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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
230
:
embers
◆5WH73DXszU
:2020/01/20(月) 01:26:35
【プラン・バッドエンド(Ⅲ)】
『みんな――防御して!!』
「言われるまでもなく、誰だってそうする――口を閉じてろ」
解き放たれる魔皇竜の息吹/地表から、焼死体と少女の姿が消える。
圧倒的な熱量によって、肉片も残さず蒸散した――訳では、ない。
【蓋のない落とし穴(ルーザー・ルート) ……フィールドを縦断、または横断する大穴を生成する。落下すると炎属性の継続ダメージを受ける。
――敗者と、行く手を阻む断崖。その先に業火が待ち受けると知っていても、もう、他に道はない――】
スペルカードにより形成された大地の裂け目に、落下したのだ。
直後、スマホから白閃が奔る/絶壁を貫通/潜行/それを繰り返す。
即席のプラットフォームが織成され、焼死体がそこに着地する。
〈――私を踏みつけにする気分はどうです?楽しいですか?〉
「姫騎士装備で踏みつけにされる気分はどうだ?楽しいか?」
地上を見上げる――明神、ジョン、カザハがブレスを防御出来ているかは、祈るしかない。
だが――何か、様子がおかしいと焼死体は気づいた/細く狭い空の向こうに、何かが見える。
『風の防壁《ミサイルプロテクション》!』
『やめろ、それ以上力を使うなカザハ君!体真っ黒になってんぞ!!』
「……あのブレスを、防いでいるのか?まさか……いや、フラウ」
半信半疑ながら、焼死体はパートナーの名を呼ぶ/意思疎通はそれで十分。
伸長した触手が急速に収縮/その反動が焼死体と少女を地上へ投げ出す。
『ボクは昔罪を犯した――罠と分かりきってる幻魔将軍の甘言に乗ってしまった。
ううん、世界に干渉すべきでない種でありながら世界を救おうなんて思ってしまったこと――それが間違いの始まりだったんだ』
「……滑り芸の次は、厨二病か?」
『エンバースさん、そんな全てを諦めたような顔してちゃ駄目! 死んでるけど生きてるんだから!』
「ああ、そうだな――お前の頭の痛い発言を聞いていると、全てを諦めたくもなるさ」
『このブレスが止んだらボクは幻魔将軍ガザーヴァだ。もし命乞いしても騙されちゃいけない』
「……なんだ。全てを諦めてるのは、お前の方か?
今のは……今までで一番、つまらなかったぜ。
あんたも、そう思うだろ。なあ――」
『――ふざっけんじゃねえええええええええっ!!!!』
『うんざりなんだよ!裏切んのも、裏切られんのも!!
どいつもこいつもしたり顔で訳わかんねえ納得の仕方しやがって!』
「そうだ。あんたは間違っていない――あらゆる意味でな」
『今"そこ"に居るのがカザハ君かガザーヴァか知らねえが、どっちだろうが死なせはしねえ。
お前にも殺させはしねえよジョン。あいつには絶対に、世界救う瞬間を見届けさせる』
「制御可能な風属性は、必ず必要になる――明神さん!プランAは、あんたに任せたぞ!」
焼死体がスマホを操作/再び大地に走る、長大な裂け目。
今度は――アジ・ダハーカの両前足を、落とし込むように。
上手く行けば、魔皇竜は己の自重で下顎を強打される事になる。
「俺は――プランBになる。誰も、死なせはしない」
己に言い聞かせる誓いの言葉/未練に、執着に、薪を焚べる。
死霊/悪霊の領域へと――敢えて一歩、足を踏み入れる。
プランBの遂行には、その最奥へ至る必要があった。
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