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【TRPG】ブレイブ&モンスターズ!第五章
159
:
崇月院なゆた
◆POYO/UwNZg
:2019/11/29(金) 21:24:21
魔法機関車の屋根にのぼったなゆたは、同じく屋根にやってきた明神、ジョンと轡を並べてヒュドラと対峙した。
明神とヤマシタ、ジョンと部長、なゆたとポヨリン。それぞれのマスターとモンスターが、同じ方向を見据える。
そんな様子に、緊迫した状況だというのになゆたは小さく微笑んだ。
そして、隣にいる明神の脇腹を肘で軽くつつく。
「ね、明神さん。
お互いに鎬を削るPvPっていうのも、もちろん面白いけど……。
やっぱり。みんなで一緒に強い敵をやっつける、レイド戦が一番面白いね!」
対人のランクマッチはブレモンの華だ。それは間違いないし、他ならぬ自分もランカーとして名を馳せている。
だが、それよりも。やっぱり全員が同じものを見て、同じ目的のために邁進する戦いが、なゆたは好きだった。
つい先日、王都で熾烈な戦いを経て。絆を深めたから、尚更そう思う。
だからこそ――誰も死なせたくない。この戦いは、必ず全員で成し遂げなければならない。
……とはいえ。
「ポヨリン! 『スパイラル頭突き』!」
『ぽよっ! ぽよよぉ〜っ!!』
なゆたの命令によってポヨリンが勢いをつけてジャンプし、高速回転しながらヒュドラに突っ込んでゆく。
ボムッ! という音が響き、ヒュドラの多頭のひとつに弾丸と化したポヨリンが激突する。
が、軽い。ヒュドラは衝撃に一瞬怯んだ様子を見せたが、すぐにポヨリンめがけて大顎を開き反撃をしてきた。
持ち前のすばしっこさで、ポヨリンはぴょんぴょん跳ねながら巧みにその攻撃を避けてゆく。
――やっぱりきついか……!
なゆたは胸中で臍を噛んだ。
ブレモンは属性ゲーである。属性で優位を取れば、レベルやレアリティの低いモンスターでも高レアに勝てる。
逆に、不利属性が優位属性に対して攻めきる方法は極めて少ない。まだ互いに無関係な属性同士の方がいい勝負ができる。
ゲームの中のそんな設定が、この現実のアルフヘイムでも適用されている。
帝龍の軍団はその大半が地属性だ。なゆたの水デッキ、ポヨリンの水属性では帝龍のモンスターに致命打を与えられない。
>エンバースとなゆはなるべく戦闘を控えてくれ!なるべく俺達がやる!
「……ゴメン、ここは任せるね……! 気を付けて、ジョン!」
ジョンの提案に、なゆたは素早く後方車両の屋根に退く。
ただでさえ不利な属性相手だ。今は余計な消耗は避けたい。
なゆたの攻撃が決め手に欠く中、仲間たちは着々と戦いを進めてゆく。
>ヤマシタ……『鷹の目』、『狙い撃ち』!
>カケル、『カマイタチ』!
カザハとヤマシタを乗せたカケルが、その名の通り天を駆ける。
ポヨリンでは僅かなダメージしか与えられなかったが、カケルの風属性とヤマシタの矢はヒュドラには効果覿面である。
弱点である多頭の付け根、胴体にある中枢を撃破され、三体のうち一体が活動を停止する。
>ゲームみたいに表示でるの・・・!?ってそんな事気にしてる場合じゃないね!二人ともナイス!
「出る出る」
他にも『Stun!』とか『Overkill!』とかいろいろ出る。
明神のターンは終わらない。さらに、残った二体のヒュドラへ『異邦の魔物使い(ブレイブ)』自ら攻撃を試みる。
>喰らえ必殺のぉぉぉぉーーーっ!『呪霊弾(カースバレット)』!!
「明神さん、いつの間に魔法なんて……! すごい!」
明神が魔法を使っている。これにはさすがのなゆたも度肝を抜かれた。
しかし、自分だって内緒で『煌めく月光の麗人(イクリップスビューティー)』のスキルを習得していたのだ。
明神がこれからの戦いに備え、何らかの戦術を構築していたとしても何ら不思議ではない。
――あの『うんちぶりぶり大明神』が魔法を使って世界を救ってるとか。
スレのみんなに言ったって、ぜったい信じてもらえそうにないね……。
妙なところで感慨深くなるなゆただった。
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