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歪曲の始まり-Sieben grobe Verbrechen-
4
:
初深 紗雪
◆RTk.ch61hE
:2011/04/04(月) 21:36:23 HOST:p2142-ipbf210aobadori.miyagi.ocn.ne.jp
そう言いながらすたすたと歩みを進める少年。その少年は高等部一年向日葵 礼瀬(ヒマワリ ライセ)漆黒に染め上げた黒の髪は肩につくかつかないか、それ程際どい所まで伸びており瞳は透き通っているのだが何処か悲しそうな光を帯びている灰色。服装は学園のものを着こなしている。何故少年が此処にいるのかというのは察しが付くであろう。今は授業中、つまりはサボりに屋上へ来たのだ。暇しているようだが授業に出る気はさらさらないらしい。というのもこの少年、礼瀬はレベル6の電撃制御(エレクトロストッパー)の持ち主。レベル6という事はもう頑張る必要性が無いと本人が思っているからこそ授業に出ないのだ。電撃制御という能力は防御、攻撃は勿論、使い方によっては相手の能力を乗っ取ったり相手の能力を消し去ってしまう事も出来る電撃系一の能力なのである。礼瀬は屋上の真ん中らへんにたどり着くと周りを見回してから寝そべり、眠り始めようとする。
「…失態。まさかこんな事になるとは思っても居なかった。」
マルツェは屋上の影から礼瀬を見つつも小さく呟く。そう、礼瀬が来た瞬間マルツェは物陰に身を潜めていたのだ。マルツェは礼瀬が去るのを待ち、去って行ったら撤退しようと考えていたのだが礼瀬が寝始めた事により、それが不可能な状態にある。さてどうしようか、とマルツェは考えてみるもののやはり此処からでは撤退は不可能。
「至急。あの少年を排除するか、でも指令外の行動は駄目」
そう呟き少年に目をやる。しかし少年は何時の間にか元居た場所から居なくなっている。マルツェは一歩前に踏み出し撤退しようとする。しかしそれは叶わず、後ろからトーンを落とした声が聞こえた。
「お前は誰だ。答えろ。答え次第で排除するがそこら辺は問答無用」
マルツェが後ろを向くと其処には礼瀬が立っており、礼瀬の手からはビリビリ、という音を立てて電撃が流れている。答え次第で排除、か。とマルツェは悟り一歩後ろに後ずさる。そしてその場凌ぎの無邪気な笑顔を相手に向けて、
「――失礼。私は茨姫 野薔薇(イバラヒメ ノバラ)と申す。Noahs Archeの行動を調査して来いという学園からの機密命令でな、今から行こうとしていたんだ。そしたらお前が来たから咄嗟に隠れてしまったんだ。怪しい事をしてすまないな」
茨姫 野薔薇。それはマルツェが咄嗟に考えた名前である、というのは嘘で前々から用意していた名前。無邪気に笑顔を作り相手を騙す。それはマルツェの得意分野の一つと言っても良いだろう。それを信じ込んだのか礼瀬は電撃を放つのを止め、肩から力を抜いた。
「ああ、この学校の奴か。そんな黒いものを纏っていたからNoahs Archeの奴かと思ったぜ。…こっちこそ勘違いでごめんな」
その言葉を聞きマルツェはフッ、と笑いを零した。どうやら相手が信じ込んでいるのか余程面白いのだろうか、心からの笑みを零している。礼瀬はそんな相手を見て「ほら、任務なんだろ?早く行けよ」と促す。マルツェはそうだな、と相槌を返して相手に背を向けて歩き出し、屋上の端に立てば相手の方を横目で見て
「感謝。では此れから行ってくる。色々とすまなかったな。」
微笑みながらそう言うマルツェは"気付いている"相手の行動に。だが気付かないフリをしつつも行く準備を進め、「では。」と相手に言うと礼瀬は「ああ、気をつけていけよ」と手を軽く振って見送る。そして相手が行ったのを見ると面白い玩具を見つけた様な子供っぽい笑みを零して、屋上の出入り口へと踵を返して歩き、
「もう二度と来るなよ。Noahs Archeの死神、マルツェ=セフランチェスカさん」
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