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ただのま相談所

1のーと:2012/03/22(木) 18:15:30 HOST:137.87.183.58.megaegg.ne.jp
注意書き
・書き手に文章力はありません。
・この作品は自己満足な内容かもしれません。
・コメントはお気軽にどうぞ(最低限のマナーは守ってください。)
・この作品はフィクションです。

未熟者ですが宜しくお願いします!

2のーと:2012/03/22(木) 18:41:56 HOST:137.87.183.58.megaegg.ne.jp
 20××年。高層マンション、見上げても上の階が見えないビル、行き交う車。昔とまったく変わらないと祖父が言っていたことを里見玲(さとみれい)は思い出した。


 ある日の昼休み、玲は大学の先輩から呼び出されていた。
正直あまり話したこともない人で、玲は何故呼び出されたのかまったく分からなかった。
「あの・・お話というのは?」
不安な顔をしている玲を先輩、山木蒼太(やまきそうた)はじっと見つめ・・・数秒後吹き出した。
玲はいきなり笑われて訳が分からないといった感じだ。
「ごめんごめん!悪気はないんだ。ただ君があまりにも不安そうな顔をしているから」
だからなんなんだ。とつっこんでやろうとしたが止めた。仮にも先輩だ。
「用件が無ければ・・もう、いいですか」
はっきり言えば早く家に帰って昨日読んだ本の続きが読みたい。
「ああ待って待って。ごめん、単刀直入に聞くと玲ちゃん左藤さんと仲良いよね」
「はい」何故いきなり馴れ馴れしく名前で呼んでくるのか聞きたかったがそれもやめておいた。
左藤とは山木と同じく大学の先輩だ。左藤ゆり(さとうゆり)黒く長い髪、整った顔立ち、頭もよく人当たりも良い絵に描いたような女性だ。
玲は彼女とは家が近所で、いわゆる幼馴染だ。玲にとって彼女はお姉さん的存在だ。
「実は彼女、最近大学を休んでるんだ。その理由知らないかな?」
「いえ・・・私も知りません・・・」
無断で大学を休んでいることは玲も知っていた。心配で家に行って様子を見に行ったりもした。しかし・・・
『ごめんね玲ちゃん。今あの子、誰とも会いたくないみたいなの』
ゆりの母にそう言われた。
「そうか・・・ありがとう」
山木は笑顔でそう言うと玲の頭をポンポンとかるく叩きその場から去って行った

3のーと:2012/03/22(木) 18:57:20 HOST:137.87.183.58.megaegg.ne.jp
  〇

昼の事を思い出していた。
山木蒼太はどうして ゆり について聞いてきたのだろうか。

「もしかして・・・付き合ってる・・とか」

そう思ったがその考えはすぐ消え失せた。ありえないのだ。
山木蒼太はふわふわとしたくせっ毛で茶髪。そして見るからに女慣れしている。
ゆりの好みは黒髪で清楚な雰囲気の人だ。山木のイメージとはまったく違う。

 「悩み事ありませんかー!!!」

背の小さな男の子が右手でチラシを持ち、それを振りながら大きな声で叫んでいた。
 なんだろう・・・。
左手では大量のチラシを抱えている。あれでは夜になっても減らない。

「一枚、もらえますか」

見かねて一枚貰うことにした。

「はい。悩み事があればどうぞ!」

「ありがとう」

そう言ったあと音楽が流れてきた。携帯の着信音だろう。

「はい、もしもし」

今チラシを配っていた男の子が携帯電話を手慣れた手つきで取り出した

「はい・・・え?帰ってこい?何言ってるんですか!仕事もないくせに!あ、ちょっ!」

どうやら通信が切れたようだ。
携帯を耳からはなしため息をつきながら携帯をポケットにしまった。

「坊や、お家までついていこうか?」

夜、ではないと言っても子供が1人で帰るには少し暗すぎる。帰っている間に真っ暗になるだろう。
「あ、いえ」と小さな声で言ったように思えたが少し考えるそぶりを見せた後、少年は

「おねがいします!」

何か裏があるのでは、と思わせるほどの笑顔でそう答えた。

4のーと:2012/03/26(月) 16:10:59 HOST:137.87.183.58.megaegg.ne.jp
 〇
 少年に案内されるまま歩いていると見慣れた景色からどんどん離れていく。
思っていたよりも遠い場所に住んでいるようだ。

「ねえ、君はどこに住んでるの?」

そう言葉にした後、少年の方を向くと「え・・・」横にいたはずの少年がいないことに気づいた。
 しまった歩くペースが速すぎたか・・・。
すぐに後ろを振り向いた。
するとそこには少年の頭を優しくなでながら話しかけている・・見知った顔があった。

「山木・・先輩?」

「やあ、玲ちゃん」

山木は笑顔で返し「この子ここまで連れてきてくれたんだ。ありがとう」と続けた。
どうやら二人は知り合いらしい。

「いえ、先輩の・・・弟さんですか?」

「うーん。そんな感じかな」

「その子チラシ配ってました」

「だろうね」

その後山木が何か言った気がしたが聞こえなかった。
 

 〇
 山木はもうここで大丈夫と言い玲と別れた。
玲は山木に軽く頭を下げ微笑みながら少年に手を振った。
しかし少年は無表情のままだった。玲の表情を見て山木は少年が無表情であることに気づいた。
山木は少年に何か言うと

「ばいばい!お姉さん!」

少年はいきなり笑顔で手を振ってきた。
突然すぎて言葉を出すことができなかった。

5のーと:2012/03/26(月) 16:26:11 HOST:137.87.183.58.megaegg.ne.jp
 〇


「こんにちは〜!」

山木の陽気な声が室内に響く。
大きなビルの間にひっそりと建つ家。その2階の奥の部屋に山木は訪れていた。
山木の隣には数分前までチラシを配っていた少年もいた。

「いやーこのこ便利ですね。さすが最新型の『ロボット』」

「ロボットロボット言わないでください山木。僕に失礼だと思わないんですか?」

「ごめんごめんロボ君。でも本当に命令したことしかやらないし、言わないんだね」

ふんっとロボ君と呼ばれた少年はそっぽを向く。
ロボ君と呼ばれた少年はロボットだ。最新型のお手伝い用ロボ。
命令されたことを忠実にする世界で数体しかないロボットだ。

「自分を馬鹿にされたら感情を出す。面倒くさい実に人間に近いロボットだよ」

そう言う人間は大きなイスに座っている。
整った顔をしていて、白いシャツに黒いベストを着ている。それに似合わずぼさぼさの黒髪。

「唯野間さん何してるんですか?」

山木の問いにあからさまに嫌な顔をする。「君は馬鹿か・・・本を読んでいる。それ以外にオレが何をしている」
そう言うと唯野間はゆっくりと立ち上がった。
本を近くの机に置き、窓の近くに立った。

カーテンをゆっくりとあける。

「あの女が依頼者の幼馴染か?」

「ああ、そうみたいですね。ちょーっとガード固いですけど」

「それは山木がチャラそうな見た目だから警戒されたんですよ」

「うっわあロボ君ひでえ」


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