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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
21
:
明神
◆9EasXbvg42
:2019/10/07(月) 01:20:56
それで命懸けの世界に放り出されちゃんじゃたまったもんじゃねえけど。
しめじちゃんとか多分まだ義務教育も終わってねえだろうしな。
ただ、アルフヘイムでイマイチ魔法が流行らない理由と、俺達が魔法を覚えられるって理由には納得がいった。
「前置きは分かった。そのおじいちゃん直伝の超凄い魔法メソッドとやらは、一夜漬けで覚えられるもんなの?
俺夜明けにはアコライト行かなきゃだから、ちゃちゃっと攻撃魔法とか使いたいんだけど」
「難しいね。誰でも習得できるとは言ったけど、物覚えにはやっぱり個人の素質が絡む。
そして気を悪くしないで欲しい。私の見立てでは、君に天性を感じさせるような魔法の素質は……ない」
「やっぱ?」
まぁなんとなくそんな気はしてたよ。俺が中高生だったらショックで寝込んでるね。
流石にもういいトシだから、魔法の才能がないことに絶望したりはしねえけど。
バロールは微妙に気まずそうに俺を見る。なんだその目はよぉ!哀れんでんじゃねえぜ!!
「ただ、魔法の属性によっても得意不得意は顕著に表れるからね。
師の纏めた理論の要諦は教えるから、あとは君自身が得意分野を見つけて伸ばして行ってほしい。
現状、この短い期間で私に出来ることは、ここまでだ」
ワインを一気に飲み干すと、バロールは自分に解毒魔法をかけて席を立った。
仕事に戻ると――そう言いながら部屋を出るバロールは、最後に振り返って言った。
「戦力の大幅なジャンプアップとはならなくても、魔法は着実に君の助けになるはずだよ。
ただ忘れないで欲しいのは……君たちブレイブが最後に頼みを置くべきは、付け焼き刃の魔法やスキルじゃない。
これらは君たちの旅路を支える補助輪にはなっても、メインシャフトがガタガタでは意味がないんだ」
「……パートナー、か」
「そう。君たちは『異邦の魔物使い』だ。こればかりは、アルフヘイムの誰にも真似できない。
私たちには出来ない、君たちだから出来ること……それこそがこの世界を救うと、そう信じているよ」
それは、魔法の才能がない俺への、バロールなりの慰めだったのかもしれない。
あるいは、『自分達の劣化コピーになるな』という戒めの言葉なのかも。
ブレイブだから出来ること――その意味を、俺は多分まだ理解出来てない。
理解を、しなくちゃならない。
明日、アコライトで合流することになってる先輩ブレイブは、その答えを知ってるんだろうか。
バロールが辞した部屋で、俺は静かに目を閉じる。
暖炉の灯がまぶたを貫通して、いつまでも視界は明るいままだった。
◆ ◆ ◆
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