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1
:
一戒
:2011/07/01(金) 18:44:42 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
はじめまして
一戒(いっかい)と申します。
今作品は恐らく、異世界バトルファンタジーになると思います。
感想やアドバイス、質問などお待ちしております!!
不束者ですが、どうぞよろしくお願い致します。
注意
※冒頭部分でいきなりハード(?)な内容となります。
物語の中盤に入っていくにつれグロ表現がバンバン出てきます。
厨二病的物語展開になる可能性高し、です。
それでも良いという方、よろしくお願いします^^
―キャラ紹介―
●功徳林・優河(くどり・ゆうが)
性別:男
年齢:16歳くらい
身長:170cm前後
血液型:不明
誕生日:不明
一人称:僕
好きなもの:ミルクティー、女の子
嫌いなもの:魚介類、面倒臭い事
呪い:喰い道楽(オールイーター)
備考:顔は綺麗で、澄んだ瞳が特徴的。
記憶喪失。
大体いつもビロンビロンに伸びた寝巻き姿。
●真尋(まひろ)
性別:女
年齢:17歳
身長:169cm
血液型:AB型
誕生日:12月19日
一人称:私
好きなもの:スイーツ、特にシュークリーム
嫌いなもの:自己中心的な人、やたら足の多い虫
呪い:解術
備考:容姿端麗。
何故か常に制服姿。
―ストーリー紹介―
舞台は顕界と幽界の狭間に存在する世界。
ある条件を満たした者のみが行けるという、その世界は
地理も道理も概ね顕界と同じだけれど、明確に違うところが一つだけあった。
それは、『呪い』と呼ばれる性質の存在。
この世界に来た者、この世界で生まれた者は例外なく、『呪い』というペナルティーを科せられる。
人によって呪いの具体的な概要、重度などは異なるものの、そのどれもに共通していることは
『異常』だということ。
その異常な特殊能力を利用して顕界に進出しようと企む組織、
『パイオニア』の野望を阻止すべく、裏方でこっそり戦う少年と少女の暗躍を描いたのが本作である。
ストーリー紹介、長ぇ……
2
:
一戒
:2011/07/01(金) 19:00:39 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
ぷろろーぐ 【少年】
今日も少年は飢えていた。
空腹、という意味ではない。
彼は『女』に飢えていた。
女性の全てを欲していた。
渇望していた。
特に美しい女性、心身ともに美を兼ね備えた女性を求めていた。
彼自身、女性に対する執着が何故ここまで強いのか、全く分かっていなかったが、
だからといって、その飢えに抗うことはできなかった。
どうしようもないほど強烈な下腹の疼きに打ち勝つ事ができなかった。
3
:
一戒
:2011/07/01(金) 19:05:41 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
彼はある日、とある女性と数回もの『行為』を体験した。
初めての快感。飢えからの解放。
そして『行為』の最中感じた、女性と一つになるという、えも言われぬ満足感。
これが、自分の求めていたモノだったのだと、その時彼は思った。
それからも少年は女性との『行為』を繰り返した。
お互いの欲求を満たすために、ただそれだけのために、
彼らは交わり続けた。
4
:
一戒
:2011/07/01(金) 19:19:34 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
しかし、やがて少年は自分の中の変化に気付く。
その女性との『行為』に勤しむ事で緩和されていた飢えが、回数を増す毎に段々、解消できなくなってきていることに。
むしろ、徐々に強く濃く深いモノになってきているということに。
週に一度だった『行為』は二度になり『行為』自体もより過激なものへとシフトしていく。
でなければ満足できないのだ。
初期の頃のような生易しいモノでは飢えを抑える事ができない。
少年はもう自分を止めることができなくなっていた。
薬物中毒のような悪循環の影響で、自暴自棄になってさえいた。
このまま性欲に溺れるのも悪くない、と次第にそんな考えに移行しつつもあった。
5
:
燐
:2011/07/01(金) 19:37:57 HOST:zaq7a66fcd6.zaq.ne.jp
・・・なんか凄い小説・・
応援します!!
6
:
一戒
:2011/07/01(金) 19:44:05 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
そんな風に彼の精神が磨耗し、衰弱していく一方で、
女性への執着心はますます盛んに、エスカレートの一途を辿っていた。
一人の女性ではなく、何人もの女性と関係を持つようになり、彼女達と遊ぶ頻度も更に増し、
『行為』の内容は最早、嫌悪感を覚えるほど悪質なものになった。
それでも、そこまでしても、
なお、治まらない下腹の疼きに苦しんだ彼は、
ある夜、一つの決心をした。
初めて、女性と共に明かした夜に感じた充足感。
自分が女性と一つになるという熱い感触。
あれをもう一度再現する事はできないか、と少年は考えた。
あの恍惚に何度でも浸ることができたなら、
このどうしようもない飢えを解消する事ができるのだと。
彼は考えた。
一晩中。
狂わんばかりの飢えと渇きに耐えながら。
飢えを抑える方法。
女性と一体になる手段。
それも一時的にではなく、永続的に女性と一体になれる術。
そうして考えた末に、彼は一つの結論にたどり着いた。
女性と一つになる。その方法は。
なるほど、案外簡単な事だったのだ。
『女達を食べてしまえばいい』
そうすれば、間違いなく、彼女達と『一体になる』ことができるだろうから。
7
:
一戒
:2011/07/01(金) 19:47:38 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
燐さん、コメありがとうございます!
しょっぱなから酷い内容で、申し訳ないです><
精一杯、頑張ります!
8
:
燐
:2011/07/01(金) 20:00:03 HOST:zaq7a66fcd6.zaq.ne.jp
一戒s>>酷くないですb
私も小説かいてますが、この掲示板では更新してません。((残念ながら・・w
9
:
一戒
:2011/07/01(金) 21:17:29 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
燐さん
良かったです^^
正直、運営に引っかかるのでは…?とビクビクしてたんで(笑)
それは残念です><
燐さんの小説読んでみたかった・・・
燐さんも頑張ってください^^
10
:
燐
:2011/07/01(金) 21:24:25 HOST:zaq7a66fcd6.zaq.ne.jp
一戒s>>でも、あらすじぐらいならこの掲示板で更新できます。
11
:
燐
:2011/07/01(金) 22:41:25 HOST:zaq7a66fcd6.zaq.ne.jp
でも、私の小説は、未来系な話なんでw
舞台は、西暦2500年の話なんでww
12
:
一戒
:2011/07/03(日) 09:14:42 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
燐さん
是非とも読んでみたいですね
13
:
燐
:2011/07/03(日) 09:44:22 HOST:zaqdb739c42.zaq.ne.jp
じゃ、プロローグだけ書いておきます。
時は・・・西暦2500年・・
人類が滅亡して、およそ10年・・・
でも、ある一人の少女だけが生き残った。
人類最後の希望という者が・・
名前は、ホワイト☆レザーソール
ツインテールの長い髪に黒と白の色がかかった髪。
白いコートを羽織り、無口な少女。
彼女は、10年前の大規模な戦争により、家族を失い、家さえも
失った・・・
そんな彼女が、どう立ち向かっていくかの話です。
これぐらいかな・・。
14
:
一戒
:2011/07/03(日) 09:57:25 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
燐さん
ありがとうございます^^
頑張ってください
15
:
燐
:2011/07/03(日) 10:20:01 HOST:zaqdb739c42.zaq.ne.jp
一戒s>>はい!頑張ります!!
出来たら、この掲示板で、1から公開出来ますが・・
時間が空いたら、スレを立てて、更新します
16
:
一戒
:2011/07/03(日) 10:33:06 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
燐さん
楽しみにしてます!
17
:
燐
:2011/07/03(日) 10:55:32 HOST:zaqdb739c42.zaq.ne.jp
一戒sも、良かったら見に来てください!!
あと、一戒sって女ですか?
18
:
一戒
:2011/07/03(日) 11:06:54 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
燐さん
もちろん行きますよー
それは内緒☆
19
:
燐
:2011/07/03(日) 11:15:37 HOST:zaqdb739c42.zaq.ne.jp
一戒s>>そうなんですか;(ま、個人情報だしなwある意味w
20
:
一戒
:2011/07/03(日) 12:22:17 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
燐さん
そうなんです。
この掲示板に小説投稿したらお知らせしてくれると助かります!
突然ですが今後出てくる用語をちょっと紹介
・顕界(げんかい)
人間界の事。この世とも。
・幽界(ゆうかい)
いわゆる死後の世界的な所。あの世とも。
・境界(きょうかい)
顕界と幽界の狭間に存在する世界。
ある一定の条件を満たした者のみが行ける場所であるが、基本的には一方通行なため、
一度境界に来た者は元の世界に戻ることはできない、と言われている。
構造(地形)は顕界とほぼ同じであり、文明の発展はやや顕界に遅れているが不便に感じることはあまり無い。
(医学はだいぶ遅れている。精密機器などの技術も全く追いついていない。とは言えパソコンや携帯電話は普及している)
なお、地形は同じだが町や都市は顕界のそれとは異なっている。
ちなみに物語の主な舞台は顕界でいう日本の東京付近である。
また、境界に来た者は元の世界の座標と一致する場所に最初に降り立つ。
(余談だが、運が悪い者は海や崖といった所に現れて、新天地に立つ前に召されてしまったりする)
つまり、境界に飛ばされた者は、元の世界と同じような場所へ来ることとなる。
そのためほとんどの場合、言語や価値観の違いが出ることはなく初心者でも困る事は少ない。
そして最後に。境界に来た者、境界で生まれた者には『呪い』と呼ばれる性質が備わる。
この『呪い』は一生消えることはなく、宿主の一部として組み込まれることになる。
詳しい設定や用語解説はまた後ほど、投稿しておきます
21
:
燐
:2011/07/03(日) 12:37:41 HOST:zaqdb739c42.zaq.ne.jp
一戒s>>凄いですね。
私の小説は、ある意味会話が少し多いw
22
:
一戒
:2011/07/03(日) 12:45:37 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
燐さん
そんな、照れる(笑)
会話の多い小説はリズム良く読めるので結構好きですよ^^
23
:
燐
:2011/07/03(日) 12:59:34 HOST:zaqdb739c42.zaq.ne.jp
一戒s>>そうなんですか。
でも、妹には「会話が多い小説って終わってる」とか
自分の意見を通すw
24
:
一戒
:2011/07/03(日) 13:06:53 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
だいいちわ 【解術屋】
「はい、こちら解術屋です」
種々雑多な物で彩られた小部屋内に突如流れ始めた軽快なリズムの着信音が一秒足らずで途切れる。
デスク上に積み重なった書類の頂に鎮座している電話を取ったのは、ビロビロに伸びた寝巻き姿の少年だった。
彼は堂々とデスクに腰掛けて、ペットボトルのお茶を片手に、受話器との対話を繰り返している。
「はい。あー、はい。分かりました、そうですね……。今から伺えるとは思いますが……」
丁寧語には慣れているのか淀みなく答えて、少年は手の中のボトルをペン回しのように回転させた。
「はい。……はい。では30分後に伺いますので」
ガチャリ。相手が受話器を置くのを確認してから少年も受話器を規定の位置に戻す。
彼は気怠げに欠伸を一つすると、目じりに浮かんだ涙を寝巻きの袖で拭った。
少年――解術屋の従業員である彼の名は、功徳林・優河(くどり・ゆうが)
童顔のおかげで幼く見えるが、年の頃は15、6歳であろうか。
整った目鼻立ちは、童顔なことも手伝ってカッコイイというより、愛嬌を感じさせる。
加えてその穢れを知らない少女のような澄んだ瞳が彼の純粋さを表しており、
どこか令嬢のような雰囲気すら漂わせていた。
しかし……そんなプラスのイメージをダブダブビロビロの寝巻きが台無しにしている。
真っ黒な髪も寝癖が酷く、端整な表情も怠そうで、現状彼は寝起き最悪のガキのようであった。
25
:
一戒
:2011/07/03(日) 13:09:19 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
燐さん
それでいいと思います^^
26
:
燐
:2011/07/03(日) 13:22:30 HOST:zaqdb739c42.zaq.ne.jp
一戒s>>分かりました。
ありがとうございます。
27
:
一戒
:2011/07/03(日) 20:35:51 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
デスクから降り立った優河は残り少ないお茶を仰いだ。
だぶだぶの袖が両手を覆っているため滑るのか、やや飲みにくそうにしていたが、
やがて飲み干して、空のペットボトルを無造作に放る。
コツン。透明な容器は放物線を描いて硬い物の上に落下する。
それは少女の頭部だった。
「い、痛……」
茶色に近い黒の髪越しに側頭部をさすりつつ、デスクの谷間から現れたのは
ブラウス・スカートといったごく普通の制服に身を包んだ少女。
少女、とは言っても外見上は優河と同い年か、それ以上に見える。
目を見張るような白さの肌。高い鼻梁に、桃色の唇。
スタイルも割かし良く、乱れたスカートから覗く太腿に優河は、つい視線を向けてしまう。
そんな感じにコケティッシュな彼女は、
どうやら床に積もった書類の山に埋もれて寝ていたようで、その目は眠たげに半開きだった。
ほっそりとした首筋を掻きながら少女は優河へ一瞥をくれる。
「んぅ……。今、夢の中で中華料理豪華フルコースに喰らい付くところだったのに……
くどり君の起こし方に悪意を感じる……」
「あー、そいつはお気の毒に」
ごしごしと目をこする少女に、悪びれることもなく優河は言った。
よく見れば間抜けなことに、彼女は書類を抱き枕がわりにしていたらしい。
胸の前できゅっ、と書類の束を抱きしめる少女に優河は頬を緩めるのだった。
「っと、和んでる場合じゃないな。
真尋、今から出かけるからとりあえず、出る支度を早急にしてくれない?」
真尋と呼ばれた制服少女は優河の言葉に小首をかしげて、
「出かける?……こんな朝っぱらからデート?」
「んなわけないから、フツーに考えて! 仕事だよ、仕事! 今さっき依頼が来て30分後に行きます、
って言っちゃったからとっとと顔洗って、歯磨いて、服着替えなさい!」
「あいあいさー」 「と言いつつ二度寝しようとすんなよ!!」
28
:
燐
:2011/07/03(日) 21:05:30 HOST:zaqdb739c42.zaq.ne.jp
プロローグを更新しました。
29
:
一戒
:2011/07/03(日) 21:49:08 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
燐さん
定期的に確認するので、報告しなくても大丈夫ですよ^^
30
:
燐
:2011/07/03(日) 21:51:29 HOST:zaqdb739c42.zaq.ne.jp
一戒s>>分かりました。
31
:
☆愛優羽o○*。:*
:2011/07/03(日) 22:16:55 HOST:p22168-ipngn100107osakakita.osaka.ocn.ne.jp
頑張ってくださいぃぃい(*OUO愛*+>★☆
私も今日から、『 ヘブン 』という小説と、
『 怪盗執事 』というへったくそな小説を書き始めたんです!!^^*
よかったら見に来てください!!!(ノ∀`*)タハー
応援してます(っ^ω^)っ
32
:
一戒
:2011/07/05(火) 17:26:16 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
愛優羽さん
コメありがとうございます^^
是非見に行かせてもらいます
33
:
一戒
:2011/07/07(木) 19:11:57 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
うがー、と両手を上げて襲い掛かる真似をすると彼女は無邪気に笑って洗面所の方へ逃げていく。
彼女の背中を見送ってやれやれ、と手を下ろし優河は苦笑いを浮かべた。
今、優河のいる書類の溢れかえったこの部屋は、彼も仕えている『解術屋』の事務所だ。
薄い壁を挟んだ向こう側は優河や、真尋、その他解術屋従業員達の共用の生活スペースとなっていて
(流石に寝室は男女別となっているが)いわゆる住み込み働きをしているというわけである。
今朝、夜勤の連中と入れ替わるように事務所、というか事務室にやって来た優河は
何故かデスクに突っ伏して就寝中の昼勤の同僚、真尋を発見した。
仕方なしに目玉焼きとトーストを焼いてから、起こしてやると彼女は半分眠ったまま
手早く朝食を済まし、今度は書類の山の中に突っ込んで再び「おやすみなさい」してしまった。
その後、優河はペットボトルのお茶でちびちびと喉を潤しつつ、
仕事をさぼって惰眠を貪る真尋にどんな悪戯をしてやろうか悶々考え続けたわけなのだが、
それはまた別の話。
なんやかんやで現在へ至る。
34
:
一戒
:2011/07/12(火) 17:11:09 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
時刻は午前9時。
依頼者との約束の時間まであと20分ほどの猶予はある。
落ち合う場所は一駅分離れた割かし近い児童公園だと言うので遅刻する可能性は低いだろう。
もちろん、真尋次第だが。
優河は、慌ただしく出発の準備を整えていく真尋を横目に、
のんびりとした動作でデスクの上の黒い髪留めを手に取った。
彼の目元まで伸びた前髪を上げて固定するためのミラクルアイテムである。
ただ、これを付けると「女の子みたい」と真尋に笑われる副作用が
もれなく付いてくるのだが、そんなことを気にしていては仕事にならない。
前髪を切れば済む話だが、生憎最近は仕事が立て込んでいてそんな暇もないのだ。
自前の手で散髪する打開策もあるにはあるが、仕事場に女子がいる手前、
髪型を疎かにするのはお年頃の彼としても少々頂けない方法なのであった。
そういうわけなので今日も、
「髪の毛……切りに行きたいな」
誰ともなく呟いて、前髪を上げる作業に入る優河なのだった。
35
:
一戒
:2011/07/12(火) 21:17:20 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
5分後、急ピッチで全ての支度を終えた真尋と、
依然としてぶかぶかだぶだぶの寝巻きを着用している優河は、
解術屋事務所となっている雑居ビル2階から若干駆け足で降りていた。
優河が寝巻き姿で仕事場に向かうのは毎度の事だが、
れっきとしたキャリアガールである真尋としては、少し腑に落ちなかったりもする。
彼は、動きやすくて仕事に向いている、と言い張るが、
このびろびろだぶだぶの舐め腐った服装は依頼者への態度としてどうなのだろうか、と思うわけだ。
階下へと続く鉄製の階段を駆け下りていく中、
その伸びきった袖が視界に入り込む度に、真尋はそんな疑問を抱かされる。
まぁ、彼が寝巻きを好き好んで着ているのは他に明確な理由があるので、真尋は口出しできないのだが。
ちなみに真尋も先ほどと全く同じデザインの制服を着ているが、
こちらは新品同様の輝きを放っており、特に問題点も見当たらない。
そんな彼女がセミロングの髪をポニーテールにして、仕事用のハンブルな鞄を持ち、
可愛らしい制服をはためかせて走っている姿は、学校に遅れそうになっている女子高生を思わせた。
二人は特に会話も交わさず、雑居ビル下の駐輪所を兼ねた駐車場へと入っていく。
彼らの足となる交通手段は原動機付自転車、いわゆる原チャリだ。
解術屋の仕事は依頼者からの要望に基づいているため、
どちらかと言うと外に出向くなどの実践的な動きが求められる。
だからこそ、迅速な移動を目的とした交通手段が必要なのだ。
バイクなら年齢的にも問題はないし、渋滞などに悩まされる心配もない。
ちゃっかり同乗者用座席もセットしているため、二人乗りしても大丈夫という優れものである。
真尋は自分の所有物である青色のシンプルな原チャリに近寄ると、
座席下のスペースからヘルメットを取り出してかわりに鞄を押し込んだ。
優河がヘルメットを装着し手際よくシートに跨るのを確認してから、
彼女もバイクに乗る。
「それじゃ、依頼の概要は走行しながら説明するから」
優河の言葉に頷いて、真尋は景気良く、「出発進行!」と声を張り上げた。
36
:
一戒
:2011/07/22(金) 16:46:40 HOST:40.208.2.110.ap.yournet.ne.jp
少女は名を築城・乃愛(ついき・のあ)といった。
年は12歳。
四月から中学生になる予定の彼女は、文房具などの学用品を買うために母親に連れられてデパートに来ていた。
そのはずだった。
「ちょっと……ここ、どこ?」
しかし、只今の乃愛の現在地は見た事もない児童公園の砂場の上。
気付いた時には既に砂山の上で、横座りしていたのだ。
何が何だか全く分からず混乱しながらもとりあえず立ち上がり、
乃愛は砂で汚れたシフォンワンピースの臀部を払う。
37
:
一戒
:2011/07/28(木) 18:10:51 HOST:40.208.2.110.ap.yournet.ne.jp
何故自分がこんな所にいるのか、乃愛は全く分からない。
そもそも自分の足でここまで来たのか、それとも誰かに連れて来られたのかすら分からないのだ。
いや、分からないというよりは記憶に無い、と言ったほうが正しいか。
覚えているのは母と共にデパートに行って、鞄を買ったところまでだ。
それから今この公園で我に返るまでの記憶が全て飛んでいる。
乃愛はワケの分からないこの状況に薄ら寒さを覚えたが、
このまま砂場に突っ立っているわけにもいかないので何か行動を起こそうと、
ポケットをごそごそ漁ってみた。
幸い、携帯電話は健在だった。
中学生祝いに初めて買って貰ったケータイである。
乃愛は砂場から公園内のベンチに移動して、まだ慣れないケータイをぽちぽちいじった。
そして電話帳に“ママ”と登録されている携帯番号を迷わずコールしてみる。
しかし、返ってきたのは『現在この番号は使われていません』という
オペレーターの冷たい電子音声だった。
「え……?」
どうして?という声は言葉に出ない。
何かの間違いだろう、と乃愛はもう一度コールしてみるが、やはり返ってきたのは電子音声だけ。
それから、五回ほどオペレーターの声を聞き続けた乃愛は諦めて、今度は父親の方に電話をかけてみる。
しかし、結果は同じだった。
38
:
燐
:2011/07/28(木) 18:14:47 HOST:zaqdadc2824.zaq.ne.jp
久しぶりに来ましたw
でも、読む暇がないんで、今度読みます!
39
:
一戒
:2011/07/29(金) 17:58:44 HOST:40.208.2.110.ap.yournet.ne.jp
燐s>>
おひさです^^
是非読んでくださいなー
40
:
レトロ
:2011/08/01(月) 14:09:53 HOST:w22.jp-t.ne.jp
プロローグに惹かれましたo(^-^)o
でも背景描写はもう少しした方がイイと思います
偉そうにスミマセン(>_<)
頑張って下さい(^O^)
41
:
一戒
:2011/08/04(木) 14:43:11 HOST:40.208.2.110.ap.yournet.ne.jp
コメントありがとうございます^^
いえいえ、貴重なご意見ですよ!
是非今後の参考とさせていただきます!
42
:
一戒
:2011/08/05(金) 16:37:14 HOST:40.208.2.110.ap.yournet.ne.jp
最後の手段として、メールを送ろうともしたが、
ディスプレイには『送信に失敗しました』という無情な文字ばかりが浮かぶ。
「駄目だ……なにこれ、使えない……!」
乃愛としては、必要な時に役にたたないケータイなど投げ捨てたい気分だったが、
唯一の通信手段をそんな理由で失くしてしまうのも惜しい。
非常事態で何より必要されるのは冷静な判断能力だ。
今使えないからと言って携帯電話を捨ててしまったら、
それこそ八方塞がりになってしまう。
乃愛は手の中で痛いほど握り締めたケータイをポケットにしまいこみ、
数回深呼吸をして、自分を落ち着けた。
43
:
kokoro
:2011/08/31(水) 10:11:52 HOST:d219.Osa8N1FM1.vectant.ne.jp
世の中には簡単で儲かる仕事があるもんだ(・_・)。 ttp://tinyurl.k2i.me/Afjh
44
:
saorin
:2011/09/04(日) 17:31:17 HOST:7c294c75.i-revonet.jp
>>楽に稼げるアルバイトの件。情報載せておきます(;・ω・)☆ ttp://tinyurl.k2i.me/eQAZ
45
:
yuri
:2011/09/04(日) 17:56:04 HOST:7c294c75.i-revonet.jp
不景気だと騒がれていますが・・・(*・ω・)☆ ttp://tinyurl.k2i.me/Xxso
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