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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
316
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2020/03/10(火) 19:50:36
あの呪いとも言えるスキルがジョンの中にある限り、また同じ状況が繰り返されてしまうかもしれない。
いや、幻覚に悩まされ昏倒するだけならまだましというものだろう。
ブラッドラストを習得した者は、例外なく凄惨な最期を迎える――。
その言葉がずっと気になっている。そして、このままではきっとジョンも早晩その犠牲者の列に名を連ねることになるだろう。
このまま放ってはおけない。早急にブラッドラストに対する措置を講じなければならない。
できればジョンが生涯そのスキルを使わずに済むような、そんな措置を。
「ブラッドラスト……血の終焉……。
……呪い……か……」
マホロとのデュエットを終えてステージから戻ったなゆたは、腕組みして考える。
呪いを解くには、聖属性の『解呪』の魔法が一番手っ取り早い。
他にも『浄化』『祝福』など、聖属性には呪詛に対する抵抗手段が他属性とは比べ物にならないほど多い。
バロールは方法はないと言っていたが、それはあくまで彼の知識の中では、ということだろう。
だとしたら。
彼の手の届かないジャンル、思慮の及ばない場所に、解決のヒントが隠されているかもしれない。
祝勝会の喧騒が遠く感じられるほどの、深い深い思考。熟慮。
その末に――
「……エーデルグーテ」
なゆたは小さく、ひとつの名前を口にした。
聖都エーデルグーテ。
アルメリア王国の国教でありアルフヘイムの世界宗教である、プネウマ聖教の聖地。
教会はこの世界は太祖神の吐息(プネウマ)によって形作られている――という教義のもと、父なる太祖神に祈りを捧げている。
ブレモンのプレイヤーたちも、ストーリー上重要な役割を果たすかの聖都を訪れたことは必ずあるだろう。
そして、聖都はその名の通り聖属性の総本山でもある。
当然のように、呪詛に対する手段もアルフヘイム随一の数を誇っているだろう。
バロールは魔王であり、その属性は闇。ニヴルヘイムの知識には聡くても、アルフヘイムの聖域の知識に関してはどうか?
もしかしたら、バロールも知らない解呪の最新術式が生まれているかもしれない。
「みんな、次はエーデルグーテに行こう……! ジョンのブラッドラストを治療するには、あそこに行くしかないよ!」
立ち上がり、仲間たちを見回すと、なゆたはそう提案した。
そして、そんななゆたの背を今まで沈黙していた者が後押しする。
《まさか、なゆちゃんの口からその名前が出るとは思わへんかったわ〜。渡りに船、って奴やろか。
さて、頃合いやねぇ。せっかくの祝勝会の中、水を差すようで悪いんやけど……。
そろそろお仕事の話をしてもかまへんやろか〜?
いや、別にみんなはお祝いしてるのにうちだけキングヒルで書類に囲まれとるとか。
いけずやわぁとか、そんなことは全然考えてへんえ?》
『異邦の魔物使い(ブレイブ)』のスマホから音声が聞こえる。みのりの声だ。
「おおっと! 五穀豊穣君のことをすっかり忘れていた!
じゃあ、そろそろ――次のクエストの話をするとしようか。
君たちの新たに向かう場所の話を……ね」
バロールもジョッキを置き、一度咳払いをする。
そんな空気に身を引き締めるように、なゆたもまた居住まいを正した。
《うちも、次はみんなにエーデルグーテまで行ってもらおかと思とってなぁ。
エーデルグーテについては、うちが説明せんでもみんな分かっとるやろ?
ゲームでも一度は行ったことがあると思うんやけど……。万象樹ユグドラエアの麓に位置する、プネウマ聖教の聖地やね》
「みのりさん……。どういうこと?
どっちにしても、わたしたちはエーデルグーテまで行かなくちゃいけないって?」
《せやね。アルフヘイムで戦うなら、聖都のバックアップは不可欠や。
アルメリア王国の影響力は国外では著しく減退してまうけど、プネウマ聖教会の権威は国外でも絶大やからね。
これからはアルメリアの外にも行ってもらわなあかん場合も出てくるし、協力者は多い方がええもんねぇ。
ただ――》
そこまで言って、みのりは言葉を切った。
エーデルグーテまで行く、ということ自体は問題ない。しかし――
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