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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

300明神 ◆9EasXbvg42:2020/02/25(火) 23:49:44
>「いっっっっっっけぇぇぇぇぇぇぇぇ―――――――――――――――ッ!!!!」

ブレスの勢いが目に見えて衰えているのは、アジ公のダメージが回復しきってないからだろう。
ジョンとエンバース、そしてマホたんが与えた痛打は、超レイドの巨躯すら機能不全に陥らせた。
ツイストする流星はブレスを容易く切り裂き、中枢神経へと直撃する。

>「この! 帝龍がァァァァァァァァァァァァ――――――――――――――――――――――――――ッ!!!!」

――貫いた。ぶつかり合って、色が弾けた。
白と黒の稲光はアジ・ダカーハの巨体を縦横無尽に這い回り、切り裂き、破壊する。
傷口から光が溢れ出て、まるでトランプタワーが瓦解するように、巨竜が崩壊していく。

ブレイブ&モンスターズにおいて、プレイヤーが持ちうる最強最大の戦力。
レイド級が百体束になってもおよそ比肩し得ない、究極の存在。
――超レイド級、アジ・ダカーハ。

タイラントのような不完全な状態でも、ミドガルズオルムのような供給途絶でもなく。
完全体の超レイド級が、崩れ落ちていく。
俺達が、打倒した。

支えを失った帝龍が墜落していく。
ポヨリンさんがその落下地点で待ち構えて、身柄を確保した。
これで終わりだ。煌帝龍の制圧、アコライト防衛戦の勝利条件は、満たされた。

>「これを……みんなに。あの二人はきっと……絶対……生きてるから……。
 ボクはちょっと……疲れた……」

隣にふわりと降りてきたカケル君の背で、呻くようにカザハ君が呟く。
差し出されたカードは『癒しの旋風』、全体回復のスペルだ。

「了解。お前も来いよ、範囲ヒールから漏れるとかヒーラー激おこやぞ」

カケル君と連れ立ってなゆたちゃん達のもとへ合流する。

「焼死体、お前その身体……何がどうなってんだ」

エンバースは元の姿をほとんど残していなかった。
白の甲冑姿。何度かスマホから顔出してた、こいつのパートナーを彷彿とさせる姿。
元の焼け焦げた死体は、大部分が鎧に置換されている。

イメチェンにしたって面影ぴくちり残ってねえのはどうかと思いますよ俺は。
もう別キャラじゃんこれ。むしろ俺よくこいつが焼死体だってわかったな。
ひび割れたスマホくらいしか共通点がない。

「ジョン!戻ってこいよ!戦闘は終わった。……俺達の勝ちだ!」

カザハ君から受け取った回復スペルを行使しつつ、ジョンに呼びかける。
アジ・ダカーハの首が一本吹っ飛んでたのは、多分こいつの仕業だ。
手元にある巨大な剣。バルゴスの大剣より遥かに大きなそれは、どう考えても人間の振るう武器じゃない。


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