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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

75明神 ◆9EasXbvg42:2019/10/21(月) 03:48:51
>「ユニットカード同士をぶつけたらどうなるんだろう……」

攻略本に首っ引きで何やらうなっていたカザハ君が再びこぼした。
ユニット同士か……経験則から言えば、結局ものを言うのは火力と物量だ。
カザハ君の持つユニットは飛行系モンスターを召喚するが、その数はアポリオンと比べるべくもない。
ユニットとしてのステータスにも、レア度という隔たりはきっちり存在するのだ。

>「レジェンドレアとコモンレアのガチンコ勝負に、俺達全員の命をベットか。
 そんな勝負に乗れるのはイカれた賭博師か、無根拠に自信家の英雄だけだ」

「このクソゲー、その辺だけはいやにキッチリしてんだよ。まぁソシャゲだから当然なんだけど。
 属性的に有利がとれようが、レア度に開きがあれば単純なステ差でゴリ押しされちまう。
 フォレストゴブリンがアースドラゴンにどうやったって勝てないみたいにな」

あとはまぁアルフヘイムではどうだか知らんけど、蝗害のイナゴって食えないんですよ。
身体の全ての器官が飛翔と暴食に特化してて、大部分がうすっぺらい翅。
中身はスカスカで、食ったものを即エネルギーに変換して飛んでいっちまう。

だから本来天敵であるはずの鳥も、このときのイナゴには手を出さない。
翅をどんだけムシャムシャしたところでなんの栄養にもならないからな。
アポリオンがその性質を再現してるとすれば、鳥に喰わせる作戦は期待できない。

ただ、ユニットは一つ置いてそれっきりじゃない。
重ね置きでステ差を補うことはできないか?
例えば俺の『奈落開孔(アビスクルセイド)』は……駄目だな。
持続時間が短すぎて焼け石の水にもならない。

>「冷静に考えれば、最も合理的な戦術は、一つだけだ――」

と、うんうん頭を捻っていた俺達に、エンバースがさも当然とでも言うように言葉を放つ。

>「――ここから逃げればいい。どう考えても防衛戦は不利だ」

「お前このタイミングでそういうこと言うぅ?簡単にこっからアディオスできりゃ誰も悩んでねえよ!」

まぁ俺だってジリ貧だと思うよ!とっとと王都にでも撤退すべきだと思うよ!!
でもアコライトは放棄できねぇんだなぁ!王国まるっと蹂躙されちゃうだろーが!

>「勿論、敗走するつもりはない。俺は“防衛戦は不利だ”と言ったんだ」

当たり前の帰結として集中する非難に、エンバースは焼け焦げた手を翳して制する。

「勿体ぶってねーで結論言え結論!……なんか閃いたんだろ?」

>「帝龍の明白な弱点は、俺達が撤退すればこの拠点を取らざるを得ない事だ。
 そうしなければ、あいつは次のステージへ進めないんだからな。
 どうだ……理解出来たか?まだ、説明が必要か?」

「あー……あー、そういう……」

エンバースの物言いに、俺はようやく合点がいった。
現状、俺達には帝龍の行動をコントロールできる方法が一つだけある。

>「そうだな……例えば、予め城壁の一部を破壊しておく。
 そして切石を【工業油脂】で補修すれば、僅かな熱で再び穴が開く。
 【進撃する破壊者】は正午に消費され、城壁内に導入可能な兵力には限りがある」

外郭の防衛を放棄し、戦線を瓦解させて……『敗北する』こと。
そうなれば、前線指揮官である帝龍は、必ずこの土地にやってくる。
自分のものになった街を見下ろしながら、マホたんの口づけを得るために。


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