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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

217明神 ◆9EasXbvg42:2020/01/14(火) 03:10:44
「アコライトに駐留してたマホたんですら、アジ公の存在は噂程度にしか聞いてなかった。
 示威行為って点じゃこれ以上ない適任のアジ・ダカーハを、帝龍が伏せ続けてきたのはなんでだ?
 あの傲慢な帝王が、ロイヤルガードを落とすまでアの字も出さなかったのには、理由があるはずだ」

わざわざアコライトを包囲せんでも、アジ公一匹見せれば即日無血開城だっただろう。
クリスタルの消耗が激しいから。これも大きな理由になり得る。
奴の懐事情を推測して魔力切れによる撤退を狙う――って戦術も使えなくはない。

ついでに言えば、これまで出し惜しんでたことで、帝龍自体アジ・ダカーハの操作に習熟してない可能性もある。
3つのATBゲージを同時に扱うのは一朝一夕で出来ることじゃない。
召喚するだけで大量のクリスタルを浪費する超レイド級を、練習の為だけに召喚するとは考えづらい。
現に、ガザーヴァの力があるとはいえ、カザハ君単独でアジ公との攻防が成り立っている。

「無限湧きのトカゲ共っつう邪魔は入るにしても、防御スペルをうまく使えば食い下がることは出来るはずだ。
 ブラフとハッタリでカタに嵌めて、対人戦の真髄を教えてやる。
 あの腐れドラゴンを振り回して疲れさせて、帝龍のお財布を空っぽにする。これが俺の第一案」

アジ・ダカーハと対峙するガザーヴァに視線を投げる。
両者は幾度となく小競り合いを繰り返すが、少しずつガザーヴァが押され始めている。
レベル差が大きすぎる。早晩、削りきられるだろう。

「……バロールが魔王にならなかったこの時間軸で、幻魔将軍ガザーヴァは誰に忠誠を誓ってるんだろうな」

ゲーム本編では、ガザーヴァは敵味方関係なく引っ掻き回すトリックスターだったが、
唯一魔王バロールにだけは忠実に従っていた。死ぬまで、そのスタンスを崩すことはなかった。
虚実織り交ぜた言動で身の回りのすべてを翻弄しつつも、忠義だけは確かな真実だった。

だが、魔王バロールはこの世界にはいない。ローウェルは未だに存命だ。
ガザーヴァが傅く相手によって善にも悪にも転ぶのだとすれば、
忠義の置き場を失った今、あいつはどちら側とも言えない中途半端な存在だ。


「――第二案は。ガザーヴァを、内応させる。
 あいつにニブルヘイムを裏切らせて、カザハ君ごと俺達の味方にする」


この時間軸において、ガザーヴァはまだ大量殺戮にも大量破壊にも手を染めてない。
あいつが更地にする予定のアコライト外郭も、未だ健在なままだ。
それはガザーヴァが復活出来てないからだが、同時にもうひとつ理由がある。
――殺戮の指令を下す指揮官、魔王バロールの不在だ。

つまり現状のこいつは、なんとなく……『その場のノリ』でニブルヘイムに属しているに過ぎない。
自分で言ってて笑えてきた。これじゃまんまカザハ君だな。
そしてだからこそ、カザハ君と同じように――アルフヘイムの味方につける余地がある。

少なくとも帝龍は、ガザーヴァの力を一切あてにしていない。
これもまた、現時点のガザーヴァが完全にニブルヘイムに与していない証左だ。

「交渉は俺がやる。ガザーヴァを上手く引き込めれば、第一案もぐっとやりやすくなるはずだ。
 倒すことは出来なくても、痛打を与えてクリスタルを浪費させられる。
 なんなら潜伏系のスキル使って帝龍にダイレクトアタックくらい出来るかもな」

そこまで言って、俺はかぶりを振った。
この期に及んで俺はなに理屈屋ぶってんだ。


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