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私の先生!

40つばさ:2012/06/29(金) 23:01:03 HOST:p5006-ipad202gifu.gifu.ocn.ne.jp
ピーチさん>>
そう!ノンフィクション!
歳は全然違って、でもその先生良い先生で。
今年、他の学校に離任しちゃったからショック。
正直好きだったwほんとにバレー部の顧問なの★

41つばさ:2012/06/29(金) 23:08:54 HOST:p5006-ipad202gifu.gifu.ocn.ne.jp
〈翼ver.〉
先生の家に上がった。
(足の砂とかはちゃんと払いましたw)

このまま帰ったっていいことなんて無い。

むしろ、こうやって離せなくなることは私には堪えられない。

私はうつむいたまま先生の片手を掴んだ。

先生は「え?」と言って、私と同じく静止した。

「…どした?つばさ?」

「先生…。あの人のこと…蓮さんのこと…教えてください。私、このままなんて
嫌なんです…。」

先生は少しびっくりした様子。

「…あぁ。分かった。話すよ。」

先生はポツリポツリと話し出した。

42つばさ:2012/06/30(土) 19:02:10 HOST:p5006-ipad202gifu.gifu.ocn.ne.jp
<訂正>
上の41
「離せなくなる」×
「話せなくなる」〇

やっぱバカでしたヾ(@°▽°@)ノ

43玄野計:2012/07/03(火) 16:33:59 HOST:ntfkok244208.fkok.nt.ftth4.ppp.infoweb.ne.jp
>>42
訂正?
知ったことじゃないし。

44つばさ:2012/07/13(金) 19:38:14 HOST:p5229-ipad29gifu.gifu.ocn.ne.jp
お久しぶりです(´・ω・`)ノ
いやーもう漢検やら英検やらありまして…
でも、今日漢検終わってスッキリしたので
またはじめていきますよーー!
よろしくお願いしますヽ(´∀`。ヽ)

45つばさ:2012/07/13(金) 22:11:03 HOST:p5229-ipad29gifu.gifu.ocn.ne.jp
〈翼ver.〉
「…先生ッ!れ…蓮さんのこと…教えてください…!」

先生は「…あぁ。」と小さくうなずいて話し出した。

「アイツは…蓮は、高校時代から付き合ってきたんだ。入学当時は友達に囲まれて
…明るいあいつに俺は好感を持っていた…。でもそれは…恋愛とかそういうのじゃなくて…。」

恋愛感情は無かったのに付き合ってたってこと…?

「ある日、俺はアイツに告白されたんだ。俺といると落ち着くって…。別に高校生の俺には
重大なことじゃなかったし、軽い気持ちで付き合ってた…。だが…あいつは違った。」

先生はそこまでいって、リビングのソファーに座って、私も座るように隣をポンポンと叩いた。

「アイツの行動はだんだんストーカー化して…毎日『今どこで何をしているか』ってメールが届いて…
最初、『家でTV見てるよ。』って返したら、その後偶然を装って家に来て…。
そんなようなことが何十回もあって…。
…先生とあの人…そんなことがあったんだ。

「高校卒業と同時に、俺はアイツを拒み続けた。何回も来るメール…
毎日届く手紙…全てが怖かった…。だから俺はこっちに引っ越してきて…
メアドだって変えた…。だけど…。」

先生はそこではぁー…と大きなため息をついた。

「誰に聞いたんだか知らないが…家の住所はばれていて。今日家にあいつがいたとき
正直怖くて…。目の前に殺人犯でもいるような感じで…。」

そこまで話して先生は黙ってしまった。

「…先生…。」

私がしてあげられることなんて…ないなって思う。

これは二人の問題。私が立ち入るのは難しい。

ふと先生を見たら、目が合って…たぶん赤面してた。

すると、先生がまた話し出した。

「でも、もうアイツとは本当に終わりにする。」

先生の目が真剣すぎて、目が離せなかった。

「…え…?…なんで?」

「…今思いついた。」「えぇ!?」

「バーカ。冗談だよ。俺にはアイツじゃない、他に大切にしなきゃいけないやつがいるからな。
それは…」

「…それは…?」

先生は私の髪をクシャっとした。

「…やっぱいい。」

少し赤くなってる先生…。

今、誰のことを想っているの…?

「じゃぁ、帰る準備はやめ!もっかい車乗るぞー。」

「…はい?」

訳が分からなくて頭の中ははてなで一杯なのに、先生はまた、例のお姫様抱っこで

私を勝手に先生の車の助手席に移動させた。

……。

いったいどこに行くつもりなのかなぁ。

46つばさ:2012/07/22(日) 16:34:53 HOST:p4221-ipad203gifu.gifu.ocn.ne.jp
〈先生ver.〉
俺は翼を車に乗せて、車を走らせた。

めちゃくちゃ不安そうな顔をしている翼を見ると…

これから行く場所に入っていいのか迷ってしまう。

「…どこいくんですかぁ…。せんせぇ…。」

翼はすごく眠そうな顔で尋ねてきた。

そっか…。今日は色々あったし、疲れるよなぁ。

朝から勉強やらされて…いきなり俺の彼女に会って…泣いて…。

「ごめんな…。」

翼は困った顔をした。

「先生は悪くないです…よ…。」

そこまで言ってコテンと寝てしまった翼の寝顔を見て、なぜか俺は安心してしまった。

「…ありがとな。お前は優しいけど…優しすぎる…。」

ちょうど信号が赤になって、翼の頭に手を置いて微笑んだ。

…!

さっきまでさみしそうな顔してたけど、いきなりコイツも微笑んできた。

…見えて…たのかぁ?

俺が混乱していると、後ろからクラクションの音が響いた。

あぁ。

青になってたのか…。


…よし。あいつのとこに行こうか。



しっかり守るから…。


もう何も心配しなくていいから…。


だから…。


もう勝手にいなくならないでくれ…。

47つばさ:2012/07/25(水) 14:28:38 HOST:p4123-ipad12gifu.gifu.ocn.ne.jp
〈翼ver.〉
…。

何だろう…。

頭の中がフワフワしていて…

『…翼』

せん…せぃ…?

ここは…教会…?

視線を落とすと…純白のウエディングドレスが目に入った。

『翼…おいで…。俺と一緒に…――』

先生…?

先生が私に手を伸ばしてくれているけど…。

どんなに手を伸ばしても届かない…。

『先生…っ!…届かないですよ…助けてください…。』

『翼…。どうすれば届くか…自分で考えるんだ…。お前が気づくまでは…そばにいて
助けてやるから…。』

先生は私の元に歩いてきて…私の手をとって…。

だんだん先生の顔が近づいて…――。



…ピカッ――…


『ま…眩しいッ!』


「…つばさー…。だいじょーぶかぁ?」

「…は…はい。…ここはどこですか?」

あ…。寝てたんだ。

あの夢はなんだったんだろう…。


『どうすれば届くか、自分で考えるんだ…。』


「お前よくねたなぁ…。一時間も寝てたんだぞぉ?」

そ…そんなに!?


ここは…家?

全体的に白い、洋風の大きい家…。

庭には花がたくさん植えてあって、別の国に来た感じ…。

入り口には門があって…。

どこの金持ちの家なんだか…。


門の横を見ると…。

「か…とう…?」

「おう。加藤。」

えっと…。

「先生…ごめんなさい…。あの…。」

「…大丈夫。ちゃんとケジメつけてくるし。心配すん…」

「加藤って誰でしょうか…?」

「え…。あ…。そうくるか…。」

誰だろう。

だって私の友達には加藤なんていないし。

う〜ん…。

「『加藤 蓮』」

え…。


蓮さん!?

「…! 先生…いやです…。今は会いたくないですよぉ…。」

「だーめっ!会うの!話すのは俺だし。それに…。」

「それに?」

「困難を乗り越えるのは、『時間の問題』っていうやつだけじゃダメなんだよ。」

「え…。」

「前に進まねぇと、手に入るものだって手放す羽目になるんだから…。
そんなのいやだろ?」

そっか。

わかったよ。先生。

自分で気づく前に先生に教えられちゃったね。

「うん。わかった。いいよ。…行こう!」

私たちは「入って」と言うようになぜか開いている門を通って、「加藤家」の
家に向かっていった。

48つばさ:2012/07/27(金) 20:58:13 HOST:p3236-ipad30gifu.gifu.ocn.ne.jp
〈先生ver.〉
ピーンポーン…――

あぁ…。

大丈夫かよ…俺…。

言うことは大体決まってる…。

でも、あいつを前にすると思ったことが言えない気がする。

いや…違う。

蓮と翼が同じ空間にいることが俺にとっては気が気じゃないんだ。


ガチャ―…

開いたドアから蓮が顔をひょいっとのぞかせる。

…笑顔だし。

「フフフッ…そろそろ来ると思ってたわぁ。どうぞ、あがって?」

「いや、いい。ここでいいよ。」

「え?なんでぇ…。せっかくだか…」

「すぐ済むから!」

ありゃ?ちょっと声がでかかったかも…?

俺のTシャツのすそを引っ張る翼が少し、ビクッってなった。

数秒の沈黙を破ったのは蓮。

「…で?大体は分かるけど…話ってなにかしら?」

…分かるなら聞かないでくれよ。

「蓮…。俺は…その……。」

「なによ…。」

あぁ…。やっぱり。

俺は肝心なときにうまく話せない…。

生徒だと話せるのに…。

「…れ、蓮さんっ…。あの…。」

…!

つ…ばさ…?

「先生は…あの…そのぉ…。」

蓮は翼を馬鹿にしたように笑った。

「二人して弱いのねぇ。あらら…翼ちゃん?震えてるわよ?ふふっ」

翼は悔しそうな顔をして、涙を堪えていた。

ふと顔を上げた翼と…目が合った。

その瞬間、なんか力が湧いてきた。

翼が頑張ったのに、俺…何もしてないじゃねぇか。

『生徒だと話せるのに…。』

あ。

こいつに向かって話せばいいじゃないか。

俺はニヤッと笑った。


「翼…。俺…。」

俺は翼の肩に手を回してくいっと引き寄せた。

まぁ、何のことだか分かっちゃいない翼は、そのまま俺に体を預けた。

「えぇっ…せ…せんせ!?」

どんどん顔が赤くなる翼。

ヤバい。

ちょっと…コイツの反応リアルすぎる…。


「俺、入学式で出会った日からお前のこと…。」

翼の顔は…それはもう真っ赤。

蓮は…?

…泣きそう。

こんな状況で冷静に2人の様子をうかがってる俺もなかなかすごいと思う。

「せっ…。」

あぁ。



なんか…。



『好き』って…


本物の告白しか言いたくない。

なんか…もったいない…。

って…!

それじゃぁダメじゃねぇか!



「…っもういいから!」

ん?

…蓮?

「私は…好きだよ?誠史のこと…。でも…思ってた以上に翼ちゃんのこと
好きみたいだし…それに…。」

俺と翼は自然に近づいていた体勢からもとの格好に戻る。

「それに…。もう……つらい。」

あぁ。

もう安心なはずなのに…。

傷つけてしまった。

「…でも大丈夫よ?だからそんな顔しないで…。」

あれ?

顔に出てたか…。

「正直私も…ちょっと誠史に執着しすぎてた。嫌な女だったでしょ?
それでもあなたの傍にいたかった。」

「…そっか。」

「えぇ…。でも、私じゃなくてもあなたを愛せる人はいるみたいだし。」

翼は少しうつむいた。

罪悪感…感じてんのかな。

「…翼ちゃん?」

翼はまたビクッとした。

よほど蓮が怖い存在になってるな、こりゃ。

「誠史のこと、大事にして…って、あたしが言っても意味ないけど…。
でも、もう嫌がらせることはしないっていうか…その…。」

「…?」

「…応援してるわ。」

あぁ、よかった。


若干…微妙に泣いてるけど…。


3人とも、笑ってる。

49つばさ:2012/07/29(日) 09:43:00 HOST:p3034-ipad12gifu.gifu.ocn.ne.jp
〈翼ver.〉
私と先生は蓮さんに見送られて、「加藤家」を後にした。

「いやぁ…一時はどうなるかと思ったけど…。何とかなるもんだなぁ!」

こういうところも好きなんだ。

一緒にいると「好き」がどんどん増えてく。

「8時かぁ。疲れたし…ちょっとコンビニにいこっか。」

なんか、今日1日で、先生との距離がすごく縮まった気がする。

話し方とか…いろいろ。


コンビニに入ると、体が冷たい空気に包まれた。

夏だし。冷房かけないと腐るもんね。

「俺は…やっぱコーヒーだな。翼、なんか買う?」

え…。

「う〜ん…。先生になんか買ってもらうのは…ダメじゃないですか?」

先生はクスッと笑う。

「いいんですよ。今日はちょっと…翼を…困らせてしまったみたいなので。」

…。

もしかして…申し訳ないとか思ってるのかな…。

「告白しかけたので。びっくりしてたね。」

そっちですか…。

やばい。

絶対今、顔赤い…。

「じゃ、じゃぁ!これ、買ってください!」

私は先生にプリンを渡した。

「ほいよー。」って、先生はレジに持っていっちゃったけど…。

絶対顔赤いのバレた…。


車の中に戻って、とりあえずそれぞれ買ったものを食べたり飲んだり…。

先生は缶コーヒーを持っていた。

「あ、そのコーヒーのにおい…いつも先生からしてた。」

「え!?翼…。」

え!?なになに…。

「もしかして、においフェチ?」

「ち…違います!!っていうか…よくこんな苦そうなの飲めますよねぇ…。
味覚、大丈夫ですか?」

「ブラック飲めないのかぁ?まだまだ子供だな!
……もーらいっ!」

「ちょっ…!」

先生は私がプラスチックのスプーンですくっていたプリンを
ぱくって食べた。

…まだ私食べてないのに。

「ん〜〜っ!トロトロ!うまい!」

「ダメですー!もうあげません!」

「…じゃぁ、食べるんだぁ…。俺が口つけたスプーンで。へぇー。」

先生が私のことガン見してくるから…どんどん顔が熱くなる…。

「かしてみ?俺が特別に食べさせてやるよ。」

にやって笑って、スプーンにのせたプリンを私の口に運んでくる。

…ぱくっ。


「ん〜〜!お…おいひぃ〜!」

「だろぉ?」

パチッと目が合って…そこでやっと顔が近すぎるのに気づいて、急いで座りなおした。


先生が携帯を開いて、時間を確認した。

「…8時…10分…かぁ…。どーしよっかなぁ。」

「…?どうしましたか?」

「ん?9時にお前んちに帰そうと思ってたんだけど…。ここから翼んちは大体10分なんだよ。
ちょっと早いから…。」

「先生…あの…。」「ん?」


ぐぅぅぅうぅう〜〜…――。




ウッソー!

は…恥ずかしすぎるっ!


「…クックックッ」

「もぉーーー!笑わないでくださいよっ!」

すると、先生が突然こんなことを言い出した。

「…俺んち行って、飯でも食うか!よし、しゅっぱーつ!」

「えーっ!マジですか!?」

「…でも、お前、カバンとか全部置いてきたろ?」


「あ。…んじゃ、お願いします。」

まぁ、そういうことで、先生の家でご飯を食べることになった。

50つばさ:2012/07/30(月) 11:42:31 HOST:p1095-ipad13gifu.gifu.ocn.ne.jp
〈先生ver.〉
俺は車を降りて、玄関のドアを開ける。

「んぁああぁ…つかれた…。」

「つかれましたね…。」

二人でリビングのソファに座る。

って…!

「こんな時間ない!飯!すぐ作るから待ってろよ?」

「先生!あの…私も手伝いましょうか…?」

うーん…。

ふと、京花と紀香と翼の会話を思い出した。

『翼ー!今、紀香と好きな人について話してたんだけど…。
翼はどんな人がタイプ?」

『翼は不器用だし…。料理とかできる人じゃないとねー!」

『料理なんてできるわけないじゃんかぁ…。あんなの科学だって。ムリムリ。』


…。

ダメだろ。

「翼は休んでてよ。つかれたろ?」

「…はぁーい…。」

―――…。



結局俺は一人でオムライスを作った。

「できたぞー…。はい。召し上げれ。」

「おいしそぉー!いただきます!」

おれも。

「いただきます。」

「んー!おいしい!先生すごい!」

…。反則だろ…。かわいすぎ…。

「おぉ。まぁ。これくらいはなぁ。ってか早く食え。もう40分じゃん。」

「ふぁーい…。」




カチャン


「「ごちそうさま!」」


「んじゃ。送ってくから、荷物まとめてください。…忘れ物するなよぉ?」

俺は知ってる。

コイツが忘れ物の王者ってこと。

「…大丈夫ですよー。はい!もう行けます!」


翼を家に送るために、また車に乗った。

「先生、ありがとうございました。」

「もう頭クラクラしませんか?」

「だいぶよくなりました!熱中症なんてなったことなかった…。」

「気をつけてくださいね?」「…はい。」


翼を家の前で降ろして、俺たちは離れた。

51つばさ:2012/07/31(火) 11:14:09 HOST:p2182-ipad01gifu.gifu.ocn.ne.jp
〈翼ver.〉
…。

あれから3週間が過ぎた。

部活は週4のペースで行われ、ほぼ毎回参加している。

…先生に会いたいから。

でも…。


先生は特に何も変わらず、他の子と同じように接してきた。

それはまぁ、教師としては当然なのかもしれないけど…。


部活そのものは結構順調!

私はセッターとして、日々上達しつつある。

まだ1年生だし、これからなんだけどね。


問題は…。


「おいー!翼!お前だけ不合格だー!」

「す…すみません〜!」

なんのことかって?

先生はこう言った。

「先生はバレー部の顧問として、保体(保健体育)の専門として、みんなには
夏休みにもしっかりとした生活を過ごしてもらいたい!
…そこで、夏休み最後の練習、8月26日に学校から出された宿題を提出してもらう!
宿題は「サマースクール」です。(問題集)これを3周したら終わりなので
計画的に進めましょう!26日に見せてもらって、残りが3分の1あれば
不合格!わかりましたか?」


最悪…。

できるわけないじゃん。


そう思った。

でもみんなはしっかりやってきたみたいで…。

「つばさぁ…そろそろ本気で取り組めよ…。お前ならこれくらいできるだろ?」

そんなの分かってる。

第一、そんなに難しい問題なんてない。

でも…。

正直めんどくさい。

せっかくの夏休み、勉強だけに縛られたくはない。


「ただいまー。」

「あー。おかえり!さっき、蒼くん(あおい)から、電話があったわよ?かけ直したら?」

「んー。わかった。」

蒼くんってのは、私の同級生。たぶん男子の中では一番仲良しな奴。


…。

『もしもし。工藤です。…あ、翼か。どしたん?』

「どしたん?って!あんた、うちに電話したでしょ?」

『あぁ…。そうそう!あのさ、暇なんだわ。』

「…で?」

『実は勉強溜まりまくりなんだって。』

「あー。私も。今日細川先生に怒られちゃったぁ…。」

『おぉ!ちょうど良いじゃん!俺んちこねぇ?一人だとテレビとかに負けちまうからさ。
どう?』

「ん〜…。分かった!行くね?全部やりきって、細川先生にどうだぁ!って言わなきゃ!」

『…。んじゃぁ、待ってるから。またな。』

ガチャ。


あぁ。今度は蒼くん家か…。

「おかぁさーん。これから蒼くんの家行ってくるー。」

「あぁ。行ってらっしゃい。」

私は最大の敵、サマースクールをもって、蒼くんの家に向かった。

52つばさ:2012/08/01(水) 21:36:23 HOST:p6154-ipad203gifu.gifu.ocn.ne.jp
〈翼ver.〉
「おーい翼。おせぇよー!」

「自転車で来たんだもん!見てよ、こんなに汗かいたし!
汗はがんばったときに出るんだよ!」

「わぁったわぁった!…つかあっちぃ!中はいれー。」

私たちは蒼くんの部屋に行った。

男子のくせに、わりと整頓されていてちょっと感心。

「…ん〜。涼しい!やっぱクーラー最高!!」

「はい、ジュース。…リンゴジュースしかないけどOK?」

「うん。好きだよ、リンゴジュース。ありがと。」

私はガラスのコップに注がれたジュースを一口飲んだ。

「おいしっ!…あぁ…。勉強しなきゃ。」

私たちは机に例のサマースクールを広げて黙々と勉強した。



4時間後…――

「翼…。そろそろ終わらん?俺疲れた…。」

「うん。私も。でも久々にこんなに勉強したよ…。」

私は帰るために勉強道具をカバンにしまった。

「じゃぁ私…。」

「あ…。ちょ、ちょっと待って!」 「ん?」

蒼くん…どうしたんだろう…?

「お前さ、細川先生のこと…好きってほんと?」

「ん?…あぁ。うん。」




蒼くんは私が想像もしない事を言い出した。

「やめとけよ…。先生なんて…。無理に決まってるし…。」

…!

「なんで…。いいじゃん。好きになっちゃったんだし。」

「やだ。お前が傷つくのなんて見たくねぇ。それに…。
それにお前は先生が好きかも知んないけど、おれだって…。」

「…?蒼くんも先生好きなの?」

「ちげぇよ!やめろー…。BLはカンベン。」

あれ?違った。

今絶対そうだと思ったんだけど。

「じゃぁ、なに?」

「俺は、お前が好きだって言ってんの!どんだけバカなんだよ…。」

「…それはないでしょー…。」

だって信じられないし。

でも、こんなに頑張って告白してくれる蒼くんを見ていると



うそだとは思えなかった。

53あんみつ ◆TJ9qoWuqvA:2012/08/03(金) 11:51:30 HOST:p141213.doubleroute.jp
こんにちは
私もいれて下さい。
ルーナのファンタジー小説と楽しい仲間たち
っていうブログ来てね

54つばさ:2012/08/04(土) 09:43:11 HOST:p5023-ipad11gifu.gifu.ocn.ne.jp
〈翼ver.〉
蒼くんからの、突然の告白。

…どうすればいい?

「翼…。先生なんて辛い思いするだけだ…。俺と…付き合ってよ。俺なら翼に
そんな思いさせない。…俺と付き合って…ください。」

蒼くんは私を見つめた。

これは…誰がどう見ても…本気。

絶対に嘘じゃない。

それが分かってしまうと、断れなかった。

「…分かった。いいよ。でも…私は先生のことが忘れられないかもしれないよ?」

「いいんだよ、今はそれで。ちょっとずつ好きになってくれればいいよ。」

蒼くんは微笑んだ。

「…ていうか、時間的に帰らないと本当にまずいんだけど…。」

「んぁ?おぉ。じゃぁ送ってくよ!」

「ありがと!」


蒼くんは私を家まで送ってくれた。


このまま、好きになっちゃったほうがいいのかな。

55つばさ:2012/08/06(月) 10:27:02 HOST:p3017-ipad30gifu.gifu.ocn.ne.jp
〈先生ver.〉
『おはようございます。今日は始業式です。8時までに体育館に集まってください。』

校内放送が鳴り響く。

今日から二学期。

新しく始まるっていうのはなんか気合が入る。



始業式が終わって、生徒が体育館から出ていく。

…まぁ、たったの51人だけど。

1年 21人。  2年 16人  3年  14人

この辺じゃあたり前だけど、やっぱり少人数。

教師にとってはありがたいんだけどな。

「あ、いたいた。」

俺は多いようで少ない生徒たちの中から、翼を見つけ出した。

こんなの朝飯前。一発でできる。

すごいだろ?

「翼。ちょっといいか?」

ちょっと真面目風に呼んでみる。

「あ…はい。」

なんか…?

前よりおとなしくなった?

「おまえ、ちゃんと夏休みの課題終わらせた?」

俺は翼の頭にグーを二つセット。

「うぅ…。サマースクールが…あと3つです…。」

「なにィ!?アウトー。『グリグリの刑』開始!」

俺は翼の頭をグリグリする。

「んなぁぁ!いったーい!」

「ふっふっふ(笑)もう喰らいたくなかったら明日までにやりなさい。」

「…ふぁーい…。」

んー。


なんか元気ないよなぁ。


原因は京花と紀香のおかげですぐに分かった。

「ねぇ、翼、ほんとにあいつと付き合うことにしたの?」

「そうそう!ずっと聞きたかったんだよ!」

…あいつ?

翼は誰かと付き合っているのか…?

「うん。蒼くん、告白してきたときすごい真剣だったから。とりあえず?」

…蒼かぁ。

あんまり話したことはないんだけど。


紀香が続ける。

「じゃぁ、ぶっちゃけ先生はどうするの?」

おぉっと!

俺聞こえてるけど言っちゃう?

「…蒼くんにも言ったんだけど、多分好きなまんまだと思う。」

…。

嬉しいような…寂しいような…。

どうしようもないような気持ちになって、俺は他の生徒に紛れて

体育館を後にした。



ガラガラ…

「おはようー!」

生徒から「おはようございまーす」と、挨拶が返ってくる。

「さぁて、今日から二学期だ!二学期は…と。体育祭に…学校祭に…修学旅行に…
とまぁ、行事だらけだ!気合入れてくぞ!」

「はい!」

そう。

俺の学級は3年生。

翼の姉ちゃん、萌子のクラス、といえば分かるだろう。


去年から担任してるから、珍しく二年連続ってわけだ。

イイ奴ばっか。サイコーのクラスなんだ。

「やっべー!修学旅行!楽しみー!」

「めっちゃ楽しもうな!」

あぁ。

いい思い出作るんだぞ。



いつか、翼たちの担任もなれたら…。

あ…。


でも、翼はもう…。


俺はまだまだ、教師としても、男としても

ダメだな。

56:2013/02/24(日) 19:10:31 HOST:p4212-ipad203gifu.gifu.ocn.ne.jp
久々に投稿しまーす!

今はDSから投稿してます。

それでわまたのちほどー

57:2013/02/24(日) 20:04:17 HOST:p4212-ipad203gifu.gifu.ocn.ne.jp
【翼ver.】
蒼くんと付き合いだしてからもう三ヶ月が過ぎようとしてる。

ちょっとずつ、好きにはなってきているかなって思ってたんだけど…。

先生の顔を見るたびに、まだ好きなんだなぁって実感していた。


今は九月。

もうすぐ体育祭。

私達一年生にとって初めて。

私はそんな体育祭の応援団になった。

赤団の応援団なんだけど…。

担当の先生はなんと、細川先生。

私はどう接したらいいのかわからなくて、ずいぶん避け続けてきた。

58夜叉:2013/04/27(土) 19:03:46 HOST:wb78proxy07.ezweb.ne.jp
支援つうかageや


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