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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

270明神 ◆9EasXbvg42:2020/02/03(月) 02:07:02
どう転べばこいつが幸せになれるか分からない。幸せにしてやる義理もない。
ただ、それでも。ここで見送れば、俺がもう一度会いたかった幻魔将軍は、何かが決定的に変わってしまう。

パパの顔色伺いながら、ブレイブの走狗として使い潰されるこいつの姿なんか、俺は見たくない。
絶望のままにカザハ君を乗っ取って、劣化コピーに成り下がる姿も見たくない。
俺達が愛したブレモンを、こんな形で歪ませたくないんだ。

気付けば、手汗が滴るくらい拳を握っていた。
こいつを振り下ろすべき場所は、一体どこにある。

>「グルルルルァオオオオオオオオオオオオオオオオ―――――――――――――ン!!!!!!」

不意に、胃袋を丸ごとひっくり返すような大音声が響いた。
咆哮。その出処は、タイマンフィールドにマホたんごと囚われたアジ・ダカーハだ。

ただでさえ圧倒的な巨躯を誇る邪竜が、更に大きく膨れ上がっていた。
全身を走る血管が太く浮き上がり、早鐘のように脈動する。
その身を覆う暗褐色のオーラははち切れんばかりに湧き上がる。

何が起こった?帝龍の野郎、まだなにかパワーアップの手段を残してやがったのか?
だが神の領域に踏み込んだしもべを目にして、帝龍の表情からは薄ら笑いが失せていた。

>「ぉ、ぐ……ゥッ……!?」

胸を抑えて苦しむ姿に、これまでの揶揄するような余裕はない。
まるで、予期せぬ負荷に見舞われたかのように。

>「思った通りね……帝龍!」
>「これ……これは、いったい……? 何をした、ユメミマホロォォォ……!」

マホたんが何か、帝龍が予想だにしない手段を講じた。
その結果としてアジ・ダカーハがさらに強化され、帝龍は負荷に苦しんでいる。
思い当たる理由は一つしかなかった。

マホたんには一つだけ、敵も味方も問わずに対象を超強化するスキルがある。
――『戦乙女の接吻』。永続的なパラメータの大幅上昇。
そいつを……まさか、アジ・ダカーハ相手に使ったってのか?

その意図も、王都での決闘を経た今の俺には分かる。
なゆたちゃんはあの時、五月雨撃ち以外に直接攻撃を受けてないにも関わらず、決着の際にはぶっ倒れるギリギリだった。
ゴッドポヨリンさんと、アブホース。二つのレイド級を一つのバトルで連続行使したからだ。
強力なモンスターを操るには、クリスタル以外にも体力を消耗する。

つまり、マホたんは――
『接吻でアジ・ダカーハを強化し、操るブレイブの消費体力を一気に引き上げた』。
結果は見ての通りだ。帝龍は血反吐を吐きながら、自身を襲う強烈な負荷に喘いでいる。

「ふはっ、ふはは……マジかよ!なんぼなんでも掟破りが過ぎるぜ、マホたん……!」

一度限りの接吻。
それを使う機会があるとすれば、ジョンの言う通り味方の強化に消費するのがセオリーのはずだ。
だが、アジ・ダカーハ相手に所詮一人だけの超強化じゃ暖簾に腕押しにもなりやしなかったろう。

強すぎて手を出せない超レイド級が相手なら――。
ユニットの消費コストをさらに引き上げて、まともに運用出来なくすれば良い。
対ブレイブ戦だからこそ出来る、発想の逆転。誰も真似できない規格外の搦め手だ――!


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