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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

232崇月院なゆた ◆POYO/UwNZg:2020/01/20(月) 21:59:53
>なゆ、この状況でも逃げないなんて君はやっぱり最高に勇者だね! でも、少しは自分を大事にしてね。死んだら元も子もないんだからさ

なゆたへの言葉を皮切りに、カザハはパーティーのメンバーひとりひとりに声をかけてゆく。
驚きに目を瞠り、奥歯を噛みしめながら、なゆたはその声を聞いた。
それはまるで、いや、まるっきり。
今生の別れの言葉のような――

>このブレスが止んだらボクは幻魔将軍ガザーヴァだ。もし命乞いしても騙されちゃいけない
>君達に会えてよかった。本当にありがとう

「……待って、カザ――」

なゆたは右手を伸ばし、カザハを止めようとした。
だが、覚悟を決めたシルヴェストルを止めることなど、出来ようはずもない。

>自由の翼《フライト》――風精王の被造物《エアリアルウェポン》!

カザハは精霊樹の木槍を触媒として、巨大な鎌を作り出すとアジ・ダハーカに吶喊した。
カザハの機動力の要であるカケルはいない。なゆたが穴に落ちている間に、カザハの命令でバロールの許へ飛んだのだ。
しかし、それでもカザハは身軽に立ち回り、アジ・ダハーカの巨体に当たるを幸い攻撃を繰り出してゆく。

>アコライトなんてさっさと潰しちゃえばいいのにマホたんが欲しいとか言ってダラダラしてさぁ、ぶっちゃけニヴルヘイムへの忠誠心0っしょ!
 ってなわけで危険因子は早めに潰しとかないとね! アルフヘイムのザコブレイブ共なんていつでも潰せるし?

「……ハァ? 何を言っているアル?
 ニヴルヘイムへの忠誠心? そんなもの、ワタシが持っているとでも思ったアルか?
 連中はあくまでビジネスパートナーアル。ワタシがこのアルフヘイムに覇を唱えるための……アルネ!」

宙に浮かんでカザハの言葉を聞いた帝龍がせせら笑う。

「ワタシはこの世界でも金を稼ぐアル。アルフヘイムだけではない、ニヴルヘイムでも!
 この世界は素晴らしいアル! 地球にはない知識、魔法、アイテム、資源!
 今、ワタシの頭の中には新たな金儲けのアイデアが無尽蔵に湧き出しているアル……! そのすべてを使い、金を手に入れる!
 ルピを! クリスタルを! この世界の富の全てを手に入れるアル――!!」

帝龍は両手を大きく開いて哄笑した。
地球で帝龍は世界的企業・帝龍有限公司のCEOとして、まさに巨万の富を稼ぎ出していた。
その栄耀栄華を、今度は異世界アルフヘイムで再現しようとしている。
この世界にあるありとあらゆる価値あるものを、根こそぎ手に入れようとしている。
それこそが帝龍の目的。ニヴルヘイムに与している理由だった。

「マホロもワタシにとっては商材のひとつに他ならないアル。
 マホロの歌声は万人を魅了する……地球でそれは実証済みアル、ならば! アルフヘイムで通じるのも間違いない!
 ワタシがスポンサーとなり、ヒュームを! エルフを! ドワーフを! すべての生命を魅了する歌姫にしてやるアル!
 そうすれば……ワタシはもっともっと金を手に入れられる……!
 マホロ! オマエは金の卵を産む牝鶏アルヨ! 死ぬまでワタシのために卵を! 富を! 生み続けるアル!!
 くふはははははははははははは―――――――ッ!!!!」

そう。
帝龍はユメミマホロのファンでも何でもない。
ただ単に、マホロのアイドル性。姿、歌声、存在そのものが『金になる』から。
我が物としておきたかっただけなのだ――商品として。

「だが、薄汚いシルヴェストル……オマエに商品価値はないアル!
 蚊トンボが……いつまでも神の面前を! ブンブンと飛び回っているんじゃないアルヨ!!」

グオッ!!

アジ・ダハーカの三本首が猛烈な速さでカザハを狙う。
魔皇竜がまだ本気を出していないことは明らかだ。――というのに、カザハはみるみるうちに傷ついてゆく。
幻魔将軍の加勢をもってしても、力の差は歴然だった。


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