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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
199
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2020/01/06(月) 22:50:16
覚醒したカザハの『真空刃(エアリアルスラッシュ)』が、ロイヤルガードのカイトシールドを両断する。
恐るべき威力だ。もちろん通常の『真空刃(エアリアルスラッシュ)』にこんなバカげた威力はない。
ガザーヴァの力を使って増幅されたカザハの力が、元の術の威力を何倍も強化しているのである。
「何あれ……すごい……」
なゆたは瞠目した。ハルバードで吹き飛ばされたはずのカザハが、急に起き上がったかと思うと突然パワーアップしている。
シルヴェストルはそんなギミックのあるモンスターではないし、カザハがそういったスペルを持っていた記憶もない。
まったく理解不能な、唐突なレベルアップ。それに戸惑いを禁じ得ない。
《きゃははははははッ! いいね、いいねェ! もっともっとやっちゃってー!》
カザハの意識の中で、ガザーヴァが両手を叩いて無邪気に快哉を叫ぶ。
《そらそら、出し惜しみはナシだ! ボクの力をもっと使って戦ってよ! 愛と正義と友情のためにね……くくッ!》
>『烈風の加護《エアリアルエンチャント》』――対象拡大!
さらに、カザハはスペルカードの効果を拡大して全員にバフを付与した。
これもまた通常の『烈風の加護(エアリアルエンチャント)』にはない効果である。
なゆた、ポヨリン、エンバース、フラウ、カザハ、カケル。
六人分の風属性付与が発動し、パーティーは今までの不利から一転してロイヤルガードに優位を取る状況になった。
>さあ――勝負はここからだ!
《ホントホント! 勝負はここから、さぁー派手にいってみよぉー!》
カザハが凛然とした声で叫ぶと、ガザーヴァが心の中で相槌を打つ。
だが――カザハが使ったふたつのスペルカードはカザハ自身のものであっても、威力と範囲の向上はカザハのものではない。
カザハはあくまで、ガザーヴァの持つ幻魔将軍としてのパワーソースを借用しているだけである。
そして。
ガザーヴァは当然、単にボランティアや善意でカザハに力を貸しているわけではなかった。
カザハがスペルカードを切り、また何か行動を起こすたびに、カザハの身体の周りに黒い靄のようなものが浮かんでは消える。
それは、明らかに闇の力。風属性のカザハが本来持ち得ない、魔属性のエフェクトだった。
>カザハ君――!!
>明神・・・君もカザハがなにかおかしいと、気づいているんだね
魔法機関車の近くで、霧の維持のために後方待機しているはずだったふたりの声(CV:ユメミマホロ)が聞こえる。
なゆたはとっさに振り返った。
「あなたたち、もしかして明神さんとジョン!? どうしてここに……!」
マホロの姿をしているふたりを見て、なゆたは声をあげた。
作戦では、あくまで前線に出るのはなゆた、エンバース、カザハの三人だけだったはずである。
それが明神達まで来てしまっては、計画が台無しだ。
だが、自分がサブリーダーとして信用する明神が何の考えもなしに事前の作戦を変えてくるとは思えない。
彼らのいた後方で何かが起こったか、それとも自分たちの見えないものが、後方でこちらを見ていた彼らには見えてしまったのか――
「ポヨリンッ!」
『ぽよよよっ!!』
明神とジョンもまた、カザハの不自然な強化に気付いたのだろう。その視線は小柄なシルヴェストルに釘付けになっている。
その防御はガラ空きだ。すぐに、ワラワラと帝龍側の兵士たちが明神とジョンへ群がってくる。
なゆたは即座にポヨリンへ指示を飛ばし、ふたりの周囲の兵士を蹴散らしにかかった。
「何やってるの! 早くこっちへ!
……状況報告! どうしてここへ!? 魔法機関車で何かがあったの!?」
リーダーとしてサブリーダーに説明を求める。
明神から説明を受けると、なゆたは軽く唇を噛んでカザハを見遣った。
「普通、ブレモンではスペルやスキルを使うと、その属性に応じたエフェクトが出る……。
炎なら赤い光が、水なら蒼い輝きが――でも、今のカザハから出ているのは……」
黒い。
カザハのATBゲージが溜まり、彼が攻撃や回避、何らかのアクションを起こすたび、その身体から黒い光が迸る。
それはまるで、今までの自分を否定するような。
自分の本来の姿はこちらなのだと、そう叫んでいるような――。
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