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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
284
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2020/02/13(木) 19:06:34
>――俺が今からする事も、そうだ。俺が、こうするしかないと考える俺の為に、そうするんだ
>マホたんは、お前達を守ろうとしたんだ。マホたんの望みは、お前が継ぐんだ
>俺の望みも、お前が継いでくれ――死ぬな。それと、フラウを頼む
「……エンバース……? 待って、あなた一体なにを――」
エンバースの言っていることが、咄嗟には理解できない。なゆたは涙を拭うことも忘れ、立ち上がったエンバースを見上げた。
>――残念だ、明神さん。時間切れだ。プランBを実行する
エンバースの全身を、闇色の炎が彩る。
それはただ身に纏っているだけの、自身の属性を現すエフェクト――という訳ではない。実際に燃えている。
燃え滓のようなエンバース自身の肉体を、さらに跡形もなく燃やし尽くすかのように。
「エンバース……待って! 待ってよ……!」
彼の発した言葉は、別れの言葉か。
想いを継ぐ。望みを継ぐ。それは、もう自分が望みを遂げられないと。そう思うがゆえの懇願であろう。
だとしたら――
>僕が帝龍の気をできる限り引く・・だから・・・なゆを頼む
エンバースに競るように、ジョンもまた巨大な邪竜と対峙する。
ジョンもマホロやエンバースと同じだ。これからの活路を開くため――自分自身を犠牲にしようとしている。
それが、なゆたには理解できない。
戦いは生き残らなければ意味がない。死んでしまっては元も子もない。
命は、生きていてこそ光り輝くものだ。どんな理由があっても――
死んでしまっては、そこでおしまいなのに。
>これが・・・僕達の力・・・いくぞ部長・・・ライドオオオオオオン!
先に動いたのは、ジョンだった。何を思ったのか部長の上に無理矢理またがると、驚くべき速さで邪竜へ突進してゆく。
だが、行動不能に陥っているとはいえ半端な攻撃ではアジ・ダハーカにダメージを与えることはできない。
もともと、弱点以外はほぼ無敵と言っていい超レイド級だ。
>部長!飛べ!
部長が高く跳躍する。ジョンを乗せているというのに、まったくその行動には遜色がないようだ。
ジョンと部長は帝龍へと迫った。が、三本首の一本がその行く手を阻む。スタン状態で能動的な攻撃はできずとも、防御はできる。
大顎を開き、アジ・ダハーカはその鋭い牙でジョンたちを噛み砕こうとした。
しかし。
>破城剣!
ジョンはインベントリから6メートルはあろうかという武器を取り出した。
それは剣と言うにはあまりにも大きすぎた。
大きく、ぶ厚く、重く、そして大雑把すぎた。
それは正に鉄塊だった。
破城剣――そんな名前の武具を手に、ジョンは部長を蹴って跳躍しアジ・ダハーカへと吶喊した。
自殺行為だ。空を飛べないジョンは部長の助けなくして空中での軌道を制御できないし、あとは落下していくしかない。
下方ではアジ・ダハーカの中央の首が大口を開けて待ち構えている。
このままでは、ジョンは呆気なく食べられてしまうだろう。
と、思ったが。
>雄鶏乃怒雷プレイ!!
部長の口から雷撃が迸り、アジ・ダハーカに直撃する。――むろんダメージはない。
しかし、その代わりアジ・ダハーカの身を鎧っている永続バフのひとつが無効化される。
>雄鶏乃怒雷プレイ!!
さらに、もう一度。邪竜の強みである堅牢さが、瞬く間に色あせてゆく。
「ぐおおおお! アジ・ダハーカ! 殺せええええええ!!!」
帝龍が叫ぶ。アジ・ダハーカがそれに応え、喉奥で破壊の吐息をチャージし始める。
が、遅い。
>うおおおおおおおおお!!!
ジョンは雄叫びを上げた。とうてい人間の発するもののようには聞こえない、狂戦士の咆哮だった。
破城剣が邪竜の顔面にめり込み、中央から真っ二つに斬り裂いてゆく。
さらに三度目の雄鶏乃怒雷によってバフを根こそぎ剥がされ、駄目押しとばかりに雷の剣によって首の一本が切断される。
「グギョォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォン!!!!!」
どどう……と轟音を立て、唐竹割りされ半ばから切断されたアジ・ダハーカの中央の首が地面に落ちる。
かつてない痛みを感じてか、残り二本の首は甲高い悲鳴を上げた。
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