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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

198embers ◆5WH73DXszU:2019/12/21(土) 08:31:40
【トライアル・マッチ(Ⅵ)】

躍動する甲冑/暴風を奏でる斧槍――焼死体の朱槍がそれをいなす。
斧刃の入射角は最小限/それでも、衝撃を完全に受け流せなかった。
燃え落ちた肉体は軽い/体勢が大きく崩れる――負の連鎖が始まる。
敵の守りは脆い/体勢は崩れている――火を見るより明らかな好機。

左の袈裟斬り/朱槍を支えに側転宙返りを打ち、回避。
右から迫る薙ぎ払い――足捌きでは避け切れない/深く身を屈める。
幹竹割り――どう足掻いても避けられない/朱槍を頭上に掲げ/柄で受け流す。
鉄心入りの朱槍が歪む/再び振り上がる斧刃/焼死体は地を蹴り――ロイヤルガードの懐へ。
【シールドバッシュ】はもう使えない――触腕から愛剣を受け取り/脚部装甲を切りつけ/そのまま離脱。

風属性の加護を受けた刃は、分厚い金属装甲を、容易く切り裂いていた。

「……その傷は、致命傷だ。槍を引いて、マスターに助けを求めろ」

斧刃を躱しざま、下段の斬撃を放った焼死体の姿勢は、片膝を突く形。
背を向け、跪いたまま紡ぐ警告/ロイヤルガードは応じない。
開いた間合いを詰め直し、斧槍を振り被る。

「やめておけ。今日はこれくらいで勘弁してやるって、言っているんだ」

ロイヤルガードは、聞く耳を持たない――斧刃が、振り下ろされた。
だが、それが焼死体に届く直前――ロイヤルガードの動きが止まる。
甲冑の内側から歪んだ面頬を貫き――白い触腕が、飛び出していた。

膝を突いたまま立ち上がらなかったのは、フラウを地中から、先に刻んだ裂傷へ通す為。

「だから言っただろう、致命傷だってな……だが、マジにとどめは刺すなよ、フラウ」

言われるまでもない、と言いたげに響く金属音。
甲冑が内側から関節を破壊され、分解される音。

「さて……邪魔者はいなくなったな。それで、さっきの話の続きなんだが――」

焼死体が立ち上がる/煌帝龍を振り返る。

「――俺の記憶が正しければ、世界王者はあのミハエルとかいう奴なんだろ?
 お前、あいつに負けたんだよな?なのに――なんで、そんな偉そうなんだ?」

挑発ではない/素朴な疑問を吐露する声色。

「まぁ……一応、代表選手だったのは覚えてるから、相手はしてやるけどさ。
 あんまり、強い言葉を使わない方がいいと思うぜ――弱く、見えるからな」

続く忠告――こちらは、言うまでもなく挑発だった。


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