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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

182明神 ◆9EasXbvg42:2019/12/09(月) 01:10:12
>「明神さん……またあとでね! ジョン君、明神さんを守ってあげて。
 ……ほら、《ラビリンスミスト》が切れたらみんな困るからさ!」

「お前も。気をつけろよ……伝令が真っ先にやられたら部隊はガタガタだ」

俺達は心にもない『合理的な』理由をつけて、お互いを慮った。
ウソじゃない。カザハ君がいなくなるのは……困る。

>「あたしたちも出るよ、みんな!
 300人ユメミマホロの押しかけゲリラライヴin帝龍、スタート!」

「うおおおおおお!!!セットリストは頭に入ってんな野郎共!
 今日の俺達は観客席でミックス打ってるオタクじゃない!
 300人からなる大合唱!裏声による輪唱――インバーテッド・カノンだ!」

無数のマホたんが次々に列車から飛び出し、帝龍本陣はかつてない混乱に見舞われた。
トカゲやヒュドラは出てこない。300人の誰がマホたんか分からないからだ。
代わりに出てきた人間の帝龍兵は、アコライトで歴戦を重ねたオタク殿たちの敵じゃない。

>「さあ――派手に始めちゃおう!
 あたしの歌……あたしの想い! 大切なみんなへ届けるよ!」

爆音でかかり始めた『ぐーっと☆グッドスマイル』のイントロをBGMに、
帝龍兵と300人のマホたんが激突する。剣戟の音を合いの手に、戦乙女の美声が響き渡る。
ユメミマホロの歌声は、血煙漂う戦場を綺羅びやかなライブ会場へと変えた。

「ハイ!ハイ!ハイハイハイハイ!フゥーワッフゥーワッ!!」

『迷霧』がいい感じにライブミストみたいになって幻想的な空間を演出する。
『信仰の歌』によって強化された防御力は、飛んでくる矢や魔法にカスダメすら発生させない。

「部長は出すなよジョン。召喚すれば一発でブレイブだってバレちまうからな。
 徒手空拳以外の攻撃もなるたけ避けたほうが良い。やるなら掌底だけぶちかませ。
 ちまちま削りながら強襲部隊が戦果を上げるのを、ここで待つ」

ジョン(マホたんスキン)と最低限の言葉を交わしながら、俺達は戦場を逃げ回る。
敵兵に追われればダッシュで退避し、その辺で歌ってるオタク殿にタゲをこする。

隣のフィジカルエリートはともかく俺には攻撃手段がない。
現状ヤマシタは召喚できないし、迷霧以外のスペルを発動するわけにもいかない。

「なゆたちゃん達の方はどうなってる。ちゃんと帝龍の元に辿り着けたのか?」

強襲部隊はとっくに霧の向こうで、こちらからは何も観測出来ない。
何かあればカザハ君がすっ飛んで来るはずだが、頼りがないのは元気な証拠ってことか?
その時、視界の端にウインドウめいた新たなホログラムが展開した。
映っているのは、霧中を駆けるなゆたちゃん達の姿。

『はっはっはーっ!こんなこともあろうかと!映像中継も実装済みさ!
 希望なら私の気合入った実況解説も添えるけど……聞きたいかい?』

スマホからバロールの呑気な声が響いた。

「要らないですぅ……どっからカメラ回してんだエロ魔王、いつから仕込んでやがった?」

『おっと!冤罪はよしてくれ、五穀豊穣君の私を見る目がますます冷たくなってしまう!
 これでもコンプライアンス意識は高いつもりだよ、プライバシーには配慮している』


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