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箱庭の伊織
1
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2013/03/04(月) 00:40:13
容姿端麗。文武両道。そして才色兼備。
私の周囲の人々は、私をそう褒め称える。両親然り。友人然り。そして妹然り。
ハーフである母親譲りの美貌。ミステリー作家である父親譲りの知性。そして私の引き立て役である平凡な妹。この私、香坂伊織は生まれつき多くの才能を有している。
私はそんな何不自由ない生活の中で何時しか自惚れ、今の高校生活がこのまま続くと信じていた。そう、今日この瞬間まで。
「ねえ、根倉さん。こんな所で待ち伏せて何の用なの?」
空が橙色に染まり始める春の放課後の一幕。女子バスケットボール部の練習を終えた私は、眼前に立っているクラスメイトの根倉陽子にそう問う。
「……ウフフ……ウフフ……」
長い黒髪で目元の表情を隠した根倉陽子ことネクラっ子は、私を小馬鹿にするかの如く薄気味悪い笑みを浮かべる。バスケットボール部のエースである私と違って背も低いし、均整の取れた私と違って胸回りも貧相だし、何となく哀れな人ねネクラっ子って。
「……香坂さんって完璧な人ですね。私は人間のオーラが見えるから、他の人より香坂さんの魅力が分かります……」
「だから何? こんな校舎裏で待ち伏せて愚直でも聞いてもらいたい訳? お生憎様。私は貴女と違って暇じゃないの!」
「ええ、そうですね……。私と違い、香坂さんは男の子を取っ替え引っ替えする程モテるから、そりゃあ暇じゃないですよね……」
嫌味のつもりなのだろうか? ネクラっ子の癖に生意気ね。先程から変な呪文も唱えているし、男子に馬鹿にされて呪いでも覚えたのかしら。
「香坂さんは運動神経もスタイルもいいし、私と違って男子にモテモテだから、暇じゃないって分かっています……。でも、時間の心配なんかしないで下さい。貴女はもうすぐ暇になりますから……」
俯き加減に歩を進めながらネクラっ子はそう呟き、私の腰回りを冷たい指先で触る。この娘はもしかして同性愛の気があるのだろうか? もしかして私の裸体の写真でもバラまくつもり? でもネクラっ子の細腕じゃ、私に返り討ちに合うだけなのにね。
そもそも私はネクラっ子に恨みを買った覚えはない。ネクラっ子って渾名は私が付けた訳じゃないし、ネクラっ子の前では「根倉さん」って呼んでるのに。
「……ウフフ……。そんなに難しい顔をしないで。私は香坂さんに呪いを掛けただけですから……」
「のっ、呪い……!? そんな物が存在する訳ないでしょ?」
放課後の校舎裏で二人っきりになっているからだろうか。普段の私なら呪いなんて鼻で笑うのに。今日の私は平静を装っても、その実、内心の動揺が隠せなかった。自分でも驚く程に。
絵本に出てくる魔女の様に、私から美貌を奪うつもりなのだろうか?
それとも私の知性を自分の物にして、溜飲を下げるつもりなのだろうか?
「私の呪いは、そんなに悪質なものじゃないですよ……。十三年から十四年くらいで自然に解ける、そんな優しい呪いです……」
「十三年!?」
何の呪いか知らないし、ネクラっ子の呪術なんて半信半疑だけど、十三年から十四年も呪われたら溜まったものではない。そう思った矢先。
54
:
名無しなメルモ
:2013/05/15(水) 10:31:11
とても面白いと思います。
ただ余りにも伊織にとって理不尽すぎるのでは?
伊織が呪術に目覚めて、根倉と能力や年齢の取り合いになったら面白いかも…
55
:
名無しなメルモ
:2013/05/16(木) 06:02:05
本当に素晴らしい作品ですよ!呪術という設定と知能はあるのに上手く表現出来ない伊織がすごく可愛いです。
作者さんかなり行き詰まってるみたいですが、私はリクエストには全部応えなくてもいいと思いますよ。
リクエストはネタをもらいたい時や参考程度に考えて、作者さんの書きたいように書いたらいいと思います。
これからも応援してますので頑張って下さいね!
56
:
名無しなメルモ
:2013/05/29(水) 01:29:33
続き、楽しみに待ってます(≧∇≦)
57
:
名無しなメルモ
:2013/08/13(火) 10:41:41
楽しみに待ってますのでがんばって下さい!
58
:
青年A
:2013/09/21(土) 06:44:04
面白い作品なので続きが楽しみです(^^)無理せず頑張って欲しいです(^_^)
期待して待ってます(^o^)
59
:
名無しなメルモ
:2013/09/21(土) 21:28:15
マジで頼むよーヽ(´o`;
60
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2013/12/14(土) 12:02:24
>>54
後れ馳せながら、感想ありがとうございます。
年齢の取り合いになるアイデアは面白そうですね。
61
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2013/12/14(土) 12:04:51
>>55
後れ馳せながら、感想ありがとうございます。
はい、行き詰まってます。
行き詰まり過ぎて先の展開が全然浮かびません。
ほとんど行き当たりばったりだったのがまずかったんですかね。
62
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2013/12/14(土) 12:06:02
>>56
後れ馳せながら、感想ありがとうございます。
善処します。
63
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2013/12/14(土) 12:07:37
>>57
後れ馳せながら、感想ありがとうございます。
はい、頑張りたいのは山々なんですが、ネタが枯渇してしまったのです。
64
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2013/12/14(土) 12:09:18
>>58
後れ馳せながら、感想ありがとうございます。
期待に応えられないのは心苦しいのですが、先の展開が浮かばないのです。
65
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2013/12/14(土) 12:11:23
>>59
後れ馳せながら、感想ありがとうございます。
無理やり書けば続きは書けますが、微妙なアイデアで書いても微妙な出来になるだけなので、良いアイデアがでるまで続きは未定です。ごめんなさい。
66
:
名無しなメルモ
:2013/12/15(日) 03:39:43
これが一番好きー。
67
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2013/12/15(日) 17:36:56
>>66
そう言って頂けると幸いです。
でもこの話が一番書きにくいんですよね。色々とままなりませんね。
68
:
名無しなメルモ
:2013/12/18(水) 09:53:03
勝手にスピンオフ作品を想像してみても
確かに、これが一番難しそう。
更新がなかった間も、言葉攻めでされた事を思い出しつつも
大人の性の身体が疼いてしまう、だけど呪術の影響で
うまく処理できないっていう展開を
勝手に想像させてもらってました...(。-_-。)
69
:
名無しなメルモ
:2013/12/18(水) 10:22:27
文才がないので箇条書きで思いの丈をチョットだけ...
疼く、登り棒で気持ちいい、見つかる、呪術のせいで、うまく誤魔化せず、なんか気持ちいいとか言っちゃう。
保母さんに報告しておいた方が良いのか迷う、ネクラっ子。
報告されて保護者にも伝わって、各所からやんわりと注意されてしまう言葉攻め展開や
報告をダシに、なついた幼児としての振る舞い強制される展開とか、想像してました。
70
:
<削除しました>
:<削除しました>
<削除しました>
71
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2014/01/10(金) 00:47:55
>>68
午睡の場面と上手く絡めれば、そういう描写も書けそうですね。
ただこの話の更新の難しさは、私が話の内容を忘れている、と言う事が一番の理由なのです。
続きを書くには、初めから通しで読み返さないといけないので、中々重い腰が上がらないのです。
72
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2014/01/10(金) 00:53:20
>>69
小説って小中学校の作文の延長線上にあるので、何回か書けばある程度形になると思います。私が言うのも何ですが、web小説って結構ピンキリですから。
73
:
名無しなメルモ
:2014/01/10(金) 10:02:50
自分萌え系小説を見返すのは
何気にハードル高いッスよね。
二度と読み直さなかった作品も一杯...
74
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2014/01/11(土) 02:17:18
>>73
はい、ハードル高いですね。
実はこの話は、リクエストに答えようとして、何回も話の展開を修正しているのです。
それを繰り返す内に行き詰まったと言うのが本音です。
リクエストから面白いアイデアを頂ける事もあるのですが、全部聞き入れようすると、八方塞がりになってしまうんですよね。
私はリクエストのプレッシャーに潰されたweb小説の書き手を何人も見てきましたし、私自身、この小説はプレッシャーが凄くて戸惑ってる面もあります。
長文、失礼しました。
75
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2014/01/11(土) 02:19:00
>>74
答えようとして
応えようとして
です。誤字すみません。
76
:
名無しなメルモ
:2014/01/11(土) 14:10:36
勝手を言って恐縮ですが...
楽しみにしてます(≧∇≦)
77
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2014/02/12(水) 01:37:40
ここは夢の中なのだろうか?
私はいつの間に眠ってしまったんだろう。ネクラっ子に紙おむつを穿かされた事までは覚えている。確かその後、午睡の時間に保育士さんに子守歌を歌われて眠ってしまったんだ。幼児化したこの体は、私の想像以上に疲れやすいみたい。私は本当は高校二年生なのに、園児とお昼寝してしまうなんて。
「伊織、急にぼうっとしてどうしたの? ほら、早く購買に行かないとパンが売り切れちゃうよ」
「そうそう、彼氏の事を考えるのは放課後にね」
「綾、香澄!? どうしてここに居るの?」
私は目の前にいる高校の友人に目を丸くする。あれ? 普通に喋れる。舌足らずじゃないし、呪いのせいで喋り方が幼児口調になる事もない。もしかして私は──。
紺色の制服のブレザー。折り込んで短くしたプリーツスカート。すらっと伸びた手足。メイクを施した大人びた顔立ち。肩まであるハニーブラウンの艶髪。間違いない。私、私、高校生の体に戻れたんだ。
もう幼児の目線じゃない。立ち上がると教室全体を見渡せるし、自分のイメージ通りに体が動く。耳を澄ますとクラスの女子の四方山話が聞こえるし、窓から身を乗り出すとバスケットボールをしている男子が見える。長い髪が春風になびく。頬に当たる麗らかな春の日差しが心地いい。
ここは男女の境界線が曖昧な保育園じゃないんだ。
淡い水色のカーテンに隔てられたみたいに、男子には男子の、女子には女子の世界がここにはある。着替えだって一緒じゃないし、男子は私の事を女子として──女として見てくれる。そんな当たり前の現実が、私にはただただ懐かしかった。昨日まで私は女子高生だったのに、一年振りにクラスメイトと再会したような錯覚に陥ってしまう。
「ねえ、伊織。急に立ち上がってどうしたの? 何だかテンションが高すぎなんだけど。そんなにお腹が減ってたの?」
「確かに物理の授業退屈だったもんね」
綾は怪訝そうな顔で私を見上げ、香澄は男子に隠れてあくびをしている。
理路整然とした会話が、空気を読む独特の間が、この場所にはある。無邪気さと残酷さが入り混じった幼児とは異なる、私の高校の友達。漢字で書かれた黒板の文字や貼り紙も、ファンシーな動物が描かれていないシンプルな白壁も、私の背丈にあった机と椅子も、何もかもが感慨深くて、私はセンチメンタルな感情に駆られてしまう。
「綾、香澄、ごめん。私、どうしても確認したい事があるの。だから、先に購買に行ってて」
私は顔の前で手を合わせて綾と香澄に謝罪し、髪を振り乱して一目散に教室を飛び出した。
78
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2014/02/12(水) 01:38:32
私は体育館の近くにある女子トイレに向かう。昼休みの時間帯なら、誰も居ないはず。綾と香澄に言ったらトイレへ一緒に行く事になるので、私は言葉を濁して廊下を疾走する。
色褪せた薄桃色のドアを開けると、見慣れた光景が広がる。
ファンシーな動物が描かれていない、淡いピンク色のタイルが目に留まる。メイクと香水の入り混じった匂いが鼻腔をくすぐる。個室の壁やドアも高く、ここには当たり前のプライバシーがある。もう上から保育士さんに様子を見られる事もないんだ。大人用のトイレなんて珍しくもなんともないのに、胸にノスタルジックな感情が去来し続けた。
私はおもむろにドアを開けて個室に入る。自分の体を確認する為に。
「ある……私の胸がある!」
ブレザーとブラウスのボタンを外し、ブラを緩めると、雪原のような丘陵が存在していて、恐る恐る指先で触ると苺大福みたいな柔らかさが伝わってくる。彼氏に柔らかいって褒められた私の胸。大人の証である薄氷のような色合いのブラ。それを取り戻せた事が嬉しくて、私は財宝を見つけた海賊の如く歓喜する。
逸る気持ちを静め、私はおもむろにショーツを膝に引っ掛ける。洋式便座に腰を下ろし、意を決してプリーツスカートを捲ると、そこには淡い茂みが存在していた。もうネクラっ子に侮辱される事もない、大人の階段を上り始めた体がここにある。
そう思った次の瞬間、
「え? あ……」
私は無意識の内に用を足していた。別段、切迫した尿意を催していた訳じゃないのに、私の下腹部からは止めどなく雫が溢れる。こんな感覚は初めて。壊れて明滅する電灯のように、私は尿意を感じる事はなかった。用を足したい、そう思った次の瞬間にはもう出ていたから。
言い知れぬ不安に背筋が寒くなり、私は便座から立ち上がろうとしたけど、
「ウソ、ウソ、ウソ! 嫌!」
私は何かに足を引っ掛けて転んでしまう。私の足に引っ掛かっていたのは脱げ落ちたプリーツスカートで、膝に引っ掛けたショーツもいつの間にか足下に落ちていた。視線を指先に移すと、手は既に縮んで袖に指先が埋もれている。その間も、空気が抜けた紙風船みたいに胸が縮む。第二次性徴に逆行するように骨盤が退行し、私のヒップは扁平な形に変わり果てる。
夏場の解けたソフトクリームみたいに身長が緩やかに縮み、私はバランスを崩して洋式便座に倒れ込む。私の体からは蒸気みたいに煙が吹き上がり、鈍痛と快感がない交ぜになった独特の感覚に、私の口から嬌声が漏れる。
大人の女性の証である性毛は徐々に薄くなり、淡い産毛に退行し、砂丘を連想させる無毛に変わり果てる。大人の色を帯びた貝を彷彿とさせる秘部も退行し、花弁が密着して一筋の皺みたいになってしまう。
「嫌! 私はもう子供に……幼児になんかなりたくない! エッチも恋愛もできない体なんて、絶対に嫌!」
私の祈念や懇願も虚しく、若返りは尚も続く。
薄くなった私のヒップは、大人用の洋式便座にすっぽりと填まってしまう。私は慌ててそこから抜け出そうとしたけど、手は既にブレザーの肘付近まで縮み、緩くなったハイソックスと脱げ落ちたスカートが絡まってしまう。それでも私は必死にもがく。高校生としての矜持を守る為に。
「いや、わたちはオトナなんだ! コーコーセーのおねえさんなんだ!」
私は再び無力な幼児に退行し、夢の世界から現実の世界に引き戻された。
79
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2014/02/12(水) 01:40:57
「うわー!」
私は水揚げされた魚みたいに飛び起きる。
動物や花の絵が描かれたファンシーな壁。巨人の玄関を思わせる巨大な窓。ホワイトボードに書かれたひらがなの文字。部屋の後ろにある幼児用の矮小な机と椅子。両隣で寝ている園児。ああ、やっぱり今の出来事は夢だったんだ。私は再び無力な幼児に戻ってしまったんだ。
「はあ……」
私はパジャマ越しに胸に手を当てて嘆息する。
「むねがない……わたちはホントはコーコーセーのおねえさんなのに……」
バストが喪失している……私は正真正銘の女子高生なのに……。そう言おうとしても、ネクラっ子の呪いのせいで舌足らずな幼児口調に変換されてしまう。
幼児向けのアニメのキャラクターが描かれた胸元には何の膨らみもなく、パジャマの下には屈辱的な紙おむつのラインが浮き出ている。長くしなやかな指先も退行し、丸くて指が短い夏蜜柑みたいな手になっている。足も成長過程のキャベツのように頼りない。肩まで伸ばしたハニーブラウンの艶髪も、ボブカットの黒髪に様変わりしている。スリーサイズには起伏がなく、下腹はひょうたんみたいにぷくっと出ている。
今の私は十七歳の高校二年生ではなく、確か肉体年齢は三歳児。私は青春を謳歌していたのに、こんな屈辱的な体に変えられてしまうなんて。
「あれ?」
私は言い知れぬ違和感に足を止める。生理用のナプキンを付けている時みたいに、何だか下腹部がもわっとする。不吉な予感に身の毛がよだち、冷や汗が流れて背筋が寒くなる。私は本当は十七歳なんだから、粗相なんかする訳ないのに。
私は悪戦苦闘しながらパジャマの下を脱ぎ、恐る恐る下腹部を確認する。
「うそ、わたちはホントはコーコーセーのおねえさんなのに……おねしょしちゃうなんて……。しっこもひとりでできるのに」
嘘、私は本当は十七歳で高校二年生なのに……粗相をしてしまうなんて……。用だって一人で足せるのに。私はそう言いたいのに、ネクラっ子の呪いのせいで強制的に幼児口調に変換されてしまう。
花や幼児向けのキャラクターが描かれたピンク色のおむつは、クロッチ部分の吸水ポリマーが膨らみ、数滴、太ももには雫がこぼれていた。
私は本当は高校二年生なのに、幼児と同じようにおねしょしちゃったんだ。
認めたくないけど、私は寝ている間に尿意を全く感じなかった。いつ漏らしたのかさえ定かではない。私は破損したリモコンみたいに尿意をコントロールできず、さながら壊れた蛇口のように退行した下腹部から失禁した。幼稚で恥辱に満ちたこの部屋で惰眠を貪っている間に。
今の私の肉体年齢は三歳。この体は三年前に生まれた子供と同じなんだから、おねしょするのは仕方ないって分かっている。どんなに頭の中で粗相しないと決意しても、この体は二年前まで赤ちゃんと呼ばれていた体なんだから、自分の意思ではどうする事もできないって知っている。でも私は、寝ている間に勝手におねしょするこの体が憎かった。自分ではどうする事もできない現実が、ただただ悔しかった。
「こんなちゅがた、だれにもみられたくない!」
粗相した姿なんて、誰にも見られる訳にはいかない。私はそう言ったつもりなのに、私の口は私を裏切りばかり。
それでも私は、この恥辱にまみれたおとぎの国から遁走しようとする。私はおぼつかない走りで部屋の出口を目指す。走る度に濡れたクロッチ部分が秘部に密着し、雨上がり後のぬかるんだ地面に尻餅を付いたような感覚に、私は苦々しく唇を噛みしめる。
出口の前には、午睡前に設置された私の背丈以上の木製の柵があり、私は全身全霊の力を込めて柵を開けようとする。でも幼児化したこの細腕では、木製の柵はびくともしない。顔が赤くなるほど揺らしても柵は壊れず、今の身長では柵の鍵に手が届かない。高校生の体なら蹴り壊せそうなこの柵は、今の私には鉄製の牢獄みたいに見えた。
私は女子バスケットボールで培ったジャンプ力を生かし、柵を飛び越えようとしたけど、幼児化した足の筋力ではイメージ通りにジャンプできず、私は思わず地団駄を踏んでしまう。全身に重りを付けたみたいに体に力が入らない。女子高生と幼児では、こんなに身体能力に差があるんだ。私は女子バスケットボール部のエースだったのに。
そう思った次の刹那、
「あらあら。伊織ちゃん、おもらししちゃったの?」
遥か頭上から、聞き覚えのある声が響いた。
80
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2014/02/12(水) 01:43:19
>>76
何とか続きを書いてみました。
81
:
名無しなメルモ
:2014/02/13(木) 03:20:55
うおお。
楽しみにしてました!
夢ネタ、おもらしネタも萌えるですー。
82
:
名無しなメルモ
:2014/02/19(水) 00:15:01
ネクラっ子、ぃぃわー。
私もイジメられたくなっゃう。
83
:
名無しなメルモ
:2014/04/08(火) 22:48:12
もう、ぁんまし期待してないけど
ついつい更新を楽しみに訪れてしまう
自分が憎い(-_-)
84
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2014/05/13(火) 00:10:24
明るい髪色のショートカット。一際丸く膨らんだ胸。すらりと伸びた手足。見上げた先にいるのは、一見するとモデルと見間違うようなスタイルの女性だ。間違いない、呪術で私の体をこんな小さくしたネクラっ子だ。
「どうしたの? もしかして伊織ちゃん、寝ている間におねしょしちゃったんでちゅか?」
ネクラっ子は私の顔を覗き込み、赤ちゃん言葉を遣って小馬鹿にしてくる。私は言い返そうとしたけど、ネクラっ子のあまりの迫力に気圧されてしまう。
明晰夢の中で高校生に戻っていたから、幼児の目線に違和感を感じる。目の前にいるネクラっ子が、怪獣映画に出てくる巨人みたいに見え、覗き込まれると魚眼レンズを見ているような錯覚に陥ってしまう。
「バカにちないで。わたちはもうおねえちゃんだから、ネンネちゅうにしっこするわけないでしょ!」
私を見下さないで。私は本当は高校生なの。午睡中に粗相をする訳ないでしょ。私はそう口にしたいのに、ネクラっ子に掛けられた呪いのせいで幼児口調に自動変換されてしまう。
「ふーん。だったら確かめてあ・げ・る」
私の抵抗などまるで意に介す事なく、ネクラっ子は私のパジャマを脱がせる。その中からあらわになったのは、屈辱的なピンク色の幼児用紙おむつだ。私は本当は高校二年生なのに、こんな恥辱感の塊のようなものを穿かせるなんて。
ネクラっ子はうねる蛇のようにゆっくりと手を動かし、私のおむつに手を当てようとする。駄目だ、このままじゃネクラっ子に粗相した事が──。私は踵を返し、ネクラっ子から遁走する。でもこの体は夢の中のように軽々と走れず、すぐに転んでしまい、その隙におむつのクロッチ部分に手を当てられた。
「あら、やっぱりおねしょしてるじゃん」
「あっ……あぁ……」
下腹部のおむつを触られて私は脱力する。
ネクラっ子にそこを触られるたび、ぬかるんだ地面にお尻を突いたような不快感に襲われる。その感触は、私が午睡中におねしょした事を如実に物語っていた。高校二年生になって粗相したなんて、誰にも知られたくなかったのに。こんな、こんな事って──。
「おまえのちぇいだ!」
「え!?」
「ぜんぶ、おまえのちぇいだ!」
ネクラっ子が油断している今が、千載一遇のチャンスと思い、私は意を決してネクラっ子の左手に噛み付いた。ネクラっ子はぎょっとして振り払おうとしたけれど、さすがに左腕だけでは私を持ち上げられない。私は尚もネクラっ子の左手を噛んだ。五本の指を歯形が付くくらい噛んでやった。
「痛い……。よくもやってくれたね。泣いて謝るなら元に戻してあげようと思ったのに。許さない、もう許さない。アンタなんか、反撃できないように無力な赤ちゃんにしてあげる」
ネクラっ子は、射抜くような目付きで私を睥睨し、血が滲んだ魔女みたいな手で私の頭を掴み、おどろおどろしい呪文を唱える。マズイ、このままじゃまた私は──。
そう思っても既に後の祭り。ネクラっ子が呪文を唱え始めた瞬間、私の脚は退化したようにガクガクし始め、立っていられなくなり思わず手を突いてしまう。手はミニトマトみたいに不器用になり、次第にパジャマの袖に隠れていく。私は慌てて謝罪の言葉を口にしようとしたけれど、舌が鈍くなって上手く発音できない。
熱い。
四肢に力が入らない。残り少ないコップの水がテーブルの下に流れ落ちるように、身体から時間が流失しているみたい。体中から力が抜ける。それは苦痛とも快感とも違う、気持ちいいけど空虚な感覚だった。
世界が広い。
違う、私がさらに小さくなったんだ。
四つん這いの姿勢からは全てが大きく見える。ファンシーな壁も窓も、ホワイトボードも、幼児用の椅子も、寝ている園児さえも。
自分の姿を確認するため、私は立ち上がろうとしたけれど、下半身に何度力を込めても立てない。脚の感覚がなくなってしまったみたいに力が入らない。どんなに頑張ってもハイハイしかできない。もしかしてもう私は──。
「ばぁ……んまんま……ねきゅらこ」
元に戻して、ネクラっ子。そう言いたいのに、舌先が思い通りに動かせず、上手く発音できない。
「それじゃあ、何て言ってるか分からないよ。ウフフ。伊織ちゃん、とっても可愛い赤ちゃんになっちゃいまちたね」
「ぶぅ……ぶっぶー!」
ふざけないで。そう言いたいのに、やっぱり舌先が動かせず不明瞭な言葉になってしまう。
四つん這いになった私の目の前には、丁度ネクラっ子の脚があり、そこから見上げた彼女の姿は、さっきより二倍ほど大きく見える。怖い。今の私には、ネクラっ子は大き過ぎて表情すら窺えない。万策尽きた。もう駄目だ、と思った瞬間、
「根倉さん……今、何したの!?」という声が天から響いた。
85
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2014/05/13(火) 00:22:49
>>81
感想ありがとうございます。実は夢オチって書きやすいです。
86
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2014/05/13(火) 00:24:22
>>82
感想ありがとうございます。確かに根倉さんが一番キャラが立っている気がします。
87
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2014/05/13(火) 00:25:30
>>83
申し訳ありません……。
88
:
名無しなメルモ
:2014/05/13(火) 08:53:23
更新されてた!
多分大変なんだと思いますが
藤色ずきんさんの世界観が大好きなので
すごく楽しみなんです!
89
:
青年A
:2014/05/13(火) 17:54:09
お疲れ様です。
藤色ずきんさんの作品はイメージを膨らませやすくてとても面白いです。
大変だとは思いますが、これからも頑張ってほしいと思います。
期待を込めて、気長に待っていますのでまた気分が乗った時にでも作品を書いてくださいね。
90
:
名無しなメルモ
:2014/05/14(水) 01:38:15
うおお、続きが超気になる。
気になるし、そもそも、この設定が反則級に萌える。
91
:
名無しなメルモ
:2014/05/28(水) 23:30:22
>>84
藤色ずきんさん更新ありがとうございます!
伊織ちゃんがとうとう赤ちゃんに戻されてしまいましたね!!
ばぁ、とか、ぶぅしか言えなくなってしまった伊織ちゃんに激しく興奮しました!
ところで四つんばいが出来るみたいですので今の伊織ちゃんは産まれて半年ぐらいの身体ですかね?
92
:
名無しなメルモ
:2014/06/04(水) 21:45:26
藤色ずきんさんのこの作品がまた読めるなんて感激です!
最初の方の話で、お母さんは37歳だから34歳の時に私を産んだ事に…
とありましたが、伊織が赤ちゃんになった今、36歳で産んだ事になるんですよね?
伊織の身体だけじゃなく、お母さんの身体にも変化が現れてるはずですので、
乳房も出産時の肥大した状態になり、母乳がほとばしってると思うと更に興奮します!
伊織が更に未熟な赤ちゃんに逆戻りすると同時に、お母さんの身体は更に母性溢れる豊満な肉体になるなんて
ネクラっ子には本当に心から感謝しております(笑)
93
:
名無しなメルモ
:2023/07/28(金) 15:56:21
もう続きはないのか…
94
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2023/08/11(金) 18:28:58
>>93
この作品の続きは、鋭意執筆に努めております。
現在はpixivで着ぐるミトンというペンネームで活動しているので、『箱庭の伊織』の完成品が書き上がったら、そこにまとめて投稿する予定です。
続きの方は、こちらに書き込む可能性もありますが、この掲示板の現在の閑散状況を鑑みると、難しいかもしれませんね……。
95
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2023/08/11(金) 18:35:23
お久しぶりです。家中探してコテハンのトリップをメモした紙を見つけたので、ようやく藤色ずきんとして書き込めました。
メモを見つけるのに4ヶ月掛かって、日頃の整理整頓の大切さが身に染みました。
96
:
名無しなメルモ
:2023/09/12(火) 10:16:57
読みましたよ
面白かったですが、加筆前の方が好きかも
97
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2023/09/17(日) 00:21:30
>>96
貴重なご意見ありがとうございます。
そのまま続きを書くべきか、改稿して加筆するべきかは、何度も悩みました。
悩んだ末に新しいアイデアやアイテムを足すことを選びましたが、私の力不足もあり、すべての方を納得させる形にはできなかったみたいです……。
何年もお待たせしてしまった作品なので、応援してくださった方に応えるためにも、少しでも多くの要素を入れたいと思ったのですが、空回りしてしまったのかもしれません……。
ご期待に添えなかったのは、すべて私の力不足です。申し訳ありません。
今後は、『箱庭の伊織』の続きを書く傍ら、色々なジャンルの小説を書いて一から勉強し直してきます。
いつの日か新作の若返り小説を書くときには、ご期待に添えるように善処するので、またご一読いただけましたら幸いでございます。
98
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2023/09/17(日) 00:31:57
>>96
若返り小説に関しては、当面は短編小説を中心に活動し、どういう文体やアイデアがいいのか模索してみます。
もしよろしければ、今回の作品の良かった点、加筆前の好きだった点をお書きいただければ、今後の参考にいたします。
99
:
名無しなメルモ
:2023/09/17(日) 20:54:19
あくまでも趣味の世界なので読者の意見を参考にし過ぎなくていいですよ
若返りものはかなりニッチなジャンルで書き手が少ないので作者様の好きなように書くのが一番かと
ただ個人的には機械の説明や制度についての説明がない方が作品に没入出来て良かったですね
私自身優秀な女の子が幼くなって周りの幼児よりも能力が劣るのが好きでSFに興味がないので
そう言う点ではオムツも最初は付けずに途中からつける方がより羞恥心を感じれて楽しめますね
最後にはなりますが、何度も言うように作品そのものの質は上がってるとは思いますし、本当にこの辺は単に私の好みの問題なので作者様が好きな作品を書いてくれて出来れば長く色んな小説を書き続けて欲しいです
応援しています
100
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2023/09/18(月) 23:11:25
>>99
貴重なご意見をありがとうございます。とても参考になりました。
私自身は細かい設定や書き込みが好きで、同人、商業問わず、日頃からそうした小説を拝読していたので、設定が蛇足だという視点が欠けていました。
自分自身が変身フェチだから、細かい設定で没入感が得られるという先入観にとらわれていたのかもしれません。
おむつのタイミングに関しても、参考になりました。自分が変身フェチだから、早く変化させることに気をとられ過ぎていました。今後は、色々とタイミングを考えてみます。
この掲示板で書いている時にも感じたことですが、変身フェチで守備範囲が無駄に広い私と、若返り小説が一番好きな方とでは、色々な視点のズレがあるのかもしれません。
作品の方向性は、最終的には私の趣味趣向が反映されるものですし、譲れないこだわりもありますが、自分にない視点を聞けるのは勉強になりました。ありがとうございます。
今後は色々な方の視点を考えた上で、自分の方向性との折衷案を模索してみます。
101
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2023/09/18(月) 23:14:50
>>99
貴重なご意見をありがとうございます。とても参考になりました。
私自身は細かい設定や書き込みが好きで、同人、商業問わず、日頃からそうした小説を拝読していたので、設定が蛇足だという視点が欠けていました。
自分自身が変身フェチだから、細かい設定で没入感が得られるという先入観にとらわれていたのかもしれません。
おむつのタイミングに関しても、参考になりました。自分が変身フェチだから、早く変化させることに気をとられ過ぎていました。今後は、色々とタイミングを考えてみます。
この掲示板で書いている時にも感じたことですが、変身フェチで守備範囲が無駄に広い私と、若返り小説が一番好きな方とでは、色々な視点のズレがあるのかもしれません。
作品の方向性は、最終的には私の趣味趣向が反映されるものですし、譲れないこだわりもありますが、自分にない視点を聞けるのは勉強になりました。ありがとうございます。
今後は色々な方の視点を考えた上で、自分の方向性との折衷案を模索してみます。
102
:
藤色ずきん
◆dBQtRqra3s
:2023/09/18(月) 23:16:20
通信エラーで二重書き込みになってしまいました。申し訳ありません。
103
:
ステマ
:2024/06/23(日) 13:29:06
ひ孫の担任メモ内容も衝撃。
「父親うるさい」「LGBTQかも」
ママ友が月経カップ貸してくれなかった。
ケチだよね?
嘉風嫁とか?
⚫️風嫁さんは去年亡くなったでしょ?銃殺で、、
爺に貢ぐニューハーフ(爺)ゲイを侮辱するようなキャラクター。ステマPRニューハーフ男ジャバ・ザ・ハット
還暦高齢熟女動画クロチクビ
葵はもうアラセブ70ぐらいかな?
おばさんレンタルの七十路熟女
一条葵さん1965年アラカン58歳だから愛沢えみりもチョイ下ぐらいの年齢だろうね
北斗晶(58)と同年代
息子が4人50代でスタッフが爺、70代風俗店員(婆)多い。
70代風俗店員同士、他の店を中傷
借金シングルマザー育ちの時点で高齢者介護老人ホームスレ
70代以上の風俗店員(婆)が多く、60代以上の風俗店員(爺)はTwitterで承認欲求とホスラブでネカマババア(老害爺)
今なら実年齢10代子なし独身だが、30代の子持ちおばさんでした、と書かれ続けたことも書いた本人の孫の彼女のことで
【70代以上の風俗店員(老害爺・婆・ゲイ・オカマ・ニューハーフ)】の願望
【息子の孫、娘の孫の彼女・彼氏に敵意剥き出し】
【自己紹介乙ブーメラン】と思えるけどね。
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