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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
160
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2019/11/29(金) 21:35:50
だが、明神の快進撃は長くは続かなかった。
必殺の呪霊弾は音ばかりは派手だったが、ヒュドラには掠り傷さえ与えられずに消滅してしまった。
>駄目じゃねえかクソ魔王〜〜〜〜〜っ!!
「だめかぁ〜……」
>『影縫い(シャドウバインド)』――!
>あっ……あっ、これ、無理!無理無理無理!あっ、あーーーっ!!!
さらに明神は名誉挽回とばかりに『影縫い(シャドウバインド)』を発動したが、これも不発に終わった。
魔法とは、言うほど便利なものでもないらしい。
いくら日本人の識字率が高いとは言っても、ハウツー本を読んだだけで大魔導師になれるなら苦労はしないのである。
ただ、どんなショボくれた結果でも『撃てる』ということは大事だ。あとは、純粋に練度を上げてゆけばいいのだから。
地球でもアルフヘイムでも、大事なのは反復練習であろう。
>ムキムキだよ……バロールも……カザハ君も
《はっはっは! いやいや、そう卑下したものでもないよ明神君!
次回は『影縫い(シャドウバインド)』に『負荷軽減(ロードリダクション)』の魔法を併用してみるといい。
今後の課題としておきたまえ!》
スマホ越しにバロールが明神を褒める。
バフォメットはバカ筋肉なので、今の明神のように『影縫い(シャドウバインド)』の負荷を筋力で押さえ込んでいた。
しかし、普通の魔術師はその辺りをいろいろ工夫しているらしい。
カザハは――きっと風属性の加護があるのだろう。たぶん。
今の魔法で早くも力を使い果たしてしまったらしい明神が、機関車の屋根に蹲る。
そして、ヒュドラが動かなくなった敵を放っておくはずがなかった。
「くっ! ポヨリン、明神さんを……」
>!!!!ああ!くそ!!!カザハアアアアア
ヒュドラの首が明神に迫る。なゆたはポヨリンに指示を出そうとした。
しかし、そんななゆたよりずっと早く、明神を助けるべくジョンが駆け出している。
明神に駆け寄ったジョンは持ち前の筋力で軽々と明神の身体を担ぎ上げると、空を舞っているカザハへと放り投げた。
渾身の投擲によって明神はヒュドラの攻撃対象から外れたが、それは代わりにジョンがヒュドラの攻撃対象となったことを意味する。
>明神をたの――――
明神を救うことに全精力を費やしたジョンに、自らを守る手段はない。
ヒュドラの首が死神の大鎌よろしくジョンと部長を薙ぐ。
まるで自動車事故防止の啓発ビデオで吹っ飛ぶダミー人形よろしく、ジョンと部長は吹き飛ばされた。
「ジョ――――ンッ!」
ジョンと部長はそのままヒュドラの首に手繰り寄せられ、列車外へと落ちていった。
すぐに、なゆたは屋根の縁ギリギリで身を乗り出し、下方のジョンを確認した。
幸い死んではいないようだが、そのダメージは甚大だ。血まみれのその様子から、骨折や内臓破裂もしているかもしれない。
すぐに、なゆたはスマホのスペルカード一覧をタップした。『高回復(ハイヒーリング)』を選択する。
しかしジョンはふらふらと立ち上がると、何を思ったのか巨大なヒュドラ対峙した。
「ジョン! 無理しないで、逃げて! 今『高回復(ハイヒーリング)』を――」
>雷刀(光)!プレイ!
驚いたことに、ジョンは満身創痍の状態でヒュドラと戦おうとしているらしい。しかも、自分自身が。
部長は動いていない。エンバースやカザハのようなモンスターならともかく、ジョンは生粋の人間だ。
いくら鍛えているとはいえ、巨大なモンスターに勝てるはずがない。
それは、ガンダラやリバティウムの戦いを経てなゆたが実感した経験である。
自殺行為だ――なゆたはそう思った、が。
「……!?」
なゆたは目を瞠った。
雷霆で作った剣を構え、ヒュドラと対峙するジョンの身体に、紅色の何かが渦を巻いて纏わりついてゆく。
最初は血煙かと思った。しかし、違う。
それは闘気のような、殺気のような。
あるいは、ジョンの中で日頃は静かになりを潜めている何か――
そう。狂気の、ような。
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