したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

coin―裏と表の世界―

14辰魅:2012/12/26(水) 23:32:47 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
〝coin―裏と表の世界― 第一話 十二〟


 「――…えぇ〜……。改めまして、盟誓高等学園二年、武神 楓眞です……。そして、こちらが…」
 「ろうきゅうしぇいの、ろろむら たくまれす……。よろしくれす…。(同級生の野々村 琢磨です。宜しくです…)」
 「自己紹介の時は口に物を入れるなっ!!礼儀悪すぎるだろ!それでも高校生か!!?礼儀を知れ!!」
 怒鳴ったり叫んだり怒鳴ったり、忙しい奴だ…。木下は内心そう思いながらため息をこぼした。
 「悪いっすね。礼儀教えられるの遅すぎたんで、高校でこのザマでさぁ〜…」
 琢磨は礼儀も考えず言い放つ。相手が刑事だと分かっているのだろうか。深澤がそう思うと楓眞がそんな琢磨を制すように
 「琢磨くん………。……相手は国家のご役人、警察ですよ…。喧嘩は学校で先輩型に吹っ掛けて下さい……」
 と、高校生とも思えない口調で琢磨に言った。それを聞くなり琢磨は黙り込んで、不貞腐れたような顔になる。
 「お前本当に高校生か?まさかどこぞのボンボンとでも言うんじゃ…」
 「心配無用です。僕はそれほど裕福な家庭に生まれてはいません。………まぁ…学校ではボンボン扱いされてますけどね……」
 椅子に座って腕組をする楓眞を見ると、どうしても自分が負け組に見える渋谷。頭をくしゃりとかくと怒りと焦りのせいか、貧乏ゆすりをしたくなる。
 「ハハハッ。…高校生にも頭が上がらないんじゃこれから思いやられるぞぉ〜…」
 深澤は話を変える為ワザと、渋谷の怒りを買うようなことを言い放つ。それに乗るかのように渋谷は「はぁぁ?!なんでこいつより少なからず、五歳以上は年上の俺が!!こいつに尻しかれなきゃいかねぇんだよ!?巫山戯んなよなッ!」と机を叩きながら席から立ち上がった。
 「食事中はその場を立つなっ!!!!」
 渋谷の怒号と重なって、楓眞の怒号もその場に響く。刑事三人はそれに驚き、目を見張る。
 「……って、僕のお姉ちゃんが言ってました…」
 ポーカヘェースの面向きで楓眞はそれだけ言うと目の前に置かれた水を軽く飲み干した。渋谷は眼を見張りながらその場に軽くすとんと座り直す。
 (…なんだこの意味不明の糞餓鬼…)
 それが、渋谷の楓眞に対する第一印象だった。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板