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避難用作品投下スレ4

587のこされたもの:2009/03/05(木) 23:18:28 ID:9452gkFI0
 初めても何も、さっき戦っていたじゃないか。そんな言葉が浮かんだが、野暮だという思いですぐにかき消した。
 大体錯乱していて話もろくに聞こうとしていなかったのは自分だ。
 いかんいかん。こんなクールおっぱいぼいーんに手玉に取られててどうする。世界の美少女じゅうよんさいの名が折れるわ。

「うむ苦しゅうない。我輩は永遠の美少女ロリ、おっと(21)とは違うぞ。(21)とは違うのだよ(21)とは!
 ということでまーりゃんという者である。って、もう知ってるっけ? よしなに」
「よしなに」

 あ、クールにさらっと流した。
 表情を全く変えない舞にどことない敗北感と突っ込み人員の不足を嘆きながら、麻亜子はコホンと咳払いして仕切り直す。

「で、あたしは今どういう状況なのかな? さすがにあれから少しは時間、経ってると思うんだけどさ。
 あのやたらこわーい目つきのお兄さんもいないし、ね」

 目が覚めたと知ったなら、まずもう一人の連れを呼んでから改めて対話というのが考えられることだろう。
 まだ自分達は分かり合っていないことも多い。寧ろ拘束もせず、自由に動ける状況であるというのが(今さらながらに考えて)おかしい。
 逆に言えばそれほどまでに自分は感情をむき出しにして戦っていたということなのだろうが、それにしてもこの措置は緩いと思えた。
 それはともかく、もう一人の連れを呼ばない以上、この場にはいないと考えるのが自然だ。
 ならば何かしらの事件が起こったと考えるべきで、まずはそれを聞いておきたかった。

「往人はいまここにはいない。でもすぐに帰ってくる。まーりゃんは私がここに連れてきた。往人が戻ってくるまで、私が守るって約束したから」

 言葉から推測する限り、もう一人の連れ……往人というのがどこかに行ったのは確からしい。
 だが行き先を知らないということは、恐らくは正確な場所を告げずに出て行ったということだ。
 しかしそれよりも守るという言葉が麻亜子の心を打ち、内奥に強く反響させていた。

 約束したと言ったときに含まれていた強い口調から、その重要度は窺い知れる。
 けれどもなぜ、先程まで殺し合っていた相手にここまでするのか。確かに心情を吐露したとはいえ、何が舞を信じさせるのだろうか。
 そう、それを確かめるためにあたしは歩き始めたんだ。
 疑問を口に出そうとした麻亜子だが、その前に舞が話を続けた。


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