNさんはJちゃんが小学校入学前後に作った人形の方が自分の呪物より出来が良かった事にショックを受け失踪したらしい。

Nさんは受験の失敗、得意とする呪物で妹に完敗から全てを呪うようになったらしい。
呪い屋は面倒だ。面倒だから呪い屋なのか、そう思った。

追記
寺の本堂でTさんに破ァされ、Jちゃんにも矢ァされた子供は半月ほどの通院で済んだようだ。
注連縄に興奮する以外、これと言った後遺症は無く元気に過ごしているらしい。
本堂の中で何があったのか誰も話そうとはせず謎なままだ。

合宿所のNさんよりN人形の方がしっくり来る。

445chikatomo★:2015/04/11(土) 23:23:28 ID:???
>>426
テンジンキ書いたの恥ずかしながら私なんですが、正直そこまで考えておりませんでした…。
神社生まれの、と書いたのはJちゃんの兄であることを強調するため、
それと昔は「寺生まれのTさん」ではなく「寺生まれで霊感の強いTさん」という言い方が多かったかと思うのですが、
それに倣って「神社生まれで巫女のJちゃん」、「神社生まれで呪い屋のNさん」というような考え方をしておりました。

446☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/12(日) 17:58:16 ID:rbKDfgIk
>>445
な、なんだってー(゚Д゚)

447☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/14(火) 01:07:32 ID:qe0RAP3s
さて衝撃の事実が判明しましたが、もう1つお聞きしたいことが

Q1.元ネタの登場人物と「寺生まれのTさん」のメンバーの名前が被っているではないか!あなたはどう読みますか?
1.特に気にしないで読む
2.Tメンと関わりがあるのではないか?と考えながら読む


ちなみに自分は2です
>>372の「お別れ会」に登場したN先生はNさんの父親か祖父だと考えております。
また親(またはその親)世代からの付き合いがあることも、Nさん救出にTメンが奮起する理由になっているのでは…と勝手に妄想して読みました


皆さんに聞いてばっかりでスミマセン

448☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/14(火) 01:36:19 ID:YaR6hWQo
…と今までNさんについて勝手に考察してみてなんだが
Nさん最近小物臭くなってないか…?


無理矢理こじつけてみよう…
受験失敗したNさんは肥大化した負の念(怨念)が生き霊となって
Nさんから分離して悪行を繰り返している
本体は生き霊(魂)が抜けてしまったことにより、生気をなくしてしまった。
TさんKさんJちゃんはNさんを元に戻すために…(以下略)

いや、そうすると裸で走ってきて「ンー!!ンー!!」してたのはどう説明すればいいんだ?

専門家の皆さん教えてください

449寺生まれの名無しさん:2015/04/14(火) 03:50:19 ID:4QbMs4bk
>>448
専門家w誰やねんwww

450( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/04/14(火) 18:27:25 ID:y5cRtiYI
>>447

私もどちらかと言えば2ですね。
というより、ちかともさんのところの記事でTとかKとかいう人物が出ると、寺生まれ?教会生まれ?とかってなってしまいます(笑)

451寺生まれの名無しさん:2015/04/15(水) 00:15:39 ID:UWPkopQQ
>>447>>450
ほぼ同じ。関係ないとは思っているけど、イニシャル見ると頭の片隅で連想してる自分がいる。

452寺生まれの名無しさん:2015/04/15(水) 00:16:32 ID:UWPkopQQ
じゃあ短時間で書いた簡単なTさんでも。

仕事帰りの夜11時頃、サンクスに寄った時、俺が店に入った時からレジ付近にいたおばさん。
55歳くらいで目に生気がなく、ジーーーーーっとこちらを見てきた。
俺はゾクっときたので、さっさとタバコと生茶買って店をでようとした。
出る際、自動ドアに店内反射して映るじゃん?そのおばさん、まだジーーーーーと俺を見ているのがわかった。
なんだよ、まじでと、怖くなり足早に車に乗り、飛ばして走った。
俺の家は人通りの無い所にある。家が見えた。家の前に人影が見えた。
さっきのおばさんだ。
なんで?俺を追い越せるはずがない。てかなんでいるんだ?
俺は混乱し、なぜかパッシングした。
おばさんは微動だにせずまたジーーーーーとこちらを見ている。
俺は車を車庫にいれ、おばさんを見ないように家に入った。
家の中のカーテンの隙間からソッと外を見た。

まだいる。まだ見ている。

そして今もいる。

足元が震えてくる。
幽霊? でもそれにしてははっきり見える。
生きてる人? だとしたらどうして家の前にいる?
もうどちらにしても怖い。
足が震える。
警察に電話しようか。それともどこかお祓い……。

その時だった。
「破ァッ!」
という掛け声とともに青白い閃光が走った!

カーテンの隙間からもう一度ソッと外を見る。

なにもない、いつもの夜道が広がっていた。

453( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/04/15(水) 18:11:42 ID:SpN8LR8U
>>452
読んでてなぜかゾクッとしました…

454寺生まれの名無しさん:2015/04/15(水) 21:18:11 ID:DAe.gqIk
これはTさんが出ていても怖い。

>>447
自分は1.と2.でその都度脳内設定を変える。

455寺生まれの名無しさん:2015/04/16(木) 14:02:26 ID:xJsqqN/s
昨日の夜11時ころ、休日出勤から帰宅した時のこと。

コンビニ袋ぶら下げて自宅アパートの前に差し掛かると微かに猫の鳴き声が聞こえる。
あの発情期の何とも言えない声。
こんな時期に季節外れだなと思いつつ、なんとなく上の方を見ると、7階(最上階)の端の部屋のベランダに
何か白っぽいものが動いてるのが見える。
あー、あんな所に猫居るわー。と思ってホールへ入ろうとした時にビールを買い忘れてた事に気づいた。
着替えて出直すのも面倒なので、そのまま近所のコンビニへ戻る。

買い物を終えてアパートの前に戻ってくると、さっきより猫の声が大きい。
上を見ると7階のベランダには猫がおらず、なぜか6階のベランダにいる。
え?どうやって移動した?・・・でもまぁ猫だからな。とスルーして帰宅。

風呂入ってコンビニおつまみでビールを飲んでると、また猫の声が聞こえ始めた。
ちなみに俺の部屋はさっきの猫が居たベランダと同じ列の3階。
もしかしてあの猫あのままどんどん下の階に降りてきてるのか?と思ってカーテンを開けると、目の前を
裸の赤ちゃんが泣きながら落ちていった。

え?猫の鳴き声じゃなくて赤ちゃんの泣き声?って言うか落ちてってたけど!?

慌てて窓を開けベランダに出て、下の駐車場を見たが赤ちゃんが落ちた様子はない。
見間違いか?
ヤバイな、今日はもう早く寝ようと部屋に戻ろうとした時、自室のベランダの端の白いものに気づいた。
猫がいた。白くて目が赤い猫。
赤ちゃんの泣き声のようなあの鳴き声で鳴きながら近づいてくる。
思わず「うわ!ううわわ!あああ!」と声を出してしまい、おもいっきり窓を閉め……ようとした時だった。

「破ァァァァァッッ!」
俺の悲鳴なんて霞むほどの掛け声が聞こえたかと思うと青白い閃光が走り、思わず目を瞑った!

ゆっくり目を開けると、ベランダにはさっきの不気味な猫は居なくなっており、代わりに袈裟姿の一人の男が赤ちゃんを抱いて立っていた。

これは噂の寺生まれで霊感の強いTさん!

「ふぅ、やれやれ。やっとこのいたずら坊主を捕まえることが出来たぜ。
おっと、君はこの部屋の住人か?
破っはっはっ。お騒がせしてしまって済まなかったな」

「い、いえ!まさか寺生まれのTさんが除霊に来てくれるなんて……光栄です!」
「おいおい、よせよ!俺は俺のやるべきことをやってるまでよ!」

そう言って照れるTさん。
まだ若い精悍な顔つきをした青年だ。
Tさんが顔を上げ、ふと視線が外れる。
その瞬間Tさんの顔色がさっと変わったかと思うと、

「おっとこうしちゃいられねーや。まだまだ俺を待ってる亡霊共がたくさんいるからな!
じゃ!」
そう言ったかと思うと、赤ちゃんを抱えたままベランダの手摺を飛び越えて夜の闇に消えていってしまった。

え!?ここ、3階……。

やっぱり寺生まれってすげえ、そう思ったとき、さっきTさんが顔色が変わったところが気になって見てみた。

窓ガラス一面にヒビが!!

やっぱり寺生まれのTさんっていろんな意味で噂通りだぜ、と俺は思った。

456寺生まれの名無しさん:2015/04/16(木) 14:13:16 ID:xJsqqN/s
20年以上前の話です
春に家族で鳥取に一泊の旅行に出かけました、
乗馬体験をしたのでおそらく大山の牧場だったと思う

乗馬体験っていってもオジサンが引っ張るポニーに股がって環状のコースを一周するだけの簡単なやつ
家族に見送られて出発して一周し終わる頃、家族に混じって知らない女の人が手を振ってるのが見えました
誰だろうと思いながらも終点に到着 知らない女の人はやたら馴れ馴れしく接してくるし
おかしな事にお母さんが見当たらない、「お母さんは?」って聞いても家族は不思議な顔をするばかり
知らない女の人とお母さんが入れ替わってました

暫く立ち直る事が出来ませんでしたが 今ではその女の人がお母さんだと思って生きてきました。

ところが昨日の夜生まれて初めての金縛りにあって。
そんなに怖くはなくて、これが金縛りかー、ホントに動かないなー、とか思ってたら、急に体に何かがのしかかるような感触が。

無理やり、目だけ動かしてお腹のほうを見てみると、袈裟を来たお坊さんのような人が乗っているようです。

「やっと見つけたぜ、グヘヘ」
お坊さんの気持ちの悪い声が聞こえます。
「今からお母さんを乗っ取った悪いもんを祓ってくるからな、グヘヘ」
やはりあの牧場の記憶は……。
それよりもお腹の上のお坊さんが気持ち悪いです。
「ちょっと騒がしいかもしれないから一応挨拶をと思ってな、グヘヘ」
お坊さんが訳のわからないことをいいます。
「じゃ、行ってくるかな」
お坊さんがそういった時体がふっと軽くなりました。

その一瞬後。
破ァッ! っという掛け声が聞こえたかと思うと、地震のように家が震えました。

そのまま私は金縛りが解けたのかどうか確認するまもなくまた眠りに入ってしまったようでした。

朝になりキッチンに降りて行くと。
あの日から見なくなっていたお母さんが笑顔で朝食を作ってくれていました。

これが私の唯一の不思議体験です。

457寺生まれの名無しさん:2015/04/16(木) 14:23:43 ID:xJsqqN/s
もうすっかり夏なので、この前、幽霊アパートに住む先輩のところへお泊りに行った

先輩のアパートの家賃は、水道代や共益費、全部込みで基本14,000円
築五年、鉄筋三階建て、フローリング、1LDK、風呂トイレはセパレート
駅まで自転車で十分、大学まで歩いて五分
おまけに、(別契約だけど)駐車場まで完備ときたら、これは破格の条件だ

それなのに、住人がころころと変わるのは、やはりここが幽霊アパートだからだ
夜中の廊下で、子どもがはしゃいで、走り回る音がする
ドアにべったりと貼りついて、何やらぼそぼそ喋る女が出る
壁のポスターはぎょろりと目が動き、部屋の風呂からはシャワーの音がする
屋上からは血まみれの男が飛び降りて、駐輪場では満面の笑みを浮かべたお婆さんと遭遇する

先輩の部屋に泊まった奴らは、口を揃えて「変なもんを見た!」と言う
でも、俺はどうしても信じられずに、とうとう、先輩の部屋に泊まってしまった

そして、見た。

夜空が光り輝いているのを。逆光を受けた誰かが、ベランダで手招きしているのを
彼か、彼女かも分からない誰かは、執拗に手招きを繰り返し、俺を誘う
その時「破ァッ!」 という轟音が鳴り響いたかと思うと、手招きしてる誰かが霧散していく
代わりに立派な袈裟をまとった何者かが俺に近づいてくる
金縛りにかかっていた俺は、目を閉じることもできずに、気を失うまでその光景を見ていた

翌朝、俺は考えを改めた
幽霊って、やっぱりいるんだと
心霊体験って、実際にあるものなんだと
それに、守護霊。こいつも絶対に存在するんだと、俺は確信した

「よう、小杉君! よく眠れたか?」

えげつない幽霊アパートに泊まっている先輩
タンクトップからはみ出た彼の筋肉は、朝日を浴びて今日も立派に輝いていた

早寝早起き、快食快便、好き嫌いなく何でも食べる
健康優良児の名をほしいままにしている先輩は、幽霊を見たことがないと言う
自分の住んでいるアパートの、どこが幽霊アパートなんだと首を傾げている

本当は幽霊なんて気のせいだとしても、守護霊は確実にいる
大学のトレーニングルームでベンチプレスに励む先輩を見て、俺たち後輩は何度も頷いていた

458寺生まれの名無しさん:2015/04/16(木) 14:25:01 ID:xJsqqN/s
以上3話、シンプルを心がけて書いてみました!
それでもまだ冗長か……。

459☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/16(木) 15:13:42 ID:HjbHtqNs
>>458
どれも短いので通学&帰宅中の読み物に最適でしたよ〜

そして2つ目の、ちょっと言動がキモいけどやることはちゃんとやって去るTさんが好きです


GT!

460( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/04/16(木) 18:22:08 ID:p4/UKnvc
>>452
何回読んでも怖い(笑)

>>456
グヘヘってTさんどうした?(笑)

461近所のラーメン屋駐車場で:2015/04/17(金) 09:17:15 ID:n2sFEWSU

3月頃、深夜の帰宅途中に近所のラーメン屋駐車場で
泣きながら店の入り口に貼りつく幼女を見た
気になって観察してたら、どうも車と店先を何度も往復してて
店に入りたいのに入れない様子

嫁が一緒だったんで「どうしたの?ママ中にいるの?」と声かけたら無言でコクリ

見れば春先の花冷え陽気な深夜に女の子は半袖ワンピ一枚で震えてる

とりあえず俺のスカジャン被せて嫁が抱っこして
親が出て来る可能性に賭けて十分だけ待つ事にした
嫁は「保護して警察連れてこうか」っつったけど誘拐と間違われても厄介だし

しばらくしたら男連れの30代くらいの女がバカ笑いしながら出てきて
俺らに気付いた

そしたら女の子が「あっ、ママー」って手を伸ばしたから
嫁が「お母さんですか?この子店の外で泣いてたんで・・」って説明しようとしたら

黙って女の子を引ったくって上着投げ返してよこして

女の子の頭叩いて「あたしらが食べてる間は車で待ってろっつったでしょ!!」と怒鳴りつけた
連れの男(どう見ても父親には見えない20代DQN)は横でヘラヘラ笑ってた

「そこまでだ」寺生まれで生まれつき霊感が強いTさんだ

TさんがDQN男に手のひらを向けて「正体を見せな」と呟くとDQN男は黒い靄に包まれた化け物に変わった
「こんな母親に取り付くか、この小悪党め!破ぁぁぁぁっ!!」

Tさんがそう叫ぶと化け物は青白い光に包まれて消滅した

「小物は幼子の魂を食らう時まず親の魂を狂わす、まあよくある話だな」
Tさんはそう言い残して何事も無かったようにラーメン屋に入っていった

寺生まれって本当に凄い、泣きながら女の子を抱きしめつつ謝る母親を見てそう思った

462ステルビャー:2015/04/17(金) 09:19:55 ID:n2sFEWSU
駅前のちょっと大きなゲームショップにソフトを買いにいった。
夏休みで周りはガキばっか。

そこに20代中頃の無精ひげを生やし太った、一目で判るようなオタク息子と、
母親(酷くやつれていて祖母さんかも)らしい二人連れが入ってきた。
財布を持ってオドオドしている母親を尻目に、息子はPS2を抱えてレジへ。

いい歳こいて、ひでぇ息子も居たもんだ、と見ないフリして見ていたら、
急に息子が、

「ステルビャー(?)くれ!!あるんだろ!早く!!売ってくれよ!!」

店内に響きわたる大声で怒鳴り始めた。
店員は怯えきった表情を浮かべながらも説明していたが、息子は怒鳴り散らすばかり。

店内のガキたちの目は、レジ釘付け。それに気づいた母親が息子をなだめ始めた、
と思った瞬間、息子が母親の腹をパンチ!

463ステルビャー:2015/04/17(金) 09:20:43 ID:n2sFEWSU

と思いきや何者かが息子と母親の間に割り込んだ
寺生まれで生まれつき霊感が強いTさんが腹でパンチを受け止めていた!

「小物の拳なんざ俺には通用しないぜ・・・正体を見せな」

Tさんがそう言うと息子がバタリと倒れ
そこから形容しがたい黒い塊のようなモノが現れた

見るに耐えない酷い光景だった・・・

しかしTさんは、店員と母親を下がらせて
「人の負の感情を増幅させて結界を広げる小悪党め!破ぁっっ!!」
と青白い光弾を撃ち込んだ!
断末魔の悲鳴を上げて消える黒い塊!!

「これで解決だな、息子さんも半日もすれば目覚めるだろう、送っていくぜ」
母親はPS2とゲームの代金を支払って、Tさんと息子を担いで帰って行きました。
寺生まれって本当に凄い、改めてそうおもった

464寺生まれの名無しさん:2015/04/17(金) 13:26:53 ID:Woet./Bw
>>461
スッキリした!

465寺生まれの名無しさん:2015/04/17(金) 13:28:42 ID:Woet./Bw
>>463
母親さんが担いで!?

466この間までわんちゃん飼ってました:2015/04/17(金) 14:26:13 ID:n2sFEWSU
この間までわんちゃん飼ってました。
でも家族で旅行にいくということで泣く泣く保健所にいきました・・・

両親はわんちゃんか旅行か選べといわれ、泣く泣く旅行を選び、
家族でわんちゃんを保健所につれていきました。

わたしは泣いてました。
弟も泣いてました。
母親は「命の尊さがわかったわね」といってくれました(´;ω;`)よくわかった出来事です。

みなさんも命の尊さをわかってください(´;ω;`)

467この間までわんちゃん飼ってました:2015/04/17(金) 14:27:32 ID:n2sFEWSU

「ああ、命は尊いものだ、破ぁ!!」
Tさんがそう叫ぶと私たち家族にある記憶がよぎりました
わんちゃんがうちに来た日のこと、初めて散歩に言ったときのこと

いつでもわんちゃんは私達と一緒にいてくれました

「今なら間に合うぜ、行ってきな」

その言葉を聴いて私は勢いよく家のドアを開け走り出しました
気がつくと弟も母も、父までも走り出していました

すんでの所で間に合い私達は何度も、何度も、わんちゃんに謝りました
 
寺生まれって本当に凄い
家族とわんちゃんも一緒に連れて行ける旅行先を探しながらそう思いました

468寺生まれの名無しさん:2015/04/17(金) 19:40:37 ID:fGkoUhTc
>>327
イザナギとイザナミのお話書いてみました!
長文になってしまいました!

469伊邪那岐1:2015/04/17(金) 19:47:13 ID:fGkoUhTc
まだ日本という国も形作られる前の遥かな昔のこと。
天上に神々の住まう高天原《たかまがはら》というところがあった。

ある時天上の神々が生まれたばかりの下界を見下ろすと、そこにはドロドロの海にクラゲのようなものが漂うばかりで、陸地は全く形作られていなかった。

「このままではいかんなぁ」
「そうだなぁ」
「そうじゃ。誰か使わして手を入れようや」
「それがいい、それがいい」
「おい、イザナギとイザナミを呼んで来い」

話し合いの末、神々は『伊邪那岐命《いざなぎのみこと》』、『伊邪那美命《いざなみのみこと》』の二人の神を呼びつけた。

「ちょっと下界作ってきてくれる?」
「えー、俺達っすか?」
「偉い神様……私たち新婚……」
「でも二人とも能力高いしさー、サクサク作っちゃいたいのよ。それに下界にも神をたくさん作って置いときたいしさ。新婚ならちょうどいいじゃん?」
「ふたりで遊んでたかったなぁ」
「でもあなた……そろそろ子作りも……(赤面)」
「そっかぁ(ニヤケ)? じゃあ仕事して来ちゃうか!」

「おぉ、行ってくれるか! じゃあこれを持って行くといい。かなり工数減らせると思うよ!」
一人の神が二人に聖槍『天の沼矛』を差し出した。

「下界の途中まで橋だけ渡しといたからさ。じゃ、頑張ってね!」


--


天界から大きく下界に向けて張り出す橋に2人は到着した。
「あなた、着いたわね」
「おぅ、ここが『天の浮橋』かぁ。うわぁ、ホントにドロドロだぜ」
イザナギは橋から身を乗り出して下界を見つめる。
「このドロドロが私達の世界になっていくのね……素敵」
「よし、じゃあパパ頑張っちゃうぜ~」

イザナギは天の沼矛を翳すと、下界をかき混ぜ始める。

「おぉう、結構重いな!」
「あなた! 頑張って!」
「よっしゃあ!」

ドロドロドロドロドロ

「あなた! なんか固まってきてる!」
「よっしゃあ! まだまだぁーー!!」

ドロドロドロドロドロ

「あなた! ますます固くなってきてるわ!!」
「そうだな! そろそろいいだろ」

イザナギが天の沼矛を引き上げると、槍の先から雫がポタポタと垂れ落ちる。
すると、その雫一つ一つが陸地を形作っていった。

「あなた! 島よ! 島が出来てる!」
「イザナミ! 上手くいったな!」
「早速降りましょう。わたしたちのく・に・へ♪」

二人は手をつないで仲良く、できたばかりの陸地に降り立っていった。

「ここが最初に出来た島だな。しっかし上手く固まったもんだぁ。さすが神さんの槍だぜ」
「なに言ってるの。あなたのチ・カ・ラ・よ♪」
「お前こそ何言ってるんだよー。イザナミの応援のお・か・げ・さ!」

めんどくさい二人は最初にできた島に「おのころ島」と名付けると、早速御殿を建て始めた。

「新居! 新居!」
「新居♪ 新居♪」

張り切るイザナギはあっという間に二人の新居、というにはあまりにも立派な御殿を建てた。

「あなた……立派なお家ね……(ウットリ)」
「お前のためさ、イザナミ! ここ見てくれ! システムキッチンにしたんだ!」
「素敵! たっくさんあなたの好物をこしらえるわ!」

嬉しそうなイザナミにすっかり満足するイザナギ。
幸せそうな妻の顔を見てるとふと閃いた。

「そう言えば、俺達まだ式挙げてないよな」
「そうね。だって天界の式場は予約でいっぱいなんだもの」
「どうせだったらさ。天界のしけた式場なんかじゃなくて、ここで盛大にやろうぜ!」
「いい考えだわ! 早速お友達に連絡しなくっちゃ!」
「それに一度神さんにも陸地出来たって報告しとくか。じゃ、一旦天界戻ろうぜ!」

再び二人は天の浮橋を通って、手をつなぎながら天界に戻っていった。

「お、もう戻ってきたのか。やっぱり若いモンは早いの~」
「神さん、一応もう陸地は出来たぜ!」
「さすがじゃの」
「で、新居ももう造ってきててさ。そこで結婚式を挙げようと思うんだ!」
「それはいい考えじゃ! 下界の落成式も含めて盛大にやろうぞ!」

結婚式は豪華絢爛を極めた。
神々からの大量の贈り物。飛び交う祝福。
二人は幸せの絶頂にいた。

酔っ払った神々が踏みしめた大地は徐々に広がっていき、現在の本州、四国、九州を始めとした陸地が形作られていった。

470伊邪那岐2:2015/04/17(金) 19:53:03 ID:fGkoUhTc
七日七晩続いた宴も、やがて終わりに近づいていた。

「ふぅ、よく呑んだわい。ちょうど陸地も踏み固められていい具合になったのぉ。
 それにしてもこんなに早く国造りをやってのけるとは、たいしたもんじゃ。ふざけてばかりいると思って追ったが……。
 案外お主のような者がこれからの世界を導いていくのかもしれんのぉ。
 まあよいわい。
 イザナギ、イザナミ、後のことは頼んだぞ!」
「おー、任せとけ、神のおっちゃん! 元気な赤ちゃんたくさん産んだるから、上からよっく見とけやー」
「おいおい、ちょっと飲み過ぎだぞ、イザナミ」



翌日。

「お・は・よ! あなた」
イザナミの甘い声にイザナギに届く。
眠い目をこすって、窓を見ると薄っすらと夜空が白み始めていた。

「おはよう、イザナミ……。なんだ、早いな。もうちょっと寝かせてくれよ……ムニャムニャ」
「だめよ、あなた! 今日からいっぱい励んで家族を増やすのよ!
 ほら、今日はいい天気になりそうよ。お布団干してご飯にするわよ♪」

イザナミはイザナギがぬくぬくと眠る布団を剥ぎ取ると、さっさとキッチンに向かっていった。
「やれやれ」


朝食後。
「はい、あなたコーヒー」
「おう、ありがとう」
イザナギは愛妻の淹れてくれたコーヒーに口をつける。
イザナミ特製の、『かつサンド』でやや脂ぎった口腔に、重厚な苦味が広がっていく。
イザナギはいつものエスプレッソに満足しながら、イザナミに尋ねる。

「それで……どこから手を付けようか?」
「そうねぇ。昨日までの宴で結構陸地も広がってきたじゃない?」
「そうだな」
「この広さじゃ私達だけじゃ目が行き届かないわ。掃除も大変。
 まずそれぞれの島に子供たちを作って置くっていうのはどうかしら」
「ナイスアイデアだ、イザナミ! それじゃ早速……」
「ふふふ、あなたったら朝からなんて……」


うぉりゃあああああああああああああああああ
あーーーーーーーれーーーーーーーーーーー

本州の神、四国の神、九州の神、蝦夷の神が生まれた!


「ふぅ、これで島々は安心だ。イザナミ、次はどうする?」
「そうねぇ。陸地と海ばっかりでちょっと殺風景よねぇ。海も治めるものがいなくてドロドロのままだし。それぞれに子供を担当させるのはどうかしら?」
「ナイスアイデアだ、イザナミ! それじゃ早速……」
「ふふふ、あなたったら連日なんて……」


うぉりゃあああああああああああああああああ
あーーーーーーーれーーーーーーーーーーー

海の神、山の神、川の神、土の神、石の神、風の神、雨の神が生まれた!


「ふぅ、これで自然が形作られていったぞ。イザナミ、次はどうする?」
「そうねぇ、美しい景色は手に入ったけど、もっともっと種類が必要ね。子供たちにも娯楽が必要だし。この際、いろいろ創っちゃうのはどうかしら?」
「ナイスアイデアすぎるぜ、イザナミ! それじゃ早速……」
「ふふふ、あなたったら、逞しい……」

うぉりゃあああああああああああああああああ
あーーーーーーーれーーーーーーーーーーー
うぉりゃあああああああああああああああああ
あーーーーーーーれーーーーーーーーーーー

粘土の神、花の神、魚の神、動物の神、火の神……とにかく多くの神々が生まれた!


「はぁはぁはぁ……」
「はぁはぁはぁ……。頑張りすぎたな……」
「ううう」
たくさんの子供たちを生まれ、たくさんのものが手に入ったイザナギだったが、ふと妻を見ると、喜んでくれると思っていたイザナミがお腹を抑えて苦しんでいる。
「ど、どうした!?」
「あなた……お腹が……焼けるように痛いの……」
見るとイザナミの下腹部が大やけどを負っている!

「お前! どうしたんだこれは!!」
「きっと最後に産んだカグツチね……」
「あの野郎!!」
「あなた! あの子を叱らないであげて。あの子はただ生まれてきただけ。この世界を見たかっただけ。あの子が望んでこうしたんじゃないもの……」
「そ、そりゃあ、そうかもしれないだけどよ……」

そこにやんちゃな末っ子『火の神カグツチ』がちょうど帰ってきた。
「ただいまー」
「お、おかえり……カグツチ……」
「ん? どうしたんだ母ちゃん、お腹なんて抱えて。また子供か?」
そう言うとニヤリと笑う火の神。
あまりにも軽い末っ子の態度がイザナミの癇に障る。

「おい、カグツチ!ちょっとここに座れや!!」
イザナギは末っ子を目の前に正座させる。
「なんだよ、父ちゃん。俺帰ってきたばっかりで疲れてるんだけど。竈《かまど》の神の兄ちゃんは俺がいないとなんにもできないしさぁ」
「カグツチ、この野郎!」

471伊邪那岐3:2015/04/17(金) 19:53:24 ID:fGkoUhTc
バチーン!!
イザナギが生意気な末っ子の頬を張る。

「なにすんだ!」
カグツチは頬を抑えながら、ギラついた目で父親を見返す。

ボゥッッ!
室内の温度が急上昇していく。
火の神カグツチは真っ赤な炎を纏い、今にも父親に飛びかからんとしている。

ガチャッ!
対するイザナギは、床の間に据えてあった、聖槍『天の沼矛』を手に取ると、中段に構える。
青白い闘気を纏い、火の神を迎え撃つ態勢をとった。

一色触発の空気。
ほんの少し動くだけで燃え盛り、弾け飛びそうな空気の中、イザナミの悲痛な声が響く!

「やめて!もう止めなさい!!」

「……」
「……」

先に構えを解いたのはイザナギの方だった。
「済まなかった、カグツチ。……そうだな、わざとじゃないんだもんな」
「ふん」
火の神カグツチもその身に纏う炎を収めると、そのまま身を翻し、つまらなそうに家を出て行った。

「ごめんなイザナミ。お前が注意してくれていたのにもかかわらず……」
「いいのよ、あなた。私を心配してくれただけだものね」
イザナミは腹部を抑えたまま弱々しい、しかし慈しむような笑顔を夫に向けた。
「今日はちょっと早いけど休ませてもらうね」
「あぁ、お休み……」
寝室に向かう妻の後ろ姿を、イザナギはいつまでも心配そうに見つめていた。



翌日。
「お・は・よ♪ あなた」
体調が悪いにもかかわらず、イザナミは今朝も先に起きだしてくれていた。爽やかなコーヒーの香りが漂ってくる。
イザナギは妻の優しい声で目を覚ました。
「おはよう。どうだい、体調は?」
「えぇ、もう大丈夫よ。さ、ご飯にしましょ」
笑顔でキッチンに向かうイザナミ。

しかし……。
どう考えても昨日の今日で良くなっているはずがない。
俺を心配させまいとして気丈に振舞っているんだろう。

キッチンに向かうイザナギ。
バターとミルクのいい匂いがする。
美味しそうなフレンチトーストがちょうど焼き上がったところだった。

「さ、ちょうど出来たわ。あなた食べましょ?」
「いただきます! モグモグ……。
 おお! 今日もうまいぜ、イザナミ!!」
「良かったわ。たくさん焼いたからどんどん食べてね♪」
「勿論いただくぜ! それはそうとさ、イザナミ。もうちょい休んでろよ」
「もうイザナギったら。もう大丈夫だってば、心配屋さんね」
そう言いながらイザナミは夫の頬に軽いキスをする。

「今日も子作りするわよ♪」
「おいおいなに言ってんだ。まだダメだ! まだ火傷だって癒えてないだろう」
子作りは魅力的だが、妻の体が心配なイザナギは慌てて反論する。
しかしイザナミは真剣な顔で夫を諭すように話し始めた。
「でももう国作りは始まってしまっているわ。今は万物に神を置いて、秩序と調和が必要な時。私達の大事な国を守っていくためにも、各地を治めてくれている子供たちのためにも、今は頑張らないと!」
「し、しかし……」
「ほら! もうその話は終わり! 早く食べちゃってください、あ・な・た♪」
「お、おう……」

(確かに国作りのことを思えば、イザナミの言うとおりではあるが……。大丈夫だろうか……)
モグモグ

472伊邪那岐4:2015/04/17(金) 19:53:43 ID:fGkoUhTc
「さぁ、あなた。大事なお国のためよ。頑張りましょ!」
迷いながらも妻の言うことに逆らえないイザナギ。
「ほら、どうしたの? 来なさい、あ・な・た♪」
魅惑的な妻の姿に先ほどまでの逡巡も吹き飛ぶイザナギ!
イザナミ本人が大丈夫だと言っているんだ。
ここでイカなきゃ男じゃないぜ!


うぉりゃあああああああああああああああああ
あーーーーーーーれーーーーーーーーーーー

池の神、湖の神……多くの神々が生まれた!
イザナミを見ると気丈に振る舞ってはいるが明らかに弱っている!

「たくさん産まれたわね……。
 さぁ、あと少しよ、あなた……」
「イザナミ! もう十分じゃないか! もう多くの神をお前は産んでくれたじゃないか!」
イザナギも今度ばかりは、涙を流しながら訴える。
「いいえ、あなた。まだよ。もう少しだけ、もう少しだけ頑張りましょう」
「でも!」
イザナミは真っ直ぐイザナギの目を見つめる。

ふぅ、本当に頑固な奥さんだ。
「全ては子供たちのため……か?」
「そうよ。中途半端は争いを産む。私はこの私達の国を秩序と平和が支配する国にしたい。そんな国を作りたい」

透き通るような瞳でまっすぐ夫を見つめる。
涙が流れるままになっている夫も諦めたように首を振る。

「分かった。俺達の国。俺達の子供。そしてそれはイザナミのためでもあるんだもんな。最後までやりきろう」
「ありがとう、あなた……」
イザナギとイザナミはお互いに涙を流しながら抱き合った。

うぉりゃあああああああああああああああああ(涙)
あーーーーーーーれーーーーーーーーーーー(涙)


水の神、谷の神、鉄の神……八百万の神々が揃った!!!


その夜。
「あなた……ごめんなさい。無理を言って……」
既に身を起こすこともできなくなったイザナミがベッドに横たわっている。
「イザナミ……お前こそ無理しやがって……」
イザナギは痩せて骨張った妻の手を優しく擦る。

スリスリスリスリ。
「こんなになるまで頑張りやがって……」
スリスリスリスリ。
「あなた……。あなたの体温が気持ちいいわ……」

もうイザナミの先は永くない。
やっぱりあの時。
火の神を産んだあの日。
秩序を失ったとしても……、この国を失ったとしても、イザナミを無理させるべきじゃなかった。

イザナギは後悔に咽び泣く。
そんな姿を見て妻は少し悲しそうな顔を夫に向ける。

「あなた……。あなたがそんな顔をしていては、私は黄泉へ旅立てないわ。
 こんなことになって、あなたには本当に申し訳ないし、この国がどう発展していくのか見れないのは少し残念だけど……、あなたも私も頑張ったでしょう? 最後は笑って見送ってほしいわ……」
イザナギは妻の小さな手を両手で包み込む。
「ウッ……ウッウッ……、イ、イザナミ……」

もうすぐで空が白み始めようかという刻、イザナミは弱った顔に精一杯の笑顔を浮かべて黄泉の国へと旅立っていった……。
「ウォォォォォォォォ、イザナミーーーー!!!」
その新しい国には妻を失った男の慟哭が木魂した。


イザナギはイザナミの体をキレイに清めると、出来たばかりの国の中でも、特に見晴らしのいい『比婆山』に妻の亡骸を葬った。
「イザナミ……。こっからなら俺達の、いやお前の造った国が全部見渡せるぞ!」
比婆山には柔らかな風が通り過ぎる。


妻を失ったイザナギだったが、イザナミが残してくれたこの国を守っていくために懸命に働いた。
その甲斐もあって、二人の造った国はますます美しい国へと発展していった。

少しの手も抜かず、国造りを子供である多くの神々と進めていくイザナギ。
しかし、胸中には黒い感情が一つだけしこりのように残っていた。

「カグツチ……。やはりあいつだけは許すことが出来ない……」

毎日忙しく働いて何とかその黒い感情を葬り去ろうと努力していた。

473伊邪那岐5:2015/04/17(金) 19:54:15 ID:fGkoUhTc
しかし、ある時のカグツチの不用意な一言がイザナギをキレさせる。

「ヒノカグツチ。母さんの墓参りに行こう」
「嫌だよ、墓参りなんて。俺も忙しいんだぜ」
「なに! 嫌とはなんだ!」
「なんだよ。まだ俺の所為で母ちゃんが死んだと思ってんのか? 俺は火の神だぜ。ああなるのは分かってるってもんだろ」
「貴様! その口の聞き方はなんだ!!」
「だってそうだろ! じゃあ俺はどうやって産まれたら良かったんだ! 俺を産んで死んだのなら、それが母ちゃんの寿命だ!」
「きぃさぁまぁ~~! 許さんぞ!」

ガチャ!
イザナギは秘蔵の『十握剣《とつかのつるぎ》』を握りしめる。
「父ちゃん。その剣を使うんだな。俺を殺すつもりなんだな!」
カグツチも全身から真っ赤な炎を舞い上げて、臨戦態勢に入る。
「おおともよ! イザナミを侮辱する貴様など切り捨ててくれようぞ!」

バチーン!!
ガ・キーン!!!
シュオオオオオオ!!!

激しい剣戟と炎があたりを支配する。
何十合にも及ぶ凄まじい戦闘となる!

「これで最後だ!」

イザナギが雄叫びを上げる!
長時間に渡る戦いは、果たしてイザナギの勝利に終わった。


イザナミを侮辱したとはいえ、とうとう息子の一人であるヒノカグツチをその手で葬ってしまったイザナギ。

国はそれまでの頑張りが功を奏して上手く回っていた。
多くの子供神々達がそれぞれの役割を上手くこなしていた。

子どもたちも独立し、傍らにイザナミもいない。
イザナギは寂しかった。

来る日も来る日も比婆山の山頂から海を見て過ごした。

来る日も来る日も。

来る日も来る日も、一人で海に向かって妻に話しかけていた。


ある日の夕暮れ、いつものようにイザナミとの時間を(一人で)過ごしたイザナギは家に帰ろうと腰を上げた。
その瞬間。
「もう、イザナミのいない世界は我慢できない」
イザナギは一つの決断をした。

「死の国に行こう」

神であるイザナギにとっても大きなタブーではあるが……、黄泉まで降《くだ》って行って彼女を連れてこよう。
どんな結果になるとしても。

そう決断すると、もうイザナギは居ても立ってもいられなくなった。
「今すぐ! 今すぐイザナミの元へ!」

取るものもとりあえずイザナギは黄泉の入り口まで走っていった。
イザナギの健脚に、夜のうちに地底への穴に到着した。
もう一度、星空を見上げて決意を固めると、ゆっくりと深い地の底へと潜っていった。


--


薄暗い洞窟をどんどん進む。
長い長い道のりだったが、ようやくイザナギは黄泉の国の扉に辿り着いた。

「ここが黄泉か……。寂しいところだな」
イザナギは巨大で殺風景な扉の前に立つと大声を張り上げた。

「私は伊邪那岐命という者だ! 先日こちらに我が妻がやってきたはずだ!
 迎えに来たぞ! イザナミ!!」

……。

返答はない。
イザナギは巨大な扉に手を掛けてみるが、巨大な石の扉はびくともしない。

「おーい、イザナミー。俺だよー、イザナギだよー! 
 会いに来たよーー」
イザナギの大きな声に涙が混じる。
「……出てきてくれよ。イザナミ……。もう一度会いたいよ……」

無駄足だったのだろうか?
やはり生者が来る場所ではないのだろうか?
イザナミを連れて帰ることは叶わないのだろうか?
せめてひと目イザナミを見ることは叶わないのだろうか?

474伊邪那岐6:2015/04/17(金) 19:54:27 ID:fGkoUhTc
その時、扉の向こうでなにか気配がした。
「イザナミ! いるのか、そこに!!」

扉の向こうからか細い声が返ってくる。
「あぁー、あなた……。イザナギなのね……。来て……くれたのね……」

イザナミだ! 確かにイザナミの声がする!!

「もちろんだ。あぁ、早く顔が見たいよ、イザナミ。まだ俺達の国造りも終わってないじゃないか。
 一緒に帰ってもっとたくさんの神々を産もう。
 いや、神などもういなくてもいい。二人で静かに暮らしていきたいんだ!」
「あなた……」
「失ってしまって初めて思い知らされたんだ。イザナミがどんなにか俺に必要なのかってことに。
どんなに俺がイザナミを愛しているかってことに!」
「あぁ、あなた……」
「イザナミ!帰ろう、一緒に!!」

イザナギは扉に遮られ、姿の見えない最愛の妻に精一杯の愛を伝える。
暗く湿った地底の奥の奥にある黄泉の国にはまるで似合わない言葉だった。
それでもイザナギは精一杯の愛を妻に伝えた。

扉の向こうでは、イザナミの啜り泣く声がする。

「どうしたんだ、イザナミ。まだあの火傷が痛むのか?」
「あぁ、あなた。イザナギ……」
ますます泣き声は大きくなっていく。

「どうしたんだ。イザナミ! 大丈夫か? ここを……ここを開けてくれ、イザナミ!」
「あぁ、あなた。あぁ、どうして……」
一層イザナミの悲しげな声が響く。
「どうして……どうして、もっと早く来てくれなかったの……」

早く?
そうだ。どうしてもっと俺は早く迎えに来なかったのだろう。海に向かって悲しみに暮れていても仕方なかった。もっと早く妻をこんな暗い場所から連れ出してやるべきだった。
「ごめん。ごめんよ、イザナミ遅くなって」
「あぁ、あなた……もう……もうダメなの……」

ダメ? 何がダメなんだ? 今だってはっきりイザナミの声が聞こえている。俺の妻を、俺が連れて帰れないなんて莫迦なことはない。もし黄泉の国の神が邪魔しようとしているなら切り捨ててでも連れて帰る。
そう考え、十握剣を握りしめる。
だが、イザナミの返答はそんなことではなかった。

「私……、昨日までは我慢していたの……、でも、もうどうしても我慢できなくなってしまって……食べてしまったの……。
この……黄泉の国の食べ物を……」
「なんだって!?」
黄泉の国の食べ物を口にする……。
それは生者との縁を切ってこちらの世界の住人となることを意味していた。

イザナギの胸中に後悔が広がる。
なんてバカな時間を過ごしてきたんだ……。
すぐにでも来ていれば……。

「イザナミ!すまない、迎えに来るのが遅くなってしまって……。でも、どうしてもダメなのか? もう帰れないのか?」
「あなた……。
私はこちらの食べ物を口にしてしまったけれど、あなたがせっかく迎えに来てくれました。地上に返してくれるかどうか、一度黄泉の国の神様に相談してみるわ」

微かな希望の光が灯る。
もしかしたらイザナミと一緒に帰れるかもしれない!

「でもね。一つだけ約束して。
私が戻ってくるまで決して……この扉のこちら側には来ないで欲しいの……、いい?」

なぜ今すぐ扉を開いてくれないのだろう。
俺は今すぐにでもイザナミの顔が見たいというのに!

しかし、どちらにしろさっき試して通り、この巨大な扉は開かなかったし、生者が動かせるものではないのかもしれない。
それに待っていれば、イザナミがこっちの神様と相談して戻ってきてくれるはずだ。

「分かった。約束するよ! その代わりっ……、必ず戻って来てくれよ!」
「もちろんよ、あなた。それじゃちょっと行って来るわね……」

扉の向こうでイザナミが動く気配がした。

黄泉の入り口でイザナギは待つ。

475伊邪那岐7:2015/04/17(金) 19:54:42 ID:fGkoUhTc
……。
…………。
……………………。

暗い洞窟で、ただイザナギはじっと待つ。

……。
…………。
……………………。


どのぐらいの時間が経過しただろうか。
暗くて分からない。

もともと気の長い性格ではない。
早くイザナミと会いたいという逸る気持ちも抑えられない。

「イザナミは待ってろといったが……」
もしかしたら黄泉の国の神がなかなか首を縦に振らないのかもしれない。
加勢に行かなければいけないような気がしてきた。
愛するイザナミのために!

「よし、行こう!」
と、決意してふと目の前の扉の事を思い出す。
さっきも開けようとした……しかし、この巨大な扉はイザナギの力を持ってしてもびくとも動かなかったのだ。

「もう一度試してみよう」
冷たい石の扉に両の掌を当てて力いっぱい押しこむ。

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
やはりその扉はびくともせずに目の前に立ちはだかる!

もう一度。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
やはりその巨大な扉は微動だにしない!

「ふぅ……」
やはり生者には開くことの出来ない扉なのだろうか?
そうしている間に経過した時間でもイザナミは姿を現さない。
「クソっ!」
イザナギは忌々しげに石の扉を水平に蹴りつける。

ズズッ……。

「えっ!?」
暗くて定かではないが、今扉が動いたような……。

もう一度同じように扉を蹴りつけてみる。

ズズズッ……。

動いているっ!
今度ははっきりと扉が移動するのが視認できた。

……。

これはもしや……引き戸?

引き手のようなものはついていないようだが、真横に動く構造になっているようだ。
イザナギは掌を扉に添えると横方向に力を込めてみた。

ズズズズズッ

難なく石の扉は動き、黄泉の国はイザナギの前に姿を現した。

「くそったれ! 俺としたことが慌てすぎていたぜ。生者がどうとか全然関係ねーじゃねーか」

扉を開けた先からは饐《す》えたような臭いが流れてくる。
洞窟の両側にはロウソクが灯り淡い光を放っている。
だが、長い一本道になっていて、その先の中心は闇に収束しており先が見えない。

「行くしかねぇ。待っててくれ、イザナミ!」
イザナギは冥界へのその一歩を踏み出した。

476伊邪那岐7:2015/04/17(金) 19:55:33 ID:fGkoUhTc
暗くジメジメとした地を踏みしめながら一歩一歩進む。
時折、体の腐乱した餓鬼がちょっかいをかけてくるがイザナギは意にも介さない。
しつこい餓鬼は十握の剣で切り捨てながら、イザナミの姿を探す。

「イザナミは黄泉の国の神に聞いてくると言っていた。恐らく最深部が一番目立つところに違いない」

辺りは暗く見通しは悪いが、其処此処に気味の悪い火が焚かれていて道を失うほどではない。
そして何よりこの酷い匂いの強い方向に向かえば、黄泉の神とイザナミのもとに辿り着けるという確信があった。


イザナギがちょうど餓鬼を百匹ほど切り捨てた頃、目の前に大きな登り階段が立ち塞がった。
階段の先は闇が深く、何が待ち構えているのかここから伺うことは出来ない。しかし、この先から漂ってくる強い悪臭が黄泉の神の居場所を予感させた。

「ここだな。よし、行くぜ! 待っててくれ、イザナミ!」
黄泉の神を説得するため、そしてイザナミと一緒に帰るため、イザナギは一気に階段を駆け上がる。

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉ! イザナミ〜〜〜〜!」

長い階段を予想していたが、ほんの二十段ほどで階段は終わってしまった。頂上には、半径五十メートルほどだろうか。円形の広場が広がっている。
壁には松明が焚かれ、中央に何やら大きな影と、もう一つの人影を確認することが出来た。

「イザナミッ!」
人影は妻に間違いない!
イザナギは一気に駆け寄る!

ゆっくりと人影が振り返る。

「イ……イ、イザナミ?」

振り返ったその顔は悲しそうでいて、恨めしそうでいて、怒っているような、悲痛な表情を浮かべていた。
「あなた……来て……しまったのね」

その姿を見てイザナギは驚愕する。
愛する妻はすっかり変わってしまっていた。
片目は垂れ下がり、あらゆる皮膚はただれて剥がれ落ち、かろうじてイザナミと分かるほどに醜悪な姿となっていた。
そしてこの強烈な悪臭は、他ならぬイザナミから漂ってきていた。

「こんな姿あなたに見られたくなかった……」
顔を伏せたイザナミの空の眼窩から、涙らしきものが零れ落ちる。

「イザナミ……」
イザナギの胸に、後悔、恐怖、嫌悪、そして妻に迎え会えたという僅かな歓喜といった複雑な感情が去来する。

「どうして……、どうして待っていてくれなかったの!!!!」
顔を上げたイザナミには、激しい憎悪の感情が宿っていた。

「こんな姿あなたに見られたくなかったのに! 待っててってお願いしたわよね!?」
イザナミは怒りをイザナギにぶつける。

「フハハハハハハッ。だから言ったろう、イザナミよ」
イザナミの背後に鎮座する男が高笑いする。
「既に黄泉竈食ひ《よもつへぐい》を済ませたお前が地上に帰れるわけがなかろう。
フハハハッ、それよりも見てみろ、お前の元旦那の驚愕した表情を! 
フハハハッ! 確かに仕方ないのぅ。生者が妻のこんな姿を見てしまってわな」

黄泉の神の下品な高笑いを響き渡る。
その傍らでイザナミは泣き崩れる。
イザナギはただその場に立ち尽くしていた……。

「こんな姿をあなたに晒すなんて。
 私にここまでの恥をかかせるなんて……」
イザナミはキッと顔をあげて真っ直ぐにイザナギを見据える。

「あなたなんて死んでしまえばいい!」

イザナミは強烈な呪詛の言葉を投げつける。
それを聞いたイザナギは悲しそうにイザナミに背を向けると一筋の涙をこぼした。
と同時に、どこから湧いたのか、わらわらとイザナミの背後に群れる者達がいた。

「さあ、黄泉醜女ども! かつて私の愛したあの男を殺しておしまい!」

477伊邪那岐9:2015/04/17(金) 19:56:01 ID:fGkoUhTc
イザナミの号令とともに数十体の黄泉醜女が一斉にイザナギに襲いかかる。
イザナギは背を向けたまま微動だにしない。

「キシャアアアアアアアアアア」
黄泉醜女は次々とイザナギに飛び掛かり、幾重にも折り重なってイザナギを取り殺そうとする。
あっと言う間にイザナギを中心に小高い山のようになった。

「フハハハハッ。なんの戸惑いもなく元旦那を手に掛けるとは、ますますお前は見どころがあるのう。やはりお前こそ黄泉の神たる儂の妻にふさわしい!」

「キシャラアアアア」
黄泉醜女に続いて、腐乱した顔面に憤怒の表情を浮かべて、イザナミも夫に飛び掛かる!
イザナギは呆気にとられているのか微動だにしない。

「死ねぇ、イザナギィィィィ!」
獣のように立てたイザナミの爪が、イザナギの肩に食い込む。

「そうじゃイザナミ! 現世での夫を喰らい儂の妻となるがいい!」
「あぁぁぁ、イザナギィィィィ」

ガブリッ

イザナミは涙を零しながら、大口を開けてイザナギの首元に喰いついた。

一筋の血が流れ落ちる。
イザナギはそのまま……

478伊邪那岐10:2015/04/17(金) 19:56:26 ID:fGkoUhTc
両手を広げると、イザナミを引き寄せた。

「なっ!?」
黄泉の神が驚愕の表情を浮かべる。

「イザナギッ!?」
イザナミはビクッと身を震わせる。

「イザナミ。愛する妻よ。
 いいんだ。姿形なんて。
 黄泉竈食によって、どんな姿になったとしても……イザナミに変わりはないじゃないか!」

イザナミの牙が夫から離れる。
イザナギは肩に手を添えたまま、妻を真っ直ぐに見つめる。

信じられない面持ちのイザナミ。
「あなた……」
夫は優しく微笑む。
「大丈夫。俺たちならまたやっていけるさ」
「……ホントに? こんな……こんな私でいいの?」
「こんなってなんだよ。もちろんさ!」

「きぃさぁまぁらぁ」
その時、黄泉の国の神が怒りの唸り声をあげる。

「何を儂の前でくだらない話をしておるか!」
イザナミを妻に迎えるはずの算段が狂いそうな神は怒りに身を震わせる。

「貴様! 本当に目がついておるのか!? そのかつて妻だった女の姿が見えているのか?」
「なに言ってんだ。当たり前だろ。こんなもんちょっと派手なイメチェンみたいなもんじゃねぇか」
「あなた……」
イザナミがウットリとする。腐乱した顔面ではあるが。

「うぬら〜。そんなことは許さんぞ! もうイザナミは儂のもんじゃ! イザナミ! こっちへ来んか!」
黄泉の神はイザナミに向かって手を翳す。

「うぅ」
イザナミの体が黄泉の神に引っ張られる。
「あなたっ! 体が! 体が言うことを効かないの!!」
イザナミが夫に向かって助けを求める。

「大丈夫だ。そんなくだらない戒めは……。
 この俺が打ち破ってやる!」
イザナギはもう一度強くイザナミを抱き寄せる。

「ほう、黄泉の戒めをのぉ。して……どうする気じゃ?」
「決まってんだろ! イザナミを縛ってる大元をぶち壊しちまうのよ!」
「ふん。挑んでくるか」
「おおよ! あんたをぶっ倒してイザナミはこの俺が連れ戻す!!」
「ホッホッホッ、生意気を言いおって、この若造が!
こっちこそ貴様を殺して、イザナミは儂が娶ってやるわ!」

「イザナミはやらん!」
「貴様の死体は黄泉より更に深いところまで沈めてやろうぞ!」

「うるせぇ、いくぜ!」
イザナギは十握剣を構えると、猛然と黄泉の神に走りかかる!

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「そんななまくら刀で儂が切れると思うな! ふんっ!」

黄泉の神が気合を入れると、体中から濃い紫の霧が吹き出す。
紫の霧はまるで生き物のように蠢いて、黄泉の神の体を覆っていく。

それにも構わず、イザナギは十握剣を振り下ろす。


ボヒュッ……。

手応えが……ない。
黄泉の神もまるでダメージを受けていないようだ。

「くそっ。もう一度だ!」
イザナギはより一層大きく振りかぶると、剣を再び黄泉の神を目掛けて叩きつける!


ボヒュー……。

「クックックッ。何度やっても同じよ。始まりの神の一人である儂にそんな攻撃が効くわけがなかろう」

「ハァハァハァ」
幾度も幾度も剣を無為に振り回したイザナギは肩で息をする。
「どうした? もう終わりか?」
十握剣も紫の霧の効果か、既にすっかりと黒く変色してしまっている。

「ハァハァハァ」
「ふん、もう答えることも出来ぬか。
 まぁ生者が儂のそばでそれだけ動けただけでも大したものよ。
 では……。消えてもらうとするか!」
「あぁ、あなたーーーー!」

479伊邪那岐11:2015/04/17(金) 19:56:53 ID:fGkoUhTc
「……。」
イザナギはその時、結婚の宴の時の天上の神の言葉を思い出していた。

「国造りも難なくやってのけて……。お前のような者がこれからの世界を引っ張っていくのかも知れんのぉ」

天上の神も認めるイザナギの力。
「そうだ! これからの世界は俺が! 俺とイザナミが導いていく!!」

「何をぶつぶつと言っておる! さぁこれで終いじゃ!!」
黄泉の神の翳した両の手から邪悪な黒い波動が放たれる。

イザナギは変色した十握剣を手放すと、片手を突き出した。
「ホッホッ、なんじゃ? 儂の闇の波動を受け止めるのか? 面白いやってみよ!」

バシュウウウウ

闇の波動とイザナギの掌が接触する!
「うおおおおおお」
イザナギは気合いを込める。

イザナギの体が青白く発光していく!
「うおおおおおおおおおお」

青白い光はより強く輝き出す!
「うぉぉぉりゃぁぁぁっ」
再びイザナギが気合いを込めると、黄泉の神の放った闇の波動は四方に拡散し、静かに消えていった。


「な、なんじゃと!」
「あなたっ!」

「これが、俺の力。これが……力の解放か!」
全身が青白い光弾と化したイザナギが黄泉の神に向き直る。

「黄泉の神よ……。もう終わりにしよう。
 今までこの閉じた世界で好き勝手やってきたお前も……これで終わりだ!」
「そんなことはさせん!
 まだ儂の力はこんなものではないわ!」
そう言うと黄泉の神はそこら中の餓鬼や黄泉醜女をもしゃもしゃと喰い始める。
みるみるうちにその体が膨張していく!

「ガッハッハッ。それでは真の儂の力を見ていただくとしよう。
 消え失せろ! 小者が!!」

「真の力を見せるのは俺も同じさ!
 さあ、行くぜ! 黒豚神様よ!」

イザナギが纏っていた青白い波動もどんどん膨張していく。
餓鬼も黄泉醜女も、イザナミまでも青白い波動に飲まれ、部屋中に浸潤していく!

バチバチバチッ!!

やがて部屋の中心で、イザナギと黄泉の神の気がぶつかり合う。

「決着だな!!」
「さあ来るがよい!!」

両者同時に飛び掛かる。

バシュッ!!
張り裂けそうなほどに膨張したお互いの気が、そこら中で爆発を起こす!

刹那。

より大きな爆発が起こり……、部屋は青白い光で満たされた!!

「なにぃぃぃぃ!!」
「これで最後だ!
 破ァァァァァァァァァァッ!」

イザナギが突き出した拳から、青白い光弾が矢となって射出され、深々と黄泉の神の胸に突き刺さるっ!

「ぐはぁああああああああ」
断末魔の叫びをあげる黄泉の神。

「ま……ま、まさか。儂がこんな……名も無き若造に……」
強い光りに照らされ明るい広場で見る煉獄の王は……、嗄れた老人のようだった。

「最後に……貴様の名を……、儂を打ち倒した若者の名をもう一度……」
イザナギが黄泉の神に歩み寄る。
「俺はイザナギ。最高の妻を娶る『高天原のイザナギ』だっ!!」

「た……たかまが……はらの……い……ざな……」

黄泉の神のか細い声はやがて消えてゆき、後には煤けたような砂山だけが残った。

480伊邪那岐 ラスト:2015/04/17(金) 19:57:20 ID:fGkoUhTc
「はっ!?」
イザナギは慌てて振り返る。
「イザナミっ!?どこだっ、大丈夫か!」

イザナギはうずくまっている妻のもとに走り寄る。
どうやら気を失っているようだ。
腐乱した肉体が崩れ落ちないよう注意して抱き起こそうとする……その時!

「お前!!」
「っ……。あ……あなた」
目覚めたイザナミが顔を上げる。
「どうして!? すっかり元の綺麗な顔になってるぞ!」
「え!?」

イザナミは懐から円鏡を取り出す。
そこに映しだされていたのは……。
若く、張りのある美しい生前のイザナミの姿だった。

イザナミは自分の体中を確認する。
そこには腐乱している部位は全くない。
見回すと、ついさっきまで餓鬼や黄泉醜女だった者達も生前の姿を取り戻していた。

「あなたっ! あなたのお陰でわたしは……」
イザナミは感涙の涙を流す。
「イザナミっ! 俺も嬉しいよ、綺麗になって!」
意地悪に泣き顔を作って、イザナミは夫を見つめる。
「綺麗になって嬉しい? やっぱり腐乱した私も愛すなんて嘘だったのね……。シクシク」
「違う! 違うよ、イザナミ!
 腐乱しててもなんでももちろん会えただけで嬉しかったさ、でも、ほら、あれだよ、」
慌ててどもってしまうイザナギ。
そんな夫の姿を見てイザナミは舌を出してお茶目に笑う。
「う・そ・よ、あなた。本当にありがとう」
「なんだよー、脅かすなよー」
イザナギは額の汗を腕で拭う。

「それにしてもあなたが『高天原』を名乗るなんてね」
照れくさそうにイザナギが笑う。
「あの『気』の出し方に気づいた時に、天上のおっさんを思い出していたもんでな」

「でも、どうしてこの姿に戻れたのかしら。それも部屋中みんな」
「黄泉の神が居なくなっちまったからじゃねぇのか?」
「いいえ、そんなはずないわ。それじゃ生者で溢れかえってしまうもの。それに肉体の遡及なんて聞いたことがないわ」

その時階下から騒がしい音が聞こえてきた。

「何事じゃあ」
武装した餓鬼隊長たちが登って来る。
その姿はやはり異臭を放つ、冥界の者そのものであった。

「貴様らぁ!黄泉様をどうしたー!?」
肩をいからせてイザナギ達を恫喝する。

「そうか、黄泉の神の在り無しではなく、きっとあなたの力が原因なのね」
「俺の力?」
「そう。あなた剣を置いた後、青白い光を操り始めたでしょう」
「あれは、操っていたわけじゃないけどな」
「とにかくあなたからあの光は放出してたわよね。
 あの光を浴びたものが生者の力を回復させることができてるんじゃないかしら?」
「そうか、なるほど。だからこの部屋にいた者達は……」

「貴様ぁ!聞いておるのかぁ!!」
恫喝を無視された形になっている餓鬼隊長は、腐った顔を真っ黒にして怒鳴り上げる。

「よし! じゃあ五月蠅いあいつも戻してやるか。
 破ァッ!」
イザナギは掌を餓鬼隊長に向けると、青白い光弾を放つ!

「ウギャアアアア」
悲鳴とともに餓鬼隊長は消散した。

「ありゃ!? 消えちまったぞ」
「なるほど。あなたに敵意を向けてる相手には回復の力は働かないみたいね。それどころか致命的な攻撃になる、と」
イザナミはもう一度部屋を見回すと、元いた餓鬼や黄泉醜女の数よりも生者たちの人数は少なくなっているようだった。
「この部屋にいた餓鬼たちも、あなたを攻撃しようとしていた者は、黄泉の神と一緒に消え去ったみたいね」
「そうか、そうじゃなきゃ黄泉のおっさんも倒せねぇもんな」

階下はますます騒がしくなっていく。
「よし! 黄泉のおっさんも居なくなってイザナミも戻ってきたとなれば長居は無用だ! 下が溢れかえっちまう前に脱出するぜ!」
「はい! あなた!」
イザナギは大声で部屋中の生者に呼びかける。
「この部屋の生きてる者よ! 今からこの黄泉の底から脱出するっ!
 俺が露払いをする。遅れずに着いて来いよっ!」

そう告げるやいなや、再び青白い闘気を纏って、階段を飛ぶように降りていく!
イザナミもそれに続く。

「破ァァァァッ!」
襲いかかる魔物たちを、いとも容易く消滅させながら、イザナギとイザナミは手と手を取り合って暗いトンネルを登っていくのだった。

481寺生まれの名無しさん:2015/04/17(金) 20:05:03 ID:PubAZL0w
>>467
霊感関係ないTさんかっこいい!!!

482☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/17(金) 23:35:15 ID:RowInmhw
>>480
ありがとぉぉぉ!!ございます
凄くすっきりしました
ちょっと少年漫画チックなのがまた良い!


そして自分はちゃんと気がついたぜ
これは「高天原(Takamagahara)のTさん」だろう!

てことは…Tさんは伊弉諾尊の生まれ変わり…?

483寺生まれの名無しさん:2015/04/18(土) 00:17:03 ID:FE4sKfws
最近、Tさんの外見イメージがジョジョ2部のジョセフになってきた

484寺生まれの名無しさん:2015/04/18(土) 01:18:02 ID:2SqcQSQo
>>482
そうなんです!
むりやりだけどいいTがなくて高天原にしました!

485寺生まれの名無しさん:2015/04/18(土) 17:28:18 ID:rAgc12Ag
自転車に乗ってて体験した話。

自分の向かいから走ってくる自転車がいるとさ、
お互い道の譲り合いでフラフラして大変になることってあるよね。

俺は気づいたらなるべく早く端に寄ってやり過ごしてて、あの日も30m位先に自転車が走ってるのを見つけて道の端に寄せながら走ってた。
そしたら向こうも同じ側にわざわざ寄っていくんだよ。
仕方ないから今度は反対側に避けたんだけど、またすぐ同じ側に寄せてこられてさ、ちょっと焦った。
ボーッとしながら走ってたから、相手をちゃんと見て避けなきゃヤバい、と。

でもそこで気づいたんだけど、相手の自転車との距離が変わってないの。
あれ?と思ってよく見てみると、向こうの自転車と自分、進行方向が同じだったんだよ。
普通はそこで安心するんだろうけど、それに気づいたらもう俺はパニックになった。

だってそいつこっちに顔が向いてんだよ。
黒のだぼっとしたワンピースを着てて、確かにこちら側に顔がある。
夕方の光の加減のせいか顔の表情ははっきり見えないんだけど、確かに顔なんだ。
帽子でもお面でもない。

なのにそいつは自分の前方を同じ方向へと走ってるんだ。

よく見て確かめると自転車の向きは普通で、体は正直どっち向いてるのか分からなかった。
黒のワンピースの裾が足までかかってんだよ。

でもそん時気付いたんだ。
なんでこいつは俺が避ける度にすぐ同じ方向に動くんだ?
やっぱりこっちを完全に認識してんだろ!?

もう訳がわからなくなって、でもヤバいってことは感じてたからとっさに曲がって横道にそれたの。
それからは後ろは振り返らずにかなり回り道した。

それで、さあもう一つ角を曲がれば家だというところで、また前方に自転車が見えた。
嫌な予感はしてたんだけどやっぱりあの黒いワンピースの自転車だった。

違ったのは、今度はこっちとの距離が詰まってきてる。
というか全速力でこっちに向かってきてる!

あ、俺死んだ。と思っちゃてさ。もう足も動かなかった。
目を閉じることも忘れちゃって、ただそいつのにやけた顔を見てたよ。
そんで、もう自転車がぶつかる! って時にあいつの自転車が思いっきり横へ弾き飛んだんだ。

「もう大丈夫だ」

声の方向を見るとそこにいたのはガードマンの格好をしたTさん!

「ちょっとそこでバイトしてたらウロウロと走るお前らが見えたんでな」
黒いワンピースのあいつは起き上がると同時にTさんに飛びかかっていってた。

「破ァッ!」
Tさんは右手に持ってた誘導灯でぶっ叩くと、黒いワンピースはあっという間に消えていった。
Tさんの青い闘気と、誘導棒のオレンジの光が混ざり合って、とてもキレイだったよ。

それと同時に通りを一本挟んだ国道から多くのクラクションが鳴り響いてくる。
「おい、バイトォ! 勝手に持ち場離れるんじゃねぇ!!」
「おっといけねぇ。全く俺がいねぇとこの世は回らねぇみたいだぜ! じゃなっ!」
そう言うとウインクして誘導棒を点滅させながらTさんは颯爽と走り去っていった。

そしたら今度は騒ぎで近所の人が通報でもしたのか、自転車のお巡りさんがやってきてな。
「これ、君の自転車?」
って黒いワンピースのあいつが乗ってた自転車を指さして言うの。
「違います……」
「じゃ、誰の? この辺でもみ合ってるって通報があったんだけど」

一応最初から説明したんだけど、やっぱり信じてくんなくてさ。
結局交番連れてかれて開放されたのが3時間後。

Tさん、いっつもカッコいいけど、去り際が見事なのはこんな理由もあんのかもしれないな、って思いながら帰ったよ。

486寺生まれの名無しさん:2015/04/19(日) 14:25:07 ID:d/oCHll6
振り向いた その後ろの (正面だぁれ?)
暗闇に 爪を立てて (夜を引き裂いた)

雨だれは血のしずくとなって頬を
つたい落ちる
もうどこにも帰る場所が無いなら

この指止まれ 私の指に
その指ごと 連れてってあげる
ひぐらしが鳴く 開かずの森へ
後戻りは もう出来ない

ひとりずつ 消されてゆく (蒼い炎)
暗闇の その向うに (朝はもう来ない)

鏡の中で 蠢き伸ばしてくる無数の手で
破ぁ 誰かをここへ誘う気だったか

鬼さんこちら Tさんのほうへ
どんなに逃げても 滅してあげる
霊感がある 寺生まれから
逃げおおせた 鬼はいない

487( ( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/04/19(日) 15:11:29 ID:yG2LpQRc
>>469
日本神話の神様たちがたくさん出てきましたね。
Tさんどうやって出てくると思ったら、イザナギが破ァ!したので驚きました(笑)
流石に神話の神々の中にTさん出せないですよね(笑)

488寺生まれの名無しさん:2015/04/19(日) 17:03:43 ID:1kQ4Tnas
良く行くのコンビニのすぐ側に小学校がある
小学校が嫌いなので、いつもは遠回りしていたが、夜も遅くだからと小学校前を通ってしまった
暗い校庭が見えたんだが、黒い影がブランコに乗ってるのが見えて、不審者かもと歩みを止めてしまった

黒い塊みたいな影はぬるって感じで動いて、ブランコ、ウンテイ、ジャングルジム、鉄棒、登り棒、滑り台に纏わり付いてから、大きな鉄棒……バスケットゴールに

ヤバいと思って走り出した背後から「見てたでしょ?」という男の声が聞こえた

慌てて近くのコンビニに駆け込んだけど、怖くて仕方なかった

小学校が大嫌いなのは、実は昔首吊りの第一発見者になってしまったことがあってからなんだ
早朝正門の向こうに人影を見たんだけど、用務員だと思って見てたんだけど、他の人が来て、一緒に見に行ったら首吊りだった
その自殺者なんだけど、全部の遊具で遊んだらしく、暫く黄色いテープで遊具は使えなくされてた

で、コンビニで少し気持ちを落ち着けて周りを見ながらゆっくり店を出た
今度は小学校を通らない道で、遠回りして帰ろうと思った時だった

「なに買ったの?」
また背後でさっきの男の声が!

恐る恐る振り向いてみるとなんか袈裟? を来た坊さんみたいな男が立ってた

「さっき小学校にいた人だよね。いつも不法侵入してるわけじゃないんだ。ちょっと好奇心でね」
突然言い訳めいたことを言い始める坊さん。
どうやら幽霊とかではない?

「あの……」
「あ、ごめんごめん。身元も明かさずに。俺は寺生まれのTってもんで……」

寺生まれのTさん。
聞いたことがある。たしかすごく霊感が強いとかいう……。

「じゃ、これ」
そういってTさんは一つのプリンを差し出す。

「黙っててくれよな!」
そう言うと袈裟をなびかせながら夜道に消えていった。

手元に残された一つのプリン。
「なんか……気持ち悪い……」

コンビニのゴミ箱にプリンを捨てて、私も無事に家に帰ることができました。

489寺生まれの名無しさん:2015/04/19(日) 17:06:05 ID:1kQ4Tnas
>>487
いや、伊邪那岐Tさんも良かったけど、神々をのしてく寺生まれのTさんも見てみたい!

490寺生まれの名無しさん:2015/04/20(月) 01:20:20 ID:Qundd2WI
>>488
まさかそのプリン万引k…
なわけないよね!ね!?

491ハイヒールの音:2015/04/20(月) 16:30:42 ID:KujjmUsk
たいした話じゃないけど
姉が体験した話

姉、昔は夜のお仕事のホステスさんで独り暮らしだったんだけど
仕事は夕方から深夜3時くらいに終わって4時に帰宅ってサイクル

んで、ある日いつも通り独りコツコツと誰も居ない夜道を歩いて帰る訳よ
そしたら、ヒール音がどうも二重に聞こえる
変だなー?と思いつつそのまま歩くけどやっぱり二重に聞こえる
両サイドの塀に音が反射してんのかとも思ったけど
いつも反射なんてしないし
何かヒールの音が若干違うし少しリズムも違う気がする

一旦足を止めて後ろ振り向いても誰もいない

足音も一緒に止まる
変なのって思いながら前に向き直ったら
自分の僅か1メートルも無い目の前に
セミロングヘアで赤いスーツとタイトスカートはいた女性が後ろ向きに立ってたらしい

あまりにびっくりして固まってると
「破ァッ!」
って声がして、まるでアニメとか見てるみたいに頭からすうっと消えていき最後に足まで完全に消えたらしい
代わりに今度は不気味に笑う坊主の男が女の立ってた向こう側に立ってて
そこで我に返ってウワアアアッて走ってパニックになってたから
うっかり女性が立ってた付近を走り抜けた
その地点で何かにズルズルって通り抜ける気持ち悪い感触まであったらしい

坊主の男の横を通り過ぎる時、男は
「おいちょっと!俺は怪しいもんじゃ、寺生まれの……」
とか意味分かんないこと言ってたらしいけど、無理向かずに走って逃げてきたって

その後しばらく姉は自宅には帰らず実家から仕事通ってた。

492タヌキ事故:2015/04/20(月) 16:53:13 ID:KujjmUsk
四国から東北まで荷物を運ぶ為にトラック運転中にタヌキを轢いた
暗闇の峠道で見えた瞬間にはもう避けようもない状態だった
休憩によった店先で車体を確認したら特に傷痕もなくてちょっとバンパーの角に汚れがある程度で安心してた

愛知に入って朝になり同乗に運転任せて後ろで仮眠してると何か切羽詰まった緊迫感でガバッと目が覚める事が何度かあった
自分は熟睡タイプで今までにそんな事はなくて、それでも疲れすぎなのかと思って気にもしてなかったんだが卸先に到着してから左腕がジクジクと痛んでアザが出来てる事に気がついた
どこかにぶつけた記憶もなくって、まあ寝てる間に何かに当たったのかなと思ってたんだ

ところが事務所に帰ってからトラックを点検していて気がついた
バンパーと車体部分にタヌキと思われる小さな切断された足があったんだ
多分当たった時に挟まって切断されたんだろうと思った
左の前足かどうかは分からなかったけどやっぱり気になったんで近くの野原に埋めて拝んだ

関係ないとは思うけど、それからしばらくしてその時同乗していた奴の家族で立て続けに不幸があった
自分の方はそれからは特に何もなく平穏無事だと思ってたんだけどついに昨日の夜金縛りにあっちまった

あ、金縛りだ、って思ったときにそのタヌキのことが頭をよぎった
腹の上には4つの小さな足の感触
そりゃあ、生き物を殺しちまったんだから今度は俺が取り殺されても仕方ない
と観念したところで、ふっと、体の自由が戻った
起き上がってみると、部屋に一人の男が立っている

あれは寺生まれのTさん!

「何故すぐ供養してやらなかった」
Tさんは小さく呟く
胸には柔らかく白く光る何かを抱いている
「こいつだって飛び出したのが悪かったとわかっている。それだって手を合わせるぐらいしてやらなきゃ成仏できないだろう」
白い光はタヌキに形作られていく
悲しそうな顔で俺を見ていた
「……っ。すみません」
「さっきは因果応報だと潔く観念しただろう。お前はもともと優しいやつなんだ」
「うっ、うっ」
いつしか俺は涙を流していた
白い光が眩しく輝いていく
「こいつもお前がそう思ってくれただけでもう満足だってよ」
白い光が拡散していく
「これからもその心を忘れずにな。破ァッ!」
青白い光に包まれていく

目が慣れた時にはいつもの暗い部屋だった

それからは俺にも同情していた奴にも、特に不幸は訪れていない

493廃旅館の大女:2015/04/20(月) 17:20:13 ID:KujjmUsk
先輩のお兄さんから聞いた話

そのお兄さん(以下兄)が、友達3人を連れて、計4人で近所にある不気味な建物に肝試しで行ったのよ。
その建物は、昔結構繁盛してた旅館
だったらしいんだ。雨垂れで黒ずんでて、ツタがすごく這ってて、雰囲気からしてヤバかったらしい。
入口はビニールシートで覆われてて、それをどかして入った。
どかしてすぐ目に入ったのが、古びた日本人形だったそうな。一瞬ビビったらしいけど、俄然乗り気になって、館内を探索し始めた。

2階まであったらしいんだけど、2階まで行ってると夜が明けるから行かなかったんだって。
そんな訳で右手にある部屋から探索し始めた。
部屋を何個か見てくうちに、すごい部屋があった。
壁、天井、全て血のような赤色で染まっていたらしい。
流石にこれはガチだwwwヤバいヤバいwwwみたいになったらしいんだけど、ここで逃げたら男じゃないっていって続けたそうな。

そしてもう一個ヤバい部屋を見つけた。
天井から首吊りようの縄が垂れてたんだって。ビビってたら、兄の友達の中には霊感がある人がいて、その人が
「ここはホントにヤバイ。そろそろ引き上げよう。」
って言い出したんだって。だけどそんなのお構いなしで続けたらしい。
右手にある部屋は全部調べ尽くしたから、次は正面にある部屋を調べることにした。

部屋を調べ始める前に、正面廊下をバックに写真を撮ろうって1人が言い出した。
もしかしたら何か写るかもなwww くらいのノリで撮ってみた。
確認してみると、ホントに写ってたんだって。
廊下の奥のほうに、長い黒髪の女が立ってたらしい。
重要なのは、その女の大きさなんだ。
廊下は結構奥まであって、奥のほうに女がいるならすごく小さくなるはずなんだ。
すごく頭のいい友達によると、2メートル以上はあったらしい。

それに気付いた全員が絶句したんだけど、霊感ある人が、
「この写真すぐに消してくれ。さっきの部屋より強く感じる。今すぐ消してくれ。」
って言うからすぐに消したんだって。

結局部屋は全部調べてみたんだけど、特に何もなく、すぐ終わったらしい。
夜明けまで時間が少し余ったから別館に行こうと友達が言い出した。正面廊下を左に曲がると渡り廊下に繋がってて、そこから別館に行けるようになってた。
渡り廊下を歩いて、別館へ行ってみようとした。
だけど、渡り廊下を半分も行かないうちに霊感ある人が立ち止まって真剣な顔して、
「あれ、俺何でこんなとこいるんだ?え?お前らもどうしてここに?」
って言い出した。兄がそいつを抱えて、全員で叫びながらその建物から逃げ出した。

それでもその霊感ある人のおかしな言動は止まらない。
そのうち意味もない言葉を絶叫し始めたらしい。
友達たちもそのまま逃げ出したかったんだけど、見捨てていくわけにもいかずオロオロするばかりだった。

その時背後でバリトンの声がした。
「もう大丈夫だ」

振り返るとそこには寺生まれのTさんが!
すぐさま絶叫している霊感ある人の胸に手を押し当てた。
「破ァッ!」
っと気合いを込めると青白い閃光が走ったようになって、次の瞬間には霊感ある人も共に戻ってたって。
「あれ? おれどうして外に……」
「中途半端に霊感があるのがよくなかったな。悪いものでも受信しちまったようだな」
そういうと廃旅館を見つめるTさん。

「今楽にしてやるぜ」
そう言うと今度は旅館に向かって手を翳すと、
「破ァァァァァァァァァァァッ!」
っとさっきより強い気合いを込めると、手からはどでかい光弾が!

バシュウウウウ

次の瞬間には廃旅館は跡形もなくなってた。
「肝試しもいいが、中には本当によくない場所もある。若気の至りもほどほどにな」
そう言うとどうみても年下の寺生まれのTさんは颯爽と去っていったそうだ。

寺生まれってやっぱり憧れる!
その場にいた全員がそう思ったそうだ。

494寺生まれの名無しさん:2015/04/20(月) 20:32:43 ID:SDlvzbmI
今日はちかともの方の更新はなしか…残念

495庭の死体:2015/04/20(月) 21:02:13 ID:yT.g1wis
あるところにとても仲良い年配の夫婦がいました
とても仲良く近所でも評判でした
でもある日妻が病気で死にました
夫は泣いて、泣いて一晩中泣いたようです。

夫は『妻は焼きたくない。自分の家の庭に埋めよう』そう考え、庭に埋めたそうです
次の日起きたら、妻の死体が横にあります
不思議に思ったのですが、また埋めたそうです

でも次の日、また次の日も埋めたはずの妻の死体が自分の横にあります

さすがに不気味になってきて隠しカメラを庭、リビング、寝室に設置しました

次の日も起きたら妻の死体が横にあります。
隠しカメラを思い出して、何があったのか見たそうです。
そしたら自分が必死に庭から妻を掘り出して、引きずり、寝室に持っていってる姿が映されていました

「未練があっても供養してやらなきゃ可哀想だぜ」
その時背後からそう語るバリトンボイスが。
振り返るとそこには寺生まれのTさんが!

「仲良かったんだな。火葬したくない気持ちもわかるぜ。
だがこのままじゃ、奥さんは成仏できねぇ。それどころかあんたを憑代にして悪霊化しちまうだろう。
奥さんをそうしたいのかい?」

夫は咽び泣きました。
その時初めて奥さんが死んだことを受け入れることができたそうです。

「破はっ。もう大丈夫なようだな。
それじゃ邪魔したぜ!」
そういって居間から出て行くTさん。

夫はTさんに深い感謝の念を抱きながらも受話器を取り上げました。

「もしもし警察ですか? 今うちに不法侵入者が……」

496寺生まれの名無しさん:2015/04/20(月) 21:04:34 ID:yT.g1wis
>>494 更新されてたよ?

497寺生まれの名無しさん:2015/04/20(月) 22:52:27 ID:SDlvzbmI
「Tさんの」更新が無かったって意味で

498☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/20(月) 23:16:46 ID:G.a85GRI
>>492
たぬき…( ノД`)


最近K成分が不足しているな…(カリウムじゃないよ)

499寺生まれの名無しさん:2015/04/20(月) 23:44:20 ID:yT.g1wis
>>497 ああなるほど。カテゴリにないね。

500☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/21(火) 00:53:27 ID:5cibUlvI
500ゲト!!(出来たかな?)

ちかさん>>497だそうですが
どうなされましたか

501寺生まれの名無しさん:2015/04/21(火) 09:40:57 ID:qIKp/m16
>>497
カテゴリにないだけで、更新はされてますよね。

502chikatomo★:2015/04/21(火) 09:59:04 ID:???
>>500
すいません、カテゴリつけ忘れです!
今日の更新までに直しておきます!

503寺生まれの名無しさん:2015/04/21(火) 16:35:57 ID:00aCyH.6
今日と昨日のTさんって、以前の話と重複してない?

504chikatomo★:2015/04/21(火) 17:05:28 ID:???
あれ?してる?

と思って調べたら3.25に「それとも」あった……。
ちょっと見直します。すいません。

505( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/04/22(水) 18:19:03 ID:6rYtA8kI
>>489
いくらTさんでも神話の神々のしてくのは…(笑)

>>495
こうゆうオチ大好きです(笑)

506☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/22(水) 22:12:48 ID:BGaq1lnM
>>489
神のしてったら世界が変わってしまうw


やるならギリシア神話おすすめ
(そういえばギリシア神話にイザナギ・イザナミのような話あるよな)

507マネキン工場:2015/04/23(木) 00:09:08 ID:RrAJe4eE
幼い日、何てことなく通り過ぎた出来事。その記憶。
後になって当時の印象とはまた違う別の意味に気付き、ぞっとする。
そんなことがしばしばある。

例えば。
小学生の頃、通学に使っていた道は一面田圃の田舎道だった。
途中に寂れたマネキン工場があり、あとはそのずっと先に駄菓子屋が一軒。
人家は田圃の向こうに点在するのが見えるだけ。
マネキン工場は既に廃工場だったらしく、人が働いている姿を見た記憶が無い。
封鎖された敷地の隅にはバラバラになったマネキンの残骸が積んであり、
それが金網越しに見える。その様は面白くもあり、不気味でもあった。
工場の敷地を幅が広い側溝が取り囲んでいて、酷い悪臭を放っている。
濁り、ヘドロ状になった水。無造作に捨てられた大量のゴミ。
ある日寄り道をして、いつもは行かない工場の裏手に回ってみた。
側溝の惨い有様は道路側をはるかに上回っている。
そこで、ゴミに混じって半身を浮かせた女性のマネキンを見つけた。
白く整ったその顔立ちは掃き溜めに鶴といった風情。
引き上げて友達連中が集まる溜まり場に持って行けばヒーローになれる、
とは思ったが、水が余りに汚いし場所も遠いので諦めた。
他の奴がヒーローになったら嫌なので、この発見は誰にも教えずじまい。
それからしばらくは、その人形の様子を確認しに行くのが日課となった。
けれど、哀しいことに彼女が日に日に朽ちて行くのが分かる。

数日も経つと白い肌は薄汚れて変色し、見る影も無くなって来た。
やがて、豊かな頭髪は抜け落ちてまばらに。
艶を失った肌は黒くぼこぼこ。鼠に齧られたらしき痕すら見える。
諸行無常。最早すっかり興味を失った。
最後に見た時には、水面を覆い尽くすゴミに埋もれて、
透明度ゼロの汚水に大部分が沈んでしまっていた。
かろうじて水面に覗いた部分も、水を吸って醜く膨らんでいる。
それはもう、ただのゴミだった。

けっこう日が過ぎてからもう一度見に行った。
けれど、もう、彼女の姿はそこには無かった。
やがて小学校を卒業すると、その道を通ることすら無くなった。


高校3年の夏休み。気まぐれに思い出の場所を自転車で回った。
あの場所にも行った。景色は一変している。
田は潰されて住宅が立ち並び、工場跡は駐車場になっている。
マネキンのことを思いだし、感慨に耽る。
ふと気付いた。怖い考え。
プラスチックがあんな朽ち方をするだろうか?
既にグロ画像を多数目にしている自分。
そこで得た知識ゆえに嫌な考えを振り払えなくなった。
あれは人が腐敗して行く過程そのものだったのでは・・・?

それから俺は狂っていった。
まるで昨日見た映像のようにフラッシュバックする。
最近では、街に出れば歩いてる人が、みんなあの膨らんだ姿に見えてくる。

これを振り払うには……もう全部壊すしかない!

そう思って包丁やバット、鎌など、身近な武器になるものを持って家を出た時だった。

508マネキン工場2:2015/04/23(木) 00:09:51 ID:RrAJe4eE
玄関に一人の男が立っていた。
「もう大丈夫だ」
男は低く、優しい声でそう言った。

両手に持った武器を見られた。
壊すならまずこの男から!
俺は右手の鎌を振りかぶった。

「もう、大丈夫だ」
男は慌てる様子もなく、もう一度そう言った。

狂った俺をまっすぐに見据える、その男の眼。
それだけで俺はまるで呪いが解けたように殺意も、破壊の衝動も消え失せていた。
俺は堰を切ったように大声で泣いた。
男は俺が落ち着くまで優しく肩を抱いてくれていた。

改めて男の顔を見た。
もう膨らんだ体には見えなくなっていた。
「どうして……、俺、あんなこと……」
「お前が考えた通りさ。その工場で見たものは」
何故、この男がその事を!?
「そいつ、成仏できなかったんだな。何年もただ彷徨っていたのに、気づいたお前が嬉しくて憑いちまってんな」
「憑いて!?」
「あぁ、お前の後ろに今もいるよ」
「!?」
慌てて後ろを振り返る。もちろん俺にはなにも見えない。いつもの玄関の扉が見えるだけだ。
でも、この男にはなにか俺を信じさせるものがあったんだ。
「ど、ど、どうすれば?」
「今、俺が送るよ」
そういうと男は手を突き出して小さく気合いを込める。

「破ァッ!」
その瞬間青白い閃光が走る!

光を浴びた俺は、まさに憑き物が落ちたように体が軽くなっていた。
「あ、ありがとうございます!」
「礼なんかいいよ。お前も救えて、彷徨ってる奴も送れた。それで十分さ」
そういって男は背を向ける。

だが!
俺を救ってくれた恩人をこのまま帰すわけにはいかない。
「いえ!お待ちください!是非何かお礼を……」
男が立ち止まってくれる。

振り返った男は笑顔を見せながら、
「そうか!? いやぁ〜親父には無償でやれって言われてんだけど、君がそこまで言うなら仕方ないなぁ〜。実はうちの寺には正規の祓い料みたいのもあってね……」
男は懐からメニュー表のようなものを取り出す。
「それによると、このケースはこれ!この下級除霊料金が適用されまして……消費税入れてちょうど42,000円になります!」
男は手を揉みながら、満面の笑みを見せている。
本当にさっきまでと同じ男!?
俺は頭が働かないままサイフを取り出す。
見ると、明らかに足りない……。

「すみません……、ちょっと手持ちが……」
「今いかほどお持ちで?」
サイフから札をすべて取り出す。

壱万円札が2枚と、千円札が6枚。
「あ、それで今回は結構です! 初回ということで勉強させていただきます!」
男は札を受け取ると、素早く領収書に記入しこちらに寄越す。

「いや、今回はいい除霊をさせていただきました!三方丸く収まってみんな幸せ!
ではそういうことで、またご用命がございましたら是非お願いします!」
そう言い残すと男は風のように去っていった。

残された領収書。
『除霊代として』
『(税込)¥26,000-』
『あなたの寺生まれのT』
と記載されていた。

不思議なのは教えていないはずの俺のフルネームがしっかりと記載されていたことだ。
何から何まで手際が良くて寺生まれって凄い、おれは心からそう思った。

509寺生まれの名無しさん:2015/04/23(木) 00:11:42 ID:RrAJe4eE
>>506
Tさん神話編いいね!クトゥルーにも出て欲しい!

510☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/23(木) 01:34:47 ID:90TCBVMw
>>508
Tさん狡い!狡すぎるよ!

にしても、マネキンと人に関する話ってこわいよな
目や髪が落ちた、汚れがとれねぇぇのコピペとか、廃屋の2階でみた変人のコピペとか
人の形を成していて、人らしからぬ動きをするってのが恐怖心を煽るのか?

511☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/23(木) 01:55:25 ID:Iuf9n0Bg
>>506
自己レスだけど

イザナギ・イザナミと似たギリシア神話の話は
オルフェウスと妻・エウリュディケの話でした
あと冥界を出るまで後ろを振り返ってはならないってのが妻を甦らせる条件だそうだ

512寺生まれの名無しさん:2015/04/23(木) 12:33:26 ID:d6KN6upM
Tさん、そんなに金欠なのか・・・

513寺生まれの名無しさん:2015/04/24(金) 03:23:22 ID:Hi4MKMSs
Tさん読むだけで心が洗われる。

514寺生まれの名無しさん:2015/04/24(金) 03:27:45 ID:Hi4MKMSs
Tさんを最初に開発した人、育ててきた皆さん、これだけのための掲示版作ったりやたらTさんに執着してるちかともさん、素晴らしいです!!!
文章見るとちかともさんが結構書いてるんですよね?
管理人さんがどれを書いてるのか教えてほしいです

515☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/04/24(金) 19:54:56 ID:uHg0iIl2
※Tも良かったけど、こうやって独立した状態で読める、書ける(描ける)のは良いよね

>>514
執着と聞くと
Tさんにストーカーしている風景がうかぶZE

516寺生まれの名無しさん:2015/04/26(日) 14:34:39 ID:9Fx1Z1pM
破ぁ〜

517( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/04/26(日) 18:36:57 ID:gxycm032
>>508
Tさん珍しく除霊代請求した(笑)

518修学旅行の女子の部屋:2015/04/28(火) 00:29:40 ID:b44gnnY.
修学旅行で旅館に泊まった時、友人が女子の部屋に遊びに行こうと言い出した。
俺も同意して、どうせだからこっそり行って驚かせてやろうってことになった。
そしてクラスで一番人気のあった女子のいる部屋に行く事となった。
こっそりドアを開けると(どのように鍵を開けたかは忘れた)恐ろしい光景が。

体育座りで座り込むWさんを円になって囲むようにクラスの女子全員が立っていた。
そして、Wさんに対して「豚」「焼けど野郎」などと罵声を浴びせていた。
さらにクラスで最もかわいかった子が「じゃあ、カツラはずしまーす」と笑いながら言って、Wさんの頭に手を伸ばした。

次の瞬間、Wさんの髪の毛が全部その女の手にあった。

Wさんは頭皮も病気で、髪の毛が生えないためカツラをしていたのだ。
男子は誰もそれを知らなかった。
ショックで何が何だかわからない俺の前で女子はWさんを蹴飛ばしたりカツラをライターであぶったり。
Wさんはかすれた声でうめく。
助けを呼びたくても呼べないのだ。
俺と友人は無性に怖くなって見つからないように逃げ……ようとした時だった。

「そこまでだ!」
静かなバリトンの声が響く。
あれは隣の隣のクラスの寺生まれのTくん!

「嫌な空気を感じて来てみれば……」
突然現れたTくんに女子の罵声が飛ぶ。
「あんた何勝手に女子の部屋に……」
「破ァッ!」
一人の女の子が言い終わる前にTくんが青白い光弾を飛ばす!
ドサッ。
女の子はその場に崩れ落ちた。
他の女子達は口を開けたまま微動だにしない。俺も含めてその場にいた全員が何が起きたか分かっていないようだった。
「性根を直してやるゼ!」
Tくんはそう言うと両手から光弾を飛ばしまくる。
「破ァッ!破ァッ!破ァッ!破ァッ!」
その場にいた女子に全員光弾を浴びせていく。
「きゃああああああ」
女の子の悲鳴がそこかしこからあがる。
「破ァッ!破ァッ!破ァッ!破ァッ!」
それでもTくんは攻撃の手を緩めない。
光弾を浴びた女子は次々と髪の毛が抜け落ちてゆく!

「もう大丈夫だ」
部屋の真ん中でうずくまっていたWさんに近づくと最後の光弾を放ったTくん
「破ァッ!」
すると次の瞬間には可愛いロングツインテール姿のWさんが!
「Tっ……く…ん……」
Tくんを見つめて涙をながすWさん。

「なにやっとるかーーー!」
そこに騒ぎを聞きつけた体育教師コンビがなだれ込んできた。

「Tっ!なんでお前が女子の部屋にいる!? ちょっ!? どういう状況だこれ……」
部屋中に散らばる大量の髪の毛。
坊主頭でうずくまる女子達。

「Tっ、お前ちょっと来い! 話を聞かせてもらうぞっ!」
ごつい教師二人に連行されながらも、Wさんに向かって笑顔でサムズ・アップしながら視界から消えてゆくTくん。

寺生まれって凄い。男子皆が拍手喝采を送った。

519chikatomo★:2015/04/28(火) 00:31:05 ID:???
元ネタは胸糞悪いこれです。



修学旅行で旅館に泊まった時、友人が女子の部屋に遊びに行こうと言い出した。
俺も同意して、どうせだからこっそり行って驚かせてやろうってことになった。
そしてクラスで一番人気のあった女子のいる部屋に行く事となった。
こっそりドアを開けると(どのように鍵を開けたかは忘れた)恐ろしい光景が。
体育座りで座り込むWさんを円になって囲むようにクラスの女子全員が立っていた。
そして、Wさんに対して「豚」「焼けど野郎」などと罵声を浴びせていた。
さらにクラスで最もかわいかった子が「じゃあ、カツラはずしまーす」と笑いながら
言ってWさんの頭に手を伸ばした。

次の瞬間、Wさんの髪の毛が全部その女の手にあった。
Wさんは頭皮も病気で、髪の毛が生えないためカツラをしていたのだ。
男子は誰もそれを知らなかった。ショックで何が何だかわからない俺の前で
女子はWさんを蹴飛ばしたりカツラをライターであぶったり。
Wさんはかすれた声でうめく。助けを呼びたくても呼べないのだ。
俺と友人は無性に怖くなって見つからないように逃げた。
次の日、Wさんもクラスの女子も何事も無かったように京都を観光していた。
それが一番怖かった。

時がたって同窓会が開かれた。Wさんはすでに亡くなっていた。
俺は思い切って女達に修学旅行でのことを聞いてみた。
すると例の一番かわいかった女の子が「あんなの別に死んだっていいじゃん」といった。
趣旨がちょっと違うかもしれないが、これが俺の経験した最も怖い話です。

520寺生まれの名無しさん:2015/04/28(火) 04:02:07 ID:bKIRB3vg
>>519
これ有名なコピペだ。
Tさんナイス!!

521寺生まれの名無しさん:2015/04/28(火) 11:30:43 ID:i02WD/5I
Tさん、男前すぎるぜ・・・!

522もし私が……:2015/04/28(火) 22:38:46 ID:b44gnnY.
あれは私が18歳の頃地元で有名な心霊スポットへ行った時のことでした
当時私は同じ学年の男子と付き合っており、その他のカップル達とグループ交際をしていました

3組のカップル、計6人で山中にある古いトンネルに向かいました
トンネルの前にあるスペースに車を止め、静かに中へ

中は驚く程、静寂としていました。私は余りにも恐かったので彼の腕にしがみ付き眼を閉じていました
私達の前では他のカップル(仮にAとBとします)
A「やだぁ〜B、恐ぃょ〜」
B「大丈夫だって、いざって時は俺が守ってやるから・・・」
A「B・・・う・・ん!でも怖いょ・・」
などと浮かれた会話をして熱愛ぶりを発揮していました
A「んーBがチューしてくれれば恐くなくなるかも・・・」
B「ったく!しょうがねーなー・・・」Bがキスしようとしたその時
「オエエェェェ!!」誰かが激しく嘔吐するよ様な咆哮がトンネル中に響き渡りました
みんなが、その咆哮に戦慄していると今度は明らかに私達の背後から
「ッチ!」と舌打ちをする音が聞こえてきたのです。
私達はすっかりパニック状態に陥り、我も忘れて全速力で車に向かい車に飛び乗り帰宅しました。

翌朝もパニックが治まらないままの通学中のことでした。
「よぉ!」
声を掛けてきたのは、寺生まれで霊感の強いTくんでした。
彼の方から声をかけてくるのは珍しいな、なんて思っていると、
「どうした。朝からそんな顔して。だからそんないろんなもんが方に乗ってるんだぜ!」
「え!?」
「おおかた心霊スポットにでも肝試しに行ったんだろう? あんまり遊び半分で人んちにいくもんじゃないぜ?」
そういうと彼は私に掌を向けました。
「破ァッ!」
彼がそう気合を込めると、それまでの沈んだ感じが嘘のようになくなっていました。

気を取り直して詳しく彼に話を聞くと
「あそこは危ない、特に女性を連れてるとその人は大体不幸な目にあうから『雌殺しトンネル』って呼ばれてるんだ。お前らだからその程度で済んだんだぜ?」
と教えてくれました。
幸い私達は全員男だったうえ、Tくんもいたので事無きを得ましたが、もし私が女性だったら・・・と今でも鳥肌が立ちます。

523寺生まれの名無しさん:2015/04/29(水) 13:21:01 ID:981OWDJM
乙。まさかTさんも「そっち側」なんだろうか...

524寺生まれの名無しさん:2015/04/29(水) 18:34:34 ID:g/8FJGNo
Tさんはどっちもやで

525( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/05/01(金) 18:46:06 ID:UrjlvgEg
>>518
元ネタ見た後だと、もっとTさんに破ぁ!で苛めてた連中ブッ飛ばして欲しかったと思う

526寺生まれの名無しさん:2015/05/01(金) 20:21:05 ID:Y4l7jngs
Tさんはバリトンの声なのかwww

527寺生まれの名無しさん:2015/05/05(火) 01:55:57 ID:gwLx3WiU
バリトンの声でお経唱えられたら、いい子守唄になりそう……スヤァ

528寺生まれの名無しさん:2015/05/07(木) 16:44:26 ID:o6gVeAiA
ちかともさん、最近Tさん更新して無いな

529chikatomo★:2015/05/07(木) 22:10:25 ID:???
>>528
すみません、ちょっと連休前に入院しちゃいましてね……。
ちょうど今日PCを持ってきてもらったのでまた明日からボチボチ頑張ります!
用事があって廃校に行った(肝試しとかではなく)翌日からってのがもう。

530寺生まれの名無しさん:2015/05/07(木) 22:23:52 ID:o6gVeAiA
お大事に

531寺生まれの名無しさん:2015/05/07(木) 23:09:51 ID:UCOnga3g
無理しないでくださいね。

532覚醒(1):2015/05/08(金) 14:25:40 ID:r8U7ToXM
予備校の廊下は湿っぽいと、あるロックミュージシャンが歌っていた。記憶に刻まれたイメージ。ぼくにとってのそれは、残念ながらポルノ映画館となってしまう。
若い頃のオスというのは、どう取り繕っても性欲が迸っているもので、ご多分に漏れずぼくもまた、日々を悶々として過ごしていた。
神奈川県の中心地に横浜という大きな駅があり、ぼくはその近くのコンビニ店でアルバイトをしていた。
その日、バイト帰りの疲れたからだで逆に煩悩をたぎらせていたぼくは、何かに導かれるように「そこ」にたどり着いてしまった。
名店と謳われ、ラーメン専門誌などで紹介されている濱○の前に建つ、古く寂れた映画館。
上映している作品は、どれもいかがわしいタイトルばかりだった。
(あ、こんなとこにあるんだ)
乏しいぼくの知識でも、ここが何かはすぐに分かった。
ポルノ映画館。
当時は既に減少傾向にあったものの、大きな街なら割とあちこちに存在していたのだ。

533寺生まれの名無しさん:2015/05/08(金) 17:08:12 ID:EeMlDd6M
>>530 >>531
ありがとうございます!
放置気味になってしまって残念です。
また頑張って更新していきますのでよろしくお願いします!

534chikatomo★:2015/05/08(金) 17:08:59 ID:???
533名無しになっちゃいましたが、ちかともでした。

535覚醒(2):2015/05/08(金) 17:47:41 ID:r8U7ToXM
いま横浜駅西口に存在する相鉄ムービルのすぐ近くにも、昔はポルノ映画館があったのだ。
これまでのぼくは、ちらちら目で確認はすれど、入る勇気がなかった。当時はまだインターネットも黎明期で、回線速度やハードディスク容量の関係もあり、エロ動画収集には困難な壁が立ちはだかっていた。過渡期だった。
しかし高校を卒業し、フリーターをやりながら、特に何の希望もなく、ただただ無駄に時間が流れるさまを傍観するだけだったぼくは、不意に現れた、妙な磁場を発する建物に足を踏み入れたくなっていた。
(何事も経験してみないと)
壁に掲示されたプログラムから読み取るに、一回の入場で三作品を視聴できるだけでなく、基本、その日の営業終了時間まで居座れるようであった。つまり、席に座って寝るのも自由というわけだ。
チケット販売のカウンター窓口には、無愛想な、ガラモンのような顔をしたオバサンがいて、どう見ても年齢チェックをしているとは思えなかった。いける。
「大人一枚」
声をつくって言ってみたが、表情も視線も微動だにせず、入場券とお釣りを窓口からずいと押し出してきた。

536( ☆∀☆)テラウマレッテスゴイ!!:2015/05/08(金) 18:51:19 ID:s2mowqZ.
>>529
管理人さん入院されてたんですね。
早くよくなるといいですね。

537サークルの飲み会での話:2015/05/08(金) 21:49:44 ID:Ir7Rzuiw
学生時代に体験した、サークルの飲み会での話です。

サークルっていっても私はぜんぜん参加してなくて、仲のいい友達が中心メンバーで夜中に急に呼び出されたんです。

夜遅いし断ろうかと思ったんですが私がひそかにあこがれてる男の子が来てるって言われてつい断りきれなくて、友達の家に行ってしまいました。
で、行ってみたら女の子が5人と男の子が8人くらいいたんですけど、もうみんな相当酔っててなんか下ねたで盛り上がってました。
私はお酒に強くないのですが、いきなり飲まされて結構クラクラしてきました。それで、男の子がどんどん下ねたを振ってきて、最初はうまくかわして
たんですが、女の子たちも結構答えてるし、気に入ってる男の子がつぶれてたこともあって最近キスしたのは?とか何カップ?とか軽いのには答えてしまいました。

私もけっこう酔ってたのかもしれませんね。で、私を誘った友達の彼氏も来てたのでその二人がいちゃいちゃしはじめました。私も男の子がすごいいろいろ
聞いてくるのでちょっと気持ちよくなってきて好きな体位とかも答えるようになってしまいました。そうこうしてるうちに友達の彼氏が朝早いとかで帰っていきました。

それからしばらくして男の子の一人が王様ゲームをやろうっていいだしたんです。王様ゲームとかやったことないのでいやだなーって思ったんですが
ちょっとエッチな気持ちになってたのと女の子がみんなやりそうだったんで断るに断れず私も参加することになってしまいました。
それに、うちの大学は割りとまじめなので、やってもキスとかくらいかなっていうのもありました。
王様ゲームのときはSくんも起きてて、それもOKした原因かも。

で、王様ゲームは最初はポッキーとかで男の子同士だったりしたので笑ってみてました。
途中、飴の口移しが友達Nと憧れのSくんにあたったときはショックでした。私は女の子と口移ししました。

しばらくそんな感じのが続いてのほほんとしてて、王様ゲーム楽しいかもとか思ってると
男の子の王様が奇数番は服を2枚脱ぐとかいいはじめました。幸い私は偶数でしたが、これはやばいと思いました。

538サークルの飲み会での話:2015/05/08(金) 21:52:46 ID:Ir7Rzuiw
でも雰囲気的にやめるとは言い出せません。
奇数の人はほんとにぬぎ始めました。
SくんもシャツとTシャツを脱いで上半身裸、女の子も下着にはなってないけどちゃんと脱いでました。
このとき私はまだどこかで、本当にHな展開にまではならないだろうと思っていました。

王様ゲームは続きます。脱ぎ系のが何回か続いて、私もカーディガンとストッキングを脱ぎました。
女の子の中にはブラになってる子もいました。

男の子はほとんどがパンツだけになってたのですが、ついに男の子の命令で、男の子がパンツまで脱ぐことになってしまいました。
しかもそのうちのひとりはSくんなのでした。

わたしはもう心臓がバクバクいって息ができませんでした。たとえ男の子でも裸にはならないと思ってたのでこれでおしまいだと思っていました。
もう終わりだと思ってたのに・・・SくんともうひとりのFはパパッとパンツまで下ろしちゃいました。

もう心臓がほんとに口から出てきそうになって、体がかぁーっと熱くなりました。途中で一気とかの命令もあって女の子たちもべろべろでしたので
歓声みたいなのが上がってすごい盛り上がってきました。しかもSくんのはちょっと大きくなってて、パンツを下ろすとき引っかかるようにして
上にぼよよーんって跳ね返ってた。

私はSくんの裸を見たこととほかの女の子たちにも見られたこと、そんでこれはヤバイかもってので、もうパニックでした。
でも場は盛り上がってるし次のくじ引きになりました。

その何回か後に王様はSくん、で命令は一枚脱ぎ、あたったのは・・・私でした。
もう頭に血が上ってよく覚えてません。

でもほかの女の子もブラとパンツになってたりしたしいつの間にか男の子のほとんどが全裸になってたので、断ることなんてできず・・・
シャツを脱ぎました。

ブラになったときはSくんも歓声をあげてました。私は明るいところでのHとか嫌だったので
明るいところで、まじまじとしかもSくんたち何人もの男の子に見られてると思うとあそこが熱くなってふわふわとした気持ちになってきました。

539サークルの飲み会での話:2015/05/08(金) 21:56:58 ID:Ir7Rzuiw
そのあとNもブラになったりしたところで男の子の王様が女の子は全員一枚脱ぐ、と命令しました。
女の子全員で抗議しましたが王様の命令は絶対だからといわれました。

女の子の一人がついにブラを外しました。それに習ってほかの二人も外しました。

すごい歓声が起こっていましたが、女の子たちは結構楽しそう。みると男の子たち元気になってました。
私とNもしかたないねってことでスカートを下ろしました。

パンツは透けないやつだったのでとりあえず安心でしたが、そんなことより、どこまでいくんだろうと怖くなってきました。

いつ「帰る」って言おうかとかそんなことばっかり頭の中でぐるぐるしてました。もう私はこれ以上無理です。

下着ならまだしも裸は見せられません。
早く帰るって言わなきゃと思ってるうちにゲームは進んで女の子の命令で男の子同士が握り合ったりしていました。
次に男の子が王様になりました。命令は・・・女全員一枚脱ぎ・・・

このときばかりは熱くなるとかじゃなくって血の気が引きました。
帰るっていわなきゃ、いわなきゃと思いましたが声が出ません。

なんでもっと早くに帰らなかったんだとかそんなことばかり思っていました。
私とN以外の子達はもう観念したのか楽しんでるのかあっけなくパンツまで脱いで全裸になってました。
目の前の光景を信じられないでいるとひとしきり盛り上がった男の子たちの視線が私たちに注がれました。声はでません。

Nはやだーとか言ってましたが、先に脱いだ女の子たちからも脱げコールが起こってもうかんねんしたのか、Nがしかたないねといって手を後ろに回しました。
一瞬しずかになって、私の目の前にNの真っ白なおっぱいが現れました。すごい歓声でした。で、それが収まると全員の目が私に集中しました。

540サークルの飲み会での話:2015/05/08(金) 21:58:29 ID:Ir7Rzuiw
もう何がなにやらわからなくなってました。
そんな私を見かねてかNが「これでもう終わりにして帰ろう」っていってくれたのですが、その言葉は逆に
「胸見せるのはしかたないよ」って言われてるようでショックでした。Sくんがすごい一生懸命にこっちを見てました。

ふとNをみると胸を腕で隠していました。その隙間から真っ白な乳房が見えてました。
私は、N、なんでみんなの前で胸見せてるの?って思いました。

そうするとこれから自分もNと同じようになるってことがどうしても信じられませんでした。いやだ、胸は見せたくない。

541サークルの飲み会での話:2015/05/08(金) 22:00:05 ID:Ir7Rzuiw
その時、唐突に誰かが叫びました。

「王様だ〜れだ!!」

みんなは驚いて声のした方に目を向けました。
その間に、私は今まで自分に注がれていて視線が逸らされたことで少しだけ落ちつきを取り戻すことが出来ました。

「ワタシだ・・・」低く、でもはっきりとしたその声の主は、暇を持て余した神々などではなく

【王様】と書かれた割り箸を握った、寺生まれで霊感の強いTくんでした。

「おいT!さっきの王様の命令はまだ終わってないぞ!」Fくんは立ち上がりTくんに食って掛かりました。
Tくんはそんな抗議を「クーデターが起きたのさ。悪政を敷く王になど、民はついてこない」と軽く受け流し

「さぁ新しい王様の命令だ、女の子は直ちに服を着よ!そしてこの場はこれにて解散とする!」と高らかに宣言したのです。

そうしてなんとか飲み会は終わり、みんなと別れ帰路に着くと、Tくんが後ろから声を掛けてきました。

「もう遅いから送っていくよ」というお言葉に、甘えようかと立ち止まって振り返ると・・・Tくんはまだ裸のままだったのです。
「いやぁ、今日は大変な飲み会だったなあ」と疲れた顔で笑うTくんのTさんを見て
「寺生まれって元気だなぁ」本当にそう思いました。

542寺生まれの名無しさん:2015/05/11(月) 19:08:51 ID:uoUSwnu.
続きは…

543☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/05/11(月) 23:27:36 ID:8HsSHOJs
>>ちかさん
お大事にっす
辛くなったら無理しないでネ
「痛い痛いの破ぁ!!」

>>541
Tさん日頃から器物損壊や窃盗や住居不法侵入してんのに…こりゃあ擁護できねーな…
(元々するつもりはないがw)

544巨頭オ・別Ver:2015/05/12(火) 11:12:50 ID:18r/a.GI
数年前、ふとある村の事を思い出した。
一人で旅行した時に行った小さな旅館のある村。
心のこもったもてなしが印象的だったが、なぜか急に行きたくなった。

連休に一人で車を走らせた。
記憶力には自信があるほうなので、道は覚えている。

村に近付くと、場所を示す看板があるはずなのだが、
その看板を見つけたときあれっと思った。
「この先○○km」となっていた(と思う)のが、「巨頭オ」になっていた。

変な予感と行ってみたい気持ちが交錯したが、行ってみる事にした。
車で入ってみると村は廃村になっており、建物にも草が巻きついていた。

車を降りようとすると、20mくらい先の草むらから、
頭がやたら大きい人間?が出てきた。
え?え?とか思っていると、周りにもいっぱいいる!
しかもキモい動きで追いかけてきた・・・。

両手をピッタリと足につけ、デカイ頭を左右に振りながら。
車から降りないでよかった。

恐ろしい勢いで光弾を撃ちまくり、
とんでもない勢いで袈裟を振り回した。

落ち着いて地図を見ると、道を間違えていた。
異形の者とはいえ村を壊滅させてしまった心苦しさから、その日は晩飯が喉に通りにくかった・・・。

酒のつまみにそう語るTさんを見て、寺生まれってやっぱりスゴイと思った。

545蠢くそれ“ら”:2015/05/12(火) 23:07:47 ID:1pZq6pLA
実家の近くに少し濁った川があるんだが、そこの生態系が色々とやばい。

何がやばいってフナやメダカといった普通の魚から、何処のどいつが放したのやら
でっかいコイだの金魚だの、グッピーやバスの仲間まで泳いでやがる。
魚だけじゃない。ヤマカガシやマムシは土手の草むらに住んでるし、生えてる植物も外来種がほとんど。
夏が近づけばセミやカエルの鳴き声がやむ事はなく、秋から冬にかけてはトンボの群れが道を飛び交う。
去年休暇を利用して帰って来た時は、ヌートリアと川鵜まで住み着いてやがった。

今じゃ珍しい自然の環境だ、何て両親は言ってるけど、はっきり言って魔境です。
業者の手が入らないのが不思議でならない。
俺も子供の頃は網を適当に振るだけでトンボを大量ゲットできる事に喜んでたりもしたが、
地元の大学を出て別の県に引っ越して、ようやく実家近くの異常さに気づいた。

で、数年前の事。夜中に自宅で寝ていたら突然金縛りにあった。
「やばい、目を閉じて何も見ないようにしないと」って反射的に思ったけど、
指一つ動かせないのに、瞼だけは無理矢理に開けられていく感覚があった。
そして開けられた目の先、天井付近で蠢いてるそれを見た瞬間、俺は金縛りで悲鳴が上げられない事に感謝すると同時に。
それでも無理矢理それを見せられたことを呪ったよ。


丑の刻参りってあるだろ、頭に蝋燭付けて左前の白装束着て。手に金鎚と杭を持った奴。
あの格好をした女が、天井付近で「あ゛ぁぁ」とか「う゛ぅぅ」って呻きながら空中でのたうち回ってたんだよ。でも俺が怖かったのは凄い形相をしてる女じゃなくて、その女の全身に纏わりついてた奴らの方。
脳天から杭を突き出しながら、女の腕に斑模様の蛇が巻き付いていて。
明らかに入らないであろう片足を、黒い鯉みたいな魚が膝まで飲み込んでて。
女の後ろから寺生まれのTさんが、首に腕を回しチョークスリーパーかけてて。
他にもバッタだのセミだのカエルだのが、頭や身体にウジャウジャくっ付いていて。
もう何ていうか、怖い以前に気持ち悪かった。
女は暫く呻き声を上げながら天井でのたうっていたけど、突然「破ァッ!!」と気合の籠った声と同時、いつの間にか消えていた。纏わりついていた生物ごと。

……もしかしたら助けてくれたのかもしれないけど、薄暗い室内であの光景は、
相当心臓に悪い物だったという話。
でも、その一件以来「寺生まれって凄い」と1年に数回は感じるようになってる。

546寺生まれの名無しさん:2015/05/16(土) 23:07:04 ID:S6zasIcI
ちかともで使われてるTさんとかJちゃんとかの絵を書いてくれた方、Nさんとかも書いてくれないかなー
好きな感じの絵なんだよなあれ
俺のイメージともあってて

547寺生まれの名無しさん:2015/05/16(土) 23:08:53 ID:S6zasIcI
ちかとも氏は治ったんかね

548☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/05/21(木) 01:35:52 ID:wdL4irlM
Nさんの暴走エピソードがまとめられていたので読んだら
自分の告白宣言が載っててワロタw

>>546
ありがとうございます!
男性陣が女女しいとか思われてないかな?とかビビってたんですが…そう言って頂けると嬉しいっす
Nさんの陰湿さを上手いこと描けたらUPしたいと思います

549寺生まれの名無しさん:2015/05/24(日) 21:51:19 ID:8r8U1GXs
新スレがたっているね

550峠の続き:2015/05/25(月) 21:20:16 ID:FtEfclrg
外灯もまばらな夜明け道。
息子(寺生まれで未熟者のTとしよう)と競ったカーブで曲がり切れなかったおれは早朝のジョギングを再開した。
つけてくる足音にふりかえると、二浪で呪い屋になった神社生まれで陰陽師希望だった息子の知り合いのNと目が合ってしまった。
その瞬間。 Nは、髪をふりみだして突進してきた。
ぎゃあああ ! 叫んだのはおれのほうだ。猛ダッシュでにげた。
ところがなんということだ、Nはおそろしく足がはやい。追いつかれる!
しかしおれのはやさも並じゃないぜ。陸上で県大会に出たことだってあるんだからな。
みてろよ!と気合を入れてさらに加速する。どうだ !
しかしNは余裕で追い上げてくる。 クソッタレ ! 登り坂にさしかかった。
じつはおれは登りが大の苦手だ。あっさりと抜かれてしまった。
くやしい。抜きざま、Nは「フッ」と口の端で笑った。なめんなよ!
しばらくNの後ろを走っていたが、峠のカーブで抜き返してやった。ざまあみろ。

休憩所があったので、ふたりで長机の水を飲んだ。おばちゃんがタオルをくれた。
つぎの休憩所は5kmさきだ。もう山はぬけて、気持ちのいい海沿いを走っている。
ようし、一気に距離をあけてやるぜ!
海から太陽が昇ってくる。すべてが黄金色に染まる。
波頭のひとつひとつがキラキラと照りかえす。なんてきれいなんだろう。
ふと気がついて後ろをふりかえると、息子の知り合いのNはもういなかった。

551寺生まれの名無しさん:2015/05/26(火) 23:59:29 ID:VBCKGIv6
chikatomoさん大丈夫かしら

552KTオ:2015/05/27(水) 21:42:42 ID:Hh9lpb3E
数年前、ふとある村の事を思い出した。
一人で旅行した時に行った小さな旅館のある村。
心のこもったもてなしが印象的だったが、なぜか急に行きたくなった。

連休に一人で車を走らせた。
記憶力には自信があるほうなので、道は覚えている。

村に近付くと、場所を示す看板があるはずなのだが、
その看板を見つけたときあれっと思った。
「この先○○km」となっていた(と思う)のが、「KTオ」になっていた。

変な予感と行ってみたい気持ちが交錯したが、行ってみる事にした。
車で入ってみると村は廃村になっており、建物にも草が巻きついていた。

車を降りようとすると、20mくらい先の草むらから、
寺生まれで霊感の強いTさんと教会育ちで神父のKさん?が出てきた。
え?え?とか思っていると、周りにもいっぱいいる!
しかもキモい動きで追いかけてきた・・・。

両手をピッタリと足につけ、頭を左右に振りながら。
車から降りないでよかった。

恐ろしい勢いで車をバックさせ、とんでもない勢いで国道まで飛ばした。

あれはヤバい。
俺の第六感が早鐘を打っている。一刻も早く見慣れた国道に戻りたかった。

……。
おかしい。

看板からデカ頭の村まですぐだった、はずだ。
もう国道が見えても、いや、もう着いていてもいいはずだ。

ブォーーーーン。
アクセルを必要以上にフカす。
狭い道で危険であるが、そんなことは気にしていられない。
どう考えてもデカ頭に追いつかれる方が危ない予感がする。

車を走らせる。
こんなに分岐があっただろうか?
この道さっきも通らなかったか?
おかしい。
おかしい。

おかしい!

その時だった、前方が開けている!
やった!戻れた。ホッと胸を撫で下ろす。額には嫌な脂汗をかいていた。
ふぅ、ほんと危なかったぜ。
車を減速する。
視界を遮りがちな茂った木々の先には……。

553chikatomo★:2015/05/27(水) 21:46:24 ID:???
>>547 >>551
一応もう退院してます!ご心配いただいてすみません。
新しいスレで書いていただいたものをこちらに転載しておきます!

554chikatomo★:2015/05/27(水) 21:47:37 ID:???
酷く寂れた村の奥に、その家はあった。昔の裕福な家によくある石で出来た大きな倉、今は枯れているが昔は綺麗な水が流れて鯉などか泳いで居たと想像させられる池、大きな平屋建ての家、その中の、鍵のついた真っ青な部屋。
「――ここが、娘が閉じ込められていた"蒼の間"でございます」
老いた案内人は扉の軋む音をゆっくりと響かせて、扉を開けた。



この、とある村のある少女と人形の逸話をネットで知ったのは先月のことだ。文化祭での出し物に煮詰まっていた映画研究会の僕たちは、村が近かったこともあり飛び付くようにこの村を舞台にその逸話になぞらえた映画を製作して発表することを決めた。実話ということもあり、部員のなかには撮影を躊躇う声を上げる人もいたが、事前に十分供養しおけば大丈夫だろうという結論に至った。
村は小さく、過疎化が進んでいたがどうにか案内してくれる人を見つけ、取材することになった。今回はその撮影前のお祓いだ。



蒼の間は重く湿った空気をまとい、室内は薄暗く、案内人が懐中電灯に明かりをつけてやっと周りのものが薄らとわかる程度だった。目を凝らすと、数脚の椅子と何体かの人形があるのは認識できた。床はやけに散らかっていて、懐中電灯の光が反射したことでビー玉や鋏、鎌が落ちているのが分かった。
「さぁ、そこの椅子にお掛けください。まずはこの部屋で起こったことについて、私から説明致しましょう」
案内人が囁くような声で僕たちに説明を始めた。

「― 昭和初期のことでございます。この蒼の間では、流行り病を患った娘が幽閉され、その短い生涯を終えました。娘は生前、友達代わりの人形の百合子やその他の人形達を相手に、お医者様ごっこをすることが唯一の楽しみでした…」
すっ、と案内人が指を指した先には一際整った顔の人形が椅子に座っていた。
「…この子が、Lです」
柄はわからないが、鮮やかな青い着物の、頭身の大きな日本人形に見える。こんなリアルな人形で、件の少女は遊んでいたのかと思うと、寒気がする。ありえないが、実はつい最近の話でこれが件の少女です、と言われてもこの薄暗闇では納得してしまうかもしれない。それほどその人形は僕に生物の印象を与えていた。
「娘はLなどの人形たちに、鎌を使った残酷なお医者様ごっこを好んで行っていたと聞きます…このLも、服のしたには生々しい傷が―」
その時、Lちゃんが立ち上がったように影が揺らめいた。いや、実際にLが立ち上がった…!

「あたら…し、い…かんじゃ、さん…?」
「ひっ!」

驚いて尻餅をついた案内人をLちゃんは見下ろす。案内人が投げ出した懐中電灯が照らすその顔は、新しい玩具をもらった子供のように嬉しそうな顔で、鎌を拾うと少女のような声で優しく話しかけてきた。
「あなたは、どこがわるいの…?」
「ひ、ひィ…!」
「そっかぁ……目が悪いのね?」
短い悲鳴を上げて逃げようとする案内人をLちゃんは追い詰め、
「悪い目玉をどうしましょう?」
床のビー玉を拾うと、床にしゃがみこんだままの案内人に目を合わせるようにしゃがむと、ビー玉の光を見せつけるように案内人の目に近づけて、

「この綺麗なビー玉と取り替えてしまいましょう・・・なんてね。それとも別のお医者さんごっこがお望み」
案内人と俺たちに指を三本立て妖艶に微笑む生き人形のLちゃん。
思わず財布の中身を確認するお祓いに連れて来た寺生まれで霊感の強い先輩のTさんと俺。
「そこまでだ」
聞いたことのある声、寺生まれで霊感の強い先輩のTさんをいつも逮捕している警察官のPさんが蒼の間の入口に立っていた。
風俗営業法違反の証拠物件として押収される生き人形のLちゃんと、私はこの人形に客引きをさせられていただけだと叫びながら連行される案内人に化けていたNさん。
その後、Lちゃんは遺失物届けを出していたJちゃんが引き取った。
「手段を選ばなければNさんを止める事なんて簡単よ」
「でも、やり方が不潔すぎます」
とドヤ顔で話すLちゃんと言い争うJちゃんを見てJちゃんが作る人形は怖い。そう思った。

555KTオ:2015/05/27(水) 21:53:18 ID:Hh9lpb3E
……あの廃村が待っていた。
愕然としたまま停車する。道を……間違えた?

そんなはずはない!
間違えるような距離じゃなかった。
間違えるような分岐はなかった。

破ァ!
左右から声がする。

アーメン!破ァ!
続けざまに声が響く!

Tさんだ……。Kさんが俺の車に乗ってきてる!?

アーメン!
ボンネットにKさんが飛び乗る!

両手を足に付けた奇妙な格好のままフロントガラスから覗き込む!
左右を見ると無数の目的地を書いたダンボールを掲げるKさんとTさんが……。

俺はドアを開け「俺もそこに行くので、乗っていきますか」
「すまない、そこまで頼む」

556KTオ:2015/05/27(水) 22:08:04 ID:Hh9lpb3E
周りを見回す。
さっきまでの鬱蒼とした森は消え去っている。
廃屋は一軒たりともなくなり、無数にいたTさんとKさんもいつの間にか消えていた。
遠目だがここからでも国道が確認できる。
なんだったんだ、さっきまでの世界は?


「TさんにKさん、何故ヒッチハイクを……、……車は?」
Tさんは恥ずかしそうに俯く。
「いや、Nの奴の行動範囲がやたらと広くてな、ガス代もバカにならないし経費削減のため、ヒッチハイクをしてたってわけよ!破っ破っ破っ」

そういうことだったのか。

「それであの……例の結界ですが」
「は、はい!?」
「中々、車が捕まらなくてついな……」
「……。」

寺生まれ、教会育ちでも困窮して余裕がなくなると碌な事をやらない。そう思った。

557寺生まれの名無しさん:2015/05/27(水) 22:10:37 ID:Hh9lpb3E
chikatomo★さん転載、削除ありがとうございます。

558chikatomo★:2015/05/28(木) 00:07:26 ID:???
>>557
わざわざタイミング悪い時入っちゃってすみません。。。

559破ァ:2015/05/28(木) 19:45:50 ID:c1BvGC26
遅くなりましたが、退院おめでとう

560寺生まれの名無しさん:2015/05/30(土) 15:31:06 ID:TU4C92Yw
うーむ寺生まれ板が停滞しているぞ…

何か起こさねば…

561寺生まれの名無しさん:2015/05/31(日) 12:30:16 ID:Y2BISLtU
とりあえず、投稿でしょ

562ターボ婆:2015/05/31(日) 12:55:47 ID:Y2BISLtU
関東地方のとある道路をスピードを出して走っているとよくないことが起きる。
その日もあるNが猛スピードで道路を走っていた。 Nが後ろを何気なく見ると真っ青になった。
後から信じられない速さで老婆が走ってきたではないか。
Nは怖くなり、更に足を早めた。 時速100キロ― だが走ってくる老婆はそのNを追い越して走っていった。
追い越しざま、おばあさんはNの方を向いてニヤリと笑った。
Nは負けじと更に速度を上げ老婆に並ぶ、息が切れ、心臓が爆発しそうになり顔からは更に血の気が引く、負けられない一心で老婆を抜かし返した。
老婆は一瞬ぎょっとしたが必死の形相でNに並びNと老婆は走り続けた。
翌日、サービスのベンチで意識を取り戻したNは、情けをかけた事を後悔させてやると思った。

563☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/06/02(火) 03:29:42 ID:SsrFQSbk
>>562
たしかターボ婆って車を追い越せる程の足をもってたよね
それに情けをかけられるNさん…すごいwww

陸上部入って、スポーツ推薦で進学したら良かったんじゃ…なんてつっこみはなしだよね

564覚醒(3):2015/06/02(火) 06:25:02 ID:VDzhwncQ
階段を昇った先に劇場入口はあった。三本エンドレスリピート上映の仕様であるため、いつでも入場していいにもかかわらず、扉の前の広い廊下には何人かがぽつんと佇んでいたり、ベンチに座っている者がいた。サラリーマンふうの中年から初老の男性まで、客層はバラバラだった。
上映途中だから、時間調整でもしているのかな、などと思いつつ、ぼくは気にせず中に入った。関係ない。目当てはエロで、ストーリーではなかったのだ。
扉を押し開き、スクリーンの明かりだけが頼りの薄暗い世界を、良さげな席を探して歩いた。
200人は収容できる場内の入りは三分程度といったところ。平日の昼間だというのに、暇人が多いなと、自分を棚上げして思ったのも最初だけ。すぐにここの異様さに気がついた。暗がりに目が順応してきたからだ。
朽ちていた。
ろくに清掃がなされていなかった。シネコン隆盛の現在ではあり得ないレベルだった。
座席に虫が這っていた。

565寺生まれの名無しさん:2015/06/02(火) 20:29:58 ID:RHpnHr1U
>>563
100キロ超で駆け回れる時点ですでに怪現象、チーターが短距離走に参加出来ないのと同じでNさんはスポーツ推薦を取れません。
自作ながらNさんやTさんの車と張り合えたT父の県大会はどの世界の県大会なんだろう。
Nさん並みの速さのT父でも全国に行けない、全国の壁は厚いそう思った。

566クリスマス:2015/06/08(月) 22:13:20 ID:B.RmN3oo
クリスマス、トムはサンタクロースからのプレゼントを楽しみにしていた。
朝起きるとクリスマスツリーの下にプレゼント箱が3つほどあった。
窓からサンタが中を覗いているのが見える。サンタはニタニタと笑いながらトムを見ている。
トムはニタニタ笑っているサンタを見て少し不機嫌に思いながらもプレゼントの置いてある所に行った。

トムはまず一つ目のプレゼントを手に取った。サンタは更にニタニタと笑っている。

プレゼントの箱を空けると中から長ズボンが出てきた。
トムは少しがっかりしたような表情をしながらも次の箱を手に取った。サンタは腹を抱えて笑っている。

二つ目の箱を開けると中からサッカーボールが出てきた。
トムはますます不機嫌になり、とても腹が立った。

トムは続けて一番大きな最後の箱を開けた。
すると中から自転車が出てきた。
サンタは雪の上を転がりまわって笑っているトムはとうとう耐え切れなくなって泣き出してしまった。

567クリスマス:2015/06/08(月) 22:30:08 ID:B.RmN3oo
暫くして、トムはツリーからやや離れた場所にあるもう一つの大きな箱に気付いた。
トムは箱に入っていた義足を着け長ズボンを履き、サッカーボールを蹴って義足の調子を確かめた。
義足は本物の足の様に動き、違和感もまるで無い。
次に少し不安だったが自転車に乗った。
補助輪無しの自転車にいきなり乗ってこげる筈も無くトムは転びそうになった。

転びそうになったトムをサンタが支える。
「破っ破っ破っ、プレゼントは気に入ってもらえたかな」
そうサンタはTさんだったのだ。
「逸る気持ちも分るが、今夜は遅いここまでだ」
そう言ってTさんはトムをベッドに寝かせると窓を割って去っていった。
トムは感謝するべきなのか、通報するべきなのか何とも言えない微妙な気持ちのまま寺生まれは凄いと思う事にした。

568☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/06/10(水) 02:41:46 ID:I6fs8NQM
>>565
それもそうですねw
わぁアホが露呈してしまったー


あとついでに
前回より画像が薄くなってしまいましたが、書いてみました。
http://i.imgur.com/9T2p8Ny.jpg

自分としては陰気さが上手く行った!!キリッ

569寺生まれの名無しさん:2015/06/10(水) 18:49:25 ID:DwwbMBns
ついカッとなってやったばかりに後に引けなくなって、人を呪わば穴二つとドツボに嵌った凡人キャラの雰囲気が強いです。
今までの話はやらかした凡人キャラのNさんをTさんやKさん、Jちゃんが救おうとしている風に見えてきました。

自分は些細なことでもこの世の全てを怨めるDMCのクラウザーさん(根岸祟一)なNさんでイメージしていました。

570☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/06/10(水) 20:08:23 ID:I6fs8NQM
>>569
もっとアクの強さが必要ってことですか

うん最近のNさんの話(特に双眼鏡の話)に影響されて、凡人くさくなってるかも

参考になります

571☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/06/12(金) 00:17:23 ID:BScDQrcE
話は変わるのですが……ここんとこ寺生まれ板が滞ったり、だいたいの怖い話は破ァしているんで考えてみたんですが

今日(6月11日)のちかとも記事で「何かめちゃくちゃ怖い夢…?見たんだけど」ってありましたよね?
あんな感じで怖かった夢の内容を提供してもらったり共有しあって、Tさんネタにするのはどーでしょう?


(もしかして皆さんちょっと食傷気味かな?)

572定番の猿夢で:2015/06/12(金) 20:44:22 ID:pgqKQuQ6
とりあえず、投稿ですね。

私は、夢をみていました。
昔から私は夢をみている時に、たまに自分は今、夢をみているんだと自覚する事がありました。この時もそうです。何故か私は薄暗い無人駅に一人いました。ずいぶん陰気臭いを夢だなぁと思いました。
すると急に駅に精気の無い男の人の声でアナウンスが流れました。 それは
「 まもなく、電車が来ます。その電車に乗るとあなたは恐い目に遇いますよ〜」
と意味不明なものでした。 まもなく駅に電車が入ってきました。それは電車というより、よく遊園地などにあるお猿さん電車のようなもので数人の顔色の悪い男女が一列に座ってました。

私はどうも変な夢だなと思いつつも、自分の夢がどれだけ自分自身に恐怖心を与えられるか試してみたくなりその電車に乗る事に決めました。本当に恐くて堪られなければ、目を覚ませばいいと思ったからです。私は自分が夢をみていると自覚している時に限って、自由に夢から覚める事が出来ました。

私は電車の後ろから3番目の席に座りました。辺りには生温かい空気が流れていて、本当に夢なのかと疑うぐらいリアルな臨場感がありました。
「 出発します〜」
とアナウンスが流れ、電車は動き始めました。これから何が起こるのだろうと私は不安と期待でどきどきしていました。電車は ホームを出るとすぐにトンネルに入りました。紫色ぽっい明かりがトンネルの中を怪しく照らしていました。

573定番の猿夢で:2015/06/12(金) 20:56:14 ID:pgqKQuQ6
私は思いました。
(このトンネルの景色は子供の頃に遊園地で乗った、スリラーカーの景色だ。この電車だってお猿さん電車だし結局過去の私の記憶にある映像を持ってきているだけでちっとも恐くなんかないな。)

とその時、またアナウンスが流れました。
「次は活(いけ)破ァ〜活け破ァです。」
活け破ァ?魚の?などと考えていると、急に後ろからけたたましい悲鳴が聞こえてきました。
振り向くと、電車の一番後ろに座っていた男の人の周りに四人のぼろきれのような物をまとったTさんがむらがっていました。よく見ると、男は刃物で体を裂かれ、魚の活けづくりの様になっていました。強烈な臭気が辺りをつつみ、耳が痛くなるほどの大声で男は悲鳴をあげつづけました。
男の体からは次々と内臓がとり出され、取り出された臓器をTさんが次々と破ァして健康な色にしてから男の人の身体に戻し、縫合すると「手術代だ」と財布から中身を抜き取っていました。
男の人はすっきりした様な、そうでない様な微妙な表情を浮かべて切り裂かれたボロボロの服で下車していきました。

私のすぐ後ろには髪の長い顔色の悪い女性が座っていましたが、彼女はすぐ後で大騒ぎしているのに黙って前をを向いたまま気にもとめていない様子でした。私はさすがに、想像を超える展開に 驚き、本当にこれは夢なのかと思いはじめ恐くなりもう少し様子をみてから目を覚まそうと思いました。

一番後ろの男が座っていた席には赤黒い、血と肉の固まりのようなものは残っていました。うしろの女性は相変わらず、無表情に一点をみつめていました。
「 次はえぐり出し〜えぐり出しです。」
とアナウンスが流れました。
すると今度は二人のTさんが現れ、ぎざぎざスプーンの様な物でうしろの女性の目をえぐり出し始めました。
さっきまで、無表情だった彼女の顔は、痛みの為ものすごい形相に変わり、私のすぐ後ろで鼓膜が破れるぐらい大きな声で悲鳴をあげました。眼かから眼球が飛び出しています。Tさんは飛び出した眼球を洗い元に戻していましたが血と汗の匂いがたまりません。私は恐くなり震えながら、前を向き体をかがめていました。ここらが潮時だと思いました。
これ以上付き合いきれません。しかも、順番からいくと次は3番目に座っている私の番です。私は夢から覚めようとしましたが、自分には一体どんなアナウンスが流れるのだろうと思い、それを確認してからその場から逃げる事にしました。

574定番の猿夢で:2015/06/12(金) 20:59:17 ID:pgqKQuQ6

「次は挽肉〜挽肉です〜」
とアナウンスが流れました。最悪です。どうなるか、容易に想像が出来たので神経を集中させ、夢から覚めようとしました。
(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)
いつもはこう強く念じる事で成功します。急に「ウイーン」という機会の音が聞こえてきました。今度は小人が私の膝に乗り変な機械みたいな物を近づけてきました。たぶん私をミンチにする道具だと思うと恐くなり、
(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)
と目を固くつぶり一生懸命に念じました。
「 ウイーン 」という音がだんだんと大きくなってきて、顔に風圧を感じ、もうだめだと思った瞬間に静かになりました。

なんとか、悪夢から抜け出す事ができました。全身汗でびしょびしょになっていて、目からは涙が流れていました。私は、寝床から台所に向、水を大量に飲んだところで、やっと落ち着いてきました。恐ろしくリアルだったけど所詮は夢だったのだからと自分に言い聞かせました。

次の日、学校で会う友達全員にこの夢の話をしました。でも皆は面白がるだけでした。所詮は夢だからです。
それから4年間が過ぎました。大学生になった私はすっかりこの出来事を忘れバイトなんぞに勤しんでいました。
そしてある晩、急に始まったのです。
「 次はえぐり出し〜えぐり出しです。」
あの場面からでした。私はあっ、あの夢だとすぐに思いだしました。
すると前回と全く同じで二人のTさんがあの女性の眼球をえぐり出しています。
やばいと思い

575定番の猿夢で:2015/06/12(金) 21:07:31 ID:pgqKQuQ6
(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)
とすぐに念じ始めました。。。。。。
今回はなかなか目が覚めません。
(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ)。。。。。。。。
「次は挽肉〜挽肉です〜」
いよいよやばくなってきました。「 ウイーン 」と近づいてきます。
(夢よ覚めろ、覚めろ、覚めろ、覚めてくれ)
ふっと静かになりました。どうやら何とか逃げられたと思い、目をあけようとしたその時
「また逃げるのか〜中性脂肪と悪玉コレステロールが溜まっているぜ〜次、来るまでに食生活を改善するんだな〜」
とあのアナウンスの声がはっきりと聞こえました。
目を開けるとやはり、もう夢からは完全に覚めており自分の部屋にいました。最後に聞いたアナウンスは絶対に夢ではありません。現実の世界で確かに聞きました。私がいったい何をしたと言うのでしょうか?

それから、現在までまだあの夢は見ていませんが次に見た時にはきっと頼んでもいない手術代が大きな出費になる事は覚悟しています。
こっちの世界で健康体になっても、あっちの世界で麻酔無しの勝手な手術で挽肉にされる苦しみの中で溜まっている中性脂肪とコレステロールを分離させられて。。。。。。

寺生まれが何を考え、そんな事をしているのかは解りませんが、不摂生は怖いそう思いました。

576魚眼レンズ1:2015/06/13(土) 00:17:11 ID:MDBeo7zs
ある夜、佐藤さんは猫の唸り声で目を覚ました。時計に目をやると、夜中の2時である。
声に心あたりはあった。アパートの向かいに、ゴミ屋敷とまでは言わないが、どうやって住んでいるんだろうかと訝しむような家がある。
散乱した生ゴミに寄ってくるらしく、カラスや猫がいつも家の周辺にたむろして騒いでいる。住民を見たことはなかった。

声はちょうどドアの向こうから聞こえている。
アパートの廊下で喧嘩しているようだ。
我慢して寝ようとしたが、どうもおかしい。
かれこれ30分以上はうなり続けている。
普通、猫の喧嘩は数分の睨み合いのあと、どちらかが相手に飛びつき、一瞬で勝負は決する。
今夜は、長い。
佐藤さんは、明日大学のテストを控えていた。
このままでは寝られないと思い、ドアの魚眼レンズから廊下を覗こうと考えた。

もし、廊下に猫がいたら、ドアを叩いて追い払おう…。
そう思い、音を立てずにドアに近づく。
唸り声は今も聞こえる。
ドアのすぐ近くのようだ。
魚眼レンズを覗くと、目の焦点が合っていない女が唸りながらこちらを睨んでいた。

ガチャガチャガチャ!
次いで、激しくノブが動いた。
佐藤さんには在宅時に鍵をかける習慣はなかった。
慌ててノブを押さえる。
それでもなおもドアの向こうではドアが引かれようとしている。
とても女の力とは思えない。
ついに佐藤さんは力尽き、ノブから手を離してしまった。

577魚眼レンズ2:2015/06/13(土) 00:17:37 ID:MDBeo7zs
カ…チャ……

ゆっくりとドアが開く。
レンズ越しに見た女の顔が覗く。
焦点のあってないまま歪んだ笑みを浮かべた女。
佐藤さんはその場で腰を抜かしてしまった。
気味の悪い唸り声を上げながら、女が踏み込んでこようとしたその時。

「うぅーぃ」
酔っぱらいの男がドアの前を通りかかる。
あれは隣人の寺生まれのTさん!

「あぁー、酔っ払った。あれ?佐藤さん、ドア開けっ放しでどうしたんですか?」
そう言いながら女の背中を見るTさん。
「あ、すいません。彼女さんが来たとこでしたか。
これはお楽しみのところ失礼しました! それでは邪魔者はとっとと消えまーす」
そういうと敬礼しながら女を通り過ぎて行くTさん。

あぁ、Tさんが言ってしまう。
助けを求めようとした佐藤さんでしたが、恐怖で声が出ません。
「あ…あ……」
Tさんの姿が視界から消えようとしたその時。

「なんてな」
Tさんが女の肩を掴む。
「お前なんか憑いてんな」

女が体を佐藤さんに向けたまま、グリンと顔をTさんに向ける。
「毎日毎日唸ってたのもお前さんだな」
「ウガァァァッァ!!」
女がTさんに襲いかかる!
その瞬間玄関が青白い光に包まれる!
「破ァッ!」
Tさんの雄叫びが聞こえたかと思うと、次の瞬間には女はその場にうずくまっていた。
「ゴミ屋敷なんかに住んでるからいろんなもん呼んじまうんだ。大体毎日あんな唸られちゃ寝れないっすよね」
そういうと最高の笑顔を佐藤さんに向けるTさん。
「あぁ~、しかし今日はよく呑んだ。
じゃ僕もう寝ますんで、あとお願いしますね」
そういうとTさんは千鳥足で隣室に入っていた。

残されたのはうずくまる女と佐藤さん。
「ど…どうすんだ、この人……」

寺生まれってすごい、佐藤さんはそう思ったそうです。

578寺生まれの名無しさん:2015/06/13(土) 14:45:33 ID:D/yPt3VI
わぉΣ( ̄□ ̄)
一気に2話もカキコされてる

どっちも良いっすね
Tさんっていうと、いつも法ギリギリ…アウトのことをやってるけど
何もしないで真面目に破ァする良いお兄さんってのも良いよね

579旅の途中のNさん:2015/06/14(日) 23:20:36 ID:ShEi0dco
私は夜中に空腹で目を覚ました。しばらく寝袋のなかで何か食べようかそれとも
空腹を堪えて寝てしまおうか逡巡していたが、ふと近所からおすそ分けしてもらった
餅がリックにしまってあることを思い出し起きて台所へ行った。

電気をつけようとしたが、もともと切れかけていたランタンはとうとうきれてしまったらしく電気はつかな い。
しかしまあランタンの明かりはなくとも、薄暗い外灯の明かりでも餅を切 って焼くくらいなら問題なかろうと判断して、リックから餅を取り出した。

包丁で餅を切り分けようとしたが、いつもならすうっと切れるはずの餅がその日に限って切れない。
貰ってから時間が経って固くなりすぎてしまったのかな、と考えた私は手にさらに力をこめて切ろうとした。
しかし餅は頑なに包丁の刃を拒んだ。

いらついた私は包丁の背に手をあててぐいぐいと押すようにしたが、餅には筋ひとつつかなかった。

1、2分格闘しただろうか、私はついに握りこぶしをつくりそれを包丁の背にどんどんと打ちつけ始めた。
しかし、それでも餅に包丁の刃がめり込むこと はなかった。

ふと、背筋に寒気のようなものを感じた私は薄暗い明かりの中で手元を良く見た。
貰った餅は食品サンプルだったのだ。

偽物を渡した氏子と、岐阜県民(岐阜県は食品サンプルの生産量日本一)に対する憎しみが燃え上がった。

二浪だと思って馬鹿にしやがって呪ってやると、こめはぜを頬張りながら思った。

「そこまでだN、公園条例違反で逮捕する」
いつもTを逮捕している警察官のPだ。
私は荷物を纏め「呪い屋でも国家権力には敵わない」と世の不条理を噛締めつつ全力で逃げ出した。

580寺生まれの名無しさん:2015/06/15(月) 01:38:20 ID:7OaHnBrs
>>579
いつもの痛いコピペかと思いきやw

そして、有名コピペ+Nさんの浪人決定の後日談+オリジナルキャラで良くできてる!うまい!

ちゃっかり豆知識もあるし

581風見鶏:2015/06/19(金) 21:10:42 ID:SkMJr45A
テスト

582風見鶏:2015/06/19(金) 21:31:30 ID:SkMJr45A
最終間近の路線バス。

少し酔っていたせいかうつらうつらとしていると
降車ボタンが押された「破ァ!!」音にはっと目を覚ます。

次は私が降りる停留所。
いかんいかん乗り過ごしたら大変な所だった。

私が一人降りると、乗客のいなくなったバスは発車する。
乗客がいないのはご苦労なこったな。






【解説】
「乗車ボタンが押された「破ァ!!」音にはっと目を覚ます」
→他の乗客はいないはずなのに誰がボタンを押したのだろうか?




「俺だ」
寺生まれのTさんだった。

「今回は偶然にも俺が乗り合わせていたから良かったな。なんなら実家の寺で『うつらうつらしながらバスのスイッチを押す』拳を今なら夏期特別サービス実施中だぜ!」

そういうとTさんは寺の住所や例の『俺がついてる』のポスターが表紙になったパンフレットをくれた。
寺生まれってスゴいと私は思った。


例のポスター

http://matome.naver.jp/m/odai/2133848519292358601

583風見鶏:2015/06/20(土) 08:57:07 ID:xkPfsF/M
千羽鶴
高校は離れたんだけど近所の友達友達っても母親同士が仲良しな位で
あんまり付き合いはない。そいつが入院したんで見舞いに行った。


何で入院したのか知らないんだけど行ったら寝てた。
枕元には千羽もない百羽位の折り鶴が吊ってあってちょっと触れてみると
『クラス一同より』って書いてあった。


強く引っ張ったのか鶴が2つ落ちたうわっ縁起悪いかも、、
と慌てて拾ったらそいつが目を開けた。


他愛ない話して帰宅した。
ポッケに折り鶴が入ってた。


何となく広げてみると、折り紙の裏に2つとも『死ね』と大きく書いてあった。





「破ァ!!」
突然部屋の窓ガラスが青い気弾により音も立てずに消し飛んだ。
気弾を発射したのは寺生まれのTさんだった。

「センター模試間近で追い詰められて正常な判断を失うことは誰にでもあるから仕方ねぇ!そこに書いてある文字をもう1回良く見てみな!」

そう言われて折り鶴を見てみるとそこには『死ね』ではなく『shine』と書いてあった。

「どんなに追い詰められて苦しくても人として大切な事は忘れちゃいけねぇぜ!」

そうだ。
アイツは大事な友達なのにいつの間にかコンプレックスからアイツの事を・・・・・・。
残り九百羽と持ってきちまった二羽を持って、改めて見舞いに行こう。







すると窓があった穴から沢山の折り紙で出来た紙飛行機が飛んできた。

「アナタに紙の御加護がありますように」

教会生まれのKさんだ。
神社生まれのJちゃんもいる。


「これでプレッシャーから追い詰められて兄様のようになってしまうことを回避出来ました」







鶴を折りながら思った。
ここ4階なんですけど?
寺生まれだけじゃなくて教会生まれと神社生まれもスゲェと思った。

584寺生まれの名無しさん:2015/06/20(土) 21:50:27 ID:naITwmCA
そいつ氏と主人公の設定が解り難いので、センター前の気分転換とか状況説明が欲しかった。

585寺生まれの名無しさん:2015/06/20(土) 22:04:43 ID:weIF.dAQ
「独りで生きて行くんやで」

おれ18さいになりました(笑)

今日施設をでるんやで(笑)施設の人…ええかこれからは自分の力で生きていくんや

おれ「うん」施設の人…あんたは親も分からず赤ちゃんの時からここにおるから

職員もな「うっ…」「うっ…」

心配なんや一生面倒みてやりたいけどそうもいかん

いつかは人は一人で生きて行くんや

おれ「うん」

施設の人…ええか…ここがあんたのあたらしい職場とお家になるんや

がんばりや!!

みんなに見送られ…おれもずっと手を振ってたよ

なんか自然に泣けるんやな(笑)

ここか?!そこは小さなうどんやで古ぼけていました

履歴書と施設の推薦状と…んっ…もう一通あるな?

施設の人が渡せ言うとった

おれ緊張してうどんやの中に入る

出てきたのはおじいさんとおばあさん(笑)ももたろうみたいやな(笑)

おれ…内心で…うん…良さそうな人たちだ♪

こう言う勘は昔から狂わないんだ♪

「おじいさん」おまえ身寄りないんか?

おれ「うん」

はいだろ!バシッといきなり叩かれました

おれびっくりしたよ悲しいよ帰りたいよ

「おじいさん」おまえはな人の二倍嫌三倍働かんとあかんのや

おれ?

「おじいさん」ニヤリとわらいました

「おれ」こわい嫌だな
れる
さぁ働け奥が厨房やドンッとけられる

「おれ」かなしいな…

続く^_^;

586千羽鶴(改):2015/06/20(土) 22:22:25 ID:naITwmCA
高校で離れ疎遠になり母親同士の交流が続いているぐらいで、付き合いが無い。
高校進学前の知り合いぐらいになった近所のFが入院したんで、受験勉強が煮詰まり気分転換に見舞いに行った。

何で入院したのか知らないんだけど模試前の入院はヤバイのではないかと思いつつも行ったら寝てた。
枕元には千羽もない百羽位の折り鶴が吊ってあってちょっと触れてみると『クラス一同より』って書いてあった。

軽く触れただけで鶴が2つ落ちたうわっ縁起悪いかも、と慌てて拾ったらFが目を開けた。

他愛ない話して帰宅した。
ポッケに折り鶴が入ってた。

何となく広げてみると、折り紙の裏に2つとも『死ね』と大きく書いてあった。

「破ァ!!」
突然部屋の窓ガラスが青い気弾により音も立てずに消し飛んだ。
気弾を発射したのは寺生まれのTさんだった。

「センター模試間近で追い詰められて正常な判断を失うことは誰にでもあるから仕方ねぇ!そこに書いてある文字をもう1回良く見てみな!」

そう言われて折り鶴を見てみるとそこには『死ね』ではなく『shine』と書いてあった。それに鶴は折り紙ではなく器用に単語帳で折られている。

「どんなに追い詰められて苦しくても人として大切な事は忘れちゃいけねぇぜ!」

そうだ。
Fは大事な友達なのにいつの間にかコンプレックスからアイツの事を・・・・・・。
残り九百羽と持ってきちまった二羽を持って、改めて見舞いに行こう。あと、予備校の先輩のNさんから教えて貰った呪術で呪うのもやめよう。

「そうか、最近の正体不明の体調不良はお前の所為だったのか」
病院を脱走したFに殴られながら、「人を呪わば穴二つ」とは良く言ったものだと思った。
殴られ薄れ行く意識の中で、半端な気持ちで呪うから詰めが甘くなると憎々しげに呟くNさんを幻視した。

587風見鶏:2015/06/20(土) 22:40:22 ID:xkPfsF/M
>>584
>>586
アドバイス&手直し有難う御座いました。
初めてだったので、どんな感じに書けば良いか勉強不足でした。
Nさんが絡んで来てワクワクしました。

今、国道21号線を時速21キロと間違えたヤツと百キロばばぁでTさん物語を考えてるので、また何かありましたら宜しくお願いします。

588寺生まれの名無しさん:2015/06/21(日) 07:27:56 ID:HMs.t3es
おはようございます

みなさん上手やわぁ♪

589寺生まれの名無しさん:2015/06/21(日) 08:26:45 ID:HMs.t3es
「独りで生きて行くんやで・完結」

^_^;おれかなしいなぁ…

おじいさんはうどんの作り方だしのとり方包丁さばきとか色々教えてくれました

「おじいさん」ところで…おじいさんは

ふと…思い出したようにお前の身元引受人はとんでもない奴だな…おじいさんはニヤリと笑いました

おれ「?」おれにはそんな人はいないがと頭をひねる

「おじいさん」まぁ…いい

  さて…飯にしようか

食事は三食おばあさんが作ってくれます、これがまた美味しいんです(*^_^*)

施設のご飯はなんて言うか機械的味ここのは心に染み渡る美味しさなんだな♪

でも、不思議におじいさんとおばあさんは食べないだな?

無表情にじっとおれを見てるんだ(>_<)よーーく考えると二人が食べてるとこ見たことないんだな

怖いよ…ある夜目が覚めて階段の下に降りて行ったら下はおじいさんとおばあさんのお部屋です

明かりが漏れてるのでそっと覗いて見たら背中に羽がはえてた?!

おれがもっと観察しようとした瞬間「ガタリ」音ぉぉぉーー出しちゃったんだな

おじいさんとおばあさんがゆっくりとこちらを振り向いた!!

鼻!!はなぁぁぁーーー長い!!

「み・ぃ・た・な・ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

おれはそこで意識を失ったんだな???

朝です…いつもと変わらずおじいさんとおばあさんがいます

おいでおいでと手招きするんです…くっ…食われる!!

おまえにはもう教える事は無い人間界の時間にしてわずか一分でおまえは

魔界時間で五年…うどんの作り方だしのとり方包丁さばき

並みの人間では適わない腕前を取得したんじゃ

五年の魔界時間良く耐えたな偉いぞ

おじいさんとおばあさんはそう言いながら優しくなでてくれた

さて…わし等も歳じゃでな…おまえにこの店を譲ろうと思う…

独りでも頑張って生きて行くんじゃぞ!!その時ですバサバサと言う音と共におじいさんとおばあさんは消えていました

ちらっと見たのですがあれは…天狗です

ふと気が付くと後ろに眩いばかりの何ともいい感じのする人が立っていました

良く頑張ったな偉いぞ…こんな世の中だ生きて行くのも理不尽の道を歩む様なものだが…

修行と思い頑張るのだ

お前を拾って施設に入れたのは私だにこやかに微笑む…歯がぴかぴかだぁ…とっ…おれ

お前はね人の二倍幸せになる権利があるんだよ…
 
そう言いながらこの人の手から破ぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーー!!

おれのからだを黄金に輝く光が入ってきました

うっとりするような心持でした

さぁ…人の二倍幸せになれる技法をほどこうしといた微笑む…後はおまえの努力だぞ

じゃあまたな…お店を出て行こうとした時振り向いて…お前ももう気づいてるだろう

お前に料理を教えてくれたのは裏の天狗さニヤリ

いつもお前を見守っているぞ…そう言いながらこの人は去って行きました

俺は一生懸命頑張って美味しいうどん屋の称号まで頂きました

おじいさん…おばあさん見てくれ俺は頑張ってるぞ!

後で知ったのです俺を引き取ってくれ施設に入れてくれたのはお寺生まれのTさんでした…

590寺生まれの名無しさん:2015/06/21(日) 08:32:59 ID:HMs.t3es
読みにくい文で板を汚し管理人様ざれごとと笑って流して貰えると幸いです

みなさんの作品はどれも秀逸です

ではまた

591寺生まれの名無しさん:2015/06/22(月) 00:37:57 ID:5rve0Czs
>>590
勢いがあっていいですね!自分が書くと冗長になってしまうので羨ましいです

あと、>>590さんの書き方はSSと相性が良さそうなので、参考にされるとさらに良くなると思いますよ!
(アニメや漫画の題材が結構多いので「>>590さんの好きな作品 SS」で検索すると良いかもしれませんね)


新作お待ちしてます!

592風見鶏:2015/06/23(火) 22:10:10 ID:tWgioPHA
百キロババァvs○○ババァ



良く晴れて満天の星が輝いて何時もよりも視界が良い。
その為、物凄いスピードで追いかけてくる着物のお婆さんがバックミラーにハッキリと映った。
噂の百キロババァだ。

「・・・・・・ニャリ」

今日こそは決着をつけてやる!
奴に出会ったその時から、私はそれを目標にしてきた。

「・・・・・・そんな物に頼らなねば決着をつけられぬとは、老いたな?ニャリ」

私がババァになる前からババァだったアンタにだけは言われたくないね!!

「老いて耳まで遠くなっちまったのかい?何か言ったらどうだい?ニャリ」

そんな口が叩けるのは今日までだ。
今日という日の為に最高のチューニングと最高の助っ人を連れてきたんだからね!

「破ァ!!」
「!?」

助っ人とは我が孫・・・・・・噂は聞いた事があるだろう?
人呼んで・・・・・・『寺生まれのTさん』だよ!!

「貴様、それは反則じゃろ!?ワシが百キロババァだけでなくジャンピングババァの異名を持ってなかったら今頃昇天しちまってるよ!?」

喧嘩に、ましてや化け物退治に反則もへったくれもあるかい!?
それにしても孫。
『寺生まれのTさん』だなんて評判集めてるクセしてあんなババァを始末出来ないなんてまだまだ修行が足りないようだね!
数打ちゃその内当たるだろうから何発でも撃ちな!!

「破ァ!!破ァ!!破ァ!!」
「こんな若僧を最高の助っ人とは・・・・・・ワシも舐められたモノじゃのぅ・・・・・・。人間がどれだけ道具を使おうと技術や努力じゃ越えられる百キロババァとしての意地と誇りを見せてくれる!!」
「破ァ!!破ァ!!破ァ!!」

・・・・・・258の標識が見えてきた!!
この時の為にこの道を選び下調べや下準備は充分だ!!
アンタが孫と遊んでる間にエンジンは充分暖まったしな!ニャリ!

「何っ!?まさか貴様、今までのことは!?」

この車の欠点は、どうセッティングしてもフルパワーを出すのに時間がかかっちまう事だ。
良く見とけ!!
これが人間の・・・・・・絶え間ぬ汗と涙と努力の結晶の成果じゃ〜!!

593風見鶏:2015/06/23(火) 22:11:07 ID:tWgioPHA
百キロババァvs○○ババァ



<翌朝>

スピード違反を取り締まっていた警察官のPさんは、やたら速度の遅いクルマを発見し、
かえって危険なため停止させた。

中には80歳くらいの女性(運転手)と寺生まれのTさんが乗っていたが、運転していた老婆以外は、目を見開き、真っ青な顔色をしていた。

運転席の老婆は、不思議そうに尋ねた。

「お巡りさん、私はいつも標識どおりの速度で走ってますよ。
今だって標識どおりの21キロで走ってたんですから」

Pさんは事情を理解し、微笑みながら言った。

「お婆さん、あの標識の“21”というのは国道21号線という意味ですよ」

その言葉を聞き、老婆は恥ずかしそうに答えた。

「あれま、そうでしたか。それは失礼しました」

Pさんは老婆に運転に気を付けるように言ってから、
一つ気になっていることを口にした。

「なぜこの寺生まれのTはさっきから一言も喋らないのですか?
何だか全員放心状態のように見えますが」

すると運転席の老婆が答えた。

「まったくだらしないよ。国道258号線に入るまではあんなに気合いを入れて『破ァ!!』なんてカッコつけてたクセして。こりゃあ帰ったら躾しなおさないとね!破ァ・・・・・・、これが我が孫だと思うと頭が痛いよ、まったく・・・・・・。それじゃお巡りさん、頑張ってね」

そういって走っていく車を見ながらPさんは思った。
ここしばらく、百キロババァと対等の勝負を繰り広げている『ターボババァ』と呼ばれているモノの正体は、Tさんの祖母だったのだと。
寺生まれで凄いのはTさんだけじゃなかった。






・・・・・・




何とか書き上がりました。

594寺生まれの名無しさん:2015/06/29(月) 12:55:24 ID:4hQ4jpxA
このスレまだ残ってたんだ!

595100数えよう:2015/06/30(火) 11:47:05 ID:yZOKrLiE
小学校低学年の時の話

その日は、父が出張、母も用事で出かけていたため、兄と二人で留守番していた。
晩御飯は近所に住む寺生まれのTさんが持ってきてくれることになっていた。
6時頃になると晩御飯が待ち遠しく、兄に「Tさん。まだ来ないかな?」
と何度も聞く私。

そしたら兄が「よし。100数えよう。そしたら寺生まれのTさんが来るよ」と言い、
嘘とわかっていたが何となく面白そうだったので数えることにした。

私「いーち、にー、」
兄「今、Tさんがお寺を出た」
私「はーち、きゅーう、」
兄「Tさんがタバコ屋の角を曲がって大通りに出ようとして戻ってきた」
私「二十五、二十六」
兄「八百屋の前で値引き交渉している」
私「三十九、四十」
兄「銀行の前で銀行強盗を取り押さえた」
私「六十一、六十二」
兄「お茶屋さんの角で一服している」
私「八十一、八十二」
兄「四つ角を曲がって家に向かってる!」
私「八十九、九十」
兄「家まであと少し」
私「九十五、九十六」
兄「今、玄関の前!」
私「九十九」
兄「引き戸に手を掛けた!」

私「ひゃーく!」

その瞬間ガラガラと引き戸が開く音がして、
こんなことってあるんだね!と兄と話しながら玄関に向かった。

ところが玄関には誰もいない。

それどころか鍵がかかっていたので引き戸が開くはずがない。
私はわんわん泣き、兄と震えていた―――その時!

「こらっ!つまらん悪戯で、幼い兄妹を怯えさせる馬鹿共め!破ァ!!」

突然聞きなれた声がしたかと思うと、玄関の景色がぐにゃあと歪んでいく。
気が付けば開け放たれた引き戸の先に寺生まれのTさんが立っていた。

Tさん「まったく、この瞬間の為だけに散々俺を足止めしやがって。あいつら、害はないんだが悪戯好きでな」

Tさんの腕の中で泣きじゃくりながら、私と兄は寺生まれって凄いと思った。
「悪戯好きなあいつら」とはいったい何だっただろう、とも。

596寺生まれの名無しさん:2015/06/30(火) 18:43:49 ID:HEUKcESw
>>595
やだ可愛い…
妹カレーの改変なみに和んだ…

子供+ご飯+Tさんって良いね

597寺生まれの名無しさん:2015/07/07(火) 11:10:42 ID:KPMCPGZA
(なんだここ、汚いにもほどがあんだろ……)
だがお金を払ってしまっている以上、いまさら出ていくのは勿体無い気がして、ぼくは虫のいなさそうな、その上でスクリーンを見やすい位置に座り、人生初のポルノ映画と対面することとなった。
トンカツ。
それはまるで、トンカツを食べるかのごときものだった。
おそらくは監督の描きたい、青臭いテーマがまず、横たわっている。そうして、単体では胸焼けを起こしそうなそいつの、箸休め的な意味合いで、濡れ場が挿入される。さながら、キャベツを合間に挟むように。つまりエロシーンがありさえすれば、何を撮ってもいいのだろう。なんと自由。こういう世界もあるのかと、脳と下腹に衝撃を受けた。
その記憶は今でも鮮明だ。理由は簡単。直後、更なる衝撃に襲われたからだ。
ふと揺れを感じた。
横を見た。
ぼくと同じように座席に腰かける男がいた。奇妙なことに、男の股間に男が顔を埋めていた。
暗いながらも、そこで行われているものが性行為だと、わからない筈がなかった。
ああ、そうか。
すべてに合点がいった。
ここはいわゆる、ハッテン場だったのだ。一度それに気づいてしまったが最後、拭い去りがたいアウェイ感に居たたまれなくなった。というか、いまにも肩に手を回されるのではないかという恐怖心も芽生えた。
どうしよう、出ようか?
三本目はまだ終わっていない。だが心穏やかにポルノを堪能する気分ではなくなっていた。
煮え切らない気持ちで視線を泳がせた。
スクリーンの、ぼくから見て左手隅に、非常口があった。走る格好の白いヒトガタと、緑色に光る背景のランプが上部に設置されたアレだ。
そこに男が立っていた。
一見して勤め人ふうだった。痩せていた。ネクタイをしていた。
直立不動だった。背筋かピンと、伸びていた。
男はジッと、ぼくを直視していた。

598寺生まれの名無しさん:2015/07/07(火) 11:15:24 ID:KPMCPGZA
失礼。上のは「覚醒」の4です。
あと
>背筋かピンと〜
背筋が、ですね。推敲甘くてすいません。

599寺生まれの名無しさん:2015/07/27(月) 01:45:01 ID:qmezxW.I
案は浮かんでるのに上手く書けないぃ…

600寺生まれの名無しさん:2015/07/28(火) 19:51:12 ID:AGnIOsMc
600突破!!


レス番666で何かが起きますように

601☆≡⊂(・∀・´)ハァァァッ!!:2015/08/18(火) 03:40:18 ID:3NQqV8Zo
言い出しっぺなので
皆さんが書き込み安いように先陣をきってみました。
未だChikatomoさんと連絡が取れない状況ですので、
とれるまでの間ちかともユーザーによって描かれたTさんをお楽しみ下さい。

また怖い話見つけたよ〜って報告や
Tさんネタへの改変依頼・作品お披露目等も大歓迎です
(ここのルールについてはページ上部をご覧ください)

そして、これはちかとも※欄で書いた通り一個人の考えのもと行っていることです。
ネット等のマナーに反するよ!って場合は教えてくださると嬉しいです。
また代案を提示してくださるとなお良いです!

6021:2015/08/22(土) 19:47:48 ID:M26bbCQ6
長年連れ添った仲の良い老夫婦がいて
「片方が先に死んだら、さみしくないように壁に埋めよう」
と言い交わしていた。
しばらくして、婆さんが先に死んだ。
爺さんは悲しみ、約束通り婆さんの死骸を壁に埋めた。
すると、ことある事に壁の中から「じいさん、じいさん…」と婆さんの呼ぶ声がする
爺さんはその声に「はいはい、爺さんはここにいるよ」と答えていたが。
ある日、どうしても用事で出なくてはいけなくなったので村の若い男に、留守番を頼んだ。
男が留守番をしていると、壁の中から婆さんの声がする

「じいさん、じいさん…」
男は答えた。
「はいはい、じいさんはここにいるよ」
最初のうちは答えていた。
けれどしかし、婆さんの声はなんどもなんども呼んでくる。
「じいさん、じいさん…」
やがて、男は耐えきれなくなって叫んだ。
「うっせえ! じいさんはいねーよ!」
すると、壁の中から鬼の形相をした老婆が現れ、「じいさんはどこだあ!」と叫んだ

すると突然、まばゆいばかりのスポットライトが飛び出したばあさんを映し出す
「JI-I-SA-Nは」「どこだ!」ステージにばあさんの声が響く
詰め掛けたオーディエンスはばあさんの久々のステージに期待で爆発しそうだ
今晩も伝説のリリックが聴ける。ストリート生まれヒップホップ育ち。本物のラップが聴けるのだ
キャップを斜めに被りオーバーサイズのTシャツをきたじいさんがターンテーブルをいじりながら目でばあさんに合図する
重たいサウンドがスピーカーから響く。ショウの始まりだ
「 ここでTOUJO! わしがONRYO! 鬼のGYOUSO! ばあさんSANJYO! 
 違法なMAISO! じいさんTOUSO! 壁からわしが呼ぶGENCHO!
 (ドゥ〜ン ドゥンドゥンドゥ〜ン キュワキャキャキャッキャキュワキャ!)
 年金減少! 医療費上昇! ボケてて大変! 食事の時間!
 冷たい世間を生き抜き! パークゴルフで息抜き!
 どこだJI-I-SA-N老人MONDAI! そんな毎日リアルなSONZAI!
 SAY HO!(HO!) SAY HO HO HO HO!」
じいさんのプレイも好調だ。オーディエンスの熱狂はこわいくらいだ。
まだ、俺らの時代は始まったばかりだ、そんなメッセージがばあさんの口から飛び出していく
本物のヒップホップが、ここにあるのだ。

6032:2015/08/22(土) 19:49:53 ID:M26bbCQ6
T もう満足か?この世の悔いや未練はもう無いか?Tさんはそう言うと
両手を広げ、優しく破ァッ!!
そう叫ぶと婆さんは青白い気に包まれ始めた・・・。

「ああ、じいさんが寂しくないように声をかけていたつもりじゃったがいつの間にか
わしが怨霊になっていたんじゃな」

T ほう、そこまで思い出したのか・・・。ならばもう婆さんの進むべき道は・・
分かるな?

「勿論じゃとも、世話をかけるねぇ。」
そういうと婆さんは穏やかに笑いながら消えていった・・・。

T さあさ今宵のライブはこれにてお終いだ。
そう言うとオーディエンス達は婆さんのライブの余韻に浸りながらそれぞれ
帰路につくのだった・・・。

その後取り残された爺さんは、Tさん・・・たまには何も壊す事無く払えるんじゃないか。
そう言うと

T いや、今回も壊しちまったぜ?爺さんと婆さんの愛と絆をな。
そう言うと破ぁ〜っはっは!と高笑いしながらその場を後にした。

見送りながら爺さんは「やっぱり寺生まれは凄い!ワシも後30年若けりゃのぅ・・・。」
そうつぶやくのだった。

604602-603:2015/08/22(土) 19:55:26 ID:M26bbCQ6
すみません、Tさんの話を見ていたら参加してしまいたくなり下手ながら
書き込ませていただきました。

605百キロババァvs:2015/08/23(日) 13:44:13 ID:3Gv4Lmqc
関東地方のある道路を走っているとよくない事が起きる。

その日、Nは猛スピードで道路を走っていた。
後ろから200kmを超える速度で老婆と明らかに改造したと解る軽が並走して、間も無くNを抜かした。
Nは立ち止まると背中の荷物から自転車のパーツを取り出し組み立てこぎ出した。
Nと前方を走っていた軽と老婆の距離がグングン近付く、間も無くNは軽と老婆を軽々と抜いた。
Nに抜かれた老婆は一瞬ギョッとした表情を浮かべる。
「脚で勝てないからと今度は自転車かい!その考えが甘い事を教育してやるよ!!」
鬼の様な形相で更に速度を上げる老婆、引き離される軽。
「くっ、これ以上は速度超過で捕まっちまう」
軽を運転していた老婆は悔しげに呟き、九州の500km/hで走れる国道であの二人と勝負するしかないと思った。

606すいません、上のレス消してください:2015/08/23(日) 13:55:09 ID:3Gv4Lmqc
その日、Nは猛スピードで中部地方の道路を走っていた。
後ろから200kmを超える速度で老婆と明らかに改造したと解る軽が並走して、間も無くNを抜かした。
Nは立ち止まると背中の荷物から自転車のパーツを取り出し組み立てこぎ出した。
Nと前方を走っていた軽と老婆の距離がグングン近付く、間も無くNは軽と老婆を軽々と抜いた。
Nに抜かれた老婆は一瞬ギョッとした表情を浮かべる。
「脚で勝てないからと今度は自転車かい!その考えが甘い事を教育してやるよ!!」
鬼の様な形相で更に速度を上げる老婆、引き離される軽。
「くっ、これ以上は速度超過で捕まっちまう」
軽を運転していた老婆は悔しげに呟き、九州の500km/hで走れる国道であの二人と勝負するしかないと思った。

607寺生まれの名無しさん:2015/09/08(火) 00:28:41 ID:X1JJwFCg
高校生の頃、学校の近くのお好み焼き屋でたむろするのが日課でした。

その日もいつものように、その店で下らない話をしていたのですが、
「キィィィィィー」という車の激しいブレーキ音が聞こえ、
「おい、事故ったんじゃねえ? いこうぜ!」と言う友人と3人で、すぐに店を飛び出しました。
その店はわりと大きい十字路から10mくらいの所にあった為、その十字路に違いないと確信してました。
事故現場はまさに十字路でした。

砂利を積んでいるような大きなトラックが見え、近くに野次馬もいました。
ちょうど前輪の辺りで、言葉にならないような叫び声をあげている中年女性の姿が。

近づいてみると、トラックの前輪に向かって叫んでいます。
その時私達が目にしたのは、馬鹿でかいトラックの前輪の下に頭がすっぽりと入ってしまっている小学生くらいの女の子の体でした。

半狂乱の母親らしき人が「○○!○○!」とその子の名前らしきものを叫び続けてました。
完全に頭を踏み潰された女の子。時折手足がビクッビクッと動いてたのを覚えてます。
うわ…見なきゃ良かった。と思った時はもう遅かったのですが、
その母親は何を思ったのか、その女の子の両手を掴み、
腰を落として引っ張りだそうとしたのです。
周りに居た人間は、その光景の凄まじさから誰も止めようとする人がいません。
まもなく「ブッ」という鈍い音をたてて、首から下の胴体だけが抜けました。
もうそこからは見ていられないと思いました。友人の一人は既に背を向けて店に戻ろうとしていました。
その時、母親らしき女性と目が合ってしまったのです。
逃げるように店に戻ったのですが、何を思ったのかその母親らしき女性は、頭の無い女の子の体を抱いたまま、私たちを追ってきたのです。
店に逃げ込む私達と、それを追いかけて入ってくる死体を抱えた女性・・・
店には何人か他のお客がいたが、全員もうパニックでした。
「○○を助けてよ!ねえ、助けてよ!」と狂乱する女性。

その時、最後まで現場に残っていた友人が店に入ってきました。いつも明るい彼からは見たことのない悲しそうな表情をしていました。
私達のように恐怖が顔に浮かんでいないのが印象的でした。

死体を抱えた母親が友人に駆け寄ります。
「あなた!あなた助けてよ!助けてよ!!」

友人は発狂する母親に臆することもなく、ゆっくりと首を振ります。
「俺でももう還してやることはできない」
「助けてよ!助けてよーーー!!」
「母親のあなたが辛いのは分かる。しかしあなたが取り乱し、亡骸を無残にも振り回すことはあの子の為にならない。このままじゃあの子は交差点に取り残されてしまうよ」
「ああああああああああああああああああ」
絶叫する母親。
見守る友人。
奇妙な構図でした。
友人が母親から胴体を引き剥がし優しく抱き上げると、片手を翳しました。

「破ァッ!」
彼の右手から青白い閃光が放たれます。
眩しくて目を開けていられないほどでしたが、暖かい光だな、と感じたのを覚えています。

視界を取り戻した時に目に入ってきた母親に姿は、既に落ち着きを取り戻していました。
「あぁ……○○ちゃんは……死んじゃったのね……」
落ち着いてはいますが悲痛な母親の呟き。
胸が締め付けられました。
「残念だ……」
友人は母親の肩を抱くながら店を後にしていきました。

友人のTくんとの不思議な話はこの大学生活で沢山経験させてもらったのですが、霊を成仏させるのではなく、悪霊化させない、地縛霊化させないことも寺生まれの仕事なのかなと思いながら、女の子に手を合わせました。

6081:2015/10/03(土) 17:13:25 ID:MWMq5YNw
都内の某有名お花見スポットにお花見に行ったときのこと。
その日は前日とは打って変わってやけに気温の低い日だった。

温かい飲み物を求めて、最寄のスタバには客殺到。

私も店外に伸びた長蛇の列に加わって並んでいた。

暫く並んで、お店の入り口ももうすぐというところまで来た時、肩を叩かれた。
振り向くと、

シロガネーゼ(古)風の巻き髪お化粧ばっちりの女性。推定35歳。

「これお願い。一緒に買ってきて」

と紙を差し出す。

紙はぐっちゃぐちゃに書かれた飲み物のオーダー。

しかも「低脂肪乳で」「ホイップ追加」など注文がうるさい。

事情が飲み込めず、

ていうか誰この人?

などと頭が混乱して固まっていると、

「だから!これを買ってこいっていってるの!」
と追い討ち。

え??

女「だからぁ!子供が小さいから!子供って体が繊細なの!風邪引いたらあなた責任取れるの?」

私「…?」

女性が指差すほうを見てみると、
同じようなテイストの女性が数人とちびっ子たち。

どうやら「ママ友」たちとお花見に来た模様。

女「あなたどうせ並んでるんだから一緒でしょって言ってるの!」

私「……?」

女「メモ早く受け取りなさいよ。…あなた日本語通じる?日本人じゃないの?」

呆気に取られて声が出なかった私だが、ここでようやく一言発することができた。
ただし大いに混乱していたため、

「どちらさまですか」
という間抜けた一言。

我ながら(ノ∀`) アチャーと思ったところ、
すぐ後ろから若い女の子が爆笑する声が聞こえた(手叩き付き)。

6092:2015/10/03(土) 17:16:00 ID:MWMq5YNw
振り向くと、
私の後ろに並んでいた派手目なギャル2人(以下仮名Aちゃん・Bちゃん)が、
腹抱えて大爆笑していた。(ちなみに二人ともモデルさんのような美人だった)

「ちょw他人に命令とかありえねぇw」
「日本語通じるとかwそれおめえだし、どんだけだよw」
「いや、マジ意味わかんねえしwてかマジどちらさまだしw」

箸が転んでも可笑しいお年頃のギャルたちは、
およそこんな感じでとにかく大ウケ。

女性の表情がみるみる般若のように変わり、
私からギャルたちにロックオン対象変更。

顔を引き攣らせながらギャルを睨みつけると、
吐き捨てるように一言、

「下っ品な…親の顔が見てみたいわ」

どの面下げて親とか言ってんだよと私もさすがに頭にきて、

「あなたねえ!」
と言いかけると

Aちゃんが私を軽く手で制した。

「下がってください!!」

次の瞬間「矢アーーーーーー!!」という声と共に青白い光の矢が

後ろのちびっ子に向かって飛ぶ。

えっ?えっ?



「ギャアアアアアアあべしひでぶたわば!」

ちびっ子たちがドス黒いサボテンの頂点に口のついた…というより毛虫様の、

生き物でないものに変化し、一頻りうねりながら断末魔の絶叫を轟かせた後

黒い靄となって消滅、女、クラっとなってその場にへたり込む。

「病弱な子供を演じて母親を操り、自分たちの結界を広げていたんですね…」

Aちゃん、いや、Jちゃんが呟く。



「ここは…?」

女が気がついたようだ。

「子供たちはあなたがたの想像上の存在に過ぎなかったのです。

考えてもみてください。非モテ女のあなたに子どもはいないはずです。

おそらく妄想のすきをついて、あのような低級霊が入り込んだのでしょう」

「そ、そんな…そうとは知らず私はなんて酷いことを…」

再びフリーズしてしまっていた私は慌てて、

「いえ、いいんです。私も今、神社生まれってすごい、って思ったところですから」

またイミフなことを言ってるぞ私、と反省していると、Jちゃんが

「お礼とかほんといいっすから!!」

とか華麗に言い放った。



「いや誰もくれるって言ってないし」

と、傍ですっかり出番のなくなったBちゃんは心の中でツッコむのだった。

610寺生まれの名無しさん:2015/10/16(金) 09:14:31 ID:uLzFCgDM
つい5分ほど前に金縛りにあった。
悪夢で目が醒める→金縛りのコンボでパニくってた上に、目を開くと天井に10才くらいのに男の子がへばりついていた。
天井をスルスルと移動し、壁を蜘蛛の様に動き回る少年。
いつもの金縛りなら指先に力を込めると解けるのだが、今回は微動だにしない。これはヤバイ。
突然、周りに気配があり、ネコのようだが体半分が頭、その頭も口が大部分を占めるような奴らがわさわさいるのに気づいた。そいつらが大口を開けて少年の動きを追っているようだ。
俺はさらに驚いて悲鳴をあげたが
「…ひゃ…ぁ…」
金縛りのせいで全く声にならない。
すると
「カァーーーーーッ!」 
明らかに自分以外の声が聞こえた。見ると男の子の手から黒光りする十字状の物体が無数に飛び出し、周りにいるネコの化け物に次々に突き刺さっていく!
粉微塵になって雲散霧消する化け物たち!
次の瞬間には金縛りも解けていたが、男の子はまだ見えた。
「危なかったでござるな。ヤツらは動くものに反応するのでござる。拙者が金縛りをかけていなかったら一斉に食べられていたでござるよ」
男の子は無理して時代がかったような口調でそう話すと、ニンニン、とか言いながら居なくなってた。
ただの幻覚だったのかも知れないけど、伊賀生まれってすごい、改めてそう思わずにはいられなかった。

611犬鳴トンネル:2015/10/27(火) 12:56:36 ID:msiFAPEs

 犬鳴き峠をごぞんじですか? 作り話しようと思ってたらずっと忘れてた事を思い出しました。正直あんまり恐くないです。というか実際の出来事はそんなもので…。

 当時学生だった私はAという友達とよく放課後に残っては下らないダベリを繰り返してました。部活なんか入ってなかったので。
 まぁ、私もAも恐い話が好きなほうで、よく恐い話を仕入れてきては楽しんでいました。たまに女子も入ってきてキャーキャー言いながら放課後の夕暮れの時を過ごしたものです。
 やがて受験を控えた最後の夏休みを迎える事になりました。私とAはいつものように雑談してましたが、なんとなく夏休みと、受験の鬱さから何かイベントを起こそうという話になり、犬鳴き峠に夜行ってみる、という事になりました。
 犬鳴き峠というのは九州では非常に有名な心霊スポットで危険だから立ち寄ってはいけない…と大人なら誰もが言うくらいのヤバイところです(現在は封鎖されてます)。
 そこのトンネルをくぐると必ず何かが起きます。
 正直、私は妙な高揚感を覚えましたが、同時にビビってました。
 ですが若かったせいもあって「恐い」なんて言えません。まして親友のAにそんな姿は見せられませんでした。
 夕暮れのくっきりしたシルエットの中でAの顔は真っ黒に見えました。
 田舎学生でしたので私たちは免許なんて持ってません。ですのでローカル線に乗って現地の駅に集合でした。それからひたすら徒歩です。途中バスが出てるとの話でした。
 そして夏休みに入り、けだるい暑さの中で、その決行の日が近づくにつれ私は何をしても気持ちが落ち着かなくなりました。
 それから何度も電話でAと話をしましたが、悔しいことにAは全然平気のようでした。一度話の流れで私が行くのをやめようか? と言ったとき、Aのバカにした笑いが耳に響きました。
 それ以来当日まで電話はしませんでした。
 私は恐いとかよりも恐がる姿を見せてたまるか! という決意で固まりました。

612犬鳴トンネル:2015/10/27(火) 12:58:57 ID:msiFAPEs
 そしてその日が来ました。

 先日から振り始めた雨は朝になっても止んでいませんでした。
 私は待ち合わせの夕刻までベッドでごろごろしていました。
 やがて時間がくると、Aに中止にしようと言いたくて何度も受話器を握りましたが…言えず…出かけました。

「なんでこんなバツゲームみたいなこと…」

 初めて行く場所だったので、駅員に聞いたりしながらなんとか現地の駅まで辿りつきました。
 すでに薄暗くなっています。雨は霧雨になり傘をさしているのですが体中がじっとりと濡れてきます。
 待ち合わせの駅に着いたのは約束の時間より30分以上も早い時刻でした。人気のない駅でした。駅員も古い駅舎にはいって背中を見せたままです。私は夏とはいえ雨に濡れてたので震えました。正直恐かったのだと思います。
 やがて約束の時間になりました。しかしAは来ません。
 私は次の電車だろう…と待ちました。しかしやはりAは来ません。

「あの野郎……」

 正直私は嬉しかったです。帰れる…と思いました。しかし、すっぽかされた怒りは若かったせいもあって強かったです。

「あいつ…どついたろうか」

 その時後ろから声がかかりました。
 怒り顔のAでした。

「おまえ! いつまで待たせんだよ! 現地集合だっていっただろう!」
「え? 現地の駅だったぞ?」
「お前…俺はずっと峠の麓におったとぞ?」
「すまん…」

 Aはやはり独りで待たされたせいもあってか凄くいらついていましたが早く行こうと先を歩き出しました。
 私は慌ててついていきました。
 Aはすでに一度通っただけあって私を案内してくれました。しかしさすがに恐いらしく無口でした。顔も青ざめて見えました。
 やがて私たちは峠にさしかかりました。しかしそこからは急に砂利道になっています。私は薄暗い中、Aに必死についていきましたがその先に鉄柵がはられていることに気付きました。
 私たちは(若さのせいにばかりするのはあれですが)鉄柵に掛かった鍵を砂利道でひろった大き目の石をつかって壊しました。Aは体力がないので私の役目でした。

 時間はかかりましたがなんとか鍵は壊れました。相当古い鍵だったようです。
 そこからは両側から生い茂る草の真ん中をしろっぽく浮かび上がる砂利道をひたすら上っていきました。雨のせいか日はすぐに暮れました。
 私たちは懐中電灯を灯して上りました。
 三十分くらい上ると、そこに闇をさらに黒くぬりつぶしたようなトンネルが見えました。
 中は真っ暗です。見たこともない暗さでした。
 私は背筋がゾゾゾゾゾゾ…と寒くなりました。

「こ…これかよ…」

 Aも震える声で言いました。

「さっきここで待ってた時はまだここまで暗くなかったけど…」

 私たちは身をよせあって中を覗きました。まるで地獄につながっているかのようです。昼間なら向こう側の出口の明るさも見えたでしょうが…なにせ夜になっているので本当に永遠につづくトンネルのようでした。

「こ、ここを抜けると何かが起こるのか…」

 Aは余計無口になったまま、いつのまにか私の服を握り締めています。

「お…おまえ先にいけよ…」

 Aは震える声で私に言いました。

「あの野郎…」

613犬鳴トンネル:2015/10/27(火) 13:00:16 ID:msiFAPEs
「ば、ばか…押すなよ」

 雨のせいで虫の声もない山の夜です。私たちの懐中電灯のあかりだけが灯っていました、しかし、その明かりも闇に溶け込んでいます。
 私はもう駄目でした。恐いなんてもんじゃありません。正直泣きそうでした。
 私はAに言いました。

「ごめん…俺、無理。もう帰ろう」

 しかしAは手を離しません。

「ば、ばか!ここまで来て帰れるかよ」

 私はAに押され少し前に進みました。

「無理だって!俺、堪えれないよ」
「お前が来ないからずっとここで待たされた身にもなれよ」
「んなこと言ったって!俺は帰る!」
「だめだ」

 Aは私の服がやぶけるくらいひっぱってトンネルに入っていきます。私は必死でふんばりました。

「やめいって!」
「いいから来いよ!はやく!」
 Aはどんどん私をトンネルの奥にひっぱります。私はさすがに切れてAを振りまわす気持ちでひっぱり返しました。私のほうがAよりも体力があるからです。
 しかし、Aの力はいつもより強く私はふりほどけませんでした。

「大丈夫だって…そんな恐いことないよ。一緒に行こうよ」

 …その時私はあることに気付きました。

「お前…ここで待ってたんだよな?」
「…」
「ここに来る途中、、鉄柵の鍵かかってたじゃないか…」
「…」
「だいたい、俺が待ち合わせ場所に来たのは30分も早かったのに…ずっと待ってたって、いつから待ってたんだよ?」

 その時、私をトンネルの奥にひっぱっているのがAだけではない事に気付きました。
 後ろから、横から…たくさんの手が私をトンネルにひっぱっているのです。
 悲鳴が喉から出ない私にAが振りむいて言いました。

「早く死のうよ」

「 そ こ ま で だ ! 」

614犬鳴トンネル:2015/10/27(火) 13:01:15 ID:msiFAPEs
 突然響く声に私が振り向くと、そこにはひとりの男性らしき影が……それは霊感が強い事で有名な、寺生まれのTさんでした。

「Aに化けてまで用意周到な奴等だぜ……だがお前たちの思い通りにはさせない! 破ァーッ!」

 Tさんがかざした右手から青白い光がほとばしり、私を掴んでいた偽Aを吹っ飛ばしました。

「グワーッ!」

 偽Aは断末魔の叫びを上げて消滅しました。しかしまだたくさんの手が私を掴んでいて、私をトンネルに引きずり込もうとしています。

「破ァーッ!」「グワーッ!」「破ァーッ!」「グワーッ!」「破ァーッ!」「グワーッ!」「破ァーッ!」「グワーッ!」

 Tさんは慌てず冷静に、かつ迅速に、左右の手から次々と光弾を発射しました。それらは緻密なコントロールで正確に悪霊たちにヒットして消滅させていきます。
 しかし悪霊は次々と現れて、私をトンネルの闇に引きずり込もうとしていました。

「きりがないな…まとめて吹き飛ばしてやる!」

 Tさんは左右の手を合わせて、そこに気を溜め始めました。青白い光があたり一帯を眩く照らします。

「破ァーッ!!」

 Tさんは雄叫びと共に、限界まで溜めたエネルギーを放射しました。それは巨大な光の龍となって、闇の中にいる悪霊たちを一網打尽に消し飛ばしてしまいました。
 ようやく解放され座り込んでしまった私に、Tさんは「立てるか?」と優しく手を差し出してくれました。

「ありがとうございましたTさん。でも、どうしてここに?」
「あいつに聞いてくれ」

 Tさんが指し示した方角から、なんとAが「お〜い!」とやってくるではありませんか。
 実はAは、当日になって急に怖くなり、しかしやめる訳にもいかずTさんにボディガードをお願いしたとの事。時間に遅れたのは、Tさんを迎えに行ってたからだそうです。

「お、雨もやんだようだな」

 何事もなかったかのように夜空を見上げるTさん。確かに雨はやみ、星が見えています。


 やっぱり寺生まれは凄い。そう思う夏の夜でした。

615寺生まれの名無しさん:2015/10/30(金) 21:46:18 ID:3NkhMbZ.
Tさん相変わらず強いなあ

616寺生まれの名無しさん:2015/11/30(月) 12:31:39 ID:oYDMAoMM
俺が高校の頃の雨降りの夕方、俺は学校から家に帰ってきた。��
そしたら母がバタバタと仕度してた。��

「あんた何やってたの?��
叔父さんが亡くなったのよ。早くしなさい」��

という。��
どこの叔父さんだと思いながら、とりあえず用意しようとしたら電話が鳴った。��
母は忙しくしてたので、仕方なく俺が電話とった。��

「もしもしっ。俺だ。落ち着いて聞けっ。いいか」��

かなり切羽詰った口ぶりで相手は前置きもなくいきなり喋りだした。��
聞き覚えのある声だった。��
誰の声なのかは、すぐには分からなかった。��

「死んだのは叔父さんじゃない。母ちゃんだ。��
いいか。絶対に振り向くな。そのままじっとしてろ」��

母ちゃん?��
母を母ちゃんと言い、そしてその声。��
兄だ。��
去年バイク事故で亡くなった兄の声だったんだ。��

死んだはずの兄から電話があったら、普通パニックだと思うが��
そのとき俺は不思議と恐怖感のようなものは感じず��
冷静に兄からの電話があった事実を受け入れられたと思う。

617寺生まれの名無しさん:2015/11/30(月) 12:32:31 ID:oYDMAoMM
それにしても、兄の電話は意味が分からない。
試しに少し体を動かしてみようとは思ったけど、硬直して体は動かなかった。
どうなってるんだ?
さっきまで母がバタバタ忙しくしてたのに、
今、背後は静まり返ってまったく音がない。

「なにやってるの・・・早く死になさい」
「そこまでだ!」

玄関のドアを蹴破って入ってきたのは、霊感が強い事で有名な寺生まれのTさんだ!

「破ぁーっ!」

Tさんの手から青白い閃光がほとばしり、俺の後ろにいる母(?)に直撃した!

「グワーッ!」

母(?)はおぞましい悲鳴を上げて消滅した!

俺は助かったのか?
でも、どうしてTさんがここに?
俺の疑問に答えるように、受話器から兄貴の安心したような声が響いた聞こえた。

「良かった、間に合ったみたいだな…」

ああ、そうか。兄貴がTさんに知らせてくれたのか…俺は兄貴に感謝した。

「お兄さんの分まで、お袋さんを大事にしなよ」

Tさんはそう言って去っていった。
あれ? でも母は…そう思う間もなく、スーツ姿の母が帰ってきた。今仕事から帰ってきたらしい。

「…で、このドアはどうしたの?」

Tさんが蹴破ったドアを見て、母は鬼の形相となっている。ああ、これは間違いなく本物の母上様ですわ。

じゃあさっきの母(偽)は何だったんだ?

訳がわからないまま母に怒られながら、俺は「寺生まれって凄い」と現実逃避気味にそう思った。

618寺生まれの名無しさん:2015/12/12(土) 03:12:36 ID:Uk/c3NT6
>>617
シンプルで読みやすくて面白かったです!
Tさんって人を助けようとする幽霊には優しいんだね。

お兄さんは、偽母が主人公に危害を加えないように、お母さんが死んだって教えたのかな?
だとしたらお兄さんは策士だな!!

619:2016/01/03(日) 07:54:40 ID:VBsOxbhM
でゐっべぃたごかだゃ

620 すゎえれりぉけぞりゎ:2016/01/08(金) 13:26:07 ID:oXoF8oZ.
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621白いワンピースの女:2016/02/22(月) 21:05:18 ID:eGYBexIg
大学生の頃の話。 
レンタルビデオ店でバイトをしていた。 
時給が上がるのが、22時からと言う事もあって いつも19時から1時までの時間でシフトに入っていた。 (田舎のビデオ屋なので、1時で閉店) 
売上の処理や、店の片付けをすると いつも終わるのは深夜2時頃だった。 
バイト先から家までは、普通の通りを使えば 自転車で10分程なのだが、 
近道を通ると5分程に短縮出来たので、普段は そっちの道を使っていた。 
しかし通りの道と違って、近道の方は 街灯もほとんどなく薄暗くて不気味な道。 
通る時は、丑三つ時と言う事もあって自転車でかっ飛ばして通る事にしていた。 

ある時、自転車がパンクしてしまった為 歩いてバイト先に行った日の事。 
帰りにどちらのルートで帰るか迷ったが 歩きだし、
多少気味が悪くても早く帰れる方が良いか、と いつも通り、
近道を通って帰る事にした。 
普段は自転車で飛ばして通るので あまり周りを見ておらず、
気がつかなかったが 半ばくらいまで行った十字路に、反射鏡が設置してあった。 
何気なくその反射鏡を見た時に 白い袖無しのワンピースを着た女性が 
反射鏡の反対側に立っているのが映った。 
肩より長い髪で、下を向いているので顔は判らない。 
深夜2時に、変な所にいるもんだ。 
酔っ払ってる人か? 
と、思い鏡から彼女の立つ場所へ視線を移したが 誰も居ない。 
見間違えたのかと思い、もう一度反射鏡を覗く。 
やはり、居る。 
サーッと血の気が引いて、急いで走って帰った。

622白いワンピースの女:2016/02/22(月) 21:08:52 ID:eGYBexIg
翌日、バイトの先輩Tさんに、その白いワンピースの女について話してみた。
Tさんは実家が寺で非常に霊感が強いらしい。
しかしTさんは「ふーん」と、素っ気ない返事。
やはり霊的なものではなく、きっと見間違えたに違いないと 
もう一度、帰り道に近道を使った。 
自転車のパンクは修理している。 何かあれば、自転車をかっ飛ばして帰ればいいと 
反射鏡の場所へ。 
見間違いなんかじゃなかった。 今度はしっかりと確認した。 
下を向いたまま微動だにしない。 白のワンピースを着た女性。 
相変わらず、下を向いているので 顔は確認出来ないが、全く動かないので 
だんだんと恐怖は無くなり、また次のバイトからは その道を使うようになった。 

それから1年以上経過し冬になった。 
バイトをしていると雪が降り始め 閉店する頃には、すっかり積もってしまった。 
自転車に乗って帰るのは、危険だったので 自転車を押して帰る事になった。 
あれから、意識して反射鏡を見ることはなかった。 
今日もまた、彼女は映るのだろうか? 
そう思いながら、十字路に立つ反射鏡を覗いた。 
雪の降る中、やはり彼女は前と同じように 微動だにせず、立っていた。 

真冬だというのに、袖の無い白いワンピース。 
久しぶりに見たのもあって、ジロジロと見ていると 
今まで全く動かなかった彼女が スッと頭を上に動かした。 
鏡越しに視線が合った。 
一歩こちらへ近づく。 
鏡から視線が動かない。 
また、一歩こちらに近づく。 
振り向けない。 
そうして、後ろまで迫ると 
「ねえ」 
と、耳元で聞こえた。 
「見えてるの?見えてるの?見えてるの?」 
ブツブツと呟くように。 
「見えてるの?」 
そして、肩に手をかけられそうになって…。 
「ねぇ」 
と耳の傍で囁かれた。
完全に腰が抜け、声も出せずその場にへたり込んだ。

623白いワンピースの女:2016/02/22(月) 21:11:29 ID:eGYBexIg
その時、鈍いエンジン音のようなものが聞こえたと思うと、まばゆい光がこちらに向けて照射された。
目をしかめながら光源の奥を見ると、
バイトの先輩のTさんが巨大な除雪車を運転して、こちらに向かってきていた。

「乗れ‼︎」

Tさんの声で我に返り、即座に立ち上がると除雪車に向かって走った。
動いてる除雪車になんとか乗り込み、Tさんの横に座ると、突然ものすごい安心感を感じ、泣きそうになった。
「あの女か!」
「そうです!あの女です!」
と、さっき自分が立っていた辺りを指差したが、そこには何も居ない。
「そこじゃない!あっちの事だ!」
と正面を指すTさん。

見ると顔の抉れた女が反射鏡の上に浮かんでおり、こちらに向かってきていた。
「ハンドル頼んだぜ・・・」
Tさんはそう呟くと除雪車の窓から上半身を外に出し、狙いを定め
「破ぁーーーーー!!」
と叫んだ。
するとTさんの両手から青白い光弾が飛び出し、女の霊を吹き飛ばした。
「これで安心だな・・・」
そう呟いて片手でタバコに火をつけるTさん。
寺生まれってスゲェ・・・
除雪車に轢かれてバキバキになった自分の自転車を想像しながら、その時初めてそう思った。

624路地の大男:2016/02/24(水) 09:02:11 ID:6Edh6D1s
中学生だったときの話。

夜の8時ぐらいに塾からの帰り道を歩いてたんだけど、なんか様子がおかしい。
見知った住宅街なんだけど、見覚えのない路地があるんだよ。
知らない家と家の隙間で、幅は1mぐらい。
昨日まではただのブロック塀で壁になってたはず。
まあ近所だし、迷うこともないだろと思った俺は、好奇心にかられてその狭い路地に入ってみたんだよ。

で、10歩ぐらい進んでから気づいたんだけど、やっぱり何かがおかしい。
夏のゴミ捨て場のような異臭が漂ってくる。
それで、前の方からは「・・・・・ァ・・・・・・ケ・・・・・・」と、人の声のようなものが微かに聞こえてきた。
明かりもなくて真っ暗だし、しだいに怖くなってきたんだけど、まだ好奇心が勝っててそのままゆっくり歩き続けた。

それからまた20歩ほど進んだあたりで、俺はあることに気づいた。
というのも、それだけ歩いたら家をはさんで向こう側の道に出るはずなんだよな。
でも左右のブロック塀は途切れることなく続いている。
前方に目を凝らしてみても、出口のようなものは見えない。

625路地の大男:2016/02/24(水) 09:04:23 ID:6Edh6D1s
さすがにこれは何かヤバイと思って、引き返そうと思って後ろに振り返った。
そしたら、5歩ぐらい離れたところに人影があったんだよ。
2mぐらいのでかい男。薄汚いコートを着てて、頭にはフードを被ってるから鼻より上が見えない。
手にはナタみたいなのを持ってる。そいつが棒立ちで俺を見てた。

俺はあまりの恐怖に動けず、唖然としたまま突っ立ってた。
さっきから漂ってた悪臭もそいつが発生源みたいで、鼻が歪みそうだった。

で、ふと見るとそいつ口動かしてんのね。ボソボソと何か喋ってる。
「・・・・・ァ・・・・・・ケ・・・・・・」
内容が聞き取れないので、耳を凝らしてみると、
「・・アァァ・マ・・クケェアエ・・・・・・」
「マ・・ァア・・アファフヘケラエェヘ・・」
意味不明の言葉を喋ってた。
それも、外国語って感じじゃなくて、ランダムに並べたカタカナを読み上げてる様な感じ。

もう余りにも怖くて、俺は泣き叫びながら全力で走って逃げた。
そしたらそいつ俺を追ってくんの。右手のナタを頭上に掲げながら走ってくる。
「アァアェ!ケヘフラフェアウェ!クヘフェアァエア!」
ボソボソ声はいつの間にか金切り声に変わってた。

626路地の大男:2016/02/24(水) 09:05:56 ID:6Edh6D1s
追いつかれたら殺される!って思いながら、涙と鼻水と涎で顔ぐちゃぐちゃにしながら無我夢中で走ったよ。
何とか追いつかれずに、100mは走ったかな。
前の方に路地の出口らしき隙間が見えた。
路地が100mも続いてるとか今思うとありえないんだけど、そんなことは気にせず、とにかく俺は出口に向かって走った。

すると、その出口に人影が現れた。
また何かヤバい奴が出てきたと思って、間に挟まれている俺は絶望した。

しかし、その絶望は瞬時に希望へと変わった。

前方の出口に立っていたのは、近所に住んでいる寺生まれのTさんだ。

Tさんは両手をこちらに向けて険しい表情をしていたが、俺と目があった瞬間、「もう大丈夫だ」という表情を見せてくれた。
そして「伏せろ‼︎」と叫んだ。

俺がヘッドスライディングのように地面に突っ伏した瞬間、

「破ぁーーーーー!!」

という声と共にTさんの両手から青白い光弾が飛び出した。
光弾は俺の頭上を通過し、後方で激しい音と共に閃光が瞬いた。
後ろを見ると、例の大男が光に包まれながら
「アァァ…ァァ…」
と、消えていく姿が見えた。

同時に、周囲は見覚えのある道に戻っていた。

「さっきの奴が霊道を強化しやがって、そこにたまたま君が入り込んじまったんだ。今後は、怪しい路地には気をつけることだな」

そう言って、Tさんはピザの宅配バイクにまたがり、颯爽と去って行った。

Tさん、ピザーラでバイトしてんのか。
初めて知って、寺生まれってスゲェ・・・
そう思った。

627寺生まれの名無しさん:2016/03/03(木) 15:33:01 ID:1dkKoC/w
Tさんスレ発見記念

628三つの願い:2016/03/05(土) 15:03:27 ID:q4rvE256
ある日、TとNとKの三人が除霊の為、離島に訪れていた。
天候が悪く、数日はヘリも飛ばせないと足止めを受けていた。
三人は閑だったので依頼主から謝礼に渡された年代物のランプを開けてみる事にした。
ランプから精霊が現れるとこう言った。
「さあ、願いを言え、どんな願いでも一つだけ叶えてやろう。今回は久しぶりだから一人に付き一つ叶えてやる」
Nは言った今日が受験日なので、試験会場に飛ばして欲しい。
Nは受験票と筆記用具付きで試験会場に飛んだ。
Kは言ったそろそろ来月分のドラマの録画の為にHDを整理したい家に帰してくれ。
Kは実家に戻った。
Tは言った用意したキャンセル待ちのチケットが無駄になるからさっきの二人を呼び戻してくれ。

あの時、雑霊の言葉に惑わされず問答無用で破ァしていればNがああなる事も無かった。助手席に座るヒッチハイクのTさんは悔し気にそう話した。
Nさんの受験が台無しになったのはTさんの願いの所為だがそれを棚に上げ、除霊に繋げる寺生まれの発想は何か違う、そう思った。

629寺生まれの名無しさん:2016/03/08(火) 14:18:55 ID:F05p8cn6
うちは黒猫を一匹買ってる。名前はタンゴ。

見た目は可愛いが、全く愛想がなくて、可愛いげのないやつだ。

俺が高校生の時、原付免許を取ってバイクも買ってもらったんで、休みの日に友達と一緒にちょっと遠くまで行ってみようということになった。

んで、「出る」という噂のある、山の中の廃墟に行ってみた。もちろん昼間だ。
中を探検したけど、薄暗いし、ゴミとかも散乱してるし、どっかが崩れ落ちてきそうでそういう意味では怖かった。実際、天井のタイルが剥がれて落っこちてるとこもあったし。

でも、何か怪しい声がするとか変な人影を見たとかは全くなくって、それでもまぁ、いい暇潰しになったなって感じで俺等は帰った。

友達と別れて家に帰りついたら、玄関でタンゴが座ってた。
出迎えるなんて珍しいこともあるもんだと思って撫でてやろうとしたら、手を猫パンチではたかれた。可愛くねえ。

で、その晩、飯食って風呂入って、さぁ寝ようかって時に、部屋の戸が開いた。
タンゴが前足使って開けて入ってきた。
コイツは俺の部屋を通り道によく使うんで、外に出たいのかなと思って、窓を開けてやった。
でもタンゴは見向きもしないで、部屋の隅っこで丸くなる。
変なやつだとは思ったけど、猫の考えることなんてわかりゃしねーし、ほっといて俺もベッドに入って寝た。
虫が入ってくると嫌だから、窓は閉めた。

で、夜中の二時過ぎくらいに、俺は不意に眼が覚めた。
何か部屋の中の空気が重い。
豆電球を点けてたはずなのに、消えてる。
でも、部屋の中に俺とタンゴ以外にもう一人いるのがわかった。

髪はボサボサで、着ている服もあちこち破れてボロボロだったけど、何となく女だってわかった。

630寺生まれの名無しさん:2016/03/08(火) 14:20:45 ID:F05p8cn6
で、そいつに気付いた途端に体が動かなくなって、声も出せなくなった。

なんだコレ!?
金縛りか!?
つーかこの女はなんだ!?
ひょっとしてあの廃墟の住人!?
俺テイクアウトしちゃった!?
俺じゃなくて友達の方に行けよ!

と、動けない状態で頭ん中はパニックになって、女はそんな俺の方にゆっくり近付いて来る。
真っ暗なはずなのに、そいつが血走った目で睨んでるのがわかった。

と思ったら、いきなり立ち止まって、方向転換。隅っこに行ってしゃがみこんだ。

あー、そういやそこにタンゴが寝てたな。
逃げろタンゴ!
お前猫なんだから、そういうのは鋭いんじゃねえのかよ!

とか心配になって、でもやっぱり体は動かなくて、俺は心のなかでタンゴに逃げろーとか起きろーとか叫ぶしか出来なかった。

俺のその念が届いたのか、タンゴは目を覚ましたらしく、ハーッとかシャーッとかいう威嚇するような声を出した。
そしたら、チッチッチッという声が聞こえてきた。たぶんあの女が出してるんだと思うけど、コイツひょっとして、幽霊のくせにタンゴを撫でたいんだろうか?

ソイツはゆっくりとタンゴの頭に手を伸ばして来た。
そしたら、

「そこまでだ!」

窓を開けて乱入してきたのは、霊感が強い事で有名な寺生まれのTさんだ!

631寺生まれの名無しさん:2016/03/08(火) 14:27:04 ID:F05p8cn6
「破ぁーっ!」

Tさんは手から青白い光弾を発射!
それをくらって女の幽霊は跡形もなく消滅した!

「危ないところだったな。もう大丈夫だ。猫ちゃんも、飼い主を守るためによく頑張ったな」

Tさんはそう言ってタンゴを抱っこしようと手を伸ばした。

そしたらタンゴがフギャーッ!とか凄い声を出して飛び上がり、Tさんの顔に猫パンチをくらわせた。凄い剣幕だったから、ひょっとしたら爪を出して引っ掻いたかも知れない。

Tさんは涙声で

「ひどい……」

と言って、とぼとぼと帰っていった。

寺生まれってすげぇ。
その寺生まれを撃退するタンゴもすげぇ。

俺はそう思った。

632寺生まれの名無しさん:2016/03/16(水) 21:44:11 ID:kveG.7Nc
デレの無いツンデレ猫のタンゴは凄い。そう思った

633寺生まれの名無しさん:2016/03/23(水) 20:37:54 ID:IfqPMWVQ
伯父さん「よし、じゃあ……さっそく 大人に して やろう」ビリビリ

たえちゃん「……やはりな」

伯父さん「はぁ?何言ってんだ?」

たえちゃん「姿を見せな!」

私が叫ぶと、伯父は口から黒い塊を吐き出し気絶した。

たえちゃん「私の伯父に取り憑いて結界を広げる小悪党め!」

私は呪文を唱え、「破ぁ!」と叫んだ。すると私の掌から青白い光弾が飛び出し、黒い塊を消し飛ばした。

伯父さん「うっ、俺は何を……」

私は伯父に事の顛末を説明した。すると伯父は物凄い勢いで土下座し、謝罪してきた。

たえちゃん「いいんだよ、伯父さんのせいじゃないから…」

私は伯父を快く許す。

伯父さん「寺生まれってすごい」

伯父は初めてそう思ったらしい。

コロちゃん「やったねTちゃん!寺生まれってすごい!」

連れていた熊のぬいぐるみも、改めてそう思ったらしい。

634姦姦蛇螺VS寺生まれのTさん:2016/03/27(日) 10:12:25 ID:RpGC75t6
小中学の頃、俺は田舎者の世間知らずだったが、バカをやっても軽い悪戯をする程度で荒んだと言うほどでは無い普通の少年だった。
そのころ、ちょうど学校で姦姦蛇羅が有名になっていて、お誂え向きの山と森も有り、何時かは俺の村にも来るのではないかと話題になっていた。
ある日、熊が出たとかで山が立ち入り禁止になった。その日、両親は町の親戚がバイクで事故ったとかで見舞いに行き自宅には俺一人だった。
前日に神社のJちゃんを見掛けていた俺は姦姦蛇羅かも知れないと思い、本当に熊だった時の為の熊用のクラッカー(パーティで使う奴)を持って村を抜け出し山に向かった。
山自体は普通の山で姦姦蛇羅にある様な立ち入り禁止区域が有るわけじゃない、急斜面や歩き難い場所が有る程度の極々普通の山。
Jちゃんを見掛けた場所から、何かを運んだ後を辿り、しばらく進むと
2メートル近い高さの柵で囲まれ、柵には太い綱と有刺鉄線、柵全体にはが連なった白い紙がからまっていて(独自の紙垂のような)、大小いろいろな鈴が無数に付いている。
変に部分的なせいで柵自体の並びも歪な如何にもな場所が現れた。

635姦姦蛇螺VS寺生まれのTさん:2016/03/27(日) 10:29:08 ID:RpGC75t6
洒落怖と違っていたのは柵を囲むように設営された客席と、柵の中に設置された五角形の変則リングが有る事ぐらい。
プロレスリングの様だったが照明は無く、明かりは月明かりぐらいで明らかにおかしい。
熊と人間を戦わせる異種族デスマッチかとも思えたが、それなら防音がしっかりして万が一にも見られない地下でやるよなと首を傾げつつ息を殺してその場に居ると、
「待たせたな。お前の連勝記録はそこまでだ」
と寺生まれで霊感の強いTさんが柵を飛び越えリングインした。
いつの間にかリングには晒を巻いた上半身裸で左右に三本、合計六本の腕を持ち下半身が蛇の女が挑発的な笑みを浮かべ、Tさんを手招きしていた。

636姦姦蛇螺VS寺生まれのTさん:2016/03/27(日) 10:46:04 ID:RpGC75t6
「食らえ!破ァーーーー」
ゴングと共にTさんが光弾を放つ、蛇女は左三本の腕で竜巻を起こすとあっさり光弾を相殺し、時差で放った右三本の腕で放った竜巻でTさんを弾き飛ばす。
「遠距じゃ分が悪いか。破ァーーー」
Tさんがタックルで蛇女に食らいつきアームロックを極める。
蛇女は慌てず極められた腕を残り二本の腕を使いTさんから外し、お返しとばかりに三本腕を纏めた剛腕ラリアットでTさんを弾き飛ばしダウンを奪う。
「ダウンじゃないスリップだ」
Tさんはふら付きながらも立ち上がるが、それを余裕の笑みで眺める彼女を見て俺は両者の格の違いを感じてしまった。
俺は、そんな痛々しいTさんを見て、もういい止めろと手に汗を握る。次の瞬間、彼女は再び竜巻を起こしTさんを巻き上げる。
Tさんを追って飛び上がった彼女は空中で六本の腕でTさんを極めリングに落下。
「ぐ・破ぁぁあぁ・・・」
力なく起き上がれない倒れ方でリングに沈むTさん。俺は思わず柵を乗り越え倒れたTさんを担いでその場を逃げ出す。
後ろで「ぽぽぽぽ・・・」と言う声と共に歓声が上がるが、振り返る余裕は俺には無かった。

637姦姦蛇螺VS寺生まれのTさん:2016/03/27(日) 11:01:33 ID:RpGC75t6
Tさんを担ぎ、村の診療所に駆け込んだ俺は村の大人たちから散々に叱られた。
村長「その蛇女は腕だけじゃなく下半身も使った落下技でTさんを仕留めたのだな」
俺「いや、使ったのは六本の腕だけだった」
村長「本当に腕だけだったのだな」
俺「本当だよ」
村長「それなら助かるかもしれん」
俺「へ?」
何でもこの辺りに現れる姦姦蛇螺は地元の強豪妖怪や霊能力者を相手に不定期でプロレスをするらしい。
巡業で別の妖怪と戦う予定だった彼女はTさんを前座にして、本戦前のウォームアップにしたようだ。
Tさんに使ったのは前座で使う見せ技で決め技とは少し違う技だったので死なずに済んだと村長から俺は聞いた。
数日後、怪我から復帰したTさんは治療費を請求される前に診療所から姿を消していた。
寺生まれを前座にする妖怪も凄いが、医療費を踏み倒すTさんはせこいそう思った。

638寺生まれの名無しさん:2016/03/27(日) 14:19:55 ID:QKhwp8RA
春休みに入ったばかりのこと、いい天気に誘われてじいちゃんの家にバイクで行った。
まだ寒かったけど、広縁はぽかぽかと気持ちよく、そこでしばらく寛いでいた。そうしたら、

「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ…」

と変な音が聞こえてきた。機械的な音じゃなくて、人が発してるような感じがした。
それも濁音とも半濁音とも、どちらにも取れるような感じだった。
何だろうと思っていると、庭の生垣の上に帽子があるのを見つけた。
生垣の上に置いてあったわけじゃない。
帽子はそのまま横に移動し、垣根の切れ目まで来ると、一人女性が見えた。まあ、帽子はその女性が被っていたわけだ。
女性は白っぽいワンピースを着ていた。


でも生垣の高さは二メートルくらいある。その生垣から頭を出せるってどれだけ背の高い女なんだ…

その女を見てると、我ながらかなり幼稚な悪戯心が湧いてきた。
俺はその女性に手をかざして、

「破ぁーっ!」

と叫んだ。帽子でも吹っ飛ばして驚かせてやろうと思ったんだけど、予想以上にパワーが出すぎて、.青白い光がその女の人の頭にクリーンヒットしちまった。

やばい、謝らなきゃ! と思って急いで外に出たんだけど、そこには誰もいなかった。

後でじいちゃんに説明して、謝りに行きたいんだけど、背の高い女の人に心当たりないかって聞いたら、

「それは八尺様だ」

と。

この辺りには「八尺様」という厄介なものがいる。
八尺様は大きな女の姿をしている。名前の通り八尺ほどの背丈があり、「ぼぼぼぼ」と男のような声で変な笑い方をする。

人によって、喪服を着た若い女だったり、留袖の老婆だったり、野良着姿の年増だったりと見え方が違うが、女性で異常に背が高いことと頭に何か載せていること、それに気味悪い笑い声は共通している。
昔、旅人に憑いて来たという噂もあるが、定かではない。

この地区(今は○市の一部であるが、昔は×村、今で言う「大字」にあたる区分)に地蔵によって封印されていて、よそへは行くことが無い。
八尺様に魅入られると、数日のうちに取り殺されてしまう。
最後に八尺様の被害が出たのは十五年ほど前。

で、俺はその八尺様をやっつけてしまったらしい。


「これならうちの寺は将来安泰だなってじいちゃんは大喜びしてたけど、俺はとにかく人様に怪我をさせた訳じゃないとわかった、その安堵感しかなかったよ…」

霊感が強い事で有名な寺生まれのT先輩は、そう言って苦笑いした。

やっぱり寺生まれは凄い。俺はそう思った。

639寺生まれの名無しさん:2016/03/27(日) 14:20:15 ID:QKhwp8RA
ネタ被ってたらごめん。

640寺生まれの名無しさん:2016/03/27(日) 16:08:40 ID:RpGC75t6
展開は被っていないからおK

641寺生まれの名無しさん:2016/03/27(日) 23:59:12 ID:GDCplQO2
これは小さい頃、秋田にある祖母の実家に帰省した時の事である。


年に一度のお盆にしか訪れる事のない祖母の家に着いた僕は、早速大はしゃぎで兄と外に遊びに行った。
都会とは違い、空気が断然うまい。
僕は、爽やかな風を浴びながら、兄と田んぼの周りを駆け回った。そして、日が登りきり、真昼に差し掛かった頃、ピタリと風か止んだ。




と思ったら、気持ち悪いぐらいの生緩い風が吹いてきた。
僕は、『ただでさえ暑いのに、何でこんな暖かい風が吹いてくるんだよ!』と、さっきの爽快感を奪われた事で少し機嫌悪そうに言い放った。



すると、兄は、さっきから別な方向を見ている。その方向には案山子(かかし)がある。『あの案山子がどうしたの?』と兄に聞くと、

兄は『いや、その向こうだ』と 言って、ますます目を凝らして見ている。
僕も気になり、田んぼのずっと向こうをジーッと見た。

すると、確かに見える。
何だ…あれは。
遠くからだからよく分からないが、人ぐらいの大きさの白い物体が、くねくねと動いている。
しかも周りには田んぼがあるだけ。近くに人がいるわけでもない。僕は一瞬奇妙に感じたが、ひとまずこう解釈した。
『あれ、新種の案山子じゃない?きっと!今まで動く案山子なんか無かったから、農家の人か誰かが考えたんだ!多分さっきから吹いてる風で動いてるんだよ!』

兄は、僕のズバリ的確な解釈に納得した表情だったが、その表情は一瞬で消えた
風がピタリと止んだのだ。
しかし例の白い物体は相変わらずくねくねと動いている。

兄は『おい…まだ動いてるぞ…あれは一体何なんだ?』
と驚いた口調で言い、気になってしょうがなかったので、兄は家に戻り、双眼鏡を持って再び現場にきた。

兄は、少々ワクワクした様子で、『最初俺が見てみるから、お前は少し待ってろよー!』と言い、はりきって双眼鏡を覗いた。

すると、急に兄の顔に変化が生じた。
みるみる真っ青になっていき、冷や汗をだくだく流して、ついには持ってる双眼鏡を落とした。
僕は、兄の変貌ぶりを恐れながらも、兄に聞いてみた。
『何だったの?』

兄はゆっくり答えた。
『わカらナいホうガいイ……』
すでに兄の声では無かった。

兄はそのままヒタヒタと家に戻っていった。


僕は、すぐさま兄を真っ青にしたあの白い物体を見てやろうと、落ちていた双眼鏡を取ろうとしたが、兄の言葉を聞いたせいか、見る勇気が無い。しかし気になる。
遠くから見たら、ただ白い物体が奇妙にくねくねと動いているだけだ。
少し奇妙だが、それ以上の恐怖感は起こらない。
しかし、兄は…。

よし、見るしかない。どんな物が兄に恐怖を与えたのか、自分の目で確かめてやる!
僕は、落ちてる双眼鏡を取って覗こうとした。


『そこまでだ』

僕の背後から、聞き覚えの無い男の声。
振り返ると、そこには袈裟を着た若い僧侶が立っていた。

『ありゃあ、見ちゃいけねえもんだ。双眼鏡を置きな』

そう言って、僧侶らしき若い男は呪文のような言葉を唱え出す。
僕はやや困惑したが、この男に従い双眼鏡を地面に置いた。

『破ァァーッ!』

詠唱を終えた男が両手を突き出して叫ぶ。
するとその両手から巨大な青白い光弾が放たれ、くねくねと動く白い物体を消し飛ばしてしまった!

『これで安心だ。お前の兄貴も、きっと元に戻ってるだろう』
そう言って、男は去っていった。家に戻ると、兄はすっかり元に戻っていた。
食事時に話をしてみたところ、あの男は近所の寺の跡取り息子で、名をTと言うらしい。
寺生まれって凄い。何だかよく解らないけれど、僕は感動を覚えざるを得なかった。

642姦姦蛇螺1:2016/03/28(月) 09:32:16 ID:cisMJZoQ
小中学の頃は田舎もんで世間知らずで、特に仲の良かったA、Bと三人で毎日バカやって荒れた生活してたんだわ。

オレとAは家族にもまるっきり見放されてたんだが、Bはお母さんだけは必ず構ってくれてた。あくまで厳しい態度でだけど、何だかんだ言ってBのためにいろいろと動いてくれてた。

そのB母子が中三のある時、かなりキツい喧嘩になった。内容は言わなかったが、精神的にお母さんを痛め付けたらしい。

お母さんをズタボロに傷つけてたら、親父が帰ってきた。
一目で状況を察した親父はBを無視して黙ったまんまお母さんに近づいていった。
服とか髪とかボロボロなうえに、死んだ魚みたいな目で床を茫然と見つめてるお母さんを見て、親父はBに話した。

B父「お前、ここまで人を踏み躙れるような人間になっちまったんだな。母さんがどれだけお前を想ってるか、なんでわからないんだ。」
親父はBを見ず、お母さんを抱き締めながら話してたそうだ。
B「うるせえよ。てめえは殺してやろうか?あ?」
Bは全く話を聞く気がなかった。

だが親父は何ら反応する様子もなく、淡々と話を続けたらしい。
B父「お前、自分には怖いものなんか何もないと、そう思ってるのか。」

B「ねえな。あるなら見せてもらいてえもんだぜ。」
親父は少し黙った後、話した。

B父「お前はオレの息子だ。母さんがお前をどれだけ心配してるかもよくわかってる。
だがな、お前が母さんに対してこうやって踏み躙る事しか出来ないなら、オレにも考えがある。
これは父としてでなく、一人の人間、他人として話す。先にはっきり言っておくがオレがこれを話すのは、お前が死んでも構わんと覚悟した証拠だ。それでいいなら聞け。」

その言葉に何か凄まじい気迫みたいなものを感じたらしいが、いいから話してみろ!と煽った。

B父「森の中で立入禁止になってる場所知ってるよな。あそこに入って奥へ進んでみろ。後は行けばわかる。
そこで今みたいに暴れてみろよ。出来るもんならな。」

643姦姦蛇螺2:2016/03/28(月) 09:32:44 ID:cisMJZoQ
親父が言う森ってのは、オレ達が住んでるとこに小規模の山があって、そのふもとにある場所。樹海みたいなもんかな。山自体は普通に入れるし、森全体も普通なんだが、中に入ってくと途中で立入禁止になってる区域がある。
言ってみれば四角の中に小さい円を書いてその円の中は入るな、ってのと同じできわめて部分的。

二メートル近い高さの柵で囲まれ、柵には太い綱と有刺鉄線、柵全体にはが連なった白い紙がからまってて(独自の紙垂みたいな)、大小いろんな鈴が無数についてる。変に部分的なせいで柵自体の並びも歪だし、とにかく尋常じゃないの一言に尽きる。

あと、特定の日に巫女さんが入り口に数人集まってるのを見かけるんだが、その日は付近一帯が立入禁止になるため何してんのかは謎だった。
いろんな噂が飛び交ってたが、カルト教団の洗脳施設がある…ってのが一番広まってた噂。
そもそもその地点まで行くのが面倒だから、その奥まで行ったって話はほとんどなかったな。

親父はBの返事を待たずにお母さんを連れて2階に上がってった。Bはそのまま家を出て、待ち合わせてたオレとAと合流。そこでオレ達も話を聞いた。
A「父親がそこまで言うなんて相当だな。」

オレ「噂じゃカルト教団のアジトだっけ。捕まって洗脳されちまえって事かね。怖いっちゃ怖いが…どうすんだ?行くのか?」

B「行くに決まってんだろ。どうせ親父のハッタリだ。」

面白半分でオレとAもついていき、三人でそこへ向かう事になった。あれこれ道具を用意して、時間は夜中の一時過ぎぐらいだったかな。


意気揚揚と現場に到着し、持ってきた懐中電灯で前を照らしながら森へ入っていった。
軽装でも進んで行けるような道だし、オレ達はいつも地下足袋だったんで歩きやすかったが、問題の地点へは四十分近くは歩かないといけない。

ところが、入って五分もしないうちにおかしな事になった。
オレ達が入って歩きだしたのとほぼ同じタイミングで、何か音が遠くから聞こえ始めた。
夜の静けさがやたらとその音を強調させる。最初に気付いたのはBだった。

B「おい、何か聞こえねぇか?」

Bの言葉で耳をすませてみると、確かに聞こえた。落ち葉を引きずるカサカサ…という音と、枝がパキッ…パキッ…と折れる音。それが遠くの方から微かに聞こえてきている。

644姦姦蛇螺3:2016/03/28(月) 09:33:34 ID:cisMJZoQ
遠くから微かに…というせいもあって、さほど恐怖は感じなかった。
人って考える前に動物ぐらいいるだろ、そんな思いもあり構わず進んでいった。
動物だと考えてから気にしなくなったが、そのまま二十分ぐらい進んできたところでまたBが何か気付き、オレとAの足を止めた。

B「A、お前だけちょっと歩いてみてくれ。」

A「?…何でだよ。」

B「いいから早く」

Aが不思議そうに一人で前へ歩いていき、またこっちへ戻ってくる。それを見て、Bは考え込むような表情になった。

A「おい、何なんだよ?」
オレ「説明しろ!」
オレ達がそう言うと
Bは「静かにしてよ?く聞いててみ」と、Aにさせたように一人で前へ歩いていき、またこっちに戻ってきた。
二、三度繰り返してようやくオレ達も気付いた。

遠くから微かに聞こえてきている音は、オレ達の動きに合わせていた。オレ達が歩きだせばその音も歩きだし、オレ達が立ち止まると音も止まる。まるでこっちの様子がわかっているようだった。

何かひんやりした空気を感じずにはいられなかった。
周囲にオレ達が持つ以外の光はない。月は出てるが、木々に遮られほとんど意味はなかった。
懐中電灯つけてんだから、こっちの位置がわかるのは不思議じゃない…だが一緒に歩いてるオレ達でさえ、互いの姿を確認するのに目を凝らさなきゃいけない暗さだ。

そんな暗闇で光もなしに何してる?
なぜオレ達と同じように動いてんだ?

B「ふざけんなよ。誰かオレ達を尾けてやがんのか?」
A「近づかれてる気配はないよな。向こうはさっきからずっと同じぐらいの位置だし。」

Aが言うように森に入ってからここまでの二十分ほど、オレ達とその音との距離は一向に変わってなかった。
近づいてくるわけでも遠ざかるわけでもない。終始、同じ距離を保ったままだった。

オレ「監視されてんのかな?」

645姦姦蛇螺4:2016/03/28(月) 09:34:03 ID:cisMJZoQ
A「そんな感じだよな…カルト教団とかなら何か変な装置とか持ってそうだしよ。」

音から察すると、複数ではなく一人がずっとオレ達にくっついてるような感じだった。
しばらく足を止めて考え、下手に正体を探ろうとするのは危険と判断し、一応あたりを警戒しつつそのまま先へ進む事にした。


それからずっと音に付きまとわれながら進んでたが、やっと柵が見えてくると、音なんかどうでもよくなった。
音以上にその柵の様子の方が意味不明だったからだ。

三人とも見るのは初めてだったんだが、想像以上のものだった。
同時にそれまでなかったある考えが頭に過ってしまった。
普段は霊などバカにしてるオレ達から見ても、その先にあるのが現実的なものでない事を示唆しているとしか思えない。それも半端じゃなくやばいものが。
まさか、そういう意味でいわくつきの場所なのか…?森へ入ってから初めて、今オレ達はやばい場所にいるんじゃないかと思い始めた。

A「おい、これぶち破って奥行けってのか?誰が見ても普通じゃねえだろこれ!」

B「うるせえな、こんなんでビビってんじゃねえよ!」

柵の異常な様子に怯んでいたオレとAを怒鳴り、Bは持ってきた道具あれこれで柵をぶち壊し始めた。
破壊音よりも、鳴り響く無数の鈴の音が凄かった。

しかしここまでとは想像してなかったため、持参した道具じゃ貧弱すぎた。
というか、不自然なほどに頑丈だったんだ。特殊な素材でも使ってんのかってぐらい、びくともしなかった。
結局よじのぼるしかなかったんだが、綱のおかげで上るのはわりと簡単だった。
だが柵を越えた途端、激しい違和感を覚えた。
閉塞感と言うのかな、檻に閉じ込められたような息苦しさを感じた。
AとBも同じだったみたいで踏み出すのを躊躇したんだが、柵を越えてしまったからにはもう行くしかなかった。

先へ進むべく歩きだしてすぐ、三人とも気付いた。
ずっと付きまとってた音が、柵を越えてからバッタリ聞こえなくなった事に。
正直そんなんもうどうでもいいとさえ思えるほど嫌な空気だったが、Aが放った言葉でさらに嫌な空気が増した。

646姦姦蛇螺5:2016/03/28(月) 09:34:38 ID:cisMJZoQ
A「もしかしてさぁ、そいつ…ずっとここにいたんじゃねえか?この柵、こっから見える分だけでも出入口みたいなのはないしさ、それで近付けなかったんじゃ…」

B「んなわけねえだろ。オレ達が音の動きに気付いた場所ですらこっからじゃもう見えねえんだぞ?それなのに入った時点からオレ達の様子がわかるわけねえだろ。」
普通に考えればBの言葉が正しかった。禁止区域と森の入り口はかなり離れてる。
時間にして四十分ほどと書いたが、オレ達だってちんたら歩いてたわけじゃないし、距離にしたらそれなりの数字にはなる。
だが、現実のものじゃないかも…という考えが過ってしまった事で、Aの言葉を頭では否定できなかった。
柵を見てから絶対やばいと感じ始めていたオレとAを尻目に、Bだけが俄然強気だった。
B「霊だか何だか知らねえけどよ、お前の言うとおりだとしたら、そいつはこの柵から出られねえって事だろ?そんなやつ大したことねえよ。」

そう言って奧へ進んでいった。

柵を越えてから二、三十分歩き、うっすらと反対側の柵が見え始めたところで、不思議なものを見つけた。


特定の六本の木に注連縄が張られ、その六本の木を六本の縄で括り、六角形の空間がつくられていた。柵にかかってるのとは別の、正式なものっぽい紙垂もかけられてた。
そして、その中央に賽銭箱みたいなのがポツンと置いてあった。

目にした瞬間は、三人とも言葉が出なかった。特にオレとAは、マジでやばい事になってきたと焦ってさえいた。
バカなオレ達でも、注連縄が通常どんな場で何のために用いられてるものか、何となくは知ってる。
そういう意味でも、ここを立入禁止にしているのは間違いなく目の前のこの光景のためだ。
オレ達はとうとう、来るとこまで来てしまったわけだ。

オレ「お前の親父が言ってたの、たぶんこれの事だろ。」

A「暴れるとか無理。明らかにやばいだろ。」

だが、Bは強気な姿勢を崩さなかった。

B「別に悪いもんとは限らねえだろ。とりあえずあの箱見て見ようぜ!宝でも入ってっかもな。」

Bは縄をくぐって六角形の中に入り、箱に近づいてった。オレとAは箱よりもBが何をしでかすかが不安だったが、とりあえずBに続いた。

647姦姦蛇螺6:2016/03/28(月) 09:35:21 ID:cisMJZoQ
野晒しで雨とかにやられたせいか、箱はサビだらけだった。上部は蓋になってて、網目で中が見える。だが、蓋の下にまた板が敷かれていて結局見れない。

さらに箱にはチョークか何かで凄いのが書いてあった。
たぶん家紋?的な意味合いのものだと思うんだが、前後左右それぞれの面にいくつも紋所みたいなのが書き込まれてて、しかも全部違うやつ。ダブってるのは一個もなかった。

オレとAは極力触らないようにし、構わず触るBにも乱暴にはしないよう注意させながら箱を調べてみた。
どうやら地面に底を直接固定してあるらしく、大して重さは感じないのに持ち上がらなかった。
中身をどうやって見るのかと隅々までチェックすると、後ろの面だけ外れるようになってるのに気付いた。
B「おっ、ここだけ外れるぞ!中見れるぜ!」

Bが箱の一面を取り外し、オレとAもBの後ろから中を覗き込んだ。

箱の中には四隅にペットボトルのような形の壺?が置かれてて、その中には何か液体が入ってた。
箱の中央に、先端が赤く塗られた五センチぐらいの楊枝みたいなのが、変な形で置かれてた。

/\/\>

こんな形で六本。接する四ヶ所だけ赤く塗られてる。

オレ「なんだこれ?爪楊枝か?」

A「おい、ペットボトルみてえなの中に何か入ってるぜ。気持ちわりいな。」

B「ここまで来てペットボトルと爪楊枝かよ。意味わかんねえ。」
オレとAはぺットボトルみたいな壺を少し触ってみたぐらいだったが、Bは手に取って匂いを嗅いだりした。
元に戻すと今度は/\/\>を触ろうと手を伸ばす。
ところが、汗をかいていたのか指先に一瞬くっつき、そのせいで離すときに形がずれてしまった。


その一瞬
チリンチリリン!!チリンチリン!!
オレ達が来た方とは反対、六角形地点のさらに奧にうっすらと見えている柵の方から、物凄い勢いで鈴の音が鳴った。さすがに三人ともうわっと声を上げてビビり、一斉に顔を見合わせた。

648姦姦蛇螺7:2016/03/28(月) 10:02:18 ID:cisMJZoQ
Bはその方向へ走りだした。

オレ「バカ、そっち行くな!」
A「おいB!やばいって!」

慌てて後を追おうと身構えると、Bは突然立ち止まり、前方に懐中電灯を向けたまま動かなくなった。
「何だよ、フリかよ?」とオレとAがホッとして急いで近付いてくと、Bの体が小刻みに震えだした。
「お、おい、どうした…?」言いながら無意識に照らされた先を見た。


Bの懐中電灯は、立ち並ぶ木々の中の一本、その根元のあたりを照らしていた。
その陰から、女の顔がこちらを覗いていた。
ひょこっと顔半分だけ出して、眩しがる様子もなくオレ達を眺めていた。
上下の歯をむき出しにするようにい?っと口を開け、目は据わっていた。

「うわぁぁぁぁぁ!!」
誰のものかわからない悲鳴と同時に、オレ達は一斉に振り返り走った。頭は真っ白で、体が勝手に最善の行動をとったような感じだった。互いを見合わす余裕もなく、それぞれが必死で柵へ向かった。

柵が見えると一気に飛び掛かり、急いでよじのぼる。上まで来たらまた一気に飛び降り、すぐに入り口へ戻ろうとした。
だが、混乱しているのかAが上手く柵を上れずなかなかこっちに来ない。

オレ「A!早く!!」
B「おい!早くしろ!!」

Aを待ちながらオレとBはどうすりゃいいかわからなかった。

オレ「何だよあれ!?何なんだよ!?」
B「知らねえよ黙れ!!」
完全にパニック状態だった。

「落ち着け」
聞いたことのある声、寺生まれで霊感の強いTさんだ。
Tさんはオレ達の前に出ると「破っ!」と掛け声を発し、青白い光の壁でオレ達を取り囲んだ。“結界”というやつだ。
辛うじて、外の様子は見える。その女は左と右で三本づつ……つまり六本の腕を持ち、大蛇の下半身を持つ異形だった。

「貴様ハ……何者ダ……?」
突如現れたTさんに、女は抑揚の無い声で怪訝そうに問う。
それを聞いたTさんは、ニヤリと不敵な笑みを浮かべて答えた。
「お前に引導を渡しに来た」

「若造ガ……ホザキオッテ……」
Tさんの答えを聞いた女は鼻で笑うように言い捨て、結界越しにも伝わってくる程の凄まじいエネルギーを放出しながら六本の腕を突き出す。
するとそこから黒い光の粒子が生まれ、やがてそれは一つの巨大な光弾となった。

「滅セヨッ!」
女が叫ぶと、光弾は女の手元を離れTさんへ向かってゆく、
Tさんも両手を突き出し、青白い光弾を放とうとするが……遅かった。

「ぐはッ!」
攻撃を繰り出す前に、Tさんは女の黒い光弾をまともに喰らい数m吹き飛ばされる。
「へえ、やるじゃねえか……」
Tさんは空中で受け身を取り着地、口元から血を垂らしながら笑った。

「……ホウ、我ノ攻撃ヲ受ケ、ナオ生キテイルトハナ」
女はやや感心したように言い、下半身の蛇尾を鞭の如くしならせる。
するとそこから黒い光の刃が放たれ、Tさんへと飛来する。

「破ァ!」
Tさんは後方に飛びつつ呪文を唱え、両手から青白い光弾を放つ。
光刃と光弾はぶつかり合い、対消滅した。

649姦姦蛇螺8:2016/03/28(月) 10:51:04 ID:cisMJZoQ
「俺の光弾を相殺するとは……」
Tさんは若干驚いた表情で呟く。
そして呪文じみた言葉を小声で唱えつつ、蛇女の眼前まで接近した。

「近付イテクルトハナ……貴様、正気カ?人間如キガ、コノ我ニ敵ウトデモ?」
女は蛇の下半身をうねらせ、Tさんを嘲笑する。
呪文を唱え終えたTさんは、両手をかざし攻撃を仕掛けようとした。
しかしその瞬間、女は蛇の下半身を鞭のように撓らせてTさんを打ちつける。
あまりの衝撃に耐え切れず、Tさんは盛大に吐血した。

「クク…愚カナ男ヨ」
そして蛇女はトドメとばかりに、Tさんにその下半身を巻きつかせる。
「我ガ糧トナルガイイ……コノ娘ノヨウニナ……!」
徐々にTさんを締めつけてゆく蛇尾。
女は不気味な笑みを浮かべているが、その両目からは血が涙のように流れていた。

「この時を……待ってたぜ……」
Tさんは蛇に締め上げられながらやや苦しげに、しかし力強く笑った。
「何ヲ馬鹿ナコトヲ……貴様ハ最早、逃ゲラレヌワ……」
女が嘲り笑い、更に締めつける力を強めようとした……その時。

「……破ぁぁああああッ!!」
渾身の力を振り絞り、Tさんが叫ぶ。するとTさんの全身が青白い閃光に包まれ、蛇の下半身を消し飛ばす!
「グ……グアアアアアァアアッ!!!」
六本の腕を振り回し、のた打ち回る女。その隙を見逃さず、拘束から解放されたTさんは両手を天高く掲げ、「破ァッ!」と叫ぶ。
するとTさんの両手から巨大な青白い光弾が飛び出し、それは空中で弾けて何条もの光線となり女に降り注いだ!

「オノレ……オノレエエエッ!!」
女は光の雨に打たれ、苦悶しながら消滅する。
その瞬間、気のせいか「ありがとう」という女の声が聞こえた気がした。

「いつか生まれ変わるその日まで……安らかに眠りな」
そう呟いて、静かに目を閉じ合掌するTさん。
オレとBを取り囲む結界は、いつの間にか消えていた。
寺生まれって凄い、オレ達は心からそう思った。

あとで話を聞いてみると、あれは「カンカンダラ」というらしく、大昔に人を喰らう大蛇の化物を退治しようとして返り討ちに遭い、生贄となった巫女の成れの果てらしい。
最後に聞いた「ありがとう」という声は、その巫女のものだったのかもしれない。
オレとBも、Tさんに倣って静かに目を閉じ、合掌した。

650寺生まれの名無しさん:2016/03/28(月) 11:15:06 ID:cisMJZoQ
あ、ミスった……これ3人だったんだな。
Aが「オレ」だと思ってたわ

651寺生まれの名無しさん:2016/03/28(月) 14:40:32 ID:I0TQMWp6
「俺の光弾を相殺するとは……」
Tさんは若干驚いた表情で呟く。
そして呪文じみた言葉を小声で唱えつつ、蛇女の眼前まで接近した。

「近付イテクルトハナ……貴様、正気カ?人間如キガ、コノ我ニ敵ウトデモ?」
女は蛇の下半身をうねらせ、Tさんを嘲笑する。
「……あんま見くびってもらっちゃあ、困るぜ」
呪文を唱え終えたTさんは、両手をかざし攻撃を仕掛けようとした。
しかしその瞬間、女は蛇の下半身を鞭のように撓らせてTさんを打ちつける。
あまりの衝撃に耐え切れず、Tさんは盛大に吐血した。

「クク…愚カナ男ヨ」
そして蛇女はトドメとばかりに、Tさんにその下半身を巻きつかせる。
「くっ……!」
「我ガ糧トナルガイイ……コノ娘ノヨウニナ……!」
徐々にTさんを締めつけてゆく蛇尾。
女は不気味な笑みを浮かべているが、その両目からは血が涙のように流れていた。

「この時を……待ってたぜ……」
Tさんは蛇に締め上げられながらやや苦しげに、しかし力強く笑った。
「何ヲ馬鹿ナコトヲ……貴様ハ最早、逃ゲラレヌワ……」
女が嘲り笑い、更に締めつける力を強めようとした……その時。

「……破ぁぁああああッ!!」
渾身の力を振り絞り、Tさんが叫ぶ。するとTさんの全身が青白い閃光に包まれ、蛇の下半身を消し飛ばす!
「グ……グアアアアアァアアッ!!!」
六本の腕を振り回し、のた打ち回る女。その隙を見逃さず、拘束から解放されたTさんは両手を天高く掲げ、「破ァッ!」と叫ぶ。
するとTさんの両手から巨大な青白い光弾が飛び出し、それは空中で弾けて何条もの光線となり女に降り注いだ!

「オノレ……オノレエエエッ!!」
女は光の雨に打たれ、苦悶しながら消滅する。
その瞬間、気のせいか「ありがとう」という女の声が聞こえた気がした。

「いつか生まれ変わるその日まで……安らかに眠りな」
そう呟いて、静かに目を閉じ合掌するTさん。
オレとBを取り囲む結界は、いつの間にか消えていた。

あとで話を聞いてみると、あれは「カンカンダラ」というらしく、大昔に人を喰らう大蛇の化物を退治しようとして返り討ちに遭い、生贄となった巫女の成れの果てらしい。
最後に聞いた「ありがとう」という声は、その巫女のものだったのかもしれない。
オレとBも、Tさんに倣って静かに目を閉じ合掌した。
遅れて柵を乗り越えてやってきたAは状況を理解できていなかったが、Tさんの説明によって納得したようだ。

「お前達はまだ若い。そして……お前達は今日、恐怖というものを知った。ここから、いくらでもやり直せるはずだ」
そう言って、Tさんは去っていった。
寺生まれって凄い。オレ達は心の底からそう思い、心を入れ替えようと決意した。

652寺生まれの名無しさん:2016/03/28(月) 22:03:29 ID:uuE0O8SI
これは話の展開が前半はそのままなのと、前振りが長く諄くなっているから省略しても問題が無い気がする

653寺生まれの名無しさん:2016/03/28(月) 22:26:52 ID:I0TQMWp6
やっぱ前半いらないな

654寺生まれの名無しさん:2016/03/28(月) 22:51:07 ID:uuE0O8SI
姦姦蛇羅は元ネタと差分が出るTさん登場までは展開を軽く説明する程度にして流した方が良かった。

655寺生まれの名無しさん:2016/03/28(月) 22:55:20 ID:I0TQMWp6
元ネタが長いからね

656寺生まれの名無しさん:2016/03/31(木) 02:07:03 ID:waFlasn.
A「えーと。いまさら説明するまでもないと思いますが、マリオの簡単なストーリーをお話します。
 えー……平和なキノコ王国がカメ一族に侵略され……」
野村「うーん。Aちゃんさあ。キノコ王国じゃ余りに平凡じゃない?」
A「はい?」
野村「サンクチュリアス・オヴ・マッシュルムスでどう?」
鳥山「ですね」
野村「それとだけど、僕の解釈だとあれはカメじゃないん…」

「そこまでだ!」聞いたことのある声、寺生まれで霊感の強いTさんだ
「コイツを食らえ!」「破ぁーーーーー!!」と、Tさんの腕から青白い光線が飛び出……

野村「うーん。Aちゃんさあ。Tさんじゃ余りに平凡じゃない?」
A「はい?」
野村「タイラント・オヴ・ホーリーマスターでどう?」
鳥山「ですね」
野村「それと寺生まれだけど、僕の解釈だとあれは寺じゃないんだよね」
A「は?」
野村「あれは『神殿』なんだよね。封印の神殿」
鳥山「『呪われし天使を封ず神殿』ね」
野村「それと僕の解釈では、あれは光線じゃないくて『ディメンション・オーラ』って呼びたいな。それとね……」

一時間後


「そこまでだ…」聞いたことのある声――――
呪われた神殿に生まれ、全ての災いを封印せんとする男――――「タイラント・オヴ・ホーリーマスター」通称『T』だった――――
「コイツを食らえ…」「ウル・ファイント・オフ・゙デリート・ザ・ダーク…」と、呪文を詠唱する―――
『Tの周囲の時空が歪み始める―――

『ディメンション・オーラ』
野村・鳥山「グワアアアアアアアアアアアアアアアア」

「これで安心だ・・・」そう呟いて片手でタバコに火をつける『T』――――
神殿生まれってスゲェ・・・その時初めてそう思った――――――――

657寺生まれの名無しさん:2016/03/31(木) 19:29:27 ID:tw2CudMc
中二病(若かりし日)のTさんか。
バラされたら吐血か、直前に破ァで口封じですね。

658姦姦蛇羅7からの改編:2016/04/01(金) 18:24:05 ID:ly0Kv.wU
慌てて後を追おうと身構えると、Bは突然立ち止まり、前方に懐中電灯を向けたまま動かなくなった。
「何だよ、フリかよ?」とオレとAがホッとして急いで近付いてくと、Bの体が小刻みに震えだした。
「お、おい、どうした…?」言いながら無意識に照らされた先を見た。

Bの懐中電灯は、立ち並ぶ木々の中の一本、その根元のあたりを照らしていた。
その陰から、寺生まれで霊感が強いTさんがこちらを覗いていた。
ひょこっと顔半分だけ出して、眩しがる様子もなくオレ達を眺めていた。
上下の歯をむき出しにするようにい?っと口を開け、目は据わっていた。

「うわぁぁぁぁぁ!!」
誰のものかわからない悲鳴と同時に、オレ達は一斉に振り返り走った。頭は真っ白で、体が勝手に最善の行動をとったような感じだった。互いを見合わす余裕もなく、それぞれが必死で柵へ向かった。

柵が見えると一気に飛び掛かり、急いでよじのぼる。上まで来たらまた一気に飛び降り、すぐに入り口へ戻ろうとした。
だが、混乱しているのかAが上手く柵を上れずなかなかこっちに来ない。

オレ「A!早く!!」
B「おい!早くしろ!!」

Aを待ちながらオレとBはどうすりゃいいかわからなかった。

オレ「何だよあれ!?何なんだよ!?」
B「知らねえよ黙れ!!」
完全にパニック状態だった。

「落ち着け」
いつの間にか土の中から出て来たTさんが声を掛ける。
Tさんはオレ達の前に出ると「破っ!」と掛け声を発し、青白い光の壁でオレ達を取り囲んだ。“結界”というやつだ。
「親御さんから、お前らの腐った性根を叩き直して欲しいと頼まれてな…」
Tさんの圧力で眼を逸らせず何時もの様に生意気を言う事も出来ず、呼吸すらままならない俺ら。
「その甘ったれた性根を叩き直してやるから覚悟しろよ!餓鬼ども!!」
その晩はTさんの一喝で俺らは意識を失った。

659姦姦蛇羅7からの改編:2016/04/01(金) 18:40:18 ID:ly0Kv.wU
あの時、親父とTさんが居なければ今頃はどうなっていたか。
懐かし気に思い出を話す高校生になった俺。
プールで地縛霊に引きずり込まれる所を助けられた水泳部で後輩のSは手の付けられない悪ガキを更生させる寺生まれは凄いと壊れて水の抜けたプールでそう思った。

660寺生まれの名無しさん:2016/04/06(水) 21:27:56 ID:aLxzhShY
初カキコ…ども…

俺みたいな中3で霊感の強い寺生まれ野郎、他に、いますかっていねーか、はは
あの流行りの曲かっこいい とか あの服ほしい とか
ま、それが普通ですわな

かたや俺は心霊スポットで死霊を見て、叫ぶんすわ
破ぁーーー! 祓ってる?それ、誉め言葉ね。

好きな音楽 お経
尊敬する人間 空海(衆道行為はNO)

なんつってる間に丑三つ時っすよ(笑) あ〜あ、寺生まれの辛いとこね、これ

661寺生まれの名無しさん:2016/04/09(土) 18:56:26 ID:F4Fj9N9A
本物の闇を経験した俺からしたらおままごとにしか思えん
こういうのは俺らみたいな闇系に任せてのほほん日常書いとけばいいと思う
圧倒的に暗い経験がたりない ガソリンの「破ぁ!」

俺の闇はTさんの放った青白い光に浄化され消えた。
寺生まれってすごい、改めてそう思った

662自己責任:2016/04/10(日) 13:50:47 ID:7bflD9Ow
私たち、(T・K・N・友・私)は、皆内定が決まっていて、高校受験組を横目に暇を持て余していました。
内定取り消しを避ける為、一応真面目に学校に通ってはいましたが、進路が確定している分、ダレが有り偶に学校をさぼり、こっそり酒盛りをしたりもしていました。

ある日、友人T&Kが、近所の屋敷の話を聞いてきました。改築したばかりの家が、持ち主が首を吊って自殺して一家は離散、空き家になってるというのです。
サボった後のたまり場の確保に苦労していた私たちは、そこなら酒タバコが思う存分できると考え、翌日すぐに昼から学校を抜けて行きました。

外から様子のわからないような、とても立派なお屋敷で、こんなところに入っていいのか、少しびびりましたが、TKは「大丈夫」を連発しながらどんどん中に入って行きます。
既に調べを付けていたのか、勝手口が空いていました。書斎のような所に入り、窓から顔を出さないようにして、こそこそ酒盛りを始めました。

でも大声が出せないのですぐに飽きてきて、5人で家捜しを始めました。すぐCが「あれ何や」と、今いる部屋の壁の上の方に気が付きました。
壁の上部に、学校の音楽室や体育館の放送室のような感じの小さな窓が二つついているのです。
「こっちも部屋か」
よく見ると壁のこちら側にはドアがあって、ドアはこちら側からは本棚で塞がれていました。
肩車すると、左上の方の窓は手で開きました。
今思うと、その窓から若干悪臭が漂っていることにそのとき疑問を持つべきでした。

それでもそのときの、こっそり酒を飲みたいという願望には勝てず、無理矢理窓から部屋に入りました。
部屋はカビホコリと饐えたような臭いが漂っています。雨漏りしているのかじめっとしていました。
部屋は音楽室と言えるようなものではありませんでしたが、壁に手作りで防音材のようなものが貼ってあり、その上から壁紙が貼ってあることはわかりました。湿気で壁紙はカピカピになっていました。
部屋の中はとりたてて調度品もなく、質素なつくりでしたが、小さな机が隅に置かれており、その上に、真っ黒に塗りつぶされた写真が、大きな枠の写真入れに入ってました。

「なんやこれ、気持ち悪い」と言って友が写真入れを手にとって、持ち上げた瞬間、額裏から一枚の紙が落ち、その中から束になった髪の毛がバサバサ出てきました。紙は御札でした。

「破ァ――――」
その時、Tが光弾を発しました。
「除霊も済んだし、安心だな」
しかし、Tの除霊で漏れた光を誰かが目撃した可能性もあると、その日はお開きにして早々に帰りました。
NとKはあの場所に何が居たか分かっていたみたいですが、私と友がその事を聞いても知れば何が有っても自己責任になると話してはくれません。
あの日、あの場所に何が憑いていたか謎なままです。
Tの除霊で砕けた調度品、内壁を思い出すたびに寺生まれって凄いと今でも思います。

663寺生まれの名無しさん:2016/04/10(日) 17:51:58 ID:L0IbYXdc
Nさんは内定決まってたのになんで闇に堕ちたんだよw

664寺生まれの名無しさん:2016/04/10(日) 18:20:11 ID:7bflD9Ow
受験は高校の次も有るよ

665寺生まれの名無しさん:2016/04/10(日) 23:00:55 ID:7bflD9Ow
自分はNさんは大学受験で失敗して闇落ちしたイメージ。
年齢は20代前半ぐらい。

666sage:2016/04/11(月) 09:13:34 ID:XCP.lP5U
作ろうと思ったら、もうあった。
以下コピペ。


1473.  2015/07/13(月) 16:20:24

とある若者たちのグループが、海外旅行へと出かけた。
彼らが行った国は都心部の発展がめざましく、超高層ビルもいくつか見受けられた。
そこで若者たちは、一生の思い出だからと奮発し、なんと100階以上もある高級ホテルに泊まることにした。
ここまで来たのなら、もちろん100階に泊まってみたい。
幸い100階の部屋はがら空きだったので、彼らは100階の1号室に泊まることにした。
「すげー、こんな桁数多い部屋番号見たことねえよ俺……」
そんなことで無邪気にはしゃぎながら、彼らは高速エレベーターを使って部屋に向かう。
部屋の内装はとても綺麗だったし、何より景色が最高だった。
国中を見渡せるんじゃないかと思うような絶景に、彼らは大喜びした。

しかし、旅行2日目にその恐怖はやってきた。
彼らがホテルに帰ってくると、何やら電灯が薄暗い。 フロントで話を聞くと、なんと停電とのこと。
非常電源はあるのだが、高速エレベーターは使えない。
部屋までは階段で行って欲しい、と言われて、若者たちは絶望した。
こうなることを恐れて、100階はがら空きだったのか……
「100階まで階段とか無理ですよ……1階にもうひとつ部屋取れませんか?」
「残念ですが、20部屋全て埋まっております。 50階くらいまでは一階と同じですよ」

どうせ50階までは上がるのだったら、部屋代がもったいない。
これも旅の思い出、100階登り切ってやろうじゃないか。
そう決意した若者たちは、気を紛らわすために、一階上がるごとに怖い話をして登っていくことにした。
全部で百物語というわけだ。

そして彼らは怪談を語りながら階段を上がり続け、脚がパンパンになりながらもなんとか99階まで到達することができた。
疲労困憊の若者たちに、リーダーが言う。

「みんな、これから話す最後の怪談は、本当に怖い話だ。 なんたって百物語のラストだからな」
みな、彼の尋常ではない雰囲気に、息を呑んで聞き入った。
1474.  2015/07/13(月) 16:26:14

「いいか……実はな、部屋の鍵を「破ぁ〜〜〜……!!」


その時、リーダーの話をかき消すようにして、奇妙な掛け声が階段の踊り場に響き渡った!
階段の方を見ると、ホテルの従業員が息も絶え絶えな様子で駆け上がって来ている。
よく見ると、彼はたまたまバイトに来ていた寺生まれで霊感の強いTさんじゃないか!!

「破ぁ……破ぁ……ゲホッゲホッ……お、お客様……破ぁ……わ、忘れものですよ……」

必死に声を絞り出す彼の手元には、「1001」と刻まれた部屋の鍵があった。

「なんてこった、俺達はフロントに鍵をもらうのも忘れてここまで登ってきてたのか!?」

皆の背筋に冷たいものが走る。もしもTさんが命がけでここまで追いかけてきてくれなかったら、
今頃彼らは怪談以上の恐怖を味わっていたことだろう。
若者たちは泣きながらTさんに感謝し、気付いたのがほんの少し前だったので、
慌てて全段休まず駆け上がってきたという、彼の満身創痍の体を介抱した。

「へへ……お前ら……百物語なんかしやがって。 全話終わる前に間に合って良かったぜ……」
「この状態で除霊するのは、きっと骨が折れただろうからな……!」

やっぱり寺生まれってすごい。不敵に笑うTさんを見て、若者たちは改めてそう思った。

667sage:2016/04/11(月) 09:48:22 ID:XCP.lP5U
変わりにコッチを使おうと思う。
まず元ネタ。

88 :その1:2008/06/29(日) 01:07:57 ID:IEygAJBd0
霊感が物凄いあると豪語する友人Kが有名な心霊スポットへ行ってきたそうなので詳細聞いてみた。
俺「あそこ子供の霊が出るっていうウワサだったんだけど、どうだった? 居たの?」
K「んあ? ありゃガセだよガセ。散々探し回ったけど子供の霊なんて一体もイネーしよ。ガッカリだね」

89 :その2:2008/06/29(日) 01:08:44 ID:IEygAJBd0
霊感が物凄いあると豪語する友人Kが仲間数名とまた有名な心霊スポットへ行ってきたそうなので詳細聞いてみた。
俺「今度は友達と行ったんだって? どうだった?」
K「ああ…。突入するまではスゲー盛り上がってたんだけどさ、建物入った途端、全員一斉に逃げ出しやがってよ。拍子抜けして帰ってきたよ。ツマンネー」


教会生まれのKさんが浮かんだw

668寺生まれの名無しさん:2016/04/11(月) 20:20:39 ID:epCUBS/I
>>666
前のぶん殴るTさんよりTさんらしくて良かった。

669タイトル未定:2016/04/12(火) 20:36:54 ID:rPR..qaA
テスト

670タイトル未定:2016/04/12(火) 20:49:59 ID:rPR..qaA
俺はただの心霊マニア。
巷では高校生デビューだかが流行ってるが、俺は念願のオカルトスポットデビューだ。
俺はネットで見た情報を頼りに某心霊スポットへ1人で行ってみることにした。
何大丈夫だ。
何たってその場所にはウワサの子供の霊なんて一体もいなかったっていうし、霊能者が仲間で突入したら逃げ出したって、教会生まれで霊感の強いKさんの書き込みなんだから何にも心配することは無い。
やっぱ初心者はヘタにガチでヤバイ所に行くよりも、そういった安全な所に行った方が良いだろうからな……。
そうこうしてるウチに、元有名な心霊スポットに着いていた。

671タイトル未定:2016/04/12(火) 21:01:51 ID:rPR..qaA
間違って途中送信しちゃった!?

672大漁復活怪人の法則:2016/04/12(火) 21:09:42 ID:rPR..qaA
俺はただの心霊マニア。
巷では高校生デビューだかが流行ってるが、俺は念願のオカルトスポットデビューだ。
俺はネットで見た情報を頼りに某心霊スポットへ1人で行ってみることにした。
何大丈夫だ。
何たってその場所にはウワサの子供の霊なんて一体もいなかったっていうし、霊能者が仲間で突入したら逃げ出したって、教会生まれで霊感の強いKさんの書き込みなんだから何にも心配することは無い。
やっぱ初心者はヘタにガチでヤバイ所に行くよりも、そういった安全な所に行った方が良いだろうからな……。
そうこうしてるウチに、元有名な心霊スポットに着いていた。






俺はすぐに後悔することになってしまった。
そこには、呪い屋のNさんがいたのだ。
しかも、今までTさん達が祓ったとネットに書かれていた悪霊や式神も勢揃いしているのだ。

 ―煙の式神
  煙状の式神。他人の恨みを吸収して力を増す。
 ―大鴉の式神
  魂を吸い取る呪いの護符に宿っていた。
 ―生首
  7つ目の怪談を作るためにNさんが差し向けた妖怪。
 ―カーブの手まねき霊
  Nさんに引っ張られての集まった霊の集団。
 ―蠱毒のムカデ
  蠱毒の術を繰り返したことで生まれた。腹から子ムカデを出す他、強力な毒を持つ。
 ―雲外鏡
  カーブミラーに宿っていた黒い雨雲のような妖怪。姿を見たものを襲う。Jちゃんの攻撃を無効化し、TさんとKさんの攻撃にも耐えたが、照魔鏡の力で消滅した。  

 ―恐怖の橋の吊り男
  サラリーマン風の中年男性の姿。「あなたも吊りましょう」といって自殺へ誘い込む。
 ―本栖湖畔の女性
  おぼれた振りをして人を引きずり込もうとする。真っ暗なのに顔がはっきり見える。
 ―いつまで婆
  満面の笑みを浮かべた顔がお婆さんの小さい女の子。「いつまで生きる?」と問いかけ、姿を見た人に取り憑く。取り憑かれた人がこのときの話をすると、満面の笑顔になる。
 ―山の怪
  ジャミラに似たシルエットを持つ単足の妖怪。山に入ってきた女性に取り憑く。「テン・・・ソウ・・・メツ・・・」とつぶやく。
 ―暗黒の騎士
  暗黒の騎士っぽいなにか。
 ―足長男
  半そで短パンで異様に足が長い男。車に追い付く程のスピードで走ったり、なぜか獲物に対して先回りができる。
 ―くねくね
  云わずとしれた妖怪。Tさんをして相当やばいと語らしめた。別バージョンでは祖父の振りをした悪霊とタッグを組んでいた。
 ―八尺様
  おなじみ。Tさんの前では敵ではなかった。
 ―赤いワンピースの女
  道をあるいており、それに気を取られたドライバーが事故を起こすと思われていたが、実際は顔の抉れた女が対向車の車体に飛び乗り、方向を狂わせていた。その女と組んでいたかは不明。
 ―兄に化けていた化け物
  家庭内の不和に付け込んでいつの間にか家庭に紛れこんで子供を喰らう。正体は黒い獣で、手から炎の弾を撃つ。
 ―便器の悪霊
  顔が半分抉れた女の悪霊。Tさんにそのまま流されてしまう。
 ―緋色の飴の鬼
  呪いの執行の対価として一族の命を奪おうとする鬼。詳細不明。
 ―生首の悪霊
  女性に取りついて結界を広げていた女の生首。取りついた相手が寝ている間に体を操って髪の毛を周りに埋め込んでいた。

 ―井戸にすんでいたもの
  金属音をならす姿がない何か。友人の中に潜む者との戦いで疲弊し、Tさんに破ぁされた。
 ―友人の中に潜む者
  白いんだかグレーなんだか透明なんだか、煙なんだか人影なんだか、何か良く解らない「何か」。女子大学生の中に住み着いていた。その人自身の中に住み着いているのかその人が異世界とつながっていてそこから出入りしているのかは不明。
  井戸にすんでいたものと戦い、その後Tさんにまとめて破ぁされた。別にその人を守っていたわけではなく、家の玄関を守る程度の考えだった。

673大漁復活怪人の法則:2016/04/12(火) 21:13:27 ID:rPR..qaA
 ―ガサガサ
  全身が瘡蓋か鱗におおわれた人型の妖怪。とあるお婆さんに封印されていた。破ぁを回避するなど非常に実力のある妖怪。
 ―鎧を着た人
  鎧を着て、右手に刀、左手には赤ん坊を打ちつけた板を持つ悪霊。復讐をたくらんでいるらしく、「わぬしか!わがたまきりたるはわぬしか!」と叫んでいた。とある子供に襲いかかるが、その子の祖父の霊に妨害され、Tさんに破ぁされた。
 ―壁の中の老婆
  爺さんと、「死んだらさびしくないように壁に埋めておく」という約束をしていた老婆。「じいさん、じいさん…」といい、代役を頼まれていた男がうっかり暴言を吐いたため「爺さんはどこだあ!」と壁から飛び出してきた。
 ―鋸男
  夢に出てきて家の柱を切る悪霊。顔中に釘を打ちつけてある。言動がイカレている。
 ―暗室の亡霊
  昔ある生徒が死亡し、教師が自殺した学校の暗室にいる霊。3時35分になると、ドアを激しく叩く音がし、それに答えてしまうと中に引きずり込まれ、閉じ込められてしまうという事件の犯人。
 ―モスマン
  太平洋戦下でB29を襲っていた体は人間ににているが痩こけて体毛は確認できず、 肌は浅黒く顔はひととも獣ともつかない 。耳はとがり 背中には蝙蝠のような翼を生やし、身長5m幅20mほど。突然戦闘機に乗って現れたTさんに破れた。

 ―せぶりしゅう
  ある無人島に夜になると現れる。男女の叫び声や悲鳴とともにあらわれる。水死体であり、それが立ち上がって襲いかかる。地元の人は夜中にその島へはいかない。
 ―セプティマ・コトリパーダ
  コトリバコの魔人。人型から全身目玉の形態へ移行する。他人の四肢を操る能力をもつ。
 ―二人の母
  のっぺらぼうと鬼の形相の悪魔の2体で一人の男の子を騙していた。変化は上手いが戦闘はさして上手くない。
 ―ティシュ箱の怪物
  ティッシュの空箱に住み着いていた緑色のスライムで、目のような物がある。住み着いてるティッシュ箱を覗くと外灯に照らされた夜道が見える程度だったはずだが、Tさんを血だらけにする実力を持つらしい。

 ―真っ黒な顔をした大男
  金縛りとともに現れた悪霊。Tさんの破ぁを受け止める強敵。だが現場にあった守り刀を使っTさんに破れる。
 ―フクロウ(たたりもっけ?)
  子供に取りついて悪夢を見せていた。破ぁを躱す実力を誇る。
 ―3人組の女
  手をつないでいる3人組の女。「マーーー」と大声をあげて襲いかかってきた。
 ―化け灯篭
  本体は石灯籠の中にいて、女の幽霊の幻を映し、人の生き血を啜る。
 ―路地の赤子
  外見は普通の赤ん坊だが、迷い込んだ猫や人間を食べてしまう凶暴な性格。実は路地そのものが悪霊の集合体。
 ―ヘイシ様
  昔騙されて殺された平氏の落ち武者の怨念。最初の子の命を奪う。Tさんを退けるほど強力な悪霊だったが、Tさんの説得に応じて憎しみを解いた。

674大漁復活怪人の法則:2016/04/12(火) 22:26:43 ID:rPR..qaA
早くこのことをTさん達に教えないと!?
だがケータイを持つ手がふるえて上手く文字が打てない。


ガシャン


うっかりケータイを落としてしまった。

「み〜た〜な〜!?」

こんなことなら大人しく高校生デビューしてれば良かったと思ってももう遅い。
せめて……、可愛い彼女を作って青春をおうかしたかった。









「そこまでです。兄様!」
「っ!?」
「破ァ!」
「アーメン!」
「矢ぁ!!」



TさんとKさんとJちゃんがお決まりの必殺技を放った途端、悪霊の内の三体は一瞬で消えた。
かつてはあんな大バトルを繰り広げたというのに!?
「……フッ、かかったな!?」
「なっ!?」

何とまるでそれが引き金だったかのように、大量の悪霊達が次々とNさんを取り込むように合体して1つのまがまがしい怪物になってしまった!?

「しょうがねぇ。こうなったら、こっちも合体だ!!」
「もうそうする以外、兄様を止める手段は無いッス!」
「それでは行きますよ!」
「まずは俺からだ!破ぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「アーメンンンンッ!!」
「矢ぁぁぁぁぁぁ〜!!」

今俺は……奇跡の目撃者になっているのか!?
こんな体験、普通に高校デビューをしていたら得られなかった。

今ここに、最終決戦が繰り広げられようとしている!!

675大漁復活怪人の法則:2016/04/12(火) 23:15:19 ID:rPR..qaA
「っていう感じのDVDありませんか?」
「帰れ!」

俺何にも悪くないのにオタク扱いされてアタッマきちゃったから、もうこうなったら自分で作ってやるんだ。
CGだなんて使わないでちゃんと正真正銘の本物でリアリティを追求するんだ!!
この世の中スマホさえあれば心霊スポットなんてすぐ見つけられるし、霊を撮ることも出来るしな!
だけど急にトイレ(大)に行きたくなり、慌てて公衆便所に入るとそこは和式だった。
和式は嫌いだが仕方無いのでしゃがんでみると、目の前に寺生まれのTさんがいて【右ヲ、ミロ!!!】と指示された。
なんで?
と思って右の壁を見ると教会生まれのKさんがいて【左ヲ、ミナサイ!!!】と言われ、随分命令口調だなぁ……などと思いながらもその通りに左を見てやると今度は神社生まれのJちゃんが【上ヲ、見タラダメッス!!!】と言ってドキッとしてしまった。
怖かったけど、ゆっくりと後ろに振り返ってみると……、

「み〜た〜N「破ぁ!!」

何時もより特大なTさんが発射した気弾によって、トイレは吹っ飛んでしまった。
いくら春とはいえまだ少し肌寒く感じるのに、風は容赦ない。
そこには合体ロボがあって、Tさん達は乗り込んだのだった。
そして

「少年よ。量産機になるな!」

と一言残し空へと飛んでいってしまった。
何てことだ!?
俺が必死になって考えていたアイディアは既に他の誰かによって作られてしまっていたのだ。
完全に出し抜かれた!?
何時だ!?
俺がレンタル店にいる時か!?
あの店員の反応からまだ作られてないものだと思っていたのに。
俺は妄想の中の大量復活怪人達のように、使い捨てには絶対ならない!!

これまでまだ誰も作ったことのない作品を作るんだ!!
それにしても、まだ世間に未発表のロボを見せてまで俺という『己』を尊重させてくれるだなんて、TさんもKさんもJちゃんもスゲェと、HALの風を芯から感じながら思っていた。



676大漁復活怪人の法則(修正版):2016/04/12(火) 23:17:37 ID:rPR..qaA
「っていう感じのDVDありませんか?」
「帰れ!」

俺何にも悪くないのにオタク扱いされてアタッマきちゃったから、もうこうなったら自分で作ってやるんだ。
CGだなんて使わないでちゃんと正真正銘の本物でリアリティを追求するんだ!!
この世の中スマホさえあれば心霊スポットなんてすぐ見つけられるし、霊を撮ることも出来るしな!
だけど急にトイレ(大)に行きたくなり、慌てて公衆便所に入るとそこは和式だった。
和式は嫌いだが仕方無いのでしゃがんでみると、目の前に寺生まれのTさんがいて【右ヲ、ミロ!!!】と指示された。
なんで?
と思って右の壁を見ると教会生まれのKさんがいて【左ヲ、ミナサイ!!!】と言われ、随分命令口調だなぁ……などと思いながらもその通りに左を見てやると今度は神社生まれのJちゃんが【後ロヲ、見タラダメッス!!!】と言ってドキッとしてしまった。
怖かったけど、ゆっくりと後ろに振り返ってみると……、

「み〜た〜N「破ぁ!!」

何時もより特大なTさんが発射した気弾によって、トイレは吹っ飛んでしまった。
いくら春とはいえまだ少し肌寒く感じるのに、風は容赦ない。
そこには合体ロボがあって、Tさん達は乗り込んだのだった。
そして

「少年よ。量産機になるな!」

と一言残し空へと飛んでいってしまった。
何てことだ!?
俺が必死になって考えていたアイディアは既に他の誰かによって作られてしまっていたのだ。
完全に出し抜かれた!?
何時だ!?
俺がレンタル店にいる時か!?
あの店員の反応からまだ作られてないものだと思っていたのに。
俺は妄想の中の大量復活怪人達のように、使い捨てには絶対ならない!!

これまでまだ誰も作ったことのない作品を作るんだ!!
それにしても、まだ世間に未発表のロボを見せてまで俺という『己』を尊重させてくれるだなんて、TさんもKさんもJちゃんもスゲェと、HALの風を芯から感じながら思っていた。



677寺生まれの名無しさん:2016/04/13(水) 02:49:12 ID:ZbpOSLyY
つまらん

678公衆便所:2016/04/13(水) 18:28:01 ID:8dW5G156
公衆便所に入った。
和式だった。
和式は嫌いだ。
でも、仕方がないのでしゃがんでみると
目の前に落書きがあって
【右ヲ、ミロ!】と指示された。
なんだコレ?
と思って右の壁をみると
【左ヲ、ミロ!】と書いてあった。
私は「ずいぶん命令口調だなあ」などと思いながらも
その通りに左を見てみると、今度は
【上ヲ、ミロ!】というので
おそるおそる天井をみると、
そこには、ものすごく大きな赤い文字で
【ウシロヲミルナ!!】と書かれていてドキッとしました。
怖かったのですが、
ゆっくりとウシロに振り返ってみると・・・
携帯を構えた寺生まれで霊感の強いTさんが立っていた。
「破ぁ〜だから、後ろを見るなと書いただろ・・・」
死ぬほどびっくりしましたが、取りあえず通報する事にしました。

679暗闇:2016/04/14(木) 20:40:28 ID:K/BHEQNI
高校でセンター模試を理系で受けると最後まで残ることになるため、帰る頃には外が真っ暗。
当然校舎内は外より一層暗いにも関わらず、気の利かない先生は廊下の電気を点けておいてくれていなかった。
だからTが破ァして出した明かりを頼りに昇降口まで辿り着く。

廊下はほんと真っ暗で、Tが破ァしてなければ段差を摺り足で確かめながら歩くレベル。
唯一明かりを点けてくれてる昇降口に着いたとき、一緒に教室出て来たはずの友人のNがいないことに気付いた。

名前を呼んでると、少し遅れて友人が現れた。
聞いてみると廊下にある姿見で髪を整えてたらしい。

正直ビビってたもんだから、ちょっと苛ついた。
全く呑気に髪なんか気にしてんじゃねーや。

後日、JちゃんからNは夜目が利いて暗闇でも問題ない事を聞き、法力で明かりを作る寺生まれも凄いが、Nも地味に凄いと思った。

680分からない方が良い:2016/05/06(金) 22:27:42 ID:lyj56Pac
これは兄が3年目の受験の頃、秋田にある祖母の実家に帰省した時の事です。
年に一度のお盆にしか訪れる事のない祖母の家に着いた私は、 早速受験勉強が煮詰まっていた兄と外に遊びに行った。
実家のどこか張詰めた様な空気とは違い、空気は穏やかで柔らかい。
私は、爽やかな風を浴びながら、兄と田んぼの周りを駆け回った。

そして、日が登りきり、真昼に差し掛かった頃、ピタリと風か止んだ。
と思ったら、気持ち悪いぐらいの生緩い風が吹いてきた。
私は、『兄様!何かいます!』と、
霊力を高めつつも爽快感を奪われた事で少し機嫌悪そうに言い放った。

すると、兄は、さっきから別な方向を見ている。

その方向には案山子がある。
『あの案山子がどうしたのですか?』と兄に聞くと、
兄は『いや、その向こうだ』と言って、ますます目を凝らして見ている。

私も気になり、田んぼのずっと向こうをジーッと見た。
すると、確かに見える。

何だ…あれは。

遠くからだからよく分からないが、人ぐらいの大きさの白い物体が、くねくねと動いている。

しかも周りには田んぼがあるだけ。
近くに人がいるわけでもない。

681分からない方が良い:2016/05/06(金) 22:35:44 ID:lyj56Pac
私は奇妙な感じがする妖力を感じられないそれが何なのか首を傾げた。
実家に置いて来た筈の人形のLがこう解釈した。

『あれ、新種の案山子ね?きっと!今まで動く案山子なんか無かった から、農家の人か誰かが考えたのよ!多分さっきから吹いてる風で動いているに違いないわ!』

兄は、Lの解釈に納得した表情でしたが、その表情は一瞬で消えた。

風がピタリと止んだのだ。

しかし例の白い物体は相変わらずくねくねと動いている。

兄は『おい…まだ動いてるぞ…あれは一体何なんだ?』と驚いた口調で言い、気になって
しょうがなかったのか、兄は家に戻り、双眼鏡を持って再び現場にきた。

兄は、少々ワクワクした様子で、『最初俺が見てみるから、お前は少し待ってろよー!』と言い、 はりきって双眼鏡を覗いた。

すると、急に兄の顔に変化が生じた。

みるみる真っ青になっていき、冷や汗をだくだく流して、 ついには持ってる双眼鏡を落とした。

682分からない方が良い:2016/05/06(金) 22:41:42 ID:lyj56Pac
私は、兄の変貌ぶりを恐れながらも、兄に聞いてみた。

『何だったの?』

兄はゆっくり答えた。

『わカらナいホうガいイ……』

すでに兄の声では無かった。

兄はそのままヒタヒタと家に戻っていった。
私とLは、すぐさま兄を真っ青にしたあの白い物体を見てやろうと
落ちてる双眼鏡を拾い、恐る恐る兄が見ていた方角にレンズを向け、
そして驚愕した。

田んぼの向こうでゆらめくもの、それは白いカッターシャツを着たTさんだったのだ。

寺生まれで霊感の強いTさんが、狂ったように笑いながら、くねくね、くねくねと乱舞していたのだ。

人間とは思えない程なめらかな腰使い、がむしゃらながらも確かなキレのあるステップ。
そして満開の笑顔、ほとばしる汗・・・

それは初期衝動としか言いようのない、どんなジャンルにも属さない
オンリーワンのダンススタイル。
なまめまかしく蠢く指の一本一本までもが、何かを表現しているようだ。

夕日というミラーボールに彩られ、人生というダンスホールで
いつまでも踊り続けるTさんを見ながら そろそろ就活の筈だけど、ここで踊っていても大丈夫なのでしょうか心からそう思った。

683分からない方が良い 後日:2016/05/06(金) 23:00:32 ID:lyj56Pac
その後、兄は受験勉強で煮詰まる度、あの日見たTさんのダンスを踊り気分転換をして志望校に見事合格した。
良い笑顔で人を呪っても陰に偏るだけだから碌な結果は出ない。人を呪わば穴二つ、当にその通りだったと言う兄のN。
もっと早くに気付くべきよねと呆れ顔で話すLに相槌を入れつつも破ァ無しで兄を更生させたTさんは凄いと心からそう思いました。

あと、あの日、なぜ踊っていたのか聞いてみました。
早朝、田んぼの中でくねくねと動く何かを見掛け除霊しようと近付いてからの記憶が日没まで飛んでいると言っていました。
Tさんが見掛けたそれは何なのか、Lはダイエットをする気が無いなら知らない方が良いと答えてくれません。
兄からアレの正体を聞いた兄の年下の先輩が記憶が飛ぶほど踊る羽目になり筋肉痛で酷い目に遭ったと知り、まだ知らなくても良いと思いました。

684寺生まれの名無しさん:2016/05/22(日) 09:35:32 ID:MKKFRhl.

 僕が通っていた学校は怖いですよ。行方不明者の数がハンパじゃない。20年くらい前から、男女合わせて10人以上神隠しにあった学生がいます。それは人食い教室と言われています。西側の校舎の3階にあり、外見に特に問題は無いのです。僕も何回か入ってみましたが、奇妙な感じもしませんでした。
 担任の先生いわく、夏の土曜の放課後にその教室に一人で残っている生徒がいつのまにか消えているそうです。

 僕の友達のI君はそこの教室に残っていた時、強烈な視線を感じたらしいです。そして眩暈がしてきて、そのままじっとしていたらどうにかなりそうだったので、全速力で逃げ出したのです。
 そして廊下まで来て、ふと振り返るとその教室のガラスの所になまなましい程の笑顔の顔が無数に写っていたそうです。教室のガラスは曇りガラスでほとんど見えませんが、その顔は物凄く鮮明に写っていたそうです……そこへ、

「破ぁーっ!」

 突然鋭い叫び声が響き、青白い光が窓ガラスを一枚残らず破壊したそうです。顔の群れも一つ残らず消滅しました。

「危ないところだったな」

 I君に声をかけたのは、霊感が強い事で有名な寺生まれのT先輩。胸騒ぎがしたので駆けつけたとの事でした。
 I君はお礼を言って無事に下校したそうです。

お寺の息子のくせに教室の窓ガラスを全部叩き割り三日間の謹慎をくらったという『Tさんガラス割り伝説』の真相を同窓会でI君から聞かされた僕は、やっぱり寺生まれは凄いと改めて思いました。

685寺生まれの名無しさん:2016/05/25(水) 23:14:49 ID:uZVr6oac
常習にも関わらず三日の謹慎で済んだ寺生まれは凄いと思った

686継呪の老婆>>257からの分岐:2016/05/25(水) 23:36:23 ID:uZVr6oac
私は、闇の中で眠りについていた。不意に、強烈な渇きを覚えた。
急に、暗闇から引きずり出される。私の喉は張り付いて、一滴のつばも出ない。

「矢ぁ・・・」
力無く呟き呪いを掻き消すと、私は水を一杯飲んで一息吐いた。
「酷い顔」
パサつき傷んだ髪、荒れた肌、窪んだ眼窩 と呪術ダイエットの効果、痕跡がこれでもかと言う程、鏡は映していた。
このウェストなら買った水着は着れるのだが、荒れた肌と傷んだ髪、老婆の様にやつれた体でどこに行けと言うのだ。
「兄様の言う通り、横着しないで普通のダイエットをしておくべきだったな・・・」
浪人中の腰掛程度の経験でも経験者の忠告は聞いておくべきだったと、年頃になったJちゃんはそう思った。

687名無し:2016/08/21(日) 14:26:15 ID:xcL40v92
数年前に、本栖湖畔で朝釣りのために
キャンプをしていたときのこと。
夜中のたき火中に、
「たすけてえええだれかあ」と女性の声が湖の方で聞こえてきて、
そちらに目をやると女性が溺れていた。
びっくりしたと同時に、助けなきゃと思い立ち上がったら連れが
「おまえ何する気だよ!」って引き留めるから
「助けなきゃ」と言い返したら、
「おまえ、ちょっと冷静になってよく見て見ろ!
ここから離れていて真っ暗なのに何で顔がはっきり見えているんだよ!」
「可愛いからだろ」
俺は連れを振り切り湖に飛び込んだ。
女性は俺に抱き着くとニヤリと笑い水死体の様に膨れ上がると湖底へと引きずり込もうとした。
元相撲部を舐めるな。俺は踏ん張り女性を湖岸に投げ飛ばす。
女性はぎょっとした表情で空中で骸骨に変わるとそのまま虚空に溶けるように消えて行った。

するとむこうからすごい速度のアヒルボートが!!
寺生まれで霊感の強いTさんだった!
Tさんは俺をボートに引き上げると、とんだ災難だったなとバスタオルを渡した。

「このあたりは水難事故が多いらしいからな、仲間が欲しかったんだろう」
「中々好みの子だったから普通に来てくれれば、恋人に欲しかった」
「破ぁ〜、その気持ちよくわかるわ」
アヒルボートでそんな会話をする俺と寺生まれを見て、可愛ければ何でも良いと言い切れる元相撲部と寺生まれは凄いと連れはそう思った。

688名無し:2016/08/28(日) 18:35:02 ID:6abCRllw
今から7年ほど前の話になる。俺は大学を卒業したが、就職も決まっていない有様だった。
生来、追い詰められないと動かないタイプで(テストも一夜漬け対タイプだ)、
「まぁ何とかなるだろう」とお気楽に自分に言い聞かせ、バイトを続けていた。
そんなその年の真夏。悪友のT(仮名)と家でダラダラ話していると、
なぜか「ヒッチハイクで日本を横断しよう」と言う話に飛び、その計画に熱中する事になった。

その前に、この悪友の紹介を簡単に済ませたいと思う。
このTも俺と同じ大学で、入学の時期に知り合った。コイツはとんでもない女好きで、頭と下半身は別、と言う典型的なヤツだ。
だが、根は底抜けに明るく、裏表も無い男なので、女関係でトラブルは抱えても、男友達は多かった。
そんな中でも、Tは俺と1番ウマが合った。そこまで明朗快活ではない俺とはほぼ正反対の性格なのだが。


ヒッチハイクの計画の話に戻そう。計画と行ってもズサンなモノであり、
まず北海道まで空路で行き、そこからヒッチハイクで地元に戻ってくる、と言う計画だった。
Tは「通った地方の、最低でも1人の女と合体する!」と女好きならではの下世話な目的もあったようだ。
まぁ、俺も旅の楽しみだけではなく、そういう期待もしていたのだが…
Tは坊主頭で、一見僧侶風の男で(実際盆暮れ、葬式が有れば実家の手伝いとして駆り出されていた)話を聞くのが上手くコイツとナンパに行って良い思いは確かにした事があった。
そんなこんなで、バイトの長期休暇申請や(俺は丁度別のバイトを探す意思があったので辞め、Tは休暇をもらった)、
北海道までの航空券、巨大なリュックに詰めた着替え、現金などを用意し、計画から3週間後には俺達は機上にいた。
札幌に到着し、昼食を済ませて市内を散策した。慣れない飛行機に乗ったせいか、
俺は疲れのせいで夕方にはホテルに戻り、Tは夜の街に消えていった。
その日はTは帰ってこず、翌朝ホテルのロビーで再開した。
にやついて指でワッカをつくり、OKマークをしている。昨夜はどうやらナンパした女と上手く行った様だ。

689名無し:2016/08/28(日) 18:36:25 ID:6abCRllw
さぁ、いよいよヒッチハイクの始まりだ。ヒッチハイクなど2人とも人生で初めての体験で、流石にウキウキしていた。
何日までにこの距離まで行く、など綿密な計画はなく、ただ「行ってくれるとこまで」という大雑把な計画だ。
まぁしかし、そうそう止まってくれるものではなかった。1時間ほど粘ったが、一向に止まってくれない。
昼より夜の方が止まってくれやすいんだろう、等と話していると、ようやく開始から1時間半後に最初の車が止まってくれた。
同じ市内までだったが、南下するので距離を稼いだのは稼いだ。距離が短くても、嬉しいものだ。

夜の方が止まってくれやすいのでは?と言う想像は意外に当たりだった。
1番多かったのが、長距離トラックだ。距離も稼げるし、まず悪い人はいないし、かなり効率が良かった。
3日目にもなると、俺達は慣れたもので、長距離トラックのお兄さん用にはタバコ等のお土産、
普通車の一般人には飴玉等のお土産、と勝手に決め、コンビニで事前に買っていた。
特にタバコは喜ばれた。普通車に乗った時も、喋り好きなTのおかげで、常に車内は笑いに満ちていた。
女の子2〜3人組の車もあったが、正直、良い思いは何度かしたものだった。
4日目には本州に到達していた。コツがつかめてきた俺達は、
その土地の名物に舌鼓を打ったり、一期一会の出会いを楽しんだりと余裕も出てきていた。

銭湯を見つけなるべく毎日風呂には入り、宿泊も2日に1度ネカフェに泊まると決め、経費を節約していた。
ご好意で、ドライバーの家に泊めてもらう事もあり、その時は本当にありがたかった。
しかし、2人共々に生涯トラウマになるであろう恐怖の体験が、出発から約2週間後、甲信地方の山深い田舎で起こったのだった。

690名無し:2016/08/28(日) 18:38:18 ID:6abCRllw
「おっ♪ おっ♪ おま○こ おま○こ 舐めたいなっ♪ ペロペロ〜 ペロペロ〜」
男友達だけの集まりになると、いつもTは卑猥な歌を歌いだす。その夜もTは歌いだした。
その日の夜は、2時間前に寂れた国道沿いのコンビニで降ろしてもらって以来、
中々車が止まらず、それに加えてあまりの蒸し暑さに俺達はグロッキー状態だった。
暑さと疲労の為か、俺達は変なテンションになっていた。
「こんな田舎のコンビニに降ろされたんじゃ、たまったもんじゃないよな。

 これなら、さっきの人の家に無理言って泊めてもらえば良かったかなぁ?」とT。
確かに先ほどのドライバーは、このコンビニから車で10分程行った所に家があるらしい。
しかし、どこの家かも分かるはずもなく、言っても仕方が無い事だった。
時刻は深夜12時を少し過ぎた所だった。俺たちは30分交代で、車に手を上げるヤツ、
コンビニで涼むヤツ、に別れることにした。コンビニの店長にも事情を説明したら
「頑張ってね。最悪、どうしても立ち往生したら俺が市内まで送ってやるよ」と言ってくれた。こういう田舎の暖かい人の心は実に嬉しい。
それからいよいよ1時間半も過ぎたが、一向に車がつかまらない。と言うか、ほとんど通らない。

Tも店長とかなり意気投合し、いよいよ店長の行為に甘えるか、と思っていたその時、
1台のキャンピングカーがコンビニの駐車場に停車した。これが、あの忘れえぬ悪夢の始まりだった。

691名無し:2016/08/28(日) 18:39:19 ID:6abCRllw
運転席のドアが開き、コンビニに年齢はおよそ60代くらいかと思われる男性が入ってきた。
男の服装は、カウボーイがかぶるようなツバ広の防止に、スーツ姿、と言う奇妙なモノだった。
俺はその時、丁度コンビニの中におり、何ともなくその男性の様子を見ていた。
買い物籠に、やたらと大量の絆創膏などを放り込んでいる。コーラの1.5?のペットボトルを2本も投げ入れていた。
その男を、会計をしている最中、じっと立ち読みをしている俺の方を凝視していた。
何となく気持ちが悪かったので、視線を感じながらも俺は無視して本を読んでいた。

やがて男は店を出た。そろそろ交代の時間なので、カズヤの所に行こうとすると、駐車場でTが男と話をしていた。
「おい、乗せてくれるってよ!」
どうやら、そういう事らしい。俺は当初は男に何か気持ち悪さは感じていたのだが、
間近で見ると、人の良さそうな普通のおじさんに見えた。俺は疲労や眠気の為にほとんど思考が出来ず、
「はは〜ん、アウトドア派(キャンピングカー)だからああいう帽子か」などと言う良く分からない納得を自分にさせた。

キャンピングカーに乗り込んだ時、「しまった」と思った。
「おかしい」のだ。「何が」と言われても「おかしいからおかしい」としか書き様がないかも知れない。
これは感覚の問題なのだから…ドライバーには家族がいた。もちろん、
キャンピングカーと言うことで、中に同乗者が居る事は予想はしていたのだが。

父 ドライバー およそ60代
母 助手席に座る。見た目70代
双子の息子 どう見ても40過ぎ

692名無し:2016/08/28(日) 18:40:24 ID:6abCRllw
人間は、予想していなかったモノを見ると、一瞬思考が止まる。
まず車内に入って目に飛び込んで来たのは、まったく同じギンガムチェックのシャツ、
同じスラックス、同じ靴、同じ髪型(頭頂ハゲ)、同じ姿勢で座る同じ顔の双子の中年のオッサンだった。
Tも絶句していた様子だった。いや、別にこういう双子が居てもおかしくはない、
おかしくもないし悪くもないのだが…あの異様な雰囲気は、実際その場で目にしてみないと伝えられない。
「早く座って」と父に言われるがまま、俺たちはその家族の雰囲気に呑まれるかの様に、車内に腰を下ろした。

まず、俺達は家族に挨拶をし、父が運転をしながら、自分の家族の簡単な説明を始めた。
母が助手席で前を見て座っている時は良く分からなかったが、母も異様だった。
ウェディングドレスのような、真っ白なサマーワンピース。顔のメイクは「バカ殿か」と
見まがうほどの白粉ベタ塗り。極めつけは母の名前で、「聖(セント)ジョセフィーヌ」。
父はちなみに「聖(セント)ジョージ」と言うらしい。
双子にも言葉を失った。名前が「赤」と「青」と言うらしいのだ。
赤ら顔のオッサンは「赤」で、ほっぺたに青痣があるオッサンは「青」。普通、自分の子供にこんな名前をつけるだろうか?
俺達はこの時点で目配せをし、適当な所で早く降ろしてもらう決意をしていた。狂っている。
俺達には主に父と母が話しかけて来て、俺達も気もそぞれで適当な答えをしていた。
双子はまったく喋らず、まったく同じ姿勢、同じペースでコーラのペットボトルをラッパ飲みしていた。
ゲップまで同じタイミングで出された時は、背筋が凍り、もう限界だと思った。

693名無し:2016/08/28(日) 18:43:31 ID:6abCRllw
「あの、ありがとうございます。もうここらで結構ですので…」
キャンピングカーが発車して15分も経たないうちに、Tが口を開いた。
しかし、父はしきりに俺達を引きとめ、母は「熊が出るから!今日と明日は!」と意味不明な事を言っていた。
俺達は腰を浮かせ、本当にもう結構です、としきりに訴えかけたが、
父は「せめて晩餐を食べていけ」と言って、降ろしてくれる気配はない。
夜中の2時にもなろうかと言う時に、晩餐も晩飯も無いだろうと思うのだが…
双子のオッサン達は、相変わらず無口で、今度は棒つきのペロペロキャンディを舐めている。

「これ、マジでヤバイだろ」と、Tが小声で囁いてきた。
俺は相槌を打った。しきりに父と母が話しかけてくるので、中々話せないのだ。
1度、父の言葉が聞こえなかった時など「聞こえたか!!」とえらい剣幕で怒鳴られた。
その時双子のオッサンが同時にケタケタ笑い出し、俺達はいよいよ「ヤバイ」と確信した。

キャンピングカーが、国道を逸れて山道に入ろうとしたので、流石に俺達は立ち上がった。
「すみません、本当にここで。ありがとうございました」と運転席に駆け寄った。
父は延々と「晩餐の用意が出来ているから」と言って聞こうとしない。
母も、素晴らしく美味しい晩餐だから、是非に、と引き止める。
俺らは小声で話し合った。いざとなったら、逃げるぞ、と。
流石に走行中は危ないので、車が止まったら逃げよう、と。
やがて、キャンピングカーは山道を30分ほど走り、小川がある開けた場所に停車した。
「着いたぞ」と父。その時、キャンピングカーの1番後部のドア(俺達はトイレと思っていた)から
「キャッキャッ」と子供の様な笑い声が聞こえた。まだ誰かが乗っていたか!? その事に心底ゾッとした。
「マモルもお腹すいたよねー」と母。マモル…家族の中では、唯一マシな名前だ。幼い子供なのだろうか。
すると、今まで無口だった双子のオッサン達が、口をそろえて
「マモルは出したら、だぁ・あぁ・めぇ!!」とハモりながら叫んだ。
「そうね、マモルはお体が弱いからねー」と母。
「あーっはっはっはっ!!」といきなり爆笑する父。
「乗せて貰った手前、いきなり破ァは拙いよな(Tはなにやらブツブツ呟いていた)」

694名無し:2016/08/28(日) 18:46:30 ID:6abCRllw
俺達は、車の外に降りた。良く見ると、男が川の傍で焚き火をしていた。まだ仲間がいたのか…と、絶望的な気持ちになった。
異様に背が高く、ゴツい。2m近くはあるだろうか。父と同じテンガロンハットの様な帽子をかぶり、スーツと言う異様な出で立ちだ。
帽子を目深に被っており、表情が一切見えない。
焚き火に浮かび上がった、キャンピングカーのフロントに描かれた十字架も、何か不気味だった。
ミッ○ーマ○スのマーチ、の口笛を吹きながら、男は大型のナイフで何かを解体していた。
毛に覆われた足から見ると、どうやら動物の様だった。イノシシか、野犬か…どっちにしろ、そんなモノを食わさせるのは御免だった。
俺達は逃げ出す算段をしていたが、予想外の大男の出現、大型のナイフを見て、萎縮してしまった。

「さぁさ、席に着こうか!」と父。大男がナイフを置き、傍でグツグツ煮えている鍋に味付けをしている様子だった。
「あの、しょんべんしてきます」とT。「逃げよう」と言う事だろう。俺も行く事にした。
「早くね〜」と母。俺達はキャンピングカーの横を通り、森に入って逃げようとしたその時、
「そこまでさ!ハハハ」
夢の国で見かける水分子の様な頭の生き物がいた。

695名無し:2016/08/28(日) 18:50:05 ID:6abCRllw
後方で、父と母が何か叫んでいたが、気にする余裕などなかった。
「ヤバイヤバイヤバイ」とTは呟きながら森の中を走っている。お互い、何度も転んだ。
とにかく下って県道に出よう、と小さなペンライト片手にがむしゃらに森を下へ下へと走っていった。
考えが甘かった。小川のあった広場からも、町の明かりは近くに見えた気がしたのだが、
1時間ほど激走しても、一向に明かりが見えてこない。完全に道に迷ったのだ。
心臓と手足が根をあげ、俺達はその場にへたり込んだ。
「あのホラー生物、追ってくると思うか?」とT。
「俺達はあの一家とは関係無いし、そこは追ってこないだろ。映画じゃあるまいし。
 ただの少しおかしい変人一家だろう。最後に見たヤツは、ちょっとチビりそうになったけど…」
「荷物…どうするか」
「幸い、金と携帯は身につけてたしな…服は、残念だけど諦めるか」
「マジハンパねぇw」
「はははw」

俺達は精神も極限状態にあったのか、なぜかおかしさがこみ上げてきた。
ひとしきり爆笑した後、森独特のむせ返る様な濃い匂いと、周囲が一切見えない暗闇に、現実に戻された。
恐怖生物から逃げたのは良いが、ここで遭難しては話にならない。
樹海じゃあるまいし、まず遭難はしないだろうが、万が一の事も頭に思い浮かんだ。
「朝まで待った方が良くないか?さっきのババァじゃないけど、熊まではいかなくとも、野犬とかいたらな…」
俺は一刻も早く下りたかったが、真っ暗闇の中をがむしゃらに進んで、さっきの川原に戻っても恐ろしいので、
腰を下ろせそうな倒れた古木に座り、休憩する事にした。一時はお互いあーだこーだと喋っていたが、
極端なストレスと疲労の為か、お互いにうつらうつらと意識が飛ぶようになってきた。

696名無し:2016/08/28(日) 18:54:48 ID:6abCRllw
ハッ、と目が覚めた。反射的に携帯を見る。午前4時。辺りはうっすらと明るくなって来ている。
横を見ると、カズヤがいない。一瞬パニックになったら、俺の真後ろにカズヤは立っていた。
「何やってるんだ?」と聞く。
「起きたか…聞こえないか?」と、木の棒を持って何かを警戒している様子だった。
「何が…」
「シッ」
かすかに遠くの方で音が聞こえた。口笛だった。ミッ○ーマ○スのマーチの。CDにも吹き込んでも良いくらいの、良く通る美音だ。
しかし、俺達にとっては恐怖の音以外の何物でもなかった。
「あの生物の…」
「だよな」
「探してるんだよ、俺らを!!」
再び、俺たちは猛ダッシュで森の中へと駆け始めた。辺りがやや明るくなったせいか、以前よりは周囲が良く見える。

躓いて転ぶ心配が減ったせいか、かなりの猛スピードで走った。
20分くらい走っただろうか。少し開けた場所に出た。今は使われていない駐車場の様だった。
街の景色が、木々越しにうっすらと見える。大分下ってこれたのだろうか。

腹が痛い、とTが言い出した。我慢が出来ないらしい。古びた駐車場の隅に、古びたトイレがあった。
俺も多少もよおしてはいたのだが、あの生物がいつ追いついてくるかもしれないのに、個室に入る気にはなれなかった。
俺がトイレの外で目を光らせている隙に、Tが個室で用を足し始めた。
「紙はあるけどよ〜 ガピガピで、蚊とか張り付いてるよ…破ァ これでマシにはなったな」
Tは極小の光弾で紙から虫を払い乾燥させると糞も垂れ始めた。
「なぁ…誰か泣いてるよな?」と個室の中から大声でTが言い出した。
「は?」
「いや、隣の女子トイレだと思うんだが…女の子が泣いてねぇか?」

697寺生まれの名無しさん:2017/01/23(月) 21:01:07 ID:4VbAKL5s
カズヤに言われて初めて気がつき、聴こえた。確かに女子トイレの中から女の泣き声がする…
カズヤも俺も黙り込んだ。誰かが女子トイレに入っているのか?何故、泣いているのか?
「なぁ…お前確認してくれよ。段々泣き声酷くなってるだろ…」
正直、気味が悪かった。しかし、こんな山奥で女の子が寂れたトイレの個室で1人、
泣いているのであれば、何か大事があったに違いない。俺は意を決して、女子トイレに入り、泣き声のする個室に向かい声をかけた。
「すみません…どうかしましたか?」
返事はなく、まだ泣き声だけが聴こえる。
「体調でも悪いんですか、すみません、大丈夫ですか」
泣き声が激しくなるばかりで、一向にこちらの問いかけに返事が帰ってこない。
その時、駐車場の上に続く道から、車の音がした。
「出ろ!!」俺は確信とも言える嫌な予感に襲われ、女子トイレを飛び出し、カズヤの個室のドアを叩いた。
「何だよ」
「車の音がする、万が一の事もあるから早く出ろ!!」
「わ、分かった」
数秒経って、青ざめた顔でカズヤがジーンズを履きながら出てきた。と、同時に駐車場に下ってくるキャンピングカーが見えた。
「最悪だ…」
今森を下る方に飛び出たら、確実にあの変態一家の視界に入る。選択肢は、唯一死角になっている、トイレの裏側に隠れる事しかなかった。
女の子を気遣っている余裕は消え、俺達はトイレを出て、裏側で息を殺してジッとしていた。
頼む、止まるなよ、そのまま行けよ、そのまま…
「オイオイオイオイオイ、見つかったのか?」カズヤが早口で呟いた。
キャンピングカーのエンジン音が、駐車場で止まったのだ。ドアを開ける音が聞こえ、トイレに向かって来る足音が聴こえ始めた。
このトイレの裏側はすぐ5m程の崖になっており、足場は俺達が立つのがやっとだった。
よほど何かがなければ、裏側まで見に来る事はないはずだ。もし俺達に気づいて近いづいて来ているのであれば、
最悪の場合、崖を飛び降りる覚悟だった。飛び降りても怪我はしない程度の崖であり、やれない事はない。
用を足しに来ただけであってくれ、頼む…俺達は祈るしかなかった。
しかし、一向に女の子の泣き声が止まらない。あの子が変態一家にどうにかされるのではないか?それが気が気でならなかった。

698寺生まれの名無しさん:2017/01/23(月) 21:02:05 ID:4VbAKL5s
男子トイレに誰かが入ってきた。声の様子からすると、父だ。
「やぁ、気持ちが良いな。ハ〜レルヤ!!ハ〜レルヤ!!」と、どうやら小の方をしている様子だった。
その後すぐに、個室に入る音と足音が複数聞こえた。双子のオッサンだろうか。
最早、女の子の存在は完全にバレているはずだった。女子トイレに入った母の「紙が無い!」と言う声も聴こえた。
女の子はまだ泣きじゃくっている。やがて、父も双子のオッサン達(恐らく)も、トイレを出て行った様子だった。
おかしい。女の子に対しての変態一家の対応が無い。やがて、母も出て行って、変態一家の話し声が遠くになっていった。
気づかないわけがない。現に女の子はまだ泣きじゃくっているのだ。
俺とカズヤが怪訝な顔をしていると、父の声が聞こえた。
「〜を待つ、もうすぐ来るから」と言っていた。何を待つ、のかは聞き取れなかった。
どうやら双子のオッサンたちが、グズッている様子だった。
やがて平手打ちの様な男が聴こえ、恐らく、双子のオッサンの泣き声が聴こえてきた。
悪夢だった。楽しかったはずのヒッチハイクの旅が、なぜこんな事に…
今まではあまりの突飛な展開に怯えるだけだったが、急にあの変態一家に対して怒りがこみ上げて来た。
「あのキャンピングカーをブンどって、山を降りる手もあるな。あのジジィどもをブン殴ってでも。
 大男がいない今がチャンスじゃないのか?待ってるって、大男の事じゃないのか?」
カズヤが小声で言った。しかし、俺は向こうが俺達に気がついてない以上、
このまま隠れて、奴らが通り過ぎるのを待つほうが得策に思えた。
女の子の事も気になる。奴らが去ったら、ドアを開けてでも確かめるつもりだった。
その旨をカズヤに伝えると、しぶしぶ頷いた。それから15分程経った時。
「〜ちゃん来たよ〜!(聞き取れない)」母の声がした。待っていた主が駐車場に到着したらしい。
何やら談笑している声が聞こえるが、良く聞き取れない。再び、トイレに向かってくる足音が聴こえて来た。

699寺生まれの名無しさん:2017/02/22(水) 18:17:08 ID:r5et85jE
昨日の夜、個人的には武勇伝…でも端から見ればDQNっぽい事しました
私の家はお寺なのですが、この季節になるとお墓に肝試しに来るお馬鹿さんが増えます。特に中学生、高校生あたりが多いです。そして昨日の夜、騒がしいと思ったらお墓で花火していました。いつもは父やお爺さんが怒るのですが、昨日はお勤めの為に不在でした。

私は彼らの行動に苛立っていたので、母に警察を呼ぶ様に言ってから初めて注意をしに行きました。
注意をしたら向こうはやはり私(18です)をなめてケラケラ笑っていました。それでも注意を繰り返したら、事もあろうにお墓に花火を押し付けたんです。
それで私、多分キレちゃって…そのDQNが「おねーさんもやるー?」と言って差し出してきた花火を、黙って押しつけちゃいました。それでDQN達は驚くやら怒るやらで、殴りかかってきした。

700寺生まれの名無しさん:2017/02/22(水) 18:18:20 ID:r5et85jE
キレてる時って本当に痛みが気にならなくなるんですね。私は殴られながらも「貴様らに仏の慈悲など必要無い!地獄へ堕ちよ!!破ァッ!!」と叫び両手から青白い光弾を放ちました。
DQN達はその光弾を受けると、断末魔の叫びを上げながら消滅してしまいました。
この力は人間に使うものじゃない、私は自分の力が怖くなり改めてそう思いました。

701人妻:2017/04/02(日) 11:11:23 ID:mSWq0dEo
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727通りすがり:2017/12/12(火) 18:51:06 ID:kemKMioI
男達の純粋な恋心を弄ぶ出会い系業者破ァ!

728冷蔵庫のTさん:2017/12/17(日) 18:52:19 ID:fW2WzZ82
私が牛乳を飲もうと冷蔵庫を開けると、寺生まれで霊感が強いTさんが入っていました。
私はビックリして、思わず冷蔵庫のドアを閉めてしまいました。
きっと今のは何かの見間違いであろうと思い直し、
再び冷蔵庫を開けると、なんとそこには寺生まれのTさんが白目を向いていたのです。
私は思わずドアを閉めましたが、きっと疲れていて見えもしないものを見てしまったのだと思い直し、
覚悟を決めて、改めて冷蔵庫を開けました。
するとそこには、寺生まれのTさんが白目を向いて、ほのかにほくそ笑んでいるのです。
私はビックリして、冷蔵庫のドアを閉めましたが、きっと幻覚を見たに違いない、
最近あまり寝てないから、見えもしないものが見えてしまったのだと思い直し、
冷蔵庫を開けました。するとそこには、白目を向いたTさんが入っていたのです。
驚いた私は、気がつけば冷蔵庫の扉を閉めていましたが、気のせいだと思い直し、
再びドアを開けると、やっぱり白目を向いたTさんが、ほのかに笑っているのです。
思わず扉を閉めてしまいましたが、きっと幻覚に違いありません。最近寝てなかったから。
と、思い直し冷蔵庫を開けると、やっぱりTさんが入っているのです。
思わず冷蔵庫を閉めた私でしたが、これは何かの間違いに違いない。
疲れているから見えもしない物が見えたのだと思い直し、冷蔵庫を開けると、
そこにはなんと白目を向いたTさんが……、うわっと思い冷蔵庫を閉めましたが、
きっと疲れのせいで幻覚を見たに違いないと自分に言い聞かせ、
再び冷蔵庫を開けると、なんと寺生まれのTさんが白目を向きながら笑っているのです。
思わず冷蔵庫の扉を閉めましたが、きっと気のせいで、
何かと見間違えをしたのだと自分に言い聞かせ、扉を開け直すと、
なんとそこには、寺生まれのTさんが白目を向いて笑っていたのです。
私は冷蔵庫を閉めて警察に通報しました。
「破っ破っ破っ、冷蔵庫の悪霊はちゃんと祓っておいたから安心してくれ」
警察のPさんに連行されるTさん。何時から冷蔵庫に入っていたかは分かりませんが、Tさんが長時間入っていた冷蔵庫は買い替えよう、そう思いました。

729寺生まれの名無しさん:2018/03/07(水) 22:20:54 ID:9pZ7pEE.
4、5才までは母親の胎内にいた頃の記憶が残っている場合があるってテレビで聞いたんだが、正直(ホンマかいな…)って感じだった。
そろそろ4才になろうかという甥っ子がいるので、家に遊びに来た時に聞いてみた。「お母さんのお腹の中にいた頃の事覚えてる?」って。
そしたら「うん」って。
マジかよ!って思ってテンション上がったわ。
「どんなだった?どんな事覚えてる?」って聞いたら

「Tさんが一緒に居たから寂しくなかったよ」って。

ホッとしたわ。

「Tさんて誰?」って聞いたら「ママのお腹から出てから一度しか会った事ない」って。
甥っ子の母も話を聞いてて
「この子、すれ違う寺生まれの顔をジッと見てる事がよくあるんだけど、もしかして、その“Tさん”を捜してるのかな…」
って気味悪がってたわ。
俺もメチャさぶイボが出まくりました。

何で寺生まれとそうじゃない生まれの見分けがつくんだ、甥っ子よ。

730寺生まれの名無しさん:2018/03/07(水) 22:21:42 ID:9pZ7pEE.
>>729のタイトルは「胎内のTさん」です

731寺生まれの名無しさん:2018/05/31(木) 22:58:22 ID:noHseZp2
甥っ子の父親はひょっとして…

732夜釣りのTさん:2018/06/28(木) 21:49:27 ID:XkPmt7Zo
俺は夜釣りに出かけた
ある日、遊びの予定がキャンセルになった俺は
秘密の釣り場で夜釣りを楽しむ事にした
街から少し離れた所にある橋で、静かでよくつれる俺の穴場で
その日も良く釣れた
だがしばらくすると、全身に寒気が走った。
何か恐いな・・・そう思いつつも入れ食い状態のその場を離れる気にもならず
夜釣りを楽しんだ
「あなたも釣りですか?」
後ろから声をかけられた
振り返るとそこにはサラリーマン風の中年男性が
「えぇ、ここよく釣れるんです」「えぇそうらしいですね」
「あなたも釣りですか?」「・・・まぁそうですね」
話していくうちに段々と俺は違和感を感じた
男性はどう見てもスーツ姿、とても釣りを楽しむ格好じゃない
こんな所でなにを・・・

733夜釣りのTさん:2018/06/28(木) 21:58:00 ID:XkPmt7Zo
「あなた、つらないんですか・・・」
男性の声・・・いやおかしい、明らかに上から聞こえてきた
「つりましょうよ、あなたも・・・」
俺は恐怖に震えながらも上を見上げた・・・
そこには、今話をしていた男性の首吊り死体が!!
男が言っていたのは「釣り」ではなく「吊り」だったのだ!!
気が付くと俺の目の前には無数の人影が
「吊ろう・・・一緒に吊ろう・・・」と俺に囁いている
「吊りませんよ・・・私は沈んだのですから・・・」
俺は膨れ上がった体でそう答えた。
「えっ?」
「えっ?」
俺の正体に気付いていなかったのか首吊りを勧めて来た中年男が固まる。
「・・・」
「・・・」
何か話してくれ、気まずいだろ。お互いに押し黙り何とも言えない空気が場を満たす。

734夜釣りのTさん:2018/06/28(木) 22:18:02 ID:XkPmt7Zo
「そこまでだ。」
さっきまで俺の隣で夜釣りをしていた寺生まれで霊感が強いTさんだ。
「仲間を増やそうとして、相手を間違えた間抜けどもめ破ァ」
Tさんの空のバケツから閃光が迸る。
閃光で強制的に成仏させられる俺と突然の展開に付いて来れず固まったままの中年男。
「ちっ、雑魚に当たりはしても魚は当たらない・・・今度は女の子でも釣りに行くかな」
釣り道具を片付け夜の街に繰り出すTさん。
その様子を見ていた巡回中のPは寺生まれだけに坊主か、そう思った。

735ふすまの目:2018/09/10(月) 22:27:22 ID:M4dmXLjo
俺が学食でカレーを食っていると、友達のA君が、突然言った。
「なあ、幽霊が出るって噂の旅館を見つけたんだけど、一緒に行ってみないか?」
怖い話が大好きな俺は、すぐに賛成したのだが、
A君は、
「そこ、ガチでヤバい所らしいから、合コンで会ったお前の先輩も誘ってくれない?ほら、不思議な力が使えるっていう」
「ああ、Tさんね。分かった」

そして、当日、俺とA君、二つ返事でOKしてくれたTさんと、Tさんの後輩だという神社生まれのJさんの4人で、問題の旅館に泊まった。
予算の都合で俺とA君は同じ部屋になった。
とても変わった部屋で、ふすまが5つ壁に取り付けられていた。中には、普通に布団が入っていた。反対側は、窓だったが、そのすぐ外は川だった。
「知ってるか?幽霊は流れる水を越えられないらしいぜ」
「そうか。じゃあ、窓からは幽霊は来ないな」
A君のオカルトうんちくに俺は適当に返事をした。
夜になるまで何も起こらず、俺達は布団を敷いて寝た。

「大丈夫か!?」
深夜、俺達はTさんの声で起こされた。
「なんなんですか?」
俺が聞くと、Jさんがおろおろしながら、
「わからないんです。T様が急に目を覚ますと、いきなりあなた達が危ないっていい出して、」
「そこか!」
いきなりTさんが入り口から2枚目のふすまを指さした。すると、
ふすまに大きな人間の目が、ギョロリと開いた。
途端に部屋が暗くなった。俺とA君は、恐怖のあまり一言も喋れなくなってしまった。
「悪霊め覚悟しろ!」
Tさんが目に向けて手を突き出した。
その時、目がTさんを睨んだ。
「う、ぐ、」
Tさんが腹を押さえてうずくまった。
Tさんの腹部の内側から、何か鋭いモノが出てきた。針か!?いや、あれは、虫の足だ!
「T様!?」
「近寄るな!それよりJ、あの目を潰せ!」
「は、はい!矢ァーーーー!」
「重イ、重イイイ」
Jさんが光線を放ったが、謎の声がすると消えてしまった。
「どうして!?なんで効かないの!?」
「う、うう。効かないのか。ならばどうしようもない。どうやら、もう駄目みたいだ」
「そんな、T様!?」
Tさんの腹からは、虫の顔が半分出かかっていた。
「J、孵化する前にこの体を破壊して欲しい」
「で、できません!」
「早くするんだ!さもなくば、新たな化け物が!うぐ、うがっ」
「破ァーーーーーーーーーーーーーーーー!」
突然窓ガラスを割って坊主頭の男が飛び込んで来た。同時に、大量の青白い光弾が部屋中を乱舞する。
「重イイイ」
声がまたして、光弾はいくつか消えたが、それでも大半が残り、その内の半分ぐらいが目に直撃した。

気付くと、部屋の中の物がほとんど木端微塵になっていた。ふすまも5枚全てが砕け散っていた。目はどこにもなかった。
Tさんの腹も元に戻っていた。
「誰ですあなたは!?」
金縛りが解けたようになったA君が聞くと、
「俺は寺生まれのTってもんだ。Jちゃん、それにそこの女子大生ちゃん、自分の実力以上の化け物と戦うのはおすすめしないぜ」
寺生まれのTさんの言葉を、俺の先輩で女子大生のTさんは、噛みしめるようにうなずいた。Jさんは、
「すみませんT様、まだまだわたしも修業が足りません。ですが、T様も部屋の中の物を全部破壊するのはやり過ぎじゃないですか?」
「ふっ、すまん。ふすまだけに」
寺生まれのTさんは、それだけ言うと、割れた窓から出て行ってしまった。川だけど大丈夫ななのだろうか。
ともかく、ここまで雰囲気を凍りつかせるなんて、やっぱり寺生まれはすごいと思った。

736八尺様:2018/09/29(土) 16:45:54 ID:LaTjpCbc
親父の実家は自宅から車で二時間弱くらいのところにある。
田舎の農家なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、高校になってバイクに乗る
ようになると、夏休みとか冬休みなんかにはよく一人で遊びに行ってた。
じいちゃんとばあちゃんも「よく来てくれた」と喜んで迎えてくれたしね。
でも、最後に行ったのが高校三年にあがる直前だから、もう十年以上も行っていないことになる。
決して「行かなかった」んじゃなくて「行けなかった」んだけど、その訳はこんなことだ。


春休みに入ったばかりのこと、いい天気に誘われてじいちゃんの家にバイクで行った。
まだ寒かったけど、広縁はぽかぽかと気持ちよく、そこでしばらく寛いでいた。そうしたら、

「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ……」

と変な音が聞こえてきた。機械的な音じゃなくて、人が発してるような感じがした。それも濁音とも半濁音とも、どちらにも取れるような感じだった。
何だろうと思っていると、庭の生垣の上に帽子があるのを見つけた。生垣の上に置いてあったわけじゃない。
帽子はそのまま横に移動し、垣根の切れ目まで来ると、一人女性が見えた。
まあ、帽子はその女性が被っていたわけだ。 女性は白っぽいワンピースを着ていた。
でも生垣の高さは二メートルくらいある。その生垣から頭を出せるってどれだけ背の高い女なんだ…。
驚いていると、女はまた移動して視界から消えた。帽子も消えていた。
また、いつのまにか「ぽぽぽ」という音も無くなっていた。

そのときは、もともと背が高い女が超厚底のブーツを履いていたか、踵の高い靴を履いた背の高い男が女装したかくらいにしか思わなかった。

その後、居間でお茶を飲みながら、じいちゃんとばあちゃんにさっきのことを話した。
「さっき、大きな女を見たよ。男が女装してたのかなあ」
と言っても「へぇ〜」くらいしか言わなかったけど、
「垣根より背が高かった。帽子を被っていて『ぽぽぽ』とか変な声出してたし」
と言った途端、二人の動きが止ったんだよね。いや、本当にぴたりと止った。

その後、「いつ見た」「どこで見た」「垣根よりどのくらい高かった」
と、じいちゃんが怒ったような顔で質問を浴びせてきた。
じいちゃんの気迫に押されながらもそれに答えると、急に黙り込んで廊下にあ
る電話まで行き、どこかに電話をかけだした。引き戸が閉じられる瞬間、
寺がどうとか聞こえたけど、何を話しているのかは良く分からなかった。
ばあちゃんは心なしか震えているように見えた。

じいちゃんは電話を終えたのか、戻ってくると、
「今日は泊まっていけ。いや、今日は帰すわけには行かなくなった」と言った。
――何かとんでもなく悪いことをしてしまったんだろうか。
と必死に考えたが、何も思い当たらない。
あの女だって、自分から見に行ったわけじゃなく、あちらから現れたわけだし。

そして、「ばあさん、後頼む。俺はTさんを迎えに行って来る」と言い残し、軽トラックでどこかに出かけて行った。


ばあちゃんに恐る恐る尋ねてみると、
「八尺様に魅入られてしまったようだよ。Tさんが何とかしてくれる。何にも心配しなくていいから」と震えた声で言った。
それからばあちゃんは、じいちゃんが戻って来るまでぽつりぽつりと話してくれた。

737八尺様2:2018/09/29(土) 16:50:24 ID:LaTjpCbc
この辺りには「八尺様」という厄介なものがいる。
八尺様は大きな女の姿をしている。名前の通り八尺ほどの背丈があり、「ぼぼぼぼ」と男のような声で変な笑い方をする。
人によって、喪服を着た若い女だったり、留袖の老婆だったり、野良着姿の年増だったりと見え方が違うが、
女性で異常に背が高いことと頭に何か載せていること、それに気味悪い笑い声は共通している。
昔、旅人に憑いて来たという噂もあるが、定かではない。
この地区(今は○市の一部であるが、昔は×村、今で言う「大字」にあたる区分)に地蔵によって封印されていて、よそへは行くことが無い。
八尺様に魅入られると、数日のうちに取り殺されてしまう。
最後に八尺様の被害が出たのは十五年ほど前。

これは後から聞いたことではあるが、地蔵によって封印されているというのは、
八尺様がよそへ移動できる道というのは理由は分からないが限られていて、その道の村境に地蔵を祀ったそうだ。八尺様の移動を防ぐためだが、それは東西南北の境界に全部で四ヶ所あるらしい。
もっとも、何でそんなものを留めておくことになったかというと、周辺の村と何らかの協定があったらしい。例えば水利権を優先するとか。
八尺様の被害は数年から十数年に一度くらいなので、昔の人はそこそこ有利な
協定を結べれば良しと思ったのだろうか。

そんなことを聞いても、全然リアルに思えなかった。当然だよね。
そのうち、じいちゃんが一人の若い男を連れて戻ってきた。

「厄介なことになったな。ま、とりあえずこいつを持ってろ」
Tさんという青年はそう言って、お札をくれた。
それから、じいちゃんと一緒に二階へ上がり、何やらやっていた。
ばあちゃんはそのまま一緒にいて、トイレに行くときも付いてきて、トイレのドアを完全に閉めさせてくれなかった。
ここにきてはじめて、「なんだかヤバイんじゃ…」と思うようになってきた。

しばらくして二階に上がらされ、一室に入れられた。
そこは窓が全部新聞紙で目張りされ、その上にお札が貼られており、四隅には盛塩が置かれていた。
また、木でできた箱状のものがあり(祭壇などと呼べるものではない)、その上に小さな仏像が乗っていた。
あと、どこから持ってきたのか「おまる」が二つも用意されていた。これで用
を済ませろってことか…

「もうすぐ日が暮れる。いいか、明日の朝までここから出てはいかん。俺もばあさんもな、お前を呼ぶこともなければ、お前に話しかけることもない。そう
だな、明日朝の七時になるまでは絶対ここから出るな。七時になったらお前から出ろ。家には連絡しておく」

と、じいちゃんが真顔で言うものだから、黙って頷く以外なかった。
「今言われたことは良く守るんだ。お札も肌身離さずな。何か起きたら大声で俺を呼べ。ただし絶対に外には出るな」とTさんにも言われた。
そして、扉が閉められた。

テレビは見てもいいと言われていたので点けたが、見ていても上の空で気も紛れない。
部屋に閉じ込められるときにばあちゃんがくれたおにぎりやお菓子も食べる気が全くおこらず、
放置したまま布団に包まってひたすらガクブルしていた。

738八尺様3:2018/09/29(土) 17:09:49 ID:LaTjpCbc
テレビは見てもいいと言われていたので点けたが、見ていても上の空で気も紛れない。
部屋に閉じ込められるときにばあちゃんがくれたおにぎりやお菓子も食べる気が全くおこらず、放置したまま布団に包まってひたすらガクブルしていた。

そんな状態でもいつのまにか眠っていたようで、
目が覚めたときには、何だか忘れたが深夜番組が映っていて、自分の時計を見たら、午前一時すぎだった。
(この頃は携帯を持ってなかった)

なんか嫌な時間に起きたなあなんて思っていると、窓ガラスをコツコツと叩く音が聞こえた。
小石なんかをぶつけているんじゃなくて、手で軽く叩くような音だったと思う。
風のせいでそんな音がでているのか、誰かが本当に叩いているのかは判断がつかなかったが、必死に風のせいだ、と思い込もうとした。
落ち着こうとお茶を一口飲んだが、やっぱり怖くて、テレビの音を大きくして無理やりテレビを見ていた。

そんなとき、じいちゃんの声が聞こえた。
「おーい、大丈夫か。怖けりゃ無理せんでいいぞ」
思わずドアに近づいたが、じいちゃんの言葉をすぐに思い出した。
また声がする。
「どうした、こっちに来てもええぞ」

じいちゃんの声に限りなく似ているけど、あれはじいちゃんの声じゃない。
どうしてか分からんけど、そんな気がして、そしてそう思ったと同時に全身に鳥肌が立った。
ふと、隅の盛り塩を見ると、それは上のほうが黒く変色していた。


一目散に仏像の前に座ると、お札を握り締め必死にTさんを呼びはじめた。

そのとき、

「ぽぽっぽ、ぽ、ぽぽ…」

あの声が聞こえ、窓ガラスがトントン、トントンと鳴り出した。
そこまで背が高くないことは分かっていたが、アレが下から手を伸ばして窓ガラスを叩いている光景が浮かんで仕方が無かった。
もうできることは、Tさんに縋ることだけだった。

「そこまでだ!」

その時だった。部屋の戸が勢いよく蹴り開けられ、Tさんが入ってきた。
Tさんは窓に向けて右手を突き出し、「破ぁ!」と叫ぶ。
するとTさんの右手から青白い光弾が放たれ、窓の方に吸い込まれると同時に部屋全体を閃光が包み、外から断末魔のような音が響く。
部屋を覆う光が収まった時、最早音は聞こえなくなっていた。

「これで安心だな……」そう呟いて去っていくTさん。その後、あの女が現れることも、声が聞こえてくることもなかった。
Tさんが何者なのか気になりじいちゃんとばあちゃんに聞いてみると、彼は近所の寺の跡取りで非常に霊感が強いため、各地を回り無償でお祓いをしているらしい。
寺生まれってすげえ……その時、初めてそう思った。

739峠のJちゃん:2018/10/07(日) 14:48:18 ID:/G3hNw52
「直線ならまけませーーーん」

私は草履を脱いで素足で踏み込む。老婆がぐんぐんと近づいてくる。
振り向いて少し驚いたようだったが、老婆もスピードを上げる。
くっ、老婆とは思えない健脚に面食らう。
私も全身のアドレナリンを集めて、更に足を速める。時空を越えそうだ。
老婆に並んだ。
一般人のババァが巫女に勝てると思ったの!!そんな殺気が私に悪魔的な発想をさせた。幅寄せである。
迫り来る老婆の表情は恐怖に歪んでいた。
すると老婆は負けじと接触した私を押し返す。枯れ枝の様な体とは思えない大木の様な力強さに逆に落とされそうになる。
負けません。私も落されまいと本気になり押し返す。

740峠のJちゃん:2018/10/07(日) 14:53:05 ID:/G3hNw52
「矢ぁーーーー」
老婆と競り合っている内に峠が終わる。
峠の出口に休憩所があったので、ふたりで長机の水を飲んだ。おばちゃんがタオルをくれた。
つぎの休憩所は5kmさきだ。もう山はぬけて、気持ちのいい海沿いを走っている。
ようし、一気に距離をあけてやります!
海から太陽が昇ってくる。すべてが黄金色に染まる。
波頭のひとつひとつがキラキラと照りかえす。なんてきれいなんだろう。
ふと気がついて後ろをふりかえると、老婆はもういなかった。

741投降ミス>>739の前でお願いします:2018/10/07(日) 14:56:01 ID:/G3hNw52
ある晩、Jさんは仕事で遅くなり仲間内では「通ってはいけない」峠を通ることにした。
呪われた峠と言われるそこは、幾人もの地元の走り屋が命を落としている。
事故を起こした連中には変なものを見たという者まで・・・。
丁度峠も中腹に差し掛かった頃。
私は振り向いて白い人影を認めた。老婆である。
白い装束を着た老婆が、髪を振り乱して猛スピードで追いついてくる。
こんな馬鹿な!?80kmは出ている筈なのに!
老婆は悠々と私の脇を追い抜いた。峠はもうすぐ終わる。

742Nさんの一日:2018/10/15(月) 23:08:57 ID:J1lcEzPc
メリーさんからの着信で起床。
【7:46】メリーさんからの着信で起床。「キャンパスライフを楽しんでいる」等とほざいてやがる。おかげで寝起きが悪い。
【8:02】朝食で使った油の容器にゴキブリが入ってた。カリカリに揚げて食す。今まで気がつかなかった事に腹が立つ。
【8:36】通学。ダルい。家を出るときに電話が鳴る。うるせぇシカトだ。
【9:07】予備校まで走っていると、後ろからババアがダッシュで追いかけてくる。アクセル全開で並走する。毎朝の運動だ。
【9:30】デスクに向かっている。下を見ると白い手がオレの足をつかんでいる。ふりほどき蹴りをいれる。大人しくなった。
【10:39】窓際に立ち空を眺めていると、女が落ちてきて目があった。この不細工が。
【12:24】交差点を歩いてて、すれ違う時に男が「よくわかったな」と言ってきた。黙れ池沼。
【14:26】携帯に着信記録16件。かけてみる。「わたしメリーさ…ブチッ…ツーツーツー」
【16:12】自習しているとマスクをした女が声をかけてきた。「わたしきれい?」右ストレートを入れる。うずくまったまま動こうとしない。勉強中に話しかけるな。
【17:30】公衆便所に行くと人形が落ちている。「わたしリカちゃん。お兄さん。浪人中なの?」うるせぇ黙れ。「怨」強めの呪いを掛ける。
【20:32】走行中振り向くと上半身だけの女がついてきている。急ブレーキをかけて踵落しを入れる。もう着いて来ないようだ。
【21:25】帰宅、着信記録が49件。またアイツか。
【21:42】ベッドの下に寺生まれのTがいたので警官のPに通報して追い出した。
【22:10】メリーさんからの電話に出る。「わたしメリーさん、これから合コンなの」やかましい。
【23:34】着信がしつこく鳴り響く。電話線を抜いた。
【0:12】就寝。今日一日でかなり疲れた。
【2:40】急に目が覚める。金縛りのようだ。便所の人形が天井にへばりついて恨めしそうにこっちを見つめている。だが睡魔には勝てない。
【3:20】猿夢だ。小腹が空いていたので小人共から道具を奪い調理して残らず食う。

あの時は浪人中で荒れていた。そう頭を掻きながら恥ずかし気に話すNさん。
寺生まれに何もさせない国家権力と好き嫌いの無いNさんは凄い。そう思った。

743Pさんの一日:2018/10/17(水) 22:07:20 ID:eno7sYus
【7:46】メリーさんからの着信で起床。「〇〇のセクハラが酷い」等とほざいてやがる。なら掛けるな。
【8:02】朝食で使った油の容器にゴキブリが入ってた。買ったスーパーに後で持って行こう。
【8:36】通勤。ダルい。家を出るときに電話が鳴る。今度はアンサーさんだ。
【9:07】交番まで走っていると、後ろからババアがダッシュで追いかけてくる。速度違反でしょっ引く。
【9:30】デスクに向かっている。下を見ると白い手がオレの足をつかんでいる。ふりほどいて引っ張り出し、説教。大人しくなった。
【10:39】窓際に立ち空を眺めていると、女が落ちてきて目があった。道路を見ても誰もいない目の錯覚か。
【12:24】交差点を歩いてて、すれ違う時に男が「よくわかったな」と言ってきた。指名手配犯だったので逮捕。
【14:26】携帯に着信記録16件。かけてみる。「わたしメリーさん」ストーカー容疑として逆探知を掛ける。
【16:12】巡回をしているとマスクをした女が声をかけてきた。「わたしきれい?」「ええ、綺麗ですよ」適当に相手をする「これでもか」と裂けた口を見せたので「虫歯の無い綺麗な歯ですよ」と切り返す。女は不満げに去って行った。
【17:30】公衆便所に行くと人形が落ちている。「わたしリカちゃん。穢されたの」白濁塗れて触れたくなかったが仕事なので、落とし物として処理。「出来れば洗って欲しいの」泣き言が煩かったので洗う。
【20:32】帰宅中振り向くと上半身だけの女がついてきている。制限速度以内だったので気にしない。
【21:25】帰宅、着信記録が49件。T絡みだ。
【21:42】ベッドの下に見知らぬ男が居たので取り押さえ逮捕。
【22:10】メリーさんからの電話に出る。「わたしメリーさん、逃亡中なの」やかましい。
【23:34】着信がしつこく鳴り響く。自宅ぐらいのんびりさせろ。
【0:12】就寝。今日一日でかなり疲れた。
【2:40】急に目が覚める。金縛りのようだ。髪の長い女が天井にへばりついて恨めしそうにこっちを見つめている。引き下ろして逮捕する。帰ってから二人目だ防犯を見直さないと。
【3:20】猿夢だ。乗客を襲っていた猿共を残らず捕獲する。

眠そうにそう話す警官のPさん。Tさんと関わらなくても警察は忙しい。そう思った。

744三つの願い:2018/10/22(月) 22:57:55 ID:wo/T/7R2
アイドルのKとAとMが海で遭難して無人島に漂着した。
3人は一週間ほどで島から容易には脱出出来ないことに気付き、生きていくのに必要な物を探しに各自島を探索しに行った。

3人はそれぞれ食料になりそうな植物や狩りに使えそうな道具を持ち寄った。
その際、年長者のA(17歳)は古ぼけたランプも見つけてきた。

汚いランプを拭いていると、突然ランプから煙が出てきて見る間に寺生まれのTの姿になった。
ランプから出て来た寺生まれで霊感の強いTはこう言った。
「破っ破っ破っ、お前達の願いを一人一つだけ叶えてやろう。ただし同じ願いは許さん。言ったらNGでやり直しだ。」

Kはとっさにこう言った。
「ふふーん、かわいいボクの無人島生活を記録する為のカメラとHDをください」
破ァーーーー!!!
Tさんは彼女にデジタルカメラとHDを渡した。

次にAは少し考えてこう言った。
「ガチ過ぎると視聴者が引いてしまうので発電機と照明、電動工具をください」
破ァーーー!!!
足漕ぎ発電機と電動工具、LEDライトを渡した。

最後に残されたMはこう言った。
「煮魚、焼き魚はもう、嫌ニャー!違う物が食べたいニャー!!」
破ァーーーー!!!
魚の缶詰、干し魚、魚肉ソーセージと各種栄養剤、歯磨きを渡した。
「何でニャー―――」

Mの絶叫を聞きつつ、救難信号を出して実家に帰ったTは誰一人帰りたいと言わない彼女たちの芸人根性は凄い。そう思った。

745八尺様とTさん:2018/12/24(月) 21:10:35 ID:qfDbLwgQ
親父の実家は自宅から車で二時間弱くらいのところにある。
田舎の農家なんだけど、何かそういった雰囲気が好きで、高校になってバイクに乗る
ようになると、夏休みとか冬休みなんかにはよく一人で遊びに行ってた。
じいちゃんとばあちゃんも「よく来てくれた」と喜んで迎えてくれたしね。
でも、最後に行ったのが高校三年にあがる直前だから、もう十年以上も行っていないことになる。
決して「行かなかった」んじゃなくて「行けなかった」んだけど、その訳はこんなことだ。


春休みに入ったばかりのこと、いい天気に誘われてじいちゃんの家にバイクで行った。
まだ寒かったけど、広縁はぽかぽかと気持ちよく、そこに雀卓を出しKとNを呼んで打とう。残り一人は誰を呼ぼうかと考えていたら、

「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ……」

と変な音が聞こえてきた。機械的な音じゃなくて、人が発してるような感じがした。それも濁音とも半濁音とも、どちらにも取れるような感じだった。
何だろうと思っていると、庭の生垣の上に帽子があるのを見つけた。生垣の上に置いてあったわけじゃない。
帽子はそのまま横に移動し、垣根の切れ目まで来ると、一人女性が見えた。
まあ、帽子はその女性が被っていたわけだ。 女性は白っぽいワンピースを着ていた。
でも生垣の高さは二メートルくらいある。その生垣から頭を出せるってどれだけ背の高い女なんだ…。
その時は面子が欲しかったので声を掛けようとしたら、女はまた移動して視界から消えた。帽子も消えていた。
また、いつのまにか「ぽぽぽ」という音も無くなっていた。

そのときは、もともと背が高い女が超厚底のブーツを履いていたか、踵の高い靴を履いた背の高い男が女装したかくらいにしか思わなかった。

その後、居間でお茶を飲みながら、じいちゃんとばあちゃんにさっきのことを話した。
「さっき、大きな女を見たよ。男が女装してたのかなあ」
と言っても「へぇ〜」くらいしか言わなかったけど、
「垣根より背が高かった。帽子を被っていて『ぽぽぽ』とか変な声出してたし」
と言った途端、二人の動きが止ったんだよね。いや、本当にぴたりと止った。

その後、「いつ見た」「どこで見た」「垣根よりどのくらい高かった」
と、じいちゃんが怒ったような顔で質問を浴びせてきた。
じいちゃんの気迫に押されながらもそれに答えると、急に黙り込んで廊下にあ
る電話まで行き、どこかに電話をかけだした。引き戸が閉じられる瞬間、
プロ雀士がどうとか、合コンがどうとか聞こえたけど、何を話しているのかは良く分からなかった。
ばあちゃんは心なしか震えているように見えた。

じいちゃんは電話を終えたのか、戻ってくると、
「今日は泊まっていけ。いや、今日は帰すわけには行かなくなった」と言った。
――何かとんでもなく悪いことをしてしまったんだろうか。
と必死に考えたが、何も思い当たらない。
あの女だって、自分から見に行ったわけじゃなく、あちらから現れたわけだし。

そして、「ばあさん、後頼む。俺はSさんを迎えに行って来る」と言い残し、軽トラックでどこかに出かけて行った。

ばあちゃんに恐る恐る尋ねてみると、
「八尺様に魅入られてしまったようだよ。Sさんが何とかしてくれる。何にも心配しなくていいから」と震えた声で言った。
それからばあちゃんは、じいちゃんが戻って来るまでぽつりぽつりと話してくれた。

746八尺様とTさん:2018/12/24(月) 21:42:15 ID:qfDbLwgQ
この辺りには「八尺様」という厄介なものがいる。
八尺様は大きな女の姿をしている。名前の通り八尺ほどの背丈があり、「ぼぼぼぼ」と男のような声で変な笑い方をする。
人によって、喪服を着た若い女だったり、留袖の老婆だったり、野良着姿の年増だったりと見え方が違うが、
女性で異常に背が高いことと頭に何か載せていること、それに気味悪い笑い声は共通している。
昔、旅人に憑いて来たという噂もあるが、定かではない。
この地区(今は○市の一部であるが、昔は×村、今で言う「大字」にあたる区分)に地蔵によって封印されていて、よそへは行くことが無い。
八尺様に魅入られると、数日のうちに麻雀で身包みを剥がれてしまう。
最後に八尺様の被害が出たのは十五年ほど前、親父と爺さんがやられその年の収穫を取られたらしい。
そんな事なら勝負をするなよと内心思ったが長身美人さんに脱衣麻雀を挑まれ鼻の下を伸ばした結果がこれだと憎々し気に話す婆さんに対し何も言えなくなってしまった。

これは後から聞いたことではあるが、地蔵によって封印されているというのは、
八尺様がよそへ移動できる道というのは理由は分からないが限られていて、その道の村境に地蔵を祀ったそうだ。八尺様の移動を防ぐためだが、それは東西南北の境界に全部で四ヶ所あるらしい。
もっとも、何でそんなものを留めておくことになったかというと、周辺の村と何らかの協定があったらしい。例えば水利権を優先するとか。
八尺様の被害は数年から十数年に一度くらいなので、昔の人はそこそこ有利な 協定を結べれば良しと思ったのだろうか。
家庭不和を蒔かれ、その年の収穫を奪われる事を天秤に掛けると微妙な所だ。

そんなことを聞いても、全然リアルに思えなかった。当然だよね。
そのうち、じいちゃんが一人のスーツ姿の女性を連れて戻ってきた。
雀士としてスカウトできるのではないかと八尺様の噂を聞き村に逗留している年配女性のTさんだ。
爺さんは実力が定かではない女性が来る事に渋ったが、実際に試してみて自分より強かったので連れて来る事にしたらしい。
「厄介なことになったようだね。私が何とかするから安心しな」
Tさんという女性はそう言って、お札をくれた。
それから、じいちゃんと一緒に二階へ上がり、何やらやっていた。
ばあちゃんはそのまま一緒にいて、トイレに行くときも付いてきて、トイレのドアを完全に閉めさせてくれなかった。
ここにきてはじめて、「本当に身包みを剥がれただけなのか…」と思うようになってきた。

しばらくして二階に上がらされ、一室に入れられた。
そこは窓が全部新聞紙で目張りされ、その上にお札が貼られており、四隅には盛塩が置かれていた。
また、木でできた年代物の雀卓があり(自動雀卓と言えるような洒落た物ではない)、雀卓を囲む様に小さな仏像が置いてあった。
あと、どこから持ってきたのか「おまる」が二つも用意されていた。これで用を済ませろってことか…

「もうすぐ日が暮れる。いいか、明日の朝までここから出てはいかん。俺もばあさんもな、お前を呼ぶこともなければ、お前に話しかけることもない。そう
だな、明日朝の七時になるまでは絶対ここから出るな。七時になったらお前から出ろ。家には連絡しておく」

と、じいちゃんが真顔で言うものだから、黙って頷く以外なかった。
「今言われたことは良く守るんだ。お札も肌身離さずな。何か起きたら大声であたしをよびな。ただし絶対に外には出るんじゃないよ」とTさんにも言われた。
そして、扉が閉められた。

テレビは見てもいいと言われていたので点けたが、見ていても上の空で気も紛れない。
部屋に閉じ込められるときにばあちゃんがくれたおにぎりやお菓子も食べる気が全くおこらず、
放置したまま布団に包まって期待と不安がごちゃ混ぜになった何とも言えない気持ちでゴロゴロしていた。

747八尺様とTさん:2018/12/24(月) 22:04:02 ID:qfDbLwgQ
そんな状態でもいつのまにか眠っていたようで、
目が覚めたときには、何だか忘れたが深夜番組が映っていて、自分の時計を見たら、午前一時すぎだった。
(この頃は携帯を持ってなかった)

なんか嫌な時間に起きたなあなんて思っていると、窓ガラスをコツコツと叩く音が聞こえた。
小石なんかをぶつけているんじゃなくて、手で軽く叩くような音だったと思う。
風のせいでそんな音がでているのか、誰かが本当に叩いているのかは判断がつかなかったが、必死に風のせいだ、と思い込もうとした。
落ち着こうとお茶を一口飲んだが、やっぱり落ち着かず、テレビの音を大きくして無理やりテレビを見ていた。

そんなとき、じいちゃんの声が聞こえた。
「おーい、大丈夫か。怖けりゃ無理せんでいいぞ」
思わずドアに近づいたが、じいちゃんの言葉をすぐに思い出した。
また声がする。
「どうした、こっちに来てもええぞ」

じいちゃんの声に限りなく似ているけど、あれはじいちゃんの声じゃない。
どうしてか分からんけど、そんな気がして、そしてそう思ったと同時に動悸が上がった。
ふと、隅の盛り塩を見ると、それは上のほうが黒く変色していた。
次に衣擦れの音が聞こえ…ねえ、見たいと悩ましい声が聞こえて来た。

窓を開け雀卓の前に座り、是非お願いしますと思わず答えてしまった。

そのとき、

「ぽぽっぽ、ぽ、ぽぽ…もう、遅いからすぐに始めるよ」

あの声が聞こえ、スッと長身でかわいい感じの女性が対面に座っていた。

「破ぁい!お願いします」

よく見ると着崩れた感じはない。しまった嵌められたと思っていると

「そこまでだ!」

その時だった。部屋の戸が勢いよく蹴り開けられ、Tさんが入ってきた。
Tさんは女性に対し年頃の男の子を惑わすんじゃないよと叫ぶ。
アンタは打ちに来たんだろ。打ってやるよと卓に着くTさんと、何時の間にか卓に着き前の借りを返すと息を巻いている爺さん。

空が白染む頃、ハコにされ燃え尽きた俺と爺ちゃんを置いて「これで安心だな……」そう呟いて八尺様を連れて去っていくTさん。
その後、あの女が現れることも、声が聞こえてくることもなかった。
Tさんが何者なのか気になりばあちゃんに聞いてみると、彼女は高校で麻雀部の監督で強い雀士を探し、各地を回っていて、そのついでに無償でお祓いをしているらしい。
麻雀ってすげえ……あの晩、何が有ったのか気付いている婆さんの白い視線に気づかない振りをして、そう思う事にした。

748100階ホテルのTさん:2019/01/02(水) 17:41:34 ID:uuOFP6JI
とある若者4名が超高層ホテルに泊まったときの話し。
4人の若者が海外旅行に行き、超高層ホテルに泊った。
しかも、見晴らし最高の100階だ。

その夜、若者たちは繁華街へと出かけた。
フロントにカギを預けるとき、ホテルスタッフからは
「今夜、エレベーターのメンテナンスを行うので、深夜12時までには帰って来てくださいね。朝までエレベーターが使えなくなりますから」
と注意をされていた。

彼らは夢中になって遊んだ。
急いで帰ってきたものの、ホテルについたのは深夜1時を過ぎていた。

忠告どおり、すべてのエレベーターは運転停止中。
やむなく階段で、自分たちの部屋がある100階へと昇ることにした。

100階まで普通に階段を昇るのも退屈なので
「1階ごとに、1つ怖い話しをしようじゃないか」
ということになった。

4人で順番に怖い話をしつつ、階段を昇る。
話しは盛りあがり、気がつけば99階だった。

「次の話しで最後か。……これは本当に怖いからな。心して聞いてくれよ」

100話目を話すこととなった1人が、深刻な面持ちで、語りはじめた。

「…すまん。1階のフロントで部屋のカギもらうの忘れた」

「破ぁ〜、そんな事だろうと思って俺が代わりに受け取っておいたわ」

そう言って部屋の鍵を見せるTさん、NとK、俺は寺生まれが居て本当に助かった。心の底からそう思った。

749地蔵と女とTさん:2019/02/22(金) 00:12:53 ID:0/ce6UpQ
今から五年前かな。友達と三人ぐらいで地方へドライブへ行ったのね。
それで、その帰りの道の事なんだけど。友人が車を運転していたらタヌキが飛び出して来たんだよ。友人は慌てて回避したんだけど、拍子に道路沿いにあった地蔵様を倒して壊しちゃったんだ。

幸い、車は大して被害は無かったし誰も怪我しないで済んだけど車は脱輪しちゃって動けない。
とりあえず、警察とレッカーを頼んだけど田舎と言うこともあって30分は掛かる。

その間、地蔵様に悪いことをした本当にごめんなさいと思いつつ友人達とどうやったら元に戻せるかとか誰にお詫びすれば良いのかなとか話をしてたんだけど

ふと道路の奥を見ると誰か走ってくるんだわ。警察が来るにはまだ早い。
となると事故に気づいて誰か来てくれたのかなと思ったんだけど、よく見たら女性ぽい。

凄い速さで近づいてきてさ、更に目を凝らしてみたら、やたらめったら身長が高い。

そいつが満面の笑みを浮かべちゃって、凄い目をキラキラさせて走ってるの。
ほっぺなんかピンク色に染めて何か愛しの恋人に会いに行くみたいな。
それで擦れ違い様に耳元で「ありがとう」って言われた。

友人にも言っても見えないらしく分かって貰えない。女は女で今度はスキップなんかしちゃってる。背はでかいけど、おっぱいもでかくて顔もかわいくて正直、見惚れてたかもしれん。

だけど農道の十字路で破ァ―――と神輿を担いで爆走するTさんに撥ね飛ばされて田んぼで犬神家状態になってアッ!と思ったら次の瞬間には消えてた。

750浄化:2019/09/07(土) 11:57:04 ID:RvvdcJhQ
「破アーークション!!」
突然大きなクシャミの音が停車中の電車内に響き渡り、俺は何事かとスケジュールを書き込んでいるタブレット端末から顔を上げた。
よく見ると幼なじみのTが鼻をぐずつかせ電車に乗り込んできた所だった。

俺の顔をみると「Zじゃないか、久しぶり。仕事は順調か?」などと話しかけてきた。
久しぶりに会ったこともあり、お互い話しが弾んだ。Tが体調悪そうにしているのはしばらく山ごもりの修行をしていたせいらしい。
やがて電車は次の駅に停車し、Tはそこで降りた。

別れ際、「最近、肩が重くなかったか?」と尋ねてきた。そういえば、確かに重かった気がするがTが電車の中に入ってきてからなんだか軽くなった気がする。
大丈夫だよ、と返事をするとそうか、がんばれよと別れの挨拶を残し、Tは去っていった。

そういえば、さっきから電車内にのっている何人かの顔がすこし晴れやかになっている気がする

751寺生まれの名無しさん:2020/07/20(月) 18:26:58 ID:cFXNt9P6
昔々、ある山寺に和尚さんと小坊主が住んでいました。ある時小坊主はクリ拾いに行きたくなり、和尚さんに頼みました。

「山には山姥というおそろしい化け物が出るんじゃ。もし山姥が出たらこの三枚のお札に助けてもらいなさい」
そう言って、和尚さんは三枚のお札をわたし、小坊主を送り出しました。
お寺で修行しているといっても小さな子供ですから、外に出て遊びたいものです。鳥の声をきいたり、小川で水遊びをしながらむちゅうでクリを集めます。気がつくとあたりがすっかり暗くなっていました。
しかも道を間違えたのか、どんどん山奥に入っていきます。

「困ったなぁ。これじゃ夜までにもどれない。和尚さんに怒られちゃうよ」

見ると、山小屋がぽつんと建っています。小坊主は助けを求めて、扉を叩きます。
中には一人のおばあさんが糸車を回していました。

「そうかい、こんな山奥を夜中に歩くなんてあぶないよ。今夜はゆっくり寝て、明日の朝でかけるといい」

と言って小坊主を囲炉裏端に座らせます。昼間の疲れが出たのか、小坊主はうつらうつらと眠ってしまいます。
夜中、目がさめると、しゅっしゅっと鋭い音がします。おばあさんが、炉辺で刃物を研いでいるようです。
月明かりに照らされたその横顔を見て、小坊主はビックリしました。
口は耳のあたりまで裂け、鋭いキバが突き出しています。目は人間とはかけはなれており、するどい光を放っています。
その姿が月明かりに照らされて、部屋いっぱいに恐ろしい影を落としています。
小坊主はこれが和尚さんの言っていた山姥だと思い当たります。これは大変だ、逃げようと焦るところに、

ガタッ!
足を戸だなにひっかけて音を立ててしまいました。

「なんじゃっ!?」

小坊主はうろたえますが、和尚さんがくれた三枚のお札のことを思い出しました。
小坊主はそのお札を懐から取り出し、呪文を唱え

「破ぁ!」

と叫び、山姥に投げつけます。するとその三枚は眩い閃光を放って弾け飛び、山姥の半身を吹き飛ばしました。
半身でのたうつ山姥を尻目に、小坊主は全速力で逃げ出します。
山寺に帰った小坊主がそのことを和尚さんに話すと、和尚さんは

「半身を吹き飛ばした? やれやれ、威力は父の作ったものの半分か」
と呟きました。

寺生まれって凄い、小坊主は改めてそう思ったそうです。

752寺生まれの名無しさん:2020/07/29(水) 21:58:47 ID:M5wnhnM6
これは私が体験した真の体験です。
学生時代に彼女(元モデル(爆)とふたりで歩いていました。
すると前方から、なんと形容すればいいやら、
例えるなら暗黒の騎士とでも言おう存在が突進してきました。
私は無我夢中で両手を突き出し「破ぁ!!」と
無意識の内に叫んでいたそうです(彼女・談)
すると私の両手から青白い光弾が飛び出し、暗黒の騎士を吹き飛ばしました。

5年経った今でも、はっきりと覚えています。
私は寺の生まれで霊感が強いのですが、あれは寺生まれの力だったのでしょうか?

753小坊主と山姥:2020/09/04(金) 23:00:20 ID:noiGWQ5.
昔々、ある山寺に和尚さんと小坊主が住んでいました。ある時小坊主はクリ拾いに行きたくなり、和尚さんに頼みました。

「山には山姥というおそろしい化け物が出るんじゃ。もし山姥が出たらこの三枚のお札に助けてもらいなさい」
そう言って、和尚さんは三枚のお札をわたし、小坊主を送り出しました。
お寺で修行しているといっても小さな子供ですから、外に出て遊びたいものです。鳥の声をきいたり、小川で水遊びをしながらむちゅうでクリを集めます。気がつくとあたりがすっかり暗くなっていました。
しかも道を間違えたのか、どんどん山奥に入っていきます。

「困ったなぁ。これじゃ夜までにもどれない。和尚さんに怒られちゃうよ」

見ると、山小屋がぽつんと建っています。小坊主は助けを求めて、扉を叩きます。
中には一人のおばあさんが糸車を回していました。

「そうかい、こんな山奥を夜中に歩くなんてあぶないよ。今夜はゆっくり寝て、明日の朝でかけるといい」

と言って小坊主を囲炉裏端に座らせます。昼間の疲れが出たのか、小坊主はうつらうつらと眠ってしまいます。
夜中、目がさめると、しゅっしゅっと鋭い音がします。おばあさんが、炉辺で刃物を研いでいるようです。
月明かりに照らされたその横顔を見て、小坊主はビックリしました。
口は耳のあたりまで裂け、鋭いキバが突き出しています。目は人間とはかけはなれており、するどい光を放っています。
その姿が月明かりに照らされて、部屋いっぱいに恐ろしい影を落としています。
小坊主はこれが和尚さんの言っていた山姥だと思い当たります。小坊主は慌てず騒がず
「破ァ」山姥の背後に光弾を放ちます。
「甘い!」山姥は振り向き様に研いでいた包丁を振り抜き光弾を切り裂きました。
「あんたの「破ァ」じゃ試し切りにもなりはしないよ。坊主から渡されている札が有る筈だ。それを使いな」
そう言うと再び包丁を研ぎだす山姥。
暫くすると「小僧、試すよ」
小坊主は一枚目の札を取り出し呪文を唱えます。
「破ぁ」
今度は小坊主の時とは比べ物にならない輝きと速度を持った光弾が山姥に向かいます。
「噴!」
切り裂かれた光弾は部屋の中で爆ぜ土壁諸共、小坊主と意識を吹き飛ばします。
暫くして「いつまで寝ているんだ。次行くよ」
山姥に蹴り起こされ、同じ事を繰り返させられる小坊主。寝たのだか、寝てないのか分からない状態で夜が明けました。
すり鉢状の穴の中で目が覚める小坊主。
「よく頑張ったね。これは和尚様に頼まれていた包丁だよ」
包丁と栗を受け取り老婆の案内で下山する小坊主。

あの頃は未熟だったとすっかり禿山になった頭を撫でTさんに話すTさんの祖父で寺育ちのGさん。
小僧を使いに出すならちゃんと要件を言えよ。あと山姥と和尚は顔見知りかよ生まれのT少年はそう思った。

754寺生まれの名無しさん:2021/06/18(金) 15:54:39 ID:DFR2b9CQ
感情を含む体験の根本原因は体験者自身の先入観・自分ルール・思い込み・色眼鏡・記憶・判断基準etc。価値観が変わらない限り似たような体験を繰り返す。執着が強いほど感情も強まる
情報をどう解釈し反応し対処するかは解釈者の自由選択。「世相・言葉・服装・風紀の乱れ」はそれを感じる本人の心の乱れの自己投影
不満イヤ不安ウザ不快コワ不信キモ不可解の原因は各人の固定観念にあるので他者のせいにするのは筋違い。他者に不自由を与えた者は自らも不自由を得る
故に、貴方が誰かを怒らせても貴方に相手の怒りの原因はない。逆に、誰かが貴方を怒らせても相手に貴方の怒りの原因はない
他罰的で他力本願で問題解決力が低く対外評価を気にする不寛容者ほど、情緒安定と自己防衛の為にマナー礼儀作法ルール法律を必要とする

感情自己責任論(解釈の自由と責任)〜学校では教えない合理主義哲学〜
://kanjo.g1.xrea.com/


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