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私の先生!

48つばさ:2012/07/27(金) 20:58:13 HOST:p3236-ipad30gifu.gifu.ocn.ne.jp
〈先生ver.〉
ピーンポーン…――

あぁ…。

大丈夫かよ…俺…。

言うことは大体決まってる…。

でも、あいつを前にすると思ったことが言えない気がする。

いや…違う。

蓮と翼が同じ空間にいることが俺にとっては気が気じゃないんだ。


ガチャ―…

開いたドアから蓮が顔をひょいっとのぞかせる。

…笑顔だし。

「フフフッ…そろそろ来ると思ってたわぁ。どうぞ、あがって?」

「いや、いい。ここでいいよ。」

「え?なんでぇ…。せっかくだか…」

「すぐ済むから!」

ありゃ?ちょっと声がでかかったかも…?

俺のTシャツのすそを引っ張る翼が少し、ビクッってなった。

数秒の沈黙を破ったのは蓮。

「…で?大体は分かるけど…話ってなにかしら?」

…分かるなら聞かないでくれよ。

「蓮…。俺は…その……。」

「なによ…。」

あぁ…。やっぱり。

俺は肝心なときにうまく話せない…。

生徒だと話せるのに…。

「…れ、蓮さんっ…。あの…。」

…!

つ…ばさ…?

「先生は…あの…そのぉ…。」

蓮は翼を馬鹿にしたように笑った。

「二人して弱いのねぇ。あらら…翼ちゃん?震えてるわよ?ふふっ」

翼は悔しそうな顔をして、涙を堪えていた。

ふと顔を上げた翼と…目が合った。

その瞬間、なんか力が湧いてきた。

翼が頑張ったのに、俺…何もしてないじゃねぇか。

『生徒だと話せるのに…。』

あ。

こいつに向かって話せばいいじゃないか。

俺はニヤッと笑った。


「翼…。俺…。」

俺は翼の肩に手を回してくいっと引き寄せた。

まぁ、何のことだか分かっちゃいない翼は、そのまま俺に体を預けた。

「えぇっ…せ…せんせ!?」

どんどん顔が赤くなる翼。

ヤバい。

ちょっと…コイツの反応リアルすぎる…。


「俺、入学式で出会った日からお前のこと…。」

翼の顔は…それはもう真っ赤。

蓮は…?

…泣きそう。

こんな状況で冷静に2人の様子をうかがってる俺もなかなかすごいと思う。

「せっ…。」

あぁ。



なんか…。



『好き』って…


本物の告白しか言いたくない。

なんか…もったいない…。

って…!

それじゃぁダメじゃねぇか!



「…っもういいから!」

ん?

…蓮?

「私は…好きだよ?誠史のこと…。でも…思ってた以上に翼ちゃんのこと
好きみたいだし…それに…。」

俺と翼は自然に近づいていた体勢からもとの格好に戻る。

「それに…。もう……つらい。」

あぁ。

もう安心なはずなのに…。

傷つけてしまった。

「…でも大丈夫よ?だからそんな顔しないで…。」

あれ?

顔に出てたか…。

「正直私も…ちょっと誠史に執着しすぎてた。嫌な女だったでしょ?
それでもあなたの傍にいたかった。」

「…そっか。」

「えぇ…。でも、私じゃなくてもあなたを愛せる人はいるみたいだし。」

翼は少しうつむいた。

罪悪感…感じてんのかな。

「…翼ちゃん?」

翼はまたビクッとした。

よほど蓮が怖い存在になってるな、こりゃ。

「誠史のこと、大事にして…って、あたしが言っても意味ないけど…。
でも、もう嫌がらせることはしないっていうか…その…。」

「…?」

「…応援してるわ。」

あぁ、よかった。


若干…微妙に泣いてるけど…。


3人とも、笑ってる。


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