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35
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一戒
:2011/07/12(火) 21:17:20 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
5分後、急ピッチで全ての支度を終えた真尋と、
依然としてぶかぶかだぶだぶの寝巻きを着用している優河は、
解術屋事務所となっている雑居ビル2階から若干駆け足で降りていた。
優河が寝巻き姿で仕事場に向かうのは毎度の事だが、
れっきとしたキャリアガールである真尋としては、少し腑に落ちなかったりもする。
彼は、動きやすくて仕事に向いている、と言い張るが、
このびろびろだぶだぶの舐め腐った服装は依頼者への態度としてどうなのだろうか、と思うわけだ。
階下へと続く鉄製の階段を駆け下りていく中、
その伸びきった袖が視界に入り込む度に、真尋はそんな疑問を抱かされる。
まぁ、彼が寝巻きを好き好んで着ているのは他に明確な理由があるので、真尋は口出しできないのだが。
ちなみに真尋も先ほどと全く同じデザインの制服を着ているが、
こちらは新品同様の輝きを放っており、特に問題点も見当たらない。
そんな彼女がセミロングの髪をポニーテールにして、仕事用のハンブルな鞄を持ち、
可愛らしい制服をはためかせて走っている姿は、学校に遅れそうになっている女子高生を思わせた。
二人は特に会話も交わさず、雑居ビル下の駐輪所を兼ねた駐車場へと入っていく。
彼らの足となる交通手段は原動機付自転車、いわゆる原チャリだ。
解術屋の仕事は依頼者からの要望に基づいているため、
どちらかと言うと外に出向くなどの実践的な動きが求められる。
だからこそ、迅速な移動を目的とした交通手段が必要なのだ。
バイクなら年齢的にも問題はないし、渋滞などに悩まされる心配もない。
ちゃっかり同乗者用座席もセットしているため、二人乗りしても大丈夫という優れものである。
真尋は自分の所有物である青色のシンプルな原チャリに近寄ると、
座席下のスペースからヘルメットを取り出してかわりに鞄を押し込んだ。
優河がヘルメットを装着し手際よくシートに跨るのを確認してから、
彼女もバイクに乗る。
「それじゃ、依頼の概要は走行しながら説明するから」
優河の言葉に頷いて、真尋は景気良く、「出発進行!」と声を張り上げた。
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