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coin―裏と表の世界―

13辰魅:2012/12/26(水) 16:01:58 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
〝coin―裏と表の世界― 第一話 十一〟


 三人はレジに一番近い席に腰掛ける。思い思いにメニューを頼み、それを待つ。
 「――…しかし……。あの北見っていう男…。随分とイイ女と付き合ってんだなぁ〜…」
 木下はオットリとした顔をしている女性が写った写真を見る。茶色の髪は染めた様な色具合だ。
 女性――北見の彼女、安井 美咲。写真を見てもわかるよう、彼女はオットリとした性格だ。つい先ほど、北見が殺されたと報告すると足に力が入らなくなり、崩れるように倒れるほどだった。
 「……イイ女ほど腹が黒いって言うだろうが…。意外と犯人だったりするかもだぜ?」
 一人一人に配られた水をすすって渋谷は呟いた。「そうかもなぁ〜…」木下は笑って言い返す。
 「…そういえば渋谷。……さっきまで話してた、死んだ魚のような目だの虚ろな目だの――……その子一体どうしたんだ?」
 水を一気に半分ほど飲み干した深澤は一人だけ自分たちの前の席に座る渋谷を見る。
 「あぁ……。なんかよぉ〜…。タクヤ君だか、タクミ君だかから電話もらってどっか言った。っま、邪魔だったし丁度良かったけどぉ〜……」
 愛想なく言う渋谷の顔はまた怒りに溺れている。タクヤにタクミ…。どれも似た名前だな…。
 「………タクヤでもタクミでもなく、琢磨(タクマ)君ですよ……」
 「おう、ソレだソレッ!!タクマ、タクマ!!そうだ、そうだ。サンキュー!思い出せたわッ!!………ん?」
 顔に浮かべられていた笑が一瞬にして消える。……ていうか今誰が言ったの…?
 渋谷は声のした後ろの方に顔を方向転換をする。すると、そこには店の奥の席に座っていたと思われる高校生あたりの青年――楓眞が腰を曲げてじっと渋谷を見ていた。
 ……………………――
 『――…ギャァァァァァァァァッ!!!!!?』


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