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×KY探偵×
1
:
寿
:2012/09/28(金) 17:34:05 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
ドモッす! 寿(ことぶき)デ〜す!!
長々とご説明するのはメンドクサイので、簡潔に言います!
荒しは、禁止! コメント、助言、大、大、大歓迎!!
2
:
ピーチ
:2012/09/28(金) 17:37:13 HOST:i121-118-221-80.s11.a046.ap.plala.or.jp
寿さん>>
初めましてー!駄文にしかなってないけど一応書いてるピーチでーす!
探偵ものは好きだけどその前のKYってのが気になるww
楽しみにしてまーす!
3
:
寿
:2012/09/28(金) 18:12:18 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×登場人物の紹介場×
× 霧谷 四葉 (きりや よつば) 〜主人公〜
新道高校1年生の超KY少女。
× 松寺 青葉 (まつでら あおば)
新道高校2年生のモテ男。
× 黒杉 黒 (くろすぎ くろ)
新道高校3年の謎の少年。
んまァ、ナドなど…
4
:
寿
:2012/09/28(金) 18:16:31 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
早速コメント有難うございます!!
ピーチ様のご期待にそえる様頑張りたいです!
あと、題名は2つの意味がこもってるんですよね〜。
解りますか〜?
5
:
寿
:2012/09/28(金) 18:37:55 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話×
×KY少女が、空気を読む×
6
:
寿
:2012/09/28(金) 19:58:58 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
夏が終わり、秋空がきれいに輝くさなか…。新道高校の1階では、1年生たちが夏休み開けテストの結果表が貼ってある掲示板を前にざわめいていた。
掲示板の前では、「わァ〜、俺後ろから数えた方がはぇ〜〜」や「成績トップの人良いなァ〜〜」など、感嘆な声が上がっている。
その中で一人、掲示板を前に「ウぅう〜〜…」と涙目で嘆きのような奇声を上げる、短い茶髪少女、霧谷四葉。
「…ドウしたんだよ、霧谷。…あッ、もしかして、お前も下の方か?」
四葉と同じ1年3組の男子生徒が、ニヤニヤと笑いながら言う。この男子生徒は、夏休み開けテストで最下位から5番目をとった男だ。
「うぅん、アノネ、このマンガね、トッテモね、泣けるの…ぅう……」
……一体何言ってんですか、アンタ。と、皆は思った。テストの結果が目の前に有ると言うのに、マンガの話で泣くな。
「わァ〜〜ん、続きが気になるよ〜〜!!」
((何でも良いからこの空気を読め!!!))
皆にそう思われながらも、四葉はその場を後にしていった。
7
:
寿
:2012/09/28(金) 20:05:45 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× Ⅱ
8
:
ピーチ
:2012/09/28(金) 20:47:24 HOST:i121-118-221-80.s11.a046.ap.plala.or.jp
寿さん>>
うわ、ほんとのKY少女ww
四葉ちゃん…名前は可愛いのにね←
題名の意味二つ……KYと探偵?←意味分からん
9
:
寿
:2012/09/28(金) 21:13:21 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
ところ変わって、新道高校の体育館。
そこでは、1〜3年の演劇部がステージの上で何やら、相談をしていた。
「それじゃぁ、今度の『校内劇』は『ロミオとジュリエット』で良いわね?」
そう言ったのは、演劇部、部長の澤部絹衣(さわべ きぬい)。絹衣の言葉に演劇部員の10人ほどの生徒が「ハイ」と言いながら頷く。新道高校は月に1度演劇部全員で劇を校内発表するのだ。
「ロミオ役は、ヤッパリ…松寺君かしら…」
絹衣の言葉に、皆は1人の少年に目を向ける。その少年、松寺青葉は、黒い綺麗な短髪の男。肌は白く、口数も少ないせいか、学校内からの声は多く、新道高校のなかでは今のところ一番のモテ男だ。
青葉は絹衣の言葉に軽く頷いた。
「じゃぁ、ジュリエット役は……」
「ハーイ!私は七星(ななせ)がいいと思いマース!!」
絹衣の言葉に笠井璃央(かさい りお)は大きく手を挙げながら一人の少女、国谷七星(くにや ななせ)をジュリエット役として指名した。
「私も、それには同感だわ。国谷さんは、この役にピッタリだと思うし」
絹衣からもそう言われ、茶髪で長髪の少女、七星は「…頑張ります」と恐縮したように言うのだった。
だが、一人それが気にくわなかった者がいた。
「でも、七星って付きやってる人居るんでしょ?ロミオとジュリエットで青葉君なんかと一緒に演技しちゃったら誤解されるんじゃな〜い?」
七星にそう言い放ったのは、高坂光里(こうさか ひかり)。光里は七星、璃央と同じ1年生なのだが、負けず嫌いで、横暴なところがあるので、皆からはあまり好まれていない。
「…って、言う事でぇ、ジュリエット役は私ね?!誰か反対の人ぉ〜〜〜」
シーンと沈黙が走る。別にここで反対しても良いのだが、光里は演技が上手く、子供のように駄々をこねられ、演劇部を辞められると困るので、誰も何も言わない。
5秒ほど経ったあとで、光里は「ОK」だと思ったらしく、ステージに登る階段のところに座っている青葉の横にチョコンと座り「って、ことで宜しくね〜。あ・お・ば君!」と笑ってみせた。
10
:
寿
:2012/09/28(金) 21:19:11 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
でわ、でわ、ピーチ様!KY探偵に隠された二つの意味のネタバレといきましょう!
まず一つ目は、そのまま「空気読まない」でKY。そしてもう一つが「霧谷 四葉」と言う名前です!この名前、イニシャルがKとYなんですよ。
まぁ、私も気付いたのは主人公の名前決めたときなんですけどね(一応、偶然…
11
:
寿
:2012/09/28(金) 21:20:23 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× Ⅲ
12
:
ピーチ
:2012/09/28(金) 22:09:24 HOST:i121-118-221-80.s11.a046.ap.plala.or.jp
寿さん>>
霧谷でK、四葉でY……確かにww
でもそれが偶然って言う方が凄いw
……光里ってあたしあんまり好きじゃないなぁ…
13
:
寿
:2012/09/28(金) 22:12:16 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
PM6:00
町内中に6時を知らせる鐘が鳴り響いた。朝はザワつきに満ち溢れていた新道高校も今では、演劇部の居残り練習の声しか聞こえてこない。
「………はい、そこまで!松寺君も高坂さんもいい演技よ。本番までは、日にち少ないからこの調子で頑張ってね」
片手に丸めた台本を握り締めた絹衣が、青葉と光里の演技を見て率直な感想を述べる。
「…有難う、青葉くん。明日もよろしくね…」
額に浮かぶ汗を片手で拭いながら、光里はもう片方の手を青葉に突き出す。
青葉も、顔の汗を拭いながら光里が付き出した手に、自分の手を重ね、小さな握手を交わした。
それからは、ステージの片付けとなり、演劇部員の皆はせっせと働き始めた。
片付けは20分程度で終わり、部員たちは次々とカバンを持って、帰宅していく。だが、一人体育館に残った者がいた。
「……光里ちゃん、まだ練習するの?」
ステージの上で一人演技を続ける光里を、心配そうに見つめる七星、璃央、絹衣、青葉。
「…ウン、もうちょっとで帰るから、七瀬たちは帰ってて良いよ」
額の汗がステージ上の照明で良く見える。そんな頑張っている光里を置いていけないのか、七瀬はその場から動こうとしない。それは、青葉を除いて璃央たちも同じだった。
「……んじゃ、俺先帰ります…」
「あれ〜、松寺君だぁ〜…」
体育館で頑張りを見せる人がいる中、全くと言っていいほど空気を読もうとしないKY女、四葉が現れた。
「どうしたの今帰り?演劇部は大変だねぇ。私帰宅部でよかった〜。あ、光里ちゃんだ!ヒッかりちゃーん、練習がんばれー!!」
四葉は、ブラブラーと手を横に大きく振りながら、光里に声援を送る。
「「…………」」
先ほどとはまるで違う意味の沈黙がはしった。
「…ごめん、七星。やっぱ帰るから照明消してくんない?」
そう言われ一瞬、キョトンとした七瀬だったが、直ぐ様ステージ裏の照明スタンドへと走っていった。それにつられるかの様に、璃央もステージ裏に走っていく。
「はぁ〜。…疲れる……」
光里はその場で額の汗を拭いソッと、上の照明に目を抜ける。すると、一瞬だが、照明がグラッと横に動いた。そして次の瞬間、照明が光里目掛けて落下していった。
14
:
寿
:2012/09/28(金) 22:17:33 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
ピーチさん、同感です。でも学校に一人ぐらいいるんですよね、光里ちゃんみたいな子。
まぁ、私の考える光里ちゃんは意外と優しい子っすよ。(学校にだってそう言う奴いればいいのに
んまぁ、これからもいろんな性格で、いろんな喋り方する「変なの」増えると思います(ドウシヨウ…
15
:
ピーチ
:2012/09/28(金) 22:37:07 HOST:i121-118-221-80.s11.a046.ap.plala.or.jp
寿さん>>
えぇぇぇ!? ちょっと待って! 何でそーなんの!?
え、証明落ちたのって事故? それとも計画的な?
ひょっとしてこれから四葉ちゃんの活躍ぶりが見られるとか?←期待の眼差しww
16
:
寿
:2012/09/28(金) 23:27:45 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
探偵モノとは、まさにゴタゴタの繰り返し…って、誰かが言ってた気がします。
そして、何より探偵モノには、ごった返しが付き物。
さて、こっからが面白くなりまっせぇ〜〜〜!!!
17
:
寿
:2012/09/28(金) 23:28:23 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× Ⅳ
18
:
ピーチ
:2012/09/28(金) 23:39:59 HOST:i121-118-221-80.s11.a046.ap.plala.or.jp
寿さん>>
まさかのゴタゴタの繰り返し!?
………何か、凄い方程式があったゾー?
19
:
寿
:2012/09/29(土) 07:59:44 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
ダーイジョウブ、大丈夫!
内容的にまずくなったら、ゴタが5個くらいつく、ゴタゴタの繰り返し、しますんでッ!
まぁ、一様、こんな時に言う言葉じゃないですか、「やってみなきゃ解からない」って言っておきます!!
20
:
寿
:2012/09/29(土) 09:21:28 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
先ほどから30分ほど経ち、学校には救急車とパトカーが数回ほど出入りした。
運良く、落下してきた照明をよけた光里だったが、ステージに落ちた衝撃で照明の部品が光里の足に刺さり病院行きになってしまった。
教師たちはすぐに会議をはじめ、学校の外には既に多数のマスコミが来ていた。
「…光里ちゃん……」
体育館の外から、七星は呟く。命に関わる怪我ではなくとも、今後、怪我が治るまで、劇はできない。
「国谷さん…」
「でぇも、なぁんで照明落ちたんだろう?チェーン腐ってたのかな?」
またもここで暗い空気を読まない四葉が突拍子もないことを言う。救急車もパトカーも呼んだのは、四葉なのだがその冷静さに皆呆気を取られるほどだった。こういう場合、焦って電話するものなのだが四葉はKYのせいか、全く焦ってはいなかった。
「…どうせ、俺らには関係ない。あとは警察に任せればいいだろう…」
青葉は冷静な口調だが、その声には少し焦りも見える。
「どぅも〜、君たちが被害者のご友人ですか?」
すると、刑事であろう、男が四葉たちに近付いてきた。この妙にハイテンションの男が刑事なのかと思うような喋り方をする刑事に皆は「…はい」と戸惑いがちに言う。
「して、この中に警察署と病院に電話してきた人はいますかね?」
探偵小説に付きもののオチャラケ刑事は、両手を頭ぐらいに上げながら聞いてきた。それに対して「はぁい、私でぇすけどぅ」とまたも四葉が空気を読まずに片手を上げる。
「そうですかぁ〜。おい、手錠…」
刑事は挙げた手を自分の後ろについている、刑事に向ける。するとその刑事から、黒い手錠が手渡され、受け取った刑事によって四葉の手にかけられた。
超長い沈黙を挟み、四葉は「…ハイ?」と言葉を返す。
「イヤねぇ、どうやら話によると、電話をしてきた女の方はとても冷静だったそうです。目の前で照明が落ちぃ、友達が怪我をしたというのにぃ、そんなにも冷静に電話できたわけ、それは、あなたが犯人だからっです!」
パチパチと今の推理を披露した刑事に拍手が送られる。
「……いや、イヤ、嫌。むり、ムリ、無理。私学校に忘れ物して、取りに来ただけなんですから。ソレだけじゃなくても私体育館には一回も入ってなかったんですから。絶対無理。…はい、これ外して」
手錠をガチャガチャと言わせながら外して、の動作をくり返す四葉は、直ぐ様、手錠を外された。
21
:
寿
:2012/09/29(土) 09:22:11 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× Ⅴ
22
:
ピーチ
:2012/09/29(土) 09:43:18 HOST:i121-118-221-80.s11.a046.ap.plala.or.jp
寿さん>>
あらら、四葉ちゃんのKYぶりが疑いの種になったかww
何か四葉ちゃんって甘ったるい感じのしゃべり方だね←
23
:
寿
:2012/09/29(土) 09:45:33 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
夜も更け、三日月が綺麗に見える午後7時。四葉は「ダメ!」だという警察たちをかいくぐり、体育館のステージ上へと忍び込んだ。
新道高校は築10年の新高校なだけあって、ステージ上も、まるで本物の劇場のようだ。
ステージ上にはいくつものチェーンで繋がれた照明がいくつも並んでいた。その中で一つ、チェーンが切れている物があった。落下した照明の物だと一目でわかる。
「……錆びてる…」
途切れているチェーンを見て、四葉はそっと呟いた。確かに途切れているチェーンは赤焦げ茶色に錆びている。
(切られた跡もないし、事故か何か…?)
事故だとしたら、この事件は解決だ。
四葉は他のチェーンと途切れたチェーンを見比べる。どれも錆びてはいるものの、途切れた照明ほど錆びてはいない。考えるに落下した照明は一番使われる照明だからだろう。鉄という物は極度に熱を浴びると錆びるという。
「…まぁ、下が丁度ステージの真ん中だから、錆びて当然かな…」
四葉はそれだけ言い残すと、ステージの下に降りる梯を使って、ステージ裏の照明スタンドへと向かった。
24
:
寿
:2012/09/29(土) 09:50:43 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
あぁ〜…。多分それ私の性格ですわ!
それに甘い喋り方の方が、事件と生真面目に言いそうじゃないっすか。
私的には、表はチャラチャラ、裏はウザったいほど真面目っていう探偵が大好きなんですよ!(自分の願望超込み
25
:
寿
:2012/09/29(土) 09:51:17 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× Ⅵ
26
:
寿
:2012/09/29(土) 10:14:08 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
in:照明スタンド。丁度、鑑識の者が照明スタンドから出た瞬間、四葉は足音一つ立てずに照明スタンドに忍び込んだ。照明スタンド、別名、放送室はマイクが三本、CD機器が2台、照明の明るさを調整するダイヤルが5つ。
壁には機器の操作方法や、注意事項等が書いている紙が貼ってある。
「…え〜と、これが照明のボタンで…これを押すと消えるのかな?」
と、言いながら四葉は「照明消」と書かれたシールの貼っている緑のボタンをカチッと押した。すると、案の定、ステージ上の照明は、パッと消えた。
「なぁんだ。案外簡単じゃん」
一回も操作したことのない自分が一度にして、照明を消すことができるとは思っていなかった。何か間違えてナンボだろう。
「それで、これが照明付けるボタンかな?」
そう言って、押したのは「照明灯」と書かれたシールの貼ってある赤のボタンをカチッと押す。すると今度はまた照明がピカッと強く光り、照明がついた。
(こんなに簡単なんだ…)
そう思い、刑事が来て怒られる間に四葉はその場から退散した。
27
:
寿
:2012/09/29(土) 10:14:47 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× Ⅶ
28
:
寿
:2012/09/29(土) 10:36:47 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
またも四葉は、刑事の目をかいくぐり、サッと七瀬たちと合流した。忍者の方がむいているだろう。
「…!……どうしたの四葉ちゃん?」
突然現れた、四葉に驚きながらも七星はそう聞いた。
「…特にどうって訳じゃないんだけど、照明消したり付けたりするのって意外と簡単だね」
薄笑いを浮かべながら、言う四葉に七瀬は「そう?」と返した。
「私昔から機械音痴だから、未だに操作もできないんだ。それに比べたら、光里ちゃんはすぐに照明の付け方とか覚えたし、ヤッパリスゴイよ……」
七瀬は表情を暗くした。どう考えても、光里のことが頭に浮かんだのだろう。
「…光里は、根は優しいし、真面目な奴だけどそれを表にあんま出さないから誤解されるんだよ…」
七瀬の隣に、璃央はつく。光里はそういう人間なんだ。と四葉は改めて考えた。
「でも、光里が怪我したなら、今度の劇、七瀬に、役、変わるんじゃない?」
璃央がそう言ったので、七星は「私、光里ちゃんの代わりなんてできないよ…」と胸に手を当てながら呟いた。
「何より、光里ちゃんはこれが最後だったし……」
「「…えっ?」」
七瀬のとっさの言葉に、四葉と璃央は声を重ねる。しかし、七瀬の言葉は聞こえるか聞こえないかのギリギリのところだったので、全部は聞こえなかった。
「ううん。なんでもない…」
作り笑いを浮かべる七星は今にも泣きそうな顔だった。
29
:
寿
:2012/09/29(土) 10:40:34 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× Ⅷ
30
:
寿
:2012/09/29(土) 10:54:43 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
四葉は七星をつれ体育館裏に向かった。
「どうしたの?こんなところに…」
月明かりが一番差し込むところで、四葉は足を止めた。
「うン。さっきの話なんだけど、光里ちゃんって何かあるの?」
『何より、光里ちゃんはこれが最後だったし……』という話だ。
七星は四葉からそう言われた時、何かを飲み込んだような顔になった。
「実はね、光里ちゃん今月で―――――」
四葉は、七星の言葉に全てを分かったような顔になった。
31
:
寿
:2012/09/29(土) 10:55:26 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× Ⅸ
32
:
寿
:2012/09/29(土) 11:17:18 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
午後8時。普通の高校生なら、とっくに家で夕御飯を済ませている時間。新道高校では、刑事数名と、七星等、そして、光里が体育館のステージ前にいた。四葉を前にして。
「どういう事だい、MIS(みす)霧谷。僕たちをこんなところに集めて〜」
そう言ったのは、あのオチャラケ刑事、近藤大助(こんどう だいすけ)と名乗る刑事だった。
「私分かったんですよ〜。この『事故』の原因。って、言うか真相!」
『事故』と言い張るその意味は何なのか。皆は四葉を見つめる。
「まぁ、これってただ単に錆びた鎖が照明の重さに耐え切れなくて落下したっていう、不運な事故なんですよ!」
四葉がものすごいオチャラケな喋り方をするので、皆はいろんな意味で呆気にとられる。
「…事故、ねぇ。だったら何だっていうの?そんなので、怪我人の私を呼び出したわけ?!意味分かんない!私は帰るわよ!!」
「ワザとなんだよね…」
絹衣の肩を借りて立っていた光里が不貞腐れながら後ろに振り返った時、四葉はそう言い捨てた。
「光里ちゃん…わざと照明で怪我したんだよね…」
光里はステージに座る四葉を驚いた目で直視した。
「……今から話すことは、私の勝手な妄想だから信じても信じなくても……良いよ?」
33
:
寿
:2012/09/29(土) 11:18:11 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× Ⅹ
34
:
寿
:2012/09/29(土) 17:00:42 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
「……さっき、聞いたんだけど、光里ちゃんと七星ちゃんって昔から仲良かったんだね。小中高と同じクラスで、家も近所!昔はよくパジャマパティーしてたんでしょ?」
さっきの真面目さは、一気に裏返り、いつものヒョウキな四葉へと戻った。
「…だから何よ……」
「光里ちゃんにとって、七星ちゃんは、たった一人の良き理解者だった…だよね?」
ニコッと笑う四葉の顔を見て、光里は言葉を飲み込む。
ここまで笑顔で光里を押すことはそうそう出来ない。
「ソンれが動機!」
ビスッと人差し指で光里を指した四葉は、トンッとステージの下に降りる。
「光里ちゃんにとって七星ちゃんは、妹てきな存在。そんな存在であるからこそ、自分が『転校』することになった時、気が弱く、自分で物が言えない七星ちゃんを一人にするわけにはいかなかった…」
『転校』という言葉に四葉以外の者は全員、口を少し開く。
「転校って…、光里、そんな話…」
「光里ちゃんは、今月で転校する予定だったのだよ、璃央ちゃん!だから次の劇が最後の劇…。七星ちゃん本人、主役が光里ちゃんである事に、何の不満もなかった。でも、光里ちゃんは違かッたんだよな〜…」
四葉と光里の顔を見比べる皆。
「…ちょっと、タンマ。私は自分で役になりたいって言ったのよ。それに、一体どう言う意図で死ぬギリギリを体験しなきゃいけないのよ…」
「元々、証明が落ちてくるとは、思わなかったんじゃない?ただ単に少しグラついてくれれば良かった。そうすれば『こんな怖いステージで、劇なんてできない!』とでも言っておけば役から降りれたもん」
皆は首をかしげる様な気持ちになった。役を降りる?どういう意味なのだ?
「…役から降りる?どう言う意味ですか?」
皆が一番聞きたかった事を聞いたのは、七星。
「……七星ちゃんを、1歩だけ、前に進ませるためだよ…」
その言葉に光里はピクリと肩を震わせた。
「光里ちゃん…一体どう言う……」
七星は、戸惑いながら光里に近付き、ソッと肩に手を置く。
「………あとは、直接聞いたほうが良いと思うよ?」
体育館に四葉の優しい声が響いた。
35
:
寿
:2012/09/29(土) 17:02:39 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× XⅠ
36
:
寿
:2012/09/29(土) 17:17:42 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
今月中に隣町に引っ越す予定の光里。それを七星にしか打ち明けることができなかった。
だが、自分がここで役から降りれば七星は確実に今後の役には入ろうとしない。
それが光里には嫌で嫌で仕方なかった。だから何よりここで自分が七星の背中を押して、今後の役に自分から挑めるようにしてほしかった。と言う。
それを聞いた七星は泣きじゃくり、それにつられ光里も大粒の涙を長時間流した。
その光景は体育館のステージの様な光景を思わせないようなものだった。
37
:
寿
:2012/09/29(土) 17:18:53 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第1話× ⅩⅡ
38
:
寿
:2012/09/29(土) 17:36:52 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
あれから1ヶ月が経ち、光里は隣町の高校に転校し、劇の役は七星となった。
そしてあの出来事から七星は自分で物を言えるようになり、自分がなりたい役には積極的に取り組む様になった。
「それにしても、すごいね四葉。何で、光里の真意分かったの?」
「…ん、あぁ、あれ。ちょっとおかしいなって思ったんだ…」
ある日の休み時間、体育館で劇の練習をする七星を見ながら璃央は四葉に聞いた。そして「へん…?」と小さく聞き返す。
「うん。だって、ワザワザ機械音痴の七星ちゃんに照明を消してとは頼まないかなって思って、そんなの自分で行けば良いだけじゃん。少なくとも、あんな簡単に付けたり消したりできる照明もまともに扱えない、七星ちゃんに任せはしないと思ったんだ…」
なんともシックリくる説明に璃央は「ほぉ〜…」と簡単に返した。
四葉は一人、ステージの上で笑いながら演技を続ける七星に口パクで「ガンバレ」と声援を送ったのだった。
39
:
寿
:2012/09/29(土) 17:38:02 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第2話×
×KY少女はよくある展開で、空気が読めない×
40
:
ピーチ
:2012/09/29(土) 17:47:37 HOST:i121-118-221-80.s11.a046.ap.plala.or.jp
寿さん>>
四葉ちゃん…何か大胆だネww
光里ちゃんは案外良い子だった!
41
:
寿
:2012/09/29(土) 21:00:59 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
コレこそ、ゴッタ返しです(テヘペロッ!
最後まで、被害者の真意も加害者の真意も分かんないのが面白いんですよね〜
すぁ〜て、次の話はどんなごった返しにしようかにゃ〜(=×▽×=)
42
:
寿
:2012/09/29(土) 21:16:50 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
3連休を一日後に控えた金曜日。四葉は一人、新道高校の2階を歩き回っていた。片手に、3枚の券の様な物を握って。
「…あッ、アオバくーん!」
四葉は2階の、曲がり角を曲がった時、数人の女子に囲まれた青葉が目に見えた。昼飯時なので、昼食のお誘いにでも来た者達だろう。
「………悪い、俺アイツと昼飯食う約束してるから…」
四葉に気付いた青葉は囲んでいた女子たちを避けて、四葉の方に歩いて行った。
それを不服に思ったのであろう、女子たちは、四葉を見て愚弄の言葉を吐き散らした。だがそんな物KYの四葉には、全く理解できないものだ。
「……そんじゃ行くか、霧谷…」
「…なんか、彼氏と彼女みたいだね!」
その言葉はこの学校で最も言ってはいけないフレーズだった。いや、言う場所が悪かった。
後ろにものすごいオーラを放っている女子たちを無視して、四葉と青葉は屋上へと向かった。
43
:
寿
:2012/09/29(土) 21:17:28 HOST:softbank220024115211.bbtec.net
×第2話× Ⅱ
44
:
ピーチ
:2012/09/29(土) 22:06:47 HOST:i121-118-221-80.s11.a046.ap.plala.or.jp
寿さん>>
四葉ちゃーん!?
少しは空気読めるようになろうよー!?
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