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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

58embers ◆5WH73DXszU:2019/10/18(金) 23:11:21
【フレイミング・リグレット(Ⅰ)】


『さっきも言ったけど、それは明日にしよう。その方があたしも説明しやすいし――
 それにさ。あたしがどーのこーのって話をするより、見てもらった方が。きっとみんなも理解できると思うから』

「百聞は一見に如かず、確かに道理だ。だが言葉を尽くしてこそ伝わるものもある筈だ。
 例えば愛や信頼――他にも、俺が気が付いたら城壁の上から落下していた理由とかな」

『それより! 折角みんな来てくれたんだし、歓迎をさせてよ。
 今日はごちそうだー! あたし、思いっきり腕を振るっちゃうよー! 
 じゃあ……ちょっと待っててくれるかな? 今『食材を狩ってくる』から――』

「狩ってくる?……ああ、なるほど。【河原へ行こうぜ!】か。
 確かにあのカードなら、安全に食料を確保出来る。
 だが、待ってくれ。ここは俺の――」

『あ! マホ――』

「――馬鹿な!何を考えてる!?」

戦乙女は城壁から戦場へと身を投げた/焼死体が即座に鋸壁から身を乗り出す。

「俺が加勢に入る……いや、【座標転換(テレトレード)】だ!今すぐ俺とマホたんを――」

『……『黎明の剣(トワイライトエッジ)』――プレイ』
『スキル。『戦乙女の投槍(ヴァルキリー・ジャベリン)』――』

「――入れ替える必要は……なさそう、だな」

宙を彩る無数の槍が、神鳴りの如く地を掃う。
戦乙女が地を蹴り/拳を放つ――後に残るのは、四肢の破片と血煙のみ。
巨岩の如き多頭蛇は、一撃の下に昏倒/一本ずつ首をもがれ/五本目の時点で絶命した。

『お〜ま〜た〜せ〜! いや〜、いい汗かいた!』

「思い出したぞ、ユメミマホロ……ストライカー型ヴァルキュリアビルドの提唱者か」

グッドスマイル・ヴァルキュリアは、支援職だ。
当然、戦闘は可能な限り避けるべき/盤面における立ち位置は最後方。
装備の候補も槍や弓/中距離から敵の接近を牽制/火力支援を行う――それが定石だった。

ユメミマホロは、その従来の運用法とは全く異なる――真逆のドクトリンを提唱した。
徒手空拳によるDEX、AGIへのブースト/低下したATKを【聖撃】で補填。
高クリティカル率/高機動力/必要十分な火力を実現。

その結果――接近を拒む必要は最早なくなった。
迂闊に近寄れば逆に懐に飛び込まれ/致命打を叩き込まれる。
バッファーでありながら、必要に応じて前線に飛び出す事も出来る。

『ヴァルハラ産ゴリラ……』

世に轟く異名に相応しい、文字通り前衛的、かつ合理的なビルドだった。

『じゃっ! さっそく料理するから待っててね! その間、あたしの動画でも観ててくれれば!
 『暇だからヒュドラで蝶々結びできるか試してみた』とかオススメだよ〜!』

「……遠慮しておこう。食事も俺には必要ない。寝床もだ。
 それと、城壁の立哨を休ませてやれ。代わりに俺が立つ」

側防塔を登る焼死体――敵に備えていない時間が不安だとは、言わなかった。


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