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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

268明神 ◆9EasXbvg42:2020/02/03(月) 02:04:43
差し出した右手。
これをガザーヴァが取るのなら、俺はこいつの未来を阻む万難に挑もう。
全ては、幻魔将軍ガザーヴァを――『ブレイブ&モンスターズ』を、取り戻す為。
そう決めていた。

>「ボクを……取り戻す……」

人心を擽る傾奇者のガワはとうに消え失せ、ガザーヴァは小鳥のように震える。
こいつが本当に望んでいたものが何なのか、俺には計り知ることは出来ないが……。
それでも、垣間見えた希望にガザーヴァが心を揺り動かしているのは、なんとなくわかった。

>「ボクは……どうすればいいの……?」

「……どうもこうもねえよ。選択肢は示した。根拠も添えた。あとはお前が、自分で決めろ」

>「簡単な話さ。私たちに力を貸しなさい、ガザーヴァ」

――その時。俺の後ろからあの癪に障るイケボが聞こえてきた。
バロールだ。カケル君の背から典雅に地上に舞い降りた元魔王が、俺の隣に立つ。

>「久しぶりだね、ガザーヴァ。……元気そうで何よりだ」

……こいつ、何しに出てきやがった。
ガザーヴァを見限り、絶望のまま見殺しにした記憶はこいつにもあるはずだ。
またぞろ顔出せば、確実に話が拗れると、理解してないわけがない。

――>『バロールのことが信用できないからよ』

否が応にもマホたんの声がフラッシュバックする。
美貌に張り付いた微笑みが、その下のどんな表情を覆い隠しているのか。
ピリついた気配は多分、ガザーヴァのものだけじゃない。

>「なぜって、決まっているだろう? 君を勧誘しに来たのさ。
 それにしても明神君、さっきのセリフは酷いなぁ! 私のセンスが最悪だって? いやいやそんなことはないさ!
 ガザーヴァはカザハ――の前世のシルヴェストルを色以外は忠実に再現したコピーだ。
 カワイイだろ? 花のように愛らしいとはこのことだ、黒薔薇のように淫靡なところもまたグッドセンス!」

満を持してご登場した元魔王様は、相変わらず口から戯言を垂れ流す。
淫靡て。また性癖の話っすか?ちょっとぼくついていけませんねぇ。

「うるせぇよ、要は色変えただけのパクリなんじゃねえか。微妙に再現し切れてねえしさぁ。
 なんで黒くしちゃったの?オリジナリティ出してんじゃねえよそんなところで」

……ちょっと待て、コピー?
ガザーヴァって元から黒いシルヴェストルだったの?
あの鎧の中身がどんな姿なのか、俺は知らない。グラフィックが未実装だったからだ。
ゲームのガザーヴァは死ぬまで鎧を着込んだままで……そういうもんだと思ってた。

>「まぁ、私のセンスについてはすべてが終わってから夜通し討論するとして。
 今は君だ……ガザーヴァ。君がうんと言うのなら、明神君の言うとおり君の新たな肉体を用意しよう。
 というか――実は、もう用意してあったりするんだな。これが!」

バロールは杖を振るう。例の中継映像魔法が発動する。
映し出されたのは、どくんどくんと脈打つ謎の臓物が部屋の中央に鎮座する、マッドな光景。
臓物は……たぶん、子宮だ。中には赤ん坊みたいな物体が逆さまになって浮いている。

>「そうだ。君の身体だ……もちろん、ガーゴイルの分も用意してある。
 もう一度言うよ、ガザーヴァ……私たちに力を貸しなさい。かつてのように――
 私たちには君の力が必要だ。もう二度と、以前の失敗を繰り返してはならないんだよ」


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