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後悔涙。

1まかろん:2012/08/13(月) 01:57:34 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
*プロローグ*


「好きです」


勇気を出して、私は桜の木の下で告白をした。

ずっと憧れていた、センパイに−。

だけど、返ってきた答えは・・・。


「ごめん、彼女いるんだよね」


そう言うとセンパイは走り去っていく。

わかってたくせに、バカみたい。

センパイはかっこいいんだよ?

彼女いるなんて当たり前でしょ。

なのに、私の目から溢れ出すモノは止まらなくて・・・。

最初で最後の恋でした。

ほら、後悔涙がひとしずく、私の頬を伝ってく。

2まかろん:2012/08/13(月) 02:02:05 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
+登場人物+

☆相川 瑞穂 あいかわ みずほ

○深山 夏希 ふかやま なつき

*横田 純也 よこた じゅんや

*永野 龍 ながの たつ


これから増えます(。・ω・。)

3まかろん:2012/08/13(月) 02:14:00 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
#1

ピピピピピ・・・。

機械音が部屋中に鳴り響く。

私は目覚まし時計を止めて、布団に潜り込んだ。


「あと5分・・・寝る・・・」


そしてしばらく経ち、再び機械音が部屋中に鳴り響く。

私はまた目覚まし時計を止める。

布団に潜ろうとすると、お母さんのバカでかい声が聞こえてきた。


「コラー! 瑞穂!? 今何時だと思ってんの!」

「ほぇ?」


目をこすりながら、時計を見る。

短い針が8・・・長い針が55・・・。

・・・ん!?

7時55分!?

私は血の気が引いていくのを感じた。


「えっ・・・とぉ・・・。お母さん、時計壊れてるよ?」


私は青ざめた顔で、隣で仁王立ちしているお母さんに言った。

するとお母さんは更に顔を真っ赤にして、私の耳が割れるんじゃないかと思うくらい大きな声で怒鳴った。


「あんたの頭が壊れてるんでしょッッッ!」


やばい。

これはやばい。

だって今日は・・・。

高校の入学式だから。

4まかろん:2012/08/13(月) 02:25:43 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
「ひぃ〜っ!」


私は泣きたい気持ちで着替える。

ずっと着たかったブレザーに袖を通す。

そして、全身が映る鏡の前に立つ。


「わ、お母さん見て見て! 似合う〜!」

「そんなことより急ぎなさい!」

「そうだったぁ!」


うぅ、髪型どうしよう。

私の髪は、ロングで、腰まである。

私が行く高校は、校則が緩い。

だから基本髪型とかは自由なんだ。


「よし! 横結びしよう!」

「やめなさいよ、バカがもっとバカに見えるわ!」

「うるさいな! カワイイでしょっ」

「一つ結びか二つ結び!」

「イヤッ! ダサいじゃん!」

「ちょっとは知的に見えた方が得よ!」

「えぇ〜?」


そんなこんなで、私は自分の意見を通して、横結びにすることにした。

お母さんはブツブツ言ってるけど、気にしない!

ってゆーか、気がついたら8時半!?

やばい、遅刻だッッッ!

私はお母さんの車に乗り込んだ。

お母さんは急いでエンジンをかける。

これから、どんな高校生活が始まるのだろうか。

淡い期待を持ちながら、私は窓の外の景色を見ていた。

5まかろん:2012/08/13(月) 02:42:39 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
私とお母さんが学校に着いた時には、もう既に入学式は始まっていた。

私は急いで体育館を探す。

方向オンチな私。

体育館が見つかるだろうか。

あ、なんか大きなドア!

きっと体育館−。

その時、私はつまずいた。

その拍子に、大きなドアが思いっきり開く。

私は前に倒れ込む。

ドタッ!

体育館が静まり返る。

みんなの視線がイタイ。

私は倒れた身体を起こし、立ち上がった。


「いてて・・・えへ・・・」


私は苦笑いをする。

てゆーか・・・。

私、何組?

えっと・・・。

えぇい、どうにでもなれっ!


「相川 瑞穂といいます! 私、何組ですかっ?」


私は叫んだ。

あぁ、恥ずかしくて死にそう。

ううん、いっそのこと殺してください・・・。

私はこんな自分がイヤになって、涙が出そうになった。

下唇を噛んで、涙を堪える。

そのとき、男の人が立ち上がって、言った。


「相川さんは、2組だよ!」

「へっ・・・」


その男の人は、手招きをする。

この時の男の人の印象は、”優しい人“だった。

私は、きっとこの人に恋をする。

そう思った、自分がいた。

6まかろん:2012/08/13(月) 02:53:28 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
コンバンワヽ(○・▽・○)ノ゛

ご挨拶が遅れて申し訳ありません。

まかろんと申します。

このお話は、切ない恋のお話にしようと思っています。

ここで小説を書くのは初めてなので、「ん?」と思うことが多いと思います。

アドバイス&コメント、友達希望&タメ、呼び、全然��d(≧▽≦*)OK!!です。

一人でも多くの方に読んで貰えるよう、頑張ります。


さてさて、第1話が終わりました。

どうだったでしょうか?

瑞穂は、私と同じダメダメ人間ですね(笑)。

第2話からは、高校生活について書いていきます。

どうぞ、お楽しみにv(。・ω・。)v


今日は、これで終わりにします。

また今度更新します。

では、おやすみなさい||フ㌧||★-ω-)ォャスミナサイ

7まかろん:2012/08/13(月) 12:40:41 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
#2

その後、私とお母さんは初日から先生に注意された。

そして、クラスに戻った。


「あっ! 入学式で叫んだ人!」


教室のドアを開けた瞬間、男の人に叫ばれた。

ん? 待て待て、この声は・・・。


「あ″」


さっきの、人。


「みんな、マジびびったよなぁ。ずっこけて登場! マジうける〜!」

8まかろん:2012/08/13(月) 12:46:30 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
その人が笑うと、みんながクスクスと笑い出す。

私は自分でも顔が熱くなっていることが分かった。

ふつふつと怒りが沸いてくる。

私は男の人のところへスタスタと歩いた。

男の人の目の前に立つ。

クラス中が静まり返る。

男の人は背が高かったので、私は男の人を見上げて、目を合わせた。


「何?」


男の人が言う。


「そーゆーの、人前で言わないで。いい気がしない」


私はハッキリ言うと、自分の席に着いた。

みんなからの視線がイタイ。

あぁ、高校生活初日は、最悪だ。

心の底から思った。

9まかろん:2012/08/13(月) 12:51:17 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
翌日。

学校に行く為、私はバスに乗った。

あ〜、いじめられませんように。

てゆーか、びっくりした。

私にあんな勇気があるとは思わなかった。

中学校では、背景と同化してたくらいだったのに。

あ、席空いてる。

座ろうっと。

私は腰を下ろす。

そしてバックから、買ってもらったばっかりの淡いピンクの携帯を取り出す。

10まかろん:2012/08/13(月) 13:48:34 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
ヒマだし、同中のコにメールでも送ろうかな、あと30分はあるし。

そのとき、おばあさんがバスに乗ってきた。

気がついたら席は満席状態。

朝って、けっこう多いんだ。

そう思ってる場合じゃないや。

私は立ち上がって、おばあさんに席を譲る。


「どうぞ」

「あらまぁ、ごめんなさいねぇ」


そう言っておばあさんは私の譲った席に座った。

やっぱメールはやめとこ。

他の人の迷惑かもだし。

そう思っていると、後ろから声がした。


「いい子ぶってるな、朝から」

「はっ?」


私は振り返った。

そこには、昨日のアイツがいた。

名前はまだ知らない。


「・・・つーか誰」

「あ、そっか。俺、横田 純也。よろ〜」


茶髪だし、明らかにチャラそう。

シャツもズボンから出てるし。


「・・・あのさぁ、シャツ、ズボン入れなよ。だらしがない」

「えーっ、瑞穂チャン僕の下半身見たの〜? いやー、ヘンターイ!」


横田さんはふざけた声で言った。

うん、チャラいな。

確信した。


「変態が。黙れば」

「朝から冷たいなァ〜」

「黙れ」


もうこの人に関わりたくない。

私はそっぽを向いた。


「つーかお前さ、いろいろと勇気あるよな〜」


横田さんが笑いながら言う。

私は無視する。


「・・・なぁ、俺と付き合えよ」


私はびっくりして、横田さんの顔を見る。

横田さんは私を真っ直ぐに見つめている。

こう見ると、横田さんってイガイにかっこいい・・・。

私は恥ずかしくなって目を逸らす。

心臓がドキドキいってる。


「な、何の冗談?」

「冗談じゃねーし、本気だし」


展開がわからない、早すぎて。


「一目惚れなんだよ」


ぼっと顔が熱くなる。

この私に?

一目惚れ?

ありえない、ありえない。


「いや、その・・・」

「何? 答え待ってる」


私、正直横田さんなんか好きじゃない。

だって、何かよくわかんない。

ついていけない。


「ごめ・・・ん。ムリ・・・です」


私はそう言うと、ぎゅっと目をつぶった。

何か、怖かった。


「・・・そう」


え?

私は目を開けた。

横田さんは悲しそうに微笑む。


「そりゃそーだよな。出会ったの昨日だし。・・・でも俺、諦めないから」


私の鼓動が早くなる。


「ぜってー、俺のコト好きにさせる」


ドクンッ。

横田さんは私に優しく笑いかける。


「よろしく」


そう言うと、手を差し出した。


「・・・うん」


私は横田さんの手を握って握手をした。

二人とも、微笑んだ。

11まかろん:2012/08/13(月) 13:50:56 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
さてさて、みなさんこんにちは。

第2話が終わりました。

どうだったでしょうか?

新たな恋の、始まりです(^_^)

では、第3話はまた今度書きます。

お楽しみに(●^o^●)

12Mako♪:2012/08/13(月) 15:45:33 HOST:hprm-57422.enjoy.ne.jp
まかろんさん>>

お邪魔します☆Mako♪です。

な、なんか超面白そうで見たら、超面白くて、続きを楽しみにしてます!

頑張って下さいね〜☆

13まかろん:2012/08/13(月) 18:48:29 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
Mako♪様。

コメントありがとうございます。

面白いと言っていただけてとても嬉しいです(><///)

頑張ります。

本当にありがとうございました!

14まかろん:2012/08/13(月) 20:12:55 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
#3

そして私たちは教室に入った。

大体の女子はおしゃべりしていたが、横田さんが来ると、ほとんどの女子が横田さんに駆け寄る。


「純也さんっっ! おはようございますっ!」

「おー。おはよー」


横田さんがウィンクすると、もうみんなメロメロになって、キャーキャー騒ぎ出す。

あー・・・モテる、のね?

てゆーか横田さんチャラいな。

普通ウィンクとかしないでしょ。

まぁいいや。

私は自分の席に着いた。


「・・・はぁ」


自然にため息が出ちゃう。

前の中学校からは、とても遠いところから来たから、友達いないんだよね。

15まかろん:2012/08/13(月) 20:17:14 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
でも、積極的にならないと、友達できないもんね!

よーっし、誰かに話しかけるぞ・・・って、女子みんな横田さんのトコ行っちゃってる!!!

うっわ、どんだけモテんの?

ちょっとくらい地味系女子居ようよー・・・。

私に友達ができるのは、まだ程遠いかもしれない。

そう思っていたとき、誰かが無言で教室に入ってきた。

男子だ。

私は驚いた。

だって、その人は―・・・。







―私の初恋の人と、顔がとても似ていたから・・・。

16まかろん:2012/08/13(月) 20:21:53 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
「うぃーっス。龍おはよー」

「・・・おはよ」


龍、さん?

龍さんは、男子の中に紛れていった。

私の顔が熱くなる。

胸のドキドキがおさまらない。

どうしよう、私・・・。





憧れのセンパイと同じ顔の人に、恋をしてしまいました・・・。

17まかろん:2012/08/13(月) 20:35:23 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
どうしよう、話しかけようかな・・・。

で、でも何て?

「おはよー、龍さん」でいいの?

ちょっと軽くない?

あ、そーだ!

あんだけ顔が似てるんだから、もしかして、センパイと兄弟かも!

よし、これをネタにしよう!

私は立ち上がって、龍さんの方へ行く。

龍さんの目の前に立つと、龍さんは頬杖をついて、めんどくさそうに顔を上げた。


「何か、用?」


ドキンッ。

鼓動が早くなる。


「えっ、えっと! たいした用じゃないんだけ・・・」

「じゃー話しかけないで」


龍さんはバッサリ言った。

うぅ、冷たい。

でも、これでへこむ私じゃない!


「龍さんってさ、お兄さんいる?」

「・・・なんでアンタに言わなきゃいけないワケ」

「いーでしょ! あ、あのね、龍さんとそっくりな、憧れのセンパイがいて・・・」


龍さんは読んでいた本から目を離し、私と目が合う。

ドキンッ。

やめて、そんな目で見ないで。

私の心臓おかしくなっちゃうよ・・・。


「アンタまさか、俺の兄ちゃんに告ったヤツ?」

「へ? お、おそらく・・・」

「バカだろ。兄ちゃん女嫌いなんだぜ。ま、俺もだけど」


そう言うと、再び本に視線を落とす。

私はカッとなって、叫んだ。


「センパイ、私に優しくしてくれたもんっ!!」


教室中が静まり返る。

みんなが私と龍さんに注目する。

龍さんもビックリして私を見る。


「せ、センパイは、バレンタインチョコもらってくれたっ・・・! 『瑞穂ちゃんのチョコだったら食べる』って嬉しそうに笑って・・・」

「アホか、アンタ」


龍さんの言葉がグサッと胸に突き刺さる。


「兄ちゃんチョコ嫌いだぞ。帰ってきたらソッコー捨ててたし」


ドクンッ・・・。

う・・・そ・・・。

捨てた・・・の・・・?

私が、悩んで、悩んで、頑張って作ったチョコ。

センパイ、捨てちゃったの!?

18まかろん:2012/08/13(月) 20:45:14 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
「そんなこともわからなかったのかよ? 兄ちゃんがフるのも当たり前だな」


え・・・?


「え? センパイ彼女いたんじゃ・・・」

「いねーよ」

「え?」

「めんどくさくなると、すぐウソつくんだ。『彼女がいるからムリー』ってサ」


龍さんはまた本に視線を落とす。

そんな・・・。


「俺、兄ちゃんと顔は一緒だけど性格は正反対だからな。共通点は女嫌い。それだけ」

「・・・」


ショックで、声も出なかった。

私、勝手に思い込んでた。

センパイは私に気があるって。

だけど、そんなのこれっぽっちもなかったんだね。

そう思うと、目頭が熱くなって、涙が出てくる。

また出ちゃった、後悔涙。

龍さんはびっくりしている。


「オイ、何で泣くんだよ?」

「ひっ・・・く・・・うぅっ・・・だっ・・・て・・・そんなコト聞いたら・・・」

「女ってすぐ泣くよな」

「・・・っ」

「俺、すぐ泣く女嫌い。どっか行ってくれる? 目障り」


龍さんの言葉が、刃になって私の心をズタズタにしていく。

私、バカだ。

また、叶わない恋しちゃったんだ・・・。

19まかろん:2012/08/13(月) 20:48:45 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
こんばんは。

第3話が終わりました。

一応、解説です。

瑞穂が前好きになったセンパイというのは、プロローグにある人です。

文才ないので分かりづらいですね、スミマセン。

では、第4話はまた今度書きます。

どうぞお楽しみに!

20まかろん:2012/08/14(火) 23:31:51 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
#4

私は耐えられなくなって、教室から出て行った。

屋上に続く階段を上る。

屋上に着くと、私はフェンスにしがみついた。

涙は止まらない。

こんな話、聞かなきゃよかった。

そしたら、こんなに泣かなくてよかったのに。

何で人間は恋をしてしまうの?

傷つくって分かってて、恋ってするんでしょ?

そのとき、屋上の扉が勢いよく開いた。


「相川さん、大変よ!」


振り返ると、ポニーテールの女の子がいた。

私は涙を拭って、振り返る。


「どうしたの?」

「純也さんと永野さんがっ・・・」

「え?」

「とにかく、来て!」


ポニーテールの女の子は、私の腕を引っ張る。

私は立ち上がって、屋上までの階段を下っていく。

教室に着くと、横田さんが龍さんの襟首を掴んでいる。

先生が止めに入ってるけど、他の男子(横田さんの取り巻き?)が先生を止めている。


「は、早く止めないとっ・・・」


私は横田さん達の間に割り込んだ。


「二人とも、やめて!」


二人は無視する。

私が二人を引き離そうとすると、横田さんに突き飛ばされた。

床に尻餅をつく。


「いったぁ・・・」

「大丈夫っ!?」


ポニーテールの女の子が私に近寄る。


「オイ答えろよ!!!」


横田さんが怒鳴る。

みんな肩を震わせる。

中には泣いてる女子もいる。


「はぁ? 俺は何にもしてねぇ。アイツが勝手に泣いたことだろ」

「あぁ!?」


私のこと・・・?

横田さんが龍さんを殴る。

教室中がざわめく。


「やめてって言ってるでしょ!!」


気がつくと、叫んでいた。

やっと横田さんが私の目を見る。

その目は、とても怖かった。


「龍さんの言う通りだよ。私が勝手に泣いたの! 龍さんは関係ない!」

「じゃあ何で・・・」

「謝ってっ!」


横田さんが目を見開く。


「何もしてないのに、殴られるっておかしいよ! 謝ってよ!」


横田さんは龍さんから手を離し、目をぎゅっとつぶった。

そして、小声で「ごめん」と言った。

21まかろん:2012/08/14(火) 23:38:37 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
そして、横田さんは席に着いた。

不機嫌そうに。


「・・・すごい」

「え?」


ポニーテールの女の子が言った。


「純也さんね、怒ると誰にも止められないの。相川さんすごいね、見直しちゃった」


その子は微笑みながら言った。

そうだったんだ・・・。


「あ、えっと、よろしく・・・」


私はその子の目を見る。


「深山 夏希よ。よろしく」

「うんっ」


私、新しいお友達ができました。

22まかろん:2012/08/14(火) 23:53:23 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
放課後。


「バイバイ、夏希」

「バイバイ、瑞穂!」


私達は軽く挨拶を交わすと、夏希は帰っていった。

私は時計を見る。

電車が来るまで、あと20分弱か。

携帯いじって待っとこう。

そのとき、ふと龍さんが視界に入った。

右の頬が赤くなっている。

嘘、保健室行ってないの!?

私は龍さんに駆け寄る。


「龍さんっ」


龍さんがめんどくさそうに私の目を見る。


「何?」


声を聞いただけでドキッとしてしまう。


「あの、保健室は? 行かないの?」

「・・・ダリィ」

「ダメだよ、行かなきゃ! ほら、行こう?」

「元はといえばお前が悪いんだろーが。ほっとけ」

「ダメっ! 私のせいだからこそ心配してるの!」

「うっぜー」

「いいから! 行くよ!」


私は龍さんの腕を掴んだ。

龍さんは嫌そうな顔をしてたけど、付いてきてくれた。

・・・はいいんだけどさっ!

保健室どこ〜?


「ね、ねぇ龍さん。保健室ってどこ?」

「正真正銘のアホだな。そこを右に曲がって真っ直ぐ」

「了解!」

「バカ! 何で左に曲がってんだよ!」

「え、こっち左!?」

「お前1からやり直してこい」

「うぅぅ・・・」


私はUターンして、進んでいった。

そういえば、何で知ってるんだろう。


「ねぇ、何で知ってるの?」

「イヤ、フツー分かるくね?」

「えっ!」


そういうもんなの!?

まぁ、いいや。

保健室着いたし。

龍さんが保健室に入っていく。

私も一応入っていく。


「あれ? 誰もいないね」

「じゃー帰る」

「だめっ! 私が消毒する!」

「まだ死にたくない」

「どーゆー意味っ!?」


私は保健室を見渡した。

23まかろん:2012/08/15(水) 00:04:05 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
あ、あった消毒液!

ピンセットと、ガーゼもあった。

私は手を伸ばすけど、消毒液だけどうしても取れない。

そのとき、うしろから手が伸びてきた。

ドキンッ。

その手は、ひょいっと消毒液を取った。


「チービ」


うしろを振り向くと、龍さん。

ヤバい、私の心臓壊れそうだよ−。

私は龍さんの目をドキドキしながら見ていた。


「何? 早くしてよ」


龍さんの口角が上がる。

ドキンッ。

初めて見た、龍さんの笑顔。

センパイの笑顔と重なって見える。


「センパイ・・・」


気がつくと、そう言っていた。


「は? 俺兄ちゃんじゃねーし。バーカ」


龍さんは笑った。

頭がクラクラする。

好きすぎてどうにかなりそう。

顔が熱い。

いや、体中が熱い。

どうしよう、この感情。


「と、とにかく、座ってっ」


私はベッドをポンポンと叩いた。

龍さんが座り、私に消毒液を渡す。

受け取るときに、二人の手が触れ合う。

私はビックリして、手の力が抜けてしまった。

消毒液が床に落ちる。


「わ、ごめん・・・」


私は消毒液を拾った。

24まかろん:2012/08/15(水) 00:09:50 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
そして、消毒が終わった。

ヤバい、すっごくドキドキした。

心臓が壊れたかと思った。

龍さんが消毒液を直しながら言う。


「ビックリした、お前本当に兄ちゃんのこと好きなんだな」

「えっ・・・」


バレた!?

顔がまた熱くなる。


「・・・俺までドキドキしたじゃねーか」

「え?」

「いや、何でもない」


よく聞こえなかった。

私の心臓の音がうるさくて。


「今日、ありがとな。帰る」

「えっ。あ、うん。バイバイ!」


龍さんは保健室を出て行った。

私は時計を見る。


「げっ! あと5分!」


私は保健室を飛び出した。

25まかろん:2012/08/15(水) 00:17:59 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
こんばんは。

第4話が終わりました(`・ω・´)

どうだったでしょうか?

ちょっと甘すぎましたかね・・・?w

自分でもドキドキしながら書いてました(*´∀`*)

個人的に龍君好きです(。・ω・。)w

では、第5話はまた書きます。

おやすみなさい(●^o^●)


PS…そろそろ宿題ヤバいです( ̄Д ̄;;

26まかろん:2012/08/15(水) 20:41:06 HOST:i125-204-95-55.s10.a045.ap.plala.or.jp
#5

翌日。

バスに乗り込むと、横田さんがいた。


「あっ。横田さーん」


私は横田さんに駆け寄る。

横田さんは席に座っていた。

まだバスはガラガラで、横田さんの隣もあいていたので、私は聞いた。


「隣、座ってもいい?」

「ああ」


私は横田さんの隣に座る。

あれ? もしかして、横田さん、機嫌悪い?

あっ! もしかして、昨日のコト!?

謝った方がいいかな?

うん、謝った方がいいね!


「「昨日はごめん!」」


二人の声がぴったりハモる。


「え? なんで相川が謝んの?」

「だ、だって! 出しゃばったというか何というか・・・」

「えぇ? 相川全然悪くねーよ。原因俺だし」

「イヤイヤ、泣いた私が悪いんデス」

「あ・・・うん」


会話終了。

えーっと、うん。

気まずい。

あと25分はあるよ〜!

どーしよ、何の話がいいかな・・・。


「・・・あのさ」

「えっ!? あ、うん! な、何?」

「相川のコト、〝瑞穂〟って呼んじゃダメ?」

「ううん。いいよ」


私は微笑む。


「それって、俺のコト好きだから?」


横田さんが近づいて、ニヤリと笑う。

バスが大きく揺れたら、キスしちゃいそうな程近かった。


「ばっ・・・!! 好きじゃないっ」


私は目を逸らす。

びっ・・・くりしたぁ。

超顔近かった。

横田さんが顔を遠ざける。


「そっかー。瑞穂、永野のこと好きだもんな」

「えっ!?」


な、何でバレてるの!?

私は自分でも顔が赤くなってるってわかった。


「ははっ。瑞穂単純。わかりやすーい」


横田さんがクスクス笑う。


「アイツのドコがいーわけ? 確かに俺と違って勉強はデキるけど、愛想ないぜ? 俺、永野の笑ってる顔見たことねーもん」

「えっ・・・」


じゃあ、私だけ・・・?

そんな、やめてよ。

前みたいに勘違いしちゃう。





〝永野は私に気がある〟って―。


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