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提督たちの憂鬱 設定スレ 艦艇編 その5

177:2011/06/27(月) 01:20:39
本作では作中で未確定な部分を多分に自己解釈している箇所がありますので、御容赦下さい。


194Ⅹ年某日、蚕食が続く北米大陸の湾口から一隻の巨艦が欧州に向かっていった。
艦上部は偽装が施されていた為普通の船にも見えたが、見る者が見ればその流麗な船体に目を惹かれたであろう。
予算不足から来る海軍活動の停滞によりこれに気付けなかったイギリスは、後に深く後悔したと言われている。

あの大津波によって旧アメリカ合衆国が有していた東海岸一帯の造船・港湾施設は壊滅的な打撃を受けていた。
しかし、被害が多少なりともマシな施設があった。湾口深くにあるフィラデルフィア海軍工廠である。
当時ここの主は合衆国崩壊により事実上の独立状態にあったペンシルバニア州政府であり、
海軍工廠内にある艦を何とかして戦力とし、他州への武器にできないか?と考えている最中であった。
しかし、工廠にある艦に早々と目を付けたのがドイツ第三帝国であった。
ドイツは攻撃的兵器保有を理由として機雷封鎖、及び場合によっては武力侵攻までチラつかせ、
(当然ながら独英日の北米分割交渉を州政府が知る由は無い)
最終的には気持ち程度の医療品等と引き換えにペンシルバニア州政府から一隻の未成艦を徴発した。
それは州政府によって「ゲティスバーグ」と呼称されていた巨大戦艦。
かつての旧合衆国の手によってBB−62「ニュー・ジャージー」となる筈であった艦である。


ドイツ第三帝国海軍 高速戦艦「マッケンゼン」
基準排水量:46,800t
船体規模:270×33m
機関構成:B&W式水管罐8基+WE式オールギヤードタービン4基 212,000馬力
最大速力:33kt
航続距離:15kt/20,000浬
兵装
48口径42cm砲SKC/34 2連装 3基
45口径12.7cm砲SKC/40  2連装10基
37mm機関砲FLAKM43 2連装 8基
装甲
垂直装甲:307mm/19度傾斜+22mmバックプレート
水平装甲:装甲甲板127mm+22mmバックプレート
砲塔装甲:前循450mm、天蓋220mm

・改装点
戦艦「ニュー・ジャージー」は徴発時には既に主砲、一部両用砲までが搭載されていたが、
(破壊工作等を行わないよう、念入りに州政府に脅しをかけていた)
再就役にあたっては兵装は全て外され、解析と研究に供された。
主砲は「主砲だけで見れば優秀」と言われた戦艦ビスマルクと同型の42cm砲塔を、重防御化した上で搭載。
これにより主砲門数は当初の9門から6門へと減少してしまったが、
ビスマルクの二の轍を踏むまい、という過武装へのトラウマもあってこの配置となった。
副兵装は「ニュー・ジャージー」の両用砲という発想を参考に、駆逐艦用に開発された対空兼用の12.7cm砲を搭載。
副砲を積むべしという意見もあったが、もとの基部リング径には合わずリング拡大の手間を惜しんだ結果断念している。

船体について基本的な部分はそのままとなっており、機関も防御もアイオワ型としてのものである。
舷側上部の装甲強化も取りあげられたが、積載に余裕が無い為あきらめられている。
上部構造物については未完成の部位もあった事、またそのままでは運用に不都合が生じるため
独艦と米艦の設計が混在したような本艦独特の形状となっている。

・解説
旧合衆国の未成艦を騙し取り、再就役させた戦艦。同型艦は居ない為本艦は世界最速を誇る戦艦でもある。
本艦を接収し検証したドイツ海軍技術陣は、アメリカ戦艦の洗練された技術と設計に驚愕し、
「もとの性能を損なわない事」を最優先として極力本設計を尊重する形で完成させている。
(手を加えるほど船体に余裕が無く、またドイツに資金的余裕が無いというのも大きいが)
33ktという戦艦の常識を覆す高速と水準以上の航続力、更に新戦艦として十分な防御、そして42cm砲の攻撃力により、
主砲数こそ上だが使い物にならないビスマルクをはるかに上回るドイツ最強の戦艦として君臨した。
実はビスマルクで手痛い経験を得たドイツ海軍によって本来の仕様より軽量化が為されており、
旧合衆国が計画通り竣工させていたら生じただろう航洋性の低下や射撃不安定等の問題を避ける事に成功している。
しかし問題が無かった訳ではなく、30kt以上の速度を出した際に異常振動が発生するというトラブルに見舞われ、
これを改善するため数年の年月を費やしている。

本艦の登場にもっとも衝撃を受けたのは当然の事ながらイギリスであり、
かつてのインコンパラブル型巡洋戦艦を髣髴させる巨大高速戦艦の建造を提唱する者まで生じるに至ったほどの
大混乱に見舞われ、まともな対策が取れない本艦への対応に長らく苦慮する事となった。




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