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パリンプセスト
27
:
一戒
:2011/07/03(日) 20:35:51 HOST:91.179.0.110.ap.yournet.ne.jp
デスクから降り立った優河は残り少ないお茶を仰いだ。
だぶだぶの袖が両手を覆っているため滑るのか、やや飲みにくそうにしていたが、
やがて飲み干して、空のペットボトルを無造作に放る。
コツン。透明な容器は放物線を描いて硬い物の上に落下する。
それは少女の頭部だった。
「い、痛……」
茶色に近い黒の髪越しに側頭部をさすりつつ、デスクの谷間から現れたのは
ブラウス・スカートといったごく普通の制服に身を包んだ少女。
少女、とは言っても外見上は優河と同い年か、それ以上に見える。
目を見張るような白さの肌。高い鼻梁に、桃色の唇。
スタイルも割かし良く、乱れたスカートから覗く太腿に優河は、つい視線を向けてしまう。
そんな感じにコケティッシュな彼女は、
どうやら床に積もった書類の山に埋もれて寝ていたようで、その目は眠たげに半開きだった。
ほっそりとした首筋を掻きながら少女は優河へ一瞥をくれる。
「んぅ……。今、夢の中で中華料理豪華フルコースに喰らい付くところだったのに……
くどり君の起こし方に悪意を感じる……」
「あー、そいつはお気の毒に」
ごしごしと目をこする少女に、悪びれることもなく優河は言った。
よく見れば間抜けなことに、彼女は書類を抱き枕がわりにしていたらしい。
胸の前できゅっ、と書類の束を抱きしめる少女に優河は頬を緩めるのだった。
「っと、和んでる場合じゃないな。
真尋、今から出かけるからとりあえず、出る支度を早急にしてくれない?」
真尋と呼ばれた制服少女は優河の言葉に小首をかしげて、
「出かける?……こんな朝っぱらからデート?」
「んなわけないから、フツーに考えて! 仕事だよ、仕事! 今さっき依頼が来て30分後に行きます、
って言っちゃったからとっとと顔洗って、歯磨いて、服着替えなさい!」
「あいあいさー」 「と言いつつ二度寝しようとすんなよ!!」
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