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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

318崇月院なゆた ◆POYO/UwNZg:2020/03/10(火) 19:51:05
「……じゃ、マホたん。守備隊のみんな、お世話になりました」

旅装を整えたなゆたは、城郭の門まで見送りに来たマホロや守備隊に礼を述べた。
結局、アコライト城郭にはキングヒルからの物資到着を待つなどして一週間ほど逗留した。
馬車にデリントブルグまでの食料などを積み込み、準備も万端だ。
なお、バロールは捕縛した帝龍を伴い『形成位階・門(イェツィラー・トーア)』でキングヒルに帰った。

「うん。先生も気を付けて。みんなも絶対に死んじゃダメだよ」

マホロが頷く。
城郭に逗留している間、なゆたはもう一度マホロにパーティーに加わって欲しいと告げた。
だが、マホロは首を縦に振らなかった。
今のマホロはかつての極限まで鍛え上げられていたマホロではない。
例えパーティーに入ったところで、足手纏いにしかならないだろう。
それに、そもそもマホロの『異邦の魔物使い(ブレイブ)』はどこか一箇所から移動することができない。
マホロの配信には、拠点が必要不可欠だ。そもそも旅のできるタイプではないのである。
そして、何より――
アコライト外郭の人々が、まだユメミマホロを必要としている。

「あたしはここに残るよ。これからも、このアコライト外郭を守り続ける。
 あたしは、そのために地球からこの世界に召喚されたんだ……きっと、ね。
 なら、あたしはそれをやり遂げる。みんなの活躍を、ここからお祈りしてるから」

半身の死を乗り越え、愚直にアイドルを続ける。人々の希望であり続ける。
それもまた『異邦の魔物使い(ブレイブ)』の在り方のひとつだろう。
そこまでの覚悟を決めているマホロを、なゆたはそれ以上誘うことはできなかった。

「帝龍の脅威がなくなっても、アコライトがアルメリアの最終防衛線であることは変わらない。
 マホたん、城郭の防衛、よろしくね。
 わたしもずっとお祈りしてる。アコライトのみんなが、マホたんが、ずっと幸せであるようにって」

「ん! また会いましょう、平和になったアルフヘイムの空の下で――!」

ぐっ、とふたりは固い握手を交わし、再会を約束しあった。

「明神殿ぉ! 我ら、たとえ遠き空の下に在ろうとも心はいつも一緒でござるぞぉ!」

「また、一緒にマホたんのコンサートで盛り上がりましょうぞぉぉぉ!」

守備隊たちも別れを惜しんで、男泣きにむせび泣いている者もいる。
だが、別れを惜しんでばかりはいられない。きっとニヴルヘイムは帝龍の敗北を知り、すでに新たな策を練っているはずだ。
帝龍のスマホを破壊した『十二階梯の継承者』、マリスエリスの動向も気になる。
ジョンのブラッドラストを一刻も早く何とかして、アルフヘイムを救う次の一手を打たなければならない。
立ち止まっている時間はないのだ。

「じゃあ――行きましょう、みんな!
 根源海の彼方、万象樹ユグドラエアの麓にある……聖都エーデルグーテへ!
 レッツ・ブレ――――イブッ!!」

マントをはためかせ、大きく右手を振り上げると、なゆたは意気揚々と歩き始めた。
次なる冒険の地へ。新たなクエストへ。


……まだ見ぬ試練の待つ、過酷な戦場へ。


【アコライト外郭防衛戦決着。ジョンのブラッドラスト対策のため、聖都エーデルグーテへ。
 帝龍は身柄をキングヒルへ護送。幻魔将軍ガザーヴァがパーティーに参入。
 ユメミマホロ離脱。】


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