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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
241
:
ガザーヴァ
◆92JgSYOZkQ
:2020/01/22(水) 01:48:58
「お前の狙いは大体わかってる。
バロールをダシに説得しようったって無駄だよ。ボクはもう誰にも傅く気は無いのさ――
アイツはボクをこき使うだけ使って捨てたんだ。君達もよく考えた方がいいよ?
人使い荒いしいっつも菓子ばっか食ってるしセンス悪いし寝言ヤバイし!?
ニヴルヘイムの方が今はアイツが取り仕切ってないからどっちかっつーとホワイトなんじゃないかな?
あっ、どうせ全員あのデカブツにやられて死ぬから今更か!」
ボクは気付いた時にはバロール様に仕える者として存在していて、自分が何者なのか分からなかった。
友達も仲間もおらず、それでも主君であるバロール様と、相棒として宛がわれたダークユニサス(ガーゴイルと名付けた)がいた。
そして、バロール様の寵愛を一身に受けていて、何も不満は無かった。
彼は主君であると同時に、父であり、兄であり、恋人のような存在だった。
ボクはバロール様の言う事にひたすら忠実に従った。
バロール様が言うにはこの世界のためだというそれは一般的な感覚から見ると
かなり悪いことをやっているらしかったが、別に気にしなかった。
言う通りに出来たらバロール様が褒めてくれるから。
どうせやるなら楽しい方がいいに決まってる、ということで趣向を凝らして大量破壊や大量虐殺を重ねた。
そんなボクの態度をイブリースは気に入らなかったらしいが、よく意味が分からなかった。
楽し気にやっても真面目にやっても結果は一緒だ。どっちにしろ死んだ人は生き返らない。
そうしてボクは極悪非道の人格破綻者として敵からも味方からも恐れられるようになった。
ああそうだ、その通りだ――最凶の幻魔将軍を制御できるのはバロール様ただ一人さ。
でもボクは気が付いていなかった、いや、気付かない振りをしていた。
ボクを見るバロール様の瞳が、本当はボクを映していないことに。ボクを通して、他の誰かを見ていることに――
そして――運命の日。ボクの前に能天気な顔をしたシルヴェストルが現れた。
平和ボケしたムカつく奴だったが、それはどうでもいい。
問題はそいつの外見がまんまボクの色違いバージョンだったってことだ。
夜の闇のような漆黒の瞳と髪の代わりに、エメラルドの瞳に風渡る草原のような薄緑の髪。
オマケにガーゴイルをそのまんま白くしたようなユニサスもいた。
それまで気付かない振りをしていた疑念が一気に噴出した。
そしてボクは開けてはいけないパンドラの箱を開けてしまった――バロール様を問い詰めた。
観念したバロール様は語った。彼女らがオリジナルで、ボクらはそのコピーだと。
バロール様が本当に愛しているのは、ボクじゃなくてそいつだった。
ボクは生まれて初めての渇望に身を焦がした。欲しい、欲しい、その身体が、欲しい――!
そして――アコライト跡地での決戦。ボク達は互いに運命に導かれるように一歩も引かずに戦い、共に散った。
こんなところで終われない、今度こそバロール様の役に立ちたい――その一心で、ボクはシルヴェストルに取引を持ち掛けた。
ボクの原型だけあって、消滅間際のボクの取引に、幸いそいつは乗ってきた。
それでも分の悪い取引だった。オリジナルとコピーじゃオリジナルの方が存在としての力が強いに決まっている。
カザハの意識の奥底に潜伏して気取られぬままじわじわ乗っ取ろうと思っていたが、なかなかどうして乗っ取らせてくれない。
このままでは遠からず消滅する――それを悟ったボクは賭けに出た。
ボクの存在をカザハに認識させることは、うまくいけば存在を確立できる反面、拒絶されて消滅させられるリスクも伴う。
そこでハッタリを駆使してカザハに“このままじゃ遠からず乗っ取られる”と思わせた。
突然バカでかいドラゴンが出てきた状況も味方し、カザハはボクの力を駆使しての特攻を選んでくれた。
……ちょっと無茶し過ぎだけど、おかげでもう一息で復活できる。
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