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2012年春部誌感想スレッド

1部長:2012/05/17(木) 22:17:39
2012年春部誌(12号。表紙が丸に12の奴)用の感想用スレッドです。
内外問わず感想を伝えたい場合に使ってください。
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・感想

お待ちしております。

10師走ハツヒト:2012/07/01(日) 20:04:55
風観吹「パンドラの箱」

題材と設定は面白いものでした。しかしそれをストーリー展開の中で生かし切れていなかった印象があります。もしくは、箱をめぐる人々の思惑などをもう一匙二匙生き生きと書けると良かったのかもしれません。クライマックスに一番の波を持って来れなかったので、そこがしっかりと印象を残せるよう工夫が必要でしたね。箱の中身に関しても、あっと驚くような結末が欲しかったです。少なくとも振って分かるようなものはちょっと。
旅人不幸すぎる(笑)

11師走ハツヒト:2012/07/01(日) 20:22:02
山槻智晴「ダレカ」

山槻くんの作品は、感情があって人が動くという事を改めて意識させられますね。それでいて、その感情の閾値が常人超えちゃってて行動が常軌を逸するが故に怖い。会話の噛み合わせ方外し方が巧みです。
しかし何故こんなに女性の気持ちが分かるのであろうか、と「誰かって口癖は止めてって言ったのに」のあたりのくだりで思いました。畳みかけ方にも緊張感圧迫感があります。個人的に好きです。
千晴さん(だったもの)が登場した時、どういう状態なのか(どういう位置にあるのか)今一つ想像が出来ませんでした。とはいえ詳細に書くのもテンポが崩れますから、短く的確に分かりやすく説明が欲しいですね。
時間内に答えられないという混乱が、ちょっとごり押し気味ですね。さっと答えればいいのにと思ってしまいます。読者にそれを感じさせない勢いが欲しい所です。
「私は、誰かじゃない」
この台詞の切れ味は鳥肌モノ。ホラーは苦手なのですが、後味の悪さもひっくるめて良い読後感でした。

12師走ハツヒト:2012/07/01(日) 20:36:12
下柳五郎「焼き肉屋『フェルナンド・ペペ』で」

焼き肉を取り扱っておきながら、これほどまでに焼き肉を食べたいと思わない小説が、かつて世の中にあっただろうか。緑色の肉という言葉のインパクトが強烈でした。あとタイトル。
主人公のすさまじい俗人っぷりと常識観が読者の足場として機能しているので、物語が相当ぶっとんでるのに読めるという不思議。その癖主人公は偶に悟った様な事を言う、という妙なバランス。非日常空間では妹が平然としているのもバランスが取れていますね。
圧倒的に不条理。しかもその不条理さに説明がつかず、ほぼ丸投げ。これはこれで氏の作風として確立してはいますね。とりあえず、起承転結とまでは言いませんが、終盤手前くらいに一番インパクトの強いネタがあった方がいいかなとは思いますが……。
毎度ながら下柳君の作品に登場する女性はどうしてこうも言葉や行動がバイオレンスなのでしょうか。心配になります。偶には優しい理想の女の子とか書いてくれても大丈夫です。

13師走ハツヒト:2012/07/01(日) 20:36:43
有内毎晩「忘れられた図書館」
※以前本人に送ったものの改変転載です。批評のやり方の参考になれば。

 女性のいる閉鎖空間にやってきて、出ると同時に女性もろともその空間が消滅するというストーリーは、自分でも一回書いたんで、どうにも突っ込みづらい……。やや流れ気味にも感じましたが、起承転結は出来ていると思います。
 シーンの一つ一つは絵的に綺麗ですが、それを支える描写が足りない気がします。
 説明は圧倒的に不足していると思います。「もとよりそういう作風です」の限度をいくらか超えているのではと。完全に自縄自縛発言ですけど。カタカナの部分は説明すると無粋ではあるでしょうが……。最後、いい台詞と思われるのが無解説で置かれて終わる、というのは、「不親切な作者だ」と思われる諸刃の剣ですね。私もしょっちゅうやるのであまり強くは否定しませんが。
 キャラは書き慣れた印象がありますね。今回はやや多弁、論デレでしょうか。新鮮さを覚えませんが、世界観と空気感には合っていました。

(以下、細かい部分に対する批評がありましたが、転載にあたり割愛致します)

14師走ハツヒト:2012/07/01(日) 22:58:17
海映「嫌虫少年と好虫少女」

虫防具もっともっと沢山あってもいいと思います。
シーン一つ一つがちゃんと面白いですね。いつもながら純粋でみずみずしく読んでいて気持ちがいいです。会話もテンポがいいし。描写の重さや量が作品全体で釣り合いが取れています。
翔太が怒るシーン、翔太の主張の言葉がもっと磨かれているといいですね。コミカルシーンの翔太の台詞回しは面白いのですが、その分真剣なシーンの威力が足りないかと。ラストの一文、まだもっといい台詞があると思います。
あ、でも虫取りに行った翔太と悠が会うシーンは圧巻。
あんまり批評になってなくてすみません。良い作品で御座いました。

15師走ハツヒト:2012/07/02(月) 00:23:59
児童安心「まじょはくろをこのむいきものです」

導入部がタイトルや後々に被りつつ、主人公の主義に沿っていていいですね。地の文の随所にくすっと笑えるような毒っ気のある文が織り込まれていて、読んでいて楽しいです。またロリコンである主人公のロリコンらしい描写も丁寧に入ってるのがキャラを立てています。
しかしトイレを盗撮されるのは生理的に厭ですね。展開上仕方ないとはいえ。
主要キャラはみんなキャラが立っているように思います。魔女様の登場第一声は二つ目の台詞であるべきだと思いますが、これもまた印象深く作れているなと。
やっぱり朋が頭良すぎるなぁという感じは受けますね。ここまで周到に用意させるならば、もはや小学生に固執する方が話の筋的に不自然に思えてしまいます。
締めのオチが、やや強引ですけど面白かったです。
ミステリ部分の批評があんまりできなくて御免なさい。ちょっとややこしいなとは思ったのですが、これくらいはミステリとしては普通なのかしら……。


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