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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
281
:
embers
◆5WH73DXszU
:2020/02/08(土) 06:38:16
【ジ・オンリー・ウェイ(Ⅰ)】
『……そ……んな……
ぎこちない……笑顔じゃ、ノンノン……です……ょ……』
天空に紅い花が咲いて、瞬きの間に散った。
ユメミマホロは死んだ――戦略上、不可欠な死だった。
ガザ―ヴァの籠絡と、それに伴う制御可能な風属性の、大火力の確保。
それを成功させる為の時間稼ぎとして、最も適任だったのが、ユメミマホロだった。
『……ぅ……、うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……あああああああああああああああああ……!!!』
「泣くな、モンデンキント」
その行動の合理性を理解していたが故に、焼死体は冷静だった。
崩れ落ちて慟哭する少女に目線を合わせ、両手で肩を掴む。
「しっかりしろ……いいか。あいつは、自分の為に死んだんだ。
俺達を守る為に、あの兵士達を守る為に、命を懸けてもいい。
そう考える自分の為、自分の望みの為に、ああしたんだ――」
焼死体が言い聞かせる言葉――それは慰めではなかった。
「――俺が今からする事も、そうだ。俺が、こうするしかないと考える俺の為に、そうするんだ」
それは――言い訳だった。
「マホたんは、お前達を守ろうとしたんだ。マホたんの望みは、お前が継ぐんだ」
自分が今から、打ち砕かれた少女の願いを、更に踏みにじる事への。
「俺の望みも、お前が継いでくれ――死ぬな。それと、フラウを頼む」」
焼死体が立ち上がる/一歩前へ踏み出す。
「――残念だ、明神さん。時間切れだ。プランBを実行する」
黒焦げた五体が纏う闇色の炎が、業火の如く燃え盛っていた。
自分自身の未練/執念/愛着に灼かれて、焼死体の全身が灰と化していく。
初手で使用した【蓋のない落とし穴】、そこから昇る熱波が、灰を上空へ巻き上げる。
『僕が帝龍の気をできる限り引く・・だから・・・なゆを頼む』
「……仲間を守るのは、タンクの仕事だ。そんな頼み事はこれっきりにしてくれ」
『そしてなゆと・・・いっしょにアジダハーカを倒してくれ』
「ああ、そうだな。万が一、俺が仕損じたら……後は、お前がやるんだ。モンデンキント」
『それじゃあ・・・頼んだよ・・・なゆの騎士様』
「はは……そのネタ、気に入ってるのか?俺を見ろよ。どう見たって、そんなキャラじゃないだろ」
風が吹き荒れる/地の底から立ち昇る熱風が――『渦を巻いて』いた。
焼死体の右手がスマホに触れる――その全身が更に激しく燃え上がる。
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