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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

33ジョン・アデル ◆yUvKBVHXBs:2019/10/08(火) 14:26:58
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「あいつ最近テレビの取材受けたんだって?」「調子にのってるよな」「しっ!本人きたよ」

みんななぜか僕の悪口を影で言っている。
一体なにがいけないのだろう、僕はただ仲良くしたいだけなのに。

みんな僕が近くにいれば仲良く友達のフリをする。
でもそれは僕が怖いから、直接対峙したら勝てないと、そうわかっているから

「みんな!おはよう!」

ニコニコしながら、そんな人達にあいさつするのもいつの間にか馴れた。
笑顔を絶やさなければ、いつか僕の事を思いなおしてくれるかもしれないと思ったから、笑顔を続けた。
無駄なんて事わかっているのに。

歴代の天才高校生、そんなタイトルでも、テレビで紹介されれば、僕の事を理解してくれる人が現れる。
そう思ってテレビや雑誌のオファーを受け続けた、無駄だと分っているのに。

信じたかった、世界の広さを、テレビや小説でよく出てくる、人の温かさを。
結果的に言えば理解者はだれ一人として現れなかった。

「しょ・・・勝負ありー!」

テレビの企画で当時の金メダリストと戦う事になった。
天才と呼ばれ、天狗になってる子供を大人が容赦なく叩き潰す、そんな趣味の悪さ100%の企画だった。

「すみません・・・この人本物ですか?」

自分でもさすがにこの時の発言はよくなかったと思う、しかし本当に弱かった、侮辱したかったわけではないが、本当に弱かったのだ。
生放送だった為にどうしたらいいのか分らない大人達、笑いものにするはずが逆に自分たちが侮辱されたのだ。
あの時の周りの大人達のあの目線は忘れられない。

その次の日から倒した選手のファンから、テレビ局のお偉いさんから、通りすがりの人から、嫌がらせを受けるようになった。
結果を信じられない大人達が、僕をリンチにするため、徒党を組んで人気のない路地で襲い掛かってきたこともあった。

嫌がらせに屈せず、相手が凶器を持ってきても返り討ちにした。
行動はどんどんエスカレートし、僕を殺そうとする奴まで現れた、それでも僕は負けなかった。
一人で全てを返り討ちにし続けた僕は裏でこう呼ばれた・・・【化け物】と

たしかに僕の発言はよくないものであった、それは間違いないだろう。しかしこんな目に会うほどの物だったのだろうか?
圧力によってどのスポーツの世界にも入れなくなった僕は、この件で業界に絶望していた事もあり、逃げるように自衛官になった。

僕が入った当時の自衛隊の世界は年功序列の世界だった、人によっては最悪というかもしれないが、それ以外で差別される事はなかった。
途中で実力主義に変わり、当然一人だけ浮いていた僕は引き抜かれて、特別な扱いを受けた。

「いえーい!みんな!!自衛隊をよろしく!」

例えそれが健全PRの為のアイドル活動を含んだ引き抜きだったとしても、僕は認められた気がして、言われるがままにやり遂げた。
アイドルとして活躍するようになってから、世間の風向きが変わっていった。

「イケメン自衛官大人気・・・」「彼の素質は・・・」「災害の時の彼の活躍は勲章物で・・・」

過去の事をすっかり忘れ、今度は媚始めるマスコミ達。
家を出れば黄色い声と、嫌悪の目を向けていたはずの大人達が、一斉に僕に媚を売り続ける。
満足していた、しなきゃいけない、だってこんなにみんな僕をほめてくれるんだから、認めてくれるんだから。




あれ・・・結局僕は・・・なにがしたったんだっけ・・・?

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