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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
315
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2020/03/10(火) 19:50:19
そんな、大盛り上がりの祝勝会の中。
明神の左隣には見慣れない少女が座り、ひとつのジョッキを両手で持って静かにエールを飲んでいた。
年齢はなゆたと同じくらいだろうか。腰まである白銀色の長い髪の毛先近くを緩い三つ編みにした、淡い褐色の膚の少女だ。
深い紅色をしたアーモンド形の双眸の、文句なしの美少女である。
臍出しのショート丈半袖トップスにベストを羽織り、ローライズのホットパンツにニーソックスとショートブーツを履いている。
徹底的に軽装なスタイルは斥候(スカウト)や盗賊(シーフ)のようにも見える。
少女はほんの少しだけ横に尖った耳をときどき動かし、ステージの方を眺めてなゆたとマホロの歌声を聴いているようだった。
そして、時折明神の顔を横目でちらりと見ては、すぐに視線をステージの方へ戻す――ということを、ずっと繰り返している。
もちろん、明神にはそんな少女の見覚えなどないだろう。
当然『異邦の魔物使い(ブレイブ)』ではないし、アコライト外郭守備隊は男ばかりだ。
守備隊の関係者という可能性もなくはないが、なぜわざわざ明神の隣に座っているのかという問題がある。
そう。
もう言うまでもなく、この少女は――
「……ボクだよ。ガザーヴァ」
ガザーヴァは視線を逸らすと、ぼそ、と呟くように言った。
ゲームでは幻魔将軍ガザーヴァといえばダークユニサスに跨った黒甲冑の黒騎士、というグラフィックしかなかった。
だから、ガザーヴァの装備する鎧の中身は誰も知らなかったのだ。
「そりゃ脱げるよ。ボクをリビングレザーアーマーやロイヤルガードかなんかだと思ってたのか?
戦いがあるワケでもないのに鎧を着てるなんて、アホ丸出しじゃんか。
パパはガルガンチュアの自分の部屋以外では鎧脱ぐなーって言ってたけど、ガルガンチュアなんて前の周回でなくなったし。
第一、もうパパの命令なんて聞かないもんねーっだ!」
ガザーヴァはベロベロバー、とばかりにバロールに向けて舌を出した。
「なんだよ。悪いかよ。
……似合ってないかよ」
明神の方を向き、軽く下唇を噛んで上目に睨みつける。
ガザーヴァは戦いが終わってすぐにカザハに詰め寄り、自分を『解放(リリース)』させた。
恨み骨髄の相手のパートナーモンスターになるくらいなら死んだ方がマシ、と今でも思っているし、
そもそも一度きりの助力という約束だった。
第一、ガザーヴァはれっきとしたレイド級モンスターである。
もし契約を続けるなら、ただ召喚しているだけでカザハは莫大なコストのクリスタルを支払わなければならない。
といって、普段はスマホの中に待機していて必要なときに召喚――など、ガザーヴァのプライドが許さない。
ガザーヴァに今後も協力してもらうとしたら、契約を解除しフリーにさせるのが最善なのである。
そういう流れで契約が解消され、野良モンスター扱いになっても、ガザーヴァはアコライト外郭を去るようなことはしなかった。
そして、今に至る。
「いやぁ〜、ガザーヴァも帰ってきてくれたし、我々としては嬉しい戦力アップだね!
これもすべて明神君のお陰だとも!
明神君、ふつつかな娘だがよろしく頼むよ! どうか可愛がってやって欲しい!」
「ちょっ! パパ! やめてよねそういうの!
ボクはあくまで、コイツがどうしてもって言うから仕方なく力を貸してやるだけだしー!」
ガタッ! と立ち上がると、ガザーヴァは明神を指さして強弁した。
が、すぐに手を下ろすと微かに頬を赤らめ、
「……セキニン。とってくれるんだろ」
そう、ごくごく小さな声で言った。
バロールの言うとおり、三魔将の一角である幻魔将軍ガザーヴァがアルフヘイム側に付けば、大きな戦力アップになる。
ガザーヴァは外道と卑劣の二文字が人の形を取ったようなキャラクターだが、反面でバロールの忠臣という側面も持つ。
明神がかつてのバロールのようにガザーヴァの心の拠り所となるのなら、決して裏切ることはないだろう。
しかし――大幅な戦力の増強が図れた一方で、新たな懸念材料はまだ厳然とそこに残り続けていた。
……ブラッドラスト。
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