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2021/3/21 村田純一『「わたし」を探検する』批判

16久保共生:2021/03/16(火) 14:08:45
> そもそも、「水槽の中の脳」は「今経験しているこの世界は幻影ではないか?」という懐疑論で、
何も外界の存在を一切否定しているわけではないと思いますよ。

確かにそうなんですが、「水槽の中の脳」は、観念論(あるいは独我論)における「意識」をそっくりそのまま「脳」に置き換えたような主張、すなわち、「この世界は全て脳の産物だ」というような主張と結び付けられて語られることも多いように思います。
このような「独脳論?」と「水槽の中の脳」が(実は両者は前提が異なる議論であるにもかかわらず)しばしば混同されがちであるということについては、注意しておいた方が良いかもしれません。

17野口:2021/03/16(火) 16:42:11
ムラタさん。

「脳が世界を生み出す」と言うのは、
脳の内部に、外界=世界の情報が系として存在しており、その脳内情報世界と現下の脳への入力情報(感覚入力)との比較により世界の中の自分を確認できるということと考えます。
従って生まれた時から、脳に外界世界情報が入力されなければ、世界どころか意識も生まれないと考えます。

18ウラサキ:2021/03/16(火) 17:06:05
野口さん、
「現下の脳への入力情報(感覚入力)」を想定しているのなら、
当然、外界からの入力を想定しているので、「脳が世界を生み出す」という表現は不適切では?
さしずめ「脳と感覚のコラボで認識している」くらいが相応しい表現だと思います。

19ムラタ:2021/03/16(火) 17:56:35
野口さん

外界に存在する脳が、外界のある入力情報を受け取り、それによって脳内情報世界が生み出される、ということですね。
野口さんにひとつお尋ねしたいのですが、野口さんが今このパソコンの画面を見ている両目の近くにある脳というのは、外界に存在する脳なのでしょうか?それとも脳内情報世界の脳なのでしょうか?

20久保共生:2021/03/16(火) 20:22:05
>脳の内部に、外界=世界の情報が系として存在しており

単に記憶や学習のことを仰りたいのでしょうか?
もしそうならば、「脳が世界を生み出す」と主張するのは変だと思いますが。
「世界を生み出す」のではなく、単に「世界の情報を記録している」だけですよね。
それとも、やはりもっと別のことを仰りたいのでしょうか?

21野口:2021/03/17(水) 11:02:24
ムラタさん

「脳が世界を生み出す」というのは、外界の実世界を生み出すのではなく。脳内に情報としての世界を脳が生み出すと考えます。
だから「脳と感覚のコラボで認識している」でもいいかもしれません。

もう一つ、両目の近くにある脳というのは、外界に存在する脳ともかんがえられますし、脳内情報の脳とも言えます。
実体に確実に接近できないという意味では、情脳の脳と考えた方がいいかもしれません。

22ムラタ:2021/03/17(水) 12:21:20
>>21
野口さん

>両目の近くにある脳というのは、外界に存在する脳ともかんがえられますし、脳内情報の脳とも言えます。
>実体に確実に接近できないという意味では、情脳の脳と考えた方がいいかもしれません。


理解できませんでした。
野口さんが仰る外界の実世界と脳内情報世界というものが一体何を指しているのか判然としないために理解できないのでしょう。

23野口:2021/03/17(水) 13:10:26
ムラタさん 久保さん

実世界は我々が直接接触できない世界のことで、脳内情報世界とは実世界情報を感覚受容器から信号として取り込み
その信号を意味のある情報として再構成したものです。

例として直線を見てもそれ単体では直線という意味のある情報にななりません。
直線の外、円・だ円・四角・三角その他自然に存在する多くの物を信号として取り込み
それらの全ての信号を基に外界世界と同じとする情報世界を創り上げ、その中で直線は直線と認識できると考えます。
つまり脳内情報世界が神経の活動系に創生されます。久保さんのおっしゃる単に「世界の情報を記録している」だけではありません。
そしてそれら脳内情報世界の意味を理解するのも、神経系のある部分が理解するとかんがえます。
神経系が持つ情報の意味は神経系だけが理解します。
つまり意識を理解するのは神経系だけです。
外部の第三者の目には、単なる神経細胞のパルスとしかみえないのです。

24ムラタ:2021/03/17(水) 14:16:44
>>23
野口さん

>実世界は我々が直接接触できない世界のことで、脳内情報世界とは実世界情報を感覚受容器から信号として取り込みその信号を意味のある情報として再構成したものです。

外界の実世界が我々が直接接触できない世界であるということは、我々に直接接触できる世界は脳内情報世界だけということになりますが、その理解で構わないのでしょうか?
つまり、野口さんに表象される世界はあまねくすべて脳内情報世界だということになりますが。

25野口:2021/03/17(水) 15:24:58
ムラタさん。

その通りです。

26久保共生:2021/03/17(水) 17:09:31
野口さんの考えが、多分なんとなく分かりました。
おそらく、カントの「物自体」と「現象」に近い考え方に、「脳」を結び付けておられるのではないでしょうか。
我々は世界そのものを認識しているのではなく、脳によって意味や価値を付与された世界を認識しているといった感じでしょうか。
だとすれば、「脳が世界を生み出す」というよりは、「脳が意味を生み出す」とか「脳が世界を意味づける」と主張すべきではないでしょうか。
これならば一応趣旨は理解できます。(尤も、この考えにも異議はありますが。)

27野口:2021/03/17(水) 23:47:03
久保さん

その通りです。
そこで久保さんの異議ををお聞きしたいです。当日楽しみにしています。

28ムラタ:2021/03/18(木) 01:19:55
野口さん

我々に開かれている世界、我々に表象する世界が脳内情報世界だということですね。
そして、我々が直接接触できない世界、背後の世界が実世界、外界だと。
それなら、やはりわたしがひっかかるのは脳の身分です。
野口さんの頭蓋骨の中にはやわらかなピンク色の物体、つまり脳があるはずです。
おぞましいことを言って恐縮ですが、その野口さんの頭蓋骨を開けて、野口さんがそのピンクの物体を鏡か何かで見た時、そのピンク色の物体は一体どの世界に属することになるのでしょうか。
野口さんの定義によれば、それは野口さんの脳内情報世界に属することになるはずです。
なぜなら見えているそのピンク色の物体は、野口さんの周囲の物、例えばモンブランの万年筆などとなんらその身分の違わない、野口さんに表象されている物体だからです。
そのピンク色の物体は野口さんの経験される世界の背後、表象される世界の背後に隠れているものではなく、ごくふつうに野口さんに現実のものとして表象されているものであるはずです。
さらに言えば、野口さんはこのピンクの物体が現象されない実世界のものから信号を受け取るということを言われていますが、そのピンクの物体に信号を与えるものはそんな現象の背後に隠れている物自体のようなものではなく、普通に野口さんが接している世界の物体のはずです。

あまりここで語りすぎても当日の楽しみが減るし、野口さんにもご負担でしょうから、僕はもうこのへんにしておきます。当日は宜しくお願いします。

29ウラサキ:2021/03/18(木) 08:14:22
これまでの野口さんの説明を読んで、昔読んだ養老孟司『唯脳論』を思い出しました。
タイトルから想像した唯心論的主張ではなく、
要するに「文化や価値は全て脳が生み出したもの」という唯物論的な主張でした。

30野口:2021/03/18(木) 22:07:40
ムラタさん

当日楽しみにしています。

31野口:2021/03/18(木) 22:22:33
ウラサキさん

唯物論、そうかもしれません。

32横山信幸:2021/03/21(日) 20:48:07
久しぶりに参加させてもらってやはり面白かったです。
野口さん、発表ありがとうございました。
野口さんの説は唯物論的な物理主義の立場からカント的な超越論的な視点も踏まえつつ心身問題に迫ろうとするとこんな形になる、という一つのモデルをしてしてもらったという風に解釈して話を聞かせてもらいました。その視点で見ると野口さんの言われた話はそれぞれ話の筋は通っていて了解できるものだったと思います。
しかし、久保さんやムラタさんからの指摘があったようにそれが現象学やその他の哲学の立場の心身問題の回答になっていたかと言うと疑問が残るところはあったような気がします。しかし、それでも、今日の野口さんと久保さん等との議論のすれ違いのなかにそのすれ違ってしまう問題の種子みたいなものが見えた気がして、その点とても興味深かったです。僕はそこにカントの言う権利問題(アプリオリな形式がどこまでアポステリオリな質料に対して口出しできるのかという問題)が関係してるように思われました。
これまでの野口さんの唯物論的視点と哲学的心身問題の視点との対立の構図は今日の話し合いでもやはり見られましたが、今日はそれをいう権利がどこまであるのかという問題が見え隠れしていたぶんいつも以上に有意義な話し合いだったように思いました。
また参加させてもらいます

33ウラサキ:2021/03/22(月) 13:10:16
野口さんの説は、脳が外界からの刺激を処理加工の上、認識しているという、ごく穏当で自然科学的な見方との印象を受けました。
ただ用語が少々混乱気味であったので、聴講していた我々に伝わりにくかったのではないかと思います。
チャ―マーズのいう「ハード・プロブレム」も脳科学の進歩によってやがて解決・解消されるであろうというお立場かと。

外界刺激を想定している以上、「唯脳論」にせよ「脳が世界を生み出す」にせよ、一種の刺激的キャッチ・コピーに過ぎないのではないでしょうか?


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