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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

201崇月院なゆた ◆POYO/UwNZg:2020/01/06(月) 22:50:45

「抵抗はやめなさい、帝龍!
 もう戦いは終わりよ……あなたの頼みの綱、パートナーモンスターのロイヤルガードはもういない!
 大人しく降伏しなさい、そうすれば……わたしたちも同じ『異邦の魔物使い(ブレイブ)』として悪いようには――」

「それそれ、それアル。
 そこからして、もうスデに大勘違いの間抜け面ってヤツアルネ。
 このワタシが! いつ『パートナーモンスターはロイヤルガード』と言ったアル……?」

「……え……?
 ――――――――――――あっ!!」

なゆたは怪訝な表情を浮かべ、それからすぐに気が付いた。
そうだ。
帝龍はロイヤルガードを護衛として配置しており、自分の鍛え上げた特別製と言ってはいたが、パートナーとは言っていない。
そして――それを裏付けるように。
帝龍はエンバースとロイヤルガードの戦闘の最中、一度も指示をせずスペルカードも使用しなかった。
それどころか、帝龍はスマホを持つことさえしていない。
パートナーとの連携には、魔法の板――スマートフォンが必要不可欠。それは『異邦の魔物使い(ブレイブ)』の大前提だ。
だが、帝龍はロイヤルガードの戦いをただ眺めていただけである。
つまり――




『帝龍のパートナーモンスターは、別にいる』。




「くふふ! やっと気付いたアルか、この下民どもが!
 『進撃する破壊者(アポリオン・アヴァンツァーレ)』を封じればワタシに勝てると思ったアルカ?
 本陣にさえ乗り込んでしまえばこっちのものだと――? 見通しが甘すぎて笑い話にもならないアル!
 ワタシは最強無敵の『異邦の魔物使い(ブレイブ)』! 頂点に君臨する者には、それに相応しいパートナーが傅く……!
 ならば! 特別に見せてやるヨロシ、ワタシの最強のパートナーモンスターを!」

そう高らかに言い放つと、帝龍は仕立てのいいスーツの内ポケットからスマホを取り出した。
そして『召喚(サモン)』のボタンをタップする。
途端にゴゴゴゴ……と地面が振動を始める。大気が震え、空がにわかに掻き曇ってゆく。

《すごい魔力だ……! みんな! そっちは何が起こってるんだ!? ここからだと状況が把握できない!
 でも、君たちのいる場所を中心にとんでもない魔力が集まっているぞ!
 これは……準レイド? いや、レイド級……違う! そんなレベルじゃない、もっともっと上級の――》

全員のスマホにバロールから通信が入る。
アコライト外郭からでは、距離が離れすぎていてよく見えないらしい。
だが、本陣にいる全員にはよく理解できるだろう。
膚が粟立つ。鳥肌が立つ。動悸が激しくなり、暑くもないのに脂汗が出る。
肉体が、ここにいるのは危険だと警鐘を鳴らす。

「くふふふははははははは!! さあ――大地の懐深く、原霊の祭壇よりいでよ! 魔皇竜!!」

帝龍のスマホの液晶画面が激しく輝く。地属性を現す、茶色のオーラが迸って周囲を眩く照らす。
やがて帝龍となゆたたちの中央の地面に亀裂が走り、巨大なクレバスが出来上がる。
そこから、地の底で眠っていた神性がゆっくりと姿を現す――。

そう。

それは、尻尾までを含めた全長が200メートルはあろうかという、巨大なドラゴン。
高さは50メートルはくだらないだろう。暗褐色の鱗に全身を鎧っており、背に生えた翼は空を覆うほどの大きさを持つ。
長い三本の首はそれぞれ一本、二本、三本の角を持ち、覇者の威容を以て地上を睥睨している。
全身から嵐のような地属性の魔力を迸らせながら、『それ』は強靭な二本の後肢で束の間立ち上がり、天を睨むと、

『ギャゴオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!!!!』

と、耳をつんざく大音声で咆哮した。
巨竜の咆哮によって空気がビリビリと振動する。大地が震動する。
バロールの言った通り、これは既に準レイドとかレイドとか言った範疇を大きく逸脱している。

「くふふふふふふふ! 召喚――アジ・ダハーカ!!」

スペルカード『浮遊(レビテーション)』で巨竜の傍に浮かぶ帝龍が笑う。
魔皇竜アジ・ダハーカ。

ブレモン正式稼働一周年記念イベント【六芒星の魔神の饗宴】にて実装された、六体の超レイド級モンスターのうちの一体だった。


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