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coin―裏と表の世界―
11
:
辰魅
:2012/12/25(火) 19:52:51 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
〝coin―裏と表の世界― 第一話 九〟
深澤、木下、渋谷両3名は署で会議を終え(渋谷はサボったが…)、今回の「男性絞殺事件」の被害者、北見 幸樹の身辺調査をしていた。
「――っで、その餓鬼がスゲェウザい奴で…何か、こう…死んだ魚の目をしてたっていうか、虚ろっていうか、眠たそうっていうか……兎にも角にもウザい輩が現場にいてよぉ〜」
北見に怨みや殺す理由である動機を持っている者を調べていたさなか、渋谷はその話ばかりしていた。聞いていた木下と深澤はそれなりに聞き流していたのだが、こう何度も言われると、ハッキリ言って……ウザい…
この話は殺害現場から北見の同居中の彼女、安井 美咲(ヤスイ ミサ)の元に行くところから始まった。「死んだ魚のような目…?……虚ろぉ…?…眠たそう……?」その間ずっと、深澤はその言葉に引っかかっていた。どこかで見たことがあるのだろうが思い出せない。
そして、今。北見から金を借りて一度モメた事のある、津川 圭史(ツガワ ヨシフミ)が一人暮らししているマンションに着くまでその長話は続いた。
『ピンポーンッ』5階建てのマンションの2階。そこのインターフォンを木下が押すと、中から「ハイ、ハーイ……。ちょっと待って下さぁ〜い…」男の低い声が聞こえてきた。そして「ガチャ」っという有り来りな音を立ててドアが外側に開かれた。
「はい?」
ドアと壁の隙間からひょこっと色黒の男が首を出す。
男――津川 圭史は、外にいる大の男3人を疑視する。
「津川 圭史さんですね?少々お聞きしたいお話がありまして…。お時間大丈夫ですか?―――…」
そこからは、北見と口論をしたのは本当なのか、死亡推定時刻と考えられている午後8時から9時までの間どこで何をしていたのか。その他諸々グダグダと……
津川の話では、8時から9時の間は喫茶店で彼女と話していたらしい。確かめたいなら彼女に聞くとイイと最後につ加えられた。最初からそういうつもりだ。だからこそ一つの疑問が湧いた。そんな早くから仕事もしないで、どうして喫茶店に行っていたのか…。
20分近く話したあと、深澤と木下が愛想笑いを浮かべて「ありがとうございました」と言って津川との話し合いは終了。
マンションから外に出て、近くの歩道を歩く大の男3人。行き先は只一つ、津川が今日の朝、彼女と共にいたという喫茶店「MITUBA」である。
12
:
辰魅
:2012/12/26(水) 14:03:10 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
〝coin―裏と表の世界― 第一話 十〟
津川の住んでいるマンションから喫茶店までは徒歩十分程のところになった。
「カラン、カランッ」喫茶店について、ドアを開けると、ドアに付けられていたベルが鳴る。
店内にそれほどの客はおらず、目に付く客は店の奥に座る高校生くらいの青年二名だけだった。三人はそれに目もくれず、「いらっしゃいませ」と愛想笑いを浮かべて言った定員に近付き津川のことを聞く。
「――…今日の8時頃…ですか?」
女性定員は頭をひねらせる。今日のこととは言え、時間は大分経っている。大きな行動でもお越していない限り覚えていないだろう。
女性定員は深澤から差し出された、津川の写真を渋い顔で見つめる。だが、一向に返事がない。
「この人来てたかなぁ〜…?……すいません、よく覚えてません…」
小さく頭を下げる女性定員を、深澤は「そうですか」と言いながら見つめる。
「…っあ!……あのちょっと待ってて下さいっ!」
何かを思い出した様子で女性定員は店の奥に走っていく。そしてすぐに定員は背の高い黒髪の男性を連れてきた。
「桜田(サクラダ)さん……。この人今日見ました…?」
女性定員の連れてきた男は驚きながらも、女性から差し出された津川の写真を見る。
「……!あっ…あぁ!!覚えてる、覚えてる!!」
「本当ですかっ?!」
男性定員の言い分に木下は噛み付くように聞き返した。「……えぇ…」
定員の言い分には一緒に来た女性に一回怒鳴ったらしく、それが迷惑でよく覚えていたらしい。
「一体俺の何が悪いんだ!……って、物凄い剣幕で怒鳴ってたのでよく覚えてます…。それに、電話か何かでちょくちょく店から出てたので、食い逃げじゃないのかとも思ったほどですから……」
ふむふむと頷く3人。アリバイは確かだ。
「…ご協力ありがとうがざいました……。また何かあったらお伺いすることがあるかもしれませんが、その時はよろしくお願いします…」
深澤がそう言った時、店の1時を知らせるチャイムが鳴った。壁に飾られている鳩時計から鳩が出てくるところも、定員を含める5人はきちんと見た。
「………ま…まぁ、何だぁ……。飯でも食っていくか…?」
苦笑いを浮かべながら木下が言うと、定員たちも苦笑して「お好きなお席へどうぞ」と聞き込み刑事たちを歓迎した。
13
:
辰魅
:2012/12/26(水) 16:01:58 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
〝coin―裏と表の世界― 第一話 十一〟
三人はレジに一番近い席に腰掛ける。思い思いにメニューを頼み、それを待つ。
「――…しかし……。あの北見っていう男…。随分とイイ女と付き合ってんだなぁ〜…」
木下はオットリとした顔をしている女性が写った写真を見る。茶色の髪は染めた様な色具合だ。
女性――北見の彼女、安井 美咲。写真を見てもわかるよう、彼女はオットリとした性格だ。つい先ほど、北見が殺されたと報告すると足に力が入らなくなり、崩れるように倒れるほどだった。
「……イイ女ほど腹が黒いって言うだろうが…。意外と犯人だったりするかもだぜ?」
一人一人に配られた水をすすって渋谷は呟いた。「そうかもなぁ〜…」木下は笑って言い返す。
「…そういえば渋谷。……さっきまで話してた、死んだ魚のような目だの虚ろな目だの――……その子一体どうしたんだ?」
水を一気に半分ほど飲み干した深澤は一人だけ自分たちの前の席に座る渋谷を見る。
「あぁ……。なんかよぉ〜…。タクヤ君だか、タクミ君だかから電話もらってどっか言った。っま、邪魔だったし丁度良かったけどぉ〜……」
愛想なく言う渋谷の顔はまた怒りに溺れている。タクヤにタクミ…。どれも似た名前だな…。
「………タクヤでもタクミでもなく、琢磨(タクマ)君ですよ……」
「おう、ソレだソレッ!!タクマ、タクマ!!そうだ、そうだ。サンキュー!思い出せたわッ!!………ん?」
顔に浮かべられていた笑が一瞬にして消える。……ていうか今誰が言ったの…?
渋谷は声のした後ろの方に顔を方向転換をする。すると、そこには店の奥の席に座っていたと思われる高校生あたりの青年――楓眞が腰を曲げてじっと渋谷を見ていた。
……………………――
『――…ギャァァァァァァァァッ!!!!!?』
14
:
辰魅
:2012/12/26(水) 23:32:47 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
〝coin―裏と表の世界― 第一話 十二〟
「――…えぇ〜……。改めまして、盟誓高等学園二年、武神 楓眞です……。そして、こちらが…」
「ろうきゅうしぇいの、ろろむら たくまれす……。よろしくれす…。(同級生の野々村 琢磨です。宜しくです…)」
「自己紹介の時は口に物を入れるなっ!!礼儀悪すぎるだろ!それでも高校生か!!?礼儀を知れ!!」
怒鳴ったり叫んだり怒鳴ったり、忙しい奴だ…。木下は内心そう思いながらため息をこぼした。
「悪いっすね。礼儀教えられるの遅すぎたんで、高校でこのザマでさぁ〜…」
琢磨は礼儀も考えず言い放つ。相手が刑事だと分かっているのだろうか。深澤がそう思うと楓眞がそんな琢磨を制すように
「琢磨くん………。……相手は国家のご役人、警察ですよ…。喧嘩は学校で先輩型に吹っ掛けて下さい……」
と、高校生とも思えない口調で琢磨に言った。それを聞くなり琢磨は黙り込んで、不貞腐れたような顔になる。
「お前本当に高校生か?まさかどこぞのボンボンとでも言うんじゃ…」
「心配無用です。僕はそれほど裕福な家庭に生まれてはいません。………まぁ…学校ではボンボン扱いされてますけどね……」
椅子に座って腕組をする楓眞を見ると、どうしても自分が負け組に見える渋谷。頭をくしゃりとかくと怒りと焦りのせいか、貧乏ゆすりをしたくなる。
「ハハハッ。…高校生にも頭が上がらないんじゃこれから思いやられるぞぉ〜…」
深澤は話を変える為ワザと、渋谷の怒りを買うようなことを言い放つ。それに乗るかのように渋谷は「はぁぁ?!なんでこいつより少なからず、五歳以上は年上の俺が!!こいつに尻しかれなきゃいかねぇんだよ!?巫山戯んなよなッ!」と机を叩きながら席から立ち上がった。
「食事中はその場を立つなっ!!!!」
渋谷の怒号と重なって、楓眞の怒号もその場に響く。刑事三人はそれに驚き、目を見張る。
「……って、僕のお姉ちゃんが言ってました…」
ポーカヘェースの面向きで楓眞はそれだけ言うと目の前に置かれた水を軽く飲み干した。渋谷は眼を見張りながらその場に軽くすとんと座り直す。
(…なんだこの意味不明の糞餓鬼…)
それが、渋谷の楓眞に対する第一印象だった。
15
:
雪乃
:2013/01/17(木) 19:58:05 HOST:p23228-ipngn401aobadori.miyagi.ocn.ne.jp
とてもおもしろいですね☆^^
あの、聞きたい事が2つあるのですが…
私、ここの掲示板には、小説書くのに興味があって、なんとなく、
「小説掲示板」と、検索して、来たんです☆^^
質問コーーーナーーー☆☆☆
①この掲示板は、こんなふうに普通に話して良いんですか?
必ず小説を書かないと…だめんなんですか?
②どうやったら、自分も小説かけますか?
私、バカなんで、わかんないんです><。。。
できたら…おしえてくださいっ!!!
辰魅さん、このお話、本当におもしろいですね^^
②
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