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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章

163崇月院なゆた ◆POYO/UwNZg:2019/11/29(金) 21:50:19
なおも帝龍本陣へと突き進む魔法機関車だったが、軌条問題は解決したものの何れにせよ長くは持ちそうになかった。
二度の横殴りの攻撃に、車軸は歪み車輪もいくつか外れてしまった。走りながらも、客車がギシギシと嫌な音を立てる。

《もうすぐ本陣や! 突っ込むで、みんな耐衝撃体勢! 急ぎぃ!》

「は、はいっ!」

前方に巨大な天幕と防護柵、駐屯している敵兵士たちの姿が見える。
みのりが鋭い声で注意を促す。なゆたは頭を押さえて蹲った。
マホロや兵士たちも手近なものに掴まったり、床に身を屈めたりして衝撃に備える。

ガガガガガガガガガガガガガガガガッ!!!

最終的に魔法機関車は完全に横倒しになり、地面に不時着して百メートル近く巨大な溝を刻みながら止まった。
同時に先頭車両の機関部が黒煙を上げる。完全に故障してしまったらしい。

『し……終点、帝龍本陣……帝龍本陣でございまス……』

「いたた……。みんな、大丈夫……?」

ひっくり返ったボノのアナウンスを聞きながら、全員の安否を確認する。
マホロや兵士たちは無傷だ。それから『異邦の魔物使い(ブレイブ)』たちの様子を確かめ終わると、なゆたは立ち上がった。

「よし! みんな、行くわよ! 手筈通りに――!
 カザハ! エンバース! 帝龍を探しに行こう!」

「あたしたちも出るよ、みんな!
 300人ユメミマホロの押しかけゲリラライヴin帝龍、スタート!」

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」

最初に客車からマホロに変身したなゆた、カザハ、エンバースが出、それから本物のマホロと兵士たちが出る。
魔法機関車が突然本陣に突っ込んできたあげく、中から大量のユメミマホロがワラワラ現れ、帝龍本陣は当然のように混乱した。

「なっ、何事アル!?」

本陣の奥にある天幕の中で、帝龍が叫ぶ。

「申し上げます! ユメミマホロが現れました! その数、多数!」

「おまえは何を言っているアル!? そんなバカな話――ぬおおおおおおお!?」

監視カメラのようなものでもあるのか、天幕内の様子をスマホでチェックした途端、帝龍は驚愕に目を見開いた。
ユメミマホロが攻めてきた。それもたくさん。
その数は200人は下るまい。そのキャラクター造型の隅々まで知悉している帝龍から見ても、全員本物のユメミマホロだ。

「って、そんなワケがあるかアル! 幻術か何かに決まっているアル!」

「ドゥーム・リザードとヒュドラを解放し戦わせますか?」

「待つアル! この中に本物のマホロがいるとしたら、迂闊に手は出せないアル……!
 モンスターは出さないアル、兵士どもで対応しろアル!」

「はっ!」

本陣を守備しているニヴルヘイム側の兵士たちが、ワラワラと散開してゆく。
帝龍本陣を防衛している兵士たちは100人程度。こればかりはアコライト外郭守備隊の方が多い。

「くそッ! アルフヘイムの連中、こんな策で!」

帝龍は歯噛みした。
そして――戦場と化した帝龍本陣の中に、弾むような疾走感のあるイントロが爆音で流れ始めた。
ユメミマホロの代表曲、『ぐーっと☆グッドスマイル』だ。

「さあ――派手に始めちゃおう!
 あたしの歌……あたしの想い! 大切なみんなへ届けるよ!」

守備隊兵士たちの中に紛れながら、本物のマホロが歌い始める。
魔術に堪能な兵士の『拡声(ラウドヴォイス)』『音響(サラウンドアクション)』の魔法により、陣地の隅々まで歌声が届く。
なぜか七色のレーザービームが飛び交ったり、白煙が噴き上がったりしているが、これも兵士たちの仕業だろうか。
同時に、『異邦の魔物使い(ブレイブ)』と兵士たちの身体が淡く輝く。
自身を除く味方全員のDEFを大きく上昇させるマホロのスキル、『信仰の歌(クレド)』だ。
この戦場でマホロの歌を聴いている限り効果が持続するという優れものである。


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