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歪曲の始まり-Sieben grobe Verbrechen-

1初深 紗雪 ◆RTk.ch61hE:2011/04/04(月) 15:47:09 HOST:p2142-ipbf210aobadori.miyagi.ocn.ne.jp

初めまして。又はお早う御座います、今日は、今晩はの方もいらっしゃる事でしょう。
この作品で二作品目となります。初深 沙雪(ハツミ サユキ)と申します。

学園系、それ故童話じみたお話にしていこうと思い新しく小説を書かせていただきます。もう一作品の方は更新が遅くなってしまいますが、更新していこうと考えております。
さて、「歪曲の始まり-Sieben grobe Verbrechen-」を書いていきますがまたそれなりに歪んだ物語を書くつもりですのでご了承を。「Sieben grobe Verbrechen」はドイツ語で「七つの大罪」これは後々小説内で重要になってくるかと思われます。七つの大罪の説明は小説内で。
そして今回も同じく更新が未定で遅くなってしまう可能性が十分の御座いますのでそこもご了承の上で進んでいただけると幸いであります。


†注意事項†
*グロい表現が毎度ながら出てくると思われます。私としても何時何処に出てくるかなど一切の未定で御座います。なるべく遠まわしに表現するように努力を致しますが、それなりにグロいものや遠まわしに出来ないものなど沢山出てきますので苦手な方は此処でUターンお願い致します。
*この小説には魔術師、能力者、又は三次元では有り得なさそうな者達が出てきます。そして宗教的単語は少なからず出てきますのでそういうのが嫌いだとかいう方は見ない事をお勧めいたします。
*学園系の物語ではありますが童話的世界の展開が繰り広げられる場合がございますので此方の方もご了承を。しかし童話といっても完全オリジナルの童話です。
*小説の何処かには必ずと言って良い程ドイツ語出てきます。しかし私も言葉や単語は曖昧ですので間違っていても見逃してくださるとありがたいです。
*荒らし、中傷、暴言などは受け付けておりません。そしておやめください。
*感想やアドバイスなどは気軽に書いていってください。しかし一行レスはおやめください。

*前にも言った通り自作の小説は初心者にかなり近いので表現などが曖昧だったり、変な言葉になっていたりと大変読み辛くなると思われます。殆どは私の自己満足と言っても良いでしょう。そんな作品でも見てあげるよ、という方は宜しくお願いしますね。*



Wo ist das Ende von der Geschichte...?(物語の終焉は何処に在るのかしら?)

2初深 紗雪 ◆RTk.ch61hE:2011/04/04(月) 17:53:07 HOST:p2142-ipbf210aobadori.miyagi.ocn.ne.jp
--序章-私達の使命-

 しん、と張り詰めた空気がとても緊張感を与える。静寂に包まれている建物の中はまるで人が全て居なくなってしまったかのよう。しかし此処の建物は学校、という事だけあってうるさくても良いはずだ。何故こんなに静かなのか、というと理由は一つ。授業の真っ最中なのである。授業と言っても数学や国語などを熱心に勉強するのではなく「能力」に関しての勉強である。
説明するとここの学校「九十九学園(ツクモガクエン)」は森を切り開き、森のど真ん中に構える学園。というのも理由があるからだ。その理由というものは授業内容が違う事からして分かる通り世間では有り得ない能力を有する生徒達が通う学園なのだ。幼稚園は存在せず、小学校から大学まで揃うマンモス校。設備も普通とは絶対に有り得ない技術を使った設備となっており、非常に過ごし易い。勿論此処に入った生徒は寮に入る事となり、家に帰れるのは長期休暇の場合のみという事になっている。
さて、能力の事に戻りまた説明すると能力というのは三つに振り分けられる。一つは「超能力」これはレベルごとに分けられておりレベル1からレベル6まであるとされている。レベル1は葉を浮かせられる程度の威力、レベル2は重い物を浮かす事が出来る程度の威力、レベル3は車一つスクラップに出来る程度の威力、レベル4は戦車十台と対峙が出来る程度の威力、レベル5は六階建てのマンションを一瞬にして消し飛ばす事の出来る程度の威力、レベル6は戦車50台を相手に出来る程度の威力、となっている。レベル4から上の能力を持っている生徒は非常に危険とされ、制御装置(リミッター)の装着を余儀なくされている。
二つ目は「魔術」それらを使える者を魔術師と呼ぶ。魔術の種類としては二つに分ける事が出来る。一つは刀や弓、ナイフなどの凶器や実際に手で触れる事の出来るものを使って魔術を発動させる物理的魔術。もう一つは水や炎、氷などを用いた上に幻覚をも作り出す幻想的魔術。危険性としては幻想的魔術の方が圧倒的に危険であり、校内での使用はあまり認められていない。だが、力を制御するのならば認められているのだとか。
そして三つ目は「超能力と魔術」名前の通り超能力と魔術を有する事だが、組み合わせは沢山ある。レベル1の能力と幻想的魔術、レベル2の能力と物理的魔術、と。一番危険性のあるとされているものはレベル6の能力と幻想的魔術である。しかし、色々と対策がしてあるので事故を巻き起こすような事はまずない。
 その様な生徒達が集まっており、小学校から大学までの生徒の人数は少ない方。能力別に分けてみるとレベル1、2は600人程度、レベル3は50人程度、レベル4は10人、レベル5は5人、レベル6は3人のみ。魔術の方は物理的魔術は50人程度、幻想的魔術は30人程度と少ない方。超能力と魔術は全ての組み合わせを混ぜても10人しかいない。その中にレベル6と魔術を有するものはまだ出ていないらしい。

3初深 紗雪 ◆RTk.ch61hE:2011/04/04(月) 19:26:00 HOST:p2142-ipbf210aobadori.miyagi.ocn.ne.jp

 そんな学園がある表向きの理由は能力を育てる事。才能の持ち腐れは駄目だ、という事で建った学園であるがそれは只の表向きでしかない。本当の理由としては任務である。世界にある七つの童話、それが有する「七大罪」を処理するという任務である。七大罪とは「傲慢」「嫉妬」「憤怒」「怠惰」「強欲」「暴食」「色欲」の七つの事である。処理する理由、其れは危険性があると学園で判断したからである。学園だけの問題であれば良いのだが、それだけでは済まされない。世界的に問題となっているらしい、だが表では公表されておらず裏で手を下し処理するという事になった。しかし直ぐには処理出来ない。その理由はその七大罪を守る組織がいるという事である。組織の名前は「Noahs Arche(ノアの箱舟)」明らかに聖書から取ったであろう名前の組織。その組織に集まっているのはレベル4以上の能力者、魔術師、死神などと学園には存在していない者達までもが集まっている侮れない最強クラスの組織である。そんな組織が居る為迂闊に手がだせず、策を練っている。だから今の学園は此処まで静かなのである。


「――静寂。どうやら授業中と見られる。」
舞台は変わって学園の屋上。髪を風になびかせ、立ち尽くす一人の少女。彼女の名前はマルツェ=セフランチェスカ、金色の髪は腰辺りまで綺麗に下ろしており瞳は森林の様に深く、それ故澄んでいる緑色。服装は全て黒。だが腹部は大胆に出ており、肌は病弱的に真っ白。その少女の右手には大きな鎌が握られている。マルツェ=セフランチェスカは「Noahs Arche」の一員、そして死神という存在である。学園の屋上に居るのは勿論、偵察の為。目立ちそうな格好をしているが今学園は授業中という事で誰にも気付かれていない。マルツェは暇なのか屋上に座り込み、大きな鎌の手入れを始めた。それも束の間、屋上の扉がばたん、と勢い良く開いた。

「…今誰かの気配を感じたが…気のせいだったのか?」

4初深 紗雪 ◆RTk.ch61hE:2011/04/04(月) 21:36:23 HOST:p2142-ipbf210aobadori.miyagi.ocn.ne.jp

そう言いながらすたすたと歩みを進める少年。その少年は高等部一年向日葵 礼瀬(ヒマワリ ライセ)漆黒に染め上げた黒の髪は肩につくかつかないか、それ程際どい所まで伸びており瞳は透き通っているのだが何処か悲しそうな光を帯びている灰色。服装は学園のものを着こなしている。何故少年が此処にいるのかというのは察しが付くであろう。今は授業中、つまりはサボりに屋上へ来たのだ。暇しているようだが授業に出る気はさらさらないらしい。というのもこの少年、礼瀬はレベル6の電撃制御(エレクトロストッパー)の持ち主。レベル6という事はもう頑張る必要性が無いと本人が思っているからこそ授業に出ないのだ。電撃制御という能力は防御、攻撃は勿論、使い方によっては相手の能力を乗っ取ったり相手の能力を消し去ってしまう事も出来る電撃系一の能力なのである。礼瀬は屋上の真ん中らへんにたどり着くと周りを見回してから寝そべり、眠り始めようとする。

「…失態。まさかこんな事になるとは思っても居なかった。」

マルツェは屋上の影から礼瀬を見つつも小さく呟く。そう、礼瀬が来た瞬間マルツェは物陰に身を潜めていたのだ。マルツェは礼瀬が去るのを待ち、去って行ったら撤退しようと考えていたのだが礼瀬が寝始めた事により、それが不可能な状態にある。さてどうしようか、とマルツェは考えてみるもののやはり此処からでは撤退は不可能。

「至急。あの少年を排除するか、でも指令外の行動は駄目」

そう呟き少年に目をやる。しかし少年は何時の間にか元居た場所から居なくなっている。マルツェは一歩前に踏み出し撤退しようとする。しかしそれは叶わず、後ろからトーンを落とした声が聞こえた。

「お前は誰だ。答えろ。答え次第で排除するがそこら辺は問答無用」

マルツェが後ろを向くと其処には礼瀬が立っており、礼瀬の手からはビリビリ、という音を立てて電撃が流れている。答え次第で排除、か。とマルツェは悟り一歩後ろに後ずさる。そしてその場凌ぎの無邪気な笑顔を相手に向けて、

「――失礼。私は茨姫 野薔薇(イバラヒメ ノバラ)と申す。Noahs Archeの行動を調査して来いという学園からの機密命令でな、今から行こうとしていたんだ。そしたらお前が来たから咄嗟に隠れてしまったんだ。怪しい事をしてすまないな」

茨姫 野薔薇。それはマルツェが咄嗟に考えた名前である、というのは嘘で前々から用意していた名前。無邪気に笑顔を作り相手を騙す。それはマルツェの得意分野の一つと言っても良いだろう。それを信じ込んだのか礼瀬は電撃を放つのを止め、肩から力を抜いた。

「ああ、この学校の奴か。そんな黒いものを纏っていたからNoahs Archeの奴かと思ったぜ。…こっちこそ勘違いでごめんな」

その言葉を聞きマルツェはフッ、と笑いを零した。どうやら相手が信じ込んでいるのか余程面白いのだろうか、心からの笑みを零している。礼瀬はそんな相手を見て「ほら、任務なんだろ?早く行けよ」と促す。マルツェはそうだな、と相槌を返して相手に背を向けて歩き出し、屋上の端に立てば相手の方を横目で見て

「感謝。では此れから行ってくる。色々とすまなかったな。」

微笑みながらそう言うマルツェは"気付いている"相手の行動に。だが気付かないフリをしつつも行く準備を進め、「では。」と相手に言うと礼瀬は「ああ、気をつけていけよ」と手を軽く振って見送る。そして相手が行ったのを見ると面白い玩具を見つけた様な子供っぽい笑みを零して、屋上の出入り口へと踵を返して歩き、

「もう二度と来るなよ。Noahs Archeの死神、マルツェ=セフランチェスカさん」

5初深 紗雪 ◆RTk.ch61hE:2011/04/05(火) 18:49:11 HOST:p2142-ipbf210aobadori.miyagi.ocn.ne.jp
Eine Geschichte fangt an...(さぁ、物語が始まるよ...)

--第一章-九十九学園--

 先程までの静寂が嘘のように学園は賑わっている。というのも授業が終わり今は放課後なのだ。勿論礼瀬(ライセ)はというと、屋上でのサボりを終えて廊下をすたすたと歩いている。屋上での出来事は一切の他言無用、そう決めたのか先生や他の生徒に教える気配も無い。とにかく歩みを進める礼瀬の後ろから一人の少女が歩み寄ってくる。

「ねえー礼瀬は何でそうも無愛想なのかなぁ?」

 礼瀬の肩をガシ、と掴むと相手の顔の目の前まで行き首を傾げて尋ねる。その少女は高等部一年、羽月 詩衣(ハヅキ ウタイ)茶色の髪は肩を2cm程度超えた所まで伸びており、瞳は漆黒に包まれた黒、しかし何処か綺麗に輝いているようにも見える。そんな詩衣は魔術師、幻想的魔術の使い手なのである。それも礼瀬の能力を超える程威力があり、九十九学園内で一位か二位を争う立場に居る。そんな詩衣は礼瀬の幼馴染でもある。礼瀬がこの学園に入学して、詩衣も入学したいという事で必死に魔術を覚えて此処まで辿りつき、最強を誇っているのだ。礼瀬はそんな詩衣を横目で見ては小さく溜息を吐いて、

「無愛想も何も俺は元からこういう顔。無愛想っぽくて悪かったな」

 そう言い相手の手を軽く振り払い歩き出そうとする。しかし詩衣は礼瀬の前に立ち膨れっ面で少し涙目になって「何さ、小さい時は逆の立場だったでしょ。礼瀬泣き虫で人見知りで女の子っぽい正確だったのに…」と相手の昔の話を振ってはいじけてみる。だがそんなものは礼瀬にはどうでも良いらしく相手を軽く睨み小さく「昔と今は違うんだよ」と呟いた。詩衣は「でも…」と続けようとしたがある人物の登場で妨げられてしまった。

6初深 紗雪 ◆RTk.ch61hE:2011/04/05(火) 19:27:14 HOST:p2142-ipbf210aobadori.miyagi.ocn.ne.jp

「…礼瀬、詩衣、任務。私も同行」

 無表情で人形の様に二人の前に立っているのは高等部一年、五月雨 美依紗(サミダレ ミーシャ)髪は濁ってもなく、だからと言って綺麗に透き通りすぎているわけでもなく…銀と白、それが入り混じったかのような銀髪。その髪は肩より少し上までの長さでふわりと揺れる。瞳は眠たそうな目をしており、深海の様に深い青をしている。そして単語口調なのが特徴的。美依紗はレベル5の空間移動(テレポート)の持ち主。物に触れずとも移動させる事が可能というかなり高い演算能力を持ち合わせている。さて、その少女が発した任務の内容とは「Noahs Arche(ノアの箱舟)」の計画を防ぐ事。計画とは七大罪の一つ、「傲慢」を手に入れる事。もしも手に入れられてしまえば処理は不可能となる。その為に学園の礼瀬、詩衣、そして美依紗の三人が任務の遂行人物となっている。何故こんなに少ないのかというと学園にとってレベル1からレベル3、そして魔術師などの一部にこの事を知らせていないという事もあり、機密事項となっている。知らせていないというのは任務の事のみ。七大罪やNoahs Archeの事は知らせているのだ。それはそうとその任務を聞かされ礼瀬は面倒臭そうな表情、詩衣は緊張と恐怖を入り混ぜた表情をしているが美依紗はやはり無表情。美依紗は笑わず怒らず泣かずとあまり喜怒哀楽がはっきりしていないのだ。

「くそ、面倒だな。というか早くねえか?」

「う、うん。そうだよ…Noahs Archeにとってもまだ動くべき時期じゃないでしょ?」

二人はまだ早いじゃないか、と顔を見合わせながら呟く。学園が予想していた時期よりも遥かに早く行動を始めた事からか、学園としてもまだ準備が整っていなかった。だからこそこの三人が任務へと向かうことになったのであるという事も一つの理由。その二人の呟きを聞いて美依紗は首を横に軽く振ってから相手たちを見つめ、

「予想外、だけど。こうなる確立、確かにあったから」

学園の方では予想はしていたがまずはないだろうという事で公表は一切されていなかった、と美依紗は語る。そして美依紗は自分の腕にしてある時計を見て時間、とだけ言いすたすたと玄関へと向かっていく。その姿を見て礼瀬と詩衣は後ろからついて行き、入り口に着くまでは何も喋らず、何も質問せずに歩き続けていた。

7初深 紗雪 ◆MIKU/01mmE:2011/05/02(月) 09:51:43 HOST:p2142-ipbf210aobadori.miyagi.ocn.ne.jp

「ねぇ、その任務って…――」

 暫く無言で歩く三人だったが、それに耐えられずに詩衣は口を開き言葉を紡ごうとするも上手く言葉が出ない。"何、聞きたい。言って?"と美依紗は促すも詩衣は俯いて言うか否か考える。でも考えていては事は始まらない、そんな言葉が詩衣の頭を過ぎる。そして詩衣は美依紗の瞳を見透かすように見つめて微笑んではこう紡ぐ。

「私達、生きて帰って来れるよね? また、皆と会える…よね?」

 ――そう、任務とは「Noahs Arche(ノアの箱舟)」と戦うという意味もある。その組織はかなり強い戦力を持っている為、怪我をせずに帰ってくるのは先ず不可能。下手すれば死に至るかもしれないと詩衣は考えてそう尋ねた。それを聞いた礼瀬は何も言わずにはぁ、と溜息を吐き呆れているような顔をして多少俯く。美依紗はまるで人形の様に表情一つ顔に浮かべずにこくんと頷くだけだった。それでも。詩衣には十分だった。頷いてくれるならば確立はある、死なない私は、生きて笑顔で――、笑顔で帰ってやるんだ。そんな子供じみた考えが頭をふわりふわりと浮かんでいる。そして詩衣は笑顔で、

「うん、じゃあ行こう? 早めに終わらせて帰って来たいから、」

―――――

思いつかないorz、あ、トリップ変えましたノ以上←

8初深 紗雪 ◆MIKU/01mmE:2011/05/14(土) 16:34:34 HOST:p2142-ipbf210aobadori.miyagi.ocn.ne.jp

 その詩衣の言葉に美依紗と礼瀬は顔を見合わせミリ単位で僅かに口角を上げ笑いあった。とても同意だと言いたいかのように。とても、面白いかのように。そして礼瀬がむ、とした顔になったと思えば次のように静かに、トーンを落としてこう告げる。

「ノアなんて組織、俺がぶっ壊してやるよ。――悪、という奴は全てな」

 その言葉を告げた礼瀬の顔はとても儚げで、それ故に好奇心に満ち溢れていて――…。それを聞いた詩衣はにぱりと笑うと"そうだよね、礼瀬が悪を全て壊すんだもの"と言う。そのやり取りを見ていた美依紗は無関心そうだったが、その答えは合っている、だから必ず遂行してみせるんだ。そうとでも言いたげな瞳は二人を見つめている。
 暫くそんな感じで沈黙と会話を続けていた三人であるがそろそろ時間と言う事もあり美依紗は早く行こう、と促し学園から遠ざかっていく様に歩みを進めていく。目的地は御伽噺で有名な"眠り姫"の世界。異世界、大袈裟に言えばそうなるかもしれないが全く違う世界ではない。この九十九学園の建つ世界も眠り姫の世界も他の世界も全て皆、何処から見たって全てが異世界なのだから。そこに行く手段は三人の能力。美依紗と礼瀬の能力を主として移動が可能。詩衣の能力はどちらかというと戦闘向きで移動とかにはあまり向いていない。その為移動の際は二人の任せている。
 そして目的地に行く為に一度立ち止まり美依紗と礼瀬は能力を開放し集中する。"頑張って、"と詩衣は目を瞑りそう言う事しか出来ないがそれでも。力になれれば良いなと思っていた。 そんな事をしている内にふわりと世界が反転するような感覚に陥り気付けば見知らぬ場所に居た。

「此処が、眠り姫とかいう奴の世界かよ…。俺には合わねぇぜ」

「取り敢えず合わない合うは良いから! ほら、早く行くよ!」

 辿りつくなり礼瀬は愚痴を一つ零すも早くしなければという事で詩衣はそれを無視し礼瀬の腕を引く。その後ろから美依紗が着いていく形となって眠り姫の舞台となる、そして三人の目の前(といっても多少遠い)に聳え建つお城へと向かっていく。
 その三人を見ていた人物が一名。くすくすと笑いながらも傍観している。その人物は漆黒に染まる髪を腰辺りまで下ろしており、その上からは真っ赤なフード付きのマントの様なものを着用しており、それ故瞳は赤に染まって不気味なイメージを醸し出している。その人物はくすりと笑いこの様に三人を嘲笑い不思議な言葉を紡ぎだす。

「く、っ――…馬鹿だねぇ、"傲慢"がどれだけ強いかも知らないで処理? 馬鹿は馬鹿でしか無いよねぇ…これじゃああたしも手を出す必要無いんじゃないかな? ふふ、そうだよね、"お兄ちゃん"」




Wo ist die krumme Geschichte eine folgende Sache dazu?( 歪んだ物語とは何処まで続くのかしら? )


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