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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
254
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2020/01/28(火) 20:52:19
ボクの一番最初の記憶は、あのひとの微笑みから始まる。
「――やあ。初めまして……私は。君のパパだよ」
「……ぱ……
…………ぱ…………」
母の胎内のような保育嚢から出て、初めてボクが口にした言葉がそれだった。
彼はボクに穏やかな笑顔を向けると、培養液まみれでずぶ濡れのボクを自分の衣服が濡れるのも構わず抱きしめてくれた。
温かだった。柔らかかった。トクントクンって、心臓の音が聞こえた。
……このひとが、ボクのパパ。ボクの家族。
ボクの大切なひと。
ボクは、このひとに産んでもらったんだ――
「パパ!」
「パパーっ! えへへ」
「……パパのばか」
「パパ……!」
「パパ! だぁ〜い好き!」
長い長い時間、ボクはパパと一緒に過ごした。
パパと一緒に、甘いお菓子を食べた。パパの膝におすわりして、絵本を読んでもらった。
手をつないでお散歩に行った。ひとつのベッドで、一緒に眠った。
……幸せだった。
ボクはこのひとの娘。ボクは、このひとにとてもとても愛されている。
まるで万華鏡のようにきらきらと輝くパパの虹色の瞳が、ボクは本当に好きだった。
このひとの言うことならば、ボクはなんだってしよう。どんな汚名だってかぶってやろう。
だって。
ボクには、このひとさえいればいい。このひとの愛さえ手に入るならば、他なんていらない。
他の生き物に価値なんてない。ボクは――
……ボクは。
だから、パパに黒い甲冑を纏って戦えと言われたときも、一も二もなく従った。
相棒のガーゴイルに跨って、ありとあらゆることをやった。集落を、村を、街を、国を破壊した。
人を殺した。ヒュームを、エルフを、ドワーフを、ホビットを、メロウを。
殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して。
殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して。
殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して、殺して。
殺して、殺して、殺して、殺して、殺しまくった。
街を燃やして、魔獣たちを解き放って、アルフヘイムの住人に苦悶の末の死を撒き散らす。
そうすると、パパは褒めてくれた。ボクの頭を撫でて、決まってこう言ってくれたんだ。
「よくやったね」
って。
「君は本当にいい子だ」
って――。
なのに。
「あれは失敗作だったよ、イブリース」
「どういうことだ? 魔王――」
「所詮、コピーはコピーだ。オリジナルではない……残念だが実験は失敗と言うしかないな。
やはり、オリジナルを手に入れなければ。他のシルヴェストルでは駄目らしい」
……ボクが……失敗作……?
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