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Pitiful creature of darkness・・・

1名無しさん:2006/09/22(金) 23:35:04
*注意点
このスレは基本的に『Pitiful creature of darkness・・・』を書き込むだけの
スレです。
感想等は感想スレにお願いします。

2Pitiful creature of darkness・・・:2006/09/22(金) 23:36:03

司令室に入ってきたゾフィーが、ウルトラマンに声をかける。
「状況は?」
「メディカルセンターの患者及び職員の大半は脱出したが、たまたま社会見学に訪れていた子供たちが・・・。そして、その子らを守るために・・・」
「そうか・・・」
苦渋の表情を浮かべて、モニターを見やるゾフィー。
傍らで、セブンがつぶやく。
「しかし、よりによってエースキラーとは・・・」

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ヤプールが滅び、宇宙は平和を取り戻したはずだった。
だが、残された超獣たちによる事件が、各地で多発していた。
そして今回、ウルトラの星のメディカルセンターが占拠された。
占拠したのはエースキラー。
ヤプールの創り出した最強の“超人”である。

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シクシク、シクシク・・・。
すすり泣く声が、部屋を満たす。
そして、泣き声を鎮めるかのように、優しい声が語る。
「大丈夫。安心なさい。みんな助かりますよ。気をしっかり持って。」
子供の一人を抱きしめながら、他の子供たちを励ますウルトラの母。
その、凛とした瞳がにらむ相手。
エースキラー。
ウルトラ兄弟の技を併せ持つ、ヤプールの創り出した最強の“超人”。
その口が開く。
「あんたも逃げようと思えば逃げられたのに、わざわざこいつらの為にな・・・」
「おだまりなさい!ここの責任者たる私が、この子達を見捨てて逃げるなんて!だいたい、あなたのような卑怯者に・・・、!」
入り口に向かって駆け出す一人の子供。
「だめよ!いけない!」
呼び止める母の声越しに、光の刃が翔ぶ。
「!」
刃は子供の鼻先をかすめると、近くにあったオブジェを両断。エースキラーの手首に戻る。
「いかんなー、大人の言うことはちゃんと聞かないと。」
エースキラーの声を背に、立ちすくむ子供を抱きしめるウルトラの母。
そして、懇願する。
「お願い、この子達だけは助けて。私はどうなってもいいから、何でもしますから、この子達だけは・・・」
「おやおや、この“卑怯者”にお願いですか・・・」
茶化して言うエースキラー。
その口元に、笑みが浮かんだ。

エースキラーの股間にひざまずく、ウルトラの母。
その眼前に突きつけられるペニス。
(大きい・・・、それに・・・)
金と赤に脈打つペニスと、そこから放たれる牡の臭気にウルトラの母は圧倒される。
「ほらほら、何でもするんじゃなかったのかい。」
頭上からの声。
(そう、子供たちの為よ・・・)
覚悟を決めたウルトラの母が、先端に口づけようとした瞬間、
「下向いてろって言ってるだろうが!」
エースキラーの怒声が飛ぶ先に、慌てて視線を向けるウルトラの母。
床に伏せ、下を向いていることを命ぜられた子供たち。
その中の一人、こっそり顔を上げようとしていた一人が、慌てて伏せなおしていた。
「そう、これは大人同士の秘め事だ。子供の見るもんじゃないぜ・・・」
(エースキラー、あなたは・・・)
母がそう思う間もなく、エースキラーの命令が下る。
「そら、始めな。」
ウルトラの母は意を決し、ペニスの先端に口づける。

3Pitiful creature of darkness・・・:2006/09/22(金) 23:37:45

黄金色に輝く亀頭が、ウルトラの母の口を犯す。
さんざん擦り付けて、たっぷりと唇の感覚を楽しんだ後に、母の口腔へと侵入するエースキラー。
一気に、咽喉(のど)の奥まで侵入する。
「うっ!」
むせぶウルトラの母。
(いっそこのまま噛み切ってやれば・・・)
そんな考えが、頭に浮かんだ。
肉茎に歯を立てようとした瞬間・・・、
頭を撫でる掌を感じた。
上を向く。
見下ろす目と、視線が合った。
(エースキラー・・・)
不思議と、敵意が溶けていくのを感じた。
歯を立てる代わりに、舌を絡めてゆく。
舌の先端でもって、雁首の裏側を撫でる。
「うぅ、な、なかなか・・・、上手いじゃないか・・・」
相手の呻く声に、何故か自身の体も火照る。
ピストン運動が始まる。
ウルトラの母もまた、相手に合わせるかのように頭を揺らす。
咽喉を締め、頬をすぼめ、舌を這わせてペニスをもてなす。
口から、唾液にまみれたペニスが出入りする。
そして・・・、
ドピュッ
放たれた奔流が、ウルトラの母の咽喉を叩く。
「ご、ごほっ、ごほっ・・・」
むせびながらも、口腔に溢れる精を飲み込んでいくウルトラの母。
肩で息をしながら、満足げに見下ろすエースキラー。
「感心なもんだな。吐かずにちゃんと飲み込むとは・・・。じゃあ次は・・・、おい!お前!」
ハッとして、振り向く母。
エースキラーの怒声と、ウルトラの母の視線が交わる場所で、女児が立ちすくむ。
「きゃっ・・・」
母の体中に、急に羞恥が湧き上がる。
慌てて、身を隠すようにうずくまる。
「伏せてろって言っただろうが!」
怒声が消えるや否や、女児が怯えながら言った。
「おしっこ・・・」

4Pitiful creature of darkness・・・:2006/09/22(金) 23:39:36

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「兄さん!母さんは!」
司令室に入ってきたタロウが、叫ぶように言った。
一緒に入っていた新マンが、続けて言う。
「遅れてすまない。それで、状況は?」
ウルトラマンが答える。
「先ほど子供たちは解放された。だが、まだ中に・・・」
「くっ、母さん!兄さん、一刻も早く突入して、母さんを助け出そう。」
いきり立つタロウを、セブンがたしなめる。
「そうあせるな。もうじきエースも到着する。それまで待て。」
「でも!」
それまで沈黙していたゾフィーが口を開いた。
「忘れるな、タロウ・・・。相手はあの“エースキラー”なんだぞ!」

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「何故です?」
子供たちがいなくなって、ガランとした部屋の中で聞こえる、いぶかしげな声。
「おいおい、約束どおりにしたのが不満なのかい?それとも、この俺がガキ共の“シモの世話”をするところが見たかったのか?」
茶化すような声が返る。
「まさか、自分だけ残されたのが不満だってわけでもあるまい・・・」
ウルトラの母を抱き寄せながら、エースキラーが言った。
豊かに盛り上がった尻の肉を揉みしだきながら、言葉を続ける。
「まっ、俺も男だからな。無聊を慰めてくれる相手が欲しいわけさ。これから二人で・・・」
真剣なまなざしを受け、真顔に戻るエースキラー。
ウルトラの母は言った。
「私にはわかります。今度の事件の最初から、あなたからは何かいやがっているような雰囲気が感じられました。本当はあなたは、こんな事件を起こすような人では無いはずです。」
「・・・」
「では、何故?とうにヤプールも滅んだ今になって、どうしてこんなことを?」

しばしの沈黙。

「不思議だな・・・。何故か、あんたにはしゃべっておきたくなる。」
エースキラーは、訥々と語り始めた。

5Pitiful creature of darkness・・・:2006/09/22(金) 23:40:59

「俺たちが、どうやって生まれたかは知っているよな。」
「ええ、ヤプールによって・・・」
「そう、ヤプールが侵略のために創り出した生物兵器。それが俺たちさ。」
エースキラーは語る。

あんたたちにとっちゃ、“侵略の是非”ってやつを問題にしたいところなんだろうがな・・・、
そんなことは俺たちにはどうでもいいことさ。
俺たちにとって大事なのはな・・・、
“兵器として創り出された”って事実そのものなんだ!

そう、戦いのために創造されたのが俺たちさ。
そして、戦いのためだけに、その能力に磨きをかけてきたのが俺たちさ。
そして、戦いの中で倒れていくのが、俺たちの宿命さ。
そう、戦いが、戦いこそが俺たちの全てだったのさ・・・。

「そんな・・・、ヤプールはとうに・・・」
呆然とつぶやくウルトラの母。
エースキラーは続ける。

そうとも、ヤプールは滅んださ。
あんたらにとっちゃ、結構な話だろうな。
戦いが無くなるのはな。
平和な“本来の生活”ってやつに戻りゃ言いだけの話だからな。
だが、俺たちには・・・、
そう、戦いだけが全てだった俺たちには・・・、
それは自分の全存在を否定されるってことなんだぜ・・・。

「その上な・・・」
さらに、エースキラーは続ける。

この前、エースの奴に出会ったんだ。
そしたら、あいつ、どうしたと思う。
あっさり逃げ出しやがったんだぜ!
“お前とは戦いたくない”なんてぬかしながらな。
恐れをなしたから、だと思うか?
ふん、他の連中ならそう思ったかも知れんな。
だが、この俺の、エースキラーの目は誤魔化せないぜ。
あいつはな、知っているんだ。
俺たちの心情をな。
そして、俺たちに同情してやがるんだ。
そう、俺たちに・・・、
そう、同情を・・・。

バンッ

エースキラーの拳(こぶし)が、近くに置かれていたオブジェを粉砕する。
「何でこの俺が!このエースキラーが!敵に情けをかけられにゃならんのだ!」
エースキラーの目に、うっすらと涙がにじむ。

6Pitiful creature of darkness・・・:2006/09/22(金) 23:41:51

だからな、この事件を起こしてやったのよ。
同情の余地なんてない凶悪犯として、俺を憎めるようにな。
心置きなく、俺と戦えるようにな。

「そんな・・・」
絶句するウルトラの母を、エースキラーはどこか捨て鉢な声で笑う。
「“何故わざわざそんな生き方を・・・”って、言いたげだな。だがな、あいにく“他の生き方”ってやつを知らないんでな。ハハハ、誰も、まじめに教えてくれなかったしな・・・」

もうじき、ウルトラ兄弟総がかりでの攻撃が始まる。
安心しな。そうなったら、あんたは放してやるから。
なんなら、連中と一緒に、俺を攻撃してもいいんだぜ。

もちろん、おれは助かろうなんて思っちゃいない。
奴らと戦って、はでに死ぬことになる。
だが、それこそが俺の望みだ。
恥辱にまみれた生よりも、戦いの果ての華々しい死。
ハハハ、それこそが、俺の、俺たちの生き様・・・。
ははは、そうとも、それだけが、俺たちの生き様なのさ・・・。
ハハハハハ・・・。


エースキラーの哄笑を、無言で見つめるウルトラの母。
だが、その目に、強い決意が浮かぶ。
「それなら、私が教えてあげます。」
エースキラーに向かって歩み寄る。
「おいおい、今更何の説教をしようって・・・、お、おい」
笑いを止めたエースキラーの頬に、ウルトラの母の右手がかかる。
「哀れな闇の被造物よ。あなたは一体、どんな生き方を知っているというのです?」
ウルトラの母の顔に浮かぶ表情。
無限の慈悲と愛情を込めた、神秘の微笑み。
見つめられるエースキラー。
こわばった顔のまま、動けない。
「これから、私が教えてあげます。戦い以外の生き方を・・・。この私の、全てを使って・・・」
ウルトラの母の唇が、エースキラーの唇に重なる・・・。

****************************************

司令室の扉が開く。
「おそいよ!エース兄さん!」
「・・・すまん。」

エースの到着とともに、早速作戦会議が開かれる。
作戦の説明を行うゾフィー。

7Pitiful creature of darkness・・・:2006/09/22(金) 23:42:58

****************************************

床に横たわるエースキラー。
そして、彼にまたがるウルトラの母。
その顔を、エースキラーの顔のかぶせ、唇を重ねる。
舌が唇を割って侵入し、エースキラーの舌と絡み合う。
唇を貪りあう二人。
そして、ウルトラの母の唇は、エースキラーの体へと下っていく。
首筋から胸、そして腹部へ・・・、
舌の、腹でもって撫で先端でもって軽くつつきながら、唇を這わせていく。
「ううっ・・・」
その度に、エースキラーの口から呻くような声がこぼれる。
いたずらっぽい笑みを浮かべて、それを見つめるウルトラの母。
そして、彼女は股間へと行き着く。
そこで屹立するペニスへと・・・。

目前に屹立する牡の象徴を、先ほどまでとはまた違った感動の眼差しで眺めるウルトラの母。
その手が睾丸にかかり、捧げもつようにして撫で回す。
そして、敬意を込めて亀頭に口づけし、愛情を込めて嘗めしゃぶる。
再び、呻き声を漏らすエースキラー。
その声を聞きながら、ウルトラの母は思う。

エースキラー、わかりますか。
私は感じていますよ、あなたの生命(いのち)を。
この唇越しに・・・。
あなたの生命の火が熱く燃えているのを・・・。
私は感じます。
わかりますか、エースキラー。

エースキラーの腰の上にまたがって立つウルトラの母。
彼女を見上げるエースキラー。
目の前で揺れる豊満な乳房。
溢れんばかりの母性の象徴に圧倒される。
そして、逃げるように下げられた視線の先に飛び込んできたもの・・・。

それは、広げられたウルトラの母の女陰。
“女”の証、そして、生命を生み出す“母”の源泉。
既に、十分にぬめったそれが、エースキラーのペニスにあてがわれる。

8Pitiful creature of darkness・・・:2006/09/22(金) 23:43:54

「よ、よせ!」
脅えたような声で、エースキラーが制止する。
広げられた女陰を前に、彼はとまどう。
宇宙で最も美しく高貴な魂を持つ女、ウルトラの母。
全宇宙の全ての生命を、無限の慈しみの光でもって照らす聖なる母。
その彼女の、生命の中心・・・。
エースキラーはそこに、全ての生命を生み育てる“母”の象徴を感じた。
そして、思った。

そこに、自分ごときが踏み込んで良いものなのか。
そこを、そう、宇宙で最も神聖なその場所を、自分ごときが穢す事が許されるのか。
この自分が、そう、ヤプールによって創られた“兵器”に過ぎない自分ごときが・・・。

自身の心にはじめて生まれた、“畏れ”とも言うべき感情にとまどうエースキラー。
そんな彼に、優しく語りかけるウルトラの母。
「大丈夫。さあ、全てを私に任せて・・・」
ゆっくりと腰を下ろしていく。
“女”の、そして“母”の源泉が、エースキラーを飲み込んでいく・・・。

****************************************

「・・・以上が、今回の作戦だ。」
作戦の説明を終えるゾフィー。
「じゃあ、早速始めよう!」
いきり立つタロウ。
だが、ゾフィーの目は、その隣の席へと向かう。
無言のまま座っているエースに念を押す。
「エース、事態が事態だ・・・」
「・・・ああ、わかっている。」
苦い決意に満ちた声が返ってきた。

9Pitiful creature of darkness・・・:2006/09/22(金) 23:45:01

****************************************

横たわるエースキラーの上で、女体が舞う。
踊る豊満な乳房。
張りを増したその頂点で、屹立が揺れる。
上下する、むっちりと張った腰。
その中心で、愛液にまみれたペニスが出入りする。
出入りの度に、ウルトラの母は、その体の中心に感じる。
エースキラーの、熱く燃える生命の火を・・・。
そして、母の心に、感動が湧き上がる。

彼らは、ヤプールによって、“兵器”として創られし者。
そう、ヤプールによって、“兵器”として創られた子供たち。
そして、ヤプールによって、“兵器”として育てられた子供たち。
それでもなお、彼らの中では、生命の火がこうして熱く燃え続けている・・・。

ウルトラの母の口から喘ぐ様な吐息が漏れる。
吐息を漏らしながら、ウルトラの母は思う。

そう、確かにあなたたちは、ヤプールの創りし物。
ヤプールに創られ、戦うことだけを教えられてきた子供たち。
でも、だからといって、戦いだけが宿命だなんて思わないで・・・。
戦って死ぬことだけが、自分たちの運命だなんて思わないで・・・。
戦いのない生き方が、無価値だなんて思わないで・・・。
私が教えてあげます。
この体で・・・。
この世に、無価値な生命などありません。
生きること、生きているということは、それ自体が素晴らしいことなのです。
それをわかってください。
そのためなら・・・。

「ううっ。」
呻き声と共に、エースキラーの両手が、ウルトラの母の双乳にかかる。
強い執着を込めて揉みしだく。
その両目に、うっすらと涙を浮かべながら・・・。
腰が上下し、肉壷を激しく突き上げる。
まるで、母の胸に顔を埋めて泣きじゃくる子供のように、激しく突き上げられるペニス。
そして、まさに“母親の愛”でもって、それを受け止めるウルトラの母の膣肉・・・。

「あっ、あ、ああぁっ・・・」
次第に勢いを増す、母の喘ぎ声。
エースキラーの掌の上に、自らのそれを重ねて、自身の乳房を共に揉みしだく。
見つめ合う二人。
“どうか、いっしょに”
視線で語るウルトラの母に、うなずくエースキラー。
互いの指が、固く絡み合う。
そして、ひときわ激しい一突きに、大きくのけぞるウルトラの母。
「あぁ〜〜」
自らの絶頂の声を聞きながら、エースキラーの命のほとばしりが胎内に満ちていくのを感じるウルトラの母であった・・・。

10Pitiful creature of darkness・・・:2006/09/22(金) 23:45:56

エースキラーの上に突っ伏し、息を整えるウルトラの母。
互いの耳に、相手の鼓動と、荒い息づかいだけが聞こえる。

しばしの沈黙。

やがて、エースキラーが口を開く。
「ざまあねえぜ・・・」
顔を上げるウルトラの母。
さっきまでが嘘のように、穏やかな表情のエースキラー。
「正直、今の俺はもっと生きていたくてたまらん。さっきまで、あれだけ吹きまくってたのにな・・・。今まで、何だか悪い夢でも見ていたような気分だ。」
「・・・」
「ははは、信じられるか。つまりは、この俺が、このエースキラーが、命を惜しむようになったんだぜ・・・。我ながら情けない話さ・・・。ははは、まったく、みっともないったらありゃしねえ・・・」
乾いた、だがどこか吹っ切れたようなエースキラーの笑い。
ウルトラの母の顔に、優しい笑みが浮かぶ。
そして、エースキラー顔を寄せ、唇を重ねていく。

****************************************

エースに、ゾフィーのエネルギーが注がれていく。
そして、ウルトラマン、セブン、新マンのエネルギーも。
「エース兄さん、僕のも使って!」
さらに、タロウのエネルギーもまた注がれていく・・・。

11Pitiful creature of darkness・・・:2006/09/22(金) 23:47:01

****************************************

「大丈夫。あなたを決して死刑にはさせません。もちろん、罪の償いはしてもらうことになりますが、それもさほど重い刑には・・・」
ウルトラの母の言葉を聞いていたエースキラーが、ポツリと言った。
「なあ、出来れば他の奴らも・・・」
「え?」
「いや、何でもない。」
小声でつぶやく。
「ほんと、みっともねえぜ・・・」
「・・・」
そんな彼を、無言で見つめるウルトラの母。
立ち上がるエースキラー。
出入り口に向かいながら、ウルトラの母に言う。
「それじゃ、行こうか。」
その言葉が終わるか否かの瞬間、
ズシーン
鈍い音を立てて崩れる壁の向こうから、一条の閃光が走った。

「ううっ。」
呻き声に目を向けるウルトラの母。
足首をウルトラランスに貫かれ、うずくまるエースキラー。
「そんな!」
絶句する母の背に、声がかかる。
「母さん、どいて!」
タロウの声に、振り向く母。
その目に飛び込んできた光景。
居並ぶウルトラ兄弟の中央、光の球を頭上に構えるエースの姿。
あの技は・・・、スペースQ!
「だめ!やめて!」
とっさに、エースキラーの前に飛び出し、庇うウルトラの母。
「母さん!」
「何だと!」
「いかん!」
兄弟たちに、動揺が走る。

スペースQ。
ウルトラ兄弟のエネルギーを結集したエースのみが使いうる、最強の必殺技。
だが、この技にはある種の危険が伴う。
そのエネルギー球は、絶大な破壊力を誇るがゆえに極めて不安定で、ひとたび形成された後は、すぐに発射されなければ暴発の危険があるのだ・・・。
まして、今回のそれは、通常のものに加えてタロウのエネルギーまで合わせたものである・・・。
発射体勢のまま、なんとか踏ん張ろうとするエース。
だが、その両手はエネルギー球を押さえきれずに、小刻みに震えだす。

その時、ウルトラの母の肩に手がかかった。
「エースキラー?」
問いかけるまもなく、突き飛ばされる母。
耳に、エースキラーの叫び声が入る。
「エース!かまわねえ、そのまま撃て!」
ハッとするエース。
エースキラーと目を合わせる。
「エースキラー・・・、すまん!」
光球が放たれた。

「エースキラー!」
ウルトラの母が叫ぶ。
光球にのまれる寸前、母の方へ振り返るエースキラー。
穏やかなまなざしで微笑む。

光の中で分解していくエースキラー。
彼の唇が動くのが、ウルトラの母には見えた。
そして、声が聞こえた。
“ありがとうよ。たっしゃでな・・・”

エースキラーの消滅した跡に、ただひとつ残されたブレスレット。
それを手に取るウルトラの母。
「エースキラー・・・」
涙がポツリと、ブレスレットの上に落ちる。
「母さん?」
駆け寄ろうとするタロウ。
その肩をつかむ手。
振り向くタロウに、ゾフィーの目が告げる。
(そっとしておけ・・・)

ウルトラ兄弟たちが無言で見守る中、ウルトラの母のむせび泣く声だけがいつまでも続いていた。

12Pitiful creature of darkness・・・:2006/09/22(金) 23:47:49

****************************************

数日後。
とある墓地の片隅にたたずむ、ひとつの影があった。

ある墓石に向かって、語りかけているウルトラの母。
墓石には、ただこう刻まれている。
“最も勇敢にして、最も純粋なる魂、ここに眠る”

「・・・じゃあ、いくね。私は結局、あなたを助けてあげられなかった。だからせめて・・・」
飛び立つウルトラの母。
その表情は、優しさと決意に溢れている。
手首には、エースキラーの形見のブレスレットが・・・。

彼女は思う。

タロウ、そしてみんな。
突然の私の失踪に、驚くでしょうね。
ごめんなさい、心配をかけて。
でも、わかって。
今しかないのです。
さまよう超獣たちの魂を救えるのは。
私しかいないのです。
傷ついた超獣たちの心を癒せるのは。
私が、全身全霊をもってするしかないのです。
だから・・・。

体の芯に火照りを感じながら、ウルトラの母は飛ぶ。


そんな彼女を、次元の彼方から見つめる視線があった。


フフフ・・・。
ウルトラの母よ。
全宇宙の生命を照らす、光の聖母よ。
愚かなる“慈愛の化身”よ。
癒すがよい。
超獣たちの魂を。
その肉体と魂で慈しむことで・・・。
だがな、お前が、一匹の超獣を癒すたびに、お前もまた染められていくのだよ。
我らの色に・・・。
お前自身も、気づかぬうちに・・・。
そして、最後の一匹を癒し終えたとき、お前もまた生まれ変わるのだ。
我らの忠実なる下僕たる、“闇の聖母”として。
その胎に、我らの創りし新たなる超獣を宿し・・・、
その胸で、我らのための超獣たちを育み・・・、
さらには、その肉体でもって、我らのための戦士たちを癒す・・・、
“闇の聖母”として。
そして、闇の聖母に産み落とされし、新たなる超獣軍団が完成する時・・・。
そう、そのときこそ、我らの復活の時。
我らヤプールが、全宇宙の覇者として復活するその時なのだ!
フフフ、エースキラーよ。我らの創りし“最高傑作”よ。
ご苦労だった。
安らかに眠るがよい。
そう、お前は、自らの役目を完璧に果たしてくれていたのだよ。
おまえ自身も気づかぬうちにな・・・。
フフフ、ハハハ、ハハハハ、ハハハハハ・・・。

虚空に笑い声がこだまする。
だが、それがウルトラの母の耳に届くことはない・・・。

<完>

15Pitiful madonna of darkness・・・  プロローグ:2007/02/26(月) 00:44:36
(ここはどこだ。そして・・・、俺は誰だ・・・)

暗い闇の中に、その意識は存在していた。

(・・・何故俺はここにいるんだ・・・、おや?あれは・・・)

闇の中に、銀色の女体が横たわっていた。
周囲の闇がざわめく。
そう、女の産んだ子供たちの声で。

(俺はこの女には見覚えがある・・・、だが・・・、思いだせん・・・、彼女は・・・)

女は、周囲のざわめきに対し、静まるように命じた。

そんな女に語りかける声があった。
穏やかに艶めく中に、底知れない邪悪さを感じさせる声。
そう、女と子供たちの、主(あるじ)の声。

声は言った。
「お前の産むべき、新しい子供だ。」
声とともに、小さな光の球が現れる。
小さな、だが強い輝きを放つ球だ。
「喜ぶがいい。かつて無いほど強い子だぞ。」
光の球は、ゆっくりと女の方へ近づいていく。
「そんな子をこの身に孕めるなんて・・・、光栄ですわ。」
誇らしげに女はつぶやくと、自ら両足を広げた。

(いけねえ・・・、あんたはそんな事をする女じゃねえ!やめろ!やめるんだ!)

広げられた女陰に、光の球が食い込んでいく。
「あ・・・」
女の口から、甘く喘ぐ声がこぼれる。

(だめだ、いけねえ!いけねえ!いけねえ!いけねえ!いけ・・・)

そして、光の球とともに、意識もまた女の胎内へと飲み込まれていった。

         ―――――プロローグ――――― 終わり

16Pitiful madonna of darkness・・・  第一話:2007/02/26(月) 00:46:30

辺境のとある惑星。
荒涼とした風景に似つかわしくない、巨大な宮殿がそびえ立っていた。
その扉の前に立つ一団。
ウルトラの父に率いられたウルトラ兄弟たちだ。
扉を前にしたタロウが、口を開く。
「この中に・・・」
その時、
ギィ〜
彼の言葉を遮る様に、扉が開いた。
中から現れた者の姿に、エースが眉を顰める。
サイモン星人の少年。

少年はエースに言った。
「お久しぶりですね。」
そして、一同にぺこりと頭を下げる。
「他の方々も、ようこそおいで下さいました。」
「おのれ!」
慇懃無礼な響きのこもった言葉に、タロウがいきり立つ。
そんな息子を制止するように、ウルトラの父の威厳に満ちた声が響いた。
「下らぬ冗談はよせ。」
「おや、この姿はお気に召して頂けません出したか。残念ですね、まあいいでしょう。あなた方のお捜しの方は、この中にいらっしゃいます。どうぞこちらへ。」
その言葉に、ウルトラ兄弟たちの中に、どよめきが走る。
「父さん。」
タロウが父の顔を見た。
「・・・」
一瞬の沈黙の後、ウルトラの父は無言で頷いた。

****************************************

長い廊下が続く。
サイモン聖人に先導されながら歩いていくウルトラ戦士たち。
壁にかけられた蝋燭の灯が、ゆらりと揺れる。

廊下に、タロウの、苛立ちのこもった声が響く。
「どこまで連れて行く気だ。」
「フフフ、そんなにあせらなくてもいいでしょう。それより、ほら、聞こえませんか。」
「なに!」
耳に入ってきたある音色に、タロウが色めき立つ。

微かな、バイオリンの音色。
だが、彼を色めき立たせたのはその音ではない。
一緒に聞こえてきた歌声だ。
幼い日、毎日のように聞かされてきたその歌声。
暖かい温もりとともに、彼の記憶に刻み込まれているその歌声。
引き寄せられるように、タロウの足は速まる。
後に続くウルトラ兄弟たち。

巨大な扉の前に出た。
歌声は、その扉の向こうから聞こえてくる。
タロウの手が扉にかかろうとしたそのとき、
「待て。」
制止する声に、怪訝そうに振り返るタロウ。
彼の目に映ったのは、戸惑うような表情を浮かべたウルトラ兄弟たちだった。
タロウが一度も見たことの無い、兄たちの表情。
「兄さんたち、どうして?」
そんな兄たちの顔に、タロウの心にも一抹の不安がうまれた。
(このまま、この扉を開けていいのだろうか・・・?)
だが、その場の沈黙を破って、サイモン星人の声が響く。
「フフフ、一体何を遠慮なさっているのです。さあ、ご紹介しましょう、闇の聖母を!」
言葉とともに、サイモン星人の体は煙となって消えていく。
そして、ギィ〜と音をたてながら、扉が開いた。

17Pitiful madonna of darkness・・・  第一話:2007/02/26(月) 00:48:49

ベロクロン、カメレキング、バキシム、ドラゴリー・・・。
多くの超獣たちが、車座になって座っている。
そして、車座の中心から流れてくる歌声に耳を傾けている。
我が子への愛情に溢れた子守唄に。
「あ、あ・・・・、あああ・・・・・」
タロウが、がっくりと膝をついた。

超獣たちの中心で、傍らに侍る超獣ギーゴンの伴奏で歌う歌声の主。
それは、彼の最愛の母、ウルトラの母その人であった。

彼女は赤子を抱いている。
黒くぬめる肌を持った、超獣の幼獣だ。
その口に、ウルトラの母の胸から光線が注がれている。
張りを増した乳房、その頂に屹立した乳首から、まるで母乳のように放たれる光線を、幼獣はごくごくと音を立てるようにして飲み込んでいく。
一口飲むごとに、ムクムクと大きさを増していく幼獣。
その様子を優しい眼差しで眺めながら、子守唄を聞かせるウルトラの母。
そして・・・
そんな彼女の腹部は、大きく膨らんでいた。
そこに、新しい命を宿す証として。

呆然と立ちすくむウルトラ兄弟たち。
目の前の光景は告げる。
彼らの敬ってきた“光の聖母”、ウルトラの母はもういない。
彼女は既に、ヤプールの下僕にして、超獣たちの母たる“闇の聖母”として生まれ変わったのだと。
彼らの心を覆う、圧倒的な絶望。

ウルトラの母は座っていた座椅子から立ち上がると、傍らに立つ超獣アクエリアスに幼獣を預けた。
そして、立ちすくむウルトラ戦士たちに微笑みかける。
「久しぶりね、みんな。」
タロウが呻くように言った。
「母さん・・・」
母は答える。
「タロウ、御覧なさい。あなたの“弟妹”たちよ。」
両手を広げ、周囲の超獣たちを示す。
“母”のしぐさに、ざわめきでもって応える“子供”たち。
「我が主(あるじ)ヤプールの手によって創られ、この私がこのお腹の中で育てた子供たちよ。」
ウルトラの母は、誇らしげに語る。
そして、タロウの背後のウルトラ戦士たちに語りかける。
「この子達の力、既にあなたたちは十分知っているわよね。」
うれしげに語られる言葉にあわせ、豊満な胸が揺れる。
知らず、釘付けになるウルトラ兄弟の視線。

揺れる乳頭を眺めるゾフィーの脳裏に、“あの時”の記憶が蘇る。

****************************************

18Pitiful madonna of darkness・・・  第一話:2007/02/26(月) 00:50:21

「・・・ここは?」
暗闇に横たわったまま、ゾフィーは目を覚ました。
起き上がろうとするが、手足を大の字に固定され動けない。
(私は確か・・・)
今までのことを思い出すゾフィー。

私は、超獣バキシムと戦った。
だが、今回戦ったバキシムの強さは、今までに経験したことの無いものだった。
攻撃はまったく通用せず、私は無惨にも敗北した・・・。
 
(そして、気を失ったまま、ここに連れてこられたのか・・・)
そんなことを考えながら、自らの肉体をチェックする。
これといった不具合は無い。
手足の動きこそ封じられているものの、先の戦いで負った傷はすっかり治療されていた。
(私は相当な深手を負っていたはずなのに、こうも見事に治療するとは・・・、!?)
股間に刺激を感じた。
思わず向けられた目が、驚きに見開かれる。
「な、何故あなたが?」
「良かった、気がついたのね、ゾフィー。」
呆然とした呟きに、優しい笑みが答えた。

ウルトラの母は、ゾフィーの広げられた股の間に跪いていた。
そして、形のよいその指でもって、ゾフィーのペニスを玩んでいる。

「ごめんね、ゾフィー。あの子には、あまりやり過ぎないようにって、よくよく言い聞かせてはいたんだけれど・・・」
「?」
「あの子は落ち着いた子なんだけど、やはり初めて戦う相手があなただって事で、少し興奮しちゃってたみたいね。でも、傷はちゃんと治療したから、どこも痛くは無いでしょう。」
失踪していたウルトラの母に出会えた喜びも束の間、彼女の怪しげな言動に、ゾフィーの心に困惑が広がる。
股間への刺激に耐えながら問う。
「何をおっしゃっているのです?」
「わからない、ゾフィー?」
ウルトラの母は、悪戯っぽい笑みを浮かべるながら立ち上がると、自らの下腹部を撫で回しながら言った。
「あなたが戦ったバキシムは、私が産んだの。私がこのお腹の中で育て、産み落とした、私の“子供”なのよ。」
「!!そ、そんな・・・」
驚愕に打ちのめされるゾフィー。
そんな彼に、嬉々とした口調で“子供”の自慢をするウルトラの母。

ゾフィーの頭の中で、今までの事件の断片がつながっていく。
そして、衝撃で漂白されたゾフィーの脳裏に、ひとつの構図となって浮かび上がってくる。
(おのれ、ヤプール!自らの超獣たちをより強く生み出すための道具として、ウルトラの母を利用したというのか!思えば、あの事件も・・・)

“迷える超獣たちを救いたい”というウルトラの母の純粋な“愛”。
彼女の愛情を悪用するヤプールに対する怒りが、ゾフィーの胸に湧き上がる。

そんなゾフィーの顔に、ウルトラの母の顔が重なった。
「!?な、何を!」
突然唇を奪われ、うろたえるゾフィーに、母が微笑みかける。
「それでね、ヤプールはお望みなのよ。あなたの子種を。私が新たに産む子供を創るための材料として。だからね、あなたの子種、私に頂戴。」
「な、な、何をおっしゃるのです!」
「ふふっ。ゾフィー、私は知っているのよ。あなたがずっと胸に秘めてきた、私への想いを。」
「そ、そ、そんな!!!」
「その年になるまで、浮いた話ひとつ無いのも、そのためなのでしょう。
さあ、自分に正直になりなさい。」
「ち、違う!私は!」
必死で否定するゾフィー。

(そう、確かに私はウルトラの母を慕ってきた。だがそれはあくまで、ウルトラ族の偉大な母へ捧げる純粋な尊敬の念だ!断じて、邪(よこしま)な劣情などではない!)
半ば自分自身に言い聞かせるように、そう考えるゾフィー。
だが、彼の意識はいつの間にか、自分の体に擦り付けられるウルトラの母の豊満な肉体の方へと向いている。
ゾフィーの胸でつぶれる、柔らかく豊かな乳房。
その吸い付くような肌の感触。
ゾフィーの股間では、ペニスがいつの間にか硬く勃起している。

ウルトラの母が、体を離して立ち上がった。
同時に、ゾフィーの手足の縛めも外れる。
半身を起こすゾフィーに、ウルトラの母の声がかかる。
「ほら、他のみんなはもっと正直だったわよ。さあ、あなたも自分に素直になりなさい。」
「みんな?」
その時、周囲の空間に浮かび上がる立体映像。
ゾフィーの目が、かっと見開かれる。
「そんな、お前たち!」
映し出されたのは、彼の弟たち。
そう、ウルトラマン、セブン、新マン、エースの姿であった。

19Pitiful madonna of darkness・・・  第一話:2007/02/26(月) 00:51:23

十字架にかけられた無残な姿。
だが、彼らの表情は、快楽にだらしなく歪んでいた。
そして、彼らの股間では、勃起したペニスが先端からドクドクと白濁を吐き出し続けていた。
絶句するゾフィーの耳に、楽しげな声が入る。
「あの子達も最初は抵抗してたけど、すぐに素直になってくれたわ。だから、さあ、あなたも。」
キッと、ウルトラの母のほうを向くゾフィー。
だが、その視線は、
むっちりと這った太ももに・・・、
豊かな臀部に・・・、
以前より大きく張りを増した双の乳房に・・・、
全身から淫らなオーラを発するウルトラの母の肉体に釘付けになり、離れない。

そして、ゾフィーの脳裏に、他の感情を追い払いながらある思いが湧き上がってくる。
それは、弟たちへの羨望の念。
(この肉体を、あいつらは・・・、いや、いかん、何を考えているんだ、私は・・・)
必死に邪念を追い払おうとするゾフィー。
だが、
「ゾフィー。あなただけが我慢することなんて無いのよ。」
ウルトラの母の艶めいた声が、彼の心を大きく揺さぶる。
そして・・・、
「私は、私は・・・」
ゾフィーの血走った目が、ウルトラの母の顔を向く。
母は、穏やかに微笑むと、招くように両手を広げて言った。
「私のかわいいゾフィー。さあ、いらっしゃい。」
「うわ〜〜〜〜〜〜!!!」
奇声を上げながら、ウルトラの母に踊りかかるゾフィー。
「きゃっ!」
ウルトラの母のどこかうれしげな声とともに、2人は倒れこむ。

そして、艶めく喘ぎ声に、その場は満たされていった。

数日後・・・

ウルトラの母にその精を搾り取られたウルトラ兄弟たち。
彼らは、とある宇宙空間にゴミのように打ち捨てられているところを発見され、保護された・・・。

***************************************

ゾフィーの、そして他の兄弟たちの胸にわきあがる思い。
それは、敗北を雪辱せんとの思い。
そして、それをも上回る、劣情に屈してしまった自分自身への自責の念。
そう、彼らはその無念を晴らすべく、この場に乗り込んできたのだ。
固い決意とともに。

だが、彼らは気づいていただろうか。
自らの目が、いつの間にかウルトラの母の肉体に釘付けになり、彼女の輝く肌の上に、舐めるような視線を送っていることを・・・

「超獣たちを救う、のではなかったのか?」
ウルトラの父のどこか悲しげな声に、艶然たる笑みが答える。
「ええ。以前の私はうぬぼれていましたから。光の聖母などとのぼせ上がって、全ての生命を救わねばならないなんて勝手に思いこんでね。でも、この子達の先代と肌を重ねていくうち、私は変わっていったの。そして最後に、私たちの主、そう、偉大なるヤプールに出会ったとき、私は気づいたの。それまでの私が、光の聖母として感じていた使命が、実はとてもくだらない物だって事に。同時に悟ったわ。私の果たすべき本当の使命を・・・。それは偉大なる創造者ヤプールの下僕となり、闇の聖母として創造される超獣たちの母となることだということに。」

嬉々として語るウルトラの母を、呆然と見守るウルトラ兄弟たち。

20Pitiful madonna of darkness・・・  第一話:2007/02/26(月) 00:52:36

「・・・あなたが救った先代の超獣たちは、一体どうしたのです。」
エースの問いに、ウルトラの母は答えた。
「かわいそうだったけど、あの子たちには死んでもらったわ。
だって、ヤプールに逆らう悪い子になっちゃったし・・・。
ヤプールもあの子たちなんか要らないっておっしゃったし・・・。
でも、ほら、あの子たちはすぐに帰ってきてくれた。
私のお腹の中で、前よりもずっとずっと強くなって。」
誇らしげに周囲を示す母に、超獣たちのざわめきが応え、さらにエースの口惜しげな呻き声が重なった。

そして、ウルトラの母は自らの膨らんだ腹部を撫で回しながら言った。
「ふふっ、この子がどんな子だかわかる?
 そう、あなたたちウルトラ兄弟の子種を基に、ヤプールがお創りになった子よ。」
「!」
「な、何と!」
どよめくウルトラ兄弟たち。
半ば覚悟していたこととはいえ、「事実」を突きつけられながらの言葉には、やはり衝撃を受ける。

「そして、私にはわかるわ。
この子は、あなたたちが束になっても敵わない、とても、とても強い子だって事が。
この子こそ、ヤプールの創り出した最高傑作だって事が。
そして、この子を産むために、私は存在しているんだって事が・・・」
甘美な誇りに満ちた表情で、ウルトラの母は語る。
「そんな、母さん・・・」
タロウが、泣き出しそうな声を出した。

その時、
「うぅっ!」
母の口から、苦しげな呻き声が漏れた。
腹部を抱え、うずくまる。
「母さん!」
慌てて駆け寄ろうとするタロウを、父が制止する。
「う、産まれる・・・」
ウルトラの母が苦しげに漏らした言葉に、蒼ざめるウルトラ兄弟たち。

そう、今まさに、彼女は産み落とそうとしているのだ。
彼らの精を基にヤプールが創り出した最強の戦士を!

超獣たちの手で、ウルトラの母は寝椅子の上に横たえられる。
苦しそうにいきむ彼女の股間から、破水した羊水が漏れ出している。
まるで、彼女の体内の光が液体となって溢れ出したかのような、まばゆい輝きを放ちながら。
「はあうっっっ!!」
そして、彼女がひときわ大きないきみ声を放つと同時に、溢れ出す光の中から2本の手が現れた。
そして、母の体をしっかりと掴む。
自ら、母親の胎内から這い出ようとするために。

その様子を、周囲を囲む超獣たちは跪き、無言で見守る。
そう、今こそ聖なる時。
彼らの母たる闇の聖母、ウルトラの母が、新たなる生命を産み落とそうとしているのだ。
彼らの弟を!
彼らの創造主ヤプールが創り出した、最強の戦士を!
額に脂汗を浮かべながら、いきみ続けるウルトラの母。
その声を、まるで聖なる祈りの言葉のように聞きながら、超獣たちは見守り続ける。

21Pitiful madonna of darkness・・・  第一話:2007/02/26(月) 00:53:11
目の前の光景に、ただただ圧倒されるだけのウルトラ戦士たち。
だが、その中の一人が、1歩歩み出た。
ウルトラの父だ。
「父さん?」
「な、何を?」
タロウとゾフィーがつぶやく。
ウルトラの父は無言のまま、腕を構える。
この構えは・・・
「やめて!父さん!」
父の意図に気づいたタロウが、悲鳴に近い声で叫びながら父の前に立ちはだかろうとする。
母の周囲の超獣たちも、母を庇うように立ちふさがるが、
「退がっておれ!」
ウルトラの父の一喝によって、思わず引き下がった。

ウルトラの父、そして、いきみ続けるウルトラの母。
2人を除く全員がすくんだようにその身を凍らせる。
だが、彼らが動けないのは、父の語気の激しさに恐れをなしたからではない。

彼らは理解したのだ。
短い一言に込められた、ウルトラの父の思いを。

彼の最愛の妻、ウルトラの母。
彼女が、その深き愛ゆえにヤプールの罠に落ちた今となっても、ウルトラの父の、彼女への愛情は変わらない。
闇の聖母として超獣たちを産み落とす身に堕とされてもなお、ウルトラの父にとって、ウルトラの母は最愛の妻であった。
しかし、ウルトラの父は彼女の夫であると同時に、宇宙警備隊の大隊長でもある。
宇宙の平和を守るという使命があるのだ。
その宇宙の平和にとって、最大の脅威といってもいいヤプール。
そのヤプールの創造した最強の戦士が、今まさに産まれようとしている。
最強の侵略者の誕生を手をこまねいて見ている事は、彼には許されない。
たとえ、そのために最愛の妻を自ら手にかけることになろうとも。

妻への大いなる愛情と、それをも上回る平和の戦士としての使命感。
そして、その二つの相反する思いが重なるときに生まれる、大いなる悲しみ。
短い一言に込められたウルトラの父の思いに、周囲の全ては圧倒され、金縛りにあったように動けない。

「ああぁ〜!」
ウルトラの母が、ひときわ大きな声をあげた。
その声が消えるまもなく、
「妻よ、許してくれ!」
無限の悲しみの込められた唸るような言葉とともに、ウルトラの父の腕から光線が放たれる。
閃光に包まれるウルトラの母の姿。
「!」
「!!!」
「!!!!!!」
ウルトラ兄弟たちと超獣たちが、声にならない悲痛な叫びをあげる。

だが、次の瞬間、爆発とともに全てを消し去るかに見えた光は、逆に見る見る収束していった。
「こ、これは!」
息をのむ一同。

そして、光はひとつの影となった。

22Pitiful madonna of darkness・・・  第一話:2007/02/26(月) 00:53:54

気を失ったウルトラの母の、広げられた太腿の間にうずくまる影。
「許さない・・・」
怒りのこもった声とともに、影は立ち上がる。
彼の目は、怒りに燃えていた。
彼を、いや、彼の愛する“母”を傷つけようとした者への激しい怒りに。
未だ少年のようなその体だが、内に秘められた巨大な力を、知らず滲み出させている。
金色と赤に彩られたその体。
そう、彼は・・・

「み、みんな!」
「お、おう!」
ゾフィーの呼びかけに、他の兄弟たちが応じる。
彼らは皆、同じことを感じていた。
“こいつはとてつもなく強い”と。
“未だ完全ではないこの場で倒さなければ危険だ、”と。
彼らの胸に湧き上がる、恐怖にも似た感情。
「いくぞ!」
ゾフィーの号令とともに、一斉に光線を放つ。
ウルトラ族最強の必殺技、ウルトラ兄弟合体光線。
全てを灼き尽す、光の奔流。

だが・・・、
「フンッ!」
左手のひとはらいとともに、光の大洪水は分裂して貧弱な細流となり、周囲の闇へ消えていった。
「ば、馬鹿な・・・」
絶句するウルトラ兄弟たち。

「許さない。母さんを傷つけようとするものは・・・、たとえ誰であっても・・・」
立ち上がった人影は怒りのこもったつぶやきとともに、構えをとる。
たちまち頭上に形成されるエネルギー球。
ウルトラ戦士たちはたじろぐ。
そう、この技は・・・。

「スペースQだと!」
セブンが驚愕の叫びをあげた。
(ウルトラ兄弟のエネルギーを結集せねば出来ないはずのこの技を、こいつは単独で用いるというのか!)
しかも、そのエネルギー球の輝き。
それは、そこに秘められた、彼が今まで見たことも無いような巨大なエネルギーを示している。

「消え去れ!」
怒りの叫びとともに放たれるエネルギー球。
「い、いかん!みんな退け!」
ウルトラの父はウルトラ兄弟にそう命じると、さっきから呆然とすくんだままだった息子タロウを、兄たちのほうへつきとばす。
そして、エネルギー球の前に立ちはだかった。
その体で光の球を受け止め、そしてその中に消えていくウルトラの父。
「父さーん!」
我に返ったタロウの叫びが、周囲に響きわたった。

****************************************

「ううっ・・・」
ウルトラの母は目を覚ました
彼女の周囲は、超獣たちによる喧騒に満ちていた。
興奮し、勝利の雄叫びをあげるもの。
敗走するウルトラ兄弟たちに追い討ちをかけようと、足早に立ち去る物。

彼女の視線が、自らの傍らに立つ影のほうへ向いた。

微笑みとともに、ウルトラの母はつぶやく。
「帰ってきてくれたのね、エースキラー・・・」

         ―――――第一話「誕生」――――― 終わり

23Pitiful madonna of darkness・・・ 第二話:2007/02/26(月) 00:55:15

その日の夜。

宮殿の大浴場。
満々と湯を湛えた巨大な浴槽の中に、エースキラーはいた。
彼の口から、つぶやきがこぼれる。
「・・・本当に、あれで良かったのか?」

あの時、僕は怒りの赴くままに“あいつ”を倒した。
だが、本当にそれで良かったのか?
“あの人”は、本当は倒してはいけない人だったのではないか?
僕は何か、とんでもない過ちを犯してしまったのではないのか?

時間が経ち平静さを取り戻すにつれ、心の中にそんな気持ちが湧き上がってくる。
「ええい!」
紛らわすように、浴槽の中を泳ぎまわるエースキラー。
自らに言い聞かせるように考える。

いいか、あいつは、母さんに危害を加えようとしたんだぞ!
だから、当然の報いをくれてやったまでだ!
一体、何がいけないって言うんだ!
あの後、母さんも言ったじゃないか。
「ありがとう、立派だったわ。」って。
笑顔とともに母さんが語る感謝と賞賛の言葉の数々。
その一言一言を聞くたび、僕は天にも昇るような気分になったじゃないか。
そして、母さんが引き合わせてくれた、僕らの偉大なる創造主ヤプールも褒めてくださったじゃないか。
「よくやった。」と。
でも・・・、偉大なる・・・、創造主・・・、ヤプール・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?

エースキラーは泳ぐのを止め、その場に立ち尽くした。

「あらあら、お風呂で泳ぐなんて、お行儀が悪いわよ。」
背後から突然かけられた言葉。
エースキラーは振り向いた。

言葉の主は、浴槽の縁に立って、艶然たる笑みを浮かべていた。

ウルトラの母は続ける。
「今日は、私と一緒に入りましょ。」
そういいながら、母は浴槽の中に入ってくる。
「か、母さん・・・」
恥ずかしげに、視線を逸らすエースキラー。

ウルトラの母は微笑むと、そんな息子を浴槽の縁へと座らせると、自らも肌を触れ合わせるように隣に座った。
そして、嬉しさを隠さない口ぶりで語りかける。
「さっきも言ったけど、あなたは本当にすごいわ。生まれたばかりなのに、あんなに強いなんて。私を守ってくれたのよね。本当にありがとう。あなたは私の自慢の息子よ。」
「そんな・・・」
照れたように答えるエースキラー。
母の賞賛の言葉を聴くたび、彼の心は喜びでいっぱいになる。

だが、そんな彼の気持ちとは別に・・・、しっとりと濡れた肌が発する甘い香りが、彼の鼻腔を、そして心をくすぐる。
(そんな・・・、駄目じゃないか。母さんにこんな気持ちになるなんて)
次第に昂ぶってくる心を、必死で鎮めようとするエースキラー。
だが、そんな重いとは裏腹に、視線はチラチラと母の方を向き、そのむっちりと張った肢体の上に踊る。

24Pitiful madonna of darkness・・・ 第二話:2007/02/26(月) 00:56:26

(おや、あれは?)
ふと、エースキラーの目が、母の手首の上に止まる。
そこに見出した物を、自分の手首のそれとを比べる。
そして、嬉しげな口調で言った。
「ねえ母さん、このブレスレット、僕のとお揃いだね。どうしたの?」

だが、次の瞬間、エースキラーの表情は凍りついた。
彼の言葉を聴いたウルトラの母が、頭を抱え苦しげな表情を浮かべたのだ。

「ど、どうしたの!母さん!」
うろたえる息子に、母は苦しげに答える。
「大丈夫、大したことはないの。このブレスレットのことを考えると、何故かこうなっちゃうのよ。でも、心配しなくていいのよ。すぐ良くなるから。」
「ご、ごめんなさい。もうこんな事聞いたりなんかしないから、だから・・・」
涙目で謝るエースキラー。
そんな息子に、ウルトラの母は苦しげな笑みを向けた。
そして、優しく抱きしめながら言った。
「いいのよ。ありがとう。あなたは優しい子ね。母さんは嬉しいわ。」
「母さん!」
エースキラーもまた、母を抱きしめる。

しばし、抱き合う2人。
いつの間にか、母の苦しげな表情も消えていた。

ふと、母の視線が下を向いた。
息子の股間の変化に気付く。
クスリと笑う、ウルトラの母。
「あ!」
あわてて母から体を離すエースキラー。
そして、両手で股間のこわばりを隠して立ち尽くす。
「ごめんなさい・・・、母さんがこんな時に・・・」
しょんぼりした声で謝るエースキラー。
そんな彼に、ウルトラの母は優しい笑みを返す。
「いいのよ、エースキラー。謝る必要なんて全然無いの。むしろ、母さんは嬉しいのよ。母さんの体に感じてくれて。」
そう言いながら、ウルトラの母はエースキラーの前に跪き、彼の両手をそっとどける。 
少年を思わせるエースキラーの肉体に似合わない、堂々とした屹立が現れる。
うっとりと眺める母。
「今から母さんが、“男”にしてあげますからね。」
「母さん?」
エースキラーが、訝しげな声を出すや否や、
チュ・・・
屹立に口付けるウルトラの母。
「ううっ・・・」
エースキラーの全身を甘美な衝撃が走り、口から快美の呻き声が漏れた。

****************************************

広い部屋の中に、多くの超獣たちがたむろしている。
彼らの視線は、頭上に映し出される立体映像に向けられていた。

映し出されているのは、今まさに浴場で起こっている光景。
うろたえて後ずさるエースキラー。
そんな彼に、淫靡な笑みを浮かべて彼に迫るウルトラの母・・・

「あ〜あ、見てらんねえぜ。」
“弟”の不甲斐無さを嘆くように、ベロクロンが言った。
「まあそう言うな。我らの、“初めて”も、あんなものだったではないか?」
酒盃を片手にしたバキシムが諭すように言う。
「そりゃそうだけれどもよ〜」
手にした酒盃を、一気に飲み干すベロクロン。

「ところで、ユニタングの奴はどうした?」
「タロウと一緒だ。」
「しょうのない奴だな。せっかくのキラーの“晴れの舞台”を、みんなで祝おうって時によ〜」
「仕方あるまい。あいつは以前から、タロウに執心だったからな。」
「・・・しかし、タロウの奴も災難なこった。」
心底同情のこもった口調で、ベロクロンはつぶやいた。

****************************************

25Pitiful madonna of darkness・・・ 第二話:2007/02/26(月) 00:57:58

同じ頃・・・

タロウは、とある部屋の中にあおむけに横たえられていた。
部屋の壁は、タロウの肖像画やポスター、写真パネルで埋め尽くされ、棚にはタロウのぬいぐるみやフィギュアが溢れていた。
部屋の主が、タロウに話しかける。
「も〜、タロウお兄ちゃんたら、調子いいんだから〜♡」

声の主は、タロウの腹の上で、その身を揺らしていた。
超獣ユニタング。
同じウルトラの母から産まれた、タロウの“妹”。
“兄”タロウの屹立をその膣にくわえ込みながら、ユニタングは嬉しそうにまくし立てる。
「ユニがいくら迫っても、タロウお兄ちゃんたら全然“その気”になってくれないんだから〜♡。もー、お兄ちゃんのいけずー♡。それなのに、お母様の姿を見たとたんに、こんなに元気になっちゃうなんて〜♡、ユニ、ちょっぴり傷ついちゃったぞ〜♡。でも、許してあげる♡。だって、ユニとっても嬉しいんだもん♡。ずっと憧れてたタロウお兄ちゃんに、ユニの“初めて”、あげられたんだもん♡」
そんな言葉とともに、胸から腹にかけて連なる乳房を揺らすユニタング。

一方、タロウの視線は目前の空間に浮かび上がる立体映像に釘付けになっている。
ここでも、映されているのは浴場の光景。
エースキラーに迫るウルトラの母。
彼女の豊満な肉体はしっとりと湿り、滑らかな肌の所々を湯滴が滑り落ちる。
その全てがタロウの目前にくっきりと映し出されている。

「どうして?」
タロウはつぶやく。
「どうして?どうして?どうして?・・・」
錯乱するタロウ。
(どうして母さんは、あいつに迫るんだ?
どうして僕は、そんな母さんを見て興奮しているんだ?
どうして僕は、こいつとここで交わっているんだ?
どうして・・・)
目の前に突きつけられる光景と、その身に降りかかる陵辱。
想像を超えた出来事の連続に、タロウの心は錯乱する。
「どうして?どうして?どうして?・・・」
うわ言をひたすら繰り返すタロウ。

「うう、いいわよ、いくわよ、お兄ちゃん♡」
ユニタングの腰の動きが激しくなった。
タロウをくわえ込んだ媚肉に、いっそうの力を込める。
「いって!ユニと一緒にいって、お兄ちゃん♡!」
「ううっ!」
タロウも呻いた。
そして・・・

「いっちゃう♡!いっちゃう〜♡!」
「うおっ、うおっ〜!」
同じ母胎より産まれし兄妹の絶頂の声が、その場に響きわたった。

26Pitiful madonna of darkness・・・ 第二話:2007/02/26(月) 00:58:39
****************************************

豊満な乳房が迫る。
後ずさるエースキラー。
必死に顔を背けようとするが、彼の眼球、は主の意志に反して、目前に迫る女体をチラチラと覗き見る。
後ずさるうちに、いつの間にか浴槽の縁に追い詰められていた。
エースキラーが、思わず足を滑らせ尻餅をつく。
そんな彼に、ウルトラの母が覆いかぶさる。
2人の唇が重なる。
エースキラーは尚逃れようとしたが、母は唇を割って舌を送り込んだ。
2人の舌の絡み合う、ピチャピチャという音が、他の物音の消えた浴場内に静かに響く。

いつの間にか、エースキラーは抵抗を止めていた。

唇を離し、見つめあう2人。
エースキラーの息が荒い。
ガバと跳ね起きると、母を押したおし、自分がのしかかる。
乳房を揉みしだき、乳首にしゃぶりつく。
乳首から、まるで母乳が噴出すように光線が放たれる。
ごくごくと飲み込んでいくエースキラー。
そして、自らの勃起を母の女陰にあてがおうとするが・・・、
「う、くそ、こんな・・・」
なかなか上手くいかない。

そんな息子に、母は優しく語りかける。
「大丈夫。慌てることなんてないの。母さんにまかせて。」
息子を優しく導き、自らの濡れぼそる女陰にあてがう。
そして、穏やかに微笑みながら、息子の耳元に甘くささやいた。
「さあ、おいで。」
母の言葉に、エースキラーは腰を突き出すことで答えた。
「うっ。」
息子に貫かれ、母は一瞬息を止めた。

ウルトラの母の目尻から、一筋の涙がこぼれ落ちる。
彼女はつぶやいた。
「お帰り・・・」

27Pitiful madonna of darkness・・・ 第二話:2007/02/26(月) 00:59:39
****************************************

行為を終えて横たわる、タロウに、傍らに添い寝したユニタングが語りかける。
「ユニのずっと前からの夢だったんだよ〜、こうしてタロウお兄ちゃんと結ばれるのが♡。だからユニ、お兄ちゃんを捕まえるために今日はがんばったんだよ〜♡。“絶対逃がさないわよ、タロウおにいちゃん♡”なんてね、てへ♡。だから、他のみんなは他のお兄ちゃんたちに逃げられちゃったけど、ユニだけはタロウお兄ちゃんを捕まえることが出来たんだ〜♡。ヤプールも褒めてくれたんだよ〜♡。それでね、ヤプールが言うんだ。ご褒美にタロウお兄ちゃんをユニにくれるって♡。ユニ、幸せすぎて死んじゃいそ〜♡。これからも、ずっと、ずっと一緒にいようね、お兄ちゃん♡」
心底楽しそうに、ユニタングは語る。

だが、彼女の言葉は、タロウの半ば呆けたような心には届いていない。
タロウの意識は、目の前に映し出される光景に釘付けになっていた。
目の前に映し出される、母の姿に・・・。

エースキラーと交わるウルトラの母。
彼女の表情は喜びに溢れていた。
自らの胎内で育ててきた“息子”と、再び一つになれた喜びに・・・、
“息子”を、自らの肉体で“男”にすることが出来た喜びに・・・、
歓喜にその身を震わせるウルトラの母。
エースキラーの一突き毎に、ウルトラの母は甘い喜びの喘ぎをもらす。

「どうして?どうしてなの母さん?どうして?・・・」
半壊した意識のまま、そんなうわ言をつぶやき続けるタロウ。

「そうだ、お兄ちゃんに、いいもの見せてあげる〜♡」
ユニタングが立ち上がった。
そして・・・、
「ほら、ユニの宝物だよ〜♡」
彼女の言葉にとてつもなく不吉なものを感じたタロウが振り返る。
次の瞬間、彼の目は大きく見開かれ、そのまま凍りついた。

タロウの目の前に、巨大なペニスが突きつけられていた。
彼の腕ほどもあるその胴は赤紫に色づき、縦横に走る青紫の血管が不気味に脈打つ。
そして、ドリル状になった亀頭部が金属質の鈍い光を放っていた。

それを股間に生やしたユニタングが、うれしそうに言った。
「いいでしょう、これ♡。ユニが、ヤプールにおねだりして創ってもらったんだ〜♡。だって、ユニ、タロウお兄ちゃんの“全て”を知りたかったから♡」
見せ付けるように、ペニスをブルンっと揺らすユニタング。
キューンと鋭い音をたてて、亀頭が回転した。
「や、やめろ・・・、い、いやだ・・・、やめてくれ・・・」
妹の意図に気がついたタロウが、恐怖に凍りついた眼差しのまま、首を振りながら後ずさる。
そんなタロウに、舌なめずりをしながら、ユニタングは迫る。
彼女の口元から、ダラリと涎が垂れた。
「大丈夫、怖くないのよ♡。優しくしてあげるから♡」
ギュイィーン
股間で揺れるドリルペニスの回転が勢いを増す。
抉るべき、タロウの菊座を求めて・・・。

28Pitiful madonna of darkness・・・ 第二話:2007/02/26(月) 01:00:27
****************************************

エースキラーの口から、快美の呻きがこぼれる。
彼は、悦びにその身を震わせていた。
母親の子宮へと続く肉の道。
自分が産まれるに際して通ってきた道。
再びそこに戻ってこれた喜びに。
そして彼の亀頭が、ウルトラの母の子宮をたたく。
そう、母の子宮。
エースキラーを育てた、肉のゆりかご。
彼はそこで育ち、その強大な力を授かったのだ。
限りない愛情に包まれた、無限の安らぎの中で眠りながら。
感謝を込めて、息子の亀頭は母の子宮をたたく。
一方で、彼は母の胸に顔を埋める。
柔らかなぬくもりに包まれながら、耳を澄ます。
(そう、これだ・・・)
聞こえてきたのは、“母親”の鼓動。
この世のすべての“子供”たちにとっての、至高の安らぎの音楽に、彼はしばし耳を浸す。

その時、エースキラーの脳裏を、ある記憶がよぎった。
彼の、前世の記憶が・・・
(前にも僕はこんなことを・・・、あれは・・・、確か・・・)

だが、そんな思いも、次々と押し寄せる官能の奔流に飲み込まれていった・・・。

エースキラーの腰の動きが早まった。
顔を上げ、母と視線を合わせる。
母の視線は彼に告げる。
“一緒にいきましょう”、と。
エースキラーは頷くと、母に顔を寄せ唇を重ねる。
いつの間にか、2人の手は互いに固く結び合っている。
全身を、これ以上ないくらい密着させる2人。
そして・・・
「ああぁ〜〜〜!!」
「おおぉ〜〜〜!!」
母と子は、声を重ねるようにして絶頂の叫びを放った。

29Pitiful madonna of darkness・・・ 第二話:2007/02/26(月) 01:01:13
****************************************

超獣たちの拍手の音が鳴り響いた、
彼らの頭上の立体映像は映し出す。
彼らの“弟”、エースキラーの絶頂の瞬間を。
いたる所で、祝福の声があがる。

そんな中、ベロクロンとバキシムは、無言のまま見つめあい、酒盃を掲げた。
“弟”が、“男”になった瞬間を、彼らの真の“兄弟”になったこの瞬間を祝うために。
チンッ
酒盃同士がふれあい、軽い音をたてた。

****************************************

同じ頃。

回転するドリルペニスの亀頭部が、タロウの菊座を貫いた!
「あん♡」
ユニタングが甘い声を漏らす。
だが、
「うぎゃああぁぁああぁあああああぁあああぁ〜〜〜〜〜〜!」
タロウの放つ絶叫の声が、彼女の声を打ち消す。

肉体の中心をえぐられ、貫かれるタロウ。
その、苦痛にのたうちながらも、彼の目は目の前の映像に釘付けになったままだ。
彼の母と“弟”の交わる姿に・・・。
今まさに、絶頂を迎えようとするウルトラの母とエースキラーの姿に・・・。

母の“弟”への愛情に満ちたしぐさ、そして彼女がもらす甘いあえぎ声。
そのしぐさと声の一つ一つが、タロウの目を、耳を、そして心を痛めつけていく。
ドリルペニスに肉体を、そして母の姿に精神を引き裂かれていくタロウ。
そんな彼の放つ、絶望に満ちた叫び。

そして、映像の中のウルトラの母とエースキラーが、絶頂の声をあげた。
ちょうどその瞬間、タロウもまた、ひときわ大きな叫びをあげる。

ウルトラの母の声に、彼女の産んだ2人の息子、タロウとエースキラーの声が重なる。
エースキラーの放つ、悦楽と快美の咆哮。
タロウの放つ、苦痛と絶望に塗りつぶされた絶叫。
母の、そして母を同じくする兄弟の叫び声はひとつに重なり、部屋の中を満たしていった。
        
―――――第二話「喪失」――――― 終わり

30Pitiful madonna of darkness・・・ 第三話:2007/02/26(月) 01:03:08
その後、超獣たちとウルトラ戦士たちの戦いは絶えることなく続いた。

だが、その結果は常に決まっていた。

ウルトラ戦士たちの無残な敗北と。

“闇の聖母”、ウルトラの母の産み育てた超獣たちの前に、ウルトラ戦士たちのいかなる技も無力だった。
弄ばれる様に倒されるウルトラ戦士たち。

そして、ヤプールは超獣たちに命じる。
“ウルトラ戦士たちに止めを刺すことなく、解き放て”と。
解き放たれるウルトラ戦士たち。

彼らは再び立ち上がる。
再び超獣たちに挑み、そして弄ばれるようにして倒されるために。

それが、幾度と無く繰り返された。

そして、それらの一部始終は、ヤプールは全宇宙へ中継した。
自らの軍団の絶対的な強さと、ウルトラ戦士たちの無力さを知らしめるために。

ヤプールの圧倒的な力への恐怖が、絶望と無力感を従えて宇宙に広がっていく。

星々は次々にヤプールの軍門に降って言った。

そして、数ヶ月が過ぎた・・・

****************************************

銀色に輝くふくよかな女体に、湯滴が降り注ぐ。
肌のなめらかさに煮さらに磨きをかけながら、湯の滴たちは駆け降りていく。
やがて、女は沐浴を終えた。
磨かれ清められた肌から、香をたいたような芳香が香りたつ。
周囲に満ちる、しっとりと上品な甘い香り。

沐浴。
それは、“闇の聖母”ウルトラの母が“主”ヤプールの前に出る前に行う、聖なる儀式。

ここは、ヤプールの宮殿の大広間。
様々な次元へとつながる多くの扉がゆらゆらと空中を漂っている。
清らかな甘い香りを振りまきながらその間を歩いてきたウルトラの母が、跪く。
「ウルトラの母、御前にまかりこしました。」
そんな姿に、彼女の主ヤプールは満足気に頷いた。
「よく来たな。さあ見るが良い。」

ヤプールが示すモニターに映っているのは、そう、ウルトラの星。
ウルトラ族に残された最後の拠点、光の国である。

ヤプールの、歌うような声が響く。
「もうじき、潜入部隊からの“狼煙”が上がる。
 その時こそ、総攻撃の開始だ。
 そう、ついにウルトラの星を滅ぼす時が来たのだ。
 闇の聖母ウルトラの母よ、ともに光の国の滅ぶさまを楽しもうぞ。」
「御一緒できるなんて、光栄ですわ。」
かつての母星への滅亡宣告にも、ウルトラの母は何ら動じない。
むしろ楽しげに答えると、その身を主ヤプールの傍らに侍らせた。

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31Pitiful madonna of darkness・・・ 第三話:2007/02/26(月) 01:04:03

ウルトラマン80とユリアンの身体が空中で交錯した。
重なったまま、2人の身体は激しく回転しながら突進する。
その先にいるのは、超獣ベロクロン!
ベロクロンを打ち砕くべく2人は突進する。

だが、ベロクロンの腕の一振りによって、逆に回転は打ち砕かれた。
激しい勢いで、地面に叩きつけられる80とユリアン。
素早く受身を取った80に対し、ユリアンは全身を強打し、咄嗟には立ち上がれない。
「ユリアン、大丈夫か?」
「エ、80・・・」
苦しげに答えるユリアン。

そんな2人に対し、ベロクロンが全身のエラからミサイルを放った。
ミサイルの大群が、轟音とともに80を、ユリアンを襲う。
「ユリアン!」
ユリアンを庇い、ミサイル群に立ちはだかる80。
そんな彼に、ユリアンに向かうはずだったミサイル群が、そして彼を追尾してきたミサイル群が次々と命中していく。
80の皮膚に食い込み、炸裂するミサイル。
その傷口に、容赦なく襲い掛かる次のミサイル。
みるみる穿たれていく80の肉体。
「ぐ、ぐうっわあああぁぁぁ〜」
苦悶の絶叫を放つ80。
「エ、80ィィー!」
ユリアンの悲鳴が響いた。

最後のミサイルが炸裂した。
80の体がぐらりと傾く・・・、が、かろうじてこらえた。
彼の体はいたるところ穴だらけとなり、爆発で炭化した肉が煙をあげている。
だが、それでもなお、80の目は意志を失ってはいなかった。
そう、戦う意志を・・・。
ユリアンを守ろうとする意志を!

ここ数ヶ月の間、80もまた他のウルトラ戦士たちと同じく、超獣たちに敗北を重ねていた。
超獣たちに敗北し、そして解き放たれる。
彼らと再び戦い、敗れるために・・・。
超獣たち、いや、ヤプールに弄ばれる80。
そんな日々の繰り返しに、80の心は荒んでいった。
何度、ウルトラ戦士としての誇りを失い、自暴自棄になりかけたことか。
だが、そんな彼を救ってくれたのはユリアンだった。
戦いに傷ついた彼の体を献身的な看護で癒やし、ともすれば挫けそうになる心をある時には優しく、ある時には厳しく励ましてくれたユリアン。
今日まで80が戦士として在り続けられたのは、彼女のおかげだといってもいい。
そして、いつしか彼女は80にとって、単なる幼馴染を超えた存在になっていた。
ユリアン。
彼女こそ、今の80にとって全てだった。
たとえこの身はどうなろうとも、彼女だけは守ってみせる。
そんな覚悟だけが、今の80を支えていた。

32Pitiful madonna of darkness・・・ 第三話:2007/02/26(月) 01:05:08
ベロクロンの傍らの空間が、バリンと割れた。
中の赤い異空間から現れたのは、超獣バキシム。
バキシムは言った。
「大丈夫だ、これといった仕掛けはない。」

バキシムとベロクロンは、主力の侵攻に先立って、ウルトラの星へ潜入調査をしていた。
特別な罠などが仕掛けられていないかと。
そして、その調査中に、80たちと遭遇。
ベロクロンは2人を相手に戦闘に入ったのだ。

「さあベロクロンよ、“狼煙”を上げてくれ。」
「ああ、わかった。」
バキシムにそう答えると、ベロクロンは80に目をやった。
すっかりボロボロになった体を、かろうじて気力のみで支えている80。
ベロクロンの目に憐れみの色が浮かんだ。
「今楽にしてやるぜ、80。」
ベロクロンは口を開いた。
彼の口の中の発射台に据えられたミサイルが姿を現す。
エラの中のそれとは比較にならないほど大型のミサイル。
その先端には、鋭いドリルが備わっている。
ドリルが旋回を始め、そして・・・、
「あばよ、80!」
轟音とともに、80に向けてミサイルが発射される。

次第に速度を増しながら、80に迫るミサイル。
80の胸に、ドリルが突き立った。
「ぐ、ぐおぉ〜〜〜!」
80の両手が、ミサイルにかかり、何とかその突進を抑えようとするが・・・、
ミサイルは尚も、推力を増し続ける。
80の両足が地面を離れた。
ミサイルに押し上げられ、空へと上昇していく80。
「80――!!」
ユリアンの悲鳴が、後を追うように響いた。
悲鳴に重なるように悲鳴に重なるように、ユリアンの耳に、80が最期の力で叫ぶ声が聞こえた。
「生きるんだ!ユリアン!」

すさまじい速度で、空へと上昇していく80。
彼の胸に、容赦なくドリルが食い込んでいく。
そして、ウルトラの星の大気圏を抜ける頃、ついにドリルの先端が80の心臓を貫いた。
「!!―――!!!」
もはや喋ることすら出来ない80の体を、断末魔の痙攣が走る。
薄れ行く意識の中、80の心に最後に浮かんだもの。
それは、ユリアン。
(ユリアン・・・、生きろ!)
次の瞬間、宇宙空間に巨大な炎の花が咲いた。

****************************************

33Pitiful madonna of darkness・・・ 第三話:2007/02/26(月) 01:05:55

ベロクロンたちの“狼煙”を確認したヤプールが、無言でその手を挙げ、振り下ろす。
ついに総攻撃の命は発せられたのだ!
主の命に応え、出撃するエースキラー。
そして、彼に続く、カメレキング、ガマス、ドラゴリー、ブロッケン、バラバ・・・。
超獣たちの大群が、ウルトラの星めがけて押し寄せていく。

****************************************

まるで巨大な花火のようにも見える、ベロクロンの“狼煙”。
それが消えた後、空に無数の流れ星が流れる。
そう、爆発四散した80の肉片が。
それらを見上げながら、ベロクロンは悼むように呟いた。
「安らかに眠るんだぜ・・・」

そんなベロクロンに、バキシムが言った。
「一応、これで我々の役目は終わったことになる。私は本隊に合流するが、お前はどうする。」
「ま、しばらくは好きにさせてもらうさ。」
「そうか。なら、また後でな。」
再び空間を割って、異空間へ消えていくバキシム。
後に残ったベロクロンは、その場に残るもう一人に向かって言った。
「安心しな。これからは80に代わって、俺が可愛がってやるさ。」

自らに向けられた言葉を、ユリアンは震えながら聴く。
彼女は立ち上がることさえ出来ない。
肉体を、そして何より精神を徹底的に打ちのめされていた。
彼女の想像を超えた絶対的な力の差。
自分たちのいかなる抵抗をも打ち砕く、圧倒的な力。
それを徹底して見せ付けられた彼女の心に、すでに抵抗の意志はない。
彼女の心を埋め尽くしていたのは、ただ“恐怖”。
そして恐怖に支配された彼女に出来ることは、ただすくみ上がることだけだった。
うずくまったまま、ゆっくりと迫るベロクロンを見つめるユリアン。

ぴちゃ
そんな彼女の頬に、何かが当たった。
天から降ってきたものだ。
ユリアンの左手が無意識の内に動き、それを手に取った。
(黒焦げになった破片・・・、これは肉・・・、ま、まさか!)
「ひいいぃいいぃいいぃ〜!」
悲鳴とともに、ユリアンはかつて80だった肉片を放り出した。
ベロクロンに背を向け、四つん這いになって逃げ出そうとする。

だが、
「逃げるんじゃねえ!」
ベロクロンの一喝に、ユリアンの体は凍りついた。

「よしよし、いい子だ。次はそのまんまケツを上げるんだ。」
言われるままに、四つん這いの姿勢のまま尻をかかげるユリアン。

ベロクロンの手が、かかげられた尻にかかる。
「ゆ、許して・・・、お願い・・・。」
ベロクロンに許しを乞うユリアン。
ベロクロンは、尻肉のふくよかな感触を楽しむように撫で回しながら答える。
「心配しなくていい。お前はこの俺が可愛がってやるさ。これからずっと、そう、ずっとな。さあ、おとなしくしてるんだぜ・・・」
ベロクロンの手がユリアンの双臀を割り、伸ばされた舌が割れ目を嘗め回した。

ユリアンの体を、汚辱の震えが走った。
(わ、私がこんな恥辱を・・・)
思わず、舌を噛み切ろうとするユリアンだが・・・、
(生きるんだ!ユリアン!)
彼女の脳裏に、ふいに80の最後の言葉が浮かんだ。

****************************************

34Pitiful madonna of darkness・・・ 第三話:2007/02/26(月) 01:06:36

ウルトラ戦士たちが次々と倒されていく。
ウルトラマンはカメレキング、セブンはブロッケン、新マンはドラゴリー、エースはバラバ、レオ兄弟はガラン&ブラックピジョン、そして、ゾフィーはバキシムによって討ち取られた。
他の戦士たちも次々に倒されていく。

そんな中、一人ウルトラタワーへと向うエースキラー。
扉を開けて中に入るや、玉座に座る人影を見出す。
「やはり、ここにいらっしゃいましたか・・・」
次の瞬間、彼は深々と頭を下げながら口上を述べた。
「お初にお目にかかります、ウルトラマンキング。このエースキラー、あなたの御首級(みしるし)を頂戴すべく、参上仕りました。」
「もはや、是非も無しか・・・」
マントを翻し、キングは玉座から立ち上がる。
「来い。ウルトラ族の最後の誇りを見せてやろう。」
にらみ合う、エースキラーとウルトラマンキング。

(これが、ウルトラマンキング・・・)
エースキラーは思った。
キングの風格と威厳に、戦闘力では圧倒的に勝っているはずの自分が、思わず気圧されそうになる。
(さすがは、伝説の超人・・・)
体が、武者震いに震える。
「あなたのお話は、常々母から聞かされておりました。そのあなたをこの手で討ち取れるなど、光栄の至りです。」
感極まったような表情で言うエースキラー。

そんな、エースキラーを見て、キングは怪訝そうな顔をした。
「おぬし、もしや・・・」
「僕、いや、私が何か?」
エースキラーを凝視するウルトラマンキング。
「そうか、おぬしはやはり・・・」
「なにをおっしゃっておいでなのです!さあ、参りますぞ!」

エースキラーはキングへ向け踏み込んだ。

****************************************

街中を歩く、一匹の超獣の姿があった。
でっぷりと太ったその体から、ギトギトと油が汗のように流れ落ちる。
一歩歩くごとに、腹いっぱいに飲み込んだ石油が、タプタプと音をたてた。
市街の中心部に着くと、超獣は言った。
「つ、着いたんだな。」
その言葉に答えるかの様に、空の彼方から声がした。

「オイルドリンカーよ、お前の役割を果たす時が来た。」
超獣は空を見上げた。
「未完成なまま我が元より逃げ出した挙句、アストロモンスごときに不覚をとった先代の汚名を雪ぐ時がきたのだ。」
主の声に耳を傾けるオイルドリンカー。
「ど、どうすればいいのかな?」
「わかっているはずだぞ。お前が何のために産みだされたのかを・・・」
「ぼ、僕の産まれた理由・・・」
オイルドリンカーは、油でギトギトになった両手を、そして石油を一杯に飲んで大きく膨れ上がった腹部を見た。
(そう、ぼ、僕の産まれてきた理由・・・、お、思い出したのだな!)
次の瞬間、オイルドリンカーの体躯は赤熱し、大爆発を起こした。
四方に飛び散る体内の石油が、紅蓮の炎と化しながら、街並みを飲み込んでいく。

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35Pitiful madonna of darkness・・・ 第三話:2007/02/26(月) 01:08:36

“生体ナパーム弾”オイルドリンカーの爆発の炎に飲み込まれていく街並みを、傍らにウルトラの母を侍らせたヤプールは、満足気に眺める。

そこへ、声がかかった。
「どうも〜♡、お待たせいたしました〜♡」
跪く超獣ユニタングに、ヤプールは声をかける。
「ふふふ、よく来た。」
そう言いながら、ヤプールの視線は、ユニタングが右手に持つリード線の先に向かう。
その先にいるのは、ウルトラマンタロウ。
犬用の首輪を着けられたタロウは、まさに犬のように四つん這いで這わされていた。
そんなタロウが、ヤプールの傍らに侍るウルトラの母に気付いた。
「母さん・・・」
つぶやきと共に、それまで虚ろだった眼差しに、かすかな意志の光が蘇った。
だが、ユニタングに首輪を曳かれると、すぐにその光も消え、また元の空虚な眼差しに戻る。
ユニタングに命ぜられるまま、ヤプールの前に平伏するタロウ。

そんなタロウの様子を、上機嫌で眺めるヤプール。
「ふふふ、タロウ、お前に菓子をやろう。」
ヤプールの手元から、何かがタロウの下へと飛んだ。
虚ろな目でそれを見るタロウ。
ミルクキャンディのような菓子だが、どういう仕組みか、中から穏やかな光を放っている。
ヤプールは言った。
「美味いぞ、遠慮せずに食すが良い。」
言われるままに、それを口にするタロウ。
覚えのある味が、タロウの口中に拡がった。
暖かく懐かしい思い出とともに、タロウの心の深層に刻まれていたこの味。
(これは・・・、確か・・・)

タロウがそう思うや否や、ヤプールが嘲笑うように言った。
「お前の母親が乳から発する光線、たしか、マミー光線とかいったな。それを、我が秘術で固体化したものだ。どうだ、懐かしい味だろう。」
愕然とするタロウ。
一杯に見開かれた目が、母のほうに向いた。

はにかむ様な笑みを浮かべながら、ヤプールの傍らにその身を侍らせるウルトラの母。
その母の姿を、首輪を嵌められたタロウが、まるで犬のように四つん這いで見上げる。

そんな母子の様子を、ヤプールは愉快そうな眼差しで眺める。
手元から新しい菓子を取り出すと、自らの口の中に放り込んだ。

一瞬、その場を静寂が支配した。

カリッ
ヤプールが菓子を噛み砕く音が、妙に大きく響いた。

「ぐわゎあああわぁああぁぁぁ〜〜〜〜!」
絶叫を上げて、タロウが立ち上がった。
「ちょ、ちょっと!」
ユニタングが対応するまもなく、タロウはリード線を力任せに引きちぎる。
そして、ヤプールに向かって突進する。
だが、そんな彼の体に、ユニタングの吐く白い糸が絡みつく。
「ダメよ〜、お兄ちゃん♡ヤプールの前では、ちゃんとお行儀良く・・・、ちょ、ちょっと!お兄ちゃん!」
ユニタングの顔色が変わった。

タロウが、それまでの様子からは考えられないほどの強い力でユニタングを引きずっていくから、ではない。
タロウの体内に、とてつもなく巨大なエネルギーが充満していくのを感じたからだ!
「こ、これは、まさかウルトラダイナマイト!」
自らの体を自爆させ、相手を葬り去るタロウの必殺技。
だが、タロウを研究してきたユニタングにはわかった。
タロウが今使おうとしている技は、通常のウルトラダイナマイトではないと。
(そんな、後で再生に使うはずのエネルギーまで!お兄ちゃんは全エネルギーを暴走させている。ただヤプールを倒したい一念で・・・。自身の完全消滅も、周囲の全てを巻き込むことも辞さずに!でも・・・ダメ!そんなのダメだよ、お兄ちゃん!だって・・・)

36Pitiful madonna of darkness・・・ 第三話:2007/02/26(月) 01:09:24

「や、やめてー!」
ユニタングが叫ぶ。
だが、目を血走らせたタロウに、その叫びは聞こえない。

その時、
「タロウ、やめなさい!」
凛とした声が響き、タロウの突進が止まった。
声の主を見つめるタロウ。
その視線の先にいるのは、ウルトラの母。

「タロウ、おやめなさい。」
優しく諭すような調子で、もう一度母は繰り返す。
昔、いたずらをした幼いタロウを諭した時のような、穏やかな表情で・・・。
彼女の主たるヤプールを庇うように、息子の前に立ち塞がりながら。

そんな母の姿から目を背けるように、タロウが後ろを向いた。

「タロウ・・・」
母の呼びかけに、タロウの低いつぶやきが応える。
「母さん・・・」

次の瞬間、
「うおぉおおおおおおーーーーー!!!」
咆哮と共にユニタングの糸を引きちぎると、タロウは周囲にストリウム光線を乱射する。
周囲を漂う次元の扉が次々と打ち砕かれ、異次元への入り口が剥き出しになる。
「ちょ、ちょっと、お兄ちゃん!」
ユニタングはタロウにさらに糸を吐きかけ、その動きを止めようした。
その時、
「い、いかん!」
ヤプールが叫んだ。
タロウのストリウム光線が、次元の扉の一つを打ち砕いたのだ。
数ある異次元、その中でも最も深く危険な次元へとつながる、禁断の扉を。
打ち砕かれた扉の向こうの異次元に、周囲の物が飲み込まれていく。
そして、
「うおぉーー!」
「きゃあーー!」
タロウ、そして彼と糸でつながっていたユニタングもまた、異次元へと飲み込まれていった・・・

「馬鹿め・・・、一度あの次元に落ちれば、我らの力をもってしても這い上がることは出来ぬというに・・・」
扉の修復を終えたヤプールが言った。
その様子を、ウルトラの母は無言で見守っていた。

もう一度彼女は見た。
息子が飲み込まれていった異次元へとつながる扉を・・・。
モニターに映る、炎の中に滅び去ろうとしていく光の国を・・・。
自身も気付かぬうちに、彼女の頬を一筋の涙が伝っていた。

そんなウルトラの母の様子を見たヤプールが、邪な笑みを浮かべた。
まるで歌うような声で、ヤプールは彼女に命じる。

ウルトラの母よ、さっきは良くやってくれた。
褒美として、お前に許そう。
“鎮魂の歌”を歌うことを・・・。
タロウのため、滅び行く光の国のために、“鎮魂の歌”を歌うことを・・・。
さあ、歌うのだ。
“鎮魂の歌”を・・・
お前の全身全霊を持って歌う魂の歌を!

やがて、ウルトラの母の“歌声”がその場に流れ始めた。

****************************************

37Pitiful madonna of darkness・・・ 第三話:2007/02/26(月) 01:10:13

中央公園の大広場に、ウルトラ族の女たちが集められていた。

四つに這うユリアン。
彼女の高く掲げられた双臀が割られた。
剥き出しにされた女陰を、舌が這い回る。
「あ・・・」
ユリアンの口から、声が漏れた。
舌の主は言う。
「ふーん、そうか。80の奴とは、“まだ”だったのか。まったく、あいつも何やってたんだか・・・」
そう言いながら、女陰を嘗め回すベロクロン。
「あ、私たちは・・・、そんな関係じゃ・・・、あ・・・」
下半身から這い上がってくる刺激に耐えながら、ユリアンは答えた。
初めて体験する甘美なる責めに、その身をくねらせるユリアン。
乳房が揺れ、その先端では可憐な乳首が屹立する。
そんな彼女の様子を、ベロクロンは目を細めて眺める。
「ならなおのこと、ここは念入りにほぐしとかないとな。」
再び伸びるベロクロンの舌。
「そんな・・・、あ、あぁ・・・」
ユリアンは悶える。
ぬめりを増していく、彼女の“女の部分”。

彼女の反応を目と耳で堪能しながら、滲み出る“処女(おとめ)の味”に舌鼓を打つベロクロン。

(この味、もう少し楽しみたい気もするが・・・、そろそろか・・・)
ベロクロンは、ユリアンから顔を離した。
「あ・・・」
ユリアンが振り返る。
(どうして止めるの?もっと続けて!)
無意識のうちに、そんな表情を浮かべながら。
そんな彼女の顔が一変した。
彼女は見たのだ。
ベロクロンの股間でいきり立つペニスを。

ここに連れてこられた時から、ユリアンは覚悟していた。
ベロクロンに犯されることを。
そう、覚悟していたつもりだった。
だが、彼女が初めて見る“牡”の象徴。
貫くべき“牝”を求めて脈打つそれを目の当たりにしたユリアンは、本能的な恐怖に駆られる。
這ったまま逃げようとするが・・・、
「動くな!」
ベロクロンの一喝に、その身を凍らせる。
「よしよし、いい子だ。」
ユリアンに、己自身をあてがうベロクロン。
「いいか、力を抜いてるんだぞ。」
一気に腰を押し出す。

「ううっ!」
下半身から駆け上ってくる激痛に、ユリアンは呻き声を漏らした。
そんな彼女の太腿を、一筋の血が流れ落ちていく・・・。

破瓜の痛み。
体の中心を占める“圧倒的な存在感”。
それらによって、ユリアンは否も応もなく思い知らされる。
“たった今、自分は超獣ベロクロンのものになったのだ”、と。
ユリアンは思った。
(80・・・、これでも私は、生き延びなければならないの?)
彼女の目に、涙が浮かぶ。

涙を浮かべたユリアンの目に、他の女たちの姿が映った。
彼女と同じく、超獣たちによって捕らえられたウルトラ族の女たちだ。
まだ年端もいかない少女から、臈たけた熟女まで、さまざまな姿が見える。
姉妹や、母娘の姿もある。
世代を問わず集められた、気品と美しさを備えた女たち。
彼女たちは皆、四つん這いで尻を高く掲げさせられていた。
そんな彼女たちに、超獣たちがのしかかる。
美しき戦利品に、自らの刻印を刻むために。
父を、夫を、兄弟を、恋人を、あるいは息子を手にかけた相手によって、その身を穢されていく女たち・・・
彼女らは、屈辱の啜り泣きをもらす。

38Pitiful madonna of darkness・・・ 第三話:2007/02/26(月) 01:10:59
そんな彼女たちの頭上。
燃え盛る街並みによって真っ赤に照らし出された空に、巨大な人影が映し出される。
ウルトラの母の姿だ。

彼女は舞っていた。
片手で胸を揉み、もう一方の手を股間にやる。
むっちりと張った太ももを広げて、濡れぼそる彼女の女自身をさらけ出し、剥き出した肉芽を自らの指で弄ぶのだ。
ウルトラの母は舞う。
“自瀆の舞”を・・・。

そして、動きに合わせて、彼女の口から艶やかな声が漏れる。
旋律をつけたかのように流れる、あでやかなる喘ぎ声。
ウルトラの母は歌う。
“自瀆の歌”を・・・。

そんなウルトラの母の姿を、見上げる女たち。

ウルトラの母。
光の聖母、全てのウルトラの女たちにとっての師表。
そう、彼女こそ、全てのウルトラの女たちが目指してきた存在。
ここにいる女たちも皆、彼女に憧れ、日々精進を重ねてきた。
そんな彼女らに、再びウルトラの母は示していた。
これから彼女らのあるべき姿を・・・。
超獣たちに飼われ、その慰みものになることこそ、これからの彼女たちの生きる道だということを・・・。
超獣たちの欲望に応え、それを満たす身になることこそ、彼女らの目指すべき新たなる目標だということを・・・。
ウルトラの母の姿は、女たちに示していた。

「あ・・・」
女たちの一人が声をあげた。
そこに、苦悶の響きは無い。
空から鳴り響くウルトラの母の声に応えるかのような、あでやかな喘ぎ声だ。
そう、彼女がウルトラの母の新しい教えを受け入れた証の声だ。
ウルトラの母の声に合わせるかのように、嬌声をあげる女。

そして、彼女に続くように、他の女たちも声をあげ始める。
たちまち、大広場は嬌声に埋め尽くされていく。

その様子を、ユリアンは呆然と眺める。

彼女の目の前で、恥態を晒す女たち。
新たなる“主”の寵を求めて、姉妹が、母娘が、競うように尻を振り合う。
そして、“愛するものの仇”のはずの超獣たちを受け入れるや、恥ずかしげも無く喜びの声をあげるのだ。

(こんなの・・・、こんなのって・・・)

そんなユリアンに、背後からのしかかったベロクロンが腰を使い始める。
いつの間にか、ユリアンの下半身から疼痛は消え、代わりに官能の炎が燃え始めた。
(だめ・・・、こんなの・・・、いや・・・だめよ・・・)
ベロクロンの両手が伸び、ユリアンの双の乳房を揉みしだく。
(だめ・・・、だめ・・・)
抵抗する精神を、官能の炎は容赦なく炙りたてる。
(だめ・・・、だ・・・)
そして、汗ばむユリアンのうなじを、ベロクロンの舌がべろりと舐めた瞬間、
「あ、あぁああぁぁぁーーーー!」
遂にユリアンは、官能の叫びをあげた。
ベロクロンの動きに合わせるかのように、自らも腰を使うユリアン。

炎に染められた空に響き渡る、女たちの声。

そして彼女らの声は、ウルトラの母の声に導かれるまま、一つの歌となる。
そう、官能の鎮魂歌に・・・。
彼女らを守るために散華した戦士たち。
彼らの魂にたむける、官能の鎮魂歌に・・・。

****************************************

39Pitiful madonna of darkness・・・ 第三話:2007/02/26(月) 01:12:49

街並みを舐める炎が、ウルトラタワーにもまわり始めていた。

「ぼ、僕は・・・、なんて事を・・・」
エースキラーは呆然とつぶやいた。

彼は打ちのめされていた。
蘇った前世の記憶に。
彼の母、“闇の聖母”ウルトラの母の真実に。
そして、自らが犯してきた罪の重さに。

しばし、放心したまま立ち尽くすエースキラー。

はっとして、目をやる。
彼に真実を思い出させてくれた恩人、ウルトラマンキングの方へ。

玉座の上に、キングは泰然と座っていた。。
エースキラーのようすを見て、にっこりと微笑む。
「どうやら、本来のお前を取り戻したようだな・・・」
そんなキングの胸から大量の血液が流れ出る。
さっきまでの戦いで、エースキラーによって負わされた傷口から・・・。

「キング!」
エースキラーは駆け寄る。
彼の腕の中にウルトラマンキングはくず折れる。
「しっかりして下さい!ごめんなさい!ごめんなさい!僕は、なんてことを・・・」
涙をうかべて、キングに語りかけるエースキラー。
キングは、苦しげに答えた。
「すまなんだ・・・。わしが、もっと早くに気付いておれば、お前に、お前たちにこのような罪を犯させずにすんだものを・・・」
「そんな・・・、こんな時にまで僕たちのことを・・・」
感極まったようにつぶやくエースキラー。
そして、改めて自分たちの罪の重さを実感する。
(こんな方たちに対して、僕らは何てことを・・・)

2人の周囲に、火の粉が降り注ぎ始めていた。

光の粒子となって分解していくウルトラマンキング。
「いけません!死なないで!いけない!キング、死んじゃいやだ!」
喚くように呼びかけるエースキラー。
そんな彼を、むしろ頼もしげな視線で見ながら、キングは言った。
「後のことは・・・、頼むぞ・・・」
「ぼ、僕は、ど、どうすればいいのです?」
「母を・・・、ウルトラの母を救うのだ・・・。お前なら出来る。そうすれば・・・」

そして、エースキラーの腕の中で、ウルトラマンキングの体は消滅した。
「キングー!」
絶叫するエースキラー。

そんな彼に、火の粉が、崩壊を始めたタワーの破片が降り注ぐ・・・。

****************************************

炎に包まれたタワーの外に出るエースキラー。

彼の背後で、タワーは轟音と共に崩れ落ちる

エースキラーは、虚ろな眼差しで空を見上げた。
彼の目に、よがり舞うウルトラの母の姿が映った。
そして、彼の耳に声が聞こえた。
ウルトラの母の、そして捕らえられたウルトラの女たちの官能の咽び泣きの声が・・・。
彼女らの歌う、滅びゆくウルトラの星への鎮魂歌が・・・。

エースキラーは呟いた。
「母さん・・・」
彼の目に、固い決意の光が宿った。

―――――第三話「滅亡」――――― 終わり

40Pitiful madonna of darkness・・・ 第四話:2007/02/26(月) 01:15:34

ベロクロンの放つミサイルの爆発が、バキシムの腹を穿ち内臓を抉り出す。
そのバキシムの角が、ベロクロンの喉笛を貫いた!

彼らの隣では、ドラゴリーがバラバの右腕を引きちぎっていた。
バラバは、残る左腕のカマを、ドラゴリーの脳天に突き立てる!

いたる所で、互いに殺しあう超獣たちの姿があった。

「やめて!みんな、そんなことは止めるのよ!」
ウルトラの母は叫んだ。
十字架に、磔にされた姿で。
そんな彼女の頭上から、ヤプールの声がした。
「たとえ超獣でも、一度肌を重ねた相手には情が移るか?ウルトラの母よ。」
ウルトラの母は、声のする方角をきっと睨んで言った。
「お黙りなさい!あの子達は皆、あなたが創ったのでしょう。いわば、あなたの子供たちでしょう。その子たちに、こんなことをさせるなんて!」
「やむを得まい。我に背く“不孝者ども”だからな。」
涙ながらの母の声に、どこか楽しそうなヤプールの声が答えた。

ヤプールの罠に落ち、捕えられたウルトラの母を救出すべく、彼女によって救われた超獣たちが駆けつけた。
知らず利用され、母を罠にかける道具にされてしまったことへの申し訳なさに・・・、そして、何よりヤプールへの怒りに燃えて。
だが、彼らは気づいていなかったのだ。
自分たちの体には、ヤプールへの絶対服従を強いる闇の因子が埋め込まれていることに。
ヤプールの一声とともに、彼らは行動の自由を失った。
そして、彼らの肉体は、ヤプールに命ぜられるまま、他の超獣たちとの殺し合いを始めたのだ。
彼ら自身の意志に反して・・・。
同じ、ウルトラの母に救われたなかまたちとの殺し合いを。

「それにしても・・・、さすがは“光の聖母”よな。」
感心したように、ヤプールが言った。
「その身も心も、我が因子によって侵されたというのに、まだこれだけ抵抗できるとは。」
「お黙りなさい!あなたのような悪魔に、私は決して屈しません!」
強い意志のこもった口調で、ウルトラの母は答えた。

ヤプールの罠にかかり、知らず服従の因子を植えつけられてしまったウルトラの母。
彼女の肉体は、既に彼女自身の思うようにはならなくなっていた。
彼女の意志ではなく、ヤプールの意志に従おうとする肉体。
だが、そんな状況でも尚、彼女は屈しなかった。
肉体の支配を半ば奪われながらも、強い意志で抗い続けるウルトラの母。
そうすることで、彼女はその力がヤプールに利用されることを拒み続けていた。

強く気高い意志の光を宿す、ウルトラの母の瞳。
「ふむ・・・」
それに改めて感心したような、ヤプールの声。
しばしの沈黙の後、声は言った。
「なら、好きにするが良い。」
「え?」
言葉に驚く間も無く、母の手足の縛めが外れる。
十字架から解き放たれるウルトラの母。
「これは・・・」
意のままに動く、彼女自身の肉体。
いつの間にか、肉体へのヤプールの支配が解かれていることに驚く。
「どういうこと?」
訝しがるウルトラの母。

再びヤプールの声がした。
「そら、驚いている暇はないぞ。」
(そうだった!急いでこの子達を!)
ウルトラの母は周囲を見回す。
彼女の周囲は、瀕死の傷を負った超獣たちで埋め尽くされていた。
(ヤプールが何を考えているのかは気になるけど・・・、今は!)
虫の息の超獣たちに対して、マザー光線が放たれる。
超獣たちの傷が、みるみる癒されていく・・・。

41Pitiful madonna of darkness・・・ 第四話:2007/02/26(月) 01:16:14
「良かった・・・」
回復した超獣たちに、ウルトラの母は言った。
「すまねえ。またあんたに助けられちまった。」
ベロクロンが言った。
ウルトラの母に歩み寄る。
「この恩にどう応えたらいいのか、俺にはわからねえが・・・、う!」
その背中に突き立つ剣!
超獣バラバの剣だ!
「ちがう、俺じゃねえ!剣のやつが勝手に・・・、ぐわっ!」
うろたえるバラバの顔面をベロクロンのミサイルが襲い、右目を吹き飛ばした。
「やめろ、やめてくれ!」
「だめだ、体が勝手に!」
殺し合いを再開する超獣たち。
「み、みんな、やめてー!」
うろたえるウルトラの母だが、自身の体の自由も、再び失われているのに気づいた。
「こ、これは!」
そんな彼女の体が宙に浮き、再び十字架に掛かる。
「ふふふ、ご苦労だった。おかげで、もうしばらく楽しめそうだ。」
ヤプールの声が響く。
「ヤプール!あなたは!」
悔し涙を浮かべて、ウルトラの母は叫ぶ。
「さあ、ウルトラの母よ。共に楽しもうぞ!」
あざ笑うような声が答えた。

互いに殺しあうことを強要される超獣たち。
超獣たちが深手を負って倒れる度に、ヤプールはウルトラの母を解放する。
必死に彼らを治療する母。
そして、再び立ち上がった超獣たちによって、殺し合いが再会される。

それが、幾度となく繰り返された。

立ち尽くすウルトラの母。
彼女の足も元で、超獣ホタルンガの苦しげな声がした。
「た、助けて・・・」
だが、ウルトラの母は泣きながら立ち尽くすだけだ。
彼女は、十分に思い知らされたから。
自分の治療は、結局は超獣たちの苦しみを引き延ばすだけだと言うことを。
ウルトラの母の心を、絶望と無力感が支配する。
母の目から、涙が流れ落ちる。

「そらそら、早く治療してやるがよい。」
からかうような声がかかった。
「もう、許してあげて・・・」
ウルトラの母は涙声で言った。
「お願い。どうか、この子達にこれ以上の苦しみを与えないで・・・。お願いです・・・」
とめどなく涙を流しながら、彼女はヤプールに懇願する。

そんなウルトラの母に、ヤプールは言った。
「ならば、お前の手で解放してやれば良い。」
「え・・・」
「お前自身の手で、苦しみから自由にしてやるのだよ。」
「・・・」
ウルトラの母は周囲を見回した。
瀕死の超獣たちが、いたる所で苦悶の声をあげている。
(この子達を自由にしてあげる・・・。ヤプールに弄ばれるだけの“生”から・・・)
次の瞬間、ウルトラの母はブルブルと首を振った。
(だめよ!だめ、そんなこと、決して許されない!)
けれども、彼女の耳には、超獣たちの苦悶の声が否応なしに入ってくる。
「助けてくれ・・・」
「もう、こんな事はいやだ・・・」
「俺たちを、解放してくれ・・・」
(そう、いっそひとおもいに“解放”してあげた方が・・・、だめ、だめよ、そんな事を考えては・・・)
必死でこらえながら、ウルトラの母はマザー光線の構えをとる。
構えた両手が、ブルブルと震える。

42Pitiful madonna of darkness・・・ 第四話:2007/02/26(月) 01:17:04

その時、超獣ガマスと目が合った。
引き裂かれた腹から引きずり出された内臓を抱えて苦しむガマス。
その目は語っていた。
“もう、許して”と・・・。

「みんな、許して!」
ウルトラの母は、マザーは破壊光線を放った!

周囲を埋める、超獣たちの屍。
その中に、ウルトラの母は突っ伏していた。
突っ伏して、ただ泣いていた。
「ごめんね、ごめんね、ごめんね・・・」
彼女は号泣する。
超獣たちの悲しみを思い・・・、
超獣たちを救えなかった悲しみを思い・・・、
超獣たちを、自らの手にかけざるを得なかった悲しみを思い・・・、
彼女は、ただ号泣する。

悲しみに引き裂かれていくウルトラの母。

そんな彼女の心に囁きかける声があった。
歌うような、甘く艶めいた声が。

「悲しいだろう、ウルトラの母よ・・・」
「苦しいだろう、光の聖母よ・・・」
「つらいだろう、慈愛の化身よ・・・」

「その悲しみを・・・」
「その苦しみを・・・」
「そのつらさを・・・」
「我(われ)が癒してやろう・・・」
「我の偉大なる力で・・・」

「さあ、全てを委ねるのだ・・・」
「さあ、身も心も全て、我に委ねるのだ・・・」
「さあ、我に委ね、我に従うのだ・・・」

「さあ、ウルトラの母よ、我を受け入れよ・・・」
「さあ・・・」
「さあ・・・」
「さあ・・・」

引き裂かれた心に、歌うような甘い囁きがしみこんで行く。

いつの間にかウルトラの母の泣き声は止んでいた。

そして・・・、
バリン
空間が割れ、ヤプールが姿を現した。

突っ伏したままのウルトラの母の前に立つヤプール。
母が顔をあげる。
彼女は、微笑(ほほえみ)を浮かべていた。
あらゆる悲しみから解き放たれた、だがしかし、どこか空虚な微笑を。
主(あるじ)に全てを委ねきった者のみが見せる、空虚な微笑を。
ヤプールは、無言で右手を突き出す。
その手に、忠誠の口付けを行うウルトラの母。

光の聖母ウルトラの母は死んだ。
彼女は生まれ変わったのだ。
ヤプールの下僕たる、闇の聖母として。

そして、ヤプールに肩を抱かれながら、ウルトラの母は異空間へと去っていく。

後にはただ、超獣たちの屍だけが残されていた・・・。

****************************************

43Pitiful madonna of darkness・・・ 第四話:2007/02/26(月) 01:17:47

エースキラーは目を覚ました。
「夢・・・、か。」
つぶやくエースキラー。

そう、これは彼が見た夢。
だが、これがただの夢でないことも、彼は知っている。
ウルトラマンキングに教えられた、ウルトラの母の真実。
母が、ヤプールに降ることになったいきさつだということを・・・。

(キングは、“母を救え!”とおっしゃった。でも、どうすれは・・・)
エースキラーは思い悩む。
もとより、母を救いたい気持ちは、彼も同じ、いや、誰よりも強いといっていい。
だが、では具体的にどうすればいいのか、彼にはわからない。

時間だけが、空しく過ぎていく。

「ええい、くよくよ考えていても仕方ない!」
エースキラーは立ち上がった。

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銀色の尻が踊る。
引き締まった中にもやわらかい丸みを感じさせる、女の尻。
その尻が踊る。
自らを征服した強い男への媚態を滲ませながら、女の尻が踊る。

「母さんがどこにいるかって?う〜ん、ちょっとわからないな〜。」
踊る女尻を眺めていたカメレキングが、弟の問いに申し訳なさそうに答えた。
「すまない。ちょっと前まで、こいつらに稽古をつけててくれてたんだが、その後はな・・・」
「いや、ならいいんだ。」
そう言うエースキラーの目に、踊る女の姿が入った。

先の戦いで、カメレキングに捕らえられたウルトラ族の女。
腰をくねらせて踊る彼女の両隣では、彼女の姉と妹が踊っていた。
三姉妹がそろって捕らえられ、その肉体の最奥に隷属の烙印を押されたのだ。
カメレキングのペニスによって。

そして今、彼女らは踊る。
主人に捧げる、猥らな舞を。
血を分けた3つの尻が、同じ主人の寵を競って舞い踊る。

「なあ、ドラゴリー。お前知ってるか?」
「すまん、俺も知らないんだ。」
カメレキングの問いに、傍らにいたドラゴリーが答えた。
そんな彼の足元から声がする。
「やん!お母様のイジワル!」
「ふふっ、あなたもまだまだね。」

ドラゴリーの股間の屹立。
力強い勃起に、2人のウルトラの女が奉仕していた。
まだまだ幼さを残す少女と、彼女の母親らしい熟女。
長大なペニスの肉胴を、母親は乳房に挟んでしごきたてる。
同時に、彼女は睾丸に手をかけ、優しくなでさする。
年相応の経験を感じさせる、堂に入った仕草。
一方、彼女の娘は亀頭に口付けし、舌を這わせている。
母親に比べて、幼くたどたどしいその仕草。
だが、それゆえに、その健気な様子はかえって男の劣情を刺激してやまない。

「それじゃ、邪魔したね。」
「おう、役に立てなくてすまなかったな。」
「気にしなくていいよ。じゃ。」
エースキラーが席を立った。
立ち去り際、再び女たちの方に目をやる。

主の気を引かんがため、猥らさを競い合うように踊る3姉妹。
全てを注いで、一本のペニスに奉仕しあう母娘。

ふいに、いたたまれなさを感じたエースキラーは、足早に立ち去る。

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44Pitiful madonna of darkness・・・ 第四話:2007/02/26(月) 01:18:44
 
ヤプールのための新たなる都として再建されつつあるウルトラの星。
星中を、ウルトラの母を捜してまわるエースキラー。

そして、彼は意外な場所に母の姿を見出した。

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とある墓地の片隅に倒れ伏すウルトラの母。

「母さん!」
エースキラーは血相を変えて駆け寄り、母を抱き起こす。
「しっかりして、母さん!」
うっすらと目を開くウルトラの母。
「あぁ・・・、エースキラー、来てくれたのね・・・」
ふらふらと半身を起こすウルトラの母。
「大丈夫、母さん。」
「もう大丈夫よ。心配しなくてもいいわ。」
「一体、どうしたっていうんだよ。」
「それがね、私にもよくわからないの。とにかく、ここに来なくちゃいけない・・・。何故かそんな気になって・・・。でも、いざここに来たとたん、急に気分が悪くなって・・・」
訥々と語るウルトラの母。

それを聞くエースキラーの目が、目の前の墓石の上に止まった。
そこに刻まれていた文字。
“最も勇敢にして、最も純粋なる魂、ここに眠る”

「これは・・・」
周囲を見回す。
居並ぶ墓石。
(そうか、ここに並んでいるのは、先代の“僕たち”の墓なのか・・・)

以前、聞いたことがあった。
しばらく前、ウルトラマンエースが、何処からか回収してきた超獣たちの屍を丁重に埋葬していたと。
その時の自分には、それが何を意味しているのかわからなかった。
(まったく、何してんだか・・・)
訝しげにそう思っただけだ。
だが、今は・・・。

「エース・・・」
つぶやくエースキラー。
彼の優しさを思い、胸を熱くする。
そして・・・、
(そんな彼らを、僕たちは・・・)
自分たちの罪の重さを、改めて実感する。

一方で、彼は考える。
(でも、何故母さんはここに・・・、そして、何故急に・・・、そうか!)
エースキラーの脳裏に、ある考えが閃いた。

「もう大丈夫よ。さあ、いきましょう。」
ウルトラの母は立ち上がろうとした。
そんな彼女を、エースキラーは抱き上げる。
「きゃ、な、何?」
戸惑う母を抱いて、エースキラーは墓地を後にした。

****************************************

45Pitiful madonna of darkness・・・ 第四話:2007/02/26(月) 01:19:54

ウルトラの母を抱き上げたまま、いずこかへと向かうエースキラー。
彼の腕の中で、ウルトラの母は思った。
(そういえば、この子にこうして抱かれるのも久しぶりね・・・)

ヤプールの創りし最強の戦士エースキラー。
一連の戦いで、その名は全宇宙に轟きわたっている。
その名を耳にするだけで、全ての星々は震え上がる。
そして、エースキラーが望みさえすれば、いかなる栄誉も、いかなる富も、いかなる美女も思いのままとなるであろう。
そう、彼の兄たちがそうしているように。

だが、彼はそうはしない。
ヤプールに命じられた戦いを終える度に、彼は脇見もふらずに帰ってくる。
母の元に・・・。
誰よりも愛する母親、ウルトラの母の元に・・・。
そして、彼は語る。
戦いで、自分がいかに活躍したかを。
ただ、母親に褒められたいがために。
ただ、母親の喜ぶ顔を見たいがゆえに。

一途に母親を慕う息子、エースキラー。
そんなエースキラーに、ウルトラの母は優しい笑みで応える。
それこそ、エースキラーが何よりも望む物。

そして、その後に続く、母と子の愛の交歓の儀式。

その行為においても、エースキラーは力をつけている。
ただ、母に導かれるままだった最初の頃とは異なり、近頃は彼が主導権を取ることが多い。
ウルトラの母が、その全身でもって教えた技でもって、その母を追い込んでいくエースキラー。

自らが産んだ息子の手で、母の肉体は甘く嬲られる。
自らが男にした息子の手で、母の官能は激しく煽られ、燃えさかっていく。
なすすべもなく、燃え上がる官能の炎に弄ばれるウルトラの母。
母の官能の炎は、やがて激しく燃え上がる炎の竜巻となって彼女の魂を絶頂へと追い上げ、そして飲み込んでいくのだ。
白い闇の中に沈んでいく母の意識。

そして・・・、
しばしの失神の後、ウルトラの母は目を覚ます。
傍らには、息子の顔がある。
母親を暖かく見守る、息子の顔が。
急に母の心中に、羞恥の念が湧き上がる。
「もう!趣味悪いわよ・・・」
拗ねた様に言うと、ウルトラの母は寝具で顔を隠す。
そんな母の額に、彼女の息子エースキラーは優しく口づける。
「かわいいよ、母さん・・・」

そんな光景が、母と子の間では繰り返されていた。

****************************************

(それなのに、ここしばらく顔も見せないで・・・、何かに悩んでいたようだけど・・・、でも、大丈夫そうね)
息子の腕に抱かれながら、母は安堵のため息を漏らした。
自らを運ぶ息子の腕から、未だ感じたことのないほどの逞しさを感じながら・・・。

****************************************

46Pitiful madonna of darkness・・・ 第四話:2007/02/26(月) 01:20:39

「着いたよ。」
奇跡的に焼け落ちることを免れた建物の中に入ると、エースキラーは言った。
彼の腕から降ろされながら、周囲を見回すウルトラの母。
「ここは・・・」
「そう、かつての、メディカルセンターだよ。」
人気を無くし、静まり返る周囲を見回す母に、エースキラーは続けて言った。
「以前、ここで母さんは、“僕”を助けてくれたんだよね・・・」
「!、うぅ!・・・」
急に頭を抱え、うずくまるウルトラの母。
「ご、ごめんなさい。なんだか急に気分が・・・」
そんな母を見おろしながら、エースキラーは静かに、だが断固とした口調で言った。
「ここで、今から、僕は母さんを抱くんだよ。」
「ご、ごめんなさい。今は・・・、ここでは止めて・・・。でも、他の、そう他の場所でなら・・・、きゃっ!」
苦しげに答えるウルトラの母を、エースキラーは無理やり立たせる。
そして、彼女の瞳を覗き込みながら言った。
「そう、いま、ここで・・・。今度は、僕が母さんを助ける番なんだ。」
2人の唇が重なる。

横たえられたウルトラの母の肉体を、エースキラーは愛撫する。
ウルトラの母の、豊満な乳房を、引き締まりながらも柔らかな腹部を、限りない豊穣さを宿した臀を、むっちりと張った太ももを、時に激しく蹂躙し、時に優しく弄ぶ。
自身の肉体の全てを知り尽くした息子の愛撫に、ウルトラの母はその身を震わせる。
彼女の全身を、甘美なる戦慄が駆け回る。
先ほどまで感じていた苦痛も、それのよって蹂躙され、霧散して消えていた。
「あぁ・・・、あぁ・・・」
甘い声を漏らしながら、ウルトラの母はその身を濡らしていく。

「母さん、いくよ。」
エースキラーが、自らの分身を示した。
これから、母の胎内に送り込まんがために。
そして、それを見つめるウルトラの母。
自らの股間で育て、そしてその後も幾度と無く迎え入れ、育んできた息子の分身。
圧倒的な存在感を放つ、息子の“男”の象徴。
反射的に、ウルトラの母は両足を開こうとする。
自らの“女”に、それを迎え入れるために。
彼女が、いつもそうしているように・・・。

だが、不意に彼女の心に不安が湧き上がる。
今、この場所で、“これ”を迎え入れることによって起こる“何か”への不安感が。
あわてて両足を閉じるウルトラの母。
だが、そんな彼女の膝に、エースキラーは手を掛け、一気に押し開く。
そして、広げられた太ももの間に身を進めるや、一気に母の中に挿し入った!

「はぅっ!」
彼女の体内で、いつに無く乱暴に荒れ狂う、息子の分身。
「そんな、お願い・・・、もっと優しく・・・、はぅっ!」
ウルトラの母は声をあげる。
だが、そんな彼女を、エースキラーは腰の振りと全身への愛撫を強め、翻弄する。
激しく煽られていくウルトラの母の官能。
そして・・・、彼女の脳裏に、かつての記憶が甦る。
(そう、私はかつて、ここで“この子”と肌を重ねた・・・。光の聖母として・・・。
 生命を説くために・・・、ううぅ!)
だが、その記憶とともに湧き上がってくる苦痛に、彼女は顔をしかめる。

(ごめんなさい、母さん。でも、こうするしかないんだ・・・)
記憶の甦りにともなう苦痛に歪む母の顔を見ながら、エースキラーは考える。
(こうするしか、母さんに“あの時”のことを、思い出してもらうことは出来ないんだ・・・。
 母さんに、“本来の自分”を取り戻してもらうことは出来ないんだ・・・。
 母さんを助けるには、僕は、こうするしかないんだ・・・)
押し寄せる官能に自らも耐えながら、エースキラーは母を嬲り続ける。

息子、エースキラーの腕の中で、その身を震わせるウルトラの母。
彼女の中で、官能と苦痛とがせめぎあう。
やがて、息子の手によって煽られた官能が、苦痛を圧倒する時が来た!
絶頂へと追い上げられていくウルトラの母。
「いっしょに!あなたもいっしょに!」
母が叫ぶ。
息子は、返事の代わりに母の手をとった。
固く握り合う手と手。
2人の手首のブレスレットが重なる。
その瞬間、ウルトラの母の脳裏で閃光が炸裂した。
同時に、エースキラーもまた限界に達し、母の胎内に白濁を放つ。
「ああぁ〜〜〜!!」
「おおぉ〜〜〜!!」
完全に重なった母と子の絶頂の叫びが、周囲に響き渡った。

****************************************

47Pitiful madonna of darkness・・・ 第四話:2007/02/26(月) 01:21:44

(ここは・・・)
エースキラーは周囲を見回した。
(そうか。これは母さんの深層心理の風景か・・・)
何故か、彼にはそれがわかった。

(おや、あの声は・・・?)
声のする方向に目をやるエースキラー。
「!」
彼の目は、大きく開かれた。

ウルトラの母の姿があった。
深々と椅子に腰掛けた彼女の身は、イバラ状の植物で覆われていた。
しかも、ただ、覆われているのではない。
イバラは、まるで動物のように彼女の体の上を這いまわり、その鋭い棘で、突き刺し、切り裂いていたのだ。
その度に、苦悶の声を漏らすウルトラの母。
その上、傷つけられた彼女の肌は、すぐ元通りに回復するのだが、その上から再びイバラに締め付けられ、棘に引き裂かれていくのだ。
まるで、無間地獄を思わせるような、その光景。

「母さん!」
エースキラーは光線を放ち、イバラを焼き払おうとしたが・・・、
「何故出ない!・・・ひょっとして、ここが現実の世界ではないからなのか?ならば!」
イバラをかき分け、母を助け出そうとする。
だが、そんな彼の前に、密生したイバラの繁みが立ち塞がる。
どこからともなく発生する大量のイバラの蔓が、まるで獲物をねらう毒蛇のようにエースキラーに襲いかかる。
どんな攻撃にも耐えるはずのエースキラーの体を、棘は易々と引き裂いていく。
エースキラーの体を、激痛が走る。
絡みつく蔓に、ついに、その歩みをとめられ、一歩も歩けなくなる。
叫ぶエースキラー。
「母さん!」

「来ないで!」
ウルトラの母は叫んだ。
同時に、エースキラーを締め付けていたイバラが一斉に動き、彼を外へ放り出した。。
「母さん・・・」
呆然とする彼の体からは、いつの間にか傷が消えている。

「これは、罰なの・・・」
涙を流しながら、ウルトラの母は言う。
「これは、罰なのよ。みんなを傷つけ苦しめただけだった私が受けねばならない罰。だから、お願い。来ないで、エースキラー・・・」
母の言葉とともに、彼女を捕えるイバラは動きを早め、より激しく彼女を傷つける。

(これは・・・)
エースキラーは気づいた。
この一面のイバラは、母の罪の意識の象徴なのだ、と。
自身の罪の意識によって、ウルトラの母は捕えられているのだ、と。
(ならば、なおのこと、母さんを助けなければ!)
傷つくことを厭わずに、再びエースキラーはイバラの園に挑む。
だが、分け入っても分け入っても次々と現れるイバラによって、また絡めとられてしまう。
「だめ、来ないでって言ってるでしょう!」
母の言葉とともに、再び放り出されそうになるエースキラー。

彼は感じた。
体を引き裂く棘の痛みの中・・・。
母の背負う罪の意識の重さを・・・。
愛深きがゆえに背負うことになった、罪の重さを・・・。

一瞬の後、彼は叫んでいた。
「みんな!力を貸してくれ!」

48Pitiful madonna of darkness・・・ 第四話:2007/02/26(月) 01:22:33
****************************************

ペニスが、女体から引き抜かれた。
「あ・・・、いやぁ・・・」
女は不満気な声を漏らすと、尻を突き出して男を追った。
そして次の瞬間、戻ってきた男の象徴によって、彼女の“女”は再び貫かれる。
「あ・・・」
銀色の口元からこぼれる、桃色の吐息。
女は、濡れぼそる自身をぎゅっと締め付けた。

背後から貫くペニスの動きに合わせるように、腰を振るユリアン。
「そうそう、その調子だぞ。」
ベロクロンが、目を細める。
目の前に広げられた濡れぼそる女陰を、彼のペニスが出入りする。
そのやや上では、排泄のためのすぼまりが、物欲しげなひくつきを見せている。
そこに、ベロクロンの指が、ズボリと突き立てられた。
「あぅ・・・」
喘ぎ声とともに、ユリアンの体を細波が走る。
ベロクロンの男を受け入れる女の部分も、その甘く食い締める力を増す。
一方、さほどの抵抗も受けないまま、指は飲み込まれていく。
その感触を楽しみながら、ベロクロンは言う。
「もうじき、ここでも“出来る”な。」
「はい・・・、どうか、かわいがってください。」
全身に媚を滲ませながら、はにかむように答えるユリアン。
「ああ、楽しみにしてな。」
ベロクロンの舌が、ユリアンの微かに汗ばむ首筋を舐める。
「あ・・・ん・・・」
快美の吐息がユリアンの口から漏れる。

その時、ユリアンは急に主の体が軽くなったように感じた。
のしかかるのを止めた、などと言うのではない。
一瞬、ベロクロンの質量そのものが消滅したかのように感じたのだ。
「な、何?」
恐る恐る振り返るユリアン。

魂の抜けた虚ろな目が、そこにあった。

****************************************

ベロクロン、カメレキング、バキシム、ルナチクス、バラバ・・・。
超獣たちの群れが、生い茂るイバラをかき分ける。
「キラー、手助けするぜ!」
ベロクロンが叫ぶ。
「すまない!」
エースキラーは答えると、前進を再開した。

自身の体を棘によって切り裂かれながらも、イバラを取り除いていく超獣たち。
「どうして・・・、どうしてそんなに傷ついてまで・・・」
ウルトラの母は涙ぐんだ。
「私なんかのために、どうしてそこまでしてくれるの?私は、あなた達を助けられなかったのよ!いや、私のしたことは、むしろあなた達を苦しめただけだった!そんな私のために、みんなどうして・・・」
「そんなことはありません!」
ホタルンガが叫ぶ。
「あなたは、十分に自分たちを救ってくださいました。あなたに会う前まで、自分たちは単なる“兵器”にすぎなかったんですよ。そんな自分たちを、あなたは“一つの生命”にしてくださいました!」
ガマスが続ける。
「あなたのおかげで、僕たちは“兵器”として壊れるのではなく、“一つの生命”として死んでいくことが出来たんだ!」
「誰も、あんたを恨んでなんかいないんだぜ!」
ベロクロンの言葉に続いて、エースキラーが叫んだ!
「だから、今度は僕たちが母さんを助けるんだ!」
「おお〜!」
一斉に声をあげる超獣たち。
「みんな・・・、みんな・・・」
ウルトラの母の目に、涙が溢れる。

仲間たちとともにイバラをかきわけ、ついにエースキラーはウルトラの母の前まで来た。
その体は、既に自らの血で血まみれだ。
だが、エースキラーは体を走る痛みにかまわず言う。
「さあ、母さん、立って!」
母に向かって、手を差し出す。
いったんは、その手をとりかけたウルトラの母だが・・・、
「ごめんなさい・・・」
差し伸べられた手を振りほどく。
「母さん・・・」
唖然とするエースキラーとの間が、再びイバラで埋まっていく。
「ごめんなさい・・・、でも、だって、私のせいで・・・」

49Pitiful madonna of darkness・・・ 第四話:2007/02/26(月) 01:24:54
その時、あたりが柔らかな光に包まれた。
「これは・・・」
慌てて、一同は光の方角に目をやる。
「お前は、いや、あなた方は・・・」
驚愕するエースキラー、そして超獣たち。

そこには、彼らに倒されたはずのウルトラ戦士たちの姿があった。

ウルトラの父。
ゾフィー、ウルトラマン、セブン、新マン、エース、レオ兄弟、80らウルトラ兄弟。
さらに、その他のウルトラ戦士たち・・・。
そして、ウルトラマンキング。
死んだはずの彼らが、穏やかな笑みを浮かべて立っている。
彼らから放たれる光。
柔らかく暖かいその光に照らされるや、ウルトラの母の周囲のイバラは、たちまちその勢いを失い、枯れていくのだ。

「ああ・・・、みんな・・・。みんなも、私を許してくれるの・・・」
ウルトラの母の頬を、涙がとめどなくつたう。

ウルトラマンキングが、エースキラーに促した。
ハッとするエースキラー。
改めて、母に手を差し伸べる。
「さあ、母さん!」
断固とした意志のこもった言葉。
言葉に引かれるように、ウルトラの母は、その手をエースキラーの手に委ねた。
手と手が、固く握り合う。
「さあ、母さん、いくよ!」
「ええ!」
エースキラーに手を引かれ、立ちあがるウルトラの母。
彼女の体を縛っていたイバラの蔓が弾け飛ぶ。
そして、エースキラーの腕の中に飛び込んでいく母の体。
そう、彼女を救い出してくれた、愛する息子の腕の中に・・・。

固く抱きしめあう2人と、それを見守る超獣たち。
いつしか、周囲からイバラは消えていた。

その光景を見届けるや、光の中に立ち去ろうとするウルトラ戦士たち。
「待ってください!」
彼らの背に、呼び止める声がかかった。

「僕らがあなた方にしてしまったことは、とても許されることじゃない。どんな事をしても、償いきれないことはわかっています。でも、それでも僕らは少しでも償いたいんです。教えてください。僕らはどうしたらいいんです!」
心から悔いた表情を浮かべて、エースキラーが言う。
他の超獣たちも、同じ表情だ。

そんな彼らに、ウルトラ戦士たちの穏やかな微笑が語る。
“良いのだ。もう済んだことだ。君たちがそう思ってくれるならそれで十分だ”、と。
「で、でも・・・」
尚もしゃべろうとするエースキラーに、ウルトラマンキングの厳かな声が命じた。
「ならば、宇宙の平和を守れ。」
「え・・・」
「我らに代わって、これからお前たちが、この宇宙の平和を守るのだ。お前たちなら出来る。よいな、頼んだぞ。」
そう言い残して、光の中に去っていくウルトラマンキング。
他のウルトラ戦士も、“後は任せたぞ”といった表情を浮かべて去っていく。

そして最後に、ウルトラの父の姿が残った。
彼の目が、エースキラーに告げる。
“くれぐれも頼むぞ。この宇宙の平和のこと、そして、我が最愛の妻のこと”。
「ええ、頑張ります。ぼ、僕の手で、必ず守って見せます。」
震える声で、エースキラーは答える。
そんな彼を、暖かい眼差しで見つめるウルトラの父。
さらにその目が、エースキラーの傍らに立つ妻の方を向き言った。
“幸せに、なるのだぞ”、と。
「はい・・・、あなた。」
涙を浮かべながら、ウルトラの母は答える。
その言葉を聞き届けるや、ウルトラの父の姿も、まばゆい光の中へ去っていった。

****************************************

エースキラーは目を覚ました。
(・・・夢!、今のは夢だったというのか・・・)
慌てて、傍らを向くエースキラー。

彼はそこに微笑を見出した。
蘇った光の聖母、ウルトラの母の微笑を。

50Pitiful madonna of darkness・・・ 第四話:2007/02/26(月) 01:26:13
****************************************

「なるほど、そういうことか・・・」
玉座に腰掛けたヤプールが、静かに言った。

彼を取り囲む超獣たちに、淡々と語る。
「お前たちの魂が、転生したものだったということを見落としていたっとは・・・。そして、お前たちに埋め込んだはずだった服従因子が、ウルトラの母の胎内ですっかり浄化され、消滅していたとはな・・・。そのことに気付かぬとは、我も迂闊であったよ。」
「そうとも、我々が従っていたのはあなたではない。我らの聖なる母、ウルトラの母だ。」
バキシムが言った。
「つまり、我はウルトラの母を支配することで、間接的にお前たちを支配していたにすぎないということか。」
「そう。そして、ウルトラの母が光の聖母として蘇った今、俺たちもあんたから自由になれたのさ!」
バラバが叫ぶ。

「許せない・・・」
エースキラーが言った。
「あなただけは許せない。あなたは踏みにじり利用したんだ。母さんの純粋な愛を。そして、僕たちに、そして母さんに多くの罪を犯させたんだ!許せない!絶対に許せない!」
「許せない!」
「許せねえ!」
「許さん!」
超獣たちの大合唱が続く。

「そうか・・・、それほどまでに我が憎いか・・・」
どこか、嘲笑的な響きのこもった声で、ヤプールが言った。
「・・・」
もはや、超獣たちは憎しみの視線で答えるのみ!

「ならば、我をどうする。」
「死をもって、償っていただく。」
バキシムの言に、超獣たちの罵声が続く。
「そうだ、死んでもらう。」
「死んで償え!」
「死ね!」
超獣たちの間に、憎しみが満ちていく。

「フハハハハハハハハ・・・」
乾いた笑い声が響いた。
両手を広げ、ヤプールは立ち上がる。
「ならば、我にぶつけてみよ!お前たちの憎しみを!」
「最初から、そのつもりだ!」
ベロクロンが叫ぶと同時に、超獣たちが攻撃態勢を取る。
そして・・・、
「消え去れ!」
エースキラーが叫んだ。

エースキラーのスペースQ、ベロクロンのミサイル、バキシムの火炎、アリブンタの酸、そして、その他すべての超獣たちの攻撃が、ヤプールに向け放たれた。
ヤプールの体が、閃光に包まれる。

だが、次の瞬間、爆発とともに全てを消し去るかに見えた光は、逆に見る見る収束していった。
「こ、これは!」
息をのむ一同。

「フフフ、フフフフ、フフフフフ、フハハハハハハ・・・」
狂ったような哄笑が響いた。
続いて、歌うような声が聞こえる。

51Pitiful madonna of darkness・・・ 第四話:2007/02/26(月) 01:27:19
フフフ、お前たち、我を誰だと思っている。
我はヤプール、闇の化身ぞ。
憎悪と怨念こそ、我が力の源ぞ。
フフフ、愚かなる超獣どもよ。
お前たちの憎しみと怨み、我はしかと受け取った。
たっぷりと、堪能させてもらったぞ。
その憎しみと怨みの力で、我は偉大なる力を得ることが出来た。
さあ、見るがいい、我の得た偉大なる力を!
その、偉大なる姿を!

そして、光は一つの影となった。
あらゆる超獣たちの長所を備えたその姿。
「ば、馬鹿な・・・」
「こ、これはジャンボキング!」
「い、いや、違う。こいつはそんなもんじゃない。ずっと、ずっと強い!」
超獣たちの間に、戦慄が走る。

そんな彼らに、うっとりとした響きの声が言った。

フフフ、みなぎる、みなぎるぞ!
我の体中に、大いなる力がみなぎるぞ!
感じる、感じるぞ!
憎悪と怨念の力がみなぎるのを感じるぞ!
我の、この“グレートキング”の体中にみなぎるのを感じるぞ!

その目に、恍惚と陶酔の色を浮かべるグレートキング。

フフフ、お前たちも知りたいであろう。我の偉大なる力を!
我も、お前たちには、この力の“礼”をしたい。
さあ、愚かな超獣たちをよ、その身をもって知るが良い!
さあ、受け取れ!わが偉大なる力を!

グレートキングの攻撃が始まった。

グレートキングの放つ光線が、火炎が、超獣たちをなぎ倒していく。
超獣たちも反撃するが、彼らの攻撃は全てバリアーで防がれてしまう。
次々と深手を負って倒れていく超獣たち。

「お、おのれー!」
かろうじて攻撃をかわし続けるエースキラー。
だが、彼の周囲では超獣たちが倒れていく。
「お前は、お前だけは許さん!」
彼の目に、さらなる憎悪の炎が燃える。
そして、彼の体内で、巨大なエネルギーが暴走を始めた・・・。

その時、
「お止めなさい!」
穏やかな中にも、凛とした響きのある声がした。
とっさに、一同は動きを止めた。

倒れ伏す超獣たちに、マザー光線が浴びせられる。
見る見るうちに回復していく超獣たち・・・。

52Pitiful madonna of darkness・・・ 第四話:2007/02/26(月) 01:28:46
次々と超獣たちを回復させていくウルトラの母に、グレートキングは言った。
「ほほう、今度はお前が相手をしてくれるのか・・・。
 なるほど、さもあらん・・・。
 我への怨みは、お前が一番強いはずだからな・・・。
 ならば、ウルトラの母よ、我に馳走してくれ!
 光の聖母の気高き心で醸された、“憎悪”という名の極上の美酒を!」

「あわれな生き物よ・・・」
「なに・・・」
意外な言葉に怪訝な顔をするグレートキングに、ウルトラの母は言った。
「憎悪と怨念しか知らない、哀れな生き物。
けれども、思い出して御覧なさい。
闇に、憎しみに囚われる前の日々を。
愛情に包まれた、暖かな日々があったことを。
あなたにも会ったはずです。
さあ、思い出すのです。」
穏やかな笑みを向けながら、ウルトラの母は言う。

「ふ、何を言い出すかと思えば・・・」
ウルトラの母の言葉を一笑に付そうとするグレートキング。
「そのような世迷いごとを・・・、!」
だが、彼女の優しい眼差しと目を合わせた瞬間、その表情は一変した。
「ば、馬鹿な、何故、我が・・・」
彼の目に、畏怖の情にも似た感情が浮かんでいた。

グレートキングに向け、ゆっくりと歩み寄るウルトラの母。
「母さん!」
エースキラーが叫ぶ。
その叫びに、ウルトラの母は穏やかな微笑で答える。
(大丈夫、心配しないで。もう、私は闇の力に囚われたりはしないから・・・)

「来るな!来るなー!」
そんなウルトラの母に、グレートキングの攻撃が降り注ぐ。
「母さん!」
エースキラーが叫ぶ。

ウルトラの母に、激しい攻撃が浴びせられる。
だが、
「な、何!何故だ!何故当たらない!」
グレートキングの攻撃は、何故か母をさけて通るのだ。
うろたえるグレートキング。
そして、攻撃が降りそそぐ中を、ウルトラの母は一歩一歩ゆっくりと歩んでいく。

「何故だ、何故なんだ・・・」
呆然と立ち尽くすグレートキングが、半ば泣くような声で言った。
「それは、あなた自身にもわかっているはずです。」
愛情に満ちた微笑が言った。
「あなた自身の心が望んでいるからです。
愛に包まれた、あの日々に戻りたいと・・・。
憎悪から、怨念から逃れたいと・・・。
あなた自身の心が願っているからです。
だから、戻るのです。
憎悪に囚われる前の、あなた本来の姿へ・・・。
怨念から解き放たれた自身の姿に・・・。」
「我の・・・、本来の・・・、姿?」
「さあ、見せて。あなたの、本当の姿を・・・。」

グレートキングの額に口づけるウルトラの母。

次の瞬間、周囲はまばゆい光に包まれた。

子供が泣いている。
見知らぬ、異次元人の子供だ。
幼い子供が、母の胸に顔を埋めて泣いていた。
未だ幼いその体は、無数の傷痕で埋め尽くされていた。

彼を抱きしめるウルトラの母には見えた。
傷痕の一つ一つに宿った、子供の悲しみが・・・。
子供の過ごしてきた、悲惨な日々が・・・。
ウルトラの母は、泣きじゃくる子供を無言で抱きしめる。

彼女の体から、温もりが伝わっていく。
引き裂かれた子供の心に、沁みこむ様に温もりが伝わっていく。

いつしか、子供の泣き声は止んでいた。

そして、抱きしめる母の耳に、子供の安堵の呟きがきこえた。
「お母さん・・・」

子供の体が、光の粒子となり分解していく。
柔らかい光を放つ粒子となり、衝天していく子供。
抱きしめる腕の中から消えていく子供の姿を見守るウルトラの母。
そして、彼女は見た。
消えていくその子が見せた笑みを。
彼女への、純粋な感謝の笑みを。
そして、彼女は聞いた。
消え去る直前に、その子が呟くのを。
“ありがとう、お母さん”、と。

ウルトラの母の目から、一筋の涙がこぼれた。

         ―――――第四話「復活」――――― 終わり

53Pitiful madonna of darkness・・・ エピローグ:2007/02/26(月) 01:29:45
「我はここに誓う。新たなる光の国の王となり、先人たちの志を継いで宇宙の平和を守ることを。」
跪いて誓いの口上を述べるエースキラー。
彼の頭上に、王冠が掲げられた。
光の聖母、ウルトラの母の手によって。

新たなる光の国の王の誕生。
この光景は、宇宙中に中継されている。

エースキラーは立ち上がる。
そんな彼の姿を、ウルトラマンキングとウルトラの父の像が見下ろす。

ここは、新たに建てられた大聖堂。
その壁には、亡きウルトラ戦士たちの像が掲げられていた。
いかなるときも、宇宙の平和のために戦ってきた勇者たち。
彼らの後継者たる超獣たちが、その誓いの念を込めて作った像だ。

しばし、無言でウルトラマンキング、そしてウルトラの父の像を見上げるエースキラー。
改めて、彼らに誓う眼差しとともに。

そして、彼は振り向くと片手を挙げた。
大聖堂を埋め尽くす超獣たちの間に、歓声が上げる。

声が静まると、エースキラーは、傍らに立つウルトラの母の方を向いた。
そして、彼女の目を見つめながら言った。
「ウルトラの母よ。光の聖母よ。どうかあなたもここに誓って欲しい。」
「・・・」
「我が妻に、我が王国の王妃になって、我々を支えるということを。」

一瞬、ウルトラの母はウルトラの父の像を見上げる。
“幸せに、なるのだぞ”
彼女の中に、ウルトラの父の言葉が蘇る。
(あなた、ありがとう)
心の中で、ウルトラの母は言った。

しばしの沈黙。
そして・・・、
「はい、誓います。」
微かにはにかんだ様な、しかし固い決意のこもった声で、ウルトラの母は言った。
寄り添い、唇を重ねる2人。
万雷のような拍手が応えた。

****************************************

並んで歩くエースキラーとウルトラの母。
「ふふ、もっと堂々としなさい。」
どこかぎこちない様子で歩く新しい夫に、ウルトラの母は言った。
“夫”は、照れたようなそぶりで言った。
「でも、ずっと不安だったんだ。もし、母さんが受け入れてくれなかったらと思うと・・・」
「もう“母さん”じゃないでしょ。私は、あなたの“妻”なのよ。」
祝福の声の嵐の中を、新しい夫婦は並んで歩く。
歩きながら、妻は昨夜の事を思い出す。

54Pitiful madonna of darkness・・・ エピローグ:2007/02/26(月) 01:30:22
****************************************

その告白を受けたのは、戴冠式の前日のことだった。

超獣たちによって作られる、新たなる光の国。
その国の王として、光の聖母ウルトラの母から王冠を授けられるエースキラー。
その戴冠式の手順についての最終確認を、彼としていた時のこと。
説明の最後に、“息子”は“母”に言った。
“明日の戴冠式の時に、結婚を申し込むと”、と。

理由について、もっともらしい理屈をエースキラーは述べた。
“かつての光の国の象徴たるウルトラの母を娶ることで、新しい王国の正当性を示すことが出来る”、等などと。
だが、それが単なる理屈付けにすぎない事は、2人ともわかっていた。
長々と様々な理屈を述べた最後に、エースキラーは彼の本心を言った。
“僕は、母さんが欲しいんだ。母さんの全てを、僕のものにしたいんだ、そして、そのことを宇宙全体に示したいんだ”、と。

そして、“明日の戴冠式で、返事を聞かせて欲しい”と言い残して、去って行った。

“息子”の妻となる。
ヤプールの手で創られ、彼女の子宮を借りて育っただけだとはいえ、ウルトラの母にとってエースキラーは息子であった。
たとえ、今まで散々肉の契りを交し合った仲であったとしても、自らの腹を痛めて産んだ息子であった。
その息子の妻となる。
そのことを、並み居る超獣たちの、いや、その光景が中継される全宇宙の前で宣言する。

ウルトラの母は迷った。

だが、迷う彼女の心の中に響くエースキラーの言葉。
“僕は、母さんが欲しいんだ。”

彼女の心は決まった。

****************************************

2人を祝福する超獣たち。
彼らの傍らには、女たちの姿がある。
ウルトラ族の女たちだ。

****************************************

ヤプールの呪縛から自由になった超獣たちによって、女たちもまた解放された。
彼女らに許しを請う超獣たち。
超獣たちは言う。
「すまなかった。どんな償いでもする」
そんな超獣たちに、彼女らは言った。
「なら、私たちを妻にしてください」
驚く超獣たちに、彼女らは言う。
「あなたたちが光の国を再建し、平和のために戦うと言うのなら、それを支えるのは私たちの務めです。それに・・・」
頬を染める女たち。

超獣たちに、異論のあろうはずも無い。

55Pitiful madonna of darkness・・・ エピローグ:2007/02/26(月) 01:31:07
****************************************

自らの自由意志で、超獣たちの妻となった女たち。
彼女たちもまた、夫の傍らで祝福の言葉を送っている。

その中の1人の方へ、ウルトラの母の足は向いた。

改めて祝福の言葉を受け、それに対する礼を述べた後、ウルトラの母は言った。
「それでユリアン、体の調子はどう?」
「ええ、順調です。」
夫、ベロクロンに身を寄せるようにして立ちながら、幸せそうにユリアンは答える。

彼女の腹部は膨らんでいた。
そこに、新たな命を宿す証として。
ヤプールの手によるのではない、自然の交わりによって授かりし命、2人の愛の結晶を宿す証として。
そして、そのことの意味するところを、ウルトラの母は、いや、その場にいる女たちは皆知っている。

ウルトラ族の女が、自然の交わりによって子を宿すこと。
それは、心底許しあった者との間にしか起こりえない事だということを。
つまり、ユリアンは心の底からベロクロンを夫と認め、彼の妻となったのだ。

そして、このユリアンの姿こそ、ウルトラの女の未来の姿だということを、彼女ら全員は知っている。
愛する夫の子を宿す、幸せな妻の姿。
女たちは皆、憧れをこめた目でもって、ユリアンを見ている。

「これからも、体には気をつけるのよ、ユリアン。」
そして、彼女の夫へも言う。
「ベロクロン。あなたもお父さんになるんだから、しっかりしないとだめよ。」
照れたように、頭をかくベロクロン。

「さあ、今度は僕らの番だ。」
エースキラーが、ウルトラの母を抱き上げた。
「はい、“あなた”。」
夫の腕の中で、新妻は頬を染める。

ウルトラの母を抱き上げて、エースキラーが向かう先。
そこには、巨大なベッドが置かれている。
その上で、2人は改めて契りを結ぶのだ。
新たなる夫婦としての、初めての契りを。
そこにいる全員、そして、中継でつながる全宇宙を立会人として。
これから、皆に見守られながら行われる愛の交歓。
そのことを思い、ウルトラの母は頬を染め、そして、密かに濡れていく。

56Pitiful madonna of darkness・・・ エピローグ:2007/02/26(月) 01:32:21
****************************************

打ち捨てられたヤプールの宮殿。
様々な次元へとつながる多くの扉が漂う大広間にも、もはや1人の人影も無い。

その、漂う扉の一つ、最も深く危険な次元へとつながる禁断の扉に、ひびが入った。
次の瞬間、扉は内側から音を立てて吹き飛ぶ。
そして、何人たりとも這い出て来れないはずの禁断の異次元から、1人の影が現れた。
全身に無数の傷を負ったその姿。
頭部の2本の角のうち、1本は途中から無惨にも折れている。
彼の目には、憎悪が燃えていた。
この世の全ての生命に対する、憎しみの炎だけが燃えさかっていた。

影は、手にしていたリード線を引っ張った。
引きずられるようにして、次元の扉から現れたのは、超獣ユニタング。
リード線は、彼女の首にはめられた首輪につながれている。
ユニタングは、影の傍らで四つん這いになると、“主”の顔を怯えた目で見上げた。

そのとき、突然モニターのスイッチが入った。
モニターが映し出す映像。
それは、新しい光の国の王と王妃、2人の愛の交歓の姿であった。

****************************************

エースキラーの股間に顔を埋めるウルトラの母。
妻の奉仕によって、夫のペニスは十分に勃起している。
やがて、顔を上げた王妃に、王は言った。
「さあ、いくよ。」
「はい、あなた。」
両足を広げて仰向けになるウルトラの母に、エースキラーが重なる。
たくましい胸板が、豊満な乳房を押しつぶし、そして・・・、
「ううっ。」
息子であり夫であるエースキラーに貫かれ、ウルトラの母は一瞬息を止めた。
ウルトラの母の目尻から、一筋の涙がこぼれ落ちる。
やがて口からは、悦楽の喘ぎ声が漏れ始める。

****************************************

猥らでありながら、それ以上の神聖さをもって見る者を圧倒する、2人の愛の姿。
その姿を、ユニタングは感動の眼差しでもって見つめる。
が、ふと、主の顔を見たとき、彼女の表情は一変した。
その目に燃える憎しみの炎が、よりいっそう激しさを増していたからだ。
恐怖に凍りつくユニタング。
そんな彼女を、影は八つ当たりするかのように殴り倒す。
悲鳴を上げて倒れながらも、ユニタングは必死に許しを請う。
膨らんだ腹部を庇いながら・・・。
そう、彼女の腹部に宿った、新しい生命を庇いながら・・・。

やがて、影はユニタングを連れて次元の扉の向こうに去っていく。
去っていく2人の背後で、モニターの中のウルトラの母が、絶頂の声をあげた。
「あぁ〜〜」
母親の絶頂の声を背中で聞きながら、かつてウルトラマンタロウと呼ばれていた影は、異次元へと消えていった。

ここに、一人の新たなる悪魔(ヤプール)が誕生した。

――エピローグ「新たなる光の国の誕生、そして・・・」――<完>


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