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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

68明神 ◆9EasXbvg42:2019/10/21(月) 03:44:44
>「午前中は待機で。各々好きなことをしてくれていて構わないよ。
 ただ……正午までには絶対にこの中央広場へ集合して。いい? それがこのアコライト外郭のルール。
 それを守れないと……死んでしまう、から」

昨日夜ふかしした影響で俺が起床したのは日が高く登った後だった。
他の連中はとっくに起き出して、思い思いの場所で過ごしているらしい。
午前中待機ったって午前はもう一時間も残ってないので、俺はその足で広場へ向かった。

「オタク殿、これは一体何をしておられるので?」

アコライト兵、通称オタク殿たちは哨戒や訓練のかたわら広場で作業をしていた。
昨日の食材の余り――つまりはトカゲのクズ肉や骨、内臓なんかが広場に山積みにされている。
そろそろ気温も上がって腐臭を放ちかねないマッドゴアな物体を見上げて、俺は訝しんだ。

オタク殿曰く、これはマホたんの『ルール』に関連するものらしい。
どこに行ってたのかエンバースも積み上げ作業に加わっている。
ほどなくして、マホたん達も広場へ戻ってきた。

険しい表情。
呼応するように、快晴だった空に陰りが見える。
雲じゃ……ない。黒すぎる。なんだありゃ?

>「……来る」

見上げていたマホたんが、そう零した刹那。

>「総員、退避! 建物の中に入って!」

「は?あ?何!?」

何の説明もなく避難を促され、導かれるままに建物の中へと押し込まれる。
殿を努めたエンバースが戸をくぐると同時、頑丈な鉄扉が外界との通行を封じた。

「何だ、何だよっ!?一体何が始まるってんだ――」

思わず抗議の声を上げそうになって、二の句が継げなかった。
建物の中で、オタク殿たちは必死に身を縮こまらせて何かに耐えていた。

何にとはつまり……恐怖だ。
なにかに怯えている。

午前中あれだけ楽しそうに朗らかに、マホたんに声援を送ってた連中が。
ハッピの上からでも分かる、鍛え上げられた屈強な体躯の兵士達が。
ぎゅっと目をつぶって、自分の身体を抱きしめているのだ。

>ブゥゥゥゥゥ――――――――――ン……

鉄扉の向こうから聞こえてきたのは、飛行機の発動機じみた『羽音』。
ベルゼブブの羽音もやかましかったが、こいつはその比じゃあない。
身体が震えるのが恐怖によるものなのか、空気振動の共鳴なのか、わからない。

>「もう終わったみたいね。お疲れさま、みんな。……でも、まだ今日はやることがある。
 ……外へ出よう」

やがて羽音は彼方へ去っていき、緊張を解いたマホたんがそう皆に告げた。
九死に一生を得たかのように、兵殿達に弛緩が伝播していく。

重たい鉄扉を開け、外に出ると、空は元通りの快晴だった。
だが、暗雲のかわりに陽光を遮るものがある。
ホログラムみたいに空間に投影された、映像だ。


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