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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

262崇月院なゆた ◆POYO/UwNZg:2020/01/28(火) 21:23:07
右腕以外の四肢を失い、黒く燃え残ったマホロは、そこへと真っ逆様に落ちてゆく。
城壁で見せたような、墜落寸前で翼を展開するようなサプライズはない。正真正銘の身投げだ。
墜ちてゆく途中で、ほんの僅か。霞む視界の先に、泣きそうな顔の『異邦の魔物使い(ブレイブ)』たちが見えた気がした。

「……そ……んな……
 ぎこちない……笑顔じゃ、ノンノン……です……ょ……」

マホロの代表曲、『ぐ〜っと☆グッドスマイル』。
割れた唇でそのサビのフレーズを小さく呟くと、それを最後に目を閉じたマホロは魔皇竜の中枢神経の真上に墜落した。
その瞬間、マホロの持つ最後のスペルカードが効果を発揮する。
網膜を灼く閃光。耳をつんざく轟音。夥しいまでの爆発――

ドガァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァンッ!!!!!!

スペルカード『自爆(サヨナラテンサン)』。その名の通り、自分の命と引き換えに敵に大ダメージを与える魔法だ。
各種バフによる『大聖撃(アーク・スマイト)』。『活火山島の神息(ボルカニック・ゴッド・ブレス)』から取ったカウンター。
それらの攻撃力を限界まで上乗せした、マホロの正真正銘最期の攻撃。

「ギョオオオオオオオオオオオオオオオオオオン!!!」

アジ・ダハーカが、今までどんな攻撃にも怯まなかった魔皇竜が絶叫を上げる。
見れば、中枢神経を覆っていた強固な鱗と皮膚がごっそりと抉れ、
脳のようにも見えるピンク色の中枢神経が剥き出しになっている。今なら、攻撃も通ることだろう。

しかし――

「……ぅ……、うぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……あああああああああああああああああ……!!!」

なゆたはその場にがっくりと両膝を突き、辺り憚らず慟哭した。







ユメミマホロは、死んだ。
同志であるなゆたたち、アルフヘイムの『異邦の魔物使い(ブレイブ)』を。ファンであるアコライト外郭守備隊を。
自分の大好きな、かけがえのない生命を守るため……その命を散らした。

しばしの間を置いて、明神の前にひら……と一枚の羽根が舞い降りる。
血と埃に汚れ、煤けて、元の美しい白さをすっかり失ってしまっているものの――それは、確かに。
ユメミマホロという少女が、この場所に存在したことの証だった。

「ぐ……ぉ、どこまでも……この俺に逆らいやがる……あのスベタがぁぁ!」

帝龍が呻く。が、その言葉にも表情にも既に余裕はない。
体力の消耗が激しく、残り時間は少ない。帝龍も疲労しているのだ。ならば――


この戦いに決着をつけるのは、今しかない。


【バロール、ガザーヴァ説得に失敗。
 ユメミマホロ死亡。マホロの死によって『河原へ行こうぜ!(オマエモナカナカヤルナ)』の効果消滅。
 アジ・ダハーカは接吻によりATKが従来の1.5倍になるも、弱点が剥き出しの状態。
 中枢神経の防御力は0だがHPが多いため単独での攻撃は非推奨。】


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