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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
43
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2019/10/11(金) 22:22:59
「シャァァァァァ―――――――――ッ!!」
唸り声と共に、ヒュドラの無数の頭部がマホロへと殺到する。
恐るべき速さの波状攻撃だ。――しかし、当たらない。
マホロはまるで踊るように軽やかな身のこなしで、必要最小限の挙動によってヒュドラの牙を躱してゆく。
「ひゅッ!」
たんッ! と強く地面を蹴って跳躍し、そのまま伸びきったヒュドラの頭部へ舞い降りる。
長い首を道の代わりにすると、そのままマホロはヒュドラの胴体へと駆け上がってゆく。
ヒュドラの弱点は首の根元に存在する中枢神経だ。それが無数の首を統御している。
弱点を攻撃されまいとヒュドラが無数の首でマホロを迎撃する。――だが、それも無駄な足掻きでしかない。
マホロは繰り出される幾多の首を跳躍して回避し、足場とすると、瞬く間に胴体へと接近した。
「……『限界突破(オーバードライブ)』――プレイ」
カッ!!
スペルカードが発動し、マホロの身体が金色に輝く。
「はあああああああ――――――――――ッ!!!」
気合一閃、マホロは右腕を大きく振りかぶるとヒュドラの胴体に渾身の一撃を繰り出した。
ガゴォンッ!! という硬い音が轟きわたり、小山のようなヒュドラの巨体がぐらり……と傾ぐ。
弱点の中枢神経に強烈な一撃を食らい、気絶したのだ。頭上に【STUN】の表示が出ている。
あとはもう、マホロの独壇場だ。――最初からそうだという説もあるが。
マホロは群がるドゥーム・リザードたちを片手間に蹴散らしながら、ゆっくりヒュドラの解体を始めた。
*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*-+-*
「お〜ま〜た〜せ〜! いや〜、いい汗かいた!」
ピンク色の法被を着た兵士たちが城門を開けると、マホロが朗らかに笑いながら入ってきた。
その後ろにはドゥーム・リザードとヒュドラの死体が山となっている。どうやら、こうして日々の糧を得ていたらしい。
「ヴァルハラ産ゴリラ……」
なゆたがボソリと呟く。マホロの愛称(?)のひとつである。
「じゃっ! さっそく料理するから待っててね! その間、あたしの動画でも観ててくれれば!
『暇だからヒュドラで蝶々結びできるか試してみた』とかオススメだよ〜!」
そんなことを言いながら、台車に乗せた大量のトカゲたちを城塞の中にある厨房へと運んでいく。
わたしも手伝います! と、なゆたも慌ててマホロの後を追う。
「ドゥーム・リザードで食べるのは足と尻尾だけ。胴体は食べられないよ。
でも、捨てないで取っといて。皮を剥ぐから――防具の素材に使えるからね」
「レア素材、リザードスキンね……。昔よく集めたっけ。じゃあ、こっちのヒュドラは?」
「ヒュドラは肉にも毒があるから、毒抜きしないと食べられないんだ。でも無毒化するとパサパサになっておいしくないの。
どっちかというと薬の素材。あとはヒュドラの毒腺から毒を抽出して、武器に付与したりとか」
「あー。『英雄殺しの毒(ヒュドラ・プワゾン)』かぁ〜。ポヨリンにも使えるかなぁ」
女子ふたりで厨房に立ち、何やら和気藹々とやっている。……ガールズトークにしては女子力がないが。
しばらくすると、食堂にふたりの作った料理が並んだ。
ドゥーム・リザードの肉を使った炒め物とカツ。それに王都から持ってきた食材で拵えたコンソメスープなどである。
「ささ、どうぞ召し上がれー! 特に自信作なのはこのトンカツ! いや、トカゲを使ってるからトカカツ? なのかな?」
マホロが小首をかしげる。
「う〜む。致命的に野菜が足りない……。もっとキングヒルから野菜を持ってくるべきだった……」
おたまを持ちながら、なゆたが眉を顰める。
激戦を予想し、ハイカロリーで高タンパクなものを中心に持ってきたのが裏目に出た。
食事を終えると、兵士が部屋の支度ができたと報告してくる。
客室というにはあまりに簡素な、使われていない部屋に毛布が置いてあるだけの様相だったが、戦時中だ。これでも上等だろう。
各々が用意された部屋に宿泊し、アコライト外郭での一日目は終わった。
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