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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

209明神 ◆9EasXbvg42:2020/01/14(火) 03:04:17
爆煙と濃霧漂う戦場を、ジョンと二人駆ける。
マホたんのバフが効いているのか、息は切れなかった。
走りながらジョンと会話する余裕すらある。

>「明神・・・君もカザハがなにかおかしいと、気づいているんだね」

「ってことはジョン、お前もか」

マホたんは俺にだけカザハ君に関する嫌疑を語ったと言ってた。
こいつがカザハ君についてなにか勘付いてるのには、他に理由がある。
ジョンは端的に、昨夜カザハ君との会話で起きた出来事を話した。

>「カザハは自分を現地の魔物と称していた・・・その時は中二病の冗談だと思っていた、だが本当に中になにかいるんだな
 ・・・そしてカザハの中にいる悪意の正体を明神はしっているんだな?」

「……悪い。推定有罪の段階じゃ、まだおおっぴらには出来なかった」

ジョンは俺を責めているってわけじゃあるまい。
だけどカザハ君の疑惑を、俺は敢えて他の連中には伝えていなかった。
疑惑が杞憂に終わるなら、あれこれ悩むのは俺だけで良い……そう思ってた。
結局は言い訳に過ぎない。俺はこの期に及んで、カザハ君を疑い切ることが出来なかったってだけだ。

>「別に、どんな理由でしっているのか無理に言わなくてもいいし、無理に聞く気もない
 ヒュドラ戦であんな戦い方してしまったせいで、信用がないのはわかっているしな・・・」
>「だが、カザハの中にいる存在は異常だ、とてもじゃないがこの世にいていいレベルじゃない
 今のカザハの力を見れば力そのものも恐らく強大だ、今は落ち着いてはいるが、いつ暴走するかわからない」

歯切れの悪い俺とは対照的に、ジョンの出した結論はシンプルだ。
懐から抜き放ったナイフ。その切っ先がどこに向いているのか、もう疑う余地はない。

>「もし次・・・あの悪意を振り撒いたり・・・暴走したら・・・その時は俺がこれでカザハを終わらせる」

「待てよ。もう少しだけ、待ってくれ。一度はあの悪意に呑まれずに済んだ。あいつはまだ……戦ってるんだ」

>「説得が通用すると本気で思ってるのか?僕はそうは思わないな。あれは、あの悪意はそんなレベルじゃない」

「信じてやれとは言わねえよ。だけどなゆたちゃんの、リーダーの指示を思い出せ。
 俺達は誰も死なせずに、アコライトを守り抜く……そう決めただろ」

その中には言うまでもなくカザハ君も入ってる。
あいつの中身がどうであれ、殺すわけにはいかない――殺したくない。

ジョンの意思は本物だ。マホたんに向けたのと同じ、明確な殺意が伝わってくる。
こいつは昨日も、暫定ガザーヴァに乗っ取られかけたカザハ君の姿を見ている。
未だ踏み切れない俺よりもずっと、危機感と覚悟を持っていた。

>「大丈夫さ・・・人を殺すのはこれが始めてじゃない」

「……なんだと?」

モゴモゴと擁護の弁を呟く俺を尻目に、ジョンははっきりとそう言った。
人を殺した?こいつが?冗談だろ。なんぼ職業軍人ったって、こいつは自衛官だ。
少なくともジョンが入隊してから自衛隊で人死の出るような交戦はなかったはず。


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