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鳥籠の中の雪兎は

1雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/10/12(火) 17:49:37 HOST:119-231-167-181f1.shg1.eonet.ne.jp

ねぇ、お伽話をしてあげましょうか?
いくつでもいいわ、気が済むまでお聞きなさい
そうね、期限は私の雪が溶けるまで――――

****
こんにちは、雪音です。短編とか詩とか綴っていこうと思います。
なんか上で「お聞きなさい」とか上から目線なんですけど、宜しければこんなゴミ野郎の駄文でも見ていってください。
はい、この駄文の集まりの場での注意事項↓

・どんなジャンルでもあり得ます。BL、GL、グロ普通にきますよ(( その際は注意は出しますが、苦手な方は回れ右
・リク、コメ、アド、受け付けてますというかお願いします。リクについては別で詳しく説明しますが、話の題材もオリキャラも募集します。リクされたら喜んで書きまくります←
・最低限のルール、マナーを守ってください

お友達募集ちゅuげふんげふん←

2雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/10/12(火) 18:00:55 HOST:119-231-167-181f1.shg1.eonet.ne.jp
募集するもの

・話の題材
・登場人物(オリキャラ)

話のリクは基本的に何でも書きます、ジャンルは問いません。甘い物からグロまで大好きなので← 出来は決して良い物とは言えませんが……。
オリキャラは、短編なのでいっぱい必要となってくると思います。後、1回しか使わない可能性がすごく高いです……。続き物ではないので。
でも、言ってくだされば極力使うようにはすると思います。短編の中でも少し続き物が出てきたりするかもしれないので。

3雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/10/12(火) 18:14:55 HOST:119-231-167-181f1.shg1.eonet.ne.jp
オリキャラ

これをコピーとかして、もしくは参考にして書いてくださると嬉しいです。
うん、こんなことしてみても私は文章下手って事は知ってるよ←

****

「(宜しく不可、そのキャラに合う一言)」
名前:
読み方:(和名、漢字が使用されている場合だけ)
性別:
年齢:
性格:
容姿:
備考:
ジャンル:(書いてほしいジャンルを。例:恋愛((その場合はNL、BL、GLか。甘、シリアス、ダークなども書いてください))戦闘、友情、学園物、シリアス、グロ、ほのぼの、など。2つのジャンルが入っていてもいいです)
要望:(こうしてほしい、など、シチュエーションなど。あればでいいです。同性愛の場合は受け、攻め、など書いてくださると嬉しいです)

先程申したように、使い捨てという可能性もありますのでそこまで詳しくなくてもいいです。
使い捨てが嫌な場合は申し出てください^^

4雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/10/12(火) 20:17:20 HOST:119-231-167-181f1.shg1.eonet.ne.jp
 [少女時代に] /Bl注意


「ねーねー、啓(けい)って初恋誰?」

 突然の問いかけ、しかもその内容に思わず啓は口に含んでいたコーヒーをふき出してしまいそうになった。
 目の前の無邪気な少年は、ニコニコとその幼い顔を幼い笑顔で飾りつけていて、啓の心情なんて知る由もない。

「な、んだよ、急に。覚えてねーよ」
「またまたぁ、だって、初恋っつっても何十年前もの話じゃないじゃん」
「知るか、つかお前には言わねー」

 ごくん、と口に含んでいた液体を音を鳴らして飲み込むと、急いで啓は否定する。
 だが、少年はすぐさま啓の言葉を打ち消すように言う。

「…………」
「誰、誰?」

 無邪気にはしゃぐ少年とは反対に、啓はほんのり頬に朱を浮かべる。
 ただでさえ色白の啓にはその紅潮は一目で分かってしまうので、少年はしてやったりという表情で突いてきた。
 そこで、啓は少し声をこわばらせながら一言。

「お前だよ」
「え?」
「礼(れい)だっつってんの」

 礼、自分の名前を呼ばれて少年は思わず笑顔すらも硬直した。
 男同士、という大前提の元の付き合いなので、まさか自分の名前が出てくるなんて夢にも思わなかったことだろう。

「え、な、なんで?」
「ほ、ほら、お前って昔は女みてーで可愛かったじゃん。だからだよ!」

 今でも礼は中々の女顔で端麗な顔立ちだが、数年前はもっと少女のように愛らしく、美しかった。
 啓は思いもよらぬ形で昔の想いの告白をしてしまったので、顔は林檎の色へと成り変わっていた。
 礼は、やっと顔の硬直を解くと、ぷ、と啓の様子に思わず笑ってしまう。

「あははっ、まさか俺とは思わなかった〜。まぁ、初恋だからな、何でもアリか。今じゃない訳だしね」

 

(今も、初恋のままなのに)

5雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/10/13(水) 21:48:41 HOST:119-231-175-45f1.shg1.eonet.ne.jp
 [失、恋]

 失恋って、もっと世界の終わりのようなものかと思ってた。
 以外にその瞬間を迎えてみても、悲愴感にどっぷりとハマる自分の裏側に、その状況を冷静な目で迎えているもう1人の自分もいた。
 初めから分かってたのか、こうなる事を望んでいたのか。

 3年間の恋って、短い?長い?
 どちらにせよ、恋焦がれていた期間は全て無駄だったて事でしょう? 
 手にとっても間から零れていく、もう可能性は途絶えられたものなんだから。

 もう一度貴方に声をかけられるだけの勇気があるなら、
 「まだ好きです」? 「好きでいてもいい」?

 ああ、違う
 「好きになってごめんね」

 

 貴方も私も傷ついた
 何も変わらなかったはずの絆さえも

6雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/10/17(日) 02:45:50 HOST:119-231-166-186f1.shg1.eonet.ne.jp
  [遊女の恋] /GL注意/舞台は遊郭となりますので苦手な方は注意


「また来て頂戴ね、旦那!」

 自分の甘ったるい、いかにも猫を被った声に吐き気を覚えた。
 顔だけは作り慣れた完璧は笑顔だが、群青色の瞳だけは氷のような冷たさを持っていた。その瞳で馬鹿みたいに鼻の下を伸ばして帰っていく男を睨むように見送る。
 この声、笑顔、仕草、もう何千何万回とやってきただろうか。嘘のモノだったはずなのに、作りすぎて本当のモノにならないか怖くて、女は血の色の口紅が塗りたくられた唇を噛み締めた。

「あんさんも、今終わりんしたか」

 ふいに、声が聞こえた。低くて響きがある女性の声だ。
 男に声をかけられる事は慣れているが、女に声をかけられるのは久方振りなので、一瞬空耳だろうと思った。だが、その思考が働く前に反射的に振り返った目線の先にいるのは、確かに女性だった。端麗な顔立ちで独特の雰囲気を持つ女性である。
 自身の体を商売道具とするこの遊郭では、男は客でしかないし、女は売り物でしかない。だとすれば、目の前に現れた女性も遊女。群青色の瞳の女と同じなのだろう。

「あんたもかい?」

 数秒後、先程男にかけていたような甘い声とは間逆の、低くて冷たい声で言った。その問い返した質問には、さっき自身にされた質問への肯定の意味も含まれている。此処、遊郭では、今終わった? などの質問は日常茶飯事で、もう挨拶代わりのようなものである。
 女性は女に聞き返されると緩やかに、艶のある黒髪にささるかんざしをシャリンと鈴のような音を鳴らしながら頷いた。

「ええ、さっきので今日の最終でありんすぇ。 あんさんもではないでありんすか?」
「ああ、そうだね」
「さっきの男はしつこくて困りんした。男は嫌になりんすぇ。わっちは女と喋っている方がよっぽど楽しいでありんす。 ――でありんすから、暇ならば少々わっちとのお喋りに付き合ってくれんせんかぇ?」

 思わず、目を見開いた。なんて変な女だろう。
 男ならともかく、女にまで媚を売る必要はないのに。こんな事をするくらいなら、寝るなりして体力の回復をはかった方がマシだ。他の遊女だって疲れている時に他の遊女とお喋りをしようなんて言う者はいない。 
 と、女は思ったが、わざわざしてくれた申し出を断る理由もないので、一応了解をする事にした。

「ああ、まあ、いいよ」

 小さく女が言った瞬間に女性は、ぱぁっと見て分かるように顔を嬉しそうに微笑ませた。
 その笑顔は、女や他の遊女たちが男に見せるような作り笑いではなく、純粋な子供のような笑みだった。

 変な女だが、悪い気はしない。
 女は自分の中で楽しい、という感情がすごく久し振りに芽生えている事に気がつかなかった。

7雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/10/17(日) 02:47:33 HOST:119-231-166-186f1.shg1.eonet.ne.jp
  [遊女の恋] #2 /GL注意/舞台は遊郭となりますので苦手な方は注意


「わっちの名は小鳥遊(たかなし)でありんすぇ。 ぬしは?」
「あたしは蝶蘭(ちょうらん)だよ」
「蝶蘭、いい名前でありんすね。それに、名前に似合う、えらい可愛い容姿の持ち主でありんす」

(あんたの方がよっぽど綺麗だよ……)

 初対面なのにいきなり褒めてくる小鳥遊に蝶蘭は、照れと恥ずかしさを覚える中で、どこか彼女と自分が別の人間であるかのように疎外感を感じていた。相手も遊女という自分と同じ立場のはずなのに、汚れて濁った瞳で日々堕ちていく自分と似たような遊女たちを遠くから眺めているだけの自分とは天地の差があるかのようだ。
 彼女は、綺麗過ぎる。
 黒真珠のように輝きを今にも放たんばかりの艶のある、背中ほどまである真っ直ぐな黒髪。初雪を集めたような肌に、頬だけは桃の蕾のような色のほんのりした愛らしさを帯びている。その肌の上についたスラリとした鼻、情熱的な真紅の口紅がのせられた形のいい唇。顔全体に化粧は施されているが、化粧をおとしても内からにじみ出る美しさは変わらないだろう。身にまとう着物はきちんと着られていて、赤、金、紫、藍……刺繍がなんとも色鮮やかで花魁が着ていそうな着物である。清潔感もある。
 そして、何よりあの目はなんだ? 赤椿色の切れ長の目。何故あんなにまっすぐで、儚げなのに芯がある? こんな場所にいて汚れをしらない?
 
 蝶蘭は、自分の様を見てがっかりした。
 薄汚い苔色の、上の方で適当にまとめあげている長い髪。しかも髪型は大分崩れている。暗くていまいち見栄えもしない地味な群青色の瞳。厚くて崩れている、顔を綺麗にするどころか不細工にしていく化粧。はだけたままのだらしない着物。何もかもが彼女と間逆、汚らしい。
 思わず、嫉妬心も湧いてしまいそうになる。そんな自分が余計に虚しくなって呟いた。

「あたしなんかが可愛いなんて。あんたはただの偽善者かい?」
「何ででありんすか? まことの事を言ったまでなのに」
「だって、あたしなんて可愛くないじゃないか。可愛いなんて嘘さ。髪だって、こんな苔色で…………」
「苔色? わっちには鶯色に見えんしたが」

 そう言われて、思わずバッと顔を上げた先の小鳥遊の顔は、キョトンとしていて、何故そんな事を言っているのだろうといった表情だった。決して嘘をついていたり、御世辞を言ってるようには見えない。
 鶯色――――初めて、そんな事言われた。自分の苔のような髪色が大嫌いだった。

「うぐ、いす?」
「そう、鶯。今にも鳴きだしそうな可愛らしい小鳥でありんすぇ。 瞳もまるで瑠璃の宝石のような大きくて綺麗な目で、羨ましい限りでありんす」

 瞳まで群青色、ではなくて瑠璃、と例えてくれた。
 しかも、御世辞じゃない。小鳥遊の様子からすると。
 今までに相手にしてきた男は全て似たような言葉を言って来た。だが、すべて嘘っぽくてお世辞の安い言葉。なのに、小鳥遊の言う言葉は何故か全て真実味があって、暖かかった。

「ねえ、小鳥遊」
「何でありんしょう?」
「よかったら、またあたしの話相手になってくれないかい?」

 小鳥遊は、無言で蝶蘭の右手の小指に、自身の左手の小指を絡めた。

「もちろん。言われなくても来るつもりんしたよ」

 
 その日から毎日、日が沈みきった頃に小鳥遊は蝶蘭の所に通い詰めた。
 男を嫌い、憎む蝶蘭が小鳥遊に惹かれていくのは時間の問題だった。

8雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/10/23(土) 10:21:30 HOST:119-231-173-212f1.shg1.eonet.ne.jp
  [遊女の恋] #3 /GL注意/舞台は遊郭となりますので苦手な方は注意

 どうか。
 表面上の何気ない態度とは裏腹に、蝶蘭は強く強くすがるような思いで願う。
 どうか、彼女とあたしが――――……

「小鳥遊は、此処から逃げたいとは思わないのかい?」

 今まで笑顔で話していた蝶蘭が、いきなり深刻そうな表情でそんな質問を投げかけてきたので、小鳥遊は目を見開いて驚いた。
 その質問は初めてされた物ではない。蝶蘭ではないが、他の遊女達にだってされた事がある。しかしそれは日常会話の何気ない質問。蝶蘭はそれとは少し違う、真剣な意味が込められているように感じられる。
 いつもならおふざけで「逃げたい」と言う小鳥遊だが、今回は蝶蘭が真剣に投げかけてきたので、自分も真剣に返すことにする。

「そうは思いんせん。確かに此処は好きではありんせんが、逃げ出そうだなんてわっちが殺されるだけでありんすから。一応、わっちだって命は惜しいんす」
「――そう、か」

(分かってたよ、だけど)

 無理に作った引きつりそうな笑顔。その顔についている瑠璃の輝きは、悲しみを表現していた。
 もし、逃げ出したいと言ったなら、今すぐにでもその手首を掴んで駆けだしてやるのに。蝶蘭は、恋してしまった相手の手首を見つめながら、叶わなかった願いを噛みつぶした。
 この遊郭で、逃げ出すなんて、入りたての新人か、脳無しの阿保が考える事だ。此処に限らず、こういう場所で遊女が逃げ出すなんて不可能。すぐに発見され、よっぽどの太夫とかでもない限り、蝶蘭のようなごく普通の遊女ならば殺されてしまう。分かってるはずなのに、小鳥遊と逃げ出したくて、逃げさせてあげたくて、大好きで。小鳥遊のためならば、自分だってそんな阿保になれる。

「それに、今は蝶蘭がいんすから、こうやって蝶蘭と一緒なら、此処の生活も僅かはマシに思えるんでありんすよ」

 優しい声に、言葉に、容姿に、蝶蘭の胸は思わず高鳴る。
 何人もの男を相手にしてきても、一度も感じることのなかった感覚。永遠に浸りたいと思う、もどかしくて温かい感覚。
 蝶蘭は、決意する。必ず小鳥遊と遊郭から逃げ出してみせると。
 小鳥遊だって、ああは言ったものの、逃げ出したくない、という訳ではないのだ。逃げ出そうとすると殺されるから、というだけ。それさえなければ、自分と一緒に、外へ。小鳥遊だって、自分と一緒ならいいって言ってくれたのだ。決して、自分と同じ『恋』ではないんだろうけど。
 
 産まれて初めて恋という物をしたけど、例え相手が女でも、これが恋だと気付くのに時間はかからなかった。
 あの日、小鳥遊と出会った日から、何もかもが違って見えた。世界が逆転した。
 相手が大嫌いな菊屋の主人でも、これが終われば小鳥遊と会えると思えば一瞬の事のように思える。こんなにも早く時間は過ぎていく。気持ちだけは緩やかに、でも確実に大きくなっていく。

 哀れな苔色の髪をした遊女が、恋をした。
 その相手もまた遊女。
 何もかもが憎くて、彼女だけが愛しい。
 
 ――――どうか、彼女とあたしが、世界で二人っきりになれますように!

9雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/10/26(火) 19:06:29 HOST:180-146-97-244f1.shg1.eonet.ne.jp
  [遊女の恋] #4 /GL注意/舞台は遊郭となりますので苦手な方は注意

「今夜は小鳥遊を買う」

 沢山の雑音と話声がする中で、その声だけは蝶蘭の耳に水のようにスッと通った。
 そして、その言葉の意味に思わず息を止めてしまう。胸を何かで縛り上げられるような苦しさが溢れてくる。
 だが、どうしようもない事だった。これだけは、仕方ない。蝶蘭もされている事なのだから。ただ、その時間が過ぎるのを黙って耐えるしかない。だって、耐えなければ殺されてしまうのだから。
 この声の発信源は、蝶蘭の常連の菊屋の若旦那だった。いつもは大抵蝶蘭を指名するのだが、今日は小鳥遊のようだ。蝶蘭は、数ある客の中でもこの男は特に嫌い。なので、そっと今夜の小鳥遊の不幸を哀れんで、その場を後にしようとした。
 だが、次に聞き捨てならない言葉が嫌いな男の口から吐き出される。

「そこで、小鳥遊を少々傷物にしてやる。なあに、最悪死んだって、小鳥遊は太夫でもないんだ。あんな下級の遊女、殺したって、相手が先に手を出してきたとか言えば罪には問われんさ」

 今度こそ、息がとまった。
 苦しくなった所で、自分が息をするのを忘れていたのに気付く。再開した呼吸は、荒くて苦しげな呼吸で、何故か通常の呼吸を行えない。
 
「え? ああ、小鳥遊が俺に無礼な事をしたからだよ。この間、俺が気に入ってる遊女……そうそう、蝶蘭。蝶蘭に、此処から一緒に逃げ出そう、って提案したら、あの女が止めやがったんだ。俺は蝶蘭の為を思って言ったのに……」

 相手の男は見えないが、誰かと会話している菊屋の若旦那の言葉の内容で、蝶蘭の脳裏に数日前の出来事がフラッシュバックする。
 数日前、蝶蘭は、男の言う通り、確かに一緒に逃げようと言われた。その後の蝶蘭は俺が面倒を見るからとも言われた。一刻も早く逃げ出したい遊女達にとってそれは魅力的な言葉かもしれない。だが、幼い頃から此処にいる蝶蘭は知っている。それは、金のない男が好きな女をタダで手に入れるための言葉に過ぎない事を。そう知っていながらもノコノコついていく遊女だっているが、ほとんどの遊女は見つかって殺されている。上手く逃げ出したって、根っこをかき分けてでも探しにこられるので、大抵見つかる。なので、男が遊女を買い取る事でもしない限り、此処から逃げ出すのはほぼ不可能なのだ。それに、蝶蘭だって逃げ出したいが、この男は嫌いだし、何より此処には小鳥遊がいる。小鳥遊に何も言わずに出て行くのも嫌だし、離れるのだって嫌だった。
 言葉には出さないが、嫌がる蝶蘭の様子を察し、小鳥遊が菊屋の若旦那にきっぱりと強い意思のこもった声で否定を告げたのだ。『やめなんし。遊女は心までもが売り物ではありんせん』と、いつになく厳しい様子で。それを、この男は無礼な事をされたと勘違いしているのだ。

「あ? ああ、そうだな……傷付けて、楼主に告げ口でもされたら嫌だしな。よし、いっその事、本当に殺してしまうか」

「――――――!!」 

 その言葉を聞き終えるか、聞き終えないかの内。蝶蘭の中で何かが爆発した。
 目の前が真っ白になった。頭の中も真っ白になった。次、意識がしっかりとした時、目の前は真っ赤だった。自分の手と、目の前に横たわる、今まで自分を少しなりとも愛してくれた男。
 手に握られているのは、柄に椿の彫り物がしてある、小さな護身用の小刀。
 真っ赤、真っ赤、自分の口紅と同じ色。顔に飛んできていたその赤が、頬を伝って口の中に入って来た時、それの味で、その赤が何者かを知る。
 血
 
 ――あたしは、この男を殺したのだ――

10雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/10/26(火) 19:09:37 HOST:180-146-97-244f1.shg1.eonet.ne.jp
  [遊女の恋] #5 /GL注意/舞台は遊郭となりますので苦手な方は注意
  
  ――あたしは、この男を殺したのだ――

 菊屋の若旦那と話していたであろう、顔も知らない若い男が、目の前でいろんな器官から水を垂れ流しながら、震えている。
 周りにいた男客も、遊女たちも、一斉に叫び声をあげたり、急いで逃げようとしていたりする。

(ああ、こんなことをしたら殺されるんだろうな)

 以外に、主犯である自分がこの騒ぎの中で、最も冷静である。そんな考えすらも、冷静に浮かんだ。 
 殺される? 自分達を家畜の如く扱ってきた奴らに何故殺されなければいけないのか?
 コイツラに此処へ連れて来られて、コイツラにこんな生活をさせられて、コイツラに心も体も汚されて。
 
 冷静だった脳が、一気に熱くなる。何かが切れた音がする。
 もう何もかもが憎い憎い憎い憎い憎い! その瞬間、この遊郭で働いている者も、雇っている者も、客も、遊女も、何もかも憎くなった。今まで押し込んできた感情が、蓋をあけられたかのように止まる事を知らずに溢れだす。汚くて濁った感情が。
 全員死ねばいい! 小鳥遊以外全員憎い! 小鳥遊以外全員死ね!

 手に持っていた小刀を、使い方もしらないのに振り回した。何人かの男は自分を止めようとしたり殺そうとしたりした気がするけど、体に深い傷をつけられようが、片っぱしから近くの人間を斬っていった。他の男客と比べて、優しくていいお兄さんの男客でも、幼い頃からずっと一緒に此処にいた遊女でも、今まで仲良くしてきて小鳥遊の次に好きだった遊女でも、皆斬って言った。
 気付けば、自分の周りの者はすべて倒れていた。正しくは、自分の周りの者はすべて死んでいた。女にやられたとは思えないぐらい残酷な屍と化して。沢山あったはずの建物さえも、ほとんどの物が全壊。マシな物は半壊。
 蝶蘭は、赤く染まっている。自分の血なのか他人の血か分からないが、小鳥遊に褒められた鶯色の髪さえ、紅蓮である。唯一違う色が、これまた小鳥遊に褒められた瑠璃色の瞳。そこには何の感情も浮かんでいなく、ただ、目の前の現実をしっかりと受け止めている。

 がさり

 音が鳴る。あまりにも小さな音であったが、もう自分以外の誰も動くはずのないこの場所なので、意外に大きな音に聞こえた。
 その音の発信源を、蝶蘭はゆっくりと首だけを動かして見る。その先にいたのは――

「小鳥遊」

 小鳥遊びも、また真っ赤になっていた。
 見事な黒真珠のような輝きを持つ黒髪も、彼岸花の色だった。赤椿色だと思ってた瞳も、今では血の色にしか見えない。
 小鳥遊の手には、日本刀が握られている。それももちろん真っ赤。刀は、蝶蘭の小さな頼りない小刀とは反対に、細身の小鳥遊に持てるのかというぐらいしっかりとした良い品。それが真っ赤に染まっていて、小鳥遊も真っ赤に染まっていながらも今普通に動いているということは、彼女も自分と同じ行動をしたということだろう。『皆殺し』。だとしたら、説明がつく。戦いの経験もない蝶蘭が1人で、しかも小さな小刀1つでできる訳がない。理由は分からないが、すぐに蝶蘭は、小鳥遊は自分と同じように周りの人間を殺したと悟る事ができた。小鳥遊も、蝶蘭が何を犯したのか、既に察しているようだ。
 小鳥遊は、笑っていた。それはそれは辛そうで、でも少し嬉しそうな笑みだった。
 
「わっちは蝶蘭を愛していんす」
 
 すごくすごくすごく待ち望んでいた言葉。でも、特に感動はなく、蝶蘭は静かにその言葉を受け入れる。周りは、時が止まっているかのように静かだった。

「あんさんの為ならこなことしても構んせん。後悔していない。なぜなら、どなたよりも愛してるから」
「…………」
「だから、だから――――」

「わっちと逃げ出してくれんせんか? この遊郭から……世界から!」

 小鳥遊はまだ言葉を続けようとした。
 だが、それは叶わなかった。
 なぜなら、
 
 その口は蝶蘭の口によって塞がれていたから。

 赤しかない二人っきりの静寂な場所で、透明な涙が2雫堕ちて行った。

11雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/10/26(火) 19:18:21 HOST:180-146-97-244f1.shg1.eonet.ne.jp
  [遊女の恋] #5*end /GL注意/舞台は遊郭となりますので苦手な方は注意
  
  ――あたしは、この男を殺したのだ――

 菊屋の若旦那と話していたであろう、顔も知らない若い男が、目の前でいろんな器官から水を垂れ流しながら、震えている。
 周りにいた男客も、遊女たちも、一斉に叫び声をあげたり、急いで逃げようとしていたりする。

(ああ、こんなことをしたら殺されるんだろうな)

 以外に、主犯である自分がこの騒ぎの中で、最も冷静である。そんな考えすらも、冷静に浮かんだ。 
 殺される? 自分達を家畜の如く扱ってきた奴らに何故殺されなければいけないのか?
 コイツラに此処へ連れて来られて、コイツラにこんな生活をさせられて、コイツラに心も体も汚されて。
 
 冷静だった脳が、一気に熱くなる。何かが切れた音がする。
 もう何もかもが憎い憎い憎い憎い憎い! その瞬間、この遊郭で働いている者も、雇っている者も、客も、遊女も、何もかも憎くなった。今まで押し込んできた感情が、蓋をあけられたかのように止まる事を知らずに溢れだす。汚くて濁った感情が。
 全員死ねばいい! 小鳥遊以外全員憎い! 小鳥遊以外全員死ね!

 手に持っていた小刀を、使い方もしらないのに振り回した。何人かの男は自分を止めようとしたり殺そうとしたりした気がするけど、体に深い傷をつけられようが、片っぱしから近くの人間を斬っていった。他の男客と比べて、優しくていいお兄さんの男客でも、幼い頃からずっと一緒に此処にいた遊女でも、今まで仲良くしてきて小鳥遊の次に好きだった遊女でも、皆斬って言った。
 気付けば、自分の周りの者はすべて倒れていた。正しくは、自分の周りの者はすべて死んでいた。女にやられたとは思えないぐらい残酷な屍と化して。沢山あったはずの建物さえも、ほとんどの物が全壊。マシな物は半壊。
 蝶蘭は、赤く染まっている。自分の血なのか他人の血か分からないが、小鳥遊に褒められた鶯色の髪さえ、紅蓮である。唯一違う色が、これまた小鳥遊に褒められた瑠璃色の瞳。そこには何の感情も浮かんでいなく、ただ、目の前の現実をしっかりと受け止めている。

 がさり

 音が鳴る。あまりにも小さな音であったが、もう自分以外の誰も動くはずのないこの場所なので、意外に大きな音に聞こえた。
 その音の発信源を、蝶蘭はゆっくりと首だけを動かして見る。その先にいたのは――

「小鳥遊」

 小鳥遊も、また真っ赤になっていた。
 見事な黒真珠のような輝きを持つ黒髪も、彼岸花の色だった。赤椿色だと思ってた瞳も、今では血の色にしか見えない。
 小鳥遊の手には、日本刀が握られている。それももちろん真っ赤。刀は、蝶蘭の小さな頼りない小刀とは反対に、細身の小鳥遊に持てるのかというぐらいしっかりとした良い品。それが真っ赤に染まっていて、小鳥遊も真っ赤に染まっていながらも今普通に動いているということは、彼女も自分と同じ行動をしたということだろう。『皆殺し』。だとしたら、説明がつく。戦いの経験もない蝶蘭が1人で、しかも小さな小刀1つでできる訳がない。理由は分からないが、すぐに蝶蘭は、小鳥遊は自分と同じように周りの人間を殺したと悟る事ができた。小鳥遊も、蝶蘭が何を犯したのか、既に察しているようだ。
 小鳥遊は、笑っていた。それはそれは辛そうで、でも少し嬉しそうな笑みだった。
 
「わっちは蝶蘭を愛していんす」
 
 すごくすごくすごく待ち望んでいた言葉。でも、特に感動はなく、蝶蘭は静かにその言葉を受け入れる。周りは、時が止まっているかのように静かだった。

「あんさんの為ならこなことしても構んせん。後悔していない。なぜなら、どなたよりも愛してるから」
「…………」
「だから、だから――――」

「わっちと逃げ出してくれんせんか? この遊郭から……世界から!」

 小鳥遊はまだ言葉を続けようとした。
 だが、それは叶わなかった。
 なぜなら、
 
 その口は蝶蘭の口によって塞がれていたから。

 赤しかない二人っきりの静寂な場所で、透明な涙が2雫堕ちて行った。

12雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/10/30(土) 10:33:53 HOST:119-230-105-121f1.shg1.eonet.ne.jp
  [秋の、桜]

 一面に咲き誇る花の畑。
 朝露を浴びた姿はドレスを纏っているよう。夕日を浴びた姿はお化粧をしてるよう。月光を浴びた姿は歌っているよう。
 白、桃、赤、紫
 宝石を砕いてできたかのような花弁を一枚一枚綺麗に並べて、散り際までも微笑みかけてくる。

 ねぇ、コスモスってどういう漢字を書くか知ってる?
 秋の桜って書いて、コスモス! 秋桜なのよ!
 桜は春を代表する美しい花。
 
 木の下に埋まっている死者の血を吸って色づいた桃色で、
 そのくせ秋桜より小さな花弁で、秋桜より色の種類が無くて、秋桜より短命で、秋桜よりうざったくて、
 でもね、秋桜より愛されてるの。

 秋桜。
 秋の桜。桜のように美しいから、秋の桜って名付けられたんでしょうね。
 でも、それってよく考えて?
 秋の桜って、桜が基準って事。「桜のように美しい」「まるで、秋の桜のようだ」桜と共通点なんてないのに、桜と姿が被せられているのよ!
 私は私、秋桜は秋桜。
 コスモス、それだけでよかったのに、なんで漢字をつけたの? なんで秋桜、桜なんて字を取り入れたの?
 私は桜じゃないわ!

 桜なんて大嫌い!
 だから――、
 
 桜って字が入ってる私も大キライヨ?

 
 私だけを愛して! 私は気高い、秋に気高く咲くコスモスよ!

13隠れファンの雷都← ◆U5wL/uVL5k:2010/10/31(日) 18:00:00 HOST:p8164-ipbfp304niho.hiroshima.ocn.ne.jp
初めまして〜!
何気に隠れファンな雷都ですw
ずっと読んでたのにコメントしなかった人ですw
そんな隠れファンだったのがやっとコメントをしましたー^∀^

何だか神秘的と言うか何と言うか凄いです!
はい、表現下手ですね、分かってまs((←
続き楽しみにしています^^

14雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/10/31(日) 22:45:06 HOST:180-146-107-200f1.shg1.eonet.ne.jp
>>雷都様

一生コメこないと思ってた☆
隠れファンだなんて、有名人気分← 俺はどうしようもない馬鹿野郎なのに……! 
すっごーく嬉しいです! 有難う御座います^^

神秘的!? いや、自分の駄文っぷりに涙が出そうなくらいです!
でも、そう言ってくださると励みになります><*
有難う御座います、頑張りますノシ

15雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/10/31(日) 23:58:28 HOST:180-146-107-200f1.shg1.eonet.ne.jp
  [痛くても我慢します 辛くても我慢します 悲しくても我慢します 楽しくても我慢します 嬉しくても我慢します]

 目の前で飛び散る紅。
 美しい色をした血は、目の前でスローモーションで様々な方向に飛んで行く。
 私の顔に飛んできた飛沫は、目元に付着して涙のように顔をゆっくり伝って行く。
 その血に本物の涙を混ぜ込んだ、私の罪。

――――

 目の前では、不動は墓石が冷たい風を受けていた。そこに供えられた花はほとんどが花弁が散っている。
 墓石に彫られている字、『山本家之家』。その字の山本、という所に目線を動かすと、ぼそっと暗くて低くて悲しい声で呟く。

「ごめんなさい、山本さん」

 あの人の下の名前は知らない。葬式には呼ばれなかったから、こうやって墓参りに来るようになってから、山本という墓石に彫られた字で名字だけを知る事ができた。
 本当は名前なんて知るほどの知人になるはずの人じゃなかった。いや、出会う事すら無かったであろう人。私のせいで出会ってしまって、そして――――

「ごめんなさい」

 許されそうな気はしないけど、ひたすら呟く。
 手をあまりにも強く握りしめたせいで、爪が掌に突き刺さって血がうっすらと浮かんでいた。
 その血が視界に入ると、また彼女の脳内であの日の事が、ビデオカメラで収められているかのように鮮明に何の狂いも無く正しく再生され始める。
 思い出したくも無いのに、その脳内で流れる映像を止める術を彼女は知らなかった。いや、知っていたとしても、思い出す事が少しでも彼への罪の償いになる気がして。

 あの日――
 約2年前、私はすごく死にたかった。
 付き合ってた彼氏に騙されて、借金を負わされて、子供ができたのにおろさせられて、家族からは見放さられて、それが会社に知られて当然クビを切られる。
 本当に、何もかもに裏切られた気分で、苦しくて、辛くて、消したくて、消えたくて。
 踏切の中に飛び込んだ。
 そこで、私と同じ年齢ぐらいの青年が現れ、彼も踏切内に入ってきて私を助け出そうと私を説得した。
 そこを、私は嫌だと泣き叫んで意地でもそこから出ないようにした。
 そこで彼と言い合ううちに電車は来て――――

 彼は私を線路の外へと突き出し、自分が電車に轢かれた。


 死にたがりのどこにでもいる悲観な女を助けて、周りの者によく愛されていたであろう青年は死んだ。
 ドラマではよくある話、だが現実では深い罪。助けられた私は自ら死へ走る事は許されない。生きる事が償う事なのだと。

16雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/02(火) 18:05:14 HOST:119-231-144-136f1.shg1.eonet.ne.jp
  [痛くても我慢します 辛くても我慢します 悲しくても我慢します 楽しくても我慢します 嬉しくても我慢します] #2*end

「――あ」

 自分しかいないはずの場所で、自分以外の者の声が聞こえた。
 だが、すぐに誰の声か理解する。それと同時に、血の気が引いていく音がした。

「あんたっ……!」

 声の持ち主は、カツカツと速足でヒールの音を高く鳴らしながら近付くなり、私の頬を細くてなめらかな指で叩いた。乾いて虚しい音がこだます。
 会うなり、こんな事をしてくるのはどうかと思うが、私に文句を言う筋合いはない。なんせ、相手は最愛の兄を私によって無くした、山本さんの彼女なのだから。彼女は親族よりも私が葬儀に参列するのを拒んだ。これも、なんて昼ドラ的な要素だろう。私は悲劇の主人公といった所? いや、それは彼女。私は自殺未遂をした暗い女で、加害者。
 目の前の彼女は、顔を真っ赤にさせて、小刻みに震えている。暗めの色のカラーコンタクトがはめてある目は、うっすらと湿っている。

「何でこんな所にいんのよ! 罪悪感があるなら、もう彼に顔を見せないで! お墓参りなんて来ないでよ!」

 声が反響する中で、再び頬を叩かれる。今度は、さらに力と憎しみが込められているようだった。私は、それを黙って受け入れる。ジンジンとした静かな痛みの中で、彼女の荒い呼吸を聞いていた。
 それでも彼女の興奮状態は収まらず、丁寧に時間をかけられていたであろうメイクは、もう涙で悲惨な状態になっている。それより悲惨なのは、彼女の心情なのだろうが。もう見たくもなかった相手と、彼氏が眠る場所の前で出くわしてしまったのだから。

「……あの。………………本当に、申し訳ありません」

 かける言葉を探したが、私のような立場は結局の所は謝罪しかできない訳で。
 それが、彼女の怒りをさらに買ってしまったようだ。当たり前、なのだけれども。

「何よ! そうやって謝れば済むって思ってる訳!? それとも、自分だって悲劇のヒロインだとでも思ってるの!?」
「…………」
「私はまだ彼を愛してるの! あの日だって、本当は彼の誕生日でレストランで待ち合わせしてただけなのに、あんたが死のうとしたから!」

 それって、誕生日が命日になってしまったって事ですよね。そう言いかけて、やめた。それはまた彼女を悲しみにつき落とすだけの行為にすぎない。
 『まだ彼を愛してる』もう2年も経つのに、まだ山本さんを愛してる。確かに、彼の事は全然知らないのだが、知らない女のために説得してくれて……命をおとした。そんな人、本当に愛してたんだろう。

「あんたなんか、死ねばよかったのに!」

 手に持っていた花束を、顔に投げつけられる。花弁が舞い、それが全て地についた頃には彼女は私に背を向けて走って行っていた。
 地面に落ちた花弁に自分の涙が露のように飾り付けをする。

「……できるなら、やってる、よ」

 山本さんに助けられた命。それをもう一度死に走る事は絶対に許されない。誰かに言われたことでもないし、山本さんの親族とかさっきの彼女みたいに死ね、と言われた事のほうが多いのだけれども、それは駄目だと私の本能が語っている。
 生きたい訳ではない、むしろ死にたい。でも生きなきゃダメなんだ。それが私の山本さんへの罪滅ぼし。……山本さんは私にこうしてほしいから助けた訳じゃない。それも分かってるはずなのに、これしかできないし考えられない。

「どうして、私は生きてるの……?」

 私は助けられたが、別にあれ以来状況が変わった訳ではない。むしろ周りの者に面倒事も増やしてしまって、悪化してしまったぐらいだ。
 
 本当は、さっき、期待していた。
 山本さんの彼女が、私に復讐でもしてくれるんじゃないかと思った。殺してくれるんじゃないかと思ってた。でも、残ったのは頬と胸に残る痛み。私の命も残ってる。復讐してくれたら、自分から死にに行った訳ではなく死ねると思ったのに。
 私、死にたいの。
 こういう事を言うと、世界には生きたくても生きれない人もいるんだよと答えられる気がするけど、だったらその人達に私の命を貰って欲しい。
 
 こんな思いをしてまで生きていたくない。
 痛くても我慢します。辛くても我慢します。悲しくても我慢します。楽しくても我慢します。嬉しくても我慢します。
 これから起こる全てを我慢します。
 山本さんのために幸せになってはいけません、だから幸せは望みません。死という幸せだけを望みます。

 
 だから、死なせて下さい。

17雷都 ◆U5wL/uVL5k:2010/11/02(火) 18:55:59 HOST:p6040-ipbfp304niho.hiroshima.ocn.ne.jp
いやいや、こんな素敵な小説に未だコメントが僕が初とか信じられませんよ!
有名人w^p^ 大丈夫です、貴方様より馬鹿野郎な人間がこちらに居ます★((僕←

駄文!?これで駄文って僕とかやばいじゃないですかw
小説の基本的なルール(?)も出来てるし、凄いですよ+僕なんて微妙に基本的な事できてませんからw

し、シリアスだと!?
ヤバイです、只今目がウルウルでs((←

18雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/02(火) 18:58:44 HOST:119-231-144-136f1.shg1.eonet.ne.jp
  [それは君だけの哀しみではない]

 君は『ありがとう』とだけ微笑んで去っていく。
 ふわりと浮いたスカートから初恋の香りだけ残して去っていく。
 これから、君は泣くのかな。

 その涙の飲みたい。
 その悲しみを舐めたい。
 その愛しさを喰いたい。
 君の全てをぐちゃぐちゃに混ぜ込んで、君が泣きやむまで僕が代わりに笑っていよう。

 ホントはね、ホントはね、君、大好き。
 君も、僕、大好き。
 でも、さよなら。僕から言った。

 好きだからさようなら。僕を好きだという君の事は好きじゃない。
 全てがあのままでよかった。時計は動きだす必要はなかったんだ。
 
 君は、今頃泣き出したかな?
 でもね、知っててね。失恋したのは君だけじゃないよ。僕も失ったんだ、恋。
 だから、君だけが悲しいんじゃないよ。
 
 君だけが愛してるんじゃないよ。
 なんで、僕はさよならしたのかな? 分かんなくなっちゃった。適当に理由つけてた気もしたけど。

 あれ、何で君は此処にいないのに、涙があるの?
 ああ、僕の涙ね。了解。

19雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/02(火) 19:06:54 HOST:119-231-144-136f1.shg1.eonet.ne.jp
>>雷都

コメントが初、というか、コメントが来るという事態が既に奇跡起こしてますからね!((
NOT有名人w 俺より馬鹿…!? 見えませんね、そんな人←

駄文っていうか、ゴミクズv←  俺以下の駄文を書く人はいないから大丈夫ですよ☆
他掲示板で少ない脳内に詰め込んだ(つもり)ので! 微妙にw 
雷都様は小説書かれていますか? 書かれていたら教えてくださいな+

書き始めてから暗い話しか書いていない悲劇です(( もうちょっと明るい話書きたいっす。
それは、目にゴミが入ったからだよ……((

20雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/02(火) 19:09:05 HOST:119-231-144-136f1.shg1.eonet.ne.jp
やべ、何故に呼び捨て←
申し訳ありません、>>19は>>雷都様 宛てにしてください。
ホント、こんな立場の人間っていうかゴミがこんな事をするとは恐ろしいですね((
今すぐ処刑台行ってきますノシ
雷都様、本当すみませんorz

21雷都 ◆U5wL/uVL5k:2010/11/02(火) 19:18:13 HOST:p6040-ipbfp304niho.hiroshima.ocn.ne.jp
そんな事言ったらコメント来ちゃってる僕の小説凄い奇跡ですよw
只今雪音様とお話している人こそがその馬鹿野郎です★((((((((Σ

これでゴミクズだったら僕は地球外物体ですよ!!((何それΣ
あぁ、僕も他掲示板で結構指摘されまくったので多少は目を当てられるようになりましたw 微妙なのですw
書いてますよ+ 短編集のと、メインの方のとで!只今メインは更新されておりまs((((←
短編集が「短いお話の集い」(今上がってます!)メインが「幸せ―…」(只今更新されてまs(((←)ですよー^^酷さ注意です+

シリアスも良いですよ+神です+ 明るいお話しはお話しでハイテンションになっちゃう僕^p^
め、目にゴミですか…?((ウルッ←

処刑台!?
むしろ僕は呼び捨てされたいぐらi((((((((((←←
そんなに誤らないで下さい;;

22雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/02(火) 19:33:13 HOST:119-231-144-136f1.shg1.eonet.ne.jp
>>雷都様

それは、コメきても奇跡ではない素晴らしい小説だから来てるんですよ!
私は雪音ではありません、馬鹿野郎です((テメ

地球外物体って、きれーなお月様とかですか(・ω・)キョトン←
場所によっては結構厳しいとことかありますからねぇ……(( 俺の場合微妙っていうか、思いっきり?
まぁ!← 是非見に行かせてもらいます^^
短編集は今すぐ見に行きます! メインの方は結構レスあるっぽいので、よめたらコメしますノ 酷くない←

本体はシリアスなんて似合わんのに、シリアスを書きたがる← そうですね、俺もギャグとか大、好物です^^ノ
はい、ただちにゴミを取る事を勧めます!←

そんな恐れ多い・ω・;
いや、死ぬまで謝り続けますorz←

23馬鹿野郎なのよ((←(雷都) ◆U5wL/uVL5k:2010/11/03(水) 15:57:46 HOST:p2211-ipbfp504niho.hiroshima.ocn.ne.jp
いやいや、それは無いですよー! 目も当てられないくらいの酷さのはずですもん!!
お名前は雪音様になっておりますよーw僕のが馬鹿野郎で((((←

綺麗なお月様は駄目です、僕によって汚されるぅぅぅぅ!!(((← その辺に浮いてる何かですよ!
そこまで厳しい訳ではあなかったのですが、本当に酷くてw基本全く出来てませんでした^p^ 完璧ですよ+
更新ノロノロで短編集の方ばかり更新しやがります←
あぁ、メインの方はほぼコメントと言うか雑談と言うかw 100言ってるけどお話自体は結構短いと思われますw 酷いですよ!

似合うに似合わないよりも書きたいが優勢ですよ!! ギャグ良いですよねw短編次はギャグにしようか悩み中ですw
取ろうと思ったけど何もなかったよ、先生!((どんな設定Σ

恐れ多いとはwwwwwww なんか女王的気分になるじゃないですかw
そ、そんなΣ

24雪音と名乗る馬鹿 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/06(土) 10:50:09 HOST:119-231-150-143f1.shg1.eonet.ne.jp
>>雷都様

ありますよ+((キリ 目も当てられないって、眩しすぎるから?←
雪音は間違えました!((え いいんですよ、俺なんか庇わなくても…((

いや、寧ろさらに綺麗になりますよ! じゃあ、お星様ですね☆
俺も書き始めは本当に更にひどかったです^p^ いやいやw 本当にまだ誤字脱字は多いんでw
短い中でも素晴らしいからいいんですよ* そんな事言ったら俺のはどうなるんですk((

じゃあ書きます!← 俺もそろそろギャグというか明るいの書きたいですorz
いや、きっとあるはずだ! 探すんだ、我が生徒よ!((殴

女王様じゃないんですか!?((え
土下座は俺の日課ですよ☆

25雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/06(土) 11:51:56 HOST:119-231-150-143f1.shg1.eonet.ne.jp
  [Bonne nuit.Poup&eacute;e(おやすみなさい。お人形さん)]

 快晴の空をガラス玉にしたかのような瞳が、哀しく動き、私をとらえる。
 眉間に皺をよせて、険しい表情をしながらもその瞳だけは、愛しい愛しいと訴えかけている。
 その瞳に気付かないふりをして、私はいつもの薄い笑顔。ただ主人の言葉が発せられるのをいつまでも待ち続ける。

「彼女を、僕のものにしたい」

 静かな屋敷の中で響いたその言葉は、また哀しみを含んだ声に聞こえた。
 主人は何でもないような表情をしているが、自分のコートを掴む手に力が入って、小刻みに震えているのには本人も気付かない様子。

「御意」

 主人が愛す娘は、主人がどんなに恋焦がれても手に入らない小鳥。この国のトップと言っても過言ではない巨大なカンパニーのお坊っちゃまと、どこにでもいる少し貧乏な町娘。二人の距離の差は月と太陽。いや、それ以上かもしれない。町娘は主人の事なんて知りもしらないし、彼女には若い青年のフィアンセがいる。小さい頃から何でも手に入れる事ができた主人は、それだけに娘の事を愛して疎ましかった。
 私だって笑顔で肯定を示したものの、彼女の心までは主人の為にと手に入れる事はできない。攫うことはできても、娘は主人の事を一生愛さないだろう。でも、私にだって策はない訳ではない。私は執事、主人のためなら何でもするし可能にする。
 主人が望むなら、主人を愛さない小鳥など、不動の主人のモノとなる人形にする事だって可能。
 
 だから、主人のお人形となってください? 小鳥さん――――

――――

「キャアアアアアア!」

 小鳥のさえずりが響く。その残響の中で、私は本心から零れた笑みを彼女に見せた。それは、いつも主人に見せているような朗らかな笑みではなく、私の本当の姿の狡猾な笑みで。
 小鳥がどれだけ鳴き叫ぼうが、誰も来る訳がない。ちゃんと計画して、貴方を襲ったんですからね?

「貴方には酷い事をしているとは思いません。ですが、謝りませんよ? 私は……あのお方が全てですからね。貴方はどうか知りませんが」

 私のナイフが小鳥の羽をむしっていく。大量に舞い上がる羽は美しい赤。羽をむしって曝された細い体も赤。
 小鳥は美しい声で鳴く、泣く。その声も、体も、羽も、これからは主人の物となってくださいね? 人形になりかけの小鳥は私の悪魔の声も聞こえないといった様子で狂ったように泣き叫ぶ。
 その細い指が動かなくなった時、私の顔からはようやく狡猾な笑みが消えて、いつも主人に見せている笑みに戻った。小鳥は苦しそうな声で「あ……あ」と喘いでいたが、とうとうその最後のさえずりさえも霧が消えていくように終えた。

「大丈夫ですよ、殺してはいませんから」

 死ぬことに大変怯えていた小鳥に、逃げられないようにと甘い言葉をかけてやったが、もう小鳥は意識を失っていた。ああ、信じられないから自分から意識を閉じたんですか? 本当なのに。死んでしまったら主人にお渡しできないじゃないですか。でも、次に目覚めた時は羽ばたく事もさえずる事もできない、元小鳥だった人形となり果てているんですがね。
 その小鳥――お人形に、手をかける。首の下と足をささえて持ち上げてみると、あまりにも軽すぎる体だと思った。重そうな服を着ているのに。その自らの血に汚された白い美しい体を見ると、思わず呟く。

「帰ったら、体を洗って綺麗なドレスを着せて……部屋も用意しないと……」

 亜麻色の緩やかなウェーブがかかる長髪が手に流れ落ちる。睫毛で縁取られている閉ざされた瞳。確か、瞳の色はエメラルドだった気がする。この容姿だったら、純白のパールが施されたドレスが似合いそうだ。後でメイドに用意させよう。
 まさに人形のような白い頬には、涙が伝っていた。それを、血で赤く染まっている手で拭ってやる。
 涙をこぼしていた少女に、微笑みかけた。

「Bonne nuit. La princesse de la poup&eacute;e(おやすみなさい。人形の姫君)」

 涙の上から上書きするように、冷たい頬に熱い唇を落として。

26馬鹿野郎なのよ((←(雷都) ◆U5wL/uVL5k:2010/11/07(日) 12:02:55 HOST:p8116-ipbfp304niho.hiroshima.ocn.ne.jp
ないですよー、だって駄文ですもん!! そんな輝きを放っているのは雪音様かとw
間違えたww べ、別にかばってなんか(((((←/ここで来たツンデレ←

いやいや、僕の歌声と同じように汚れちゃいますよ★ お星様まで汚しちゃううぅぅぅぅ!?宇宙に浮いてるゴミとかでは((どんなのΣ
なんとwまあ書き始めなんてそんなものですよね! 大丈夫です、僕もやりまくりですw
素晴らしくないですぅ!!!!!! 雪音様は神です++

さあ、ギャグを書こうかn(((((
先生、取ってよ((((((((←

ち、違いますよΣ
えΣΣ

27雪音(馬鹿) ◆mzHXeB1fFY:2010/11/13(土) 21:25:04 HOST:180-146-95-53f1.shg1.eonet.ne.jp
>>雷都様

ありますよ、だって美しい文ですもん!((テメ いや、正しくは汚れを放ってます←
許されない間違いが…! デレさせてやるぜ!←

貴方様の歌声なんて美しすぎて見れないほど(( 宇宙は聖なる場所なので決してゴミなんかではありませんぜ!
はい、もう掘り返したくない悲劇☆ 仲間……!?((ヤメテ

待ってるy
えー、めんどくさーい/たひ☆

では女王陛下…?←変わってねぇ
orzorzorzorzorz←

28雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/13(土) 21:28:59 HOST:180-146-95-53f1.shg1.eonet.ne.jp
[Bonne nuit.Poup&eacute;e(おやすみなさい。お人形さん)]

 快晴の空をガラス玉にしたかのような瞳が、哀しく動き、私をとらえる。
 眉間に皺をよせて、険しい表情をしながらもその瞳だけは、愛しい愛しいと訴えかけている。
 その瞳に気付かないふりをして、私はいつもの薄い笑顔。ただ主人の言葉が発せられるのをいつまでも待ち続ける。

「彼女を、僕のものにしたい」

 静かな屋敷の中で響いたその言葉は、また哀しみを含んだ声に聞こえた。
 主人は何でもないような表情をしているが、自分のコートを掴む手に力が入って、小刻みに震えているのには本人も気付かない様子。

「御意」

 主人が愛す娘は、主人がどんなに恋焦がれても手に入らない小鳥。この国のトップと言っても過言ではない巨大なカンパニーのお坊っちゃまと、どこにでもいる少し貧乏な町娘。二人の距離の差は月と太陽。いや、それ以上かもしれない。町娘は主人の事なんて知りもしらないし、彼女には若い青年のフィアンセがいる。小さい頃から何でも手に入れる事ができた主人は、それだけに娘の事を愛して疎ましかった。
 私だって笑顔で肯定を示したものの、彼女の心までは主人の為にと手に入れる事はできない。攫うことはできても、娘は主人の事を一生愛さないだろう。でも、私にだって策はない訳ではない。私は執事、主人のためなら何でもするし可能にする。
 主人が望むなら、主人を愛さない小鳥など、不動の主人のモノとなる人形にする事だって可能。

――――

「キャアアアアアア!」

 小鳥のさえずりが響く。その残響の中で、私は本心から零れた笑みを彼女に見せた。それは、いつも主人に見せているような朗らかな笑みではなく、私の本当の姿の狡猾な笑みで。
 小鳥がどれだけ鳴き叫ぼうが、誰も来る訳がない。ちゃんと計画して、貴方を襲ったんですからね?

「貴方には酷い事をしているとは思います。ですが、謝りませんよ? 私は……あのお方が全てですからね。貴方はどうか知りませんが」

 私のナイフが小鳥の羽をむしっていく。大量に舞い上がる羽は美しい赤。羽をむしって曝された細い体も赤。
 小鳥は美しい声で鳴く、泣く。その声も、体も、羽も、これからは主人の物となってくださいね? 人形になりかけの小鳥は私の悪魔の声も聞こえないといった様子で狂ったように泣き叫ぶ。
 その細い指が動かなくなった時、私の顔からはようやく狡猾な笑みが消えて、いつも主人に見せている笑みに戻った。小鳥は苦しそうな声で「あ……あ」と喘いでいたが、とうとうその最後のさえずりさえも霧が消えていくように終えた。

「大丈夫ですよ、殺してはいませんから」

 死ぬことに大変怯えていた小鳥に、逃げられないようにと甘い言葉をかけてやったが、もう小鳥は意識を失っていた。ああ、信じられないから自分から意識を閉じたんですか? 本当なのに。死んでしまったら主人にお渡しできないじゃないですか。でも、次に目覚めた時は羽ばたく事もさえずる事もできない、元小鳥だった人形となり果てているんですがね。
 その小鳥――お人形に、手をかける。首の下と足をささえて持ち上げてみると、あまりにも軽すぎる体だと思った。重そうな服を着ているのに。その自らの血に汚された白い美しい体を見ると、思わず呟く。

「帰ったら、体を洗って綺麗なドレスを着せて……部屋も用意しないと……」

 亜麻色の緩やかなウェーブがかかる長髪が手に流れ落ちる。睫毛で縁取られている閉ざされた瞳。確か、瞳の色はエメラルドだった気がする。この容姿だったら、純白のパールが施されたドレスが似合いそうだ。後でメイドに用意させよう。
 まさに人形のような白い頬には、涙が伝っていた。それを、血で赤く染まっている手で拭ってやる。
 涙をこぼしていた少女に、微笑みかけた。

「Bonne nuit. La princesse de la poup&eacute;e(おやすみなさい。人形の姫君)」

 涙の上から上書きするように、冷たい頬に熱い唇を落として。
 
 美しき人形は主人のための姫君と成り下がる。

29雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/14(日) 12:52:43 HOST:180-146-44-205f1.shg1.eonet.ne.jp
  [嘘を愛せないペテン師]

「なんでっ……なんで行くの!?」

 流石に、振り返った。
 もう振り返らないと決めたはずなのに、彼女がその決心を鈍らせてしまう。
 振り向いた先には、琥珀の瞳から涙という名の愛しさを垂れ流す彼女。彼女は泣いてはいるものの、私が振り向いたことによって少し安堵した表情になる。

「知ってるじゃないですか」

 こんな時でも私は笑顔。これからの彼女の旅立ちを祝う笑顔。決して悲しまない、初めから知ってて彼女と出会ったのだから。
 彼女は、私の言葉を聞いて、言い返す言葉を見つけることもできず、俯く。はたはたと零れて行く雫が、ふわりふわりと降る雪と同じようにアスファルトの上に滲みを広げていく。

「確かに、貴方は嘘をつきすぎた! でも貴方は嘘をつくしかなかったんでしょう!?」
「『嘘をつくしかなかった』は私の内情。それを知った所で、今まで死んでいった人々の無念は晴れるでしょうか?」
「でもっ! あたしは……!」

 彼女の愛らしさを帯びた唇から次に出てくる言葉は分かっている、否、知っている。
 出会ったときから知っている。でも、それは言わずに彼女の瞳だけを見つめてその言葉を聞こうとした。

「貴方を、愛し……てるの…………」

 嘘偽りない言葉。
 ペテン師の私には酷く眩しくて美しい言葉に聞こえた。その言葉を発した彼女もまた、酷く眩しくて美しい。
 その、美しさに、キスをする。
 美しい言葉を発する美しい唇に、嘘を発する汚い唇で。降りしきる雪さえも溶かしてしまう程、深くて、熱い口づけ。今まで彼女に数えきれないほどしてきたキスの中で、一番愛おしい口づけだった。
 彼女は私の肩をつかんだりして、何かを訴えかけているようだったが、それでもしつこくしているとおとなしくなった。
 彼女の頭を引き寄せて、さらに深いキスをする。体の奥の奥まで舌が届くんじゃないかと思うくらい。彼女の金髪が指に絡みつく。髪の一本一本まで愛らしい。

「――――っ、ん……」

 離れた2人の唇を、まだ物足りないと語るかのように透明な糸でつなぐ。誰かは『運命の赤い糸』だなんて言うけど、今の私達はこれが2人を繋ぐ糸、なんじゃないんだろうか。
 私は、何も言わずに彼女を見つめた。彼女は、そこの私の瞳から察したようだった。私が例えどんなに彼女と離れたくなくても、行ってしまう事を。

「もう、行かなきゃ……」

 彼女は何も言わずに頷くが、今にも『行かないで』と言ってしまいそうになっている。
 でも、そんな彼女を傷つけないために『いつか帰ってくるよ』だなんて言えない。嘘になるから。ペテン師の私が嘘を吐く事を嫌うだなんて、彼女は笑うだろうか? 嘘吐きのペテン師は嘘を嫌い、嘘を愛さない。嘘だけが私の生きる道だったとしても。
 永遠の別れとなる前に、彼女に、一言言った。

「私も、君を愛してましたよ」

 私はペテン師、吐く言葉は全て嘘。もちろんコレも。
 嘘は愛さない。
 でも、この嘘だけは愛してた。明日になれば愛さなくなるけど。

30雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/16(火) 18:18:00 HOST:119-231-132-143f1.shg1.eonet.ne.jp
  [君と僕の大切な日。]



 君と僕が出会った日。
 はじめて、「運命」を信じた。

 君と僕の秘密ができた日。
 その秘密の甘さに溺れてしまった。
  
 君が僕を見ていた日。
 嬉しすぎて、その視線を独占したかった。

 君が誰かと楽しそうにしてた日。
 嫉妬という感情を強く憎んだ。

 君のおかげで僕が変わった日。
 心の底から君に愛と感謝をささげた。

 君を僕が悲しませた日。
 自分を殺してしまいそうになった。

 君に僕が愛してると言った日。
 ここまで透き通った言葉を初めて口にした。

 君と僕の関係が変わった日。
 昨日までが急に夢の日々だったように思えた。

 君が僕の前から消えた日。
 僕の世界も、消えた。

 君が再び僕の前に現れた日。
 僕は、君を――――『    』


****

お題提供/101年目のキセキ。様

31雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/16(火) 18:31:26 HOST:119-231-132-143f1.shg1.eonet.ne.jp
お題小説しようと思います★
お題提供は『101年目のキセキ。』様からです。神です。
地味に書いていこうと思います^^ 多分一気には書かず、時折関係ない小説とかも書くと思います。

 君に贈る10のプレゼント

01、花束
02、ぬいぐるみ
03、僕
04、絵葉書
05、僕の隣の空間
06、びっくり箱
07、手紙
08、「愛してる」
09、別れの言葉
10、「よろしくね」

32雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/20(土) 10:52:16 HOST:119-231-157-124f1.shg1.eonet.ne.jp
  【君に送る10のプレゼント――花束】

「す、好きですっ! あの、よかったら付き合ってください!」
「ごめんね」

 即答。
 勇気を振り絞ってやって来たであろう少女をあっさり突き放した。
 悪いとは思うが、相手も悪いと思う。せめて俺を引き留めたのが今日じゃなければ、ここまでの早い返事はしなかったかもしれないのに。今日は、誰にも俺の行動を一秒たりとも止めてほしくないんだ。
 案の定、目の前の少女は涙を流し始める。見たことがない少女だけど、どこか近くの高校生だろうか? 少女の隣にいるその少女の友達らしき子は、その子を宥め、なぜフるんだと言わんばかりに俺を睨む。

「じゃ、俺急いでるから…………」

 苦笑いしながら、一刻も早く此処から立ち去ろうとすると、俺を睨んでいた子が立ち上がる。

「待ってください! この子の事何にも知らないのに断るなんて、おかしいじゃないですか!」

 呼び留めないで、そう言いそうになった言葉を飲み込む。
 少女にそう言われると、仕方がなく手に持っていた花束を少女達へ見せつけた。それは、全体的に白でまとめあげられた美しい花束。
 少女達は、その花束を目にしても俺が何を言いたいのか分からないらしい。お互い目を見合わせて不思議そうな表情を浮かべる。

「俺には愛してる人が、いるんだ」

 その言葉を聞くと、少女達は花束が俺が言う愛してる人に渡す物だと気付く。
 今度こそ、俺を好きだった少女は泣き崩れた。俺は罪悪感を感じながらも、足を前へと進ませ、その場を立ち去ろうとする。今度は流石に少女の友達は俺を呼び留めなかった。

―――― 

「ちょっと遅くなった。ごめん、待たせたね」

 彼女は、そよそよと草の香りを乗せた春風に吹かれている。
 ああ、今日もなんて美しい事か。今にも抱きしめたい衝動に駆られるが、その儚く弱い体じゃ俺が抱きしめたらすぐに折れそうで、その衝動を抑える。

「今日の花束の百合、綺麗だと思わない? 君、百合好きだったよね」

 彼女は何も答えずに春風に吹かれているだけだ。それでも、俺にはその姿が「ありがとう」と語っているようで、思わず「どういたしまして」と微笑んでしまった。

「それでも、君には勝てないね。やっぱり君が世界で一番綺麗みたいだ」

 こつこつと彼女に一歩一歩近付いていく。
 近付けば近付くほど『愛しい』は増えていく。
 とうとう衝動が抑えきれなくなって、花束を彼女の前に置くと、彼女にキスをした。甘くて優しい味と香り。

「大好きだよ」

 俺がキスした先は、紫色に小さく儚げに咲き誇る菫の花。
 俺は、彼女が死んだこの場所で彼女の代わりに生き続ける菫草にキスをする。 
 花に花束を贈り、その花束の中に君への愛しさも入れておこう。

33雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/21(日) 12:53:14 HOST:180-146-97-163f1.shg1.eonet.ne.jp
  【君に贈る10のプレゼント――ぬいぐるみ】

(ぬいぐるみみたいだなぁ)

 つくづく、そう思う。みぃを見てると。
 量の少ない2束の髪の房。子供らしい輝きを秘める大きな瞳。つついたら跳ね返ってきそうな桃色の頬。ふわふわ、という擬音が今にも聞こえてきそうな容姿だ。
 そんな事を考えながらみぃを見つめていると、みぃはこっちに気付いた。と、同時に手に持っていた青色のプラスチック製のスコップを放り出して俺の方向へアヒルみたいなよたよたした足取りながらも本人なりに全速力で駆け寄ってくる。

「こーちゃんっ!」

 嬉しそうに俺の愛称を呼ぶと、思いっきり俺に抱きつく。見た目通りの軽い体重のくせに、走ってきたからなのか意外に衝動が大きくて、思わず喉の奥から「ぐぇ」という声が漏れた。
 それでも、みぃはそんな俺におかまいなしといった様子で興奮気味に喋る。

「こーちゃん、こーちゃんっ! けっこんしよう!」

 いきなりなんて爆弾発言をするのですか。
 子供って結婚とか簡単に言うよなぁ、と溜息をつく。俺は無邪気にはしゃぐみぃとは裏腹に、冷静な口調で「無理だよ」と言う。
 だが、みぃは自分から言ってきたくせに俺の返事も聞かず、また新たな言葉を言い始める。

「ねぇねぇ、こーちゃん、クイズしよう!」
「うん」
「きょうは、なんの日でしょーか?」

 聞くと思った。
 と言っても、俺も今日はそれが用件でみぃの所まで来たんだから、普通に答える。

「みぃの誕生日、だろ?」
「せーかいっ! こーちゃんすごい! だぁいすき!」

 みぃが嬉しそうに俺に抱きついたまま飛び跳ねる。抱きしめる力も強くなる。いい加減痛くなってきた。
 俺って事あるごとにみぃに大好き、と言われてるな。

「じゃあこーちゃん、みぃのたんじょうびプレゼントちょーだい」
「うん、みぃは何が欲しいんだ?」

 これも言うと思った。毎年ねだられているし。
 既に用意してるし持ってきてるのだが、一応みぃに何がいいのか聞いてみる。
 みぃは俺が聞くなり考える間も無く、元気よく右手を挙げながら即答した。

「けっこんゆびわ!」

 近頃の子供はませすぎだろ。
 結婚指輪の意味分かってるのか? それの重みを分かってるのか?
 例え相手が小学生になりたての近所の子供でも、これには少し照れてしまう、良い大人の高校生の俺。

 みぃは、物心がついた時から俺にべったりで、俺も近所という事でそれなりに面倒を見てきた。
 みぃはそんな俺に恋心を抱いている。よくある話だが、なんだかんだいってもみぃは同年代の男の子がいる小学校に入学しても俺にべったりなままだ。

「あのな、そういうのはまだみぃには早いし、みぃには俺じゃなくて同じ年頃の男が沢山――「みぃは、こーちゃんだけがだいすきなんだよ? だから、こーちゃんとけっこんしたいし、ゆびわほしいの」

 みぃの顔から笑顔が消え、普段じゃ中々見れない真剣味を帯びた表情になる。
 分かってる、みぃはみぃなりで一生懸命に俺が好きって事。
 今日はみぃの記念すべき7回目の誕生日。だから、今日ぐらいはみぃに夢見させてやってもいいかもしれない。

34雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/21(日) 12:54:53 HOST:180-146-97-163f1.shg1.eonet.ne.jp
  【君に贈る10のプレゼント――ぬいぐるみ】 #2*end

「……分かったよ、はい。誕生日プレゼント」
「ゆびわっ!?」

 俺が観念した口調で、左手に持っていた可愛らしくラッピングされた大きな袋をみぃに渡す。
 みぃは俺を抱きしめていた手をほどき、それをほぼ奪い取るように受け取ると、嬉しそうに言った。いや、大きさからしてどう見ても指輪じゃない事ぐらい分かるだろ。
 そんな俺の心の声に気付くはずもないみぃは、嬉しそうに袋の口に結びつけられた鮮やかな色のリボンをはずし、いそいそと中身を取り出す。ふわりとした手触りのそれを取り出すと、笑顔というよりかは、ほうとした感動したような表情を見せた。

「ぬいぐるみ……」

 白い毛並みの大きなクマのぬいぐるみ。結構大きな奴を買ったな、と思ったが、みぃには大きすぎたようで、みぃの身長の半分くらいはあるんじゃないんだろうかと思うぐらいでかい。
 近くのデパートでみぃのプレゼントを探していた時、一目でそれにしようと思った。なんだかみぃにそっくりに感じたのだ。ふわふわした体、子供らしい輝きを秘める瞳、白い肌(というか体全体か?)。そしてなんたる偶然か、いつもみぃがツインテールにしているリボンと同じ色のリボンを首にしていた。レースを施した真っ赤なリボン。
 見るからにみぃはそのぬいぐるみに一目惚れしたらしいが、慌てて首を振って、ムッとした表情をしてみせる。

「もう、こーちゃん、みぃをこどもだとおもって! みぃはもうおとなだからぬいぐるみなんていらないんだもん!」

 とか言っておきながらも、自称大人はそのぬいぐるみをひしと抱きしめる。柔らかな毛に柔らかな顔をうずめる。

「でも、ありがとうね。みぃのたからものだよ……」

 素直になったのが恥ずかしかったのか、俺に顔が見えないように更にぬいぐるみに顔をうずめる。今、このぬいぐるみをはぎ取ったらニヤけた顔がでてくるんだろうな。
 そんなみぃに、もう1つプレゼントしてやろうと思った。

「みぃ、顔あげてみ」

 みぃは、言われるがままに顔をあげる。何故そんな事を言うのか、と不思議そうな表情だ。
 俺は、みぃが顔をあげた同時にみぃの額にキスをした。わざと、ちゅっと音を立てて。ちゅ、というのはみぃが憧れているキスの音、らしい。

「――――!!」

 みぃは、口をパクパクさせるが声が出ない。額を、ぬいぐるみを持っていない方の手で押さえながら、顔を林檎のように真っ赤にさせている。予想外の事態にパニックになっているようだ。
 
 いつもは結婚とかませた事言ってるくせに、結局は子供。額のキスにですらこんなにあたふたしている、恋愛初心者。
 そんなお前に結婚指輪はまだ早い。もっと大人なキスをできるようになってからもう一度俺にねだれよ。
 今は指輪の代わりにそのぬいぐるみで、俺の代わりに隣に置いていて。他の誰にもその小さな指に指輪をはめさせないように。
 誕生日プレゼントは何がいい? 10年後にその質問をした時、まだお前が『けっこんゆびわ!』と答えてくれるなら――――

 みぃの耳元で、熱い吐息と一緒に囁く。

「結婚指輪は、大人になってからな」

 
 子供な君に贈るのは、まだぬいぐるみ。

****
お題提供/101年目のキセキ。様
>>32もお題提供は101年目のキセキ。様からです。

ロリコンだなんて言わないで((

35雷都 ◆U5wL/uVL5k:2010/11/22(月) 13:11:21 HOST:p5169-ipbfp05niho.hiroshima.ocn.ne.jp
久々に見るとかなり更新してあり驚きましたww

美しくないです、汚れまくってます((← いやいや、きっと星のようにキラキラと輝きが←
許されないのですかw Σで、デレないもん!!((((←

いや、きっと汚すぎて聞けません!!(( ……じゃあもうゴミ箱に入ってるゴミで((((((←
分かりますww絶対もうみたくないぐらいですww 仲間だと…!?((Σ

うん、待っててn(((ry
先生ー!?酷いよ((クスンッ…((((←

変わってないですよ!?女王に陛下がついただけでは!?((
宜しい、表を上げい((((何がしたいしΣ

36雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/26(金) 21:03:44 HOST:180-146-78-127f1.shg1.eonet.ne.jp
>>雷都

なぜなら私は一気に更新してしまう野郎だから!←

いや、きっと美しすぎてその美しさに気付いてないんすよ! ん?生ゴミのような汚さが?((え
はい、一生かけて償いますorz← デレじゃなかったらなんだというのかな?(・ω・ウヘヘ)←

必ずつきとめて美声を聞きます(( じゃあ俺は焼却炉の中のゴミで←←
いや、たまに見てみると、1人で恥ずかしくなりますね(( あ、こんな奴の仲間は嫌ですよね……(シュン←

うん、永遠に(( ギャグ見ましたぜ!
本当は取れなiげほげほ←

じゃあ大佐にしときます!(どういう事
な、なんて優しい…!

37雪音 ◆mzHXeB1fFY:2010/11/26(金) 22:27:45 HOST:180-146-78-127f1.shg1.eonet.ne.jp
  【これを運命じゃないというならなんだというの!】

(これは運命よ!)

 
 世界で最も愛しいと思う人に、本能が願う前に出会ってしまった。
 引き付けられた体、一瞬でも見てしまったのは、一瞬でも魅かれたからでしょう?
 私達が出会えたのは、世界がそれを望んだから。
 私達が微笑みあえたのは、世界がそれを祈ったから。
 
 世界がこれほど醜くても汚くても歪でも狡猾でもそれを美しく塗り替えられるのは、世界が私達を巡り合わせたから。
 何周も何年も巡り巡り廻って、ぐるぐると回る視界が鮮明になった時に目の前にいたのは貴方。
 蜘蛛の糸しか絡まらないと知りながらも指先で懸命に何かを掴もうとして、ようやく掴んだのは貴方と幸せ。

 堕ちるは昇る、
 泣くは愛す?
 世界の苦さが全て甘い蜜になったのは、どれもかも全部、貴方と出会ったから。
 歪な愛も全て正当化、『恋』という免罪符で今日も私と貴方で2人きりの世界です。
 その世界で愛だけを麗しい唇から吐き続けて、
 私達が出会えた事を喜んでいる世界にもキスをする。もちろん、口じゃなくて頬にね?

 幻が現に
 世が夢に
 今見てる全てが夢や幻でも構わない。
 だって、貴方と一緒なら、全てそれは現実なのだから。
 なぜなら、それは、

 
 全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部



 運命だからよ!


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