したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

302明神 ◆9EasXbvg42:2020/02/25(火) 23:56:22
とっさに身構えた俺の隣を、何かが擦過していった。
辛うじて目で追えたのは、燐光を帯びた矢のようなもの。
それは帝龍のスマホを刺し貫き、地面へと縫い止める。

「なっ……!?」

スマホを貫通した矢は、やがて光の粒に分解されて消えた。
あとに残ったのは、大穴空いて機能を停止したスマホ。

「スマホを破壊しやがった――?」

ブレイブのスマホは、地球のそれよりも遥かに頑丈に出来ている。
落とそうが投げてぶつけようがそうそう壊れはしないし、水没しても影響はない。
エンバースのスマホは画面こそバキバキだが、機能自体はちゃんと動いてる。

そのスマホを、こうも容易く貫通した、出どころ不明の矢。
どうなってやがる。魔力が切れたら防護機能も働かないってことか?
いや、それよりも。そんなことよりも!

撃ち込まれた矢は、物理的なものじゃない。
魔力を矢状に固めて撃ち放つ、攻撃魔法の類だ。

そして俺は知っている。
音律を矢として放つ、音速の魔法武器を。
この見通しの良い戦場で、見えないような距離からスマホを射抜く、超絶技巧の射手の存在を。

「こいつは、狼咆琴(ブラックロア)……!
 そうか、カテ公が死んでねえなら、あいつも生きてておかしくねえよな……!」

――十二階梯の継承者、第十階梯"詩学の"マリスエリス。
音律を矢に変える『狼咆琴』で千里先の敵も撃ち抜く、吟遊のスナイパー。
ゲーム本編ではバロールによるキングヒル強襲の際に、エカテリーナと共に死んだNPCだ。

カテ公が生きてリバティウムを彷徨いてたように、マリスエリスもまた、この時間軸では生きている。
だけど何だって、顔も見せようとしない?筆頭のバロールがすぐ傍に居るってのに。
マリスエリスの加勢があったら、この戦いだってもっと楽にことを運べただろうに。

>『バカな、継承者どもはそんなこと一言も……!?』

忘れ去ってた帝龍の言葉が、今更脳裏に蘇る。
あの時の帝龍の言い草は、まるで継承者が味方についているかのようだった。
スマホを狙撃したのも、『鹵獲の防止』――つまりは俺達に対する妨害工作ととることもできる。

「どういうことだ、バロール」

『導きの指鎖』で第二撃を警戒しつつ、俺は筆頭弟子に問い質した。

「マリスエリスは、十二階梯は!お前のお仲間じゃねえのかよ……!」


【アコライトへの帰還を提案。エリにゃんの狙撃についてバロールに詰問】


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板